JP2013143877A - スイッチング電源 - Google Patents
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Abstract
【課題】大出力、低ノイズな2素子のハーフブリッジ共振方式のスイッチング電源でありながら、軽負荷時でも高い効率を有するスイッチング電源を提供する。
【解決手段】本発明に係るスイッチング電源80は、LC共振回路の共振点を切替えるための切替部を有している。そして、負荷の状況に応じて共振点及び動作周波数をこれに適したものに切替える。これにより、軽負荷時の効率を向上させることができ、よって、本発明に係るスイッチング電源80は、重負荷時、軽負荷時の双方において高効率で動作する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係るスイッチング電源80は、LC共振回路の共振点を切替えるための切替部を有している。そして、負荷の状況に応じて共振点及び動作周波数をこれに適したものに切替える。これにより、軽負荷時の効率を向上させることができ、よって、本発明に係るスイッチング電源80は、重負荷時、軽負荷時の双方において高効率で動作する。
【選択図】図1
Description
本発明は、2つのスイッチング素子を高周波で交互にON/OFF制御して、所定の出力電力を負荷側に供給するスイッチング電源に関するものであり、特に負荷への出力電流に応じてLC共振回路の共振点を切り替えるスイッチング電源に関するものである。
近年、省エネルギーの観点からスイッチング電源に関しても高効率化が要求されている。スイッチング電源の高効率化の手段としては、スイッチング時の損失が少ない共振方式を採用することが挙げられる。ただし、共振方式のスイッチング電源は、負荷の消費電力が少ない軽負荷時の効率が悪いという問題点がある。この軽負荷時の電力損失は絶対量が比較的小さいこともあり、従来は特に問題視されなかった。しかしながら、昨今の省エネルギー化の機運の高まりから軽負荷での使用が多くなり、これに伴い軽負荷時の効率改善が求められている。尚、ここでの軽負荷とは、例えば負荷の待機状態や省電力運転モード、蛍光灯やLED点灯装置における間引き運転や減光運転等が挙げられる。
ここで、下記[特許文献1]では重負荷運転時に共振コンデンサの容量を大きく切り替える変更手段を備えたスイッチング電源回路に関する発明が開示されている。
しかしながら、[特許文献1]に開示された発明は、スイッチング素子が1素子で低出力な部分電圧共振型のスイッチング電源に関するものであり、より大出力に対応するために更なる改善が望まれる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、大出力、低ノイズな2素子のハーフブリッジ共振方式のスイッチング電源でありながら、軽負荷時でも高い効率を有するスイッチング電源を提供することを目的とする。
本発明は、
(1)直流電源20の出力端子間に直列に接続される第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2と、前記第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2との接続点Pに1次巻き線Npの一端が接続され、2次巻き線NS1、NS2は整流手段及び平滑手段を介して負荷60側に接続されるスイッチングトランスT1と、前記1次巻き線Npの他端と前記直流電源20の片端との間に接続される共振コンデンサ部30と、前記第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2とを高周波で交互にON/OFF制御するスイッチング制御部32と、を有する共振方式のスイッチング電源において、
負荷60へ出力する負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、負荷電流が所定の閾値を超えたか否かを判定する判定部38と、前記負荷電流が所定の閾値より低い場合に前記共振コンデンサ部30の容量を小さくし、前記負荷電流が所定の閾値より高い場合に前記共振コンデンサ部30の容量を大きくする切替部34と、を有することを特徴とするスイッチング電源80を提供することにより、上記課題を解決する。
(2)判定部38の閾値が、共振コンデンサ部30の容量を小さく切替えるための第1閾値と、共振コンデンサ部30の容量を大きく切替えるための第2閾値と、を有し、第2閾値が第1閾値よりも大きいことを特徴とする上記(1)記載のスイッチング電源80を提供することにより、上記課題を解決する。
(3)切替部34の切替手段が並列に接続された有接点の切替手段(リレースイッチRY)と無接点の切替手段(スイッチング素子Q3)とで構成されていることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のスイッチング電源80を提供することにより、上記課題を解決する。
(1)直流電源20の出力端子間に直列に接続される第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2と、前記第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2との接続点Pに1次巻き線Npの一端が接続され、2次巻き線NS1、NS2は整流手段及び平滑手段を介して負荷60側に接続されるスイッチングトランスT1と、前記1次巻き線Npの他端と前記直流電源20の片端との間に接続される共振コンデンサ部30と、前記第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2とを高周波で交互にON/OFF制御するスイッチング制御部32と、を有する共振方式のスイッチング電源において、
負荷60へ出力する負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、負荷電流が所定の閾値を超えたか否かを判定する判定部38と、前記負荷電流が所定の閾値より低い場合に前記共振コンデンサ部30の容量を小さくし、前記負荷電流が所定の閾値より高い場合に前記共振コンデンサ部30の容量を大きくする切替部34と、を有することを特徴とするスイッチング電源80を提供することにより、上記課題を解決する。
(2)判定部38の閾値が、共振コンデンサ部30の容量を小さく切替えるための第1閾値と、共振コンデンサ部30の容量を大きく切替えるための第2閾値と、を有し、第2閾値が第1閾値よりも大きいことを特徴とする上記(1)記載のスイッチング電源80を提供することにより、上記課題を解決する。
(3)切替部34の切替手段が並列に接続された有接点の切替手段(リレースイッチRY)と無接点の切替手段(スイッチング素子Q3)とで構成されていることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のスイッチング電源80を提供することにより、上記課題を解決する。
本発明に係るスイッチング電源は、負荷への出力電力に応じて共振コンデンサ部の容量を切り替えることで、LC共振回路の共振点を出力電力に適した周波数に移動させる。これにより、軽負荷時の効率を向上させることができる。
本発明に係るスイッチング電源の実施の形態について図面に基づいて説明する。尚、図1、図2では負荷60への出力が一つの単一電源の例を示しているが、特にこれに限定されるわけではなく、本発明は2次巻き線が複数の多出力電源にも適用が可能である。
図1、図2に示す本発明に係るスイッチング電源80は、直流電源20の出力端子間に直列に接続された第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2と、第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2との接続点Pに1次巻き線Npの一端が接続され2次巻き線は負荷60の側に接続されるスイッチングトランスT1と、1次巻き線Npの他端と直流電源20の片端との間に接続される共振コンデンサ部30と、第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2とを高周波で交互にON/OFF制御するスイッチング制御部32と、負荷60へ出力する負荷電流を検出する負荷電流検出手段(抵抗器R4)と、負荷電流が所定の閾値を超えたか否かを判定する判定部38と、判定部38の判定結果により共振コンデンサ部30の容量を変化させる切替部34と、を有している。
直流電源20は例えば交流100Vの商用電源を整流した上で、コンデンサC1で平滑しスイッチング電源80に供給するものであり、アクティブフィルタ方式の直流電源の他、周知の直流電源を用いることができる。
スイッチング制御部32は、所定の高周波信号を発振するとともにその発振周波数を制御する発振回路/制御回路40と、発振回路/制御回路40からの高周波信号に基づいて第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2とを交互に駆動する駆動回路50とを有している。
また、図1、図2に示すスイッチング電源80では、スイッチングトランスT1の出力側にセンタータップ巻線方式の全波整流方式を採用している。よって、2次巻き線はセンタータップを挟んだ2次巻き線NS1、NS2で構成される。そして、センタータップを挟んだ2次巻き線NS1、NS2の片端はそれぞれ整流手段であるダイオードD1、D2を介して接続され、平滑手段としてのコンデンサC2を介して負荷60への負荷出力端(+)となる。また、2次巻き線のセンタータップは負荷60へのグランドGとなる。尚、出力の整流方式は特にセンタータップ巻線方式に限定されるわけではなく、例えばブリッジダイオード方式の他、周知の全波整流回路を用いることができる。
そして、スイッチング電源80では、スイッチングトランスT1のリーケージインダクタンスLp(1次巻き線Np側から見た等価漏れインダクタンス)と後述の共振コンデンサ部30とにより共振回路が構成される。尚、1次巻き線Npと直列にインダクタLrを接続し、このインダクタLrとリーケージインダクタンスLpとにより共振回路のインダクタ部を構成するようにしても良い。この構成によれば共振回路のインダクタンス値をインダクタLrにより支配的に制御することが可能となり、共振回路のインダクタンス値の安定化とバラつきの低減とを図ることができる。尚、本例ではインダクタLrを用いずにリーケージインダクタンスLpと共振コンデンサ部30とにより共振回路を構成する例を説明する。
また、スイッチング電源80は負荷60へ出力する負荷電圧を安定化する電圧安定部36を有している。電圧安定部36は、スイッチングトランスT1の出力電圧を検出する負荷電圧検出手段と、負荷電圧検出手段の検出結果をスイッチング制御部32に帰還させる帰還手段と、を有している。尚、本例の電圧安定部36では、負荷電圧検出手段として2次巻き線の正出力端に一端が接続されたシャントレギュレータIC1を用いた例を示している。また、帰還手段としてシャントレギュレータIC1と2次巻き線の正出力端との間に接続されたフォトカプラPC1を用いた例を示している。また、電圧安定部36は、フォトカプラPC1の発光素子PC1’及びシャントレギュレータIC1と並列に接続された分圧抵抗Ra1、Ra2を有しており、分圧抵抗Ra1、Ra2の接続点はシャントレギュレータIC1のリファレンス端子に接続される。尚、以後はフォトカプラPC1及び後述のフォトカプラPC2、PC3の発光素子をそれぞれPC1’、PC2’、PC3’と記述し、受光素子をそれぞれPC1’’、PC2’’、PC3’’とそれぞれ記述する。
フォトカプラの受光素子PC1’’は抵抗器R2に接続し、抵抗器R2はスイッチング制御部32の端子RTに接続する。また、端子RTには抵抗器R3が受光素子PC1’’及び抵抗器R2と並列に接続されている。さらに、抵抗器R1及び後述するフォトカプラの受光素子PC2’’が抵抗器R3と並列に接続されている。
ここで、電圧安定部36による負荷電圧の安定化動作を説明する。先ず、負荷60への負荷電圧が予め設定された既定の電圧よりも高くなった場合、分圧抵抗Ra1、Ra2の接続点の電圧が増加する。これにより、シャントレギュレータIC1のリファレンス端子の電圧も増加する。シャントレギュレータIC1のリファレンス端子の電圧が増加すると発光素子PC1’に流下する電流が増大し、発光素子PC1’の光量が増加する。尚、フォトカプラPC1はデジタル的なON/OFF動作ではなく、アナログ的動作を行う領域で使用する。つまり、フォトカプラPC1は、発光素子PC1’の光量に応じて受光素子PC1’’を流れる電流値が増減する領域で使用する。このため、発光素子PC1’の光量が増大すると受光素子PC1’’が流す電流は増大し、このときの受光素子PC1’’自体の等価抵抗値は減少する。ここで、スイッチング制御部32の発振回路/制御回路40は、端子RTのインピーダンスに反比例するように発振周波数を変化させる。これは、周知のCR発振回路に基づくものである。そして、端子RTのインピーダンスは、受光素子PC2’’がOFF状態の時には抵抗器R2と抵抗器R3と受光素子PC1’’の等価抵抗値との合成抵抗値となる。また、受光素子PC2’’がON状態の時には抵抗器R1と抵抗器R2と抵抗器R3と受光素子PC1’’の等価抵抗値との合成抵抗値となる。いずれにしろ、発光素子PC1’の光量が増大して受光素子PC1’’の等価抵抗値が減少すると端子RTのインピーダンスは減少する。前述のように、発振回路/制御回路40は端子RTのインピーダンスに反比例して発振周波数を変化させるため、端子RTのインピーダンスが減少すると発振周波数は高くなり、これに伴って駆動回路50が出力するスイッチング周波数も高くなる。これにより第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2のスイッチングは高速化して、スイッチングトランスT1の1次巻き線Npに印加される電圧は減少する。1次巻き線Npの印加電圧が減少すると2次巻き線から出力される電圧も減少し、それに伴って負荷電圧も減少する。これにより、負荷60への負荷電圧は予め設定された既定の電圧に維持される。
反対に、負荷電圧が予め設定された既定の電圧よりも低くなった場合、シャントレギュレータIC1のリファレンス端子の電圧が減少する。シャントレギュレータIC1のリファレンス端子の電圧が減少すると発光素子PC1’に流れる電流も減少し、発光素子PC1’の光量も減少する。発光素子PC1’の光量が減少すると受光素子PC1’’の等価抵抗値が増加し、これに伴って端子RTのインピーダンスが増加する。端子RTのインピーダンスが増加すると発振回路/制御回路40の発振周波数が低くなり、これに伴ってスイッチング周波数も低くなる。これにより第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2のスイッチングは低速化して、スイッチングトランスT1の1次巻き線Npに印加される電圧は増加する。1次巻き線Npの印加電圧が増加すると、2次巻き線からの出力電圧及び負荷電圧も増加する。これにより、負荷電圧は予め設定された既定の電圧に維持される。そして、上記の動作が常時行われることにより、負荷60に出力される負荷電圧は常に一定に維持される。
また、スイッチング電源80の共振コンデンサ部30はスイッチングトランスT1の1次巻き線Npの他端と直流電源20の片端との間に並列に接続される第1共振コンデンサCaと第2共振コンデンサCbとを有している。尚、第1共振コンデンサCaは1次巻き線Npと常時接続状態にある。また、第2共振コンデンサCbには切替部34を構成する切替手段が直列に接続されており、この切替手段のON/OFFにより1次巻き線Npとの接続状態が切替わる。
また、負荷出力端(+)の前段には負荷電流を検出する負荷電流検出手段(抵抗器R4)が接続されている。尚、本例では負荷電流検出手段として抵抗器R4を用いた例を示しているが、負荷電流を検出するカレントセンサ等の周知の電流検出手段を用いても良い。また、負荷電流検出手段はグランドG側に設置する構成としても良い。
そして、負荷電流検出手段(抵抗器R4)の両端は判定部38に接続される。本例の判定部38は、閾値を決定するための分圧抵抗Rb1〜Rb4及び抵抗器R5と、負荷電流が所定の閾値を超えたか否かを判定するオペアンプIC2とを有している。そして、分圧抵抗Rb1、Rb2の接続点はオペアンプIC2のプラス端子(非反転入力端子)に接続し、分圧抵抗Rb3、Rb4の接続点はオペアンプIC2のマイナス端子(反転入力端子)に接続する。また、オペアンプIC2のプラス端子と出力端との間にはオペアンプIC2をヒステリシスコンパレータ回路として機能させる抵抗器R5が接続される。そして、後述の重負荷運転モード時に抵抗器R4に流れる負荷電流が低下して、抵抗器R4の両端の電位差が分圧抵抗Rb1〜Rb4及び抵抗器R5で設定される第1閾値より小さくなると、オペアンプIC2のマイナス端子の電位がプラス端子より高くなり出力端はLo状態となる。また、後述の軽負荷運転モード時に抵抗器R4に流れる負荷電流が増加して、抵抗器R4の両端の電位差が分圧抵抗Rb1〜Rb4で設定される第2閾値より大きくなると、プラス端子の電位がマイナス端子より高くなり出力端はHi状態となる。
尚、オペアンプIC2がHi状態の時には、プラス端子に抵抗器R5のインピーダンスが関与するため、オペアンプIC2の出力端をLoに切替えるための第1閾値と、オペアンプIC2の出力端をHiに切替えるための第2閾値とは異なる値となり、第2閾値が第1閾値よりも大きな値となる。
また、図1に示す第1の形態のスイッチング電源80の切替部34は、判定部38の判定結果によりON/OFFするトランジスタTrと、このトランジスタTrのON/OFFによりスイッチング動作する有接点の切替手段としてのリレースイッチRYと、を有している。そして、本例ではトランジスタTrのベース端子がオペアンプIC2の出力端に接続され、オペアンプIC2の出力端がHi状態の時にON状態となる。トランジスタTrがON状態にあるとき、リレースイッチRYの駆動コイルRY’には駆動電流が流下し、リレースイッチRYもON状態となる。そして、リレースイッチRYがON状態にあるとき、共振コンデンサ部30の第2共振コンデンサCbと1次巻き線Npとは電気的に接続する。反対に、オペアンプIC2の出力端がLo状態の時にはトランジスタTrはOFF状態となる。この場合、駆動コイルRY’に電流は流下せず、リレースイッチRYもOFF状態となる。そして、第2共振コンデンサCbと1次巻き線Npとは電気的に切断状態となる。尚、本例では共振コンデンサ部30の容量の切替手段に有接点のリレースイッチRYを用いた例を示しているが、以下の第2の形態のスイッチング電源80の例にあるMOSFET等の無接点のスイッチング素子を切替手段として用いても良い。
また、図2に示す第2の形態のスイッチング電源80の切替部34は、有接点の切替手段(リレースイッチRY)と並列に接続された無接点の切替手段(スイッチング素子Q3)を有している。スイッチング素子Q3としては応答速度の速いMOSFET等の半導体スイッチング素子を用いることが好ましい。そして、本例におけるスイッチング素子Q3のゲート端子はフォトカプラPC3の受光素子PC3’’を介してスイッチング制御部32の電源ラインVccに接続される。また、フォトカプラPC3の発光素子PC3’はオペアンプIC2の出力端とトランジスタTrのベース端子との間に接続される。よって、オペアンプIC2の出力端がHi状態に切替わるとフォトカプラPC3の発光素子PC3’が発光し受光素子PC3’’がON状態となる。これにより、スイッチング素子Q3がON状態となり、第2共振コンデンサCbと1次巻き線Npとは電気的に接続する。次いで、有接点の切替手段(リレースイッチRY)が第1の形態のスイッチング電源80と同様にON状態となる。反対にオペアンプIC2の出力端がLo状態に切替わるとフォトカプラPC3の受光素子PC3’’がOFF状態となってスイッチング素子Q3もOFF状態となる。次いで、リレースイッチRYもOFF状態となる。これにより、第2共振コンデンサCbと1次巻き線Npとは電気的に切断状態となる。
また、切替部34は発振周波数の切替機構として、フォトカプラPC2を有している。そして、フォトカプラPC2の発光素子PC2’は、オペアンプIC2の出力端とスイッチングトランスT1の出力との間に接続される。よって、発光素子PC2’はオペアンプIC2の出力端がLoの時に発光動作する。つまり、トランジスタTr(及びフォトカプラPC3)とフォトカプラPC2とは、オペアンプIC2のHi/Loに応じて交互にON/OFF状態が切替わる。
そして、フォトカプラPC2の受光素子PC2’’は抵抗器R1と直列接続されており、発光素子PC2’が発光動作して受光素子PC2’’がON状態になると端子RTと抵抗器R1とが電気的に接続する。反対に、オペアンプIC2の出力端がHiの時には受光素子PC2’’はOFF状態となり、端子RTと抵抗器R1とは電気的に切断状態となる。尚、フォトカプラPC2はフォトカプラPC1とは異なりデジタル的なON/OFF動作を行う。よって、受光素子PC2’’がON状態のときの受光素子PC2’’自体の等価抵抗値はほぼ0Ωとなり、端子RTのインピーダンスに大きな影響を与えることはない。
次に、スイッチング電源80の具体的な動作を説明する。尚、本例における主要素子の値を以下に示す。
直流電源:商用電源100Vを整流、平滑、出力電圧約138V
リーケージインダクタンスLp:143μH
第1共振コンデンサ(Ca)の容量:0.13μF
第2共振コンデンサ(Cb)の容量:0.33μF
第1共振コンデンサ、第2共振コンデンサ接続時の共振点fa:19.6kHz
第2共振コンデンサ非接続時の共振点fb:36.9kHz
負荷60への負荷電圧:24V
ここで、スイッチング周波数と1次巻き線Npへの印加電圧との関係を図3に示す。尚、ここではスイッチング周波数の特定の一点の周波数を動作周波数と記述する。
直流電源:商用電源100Vを整流、平滑、出力電圧約138V
リーケージインダクタンスLp:143μH
第1共振コンデンサ(Ca)の容量:0.13μF
第2共振コンデンサ(Cb)の容量:0.33μF
第1共振コンデンサ、第2共振コンデンサ接続時の共振点fa:19.6kHz
第2共振コンデンサ非接続時の共振点fb:36.9kHz
負荷60への負荷電圧:24V
ここで、スイッチング周波数と1次巻き線Npへの印加電圧との関係を図3に示す。尚、ここではスイッチング周波数の特定の一点の周波数を動作周波数と記述する。
負荷60が定格出力に近い比較的大きな電力を必要とする場合、スイッチング電源80は重負荷運転モード(定格運転モード)で動作する。この重負荷運転モードでは、負荷電流検出手段である抵抗器R4の両端の電位差は大きくオペアンプIC2の出力端はHi状態にある。前述のようにオペアンプIC2の出力端がHi状態のときには、第2共振コンデンサCbと1次巻き線Npとは電気的に接続する。よって、共振コンデンサ部30の容量は、第1共振コンデンサCaの容量と第2共振コンデンサCbの容量とが合成された第1共振コンデンサCa単独の容量よりも大きな値となる。そしてこの時、共振コンデンサ部30とリーケージインダクタンスLpとで主に構成されるLC共振回路の共振点faは、重負荷運転モードに適した上記の19.6kHzとなる。
またこのとき、フォトカプラPC2はOFF状態に維持され、抵抗器R1と端子RTとは電気的に切断状態となる。このため、端子RTのインピーダンスは大きく、発振周波数とこれに基づくスイッチング周波数は抵抗器R1の接続時よりも低い重負荷運転モードに適した周波数となる。尚、本例での定格出力電流(負荷電流5.8A)時の動作周波数f1はf1=32.4kHzであり、この時の負荷60への出力電力は140Wである。そして、重負荷運転モードにおける1次巻き線Npへの印加電圧は、図3の19.6kHzの共振点faを有する曲線Aに沿って制御される。
このため、負荷60が定格出力電流より大きな負荷電流を要求した場合、スイッチング周波数は動作周波数f7の方向(低周波側)に移動し、これに伴い1次巻き線Npへの印加電圧は曲線Aに沿って上昇する。これにより、負荷電流も上昇する。尚、本発明に係るスイッチング電源80は、動作上限である動作周波数f7まで短時間の動作を許容している。また、負荷60の負荷が軽減するとスイッチング周波数は動作周波数f2の方向(高周波側)に移動し、これに伴い1次巻き線Npへの印加電圧は曲線Aに沿って低下する。これにより、負荷電流も減少する。この負荷電流の増減は負荷電流検出手段(抵抗器R4)の両端の電位差の変化として判定部38がモニタする。
そして、負荷60が所定の負荷より小さくなり(本例では出力電力41W、負荷電流1.7A、このときの動作周波数f2=36kHz)、抵抗器R4の両端の電位差が第1閾値より小さくなるとオペアンプIC2の出力端がLoに切替わる。これにより、第1の形態のスイッチング電源80ではトランジスタTrがOFF動作して、第2共振コンデンサCbは1次巻き線Npから電気的に切り離され、共振コンデンサ部30の容量は第1共振コンデンサCaのみの容量に減少する。また、第2の形態のスイッチング電源80ではスイッチング素子Q3及びトランジスタTrがOFF動作して、第2共振コンデンサCbは1次巻き線Npから電気的に切り離され、共振コンデンサ部30の容量は第1共振コンデンサCaのみの容量に減少する。
周知のようにLC共振回路の共振周波数f0は、
f0=1/(2π×(L×C)1/2) の基本数式で表される。
よって、共振コンデンサ部30の容量が減少するとその共振周波数f0は高周波側に移動する。そして、本例においては軽負荷時に適した36.9kHzの共振点fbを有する曲線B(軽負荷運転モード)に変化する。従って、本発明に係るスイッチング電源80の重負荷運転モードの動作範囲は、動作周波数f7から動作周波数f2の範囲となる。
f0=1/(2π×(L×C)1/2) の基本数式で表される。
よって、共振コンデンサ部30の容量が減少するとその共振周波数f0は高周波側に移動する。そして、本例においては軽負荷時に適した36.9kHzの共振点fbを有する曲線B(軽負荷運転モード)に変化する。従って、本発明に係るスイッチング電源80の重負荷運転モードの動作範囲は、動作周波数f7から動作周波数f2の範囲となる。
また、オペアンプIC2の出力端がLo状態になると、フォトカプラPC2の発光素子PC2’に電流が流下して発光動作する。発光素子PC2’が発光動作すると、受光素子PC2’’がON動作し、抵抗器R1と端子RTとは電気的に接続状態となる。これにより、端子RTに掛かるインピーダンスは小さくなり、発振周波数及びスイッチング周波数は大きくなる。これにより、切替え前の動作周波数f2=36kHzは共振点の切替と同時に軽負荷運転モードに適した動作周波数f3=68kHzに瞬時に移動する。尚、理想トランスの場合、この共振点及び動作周波数の移動の前後において1次巻き線Npへの印加電圧は変化しない。よって、各素子の値の最適化により、負荷60への出力は出力電力41W、負荷電流1.7Aのまま継続される。また、負荷電圧の微調整は電圧安定部36等による制御回路(スイッチング制御部32)への負帰還により自動的になされる。
ここで、負荷60への出力電力と効率(スイッチング電源80への入力電力と出力電力との比率)の関係を図4に示す。尚、図4中の曲線Aは共振点faで動作している重負荷運転モード時の効率であり、曲線Bは共振点fbで動作している軽負荷運転モード時の効率である。
図4より、重負荷運転モードと軽負荷運転モードの切替点である41Wでの効率は、曲線A(重負荷運転モード)では81.8%であるのに対し曲線B(軽負荷運転モード)では85.3%であり、上記の切替動作により効率が3.5%向上することが分かる。これは、電力にして約2.3Wの省エネルギーとなる。
尚、軽負荷運転モードに切替わった後にさらに負荷60への負荷電流が減少すると、スイッチング周波数は図3の動作周波数f4の方向(高周波側)に移動し、これに伴い1次巻き線Npへの印加電圧は曲線Bに沿って低下する。これにより、負荷電流も減少し、最終的に軽負荷動作範囲の下限である無負荷状態(出力電力0W、負荷電流0A)の動作周波数f4=77kHzまで制御される。この軽負荷動作範囲においても、図4に示すように、電力損失の低減が認められる。
また、軽負荷運転モードにおいて負荷電流が増加すると、スイッチング周波数は動作周波数f5の方向(低周波側)に移動し、これに伴い1次巻き線Npへの印加電圧は曲線Bに沿って上昇する。これにより、負荷電流が増加する。そして、負荷60が所定の負荷より大きくなると(本例では出力電力54W、負荷電流2.3A、このときの動作周波数f5=67kHz)、抵抗器R4の両端の電位差が分圧抵抗Rb1〜Rb4で設定される第2閾値より大きくなり、オペアンプIC2の出力端はHiに切替わる。これにより、第1の形態のスイッチング電源80では前述のようにリレースイッチRYがON動作し、第2共振コンデンサCbと1次巻き線Npとは電気的に接続され、共振コンデンサ部30の容量は増加する。そして、LC共振回路の共振点は共振点fbから重負荷に適した共振点faに移動し、スイッチング電源80は軽負荷運転モードから重負荷運転モードに切替わる。
また、第2の形態のスイッチング電源80ではスイッチング素子Q3及びリレースイッチRYがON動作する。このときの応答速度は有接点のリレースイッチRYよりも無接点のスイッチング素子Q3のほうが速い。よって、第2の形態のスイッチング電源80は、第1の形態のスイッチング電源80よりも軽負荷運転モードから重負荷運転モードへの切替動作を迅速に行うことができる。また、第2の形態のスイッチング電源80は、スイッチング素子Q3が切替動作した後に、損失の低い有接点のリレースイッチRYがON動作する。よって、第2の形態のスイッチング電源80によれば、有接点の切替手段による低い損失を維持しながら、無接点の切替手段により迅速かつスムーズな運転モード(軽負荷運転モードから重負荷運転モードへ)の切替動作を行うことができる。
また、オペアンプIC2の出力端がHi状態になると、フォトカプラPC2の発光素子PC2’には電流が流下せず、フォトカプラの受光素子PC2’’はOFF状態となる。受光素子PC2’’がOFF状態になると、抵抗器R1と端子RTとは電気的に遮断され、端子RTに掛かるインピーダンスは大きくなり、発振周波数は小さくなる。これにより、切替え前の動作周波数f5=67kHzは共振点の切替と同時に重負荷運転モードに適した動作周波数f6=35kHzに瞬時に移動する。従って、本発明に係るスイッチング電源80の軽負荷運転モードの動作範囲は、動作周波数f5から動作周波数f4の範囲となる。尚、理想トランスの場合、この共振点及び動作周波数の移動の前後において1次巻き線Npへの印加電圧は変化しない。よって、負荷60への出力は出力電力54W、負荷電流2.3Aのまま継続される。また、負荷電圧の微調整は電圧安定部36等による制御回路(スイッチング制御部32)への負帰還により自動的になされる。
上記のように、重負荷運転モードから軽負荷運転モードへの切替は負荷電流1.7A(出力電力41W)で行われるのに対し、軽負荷運転モードから重負荷運転モードへの切替はこれよりも大きな負荷電流2.3A(出力電力54W)で行われる。つまり、軽負荷運転モードから重負荷運転モードに切替えるための第2閾値は、重負荷運転モードから軽負荷運転モードに切替えるための第1閾値よりも大きい。このように、本発明に係るスイッチング電源80の切替動作は、図5に示すようにヒステリシス特性を有している。尚、本例の切替時の出力電力の差(ヒステリシス)は13Wである。
ここで、運転モード切替の閾値が一つでヒステリシス特性が無い場合、負荷電流が閾値近傍のときには頻繁に切替動作が生じる。しかしながら、上記のように運転モードの切替にヒステリシス特性を付与し第1閾値と第2閾値とを異なる値とすることで、このような頻繁な切替動作を防止することができる。これにより、切替手段の消耗を最小限に留めることができる他、切替え動作時の振動音の低減を図ることができる。また、負荷60への出力のリプル電圧の低減及び安定化を図ることができる。
以上のように、本発明に係るスイッチング電源80は、LC共振回路の共振点を切替えるための切替部を有している。そして、負荷の状況に応じて共振点及び動作周波数をこれに適したものに切替える。これにより、重負荷運転時と軽負荷運転時の双方で励磁電流を適正化することができ、軽負荷運転時においてもスイッチングトランスT1の鉄損、銅損、スイッチング素子Q1、Q2の発熱、その他回路電流に依る損失を低減する事が可能となる。これにより、軽負荷時の効率を向上させることができ、よって、本発明に係るスイッチング電源80は、重負荷時、軽負荷時の双方において高効率で動作する。
尚、本例で示したスイッチング電源80は一例であるから、各部の回路構成、数値、機構等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
20 直流電源
30 共振コンデンサ部
32 スイッチング制御部
34 切替部
38 判定部
60 負荷
80 スイッチング電源
Np 1次巻き線
NS1、NS2 2次巻き線
P 接続点
Q1 第1スイッチング素子
Q2 第2スイッチング素子
Q3 スイッチング素子(無接点の切替手段)
R4 抵抗器(負荷電流検出手段)
RY リレースイッチ(有接点の切替手段)
T1 スイッチングトランス
30 共振コンデンサ部
32 スイッチング制御部
34 切替部
38 判定部
60 負荷
80 スイッチング電源
Np 1次巻き線
NS1、NS2 2次巻き線
P 接続点
Q1 第1スイッチング素子
Q2 第2スイッチング素子
Q3 スイッチング素子(無接点の切替手段)
R4 抵抗器(負荷電流検出手段)
RY リレースイッチ(有接点の切替手段)
T1 スイッチングトランス
Claims (3)
- 直流電源の出力端子間に直列に接続される第1スイッチング素子と第2スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子と第2スイッチング素子との接続点に1次巻き線の一端が接続され、2次巻き線は整流手段及び平滑手段を介して負荷側に接続されるスイッチングトランスと、
前記1次巻き線の他端と前記直流電源の片端との間に接続される共振コンデンサ部と、
前記第1スイッチング素子と第2スイッチング素子とを高周波で交互にON/OFF制御するスイッチング制御部と、を有する共振方式のスイッチング電源において、
負荷へ出力する負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、
負荷電流が所定の閾値を超えたか否かを判定する判定部と、
前記負荷電流が所定の閾値より低い場合に前記共振コンデンサ部の容量を小さくし、前記負荷電流が所定の閾値より高い場合に前記共振コンデンサ部の容量を大きくする切替部と、
を有することを特徴とするスイッチング電源。 - 判定部の閾値が、共振コンデンサ部の容量を小さく切替えるための第1閾値と、共振コンデンサ部の容量を大きく切替えるための第2閾値と、を有し、
第2閾値が第1閾値よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源。 - 切替部の切替手段が並列に接続された有接点の切替手段と無接点の切替手段とで構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスイッチング電源。
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