JP2013139911A - 空調室内機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空調室内機10では、コアンダ羽根32の第1面32aが凸状の凸状湾曲面32aaを含み、吹出空気を凸状湾曲面32aaに沿わせたコアンダ気流にする。制御部40は、上吹きのコアンダ気流を生じさせるときは凸状湾曲面32aaが下を向くようにコアンダ羽根32の姿勢を調整し、下吹きのコアンダ気流を生じさせるときは凸状湾曲面32aaが上を向くようにコアンダ羽根32の姿勢を調整する。つまり、コアンダ羽根32は、上吹き及び下吹きの両方で活用される。
【選択図】図3E
Description
図1は、本発明の一実施形態に係る運転停止時の空調室内機10の断面図である。また、図2Aは、運転時の空調室内機10の断面斜視図である。図1及び図2Aにおいて、空調室内機10は壁掛けタイプであり、本体ケーシング11、室内熱交換器13、室内ファン14、底フレーム16、及び制御部40が搭載されている。
(2−1)前面パネル11b
図1に示すように、前面パネル11bは本体ケーシング11の上部前方からなだらかな円弧曲面を描きながら下部水平板11dの前方エッジに向かって延びている。前面パネル11bの下部に本体ケーシング11の内側に向かって窪んだ領域がある。この領域の窪み深さはコアンダ羽根32の厚み寸法に合うように設定されており、コアンダ羽根32が収容される収容部130を成している。収容部130の表面もなだらかな円弧曲面である。
図1及び図2Aに示すように、吹出口15は、本体ケーシング11の下部に設けられており、横方向(図1紙面と直交する方向)を長辺とする長方形の開口である。吹出口15の下端は下部水平板11dの前方エッジに近接しており、吹出口15の下端と上端とを結ぶ仮想面は前方上向きに傾斜している。
スクロール17は、室内ファン14に対峙するように湾曲した隔壁であり、底フレーム16の一部である。スクロール17の終端Fは、吹出口15の周縁近傍まで到達している。吹出流路18を通る空気は、スクロール17に沿って進み、スクロール17の終端Fの接線方向に送られる。したがって、吹出口15に風向調整羽根31がなければ、吹出口15から吹き出される吹出空気の風向は、スクロール17の終端Fの接線L0に概ね沿った方向である。
垂直風向調整板20は、図1及び図2Aに示すように、複数の羽根片201と、複数の羽根片201を連結する連結棒203を有している。また、垂直風向調整板20は、吹出流路18において、風向調整羽根31よりも室内ファン14近傍に配置されている。
風向調整羽根31は、図1及び図2Aに示すように、円弧状の部材である。風向調整羽根31は、凸状の外側湾曲面を含む外側面31aと、凹状の内側湾曲面を含む内側面31bを有している。
コアンダ羽根32は、図1及び図2Aに示すように、円弧状の部材である。コアンダ羽根32は、凸状湾曲面を含む第1面32aと、凹状湾曲面を含む第2面32bを有している。なお、第1面32aは、コアンダ羽根32が収容部130に収容されている際に本体ケーシング11と反対の側に配置される面である。また、第2面32bは、コアンダ羽根32が収容部130に収容されている際に本体ケーシング11と対向する側に配置される面である。
フィルタ清掃装置70は、少なくともフィルタ71と、フィルタ駆動ローラー73と、ブラシ75と、ダストボックス77とを含んでいる。フィルタ71は、フィルタ駆動ローラー73の回転によって、所定の環状軌道に沿って周回することができる。ブラシ75は、フィルタ清掃用のブラシであり、フィルタ71に付着した塵埃を掻き落すため、フィルタ71を挟んでフィルタ駆動ローラー73と対向している。ダストボックス77は、ブラシ75がフィルタ71から掻き落した塵埃を溜める。
本実施形態の空調室内機は、吹出空気の方向を制御する手段として、風向調整羽根31のみを回動させて吹出空気の方向を調整する通常吹出モードと、風向調整羽根31及びコアンダ羽根32を回動させてコアンダ効果によって吹出空気をコアンダ羽根32の第1面32a或いは第2面32bに沿わせたコアンダ気流にするコアンダ効果利用モードと、風向調整羽根31及びコアンダ羽根32それぞれの先端を前方下向きにして吹出空気を下方に導く下吹きモードを有している。
通常吹出モードは、風向調整羽根31のみを回動させて吹出空気の方向を調整するモードであり、「通常前吹き」と「通常前方下吹き」とを含む。
図3Aは、吹出空気が通常前吹き時の風向調整羽根31及びコアンダ羽根32の側面図である。図3Aにおいて、ユーザーが「通常前吹き」を選択したとき、制御部40は風向調整羽根31の内側面31bが略水平になる位置まで風向調整羽根31を回動させる。なお、本願実施形態のように風向調整羽根31の内側面31bが円弧曲面をなしている場合は、内側湾曲面31bbの前方端E1における接線L1が略水平になるまで風向調整羽根31を回動させる。その結果、吹出空気は、前吹き状態となる。
図3Bは、吹出空気が通常前方下吹き時の風向調整羽根31及びコアンダ羽根32の側面図である。図3Bにおいて、ユーザーは吹出方向を「通常前吹き」よりも下方に向けたいとき、「通常前方下吹き」を選択すればよい。
コアンダ(効果)とは、気体や液体の流れのそばに壁があると、流れの方向と壁の方向とが異なっていても、壁面に沿った方向に流れようとする現象である(朝倉書店「法則の辞典」)。コアンダ利用モードは、このコアンダ効果を利用した「コアンダ気流前方吹き」、「コアンダ気流天井吹き」および「コアンダ気流床吹き」を含む。
図3Cは、コアンダ気流前方吹き時の風向調整羽根31及びコアンダ羽根32の側面図である。図3Cにおいて、「コアンダ気流前方吹き」が選択されたとき、制御部40は、風向調整羽根31の内側湾曲面31bbの前方端E1における接線L1が水平よりも前下がりになるまで風向調整羽根31を回動させる。
図3Dは、コアンダ気流天井吹き時の風向調整羽根31及びコアンダ羽根32の側面図である。図3Dにおいて、「コアンダ気流天井吹き」が選択されたとき、制御部40は風向調整羽根31の内側湾曲面31bbの前方端E1における接線L1が水平になるまで風向調整羽根31を回動させる。
図3Eは、コアンダ気流床吹き時の風向調整羽根31及びコアンダ羽根32の側面図である。図3Eにおいて、主に暖房運転時に「コアンダ気流床吹き」が選択されたとき、制御部40は風向調整羽根31の内側湾曲面31bbの前方端E1における接線L1が下向きなるまで風向調整羽根31を回動させる。
図3Fは、下吹き時の風向調整羽根31及びコアンダ羽根32の側面図である。図3Fにおいて、「下吹き」が選択されたとき、制御部40は風向調整羽根31の内側湾曲面31bbの前方端E1における接線が下向きなるまで風向調整羽根31を回動させる。
制御部40は、コアンダ羽根32の後端322と、形成壁115の上壁111との間に隙間Cが形成されるようにコアンダ羽根32の姿勢を調整するので、例えば、冷房運転時、コアンダ羽根32の第1面32a及び内側湾曲面の両面に吹出空気が導かれる。つまり、コアンダ羽根32の両面に冷風が通過するので、コアンダ羽根への結露が防止される。
上記のような吹出空気の方向制御を利用した空調室内機の動作について、以下、図面を参照しながら説明する。
(4−1−1)コアンダ羽根32の第1姿勢
図6Aは、コアンダ羽根32が第1姿勢をとるときのコアンダ気流の風向を示す空調室内機設置空間の側面図である。図6Aにおいて、空調室内機10は室内側壁の上方に設置されている。コアンダ羽根32は、収容部130に収納されている状態(以後、第1姿勢とよぶ)である。コアンダ羽根32が第1姿勢のときに風向調整羽根31の姿勢を水平よりも上向きにすることによって、風向調整羽根31の内側面31bで風向調整された吹出空気がその内側面31bを離れた後、コアンダ羽根32の第1面32aに引っ張られるように方向を変え、第1コアンダ気流となってコアンダ羽根32の第1面32aおよび前面パネル11bに沿うように流れる。
次に、図6Bは、コアンダ羽根32が第2姿勢をとるときのコアンダ気流の風向を示す空調室内機設置空間の側面図である。図6Bにおけるコアンダ羽根32の第2姿勢は、図7Bにおいてカーソル52aで第2コアンダ角度を指定し確定することによって成し得る。コアンダ羽根32が第2姿勢のときに発生するコアンダ気流は、「(3−2−2)コアンダ気流天井吹き」の段で説明したコアンダ気流に相当する。第2コアンダ角度が選択されたとき、図3Dに示すように、制御部40は風向調整羽根31の内側湾曲面31bbの前方端E1における接線L1が水平になるまで風向調整羽根31を回動させ、次に、第1面32aの凸状湾曲面32aaの前方端E2における接線L2が前方上向きとなるまでコアンダ羽根32を回動させる。したがって、風向調整羽根31の内側湾曲面31bbの前方端E1における接線L1方向が前方吹きであっても、コアンダ羽根32の凸状湾曲面32aaの前方端E2における接線L2方向が前方上吹きであるので、吹出空気は、コアンダ効果によってコアンダ羽根32の凸状湾曲面32aaの前方端E2における接線L2方向、すなわち天井方向に吹き出される。
さらに、図6Cは、コアンダ羽根32が第4姿勢をとるときのコアンダ気流の風向を示す空調室内機設置空間の側面図である。図6Cにおけるコアンダ羽根32の第4姿勢は、図7Bにおいてカーソル52aで第4コアンダ角度を指定し確定することによって成し得る。コアンダ羽根32が第4姿勢のときに発生するコアンダ気流は、「(3−2−1)コアンダ気流前方吹き」の段で説明したコアンダ気流に相当する。第4コアンダ角度が選択されたとき、図3Cに示すように、制御部40は、風向調整羽根31の内側湾曲面31bbの前方端E1における接線L1が水平よりも前下がりになるまで風向調整羽根31を回動させ、次に、第1面32aの凸状湾曲面32aaの前方端E2における接線L2が略水平になる位置までコアンダ羽根32を回動させる。したがって、風向調整羽根31の内側湾曲面31bbの前方端E1における接線L1方向が前方下吹きであっても、コアンダ羽根32の凸状湾曲面32aaの前方端E2における接線L2方向が水平であるので、吹出空気は、コアンダ効果によってコアンダ羽根32の凸状湾曲面32aaの前方端E2における接線L2方向、すなわち水平方向に吹き出される。
さらに、図6Dは、コアンダ羽根32が第6姿勢をとるときのコアンダ気流の風向を示す空調室内機設置空間の側面図である。図6Dにおけるコアンダ羽根32の第6姿勢は、図7Bにおいてカーソル52aで第6コアンダ角度を指定し確定することによって成し得る。
図9Aは、第1姿勢をとるコアンダ羽根32の斜視図である。図9Aにおいて、コアンダ羽根32の第2面32bには、第1前方連結部331、及び第2前方連結部332が設けられている。第1前方連結部331、及び第2前方連結部332は、コアンダ羽根32の収納位置において第2面32bの前方端側で、第2面32bの長手方向に沿って所定間隔で配置されている。
(6−1)
空調室内機10では、コアンダ羽根32の第1面32aが凸状の凸状湾曲面32aaを含み、吹出空気を凸状湾曲面32aaに沿わせたコアンダ気流にする。制御部40は、上吹きのコアンダ気流を生じさせるときは凸状湾曲面32aaが下を向くようにコアンダ羽根32の姿勢を調整し、下吹きのコアンダ気流を生じさせるときは凸状湾曲面32aaが上を向くようにコアンダ羽根32の姿勢を調整する。つまり、コアンダ羽根32は、上吹き及び下吹きの両方で活用される。
空調室内機10では、第1ステッピングモータ61、第2ステッピングモータ62を含む駆動機構によって、コアンダ羽根32はその長手方向と平行な軸を中心に回転することができる。制御部40は、その駆動機構を介してコアンダ羽根32の姿勢を調整する。コアンダ羽根32の回転量を制御することによって、コアンダ羽根32の凸状湾曲面32aaを下に向けることも、上に向けることも可能であり、コアンダ羽根32の上吹きに適した姿勢および下吹きに適した姿勢のいずれにも容易に切り換えることができる。
空調室内機10では、制御部40が、冷房運転時、コアンダ羽根32の凸状湾曲面32aa及び凹状湾曲面32bbの両面に吹出空気が導かれるように、コアンダ羽根32の姿勢を調整する。コアンダ羽根32の両面に冷風が通過するので、コアンダ羽根への結露が防止される。
空調室内機10では、制御部40が、コアンダ羽根32の後端322と、吹出口15の形成壁115の上壁111との間に隙間Cが形成されるように、コアンダ羽根32の姿勢を調整している。コアンダ羽根32の両面は冷風で包み込まれるので、片面のみが冷却されて結露するような現象が防止される。
上記実施形態では、駆動機構を用いてコアンダ羽根32の姿勢を制御しているが、それに限定されるものではない。図10Aは、変形例に係る空調室内機10のコアンダ羽根32が下吹き姿勢のときの風向調整羽根31とコアンダ羽根32の側面図である。また、図10Bは、変形例に係る空調室内機10のコアンダ羽根32が第6姿勢のときの風向調整羽根31とコアンダ羽根32の側面図である。
15 吹出口
32 コアンダ羽根
32a 第1面(湾曲面)
Claims (5)
- 吹出口(15)から吹き出される吹出空気の流れをコアンダ効果により所定の方向へ誘導可能な空調室内機であって、
表裏の一方の面だけが凸状の湾曲面(32a)を含み、前記吹出空気を前記湾曲面(32a)に沿わせたコアンダ気流にするコアンダ羽根(32)と、
上吹きの前記コアンダ気流を生じさせるときは前記湾曲面(32a)が下を向くように前記コアンダ羽根(32)の姿勢を調整し、下吹きの前記コアンダ気流を生じさせるときは前記湾曲面(32a)が上を向くように前記コアンダ羽根(32)の姿勢を調整する制御部(40)と、
を備える空調室内機(10)。 - 前記コアンダ羽根(32)をその長手方向と平行な軸を中心に回転させる駆動部をさらに備え、
前記制御部(40)は、前記駆動部を介して前記コアンダ羽根(32)の姿勢を調整する、
請求項1に記載の空調室内機(10)。 - 前記コアンダ羽根(32)は、バイメタル材で成形されており、自己の温度が所定温度帯を超えたとき、前記湾曲面(32a)が形成される面が前記コアンダ羽根(32)の表裏の一方から他方に切り換わる、
請求項1に記載の空調室内機(10)。 - 前記制御部(40)は、冷房運転時、前記コアンダ羽根(32)の表裏両面に前記吹出空気が導かれるように、前記コアンダ羽根(32)の姿勢を調整する、
請求項2又は請求項3に記載の空調室内機(10)。 - 前記制御部(40)は、前記コアンダ羽根(32)と、前記吹出口(15)の形成壁の上壁との間に隙間が形成されるように、前記コアンダ羽根(32)の姿勢を調整する、
請求項4に記載の空調室内機(10)。
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