JP2013146794A - ロボット制御装置、ロボットシステム及びロボット制御方法 - Google Patents

ロボット制御装置、ロボットシステム及びロボット制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 力の方向に対して補正値が非対称なインピーダンス制御を行うロボット制御装置、ロボットシステム及びロボット制御方法等の提供。
【解決手段】 ロボット制御装置では、力覚センサー10から取得される検出センサー値に基づいて、ロボット100の目標軌道の補正値を出力する力制御部20と、目標軌道に対して補正値に基づく補正処理を行って目標値を求め、求めた目標値を出力する目標値出力部60と、目標値に基づいて、ロボット100のフィードバック制御を行うロボット制御部80と、を含む。そして、力制御部20は、検出センサー値により表される外力の方向が第1の方向である場合には、第1の力制御を行い、外力の方向が第1の方向と反対方向である第2の方向である場合には、第1の力制御とは異なる第2の力制御を行う。
【選択図】 図13

Description

本発明は、ロボット制御装置、ロボットシステム及びロボット制御方法等に関係する。
マニピュレーター等のロボットを用いて行う作業において、種々の拘束条件、例えば物体との接触を伴う作業がある。このような場合においては、位置の制御に加えて、力の制御が要求される場合が多い。例えば、物体の表面をなぞる場合、1つの物体を他の物体に嵌め合わせる場合、柔軟物を破壊しないように把持する場合などにおいては、単なる位置の制御に加えて、物体からの反力に対応した動きが必要となる。
ロボットにおいて力制御を行う代表的な手法としては、インピーダンス制御と呼ばれる手法がある。インピーダンス制御とは、ロボットを、その実際の質量や粘性特性や弾性特性に関わらず、あたかも作業に適したそれらの値を持つかのように動作させる制御手法である。これは、ロボットに取り付けられた力覚センサーなどから得られる力情報に基づいて運動方程式を解き、ロボットをその解に従って動作させる制御手法である。この運動方程式を適切に設定することにより、マニピュレーター等のロボットを、あたかも所定の質量、粘性、弾性を持っているかのごとく動作させることが可能になる。
なお、インピーダンス制御においては、ロボット等に所望の特性(質量・粘性特性・弾性特性)を持つかのように振る舞わせるために、当該特性に対応する係数パラメーターを用いた常微分方程式(2階の線形常微分方程式である運動方程式)を解く必要がある。常微分方程式を解く手法は種々知られているが、Runge−Kutta法やNewton法等が用いられる。
このようなインピーダンス制御や力制御に関する従来技術としては、特許文献1に開示される技術が知られている。
特開平10−128685号公報
上述したインピーダンス制御における常微分方程式は線形であるため、このようなインピーダンス制御は力(外力)の方向(向き)に対して対称な特性を持つことになる。
しかし、人間が作業を行う際には、外力の方向に対して変位が非対称となるように力を制御する場合がままある。例えば、何らかの引き込み機構を持った装置に物体を挿入する場合には、装置からの反発力に対しては、それに抵抗するように力を加えるが、一旦、引き込み機構が作動し、引き込み力に切り替われば、それに倣って動く、つまり「柔らかい」特性を持つようになる。したがって、ロボットが人間と同じような作業を行う際には、このような非対称なインピーダンス制御が必要となる。
ここで、特許文献1では、力制御における運動方程式のコンプライアンス項(弾性項)を、仮想変位に対して非線形な関数とすることにより、非線形性を持たせる手法が開示されている。特許文献1の明細書中では明示的に記載されていないが、上記の非線形なコンプライアンス項には非対称なコンプライアンス項も含まれるものと考えることができ、これにより非対称なインピーダンス制御が実現できるものと考えることもできる。
しかし、この手法は、位置(変位)に対する非対称性であり、上記に説明したような力の方向に対する変位(補正値)の非対称性ではない。つまり、特許文献1において開示される手法では、力の方向に対して変位が非対称なインピーダンス制御を実現することができない。
本発明の幾つかの態様によれば、力の方向に対して補正値が非対称なインピーダンス制御を行うロボット制御装置、ロボットシステム及びロボット制御方法等を提供することができる。
本発明の一態様は、力覚センサーから取得される検出センサー値に基づいて、ロボットの目標軌道の補正値を出力する力制御部と、前記目標軌道に対して前記補正値に基づく補正処理を行って目標値を求め、求めた前記目標値を出力する目標値出力部と、前記目標値に基づいて、前記ロボットのフィードバック制御を行うロボット制御部と、を含み、前記力制御部は、前記検出センサー値により表される外力の方向が第1の方向である場合には、第1の力制御を行い、前記外力の方向が前記第1の方向と反対方向である第2の方向である場合には、前記第1の力制御とは異なる第2の力制御を行うロボット制御装置に関係する。
これにより、外力の方向に対して変位の変化量が非対称となるインピーダンス制御を行うことが可能となる。
また、本発明の一態様では、前記力制御部は、前記外力の方向が前記第1の方向である場合には、外力に対する変位変化量が第1の変位変化量となる力制御を、前記第1の力制御として行い、前記外力の方向が前記第2の方向である場合には、外力に対する前記変位変化量が前記第1の変位変化量とは異なる第2の変位変化量となる力制御を、前記第2の力制御として行ってもよい。
これにより、例えば第1の方向への外力を検出した場合には、変位変化量が大きくなるような力制御を行い、第2の方向への外力を検出した場合には、変位変化量が小さくなるような力制御を行うこと等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記力制御部は、前記外力の方向が前記第1の方向である場合には、前記第1の変位変化量に対応する第1の補正値を出力する前記第1の力制御を行い、前記外力の方向が前記第2の方向である場合には、前記第2の変位変化量に対応する第2の補正値を出力する前記第2の力制御を行ってもよい。
これにより、外力の方向に応じて異なる補正値を出力すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記力制御部は、前記検出センサー値により表される前記外力の方向を判定する外力方向判定部を含んでもよい。
これにより、外力の方向を判定すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記力制御部は、力制御における制御パラメーターセットを複数記憶する制御パラメーター記憶部と、前記制御パラメーター記憶部に記憶された前記制御パラメーターセットの中から、使用する前記制御パラメーターセットの選択処理を行う制御パラメーター選択部と、を有し、前記力制御部は、前記検出センサー値により表される前記外力の方向が前記第1の方向である場合には、第1の制御パラメーターセットを選択する前記選択処理を行い、前記外力の方向が前記第2の方向である場合には、第2の制御パラメーターセットを選択する前記選択処理を行い、選択した前記制御パラメーターセットを用いて、力制御における常微分方程式の解を前記補正値として求め、前記補正値を出力してもよい。
これにより、インピーダンス制御に用いる制御パラメーターセットを切り替えることで、非線形インピーダンス制御を実現すること等が可能となる。
また、本発明の一態様では、前記力制御部は、前記第1の制御パラメーターセットを用いて力制御を行っている時に、所定の制御パラメーター変更指示があったと判断された場合に、使用する前記制御パラメーターセットを前記第1の制御パラメーターセットから前記第2の制御パラメーターセットへと変更する変更処理を行ってもよい。
これにより、所定の制御パラメーター変更指示があった場合に、使用する制御パラメーターセットを変更すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記力制御部は、前記第2の制御パラメーターセットを用いて力制御を行っている場合には、前記第1の方向への外力の大きさが第1の閾値を超えたと判断した時に、使用する前記制御パラメーターセットを前記第1の制御パラメーターセットに変更する前記変更処理を行い、前記第1の制御パラメーターセットを用いて力制御を行っている場合には、前記第2の方向への外力の大きさが第2の閾値を超えたと判断した時に、使用する前記制御パラメーターセットを前記第2の制御パラメーターセットに変更する前記変更処理を行ってもよい。
これにより、制御パラメーターセットの変更制御にヒステリシス特性を与えることができ、使用する制御パラメーターセットの変更が頻繁に起こることを回避すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記力制御部は、前記検出センサー値により表される外力の方向が前記第2の方向である場合には、前記第1の力制御を行って求めた第1の補正値と、前記第2の力制御を行って求めた第2の補正値とに対して重み付け処理を行って、第3の補正値を求め、求めた前記第3の補正値を出力してもよい。
これにより、複数のデジタルフィルターのパラメーターを用いて、デジタルフィルター処理を行った時の出力値を求め、各出力値の重み付け加算を行うことにより補正値を求めて、非対称インピーダンス制御を実現すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記力制御部は、力制御における常微分方程式の解を前記補正値として求めるデジタルフィルター部を有してもよい。
これにより、常微分方程式の解を求めるという力制御において必要な処理を、デジタルフィルターを用いて行うことが可能になるため、ハードウェアー化を容易にすること等が可能となる。
また、本発明の一態様では、前記力制御部は、前記補正値を求める前記デジタルフィルター部の動作の安定度を判定し、前記デジタルフィルター部の前記動作が安定であると判定された場合に、力制御における前記常微分方程式の解を前記補正値として求めてもよい。
これにより、デジタルフィルターの安定性を判定すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記常微分方程式は、仮想質量項、仮想粘性項及び仮想弾性項を係数パラメーターとする運動方程式であってもよい。
これにより、運動方程式の解を求めること等が可能になる。
また、本発明の他の態様は、前記ロボット制御装置と、前記目標値出力部から取得される前記目標値に基づいて、各部を動作させる前記ロボットと、を含むロボットシステムに関係する。
これにより、ロボット制御装置にとどまらず、本実施形態の処理を実行するロボットシステムを実現すること等が可能になる。
また、本発明の他の態様は、力覚センサーから取得される検出センサー値に基づいて、ロボットの目標軌道の補正値として、力制御における常微分方程式の解を求め、前記検出センサー値により表される外力の方向が第1の方向である場合には、第1の力制御を行い、前記外力の方向が前記第1の方向と反対方向である第2の方向である場合には、前記第1の力制御と異なる第2の力制御を行い、前記目標軌道に対して前記補正値に基づく補正処理を行って目標値を求め、求めた前記目標値を出力し、前記目標値に基づいて、前記ロボットのフィードバック制御を行うことを特徴とするロボット制御方法に関係する。
また、本発明の他の態様では、前記外力の方向が前記第1の方向である場合には、外力に対する変位変化量が第1の変位変化量となる力制御を、前記第1の力制御として行い、前記外力の方向が前記第2の方向である場合には、外力に対する前記変位変化量が前記第1の変位変化量とは異なる第2の変位変化量となる力制御を、前記第2の力制御として行うことを特徴とするロボット制御方法に関係する。
また、本発明の他の態様は、力覚センサーを有するロボットの制御を行うロボット制御方法であって、前記力覚センサーに加えられた外力の方向に応じて、前記ロボットの変位の大きさが異なる力制御を行うことを特徴とするロボット制御方法に関係する。
また、本発明の他の態様は、力覚センサーを有するロボットの制御を行うロボット制御方法であって、前記力覚センサーに第1の外力が加えられた場合の前記ロボットの変位の大きさと、前記力覚センサーに前記第1の外力と同じ大きさであって反対の方向の力である第2の外力が加えられた場合の前記ロボットの変位の大きさとが異なる力制御を行うことを特徴とするロボット制御方法に関係する。
ロボット制御装置及びロボットシステムの基本構成例。 図2(A)、図2(B)は、ロボットシステムの一例。 図3(A)〜図3(C)は、力制御についての説明図。 図4(A)、図4(B)は、コンプライアンス制御についての説明図。 図5(A)、図5(B)は、インピーダンス制御についての説明図。 図6(A)〜図6(C)は、非対称インピーダンス制御が必要となる事例の説明図。 図7(A)〜図7(D)は、各力制御における外力と変位の関係の説明図。 力覚フィードバックを含まない制御系の基本構成例。 力覚フィードバックを含む制御系の基本構成例。 運動方程式の解を求める際のデジタルフィルターの基本形。 図11(A)〜図11(C)は、系の安定性判定手法の説明図。 デジタルフィルターを用いたロボット制御装置及びロボットシステムの基本構成例。 第1の実施形態の詳細なシステム構成例。 第1の実施形態のインピーダンスデジタルフィルター処理を説明するフローチャート。 図15(A)〜図15(E)は、非対称インピーダンス制御の各動作ステップを説明する具体例。 正弦波外力に対する対称インピーダンス制御の応答例。 正弦波外力に対する非対称インピーダンス制御の応答例。 2つのインピーダンス処理出力の重み付け加算の例。 第2の実施形態の詳細なシステム構成例。 第2の実施形態のインピーダンスデジタルフィルター処理を説明するフローチャート。 制御パラメーターの変更処理の説明図。 図22(A)、図22(B)は、目標軌道、補正値、目標値を求める具体的なシステム構成例。
以下、本実施形態について説明する。まず、本実施形態の概要を説明する。次に、第1の実施形態と第2の実施形態について、それぞれシステム構成例と詳細な処理について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.概要
1.1 基本構成
本実施形態のロボット制御装置(マニピュレーター制御装置)及びこれを含むロボットシステムの構成例を図1に示す。なお、本実施形態のロボット制御装置、ロボットシステムは図1の構成には限定されず、その一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したりするなどの種々の変形実施が可能である。
本実施形態のロボット制御装置は、力制御部20、目標値出力部60、ロボット制御部80を含む。また本実施形態のロボットシステムは、このロボット制御装置と、ロボット100(力覚センサー10)により構成される。
目標値出力部60は、ロボット(狭義にはマニピュレーター)のフィードバック制御の目標値を出力する。この目標値に基づいてロボット100のフィードバック制御が実現される。多関節ロボット等を例に取れば、この目標値は、ロボットの関節角情報などである。ロボットの関節角情報は、例えばロボットのアームのリンク機構における各関節の角度(ジョイント軸とジョイント軸のなす角度)を表す情報である。
目標値出力部60は、軌道生成部62とインバースキネマティクス処理部64を含むことができる。軌道生成部62は、ロボットの軌道情報を出力する。軌道情報は、ロボットのエンドエフェクター部(エンドポイント)の位置情報(x,y,z)と、各座標軸回りでの回転角度情報(u,v,w)を含むことができる。インバースキネマティクス処理部64は、軌道生成部62からの軌道情報に基づいてインバースキネマティクス処理を行い、例えばロボットの関節角情報を目標値として出力する。インバースキネマティクス処理は、関節を有するロボットの動きを計算する処理であり、ロボットのエンドエフェクター部の位置姿勢などから関節角情報等を逆運動学により計算する処理である。
力制御部20(狭義にはインピーダンス制御部)は、力覚センサー10からのセンサー情報に基づいて力制御(力覚制御)を行って、目標値の補正値を出力する。更に具体的には、力制御部20(インピーダンス制御部)は、力覚センサー10からのセンサー情報(力情報、モーメント情報)に基づいてインピーダンス制御(或いはコンプライアンス制御)を行う。力制御は、例えば、従来の位置制御に対して、力のフィードバックが加わった制御である。インピーダンス制御は、外力に対するエンドエフェクター部(手先)の変位の生じやすさ(機械インピーダンス)を、制御により望ましい状態にする手法である。具体的には、ロボットのエンドエフェクター部に質量と粘性係数と弾性要素が接続されるモデルにおいて、目標として設定した質量と粘性係数と弾性係数で物体に接触するようにする制御である。また力覚センサー10は、ロボット100が出している力に対する反力として受けている力や、モーメントを検出するセンサーである。この力覚センサー10は、通常、ロボット100のアームの手首部分に取り付けられ、検出された力やモーメントは、センサー情報として、各種の力制御(インピーダンス制御)に用いられる。
ロボット制御部80は、目標値出力部60から得られる目標値に基づいて、ロボット100のフィードバック制御を行う。具体的には、力制御部20からの補正値に基づく補正処理の結果出力された目標値に基づいて、ロボット100のフィードバック制御を行う。例えば目標値と、ロボット100からのフィードバック信号に基づいて、ロボット100のフィードバック制御を行う。例えばロボット制御部80は、複数の駆動制御部82―1〜82―N(狭義にはモーター制御部)を含み、ロボット100が有する駆動部102―1〜102―Nに対して、その制御信号を出力する。ここで駆動部102―1〜102―Nは、ロボット100の各関節を動かすための駆動機構であり、例えばモーター等により実現される。
ここで、図2(A)に本実施形態のロボット制御装置を含むロボットシステムの例を示す。このロボットシステムは、制御装置300(情報処理装置)とロボット310(図1のロボット100)とを含む。制御装置300はロボット310の制御処理を行う。具体的には、動作シーケンス情報(シナリオ情報)に基づいてロボット310を動作させる制御を行う。ロボット310は、アーム320及びハンド(把持部)330を有する。そして、制御装置300からの動作指示にしたがって動作する。例えば、図示しないパレットに載せられたワークを把持したり、移動したりするなどの動作を行う。また、図示しない撮像装置で取得された撮像画像情報に基づいて、ロボットの姿勢やワークの位置などの情報が検出され、検出された情報が制御装置300に送られる。
本実施形態のロボット制御装置は、例えば図2(A)の制御装置300に設けられ、制御装置300のハードウェアーやプログラムによりロボット制御装置が実現される。そして、本実施形態のロボット制御装置によれば、制御装置300などの制御ハードウェアーに対する性能要求を低減できると共に、ロボット310を高い応答性で動作させることが可能になる。
また、図2(A)では、ロボット本体310(ロボット)と制御装置300(ロボット制御装置)とが別体に構成されているが、本実施形態のロボットは図2(A)の構成に限定されず、図2(B)のようにロボット本体310と制御装置300とが一体に構成されていてもよい。具体的には、図2(B)に示したように、ロボットはロボット本体310(アーム320及びハンド330を有する)及びロボット本体310を支えるベースユニット部を含み、当該ベースユニット部に制御装置300が格納される。図2(B)のロボットでは、ベースユニット部に車輪等が設けられ、ロボット全体が移動可能な構成となっている。なお、図2(A)は単腕型の例であるが、ロボットは図2(B)に示すように双腕型等の多腕型のロボットであってもよい。なお、ロボットの移動は人手で行われてもよいし、車輪を駆動するモーターを設け、当該モーターを制御装置300により制御することで行ってもよい。
1.2 力制御・インピーダンス制御
次に、力制御、インピーダンス制御(コンプライアンス制御)の概要について説明する。
図3(A)は、ロボットの左のアームAL、右のアームARで物体OBを挟んで移動している様子を示している。例えば、位置制御だけでは、物体を落としたり、破壊したりしてしまうおそれがある。力制御によれば、柔軟な物体や脆い物体を、図3(A)のように両側から適切な力で挟んで移動させることが可能になる。
また、力制御によれば、図3(B)に示すように、不確実性のある物体の表面SFをアームAM等でなぞることが可能になる。このような制御は位置制御だけでは実現不能である。また、力制御によれば、図3(C)に示すように、粗い位置決めの後に、探って位置合わせをして、物体OBを穴部HLにはめ込むことも可能になる。
しかしながら、バネなどの実際の機械部品による力制御では、用途が限られるという問題がある。また、このような機械部品による力制御では、特性の動的な切り替えが困難である。
一方、モーターのトルクを制御するトルク制御は簡単であるが、位置精度が悪くなるという問題がある。また、異常時に衝突などの問題が生じる。例えば図3(A)において、異常事態が起きて、物体OBを落としてしまった場合に、トルク制御では、釣合うべき反力が無くなるため、左右のアームAL、ARが衝突してしまうなどの問題が生じる。
これに対して、インピーダンス制御(コンプライアンス制御)は、制御が複雑であるものの、汎用性や安全性が高いという利点がある。
図4(A)、図4(B)は、インピーダンス制御の1つであるコンプライアンス制御を説明する図である。コンプライアンスはバネ定数の逆数を意味し、バネ定数が硬さを表すのに対して、コンプライアンスは柔らかさを意味する。ロボットと環境との間に相互作用が働くときに、機械的柔軟性であるコンプライアンスを与える制御をコンプライアンス制御と呼ぶ。
例えば図4(A)では、ロボットのアームAMには力覚センサーSEが取り付けられている。このロボットのアームAMは、力覚センサーSEで得られたセンサー情報(力・トルク情報)に応じて姿勢が変わるようにプログラムされている。具体的には、図4(A)のA1に示す仮想的なバネが、あたかもアームAMの先端に取り付けられているかのようにロボットを制御する。
例えばA1に示すバネのバネ定数が100Kg/mであったとする。これを図4(B)のA2に示すように5Kgの力で押せば、A3に示すようにバネは5cmだけ縮む。逆に言えば、5cmだけ縮んでいれば、5Kgの力で押されているといえる。つまり、力情報と位置情報とが線形かつ対称に対応づけられている。
コンプライアンス制御では、このA1に示す仮想的なバネがアームAMの先端に取り付けられているかのような制御が行われる。具体的には、ロボットは、力覚センサーSEの入力に応答して動作し、A2に示す5Kgの加重に対して、A3に示すように5cmだけ後退するように制御され、力情報に対応して位置情報が変化するように制御される。
このような単純なコンプライアンス制御では時間項を含まないが、時間項を含み、その2次の項までを考慮した制御が、インピーダンス制御である。具体的には、2次の項は質量項であり、1次の項は粘性項であり、インピーダンス制御のモデルは下式(1)に示すような運動方程式で表すことができる。
Figure 2013146794
上式(1)において、mは質量、μは粘性係数、kは弾性係数、fは力、xは目標位置からの変位である。またxの1次微分、2次微分は、各々、速度、加速度に対応する。インピーダンス制御では、上式(1)の特性をアームの先端であるエンドエフェクター部に持たせるための制御系を構成する。即ち上式(1)で表される仮想質量、仮想粘性係数、仮想弾性係数を、あたかもアームの先端が持っているかのように制御を行う。
このように、インピーダンス制御は、アームの先端の質量に粘性要素と弾性要素が各方向に接続されるモデルにおいて、目的として設定された粘性係数と弾性係数で物体に接触するようにする制御である。
例えば図5(A)に示すように、ロボットのアームAL、ARで物体OBをつかんで、軌道TRに沿って移動させる制御を考える。この場合に、軌道TRLは、物体OBの左側の内側に設定された点PLが通る軌道であり、インピーダンス制御を想定して決定された仮想的な左手の軌道である。また軌道TRRは、物体OBの右側の内側に設定された点PRが通る軌道であり、インピーダンス制御を想定して決定された仮想的な右手の軌道である。この場合に、アームALは、アームALの先端と点PLの距離差に応じた力が発生するように制御される。またアームARは、アームARの先端と点PRの距離差に応じた力が発生するように制御される。このようにすれば、物体OBを柔らかくつかみながら移動させるインピーダンス制御を実現できる。そして、インピーダンス制御では、図5(A)のB1に示すように物体OBが落下する事態が生じたとしても、アームAL、ARは、B2、B3に示すように、その先端が点PL、PRの位置で止まるように制御される。即ち、仮想的な軌道が衝突軌道でなければ、アームAL、ARが衝突するのを防止できる。
また図5(B)のように、物体の表面SFをなぞるように制御する場合にも、インピーダンス制御では、アームAMの先端に対して、仮想的な軌道TRVAと先端との距離差DFに応じた力が働くように制御される。従って、アームAMを、力を加えながら表面SFをなぞるような制御が可能になる。
これらの例は線形かつ対称なインピーダンス制御を行っている様子を示している。なお、ここで、線形インピーダンス制御とは、外力に対して変位が線形に変化するインピーダンス制御のことを指し、非線形インピーダンス制御とは、外力に対して変位が非線形に変化するインピーダンス制御の指す。さらに、対称インピーダンス制御とは、外力の方向に対して変位が対称であるインピーダンス制御のことを指し、非対称インピーダンス制御とは、外力の方向に対して変位が非対称であるインピーダンス制御のことを指す。
1.3 非対称インピーダンス制御
しかし、線形かつ対称なインピーダンス制御では、図6(A)〜図6(C)に示すような外力の向きに応じて異なる力制御が要求される事例には、十分に対応することができない。
ここで、具体的に図6(A)〜図6(C)において求められるインピーダンス制御について説明する。
まず、図6(A)には、引き込み機構としてローラー部RLを持ち、加えてガイドローラー部GRLを有する装置に、ロボットのアームAMがワークWKを挿入する様子を示している。なお、ガイドローラー部GRLは、引き込み機構を持たないローラーであり、アームAMの先端には力覚センサーSEが設けられている。
本例では、ワークWKの先端がガイドローラー部GRLに接触している際には、力覚センサーSEが右向きの力を検出する。この時点では、右向きの外力に抵抗するような堅い力制御を行うことが望ましい。すなわち、外力に対する変位の変化量を小さくすべきである。
そして、ワークWKがアームAMに押されて右に移動し、ワークWKの先端がローラー部RLに接触した際には、力覚センサーが左向きの力を検出する。ローラー部RLがワークWKを引き込むためである。本例では、ワークWKを装置内に押し込むことが目的であるため、これ以降は左向きの外力に倣って動くような柔らかい力制御を行うべきである。言い換えれば、外力に対する変位の変化量を大きくすべきである。
図6(B)の例も図6(A)の例と同様に、ガイドローラー部GRL上でワークWKを移動させている場合には、右向きの外力に抵抗するような力制御を行い、ベルトコンベアー部BCにワークWKが接触した時点では、左向きの外力に対して従順な力制御を行うべきである。
さらに、図6(C)の場合も図6(A)及び図6(B)の例と同様であり、坂を上っている時には外力に対する変位変化量が小さくなる制御を行い、坂を下っている時には外力に対する変位変化量が大きくなる制御を行うことが望ましい。
次に、各力制御における外力と変位の関係という観点から、対称インピーダンス制御と非対称インピーダンス制御の違いについて、図7(A)〜図7(D)を用いて説明する。なお、例えば、図7(A)〜図7(D)を、図6(A)の例に当てはめて考える場合には、ワークWKを押し込む時に受ける右方向の力を負の外力として表し、ワークWKがローラー部RLにより引っ張られる時に受ける左方向の力を正の外力として表すものとする。
まず、図7(A)には、線形かつ対称なインピーダンス制御の例を示す。すなわち、図7(A)のグラフは、外力が大きくなるほど、変位も比例して大きくなる様子を示している。前述した図5(A)、図5(B)における外力と変位にはこのような関係が成り立っている。
次に、図7(B)には所定の閾値以上外力が大きくなった場合には、変位が大きくなりにくくする非線形インピーダンス制御の例を示す。
これらの図7(A)と図7(B)に示す対称インピーダンス制御では、外力の方向が変わったとしても、外力と変位の関係は変化しない。つまり、図7(A)と図7(B)では、外力の方向が第1の方向(右方向)であろうが、第1の方向と逆方向である第2の方向(左方向)であろうが、外力の大きさが同じならば、それに対する変位の大きさ(絶対値)も同じである。
次に、図6(A)のような事例において求められる外力と変位の理想的な関係とそれを実現する力制御について説明する。なお、ここでは説明を分かりやすくするため、コンプライアンス制御についてのみ説明を行うが、コンプライアンス制御に限定されず、インピーダンス制御に対しても適用されるものである。
まず結論から先に述べると、後述する第1の実施形態及び第2の実施形態では、図6(A)のような事例において求められる力制御として、力覚センサーに加えられた外力の方向と、外力が加えられた時のロボットの変位の大きさとの関係が非対称になる力制御を行う。すなわち、力覚センサーに加えられた外力の方向に応じて、ロボットの変位の大きさが異なる力制御を行う。
ここでは具体的に、式(1)におけるコンプライアンス項(弾性項)をxの関数g(x)とした運動方程式である下式(2)を考える。
Figure 2013146794
例えば、式(2)におけるg(x)が図7(C)の曲線のような形をしていれば、図6(A)のワークWKを押し込む時に受ける右方向の外力には硬く、ワークWKが引っ張られる時に受ける左方向の外力には柔らかい構造を実現しているように見える。このようなインピーダンス制御を行えば、外力の方向に対する非対称性を獲得できる。
しかし正確に言えば、このg(x)は変位xの関数であり、外力の方向に依存して、制御パラメーターが変化するわけではない。つまり、外力の方向が変化していない範囲においても、応答特性が変化してしまっており、図6(A)で求められる応答特性とは微妙に異なる。実際に欲しいのは、例えば、以下に示す図7(D)のような特性である。
図7(D)に示すような非対称インピーダンス制御では、第1の方向に対する外力と変位の関係はg1の直線のようになり、第1の方向と反対方向である第2の方向に対する外力と変位の関係はg2の直線のようになる。すなわち、図7(A)や図7(B)に示す対称インピーダンス制御と違い、外力の方向が第1の方向である時と、外力の方向が第2の方向である時とで、外力に対する変位変化量(つまり、g1とg2の直線の傾き)が異なる。言い換えれば、外力の方向に応じて、外力と変位の関係が異なる。
具体的には、図6(A)のワークWKを押し込む時に受ける右方向の外力に対してはg1の曲線に従い、外力が大きくなっても変位が変化しにくい硬い力制御を行い、ワークWKが引っ張られる時に受ける左方向の外力には対してはg2の曲線に従い、小さい外力であっても変位が変化しやすい柔らかい力制御を実現する。
このように、本出願人は、例えば図6(A)〜図6(C)のような事例に対して、図7(D)に示すような非対称インピーダンス制御を行うロボット制御装置等を提案する。
1.4 制御系の構成
さて、ここで、力覚フィードバックを含まない場合の制御系の基本構成例を図8に示す。
軌道生成部562は、軌道情報p(xyzuvw)を生成してインバースキネマティクス処理部564に出力する。ここで軌道情報pは、例えばアームの先端(エンドエフェクター部)の位置情報(xyz)と各軸回りの回転情報(uvw)を含む。そしてインバースキネマティクス処理部564は、この軌道情報pに基づいてインバースキネマティクス処理を行って、目標値である各関節の関節角θを生成して出力する。そして、この関節角θに基づいて、モーター制御を行うことで、ロボットのアームの動作制御が行われる。この場合に図8のモーター(M)の制御は、公知のPID制御により実現されている。このPID制御は公知の技術であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図8において、軌道生成部562とインバースキネマティクス処理部564とにより目標値出力部が構成される。この目標値出力部の処理は、ロボットの全体的な処理になる。一方、後段のモーター制御は、関節毎の制御になる。
図9に、力覚フィードバックを含む場合の制御系の基本構成例を示す。図9では、図8に対して、更に、力覚センサー510と、姿勢補正部532と、ハンド・ツール自重補正部534と、運動方程式処理部536と、フォワードキネマティクス処理部540が設けられている。
図9では、力覚センサー510からのセンサー情報を受けて、姿勢補正部532がセンサーの姿勢補正を行い、ハンド・ツール自重補正部534がハンド・ツール自重補正を行う。そして、運動方程式処理部536が、前述の式(1)に示すような運動方程式の解を求める処理を行い、補正値Δpを出力する。この補正値Δpにより軌道情報pが補正されることで、目標値である関節角θの補正処理が行われる。またフォワードキネマティクス処理部540は、フォワードキネマティクス処理を行って、ロボットの軌道情報p’を求めて軌道生成部562にフィードバックする。また姿勢補正部532、ハンド・ツール自重補正部534に対して姿勢を特定するための情報を出力する。なお、ロボットの軌道情報p’の軌道生成部562へのフィードバックは、p’に基づいた軌道の修正処理等を行うためのものであり、当該修正処理等を行わないのであれば、フィードバックは必ずしも必要ない。
ハンド・ツール自重補正部534では、ハンド・ツール自重補正が行われ、姿勢補正部532では姿勢補正が行われる。ここでハンド・ツール自重補正は、ロボットのハンドの自重や、ハンドがつかむツールの自重による影響を、力覚センサー10からのセンサー情報(力情報)から相殺するための補正処理である。また姿勢補正は、力覚センサー10の姿勢による影響を、センサー情報(力情報)から相殺するための補正処理である。これらのハンド・ツール自重補正及び姿勢補正は、例えば下式(3)のように表すことができる。
Figure 2013146794
上式(3)において、Fx,Fy,Fz、Fu,Fv,Fwは力覚センサー10からのセンサー情報である力情報、トルク情報である。またBx,By,Bz、Bu,Bv,Bwはバイアス項である。そして、補正後のセンサー情報(力情報、トルク情報)であるfx,fy,fz、fu,fv,fwが運動方程式処理部536に入力される。なお、データには固定値があるため、実質的な補正係数は6×7=42個となる。これらのハンド・ツール自重補正及び姿勢補正は公知の補正処理であるため、詳しい説明は省略する。
1.5 デジタルフィルター処理
図9の運動方程式処理部536では運動方程式(広義には常微分方程式)の解を求める必要がある。従来、運動方程式の解を求めるにはNewton法やRunge−Kutta法等が用いられていた。しかし、これらの手法はハードウェアー化に適さず、安定性の判定も難しい。さらに応答性の切り替えに対応することが困難であるという問題もある。
そこで本出願人は、上述の3つの問題に対応するために、常微分方程式を解く手法としてデジタルフィルターを用いる。
1.5.1 運動方程式のデジタルフィルターを用いた解法
運動方程式は上述した式(1)の形で表される。運動方程式は線形常微分方程式であるため、インパルス入力に対する解であるインパルスレスポンスが求められれば、インパルスレスポンスと外力項との畳み込みにより、任意の外力項に対する解を得ることができる。
ここで、運動方程式の解を求めるというステップを、力覚センサーのセンサー情報の入力に対して解(例えば位置情報)を出力するフィルターであると捉えるならば、上式(1)の形から、2極のアナログフィルターとして考えることができる。
つまり、運動方程式の解はアナログフィルターの出力として求めることができるのであるから、当該アナログフィルターをデジタルフィルター化することで、デジタルフィルターを用いて運動方程式を解くことが可能になる。
アナログフィルターのデジタルフィルター化の手法は種々知られているが、例えばImpulse Invariance法を用いればよい。これは、アナログフィルターのインパルスレスポンスを離散時間Tでサンプルした値と同じインパルスレスポンスを与えるデジタルフィルターを考える手法である。Impulse Invariance法については公知の手法であるため詳細な説明は省略する。
以上の結果、常微分方程式の解はデジタルフィルターの出力として求めることが可能になる。運動方程式であれば、図10に示したように2極のデジタルフィルターとなる。図10において、dは1サンプル分の遅延であり、C、C、Cはデジタルフィルターの係数(デジタルフィルターパラメーター)である。なお、図10のデジタルフィルターの入力値Fと出力値Yの関係は式(4)のように表すことができる。
Figure 2013146794
デジタルフィルターによる処理であれば、ハードウェアー化は容易であるし、後述するように安定性の判定も容易である。また、デジタルフィルターの係数を切り替えれば、特性(柔らかく動かすか硬く動かすか等)を切り替えることもできるし、フィルター駆動周波数を切り替えて解の応答性を切り替えることもできる。
1.5.2 デジタルフィルターの安定度判定
インピーダンス制御においては、運動方程式の質量項(m)、粘性項(μ)及び弾性項(k)の設定次第では、安定でない系ができてしまう可能性がある。極端な例で言えば、ロボットに一度力を加えたら、その後一切触れていないにもかかわらずロボットの振動が継続するような、発振する系にもなりうるということである。そのような安定性(安定度)の低い系は実用上好ましくないため、運動方程式に関する系の安定性を判定し、安定でない場合には何らかの対処をする必要がある。
しかし、上述のNewton法やRunge−Kutta法等では、運動方程式の解を求めることはできても、安定性の判定は行えない。そのため、解を求める処理とは別に安定性を判定する処理が必要となるが、一般的に安定性の判定処理は容易でないことが知られている。
本実施形態の手法では、運動方程式を、デジタルフィルターを用いて処理するため、運動方程式に関する系の安定性の判定とは、対応するデジタルフィルターの安定性の判定に他ならない。デジタルフィルターの安定性の判定は、容易に行うことができ、極が単位円の中にあるか否かを判定すればよい。
具体例を図11(A)〜図11(C)に示す。これらはどれも極が単位円の中に収まっている例であるが、極が単位円の外にある場合には安定でないと判定する。また、図11(C)のようにある程度、単位円の円周上から内側に離れた位置に極がある場合には、特に問題はない。しかし、図11(A)のように単位円にかなり近い位置に極(なお、図11(A)は重根ではなく限りなく近い位置に2つの極がある例である)がある場合には、注意が必要である。なぜなら、デジタルフィルターの実装手法によっては、設計値に対して誤差が生ずるおそれがあるからである。当該誤差が極の位置を単位円の外側方向に移動させる要因となった場合、図11(A)のような安定性に余裕のないデジタルフィルターは、設計上安定であるにもかかわらず、実装時には安定でない動作をする可能性があるため、何らかの対処が必要となる。
1.5.3 デジタルフィルターを用いた場合の構成例
図12にデジタルフィルターを用いて運動方程式の解を求める場合の、ロボット制御装置及びそれを含むロボットシステム及びセンサー情報装置の構成例を示す。なお本実施形態のロボット制御装置、ロボットシステム及びセンサー情報装置は図12の構成には限定されず、その一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したりするなどの種々の変形実施が可能である。
力覚センサー10、目標値出力部60、ロボット制御部80及びロボット100については図1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
力制御部20は、デジタルフィルター部22を含む。デジタルフィルター部22は、力覚センサーからのセンサー情報(センサー情報に対して補正処理や帯域制限処理が施された情報も含む)に対してデジタルフィルター処理を行って、出力値を補正値として目標値出力部60に出力する。また、力制御部20はセンサー情報に対して帯域制限処理を行う帯域制限部25を含んでもよい。
デジタルフィルター部22は、デジタルフィルター演算部221と、デジタルフィルター係数出力部222と、デジタルフィルター安定度判定部223を含む。デジタルフィルター演算部221は、センサー情報とデジタルフィルター係数に基づいて、デジタルフィルター処理を行って運動方程式の解を求める。デジタルフィルター係数出力部222は、運動方程式の係数パラメーター(質量項m、粘性項μ、弾性項k及び駆動周期T)に基づいて、デジタルフィルター係数を求め、デジタルフィルター演算部221とデジタルフィルター安定度判定部223に出力する。デジタルフィルター安定度判定部223は、デジタルフィルター係数に基づいて、当該デジタルフィルターの安定性の判定を行う。
デジタルフィルター係数出力部222は、デジタルフィルター係数記憶部224と、デジタルフィルター係数変換部225を含んでもよい。デジタルフィルター係数変換部225は、運動方程式の係数パラメーターをデジタルフィルター係数に変換する。デジタルフィルター係数記憶部224は、変換されたデジタルフィルター係数を記憶する。デジタルフィルター係数記憶部224に複数のデジタルフィルター係数を記憶しておけば、出力するデジタルフィルター係数を切り替えることで、ロボットの動作特性や、解の応答性を切り替えることが可能になる。
以下、図12の構成を基本とし、図7(D)のような非対称インピーダンス制御を実現する第1の実施形態と第2の実施形態について説明する。第1の実施形態は、本発明の基本形であり、外力の方向に応じて使用する制御フィルターのパラメーターを切り替えて、非対称インピーダンス制御を行う例である。そして、第2の実施形態は、所定の制御パラメーター変更指示等があった場合に、制御パラメーターを変更して、非対称インピーダンス制御を行う例である。
2.第1の実施形態
2.1 構成
図13に第1の実施形態に係るロボット制御装置の構成例を示す。
力覚センサー10、目標値出力部60(軌道生成部62、インバースキネマティクス処理部64)、ロボット制御部80(モーター制御部82−1〜モーター制御部82−N)等については図1と同様であるため詳細な説明は省略する。また、入力補正部30は検出センサー値(センサー情報)に対して補正処理を行うもので、例えば図9の姿勢補正部532やハンド・ツール自重補正部534等を含んでもよい。フォワードキネマティクス処理部40は、図9のフォワードキネマティクス処理部540に対応し、フォワードキネマティクス処理の結果を入力補正部30に出力するとともに、必要に応じて軌道生成部62にも出力してもよい。
また、ロボット制御装置の力制御部20は、インピーダンス処理部21と、第1の制御パラメーター記憶部24−1と、第2の制御パラメーター記憶部24−2と、制御パラメーター選択部26と、外力方向判定部27と、を含む。なお、本実施形態の力制御部20は図13の構成には限定されず、その一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したりするなどの種々の変形実施が可能である。
また、図13のインピーダンス処理部21は、図12のデジタルフィルター演算部221に対応し、動作も同様のため、説明を省略する。さらに、図13の第1の制御パラメーター記憶部24−1と第2の制御パラメーター記憶部24−2は、図12のデジタルフィルター係数記憶部224に対応し、図13の制御パラメーター選択部26は、図12のデジタルフィルター係数変換部225に対応する。
第1の制御パラメーター記憶部24−1と第2の制御パラメーター記憶部24−2は、それぞれ異なる制御パラメーターを記憶する。ここで、制御パラメーターとは、後述する運動方程式の係数パラメーターであっても良いし、デジタルフィルターのパラメーターであってもよい。さらに、制御パラメーターとして、オフセットパラメーターを記憶してもよい。ここで、オフセットパラメーターとは、外力が0である場合の仮想変位のことをいう。制御パラメーター記憶部の機能は、RAM等のメモリーやHDD(ハードディスクドライブ)などにより実現でき、実際には一つのメモリー等により構成されていても良いし、複数のメモリー等により構成されていても良い。
次に、外力方向判定部27は、入力補正部30から取得される姿勢補正後の検出センサー値(外力)に基づいて、外力の方向を判定し、制御パラメーター選択部26に外力の方向を通知する。
そして、制御パラメーター選択部26は、外力方向判定部27により判定された外力の方向に基づいて、第1の制御パラメーター記憶部24−1と第2の制御パラメーター記憶部24−2とに記憶された制御パラメーターの中から、使用する制御パラメーターを選択し、インピーダンス処理部21に出力する。また、第1の制御パラメーター記憶部24−1と第2の制御パラメーター記憶部24−2とに記憶された制御パラメーターが、運動方程式の係数パラメーターである場合には、係数パラメーターをデジタルフィルターのパラメーターへ変換する処理等を行う。
また、本実施形態においては、図10に示したデジタルフィルターと同様の構成からなるデジタルフィルターを用いることができる。
図10に示したデジタルフィルターによる処理であれば、ハードウェアー化は容易であるし、安定性の判定も容易である。
2.2 詳細な処理
次に図14のフローチャートを用いて、本実施形態における力制御部が行うデジタルフィルター処理の流れを説明する。また、図6(A)の事例における非対称インピーダンス制御の各動作ステップを説明する具体例を図15(A)〜図15(E)に示す。以下では、具体例を交えて、フローチャートの説明を行う。
デジタルフィルター処理の流れとしては、まず、出力タイミングを待ち(S101)、出力タイミングとなった時に、入力補正部30から姿勢補正後の外力(外力値)Fを取得する(S102)。
図15(A)〜図15(E)に示す具体例では、図15(A)の時点では、ロボットのアームAMが把持するワークWKの先端がガイドローラー部GRLに触れておらず、外力は検出されないが(検出センサー値が0となる)、図15(B)の時点でガイドローラー部GRLから受ける右向きの外力が検出される。なお、検出センサー値が0である場合でも、以下の処理を行っても良い。
次に、一つ前の外力値と現在の外力値の符号が同じか否かを判定する(S103)。ここで、外力値の符号とは、外力の方向のことを指す。例えば、外力値の符号が「−」である場合には、外力の方向が図の右方向(第1の方向)であり、外力値の符号が「+」である場合には、外力の方向が図の左方向(第2の方向)であるとする。すなわち、ステップS103では、外力の方向に変化があったか否かを判定する。
一つ前の外力値と現在の外力値の符号が異なると判定した場合には、外力の方向が変化したと判断し、現在の符号(外力の方向)に対応する制御パラメーターを設定し(S104)、ステップS105の処理を行う。
例えば、図15(B)における外力の方向は右方向であり、外力値の符号は「−」である。一方、図15(C)の状態では、ローラー部RLがワークWKを引き込むため、外力の方向は左方向であり、外力値の符号が「+」となる。よって、図15(B)の状態と図15(C)の状態では外力値の符号が異なる。そのため、制御パラメーター選択部26は、外力の方向が変化したと判断し、制御パラメーターを変更する。なお、本例では、初期状態では第1の制御パラメーター記憶部24−1に記憶される第1の制御パラメーターが設定されているとし、外力の方向が変化した時点で、第2の制御パラメーター記憶部24−2に記憶される第2の制御パラメーターへと使用する制御パラメーターを変更する。
一方、一つ前の外力値と現在の外力値の符号が同じであると判定した場合には、外力の方向に変化がみられないと判断し、現在設定されている制御パラメーターを変更せずに、ステップS105の処理を行う。
例えば、図15(C)における外力の方向は左方向であり、外力値の符号は「+」である。さらに、図15(D)や図15(E)の状態でも、外力の方向は左方向であり、外力値の符号は「+」のままであるため、図15(C)の状態から図15(E)の状態まで外力値の符号に変化はない。そのため、ここでは使用する制御パラメーターを変更しない。
そして、設定された制御パラメーターに基づいて、式(4)を計算し、Yを求め(S105)、ステップS101に戻る。以上が本実施形態のデジタルフィルター処理の流れである。
次に、図16と図17を用いて、対称インピーダンス制御の応答と非対称インピーダンス制御の応答を比較する。
まず、図16には正弦波外力Fに対する対称インピーダンス制御の応答(Y、Y)を示す。図16のグラフでは、運動方程式の係数パラメーター(仮想質量、仮想粘性、仮想剛性)の設定を同図に示すPR1とした時の外力Fに対する応答をYとし、係数パラメーターの設定をPR2とした時の応答をYとして表す。なお、図16及び図17では、縦軸を任意目盛、横軸を時間(秒)とし、駆動周期をマニピュレーターの電流制御ループの周期と同じ125マイクロ秒(8kサンプル/秒)とし、外力を1秒周期の正弦波であるとする。
図16のPR1とPR2では、仮想質量mと仮想粘性μは同じであるが、仮想剛性kについてはPR2がPR1の2倍大きい。そのため、ロボットは、PR1設定時にはいわゆる軟らかいバネのような応答をし、PR2設定時にはPR1設定時の2倍硬いバネのような応答をする。なお、粘性項、質量項があるため、PR1又はPR2設定時の応答の位相は、外力の位相とずれる。
図16を見てわかる通り、振幅や周期が違うものの、応答Y及び応答Yは、どちらも外力Fの方向(符号)に対して対称な正弦波となる。
次に、正弦波外力Fに対する非対称インピーダンス制御の応答Yを図17に示す。同図に示すYは、外力の方向に応じて運動方程式の係数パラメーターを切り替える非対称インピーダンス制御の応答(変位、補正値)である。
係数パラメーターとしては、同図に示すPR3とPR4を用いる。外力の方向が左方向(第2の方向)である場合に設定する係数パラメーターをPR3とし、外力の方向が右方向(第1の方向)である場合に設定する係数パラメーターをPR4とする。図17のPR3とPR4は、仮想質量mは同じであるが、仮想粘性μについてはPR4の方がPR3の32倍大きく、仮想剛性kについてはPR4の方がPR3の4倍大きい。そのため、ロボットは、PR3設定時にはPR4設定時と比べて軟らかいバネのような応答をし、PR4設定時にはPR3設定時と比べて硬いバネのような応答をする。
例えば、図17のグラフではT1の時点で外力が正(左方向)から負(右方向)になるため、PR4の係数パラメーターが設定される。そのため、応答Yが負の方向へ移動しにくくなり、外力の変化に対する変位の変化量が小さくなる。一方、例えばT2の時点で外力が負(右方向)から正(左方向)になるため、PR3の係数パラメーターが設定される。そのため、応答Yが正の方向へ移動しやすくなり、外力の変化に対する変位の変化量が大きくなる。
図17のようなインピーダンス制御を行えば、外力の方向に対して変位の変化量が非対称となるインピーダンス制御を行うことができる。このように、図16に示す応答Y及びYと図17の応答Yの曲線を比べれば、対称インピーダンス制御の応答と非対称インピーダンス制御の応答の違いが分かる。
以上の本実施形態のロボット制御装置では、力覚センサー10から取得される検出センサー値に基づいて、ロボット100の目標軌道の補正値を出力する力制御部20と、目標軌道に対して補正値に基づく補正処理を行って目標値を求め、求めた目標値を出力する目標値出力部60と、目標値に基づいて、ロボット100のフィードバック制御を行うロボット制御部80と、を含む。そして、力制御部20は、検出センサー値により表される外力の方向が第1の方向である場合には、第1の力制御を行い、外力の方向が第1の方向と反対方向である第2の方向である場合には、第1の力制御とは異なる第2の力制御を行う。
まず、力制御は、力覚センサー10から取得される検出センサー値に基づいて、ロボット100の目標軌道の補正値を求め、求めた補正値を出力する。
ここで、検出センサー値(センサー情報)とは、力覚センサー10からの出力値そのものであってもよいし、当該出力値に対して入力補正部30による補正処理が施されたものであってもよい。また、帯域制限部25(図12に記載)による帯域制限処理が施されたものであってもよい。さらに、これらと数学的に等価な情報であってもよい。
また、補正値とは、力制御部20により求められ、目標値出力部60により目標軌道を補正するために用いられる値のことである。例えば、補正値は、図7(D)のグラフに表される変位のことである。図7(D)のグラフ等に表された変位は、外力に対するインピーダンス制御の応答(出力)であり、実際にロボット100のマニピュレーター等が動いた距離等を表す値ではない。そのため、実際にロボット100のマニピュレーター等が動いた時の変位と区別するために、この変位のことを仮想変位(仮想的な変位)とも呼ぶ。なお、変換処理前の補正値は、中間値、中間補正値とも言い換えることができる。
そして、目標値出力部は、目標軌道に対して補正値に基づく補正処理を行って目標値を求める。
ここで、目標値とは、ロボット100のフィードバック制御における目標値のことであり、ロボット制御部80における制御はこの目標値に基づいて行われる。目標値は目標軌道に対して補正値による補正処理を行うことで取得できる。
また、目標軌道とは、狭義にはロボット100のエンドエフェクター部(エンドポイント)の空間的な目標位置の変化を表すものであってもよい。1つの目標位置は、例えば3次元空間座標xyz(姿勢も考慮すれば各軸周りの回転角uvwを追加してもよい)で表されることになり、目標軌道とは当該目標位置の集合となる。ただし、目標軌道はこれに限定されるものではなく、ロボット100の目標関節角の集合であってもよい。関節を持つロボット100では、各関節の角度を決定すると、フォワードキネマティクス処理によりエンドエフェクター部の位置は一意に決定される。つまり、N関節ロボットではN個の関節角(θ1〜θN)により1つの目標位置を表現できることになるから、当該N個の関節角の組を1つの目標関節角とすれば、目標軌道とは目標関節角の集合と考えることができる。よって、力制御部20から出力される補正値も、位置に関する値であってもよいし、関節角に関する値であってもよい。
具体例を図22(A)、図22(B)に示す。後述するように力制御における常微分方程式として、上式(1)の運動方程式を用いるのであれば、当該運動方程式の解は位置に関する値となる。よって、目標軌道が目標位置である場合には、解をそのまま補正値とすればよく、システム構成例は図22(A)のようになる。なお、目標値は位置に関する値でも関節角に関する値でもよいが、一般的にはロボット100のフィードバック制御は関節角を用いることが想定される。
それに対して、目標値出力部60のインバースキネマティクス処理部64とは別に、力制御部20がインバースキネマティクス処理部23を含む図22(B)のようなケースも考えられる。例えば、目標値出力部60での目標軌道生成処理と、力制御部20での補正値出力処理とで、処理のタイミングや処理レートが異なる場合等である。その場合には、目標軌道は目標関節角であり、力制御部20では運動方程式の解に対して変換処理(例えばインバースキネマティクス処理)を行って補正値とすることになる。
また、力制御における常微分方程式とは、力制御において解を求める必要がある常微分方程式のことである。狭義には線形常微分方程式であってもよい。さらに狭義には、ロボットにあたかも所望の特性(質量・粘性・弾性等)を持つようにふるまわせるために解を求める必要がある常微分方程式のことであり、式(1)に示したような運動方程式であってもよい。
そして、力制御部20は、検出センサー値により表される外力の方向が第1の方向である場合には、第1の力制御を行い、外力の方向が第1の方向と反対方向である第2の方向である場合には、第1の力制御と異なる第2の力制御を行う。なお、第1の力制御と第2の力制御の詳細については、後述する。
これにより、外力の方向に対して変位の変化量が非対称となるインピーダンス制御を行うことが可能となる。このことは、ロボットの実用上非常に有効であり、より作業適応度の高い力制御を実現することができる。
また、力制御部20は、外力の方向が第1の方向である場合には、外力に対する変位変化量が第1の変位変化量となる力制御を、第1の力制御として行い、外力の方向が第2の方向である場合には、外力に対する変位変化量が第1の変位変化量とは異なる第2の変位変化量となる力制御を、第2の力制御として行ってもよい。
ここで、変位変化量とは、外力に対する変位の変化量のことをいう。例えば、図7(D)のグラフにおいては、変位変化量は変位を表す直線の傾きのことをいう。言い換えれば、ロボットのマニピュレーターに一定方向から力を加え、それを徐々に変化させてマニピュレーターの瞬間的な変位を測定し、図7(A)〜図7(D)のようにグラフ化した時、ある大きさの外力に対するグラフの傾きが変位変化量となる。
そのため、このような変位変化量を確認するためには、例えば、互いに大きさの異なる第1の外力、第2の外力、第3の外力をロボットのマニピュレーターに与え、第1の外力を与えた時のマニピュレーターの変位と第2の外力を与えた時の変位、第3の外力を与えた時の変位をそれぞれ求める。そして、第1の外力を与えた時のマニピュレーターの変位と第2の外力を与えた時の変位との差や、第2の外力を与えた時の変位と第3の外力を与えた時の変位との差を、変位変化量として確認できる。なお、第1の外力と第2の外力(第2の外力と第3の外力)の差を微小にすれば、グラフの傾きと同様の値を求めることができる。すなわち、変位変化量は、第1の外力を加えた時の変位と、第1の外力と異なる第2の外力を加えた時の変位との差ということもできる。そしてこの時、第1の外力と第2の外力との差が微小であっても良い。ここで、微小とは0に限りなく近いことをいう。
また、上記のように変位変化量を確認した際に、外力に比例して変位が大きくなるようであれば、変位と外力とに図7(A)のような関係が成り立っていることが分かり、外力を大きくしているにも関わらず変位が大きくならないようであれば、変位と外力とに図7(B)のような関係が成り立っていることが分かる。
このように第1の変位変化量と第2の変位変化量とが異なる力制御を行うことにより、非対称インピーダンス制御を実現することができる。例えば第1の方向への外力を検出した場合には、変位変化量が大きくなるような力制御を行い、第2の方向への外力を検出した場合には、変位変化量が小さくなるような力制御を行うこと等が可能になる。すなわち、図7(D)のグラフのような力制御が可能になる。
また、力制御部20は、外力の方向が第1の方向である場合には、前記第1の変位変化量に対応する第1の補正値を出力する第1の力制御を行い、外力の方向が第2の方向である場合には、前記第2の変位変化量に対応する第2の補正値を出力する第2の力制御を行ってもよい。
すなわち、上述した第1の力制御とは、第1の補正値を出力する力制御のことでもあり、上述した第2の力制御とは、第2の補正値を出力する力制御のことでもある。
これにより、外力の方向に応じて異なる補正値を出力すること等が可能になる。
また、力制御部20は、検出センサー値により表される外力の方向を判定する外力方向判定部27を含んでもよい。
これにより、外力の方向を判定すること等が可能になる。
また、力制御部20は、力制御における制御パラメーターセットを複数記憶する制御パラメーター記憶部24と、制御パラメーター記憶部24に記憶された制御パラメーターセットの中から、使用する制御パラメーターセットの選択処理を行う制御パラメーター選択部26と、を有してもよい。そして、力制御部20は、検出センサー値により表される外力の方向が第1の方向である場合には、第1の制御パラメーターセットを選択する選択処理を行い、外力の方向が第2の方向である場合には、第2の制御パラメーターセットを選択する選択処理を行い、選択した制御パラメーターセットを用いて、力制御における常微分方程式の解を補正値として求め、補正値を出力してもよい。
ここで、制御パラメーターセットとは、力制御における常微分方程式の各項の係数パラメーターのセットであってもよいし、デジタルフィルターのパラメーターセットであってもよい。
また、常微分方程式の各項の係数パラメーターとは、常微分方程式における定数項、1階微分項の係数、2階微分項の係数、・・・n階微分項の係数を指すものとする。上述した式(1)の例であれば、m、μ、kが係数パラメーターとなる。
一方、デジタルフィルターのパラメーターとは、式(4)における各項の係数を指す。具体的には、C、C、Cのことである。なお、第1のパラメーターセットと第2のパラメーターセットは、いずれかのパラメーターが異なっているものとする。
なお、本実施形態では、外力の方向に基づいて、インピーダンス制御に用いる制御パラメーターセットの選択処理を行っているが、外力の方向ではなく仮想変位に基づいて、選択処理を行っても良い。
これにより、インピーダンス制御に用いる制御パラメーターセットを切り替えることで、非線形インピーダンス制御を実現すること等が可能となる。
また、力制御部20は、検出センサー値により表される外力の方向が第2の方向である場合には、第1の力制御を行って求めた第1の補正値と、第2の力制御を行って求めた第2の補正値とに対して重み付け処理を行って、第3の補正値を求め、求めた第3の補正値を出力してもよい。
例えば、力制御部20は、重み付け処理後の第1の補正値と第2の補正値との和を第3の補正値として求めてもよい。
具体例として、2つのインピーダンス処理出力の重み付け加算の例を図18に示す。これは図16と同じ2組の制御パラメーター(PR1とPR2)を用いた場合であるが、本例では、パラメーターを切り替えるのではなく、2組のインピーダンス処理を並列動作させ、その出力を重み付け加算している。
図18においては、外力がF、外力Fに対して、図16に示す運動方程式の係数パラメーターセットPR1を用いてインピーダンス制御を行った時の応答がY、係数パラメーターセットPR2を用いてインピーダンス制御を行った時の応答がY、応答YとYとの重み付け加算値がCPRとなる。なお、本例では、外力の方向に関わらず、常に重み付け和(CPR)を求めている。
また、重みWは式(5)のようになり、重み付け加算値(出力値、補正値)Outputは式(6)のようになる。本実施形態では、このようにして求めた重み付け加算値を補正値として求めても良い。
Figure 2013146794
Figure 2013146794
なお、重み付け関数は、正負両方向に飽和特性を持ち、単調増加関数であれば他の関数でも良いが、ここではtanhあるいはシグモイド関数(実質的にはtanhと同一のもの)を用いる。シグモイド関数は2値の系の最大エントロピー状態を与える関数であり、さまざまな場面で現れる。ただし、ここで最大エントロピーに特別の意味があるわけではない。
これにより、制御パラメーターの切り替えではなく、複数のデジタルフィルターのパラメーターを用いて、デジタルフィルター処理を行った時の出力値を求め、各出力値の重み付け加算を行うことにより補正値を求めて、非対称インピーダンス制御を実現すること等が可能になる。
また、力制御部20は、力制御における常微分方程式の解を補正値として求めるデジタルフィルター部22を有してもよい。
これにより、常微分方程式の解を求めるという力制御において必要な処理を、デジタルフィルターを用いて行うことが可能になるため、Newton法、Runge−Kutta法等の手法を用いる場合に比べて、ハードウェアー化が容易である。そして、デジタルフィルター処理に用いるデジタルフィルターを切り替える(例えばフィルター係数を切り替える)ことで、簡単に応答特性を切り替えることも可能となる。
また、力制御部20は、補正値を求めるデジタルフィルター部22の動作の安定度を判定し、デジタルフィルター部22の動作が安定であると判定された場合に、力制御における常微分方程式の解を補正値として求めてもよい。
これにより、デジタルフィルターの安定性を判定すること等が可能になる。力制御における常微分方程式の係数パラメーターは、設定次第では現実にはあり得ない系(例えば発振するロボット等)を作ってしまうことがある。そのため、常微分方程式の安定性を判定する必要があるが、デジタルフィルターを用いれば、その判定が容易となる。
また、常微分方程式は、仮想質量項、仮想粘性項及び仮想弾性項を係数パラメーターとする運動方程式であってもよい。
これにより、運動方程式の解を求めること等が可能になる。よって、ロボット100に対して、あたかも仮想質量項に対応する質量、仮想粘性項に対応する粘性、仮想弾性項に対応する弾性を持つかのようにふるまわせることが可能になる。
また、以上の本実施形態は、上述してきたロボット制御装置(力制御部20、目標値出力部60、ロボット制御部80を含む)と、目標値出力部60から取得される目標値に基づいて、各部を動作させるロボット100を含むロボットシステムに関係する。
これにより、ロボット制御装置にとどまらず、本実施形態の処理を実行するロボットシステムを実現すること等が可能になる。
なお、上記ではデジタルフィルターを用いて力制御を行う場合について述べたが、デジタルフィルターを他の構成要素により代替することも可能である。デジタルフィルターを他の構成要素により代替した場合も、本発明の範囲に含まれるものとする。
3.第2の実施形態
第2の実施形態では、所定の制御パラメーター変更指示があった場合等に、制御パラメーターを変更して、非対称インピーダンス制御を行う。
3.1 構成
図19に第2の実施形態に係るロボット制御装置の構成例を示す。
ロボット制御装置の力制御部20は、インピーダンス処理部21と、第1の制御パラメーター記憶部24−1と、第2の制御パラメーター記憶部24−2と、閾値記憶部(基準外力方向記憶部)24−3と、制御パラメーター選択部26と、外力方向判定部(外力方向・外力値判定部)27と、状態設定部(リセット部)29と、を含む。なお、本実施形態の力制御部20は、図19の構成には限定されず、その一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したりするなどの種々の変形実施が可能である。
ここでは、力覚センサー10、入力補正部30、フォワードキネマティクス処理部40、目標値出力部60(軌道生成部62、インバースキネマティクス処理部64)、ロボット制御部80(モーター制御部82−1〜モーター制御部82−N)、インピーダンス処理部21、第1の制御パラメーター記憶部24−1、第2の制御パラメーター記憶部24−2等については図13と同様であるため説明は省略し、図13と異なる構成又は動作をする機能部についてのみ説明を行う。
まず、閾値記憶部(基準外力方向記憶部)24−3は、制御パラメーターを変更するか否かの判定処理に用いる所定の閾値や後述する基準外力方向を記憶する。閾値記憶部(基準外力方向記憶部)24−3の機能は、RAM等のメモリーやHDD(ハードディスクドライブ)などにより実現できる。実際には第1の制御パラメーター記憶部24−1及び第2の制御パラメーター記憶部24−2と共通の単一のメモリー等により構成されていても良いし、それぞれ別の複数のメモリー等により構成されていても良い。
次に、外力方向判定部(外力方向・外力値判定部)27は、外力の方向を判定する他にも、検出センサー値に基づいて、閾値記憶部24−3から取得される所定の閾値よりも外力値が大きいか否か等を判定しても良い。
さらに、制御パラメーター選択部26は、外力方向判定部(外力方向・外力値判定部)27から取得される外力の方向や外力と閾値との大小関係を表す情報に基づいて、使用する制御パラメーターを選択する。なお、外力方向判定部27ではなく、制御パラメーター選択部26が、所定の閾値よりも外力値が大きいか否か等を判定しても良い。
そして、状態設定部(リセット部)29は、制御パラメーター変更指令やリセット信号を取得した場合に、制御パラメーター選択部にその旨を通知する。
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に図10に示すデジタルフィルターを利用することができる。
3.2 詳細な処理
次に図20のフローチャートを用いて、本実施形態における力制御部が行うデジタルフィルター処理の流れを説明する。
ステップS301、S302までの流れは図14と同様である。なお、本実施形態の初期状態では、デジタルフィルターのパラメーターセットとして、第1のパラメーターセットPR1を用いる。
また、本実施形態では、外力値F(外力の方向と大きさ)に基づいて、使用するデジタルフィルターのパラメーターセットを変更する。その様子を、横軸を外力値Fとし、縦軸を制御パラメーターとするグラフを用いて図21に表す。
前述した通り、初期状態では第1のパラメーターセットPR1を選択しているため、図21に示されるように、外力値Fが第2の閾値Th2よりも大きいことが想定される。さらに、第2の閾値Th2以下であるならば、使用するデジタルフィルターのパラメーターセットを第2のパラメーターセットPR2に変更すべきである。
そのため、まず現在設定されている閾値が第2の閾値Th2であるか否かを判定する(S303)。
そして、現在設定されている閾値が第2の閾値Th2であると判定した場合には、外力値Fが第2の閾値以下か否かを判定する(S304)。
外力値Fが第2の閾値Th2以下であると判定した場合には、デジタルフィルターのパラメーターセットを第2のパラメーターセットPR2に設定する(S305)。
ここで、第2のパラメーターセットを使用する状態(以下、第2の状態と呼ぶ)から第1のパラメーターセットを使用する状態(以下、第1の状態と呼ぶ)へ遷移するか否かを判定する際の比較処理においても、第2の閾値Th2を用いると、外力値Fが第2の閾値Th2付近の値である場合に、使用するデジタルフィルターのパラメーターセットが頻繁に変化してしまうことがある。使用するデジタルフィルターのパラメーターセットが変化すると、応答特性も変化するため、このような頻繁な変更は通常好ましくない。
そこで、デジタルフィルターのパラメーターセットの変更制御にヒステリシス特性を与えるため、ステップS305の後に、閾値を第1の閾値Th1に変更する(S306)。これにより、使用するデジタルフィルターのパラメーターセットの変更が頻繁に起こることを防ぐことができる。
一方で、ステップS304において外力値Fが第2の閾値よりも大きいと判定した場合には、使用するデジタルフィルターのパラメーターセットの変更処理は行わない。
そして、ステップS306の処理後又はステップS304において外力値Fが第2の閾値よりも大きいと判定した場合に、ステップS310の処理を行い、Yを求め(S310)、ステップS301に戻る。
一方、第2の状態から第1の状態への遷移判定をする場合には、前述したように外力値Fと第1の閾値Th1を比較する。なお、第2の状態である場合には、外力値Fと比較する閾値として第1の閾値Th1が設定されているはずである(ステップS306参照)。
そこで、ステップS303において、現在設定されている閾値が第2の閾値Th2ではないと判定した(すなわち、第1の閾値Th1が設定されていると判定した)場合には、外力値Fが第1の閾値Th1以上か否かを判定する(S307)。
外力値Fが第1の閾値Th1以上であると判定した場合には、デジタルフィルターのパラメーターセットを第1のパラメーターセットPR1に設定する(S308)。そして、ステップS306と同様に、使用するデジタルフィルターのパラメーターセットの変更制御にヒステリシス特性を持たせるために、閾値を第2の閾値Th2に変更する(S309)。
一方で、ステップS307において外力値Fが第1の閾値Th1よりも小さいと判定した場合には、使用するデジタルフィルターのパラメーターセットの変更処理は行わない。
そして、ステップS309の処理後又はステップS307において外力値Fが第1の閾値Th1よりも小さいと判定した場合に、ステップS310の処理を行い、Yを求め(S310)、ステップS301に戻る。以上が本実施形態のデジタルフィルター処理の流れである。
以上の本実施形態のロボット制御装置の力制御部20は、第1の制御パラメーターセットを用いて力制御を行っている時に、所定の制御パラメーター変更指示があったと判断された場合に、使用する制御パラメーターセットを第1の制御パラメーターセットから第2の制御パラメーターセットへと変更する変更処理を行ってもよい。
ここで、所定の制御パラメーター変更指示とは、前述したように外力値と所定の閾値との比較結果のことであってもよいし、状態設定部29から出力される制御パラメーターの変更命令のことであってもよい。
例えば、所定の制御パラメーター変更指示が前者である場合には、外力値が所定の閾値よりも大きいという比較結果を制御パラメーター選択部26が取得した時に、使用する制御パラメーターセットの変更処理を行う。
一方で、例えば、所定の制御パラメーター変更指示が後者である場合には、以下のような処理を行う。
まず、本実施形態のロボット制御装置の力制御部20は、基本外力方向記憶部24−3を持つ。なお、基本外力方向記憶部24−3は閾値記憶部と同じメモリー等であってもよい。また、初期状態では、基本外力方向記憶部24−3に記憶された基本外力方向に対応する制御パラメーターセット(第1の制御パラメーター)が設定されているものとする。
そして、基本外力方向と異なる方向の外力が検出された時に、第1の制御パラメーターセットとは異なる第2の制御パラメーターセットを制御パラメーター選択部26が選択する。ただし、状態設定部29から制御パラメーターセットの変更命令が出力されるまでは、第1の制御パラメーターセットが設定されている状態を維持する。そして、状態設定部29から制御パラメーターセットの変更命令が出力された時に初めて、選択された制御パラメーターセットを設定する。また、状態設定部29が、初期状態への戻すことを指示するリセット信号を出力した場合には、制御パラメーター選択部26は、第1の制御パラメーターセットを設定し直す。
これにより、所定の制御パラメーター変更指示があった場合に、使用する制御パラメーターセットを変更すること等が可能になる。
また、力制御部20は、第2の制御パラメーターセットを用いて力制御を行っている場合には、第1の方向への外力の大きさが第1の閾値を超えたと判断した時に、使用する制御パラメーターセットを第1の制御パラメーターセットに変更する変更処理を行い、第1の制御パラメーターセットを用いて力制御を行っている場合には、第2の方向への外力の大きさが第2の閾値を超えたと判断した時に、使用する制御パラメーターセットを第2の制御パラメーターセットに変更する変更処理を行ってもよい。
ここで、第2の方向は、第1の方向と同一軸上での反対方向のことをいう。
また、ここでは外力の方向を区別し、外力の大きさを正の数、すなわち絶対値で表している。一方、上述した例では、図21に示すように、第1の方向への外力の大きさと第1の閾値とを正の数で表し、第2の方向への外力の大きさと第2の閾値とを負の数で表している。しかし、これらは表現上での差異であるため、本質的には同一のものである。
これにより、上述したように、制御パラメーターセットの変更制御にヒステリシス特性を与えることができ、使用する制御パラメーターセットの変更が頻繁に起こることを回避すること等が可能になる。
また、力覚センサーに第1の外力が加えられた場合のロボットの変位の大きさと、力覚センサーに第1の外力と同じ大きさであって反対の方向の力である第2の外力が加えられた場合のロボットの変位の大きさとが異なる力制御を行ってもよい。
以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、ロボット制御装置及びロボットシステムの構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 力覚センサー、20 力制御部、21 インピーダンス処理部、
22 デジタルフィルター部、23 インバースキネマティクス処理部、
24−1 第1の制御パラメーター記憶部、
24−2 第2の制御パラメーター記憶部、
24−3 閾値記憶部(基準外力方向記憶部)、
25 帯域制限部、26 制御パラメーター選択部、27 外力方向判定部、
29 状態設定部、30 入力補正部、40 フォワードキネマティクス処理部、
60 目標値出力部、62 軌道生成部、64 インバースキネマティクス処理部、
80 ロボット制御部、82−1〜82−N 駆動制御部(モーター制御部)、
100 ロボット、102−1〜102−N 駆動部(モーター)、
221 デジタルフィルター演算部、222 デジタルフィルター係数出力部、
223 デジタルフィルター安定度判定部、224 デジタルフィルター係数記憶部、
225 デジタルフィルター係数変換部、300 制御装置、
310 ロボット(本体)、320 アーム、330 ハンド、
510 力覚センサー、532 姿勢補正部、534 ハンド・ツール自重補正部、
536 運動方程式処理部、540 フォワードキネマティクス処理部、
562 軌道生成部、564 インバースキネマティクス処理部

Claims (16)

  1. 力覚センサーから取得される検出センサー値に基づいて、ロボットの目標軌道の補正値を出力する力制御部と、
    前記目標軌道に対して前記補正値に基づく補正処理を行って目標値を求め、求めた前記目標値を出力する目標値出力部と、
    前記目標値に基づいて、前記ロボットのフィードバック制御を行うロボット制御部と、
    を含み、
    前記力制御部は、
    前記検出センサー値により表される外力の方向が第1の方向である場合には、第1の力制御を行い、
    前記外力の方向が前記第1の方向と反対方向である第2の方向である場合には、前記第1の力制御とは異なる第2の力制御を行うことを特徴とするロボット制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記力制御部は、
    前記外力の方向が前記第1の方向である場合には、外力に対する変位変化量が第1の変位変化量となる力制御を、前記第1の力制御として行い、
    前記外力の方向が前記第2の方向である場合には、外力に対する前記変位変化量が前記第1の変位変化量とは異なる第2の変位変化量となる力制御を、前記第2の力制御として行うことを特徴とするロボット制御装置。
  3. 請求項2において、
    前記力制御部は、
    前記外力の方向が前記第1の方向である場合には、前記第1の変位変化量に対応する第1の補正値を出力する前記第1の力制御を行い、
    前記外力の方向が前記第2の方向である場合には、前記第2の変位変化量に対応する第2の補正値を出力する前記第2の力制御を行うことを特徴とするロボット制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記力制御部は、
    前記検出センサー値により表される前記外力の方向を判定する外力方向判定部を含むことを特徴とするロボット制御装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記力制御部は、
    力制御における制御パラメーターセットを複数記憶する制御パラメーター記憶部と、
    前記制御パラメーター記憶部に記憶された前記制御パラメーターセットの中から、使用する前記制御パラメーターセットの選択処理を行う制御パラメーター選択部と、
    を有し、
    前記力制御部は、
    前記検出センサー値により表される前記外力の方向が前記第1の方向である場合には、第1の制御パラメーターセットを選択する前記選択処理を行い、
    前記外力の方向が前記第2の方向である場合には、第2の制御パラメーターセットを選択する前記選択処理を行い、
    選択した前記制御パラメーターセットを用いて、力制御における常微分方程式の解を前記補正値として求め、前記補正値を出力することを特徴とするロボット制御装置。
  6. 請求項5において、
    前記力制御部は、
    前記第1の制御パラメーターセットを用いて力制御を行っている時に、所定の制御パラメーター変更指示があったと判断された場合に、使用する前記制御パラメーターセットを前記第1の制御パラメーターセットから前記第2の制御パラメーターセットへと変更する変更処理を行うことを特徴とするロボット制御装置。
  7. 請求項6において、
    前記力制御部は、
    前記第2の制御パラメーターセットを用いて力制御を行っている場合には、前記第1の方向への外力の大きさが第1の閾値を超えたと判断した時に、使用する前記制御パラメーターセットを前記第1の制御パラメーターセットに変更する前記変更処理を行い、
    前記第1の制御パラメーターセットを用いて力制御を行っている場合には、前記第2の方向への外力の大きさが第2の閾値を超えたと判断した時に、使用する前記制御パラメーターセットを前記第2の制御パラメーターセットに変更する前記変更処理を行うことを特徴とするロボット制御装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記力制御部は、
    前記検出センサー値により表される外力の方向が前記第2の方向である場合には、前記第1の力制御を行って求めた第1の補正値と、前記第2の力制御を行って求めた第2の補正値とに対して重み付け処理を行って、第3の補正値を求め、求めた前記第3の補正値を出力することを特徴とするロボット制御装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかにおいて、
    前記力制御部は、
    力制御における常微分方程式の解を前記補正値として求めるデジタルフィルター部を有することを特徴とするロボット制御装置。
  10. 請求項9において、
    前記力制御部は、
    前記補正値を求める前記デジタルフィルター部の動作の安定度を判定し、
    前記デジタルフィルター部の前記動作が安定であると判定された場合に、力制御における前記常微分方程式の解を前記補正値として求めることを特徴とするロボット制御装置。
  11. 請求項9又は10のいずれかにおいて、
    前記常微分方程式は、
    仮想質量項、仮想粘性項及び仮想弾性項を係数パラメーターとする運動方程式であることを特徴とするロボット制御装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかの前記ロボット制御装置と、
    前記目標値出力部から取得される前記目標値に基づいて、各部を動作させる前記ロボットと、
    を含むことを特徴とするロボットシステム。
  13. 力覚センサーから取得される検出センサー値に基づいて、ロボットの目標軌道の補正値として、力制御における常微分方程式の解を求め、
    前記検出センサー値により表される外力の方向が第1の方向である場合には、第1の力制御を行い、
    前記外力の方向が前記第1の方向と反対方向である第2の方向である場合には、前記第1の力制御とは異なる第2の力制御を行い、
    前記目標軌道に対して前記補正値に基づく補正処理を行って目標値を求め、求めた前記目標値を出力し、
    前記目標値に基づいて、前記ロボットのフィードバック制御を行うことを特徴とするロボット制御方法。
  14. 請求項13において、
    前記外力の方向が前記第1の方向である場合には、外力に対する変位変化量が第1の変位変化量となる力制御を、前記第1の力制御として行い、
    前記外力の方向が前記第2の方向である場合には、外力に対する前記変位変化量が前記第1の変位変化量とは異なる第2の変位変化量となる力制御を、前記第2の力制御として行うことを特徴とするロボット制御方法。
  15. 力覚センサーを有するロボットの制御を行うロボット制御方法であって、
    前記力覚センサーに加えられた外力の方向に応じて、前記ロボットの変位の大きさが異なる力制御を行うことを特徴とするロボット制御方法。
  16. 力覚センサーを有するロボットの制御を行うロボット制御方法であって、
    前記力覚センサーに第1の外力が加えられた場合の前記ロボットの変位の大きさと、前記力覚センサーに前記第1の外力と同じ大きさであって反対の方向の力である第2の外力が加えられた場合の前記ロボットの変位の大きさとが異なる力制御を行うことを特徴とするロボット制御方法。
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