JP2013139028A - アニオン交換樹脂の再生方法及び再生アニオン交換樹脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハロゲンガスが吸着したアニオン交換樹脂を、新品と同程度のアニオン交換樹脂の交換容量に繰り返し再生する方法を提供する。
【解決手段】ハロゲンガスが吸着した使用済アニオン交換樹脂を再生する方法であって、当該使用済アニオン交換樹脂を、アルカリ化合物及び還元剤の両方を含む洗浄液で再生する工程を有し、且つ、再生アニオン交換樹脂中の水分量を5重量%未満とするアニオン交換樹脂の再生方法。該再生方法によれば、再生中の劣化を抑制し、新品と同程度のハロゲンガス吸着特性を有する状態に再生することができ、使用、再生を繰り返してもアニオン交換樹脂の交換容量を新品と同程度に維持することが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】ハロゲンガスが吸着した使用済アニオン交換樹脂を再生する方法であって、当該使用済アニオン交換樹脂を、アルカリ化合物及び還元剤の両方を含む洗浄液で再生する工程を有し、且つ、再生アニオン交換樹脂中の水分量を5重量%未満とするアニオン交換樹脂の再生方法。該再生方法によれば、再生中の劣化を抑制し、新品と同程度のハロゲンガス吸着特性を有する状態に再生することができ、使用、再生を繰り返してもアニオン交換樹脂の交換容量を新品と同程度に維持することが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハロゲンガスの除去に使用されるアニオン交換樹脂の再生方法及び該再生方法で再生されたアニオン交換樹脂に関する。
半導体産業をはじめとする様々な産業でハロゲンガスが使用されている。
例えば、CVD装置等の薄膜形成装置における容器の内面に付着する成分を、ClF3のガスでオートクリーニングする方法が用いられている。クリーニング排ガス中には、ClF3だけでなく、副生成物として同時に排出されるSiF4、SiCl4、BF3、BCl3、PCl3,Cl2等の有害ガスが含まれている。そのため、これら有害ガスの除去方法の確立が急がれている。
例えば、CVD装置等の薄膜形成装置における容器の内面に付着する成分を、ClF3のガスでオートクリーニングする方法が用いられている。クリーニング排ガス中には、ClF3だけでなく、副生成物として同時に排出されるSiF4、SiCl4、BF3、BCl3、PCl3,Cl2等の有害ガスが含まれている。そのため、これら有害ガスの除去方法の確立が急がれている。
かかるハロゲンガスを含有する有害排ガスの処理方法として、特許文献1には、鉄の酸化物又は合成ゼオライトと接触させた後、アニオン交換樹脂に接触させる排ガスの処理方法が提案されている。この方法により十分な処理量が得られるClF3等の排ガスの処理法が提供されることが記載されている。
上述のハロゲンガスの除去に使用された、アニオン交換樹脂はハロゲンガスの吸着に伴い、イオン交換容量が低下するため、繰り返し使用するためには再生処理することが必要である。
従来、イオン交換に用いられたアニオン交換樹脂の再生には、除去イオンが吸着したアニオン交換樹脂をアルカリ水溶液と接触させる方法が用いられている。
しかしながら、ハロゲンガスが吸着したアニオン交換樹脂は、アルカリ水溶液と接触させる方法で再生処理を行っても、再生したアニオン交換樹脂のイオン交換性能は、新品のアニオン交換樹脂と比較して著しく低下するという問題がある。
しかしながら、ハロゲンガスが吸着したアニオン交換樹脂は、アルカリ水溶液と接触させる方法で再生処理を行っても、再生したアニオン交換樹脂のイオン交換性能は、新品のアニオン交換樹脂と比較して著しく低下するという問題がある。
かかる状況下、本発明の目的は、ハロゲンガスが吸着したアニオン交換樹脂を、新品同様のイオン交換性能に再生する方法及び該方法にて再生された再生アニオン交換樹脂を提供することである。
本発明者は、ハロゲンガスが吸着したアニオン交換樹脂とアルカリ水溶液を接触させる再生方法におけるアニオン交換樹脂の交換容量低下原因は、再生時にアニオン交換樹脂に吸着したハロゲンガス成分と水及びアルカリとの反応で生成する酸化性副生物による、アニオン交換樹脂の官能基酸化分解によるものと考え、鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> ハロゲンガスが吸着した使用済アニオン交換樹脂を再生する方法であって、当該使用済アニオン交換樹脂を、アルカリ化合物及び還元剤の両方を含有する洗浄液で再生する工程を有するアニオン交換樹脂の再生方法。
<2> さらに、再生後のアニオン交換樹脂の水分量を5重量%未満に乾燥する工程を含む前記<1>に記載のアニオン交換樹脂の再生方法。
<3> 前記還元剤が、亜硫酸、亜硝酸、亜リン酸、次亜リン酸、チオ硫酸及びこれらの塩から選ばれる一種以上である前記<1>又は<2>に記載のアニオン交換樹脂の再生方法。
<4> 前記還元剤が、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムのいずれか一種以上である前記<3>に記載のアニオン交換樹脂の再生方法。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の再生方法で再生されてなる再生アニオン交換樹脂。
<1> ハロゲンガスが吸着した使用済アニオン交換樹脂を再生する方法であって、当該使用済アニオン交換樹脂を、アルカリ化合物及び還元剤の両方を含有する洗浄液で再生する工程を有するアニオン交換樹脂の再生方法。
<2> さらに、再生後のアニオン交換樹脂の水分量を5重量%未満に乾燥する工程を含む前記<1>に記載のアニオン交換樹脂の再生方法。
<3> 前記還元剤が、亜硫酸、亜硝酸、亜リン酸、次亜リン酸、チオ硫酸及びこれらの塩から選ばれる一種以上である前記<1>又は<2>に記載のアニオン交換樹脂の再生方法。
<4> 前記還元剤が、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムのいずれか一種以上である前記<3>に記載のアニオン交換樹脂の再生方法。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の再生方法で再生されてなる再生アニオン交換樹脂。
本発明のアニオン交換樹脂の再生方法によれば、ハロゲンガスが吸着した使用済アニオン交換樹脂を、再生中の劣化を抑制し、新品同程度のハロゲンガス吸着特性を有する状態に再生することができる。
本発明は、ハロゲンガスが吸着した使用済アニオン交換樹脂を再生する方法であって、当該使用済アニオン交換樹脂を、アルカリ化合物及び還元剤の両方を含む洗浄液で再生する工程を有するアニオン交換樹脂の再生方法に関する。
本発明において、再生対象となるアニオン交換樹脂は、例えば、図1に示すような排ガスの処理設備に使用される。
図1に示す排ガス処理設備1は、充填塔の内部に、鉄の酸化物又は合成ゼオライトを含む第1の充填層2と、前記充填層の下流に配置されたアニオン交換樹脂層4と、アニオン交換樹脂層4の下流に配置され、第1の充填層2と同様に鉄の酸化物又は合成ゼオライトを含む第2の充填層3とが配置された3層構造の排ガスの処理設備である。ここで、第1の充填層2、第2の充填層3は、主にフッ素成分を吸着し、アニオン交換樹脂層4は主に塩素や臭素成分の吸着を行う機能を果たす。
また、アニオン交換樹脂層4の下流に配置された第2の充填層3は、アニオン交換樹脂のリーク防止の機能を併有する。
図1に示す排ガス処理設備1は、充填塔の内部に、鉄の酸化物又は合成ゼオライトを含む第1の充填層2と、前記充填層の下流に配置されたアニオン交換樹脂層4と、アニオン交換樹脂層4の下流に配置され、第1の充填層2と同様に鉄の酸化物又は合成ゼオライトを含む第2の充填層3とが配置された3層構造の排ガスの処理設備である。ここで、第1の充填層2、第2の充填層3は、主にフッ素成分を吸着し、アニオン交換樹脂層4は主に塩素や臭素成分の吸着を行う機能を果たす。
また、アニオン交換樹脂層4の下流に配置された第2の充填層3は、アニオン交換樹脂のリーク防止の機能を併有する。
第1の充填層2や第2の充填層3にて使用される、鉄の酸化物としては、3価の酸化鉄(Fe2O3)を主体とするものが好適に使用される。また、合成ゼオライトは、アルミニウム含有量が高いものが好適に使用される。例えば、Na2O・Al2O3・2.5SiO2の化学式を有するゼオライトが用いられる。このゼオライトの酸化ナトリウムが、カリウムのような他のアルカリ金属、カルシウムのようなアルカリ土類金属等で置換されていてもよい。
本発明の再生方法の対象となるアニオン交換樹脂の種類は特に限定はなく、通常の市販品のように従来公知のものが対象となる。アニオン交換樹脂の具体例としては、スチレン−ジビニルベンゼンの共重合物からなる骨格と、スチレン部分及びジビニルベンゼン部分のベンゼン環に結合するアニオン交換基を有するアニオン交換樹脂が挙げられる。アニオン交換基としては、例えば、下記式に示されるアミノ基が挙げられる。
ハロゲンガスとしては、フッ素ガス、フッ化水素ガス、塩素ガス、塩化水素ガス、フッ化塩素ガス、臭素ガス、臭化水素ガス、ヨウ素ガス、ヨウ化水素ガスなど、各種ハロゲンガスが対象となる。
なお、図1の排ガス処理設備1では、一つの充填塔の内部に、アニオン交換樹脂層4及び前記第1の充填層2、第2の充填層3が配置されたものであるが、あくまでも例示であり、本発明の処理対象が、この構成の処理設備での使用済みアニオン交換樹脂に限定されるものではない。
以下、ハロゲンガスが吸着した使用済アニオン交換樹脂を再生する方法について詳細に説明する。
本発明の再生方法において、「使用済アニオン交換樹脂」とは、ハロゲンガスを含有する排ガスとアニオン交換樹脂との接触により、ハロゲンガスを吸着除去に使用した後のハロゲンガスが吸着したアニオン交換樹脂をいう。
本発明の再生方法において、「使用済アニオン交換樹脂」とは、ハロゲンガスを含有する排ガスとアニオン交換樹脂との接触により、ハロゲンガスを吸着除去に使用した後のハロゲンガスが吸着したアニオン交換樹脂をいう。
使用済アニオン交換樹脂を再生するにあたり、使用済アニオン交換樹脂とアルカリ成分を含む洗浄液とを接触させると、強い酸化力を有するハロゲンのオキソ酸(例えば、次亜塩素酸、次亜臭素酸等)が発生する。アルカリ成分は、再生中に水中に遊離してくるハロゲンを中和する機能を有するが、ハロゲンのオキソ酸とアルカリ成分が反応して生成する化合物も強い酸化力を有する。
例えば、ハロゲンガスが臭素ガス、アルカリ成分が水酸化ナトリウムである場合、アニオン交換樹脂の再生中に臭素ガスと水、及び水酸化ナトリウムは、下記の反応を示す。
例えば、ハロゲンガスが臭素ガス、アルカリ成分が水酸化ナトリウムである場合、アニオン交換樹脂の再生中に臭素ガスと水、及び水酸化ナトリウムは、下記の反応を示す。
上記、式(1)、式(2)の反応は、アニオン交換樹脂の再生中に起こる反応で、式(1)で生成するHBrOや、式(2)で生成するNaBrOは強力な酸化剤である。これらの酸化剤が、アニオン交換樹脂の官能基であるアミン基を酸化分解し、再生後のアニオン交換樹脂のイオン交換容量低下に繋がっているものと推定される。
これに対し、本発明の再生方法では、再生に使用する洗浄液がアルカリ化合物と共に、還元剤を含むことを特徴としている。この還元剤によって、上述のハロゲンのオキソ酸やそのアルカリ反応生成物の酸化剤の酸化力が抑制されるため、再生中のアニオン交換樹脂の劣化を回避することができる。
また、本発明で使用する還元剤としては、亜硝酸、亜硫酸、亜リン酸、次亜燐酸、チオ硫酸、及びこれらの塩、具体的には亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、チオ硫酸ナトリウム、亜リン酸、亜リン酸エステル等が例示され、その中でも亜硫酸ナトリウム及びチオ硫酸ナトリウムが好適に使用される。これらは、一種または複数種を混合して使用することができる。
本発明で使用するアルカリ化合物は特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリが通常使用される。特に入手しやすい、水酸化ナトリウムが好ましく使用される。
洗浄液中の還元剤、アルカリ化合物の濃度は、再生対象となるアニオン交換樹脂の初期イオン交換容量、吸着しているハロゲンガスの種類等の諸条件を勘案して適宜決定される。通常、還元剤が0.005〜10mol/L、好ましくは0.01〜2.0mol/L、アルカリ化合物の濃度が0.01〜10mol/L、好ましくは0.1〜6.0mol/Lである。
アニオン交換樹脂と、洗浄液との接触温度、接触時間についても、再生対象となるアニオン交換樹脂の初期イオン交換容量、吸着しているハロゲンガスの種類等の諸条件を勘案して適宜決定される。
洗浄液にて再生されたアニオン交換樹脂は、次いで、純水で洗浄され、余分な遊離イオン種の除去が行われる。純水での洗浄は、洗浄排出液が中性になるまで行われる。
本発明のアニオン交換樹脂の再生には、上記のアルカリ化合物及び還元剤を含む洗浄液で再生する工程を有することが必要であるが、更に、アニオン交換樹脂の劣化を防ぐ為に、上記再生工程の後に乾燥する工程を有することが望ましい。
再生後のアニオン交換樹脂を乾燥することにより、ハロゲン交換容量を向上させることができると共に、アニオン交換樹脂の繰り返し再生可能回数が増加する傾向にある。
再生後のアニオン交換樹脂を乾燥することにより、ハロゲン交換容量を向上させることができると共に、アニオン交換樹脂の繰り返し再生可能回数が増加する傾向にある。
乾燥は、アニオン交換樹脂の水分量を、アニオン交換樹脂の重量に対し、5重量%未満とすることが好ましく、2重量%以下とすることがより好ましく、1重量%以下とすることがさらに好ましく、0.5重量%以下とすることが特に好ましい。
このようなアニオン交換樹脂の水分量とすることにより、アニオン交換樹脂の酸化劣化を防止し、新品に近いハロゲン交換容量を維持させることができる。
このようなアニオン交換樹脂の水分量とすることにより、アニオン交換樹脂の酸化劣化を防止し、新品に近いハロゲン交換容量を維持させることができる。
乾燥は如何なる方法でもよく、加熱乾燥、減圧乾燥などが挙げられるが、通常、減圧乾燥が好適である。
減圧乾燥の場合、乾燥温度、圧力及び乾燥時間は、アニオン交換樹脂が熱劣化しない条件で選択され、通常、60℃以下、30torr(4kPa)以下、及び2〜3時間程度である。
減圧乾燥の場合、乾燥温度、圧力及び乾燥時間は、アニオン交換樹脂が熱劣化しない条件で選択され、通常、60℃以下、30torr(4kPa)以下、及び2〜3時間程度である。
上記方法により、再生されたアニオン交換樹脂は、新品のアニオン交換樹脂と同様に、ハロゲンガスの除去用途をはじめとした各種用途に再利用することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
参考例1 (臭素吸着樹脂の調整)
新品のアニオン交換樹脂(三菱化学社製 ダイヤイオン アニオン交換樹脂 SA30)を、温度60℃、真空度30torrの条件で2.5時間乾燥させた後、下記に記す方法で塩化水素除去率(HCl交換容量)及び水分量を測定した。
新品のアニオン交換樹脂(三菱化学社製 ダイヤイオン アニオン交換樹脂 SA30)を、温度60℃、真空度30torrの条件で2.5時間乾燥させた後、下記に記す方法で塩化水素除去率(HCl交換容量)及び水分量を測定した。
<塩化水素除去率(HCl交換容量)>
先の条件で乾燥させたアニオン交換樹脂1.5gを250mlサンプル容器に入れ、これに0.2mol/L−HCl水溶液250gを加えた。8時間攪拌した後、その液を25gとり、メチルレッド−メチレンブルー混合指示薬を用いて、0.1mol/L−NaOH標準溶液で滴定し、滴定量A(ml)を求めた。これとは別に、アニオン交換樹脂を入れないブランク液についても同様に行い、滴定量B(ml)を求めた。
交換容量は以下の式(i)によって算出した。
その結果、新品のアニオン交換樹脂の塩素除去率(HCl交換容量)は、4.32meq/g−R であった。
先の条件で乾燥させたアニオン交換樹脂1.5gを250mlサンプル容器に入れ、これに0.2mol/L−HCl水溶液250gを加えた。8時間攪拌した後、その液を25gとり、メチルレッド−メチレンブルー混合指示薬を用いて、0.1mol/L−NaOH標準溶液で滴定し、滴定量A(ml)を求めた。これとは別に、アニオン交換樹脂を入れないブランク液についても同様に行い、滴定量B(ml)を求めた。
交換容量は以下の式(i)によって算出した。
<水分量(単位:重量%)>
先の条件で乾燥させたアニオン交換樹脂約5gをシャーレに精秤して、減圧乾燥機にて60℃、30torrで2.5時間乾燥を行い、デシケーター内で冷却後、重量を精秤した。アニオン交換樹脂の水分量は以下の式(ii)によって算出した。
その結果、新品のアニオン交換樹脂の減圧乾燥処理後の水分量は、1.2重量%であった。
先の条件で乾燥させたアニオン交換樹脂約5gをシャーレに精秤して、減圧乾燥機にて60℃、30torrで2.5時間乾燥を行い、デシケーター内で冷却後、重量を精秤した。アニオン交換樹脂の水分量は以下の式(ii)によって算出した。
<臭素ガス吸着アニオン交換樹脂の調整>
上記方法で調整した新品のアニオン交換樹脂を、アクリル製カラム(40mm径、250mm高さ)に40g充填した。これに臭素ガスを500mL/minの流速で、カラム出側の臭素検知管にて臭素が検出されるまで流し、臭素ガス吸着アニオン交換樹脂を得た。
以上のように臭素ガスを吸着したアニオン交換樹脂を、次の実施例に示す手順で再生処理に供した。
上記方法で調整した新品のアニオン交換樹脂を、アクリル製カラム(40mm径、250mm高さ)に40g充填した。これに臭素ガスを500mL/minの流速で、カラム出側の臭素検知管にて臭素が検出されるまで流し、臭素ガス吸着アニオン交換樹脂を得た。
以上のように臭素ガスを吸着したアニオン交換樹脂を、次の実施例に示す手順で再生処理に供した。
実施例1
(1)アニオン交換樹脂の再生
水300mLに、亜硫酸ナトリウム24gと25重量%水酸化ナトリウム水溶液50gを入れて撹拌させ、洗浄液を調整した。調整した洗浄液に、参考例1の方法で調整した臭素ガス吸着アニオン交換樹脂100gを入れて、30分撹拌させた。その後、ろ過し、水で洗浄した後、減圧乾燥機にて60℃、30torrの条件で、アニオン交換樹脂の水分量を約1重量%となるまで乾燥した。ここで、得られた再生アニオン交換樹脂を(A1)と称する。
(2)再生アニオン交換樹脂の評価
次に、上記再生アニオン交換樹脂(A1)を用いて塩化水素の交換容量及び水分量を、上記参考例1の方法を用いて測定した。その結果、塩素ガス交換容量は、4.18meq/g−R、水分量は1.2重量%であった。結果を、表1に示す。
(1)アニオン交換樹脂の再生
水300mLに、亜硫酸ナトリウム24gと25重量%水酸化ナトリウム水溶液50gを入れて撹拌させ、洗浄液を調整した。調整した洗浄液に、参考例1の方法で調整した臭素ガス吸着アニオン交換樹脂100gを入れて、30分撹拌させた。その後、ろ過し、水で洗浄した後、減圧乾燥機にて60℃、30torrの条件で、アニオン交換樹脂の水分量を約1重量%となるまで乾燥した。ここで、得られた再生アニオン交換樹脂を(A1)と称する。
(2)再生アニオン交換樹脂の評価
次に、上記再生アニオン交換樹脂(A1)を用いて塩化水素の交換容量及び水分量を、上記参考例1の方法を用いて測定した。その結果、塩素ガス交換容量は、4.18meq/g−R、水分量は1.2重量%であった。結果を、表1に示す。
実施例2〜4
実施例1の(1)において、還元剤の種類および使用量を表1に示すものとした以外は、実施例1と同様におこないアニオン交換樹脂の再生を行った。また、参考例1と同様に、再生後のアニオン交換樹脂を使用して塩化水素の交換容量及び水分量を測定した。結果を表1に併せて示す。
実施例1の(1)において、還元剤の種類および使用量を表1に示すものとした以外は、実施例1と同様におこないアニオン交換樹脂の再生を行った。また、参考例1と同様に、再生後のアニオン交換樹脂を使用して塩化水素の交換容量及び水分量を測定した。結果を表1に併せて示す。
比較例1
実施例1において、還元剤(Na2SO3)を使用しなかった以外は、実施例1と同様にアニオン交換樹脂の再生を行った。また、参考例1と同様に、再生後のアニオン交換樹脂を使用して塩化水素の交換容量及び水分量を測定した。
結果を表1に併せて示す。
表1に示される通り、比較例1と比較して、実施例1〜4では、還元剤を添加することにより、再生の際アニオン交換樹脂の性能劣化を回避することができる結果となった。
実施例1において、還元剤(Na2SO3)を使用しなかった以外は、実施例1と同様にアニオン交換樹脂の再生を行った。また、参考例1と同様に、再生後のアニオン交換樹脂を使用して塩化水素の交換容量及び水分量を測定した。
結果を表1に併せて示す。
表1に示される通り、比較例1と比較して、実施例1〜4では、還元剤を添加することにより、再生の際アニオン交換樹脂の性能劣化を回避することができる結果となった。
実施例5
実施例1で得られた再生アニオン交換樹脂(A1)を使用して、複数再生時のアニオン交換樹脂の性能(塩素交換容量)を検討した。
(1)再生2回目の評価
1)再生アニオン交換樹脂(A1)による排ガス処理
実施例1の(1)で得られた再生アニオン交換樹脂(A1)を使用し、参考例1に従い使用済み再生アニオン交換樹脂に、再度臭素を付着させ、(A2)を得た。
2)上記使用済み再生アニオン交換樹脂(A2)の再生
実施例1の(1)アニオン交換樹脂の再生に従い使用済み再生アニオン交換樹脂(A2)を再生し、再生アニオン交換樹脂(A3)を得た。この、再生アニオン交換樹脂(A3)の塩化水素の交換容量及び水分量を測定した。その結果、塩素ガス交換容量は、4.11meq/g−R、水分量は1重量%であった
(2)再生3回目の評価
上記(1)の再生2回目と同様にして、再生品の3回目の評価を行った。
その結果、塩素ガス交換容量は、4.01meq/g−R、水分は1重量%であった。
これらの結果を併せて、表2に示す。
実施例1で得られた再生アニオン交換樹脂(A1)を使用して、複数再生時のアニオン交換樹脂の性能(塩素交換容量)を検討した。
(1)再生2回目の評価
1)再生アニオン交換樹脂(A1)による排ガス処理
実施例1の(1)で得られた再生アニオン交換樹脂(A1)を使用し、参考例1に従い使用済み再生アニオン交換樹脂に、再度臭素を付着させ、(A2)を得た。
2)上記使用済み再生アニオン交換樹脂(A2)の再生
実施例1の(1)アニオン交換樹脂の再生に従い使用済み再生アニオン交換樹脂(A2)を再生し、再生アニオン交換樹脂(A3)を得た。この、再生アニオン交換樹脂(A3)の塩化水素の交換容量及び水分量を測定した。その結果、塩素ガス交換容量は、4.11meq/g−R、水分量は1重量%であった
(2)再生3回目の評価
上記(1)の再生2回目と同様にして、再生品の3回目の評価を行った。
その結果、塩素ガス交換容量は、4.01meq/g−R、水分は1重量%であった。
これらの結果を併せて、表2に示す。
実施例6
新品のアニオン交換樹脂を、含有水分量が2重量%となるように加熱減圧乾燥させ、アニオン交換樹脂(B1)を得た。この再生アニオン樹脂(B1)樹脂を用い、参考例1に記載の方法で臭素を付加させ、実施例1の方法でアニオン交換樹脂を再生させた。その後含有水分量が2重量%になるように乾燥を調整し、再生アニオン交換樹脂(B2)を得た。
同様の操作を3回繰り返し、再生アニオン樹脂(B3)及び(B4)を得た。実施例5と同様な手順に従い、それぞれの再生アニオン樹脂の評価を行った。結果を表2に示した。
新品のアニオン交換樹脂を、含有水分量が2重量%となるように加熱減圧乾燥させ、アニオン交換樹脂(B1)を得た。この再生アニオン樹脂(B1)樹脂を用い、参考例1に記載の方法で臭素を付加させ、実施例1の方法でアニオン交換樹脂を再生させた。その後含有水分量が2重量%になるように乾燥を調整し、再生アニオン交換樹脂(B2)を得た。
同様の操作を3回繰り返し、再生アニオン樹脂(B3)及び(B4)を得た。実施例5と同様な手順に従い、それぞれの再生アニオン樹脂の評価を行った。結果を表2に示した。
比較例2
新品のアニオン交換樹脂を、含有水分量が5重量%となるように加熱減圧乾燥させ、アニオン交換樹脂(C1)を得た。この再生アニオン樹脂(C1)樹脂を用い、参考例1に記載の方法で臭素を付加させ、実施例1の方法でアニオン交換樹脂を再生させた。その後含有水分量が5重量%になるように乾燥を調整し、再生アニオン交換樹脂(C2)を得た。同様の操作を3回繰り返し、再生アニオン樹脂(C3)及び(C4)を得た。実施例5と同様の手順に従い、それぞれの再生アニオン樹脂の評価を行った。結果を表2に併せて示した。
新品のアニオン交換樹脂を、含有水分量が5重量%となるように加熱減圧乾燥させ、アニオン交換樹脂(C1)を得た。この再生アニオン樹脂(C1)樹脂を用い、参考例1に記載の方法で臭素を付加させ、実施例1の方法でアニオン交換樹脂を再生させた。その後含有水分量が5重量%になるように乾燥を調整し、再生アニオン交換樹脂(C2)を得た。同様の操作を3回繰り返し、再生アニオン樹脂(C3)及び(C4)を得た。実施例5と同様の手順に従い、それぞれの再生アニオン樹脂の評価を行った。結果を表2に併せて示した。
実施例7
新品のアニオン交換樹脂を、含有水分量が0.1重量%となるように加熱減圧乾燥させ、アニオン交換樹脂(D1)を得た。この再生アニオン樹脂(D1)樹脂を用い、参考例1に記載の方法で臭素を付加させ、実施例1の方法でアニオン交換樹脂を再生させた。その後含有水分量が0.1重量%になるように乾燥を調整し、再生アニオン交換樹脂(D2)を得た。
同様の操作を3回繰り返し、再生アニオン樹脂(D3)及び(D4)を得た。実施例5と同様な手順に従い、それぞれの再生アニオン樹脂の評価を行った。結果を表3に示した。
新品のアニオン交換樹脂を、含有水分量が0.1重量%となるように加熱減圧乾燥させ、アニオン交換樹脂(D1)を得た。この再生アニオン樹脂(D1)樹脂を用い、参考例1に記載の方法で臭素を付加させ、実施例1の方法でアニオン交換樹脂を再生させた。その後含有水分量が0.1重量%になるように乾燥を調整し、再生アニオン交換樹脂(D2)を得た。
同様の操作を3回繰り返し、再生アニオン樹脂(D3)及び(D4)を得た。実施例5と同様な手順に従い、それぞれの再生アニオン樹脂の評価を行った。結果を表3に示した。
表2及び表3に示される通り、水分量5重量%の比較例2と比較して、実施例5〜7では、水分量を5重量%未満に乾燥させることにより、使用、再生を繰り返してもアニオン交換樹脂の交換容量を新品並みに維持し、性能劣化を回避することができることが確認された。特に水分量が0.1重量%の実施例7は再生3回目でも交換容量の低下が小さかった。
本発明のアニオン交換樹脂の再生方法によれば、ハロゲンガスが吸着した使用済アニオン交換樹脂を、樹脂成分の劣化が少ない状態で新品同様に再生でき、ハロゲンガス処理用途に再利用することができるので、ハロゲンガス処理のランニングコストを低減させることができる。
1 排ガス処理設備
2 第1の充填層
3 第2の充填層
4 アニオン交換樹脂層
5 ハロゲン含有排ガス
6 処理済排ガス
2 第1の充填層
3 第2の充填層
4 アニオン交換樹脂層
5 ハロゲン含有排ガス
6 処理済排ガス
Claims (5)
- ハロゲンガスが吸着した使用済アニオン交換樹脂を再生する方法であって、当該使用済アニオン交換樹脂を、アルカリ化合物及び還元剤の両方を含有する洗浄液で再生する工程を有することを特徴とするアニオン交換樹脂の再生方法。
- さらに、再生後のアニオン交換樹脂の水分量を5重量%未満に乾燥する工程を含む請求項1に記載のアニオン交換樹脂の再生方法。
- 前記還元剤が、亜硫酸、亜硝酸、亜リン酸、次亜リン酸、チオ硫酸及びこれらの塩から選ばれる一種以上である請求項1又は2に記載のアニオン交換樹脂の再生方法。
- 前記還元剤が、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムのいずれか一種以上である請求項3に記載のアニオン交換樹脂の再生方法。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の再生方法で再生されてなることを特徴とする再生アニオン交換樹脂。
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JP2012263173A JP2013139028A (ja) | 2011-12-09 | 2012-11-30 | アニオン交換樹脂の再生方法及び再生アニオン交換樹脂 |
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CN113368675A (zh) * | 2021-07-06 | 2021-09-10 | 深圳前海中盛环保科技有限公司 | 离子交换纤维处理烟气脱硫脱硝方法 |
-
2012
- 2012-11-30 JP JP2012263173A patent/JP2013139028A/ja active Pending
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