WO2014025052A1 - 多結晶シリコンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

クロロシラン化合物と水素との反応によってシリコンを生成するシリコン析出工程、前記シリコン析出工程から排出される排出ガスを活性炭と接触させて該排出ガス中の塩化水素を除去する転化反応工程、前記転化反応工程から得られる転化反応後ガス中の水素を分離する分離工程、及び前記分離工程から得られる水素を前記シリコン析出工程に供給する循環工程を含む多結晶シリコンの製造方法において、下記条件(1)及び(2)のうちの少なくとも一方を充足することを特徴とする、前記多結晶シリコンの製造方法;(1)転化反応工程から得られる転化反応後ガスを、分離工程前にルイス酸性化合物を含有する吸着材と接触させること、及び(2)分離工程から得られる水素を、シリコン析出工程に供給する前にルイス酸性化合物を含有する吸着材と接触させること。

Description

多結晶シリコンの製造方法
 本発明は、多結晶シリコンの製造方法に関する。詳しくは、シリコン析出工程から排出される排出ガスから塩化水素を除去し、回収した水素を前記シリコン析出工程に循環再利用する工程を含む多結晶シリコンの製造方法において、塩化水素除去触媒である活性炭に由来する、リン原子を含有する不純物を容易且つ効果的に除去することができる、前記方法に関する。
 半導体、太陽光発電用ウェハー等の原料として使用される多結晶シリコンを製造する方法として、従来から溶融析出法、ジーメンス法等が知られている。これらの方法は、いずれも、反応器内に設置された高温の基材表面にクロロシラン化合物(特にトリクロロシラン)及び水素を接触させることにより、前記基材表面にシリコンを析出させる技術である。これらの技術によると、非常に純度の高い多結晶シリコンが得られる利点がある。しかしながらその反面、反応器から排出される排出ガス中にはジクロロシラン、水素、塩化水素等が含有されており、特に塩化水素の廃棄処理が問題となる。塩化水素を廃棄するには、吸着法によって排出ガスから塩化水素を分離したうえ、アルカリによって中和する必要がある。この分離処理及び中和処理のための設備及び運転に要するコストは非常に大きいものである。従って、上記の技術によって高純度の多結晶シリコンを工業的に生産するためには、排出ガス中の塩化水素の処理コストが大きな問題であった。
 この問題を解決するために、本願出願人は、排出ガス中の塩化水素を、活性炭触媒の存在下で、同じ排出ガス中に共存するジクロロシランとの転化反応に供することによって除去する技術を提案した(日本特許第3853894号)。この技術によると、排出ガス中の塩化水素を効率的に除去できる他、塩化水素とジクロロシランとの転化反応によって再生したトリクロロシランをシリコンの原料として循環再利用することができ、さらに、活性炭触媒の寿命も長い。従って当業界において、この技術は、非常に優れた技術であると認識され、工業的に広く用いられている。
 ところで上記したとおり、反応器から排出される排出ガス中には、ジクロロシラン及び塩化水素の他に水素が含有されている。排出ガス中の水素の含有割合は多く、従って工業的にはこの水素を循環再利用している。
 多結晶シリコンの工業的な製造において、上記の排出ガス中の塩化水素の除去と、排出ガス中の水素の循環再利用とは併用されている。具体的には、排出ガスを上記転化反応に供して得られた処理済みガスから回収した水素を、多結晶シリコン製造のための原料ガスの一部として反応器に供給しているのである。このとき、転化反応触媒である活性炭に由来する、リン原子を含有する不純物(リン不純物)が回収水素中に混入し、製造されたシリコン中のリン濃度が上昇する事態が生じるとの問題がある。シリコン中のリン濃度が高いと、電気特性が損なわれるため、好ましくない。多結晶シリコンを例えば太陽電池に適用する場合、許容されるリン濃度は、概ね200ppb−wt未満であるとされる。
 もちろん、シリコン中のリン濃度が上昇する問題は、リン含量の低い活性炭を転化反応触媒として使用することによって改善可能である。しかしながら、工業用触媒として通常使用される活性炭は、ヤシ殻、石炭等に由来しており、通常は200ppm−wt程度のリン原子を含有している。活性炭を酸で洗浄することにより、活性炭中のリン濃度を低減する技術がある。この技術は、設備及び運転面におけるコスト上の問題があるほか、酸洗浄によっても活性炭中のリン濃度はせいぜい50ppm−wt程度までしか低減することはできない。従って、シリコン中のリン濃度の問題は、活性炭中のリン濃度を低減する以外の方法によって改善する必要がある。
 上記において、「ppb−wt」は重量基準の10億分の1を示す単位であり、「ppm−wt」は重量基準の100万分の1を示す単位である(本明細書において以下同じ)。
 従って本発明の目的は、排出ガス中の塩化水素の除去工程と、排出ガスから回収した水素をシリコン析出工程に循環再利用する工程とを含む多結晶シリコンの製造方法において、活性炭触媒に由来するリン不純物を容易且つ効果的に除去することを可能とする、前記方法を提供することである。
 本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。本発明者等は、先ず、活性炭由来のリン不純物は、クロロシラン化合物、塩化水素及び水素の共存下においてはPCl、PH等の形態をとり易いとの化学的な傾向を有することを突き止めた。次に、これらの化合物が、リン原子上に孤立電子対を有することからルイス塩基として働くことに着目した。そこで、転化反応に供した後のガス又は該ガスから分離した水素をルイス酸性化合物と接触させたところ、リン不純物を効率的に除去できることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
 すなわち本発明は、
クロロシラン化合物と水素との反応によってシリコンを生成するシリコン析出工程、
前記シリコン析出工程から排出される排出ガスを活性炭と接触させて該排出ガス中の塩化水素を除去する転化反応工程、
前記転化反応工程から得られる転化反応後ガス中の水素を分離する分離工程、及び
前記分離工程から得られる水素を前記シリコン析出工程に供給する循環工程
を含む多結晶シリコンの製造方法において、
下記条件(1)及び(2)のうちの少なくとも一方を充足することを特徴とする、前記多結晶シリコンの製造方法;
(1)転化反応工程から得られる転化反応後ガスを、分離工程前にルイス酸性化合物を含有する吸着材と接触させること、及び
(2)分離工程から得られる水素を、シリコン析出工程に供給する前にルイス酸性化合物を含有する吸着材と接触させること
に関する。
 本発明が適用される多結晶シリコンの製造方法は、
クロロシラン化合物と水素との反応によってシリコンを生成するシリコン析出工程、
前記シリコン析出工程から排出される排出ガスを活性炭と接触させて該排出ガス中の塩化水素を除去する転化反応工程、
前記転化反応工程から得られる転化反応後ガス中の水素を分離する分離工程、及び
前記分離工程から得られる水素を前記シリコン析出工程に供給する循環工程
の各工程を含む。
<シリコン析出工程>
 シリコン析出工程は、クロロシラン化合物と水素との反応によってシリコンを生成してこれを析出する工程であり、具体的には例えばジーメンス法(ベルジャー法)、溶融析出法(VLD法=Vapor to Liquid Deposition法)等を挙げることができる。
 上記ジーメンス法は、反応器(ベルジャー)内に設置したシリコン芯線をシリコン析出温度以上の高温(例えば600~1,200℃)に加熱し、これにクロロシラン化合物及び水素を含有する原料ガスを接触させて前記シリコン芯線の表面にシリコンを析出させるバッチ方法である。
 上記溶融析出法は、反応器内に設置した基材をシリコン析出温度以上の高温(例えば600℃以上)に加熱し、該基材上にクロロシラン化合物及び水素を含有する原料ガスを流通・接触させて、前記基材の表面にシリコンを析出させた後、前記基材をシリコンの融点以上の高温(例えば1,450~1,700℃)に維持して、該析出したシリコンを溶融落下させて回収する逐次方法;又は
反応器内に設置した基材をシリコンの融点以上の高温(例えば1,450~1,700℃)に加熱し、該基材上にクロロシラン化合物及び水素を含有する原料ガスを流通・接触させて、前記基材の表面にシリコンを析出させるとともに溶融落下させる連続方法である。
 上記原料ガスに含有されるクロロシラン化合物としては、例えばトリクロロシラン、ジクロロシラン等を挙げることができ、特にトリクロロシランが好適である。上記原料ガスに含有される水素の濃度は、クロロシラン化合物に対して過剰量であり、例えばクロロシラン化合物1モルに対して5モル以上とすることができる。
<転化反応工程>
 転化反応工程では、前記シリコン析出工程から排出される排出ガスを活性炭と接触させて該排出ガス中の塩化水素を除去する。
 排出ガス中には、少なくともクロロシラン化合物、水素及び塩化水素が含有される。このクロロシラン化合物は、原料ガス中に含有されていたクロロシラン化合物の熱分解生成物及び未反応のクロロシラン化合物からなり、例えばテトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、ペンタクロロジシラン等のうちの1種以上が含まれる。水素は、原料ガス中に含有されていたクロロシラン化合物の熱分解により生ずる水素及び未反応の水素からなる。塩化水素はシリコンの析出反応から副生される。排出ガス中の塩化水素濃度は、例えば0.1~6モル%、特に0.2~3モル%である。
 本発明における転化反応工程においては、排出ガス中の塩化水素を、同じく排出ガス中に含まれるクロロシラン化合物との間の転化反応によって除去する。以下に、転化反応の例を挙げる。
 クロロシラン化合物がジクロロシランである場合の主反応;
 HCl + SiHCl → SiHCl +H
 クロロシラン化合物がヘキサクロロジシランである場合の主反応;
 HCl + SiCl → SiHCl + SiCl
 クロロシラン化合物がペンタクロロジシランである場合の主反応;
 HCl + SiHCl → 2SiHCl
 転化反応は、排出ガスにクロロシラン化合物を追加して行ってもよい。この追加のクロロシラン化合物は、排出ガス中に含まれる塩化水素の除去効率を高めることを目的として使用される。従って塩化水素と反応するクロロシラン化合物であれば特に制限なく使用することができる。追加のクロロシラン化合物としては、例えばトリクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロロシラン等を使用することができる。クロロシラン化合物の追加量としては、追加後のクロロシラン化合物の合計量が、排出ガス中に含有される塩化水素の1モルに対して、1モル以上となる量とすることが好ましく、1.2モル以上となる量とすることが好ましい。追加後のクロロシラン化合物の合計量は、循環気体の容積を適当な範囲に維持するとの観点から、排出ガス中に含有される塩化水素の1モルに対して1.5モル以下とすることが好ましい。
 上記のような転化反応は、活性炭によって触媒される。転化反応触媒である活性炭としては、細孔分布特性を有する活性炭を使用することが好ましい。具体的には、水蒸気吸着法によって得られる細孔分布曲線において最大ピークを有する細孔半径(R)が1.2×10−9~4.0×10−9mである活性炭を使用することが、転化反応を効率的に行う観点から好ましい。活性炭の比表面積としては、500m/g以上であることが、ガスの接触効率を高めて添加反応を効率よく行う観点から好ましい。活性炭の比表面積は600~1,000m/gであることがより好ましい。上記比表面積は、窒素を吸着質としてBET法によって測定した値である(本明細書において以下同じ)。
 活性炭の形状は特に制限されるものではないが、例えば粒状、ハニカム状、繊維状等の形状を有することが好ましい。活性炭の大きさとしては、取り扱い易さの観点から、球換算径として1~5mmであることが好ましい。
 本発明における転化反応工程で使用される活性炭は、リンを含有することが前提である。従って転化反応触媒としての活性炭は、ヤシ殻、石炭等に由来するものであることができる。現在工業的に使用されている活性炭は、200ppm−wt程度のリン原子を含有しており、得られる多結晶シリコン中のリン含量がシリコンの電気特性を損なう程度まで高くなることが通常である。従って、本発明は、塩化水素を除去するために活性炭を用いて行われる、工業的なシリコン析出方法のほとんどすべてに適用することができる。
 活性炭は、一般に空気中の水分を吸着し易い。水分を吸着した活性炭を転化反応工程に供すると、該水分が排出ガス中のクロロシラン化合物と反応して活性炭上にケイ素酸化物を生成することとなる。活性炭上にケイ素酸化物が生成すると、配管の閉塞、コンタミネーション等の不都合が生じるため好ましくない。従って活性炭は、吸着した水分を除去した後に転化反応に供することが好ましい。水分の除去方法としては、減圧及び加熱のうちの少なくとも一方を挙げることができる。この減圧処理は、絶対圧として、例えば1×10Pa以下、好ましくは1×10Pa以下の減圧度で、一定時間保持することにより行うことができる。加熱処理は、例えば80~130℃において、一定時間保持することにより行うことができる。この加熱処理は、不活性ガスの流通下又は減圧下で行うことが好ましい。使用される不活性ガスとしては、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン等を挙げることができる。減圧下で行う場合の減圧度としては、上記減圧処理における減圧度と同じである。
 減圧処理、加熱処理とも、活性炭中の水分が十分に除去されるまで行うことが好ましい。水分が十分に除去されたかどうかは、雰囲気の露点測定によって確認することができる。水分の除去は、雰囲気の露点が−30℃以下となるまで行うことが好ましく、−40℃以下となるまで行うことがより好ましい。
 転化反応の反応温度、反応時間、反応圧力等は、排出ガス中の塩化水素及びクロロシラン化合物の濃度に応じて適宜に設定して行うことができる。具体的には以下の通りである。
 反応温度:好ましくは60~250℃、より好ましくは100~200℃
 反応時間(滞留時間):好ましくは0.5~30秒、より好ましくは5~15秒
 塩化水素を除去する際の活性炭と塩化水素との接触時間(反応時間)が上記の範囲になるように、接触床の径、活性炭の使用量及びガスの流速を相対的に調整することが好ましい。
 上記のような転化反応により、排出ガス中の塩化水素は効率よく除去される。転化反応後の排出ガス中の塩化水素濃度は、好ましくは0.1モル%以下とすることができる。
 この転化反応は発熱反応である。従って転化反応に供される排出ガスは高温において活性炭と接触することになる。そのため、転化反応後ガスには活性炭中のリン不純物が混入することになる。本発明の方法において、転化反応後のガスに含有されるリン不純物としては、例えばPCl、PH等を挙げることができ、これらのうちの1種以上が含有される。転化反応後ガスにおけるこれらのリン不純物の濃度は、リン原子に換算した値として、おおむね200~2,000ppb−wt程度である。
<分離工程>
 分離工程においては、上記転化反応工程から得られる転化反応後ガスから、水素を分離する。転化反応後ガスには、少なくとも水素及びクロロシラン化合物が含有される。このクロロシラン化合物には、原料ガス中に含有されていたクロロシラン化合物の熱分解生成物、未反応のクロロシラン化合物及び転化反応において生成したクロロシラン化合物(並びにリン不純物)が含まれる。具体的には、例えばテトラヒドロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、ペンタクロロジシラン等が包含される。
 従ってこの分離工程は、実質的には、転化反応後ガスから水素とクロロシラン化合物とを分離する工程である。
 転化反応後ガスから水素とクロロシラン化合物とを分離するには、公知の手段を際限なく用いることができる。例えば転化反応後ガスを冷却してクロロシラン化合物を濃縮液化することにより、これらと水素とを分離する方法を挙げることができる。冷却は、転化反応後ガスが、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−40~−20℃の温度に到達するように行われる。
<循環工程>
 循環工程においては、上記分離工程から得られる水素を循環再利用して、上記シリコン析出工程に供給する。分離した水素をシリコン析出工程に供給するには、例えば圧縮機によって循環する手段等を挙げることができる。この圧縮機としては、例えばターボ圧縮機、容積圧縮機等を挙げることができる。
 このとき、上記分離工程から得られるクロロシラン化合物も、必要に応じて精製したうえで、上記シリコン析出工程に供給してよい。分離工程から得られるクロロシラン化合物の精製方法としては、例えば蒸留等を挙げることができる。クロロシラン化合物をシリコン析出工程に循環再利用する場合、クロロシラン化合物は、水素の循環ラインとは別のラインを経てシリコン析出工程に供給することが好ましい。
<ルイス酸性化合物を含有する吸着材>
 本発明の方法は、上記のような各工程を含む多結晶シリコンの製造方法において、下記条件(1)及び(2)のうちの少なくとも一方を充足することを特徴とする。
(1)転化反応工程から得られる転化反応後ガスを、分離工程前にルイス酸性化合物を含有する吸着材と接触させること、及び
(2)分離工程から得られる水素を、シリコン析出工程に供給する前にルイス酸性化合物を含有する吸着材と接触させること。
 上記条件を充足することにより、転化反応後ガスに含有される活性炭由来のリン不純物を効率的に除去することができ、従って得られる多結晶シリコン中のリン原子含量を可及的に少なくすることができる。
 本発明において使用される吸着材は、ルイス酸性化合物を含有する。
 上記ルイス酸性化合物としては、例えばAlCl、Al(SO、CuSO、NiSO等を挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を好適に使用することができる。これらのうち、CuSOを使用することが、リン不純物の除去効果が極めて高い点で好ましい。
 上記のようなルイス酸性化合物は、そのままの状態で使用してもよく、あるいは基材に添着(impregnate)させた状態で使用してもよい。ルイス酸性化合物を基材に添着させた状態で使用することにより、ルイス酸性化合物の有効表面積を高めることができ、このことによりリン不純物の除去効率が極めて高くなる点で、好ましい。
 上記基材としては、例えばシリカゲル、ゼオライト、アルミナ等を挙げることができる。上記ゼオライトとしては、天然ゼオライト及び合成ゼオライト(例えばモレキュラーシーブス等)のいずれをも使用することができる。
 基材の比表面積は、50m/g以上であることが好ましく、80~1,000m/gであることがより好ましく、特に100~500m/gであることが好ましい。
 基材は、1~5mm程度の粒径範囲に分級した後に添着処理に供することが好ましい。
 基材にルイス酸性化合物を添着させる方法としては、公知の手段を適用することができる。例えばルイス酸性化合物を適当な溶媒に溶解させた溶液を調製し、該溶液中に基材を含侵した後、あるいは該溶液を基材に散布した後に、加熱して溶媒を除去する方法によることができる。上記溶液の溶媒としては、例えば水を挙げることができる。
 基材へのルイス酸性化合物の添着を含侵法による場合、上記溶液中のルイス酸性化合物濃度は、所望の添着量によって適宜に調整することができる。例えば添着量を5wt%とする場合、上記溶液中のルイス酸性化合物濃度は10~20wt%とすることが好ましい。含侵に使用する溶液の量は、含侵容器中で基材が溶液中に完全に没する量とすることが好ましい。含侵温度は室温で行えば足り、特別に加熱又は冷却をする必要はない。含侵時間は、好ましくは6~36時間である。含侵後の基材は溶液から適当な方法、例えばろ別によって分離した後、好ましくは溶媒洗浄したうえで、加熱して溶媒を除去する。ここで使用する溶媒は、ルイス酸性化合物溶液の溶媒と同じ種類とすることが好ましい。加熱温度は、好ましくは130℃以上である。加熱は、不活性ガスの流通下で行うことが好ましい。ここで使用される不活性ガスとしては、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン等を挙げることができる。この加熱は、溶媒が十分に除去されるまで行うことが好ましい。溶媒の除去は、加熱後の添着基材を不活性ガス中においたときの露点が−30℃以下となるまで行うことが好ましく、この値が−40℃以下となるまで行うことがより好ましい。
 基材へのルイス酸化合物の添着量は、除去すべきリン不純物の濃度によって適宜に設定すべきであり、基材の重量に対して、例えば1~20重量%とすることができ、3~15重量%とすることが好ましい。この添着量は、例えば元素分析、蛍光X線分析等によって測定することができる。添着量は、例えば使用するルイス酸性化合物溶液の濃度、含侵時又は散布時の基材温度等を変量することにより、コントロールすることができる。適当な添着条件は、当業者による少しの予備実験により、容易に知ることができる。
 以上のようにして基材上にルイス酸性化合物を添着して調製された吸着材は、1~5mm程度の粒径範囲に分級した後に使用に供することが好ましい。
 上記のような吸着材中の基材は、空気中の水分を吸収し易い。従って、吸着材を分離工程前の転化反応後ガスとの接触に供する場合には、予め吸着した水分を除去しておくことが好ましい。この処理は、分離工程前の転化反応後ガスに含有されるクロロシラン化合物が吸着水分と反応してケイ素酸化物を生成して、吸着材表面の被覆による吸着活性の低下、配管の閉塞、コンタミネーション等の不都合を来たすことを防止するために行われる。
 一方、基材上にルイス酸性化合物を添着して調製された吸着材を分離工程後の水素との接触に供する場合には、接触の時点でケイ素酸化物が生成する懸念はない。しかしながら、脱離した吸着水分が処理後の水素とともに反応器まで運ばれるおそれがある。反応器中にはクロロシラン化合物が存在するから、やはりケイ素酸化物の生成が懸念される。従ってこの場合でも、事前に水分除去処理を行うことが好ましい。
 水分の除去方法としては、減圧及び加熱のうちの少なくとも一方を挙げることができる。この減圧処理の方法及び程度については、活性炭の水分を除去する方法及び程度として上述したのと同じである。
 本発明において好ましく用いられる基材は、ケイ素原子及びアルミニウム原子のうちの少なくとも一方を含有する。このような基材を用いて調製された吸着材の表面には、M−OH(Mはケイ素又はアルミニウムである。)基が残存している場合がある。
 表面M−OH基を有する吸着材を分離工程前の転化反応後ガスとの接触に供すると、該M−OH基がクロロシラン化合物と急激に反応して反応容器の耐熱性を超える発熱をし、反応容器が損傷する場合がある。Mがケイ素原子である場合、発熱の傾向はより著しい。このような事態を避けるため、吸着材を分離工程前の転化反応後ガスとの接触に供する前に、吸着材表面のM−OH基の失活処理を行っておくことが好ましい。
 吸着材表面のM−OH基を失活するには、吸着材を適当なM−OH結合失活剤と接触させる方法によることができる。この接触は、液相で行ってもよく、気相で行ってもよい。しかしながら、操作がシンプルであること、後処理が不要であること等の理由により、気相で行うことが好ましい。
 表面M−OH基の失活に使用される失活剤としては、該結合を失活できるものであれば特に制限なく使用することができる。しかしながら、失活剤が吸着材上に残存して工程内に混入する可能性を考慮すれば、失活剤としては工程内に存在する種を使用することが好ましい。このような失活剤としては、例えばクロロシラン化合物が好適である。上記クロロシラン化合物の具体例としては、例えばジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン等を挙げることができる。これらのうち、M−OH結合に対する反応性が最も低いテトラクロロシランを使用することにより、M−OH結合の失活を穏やかに進行することができる点で好ましい。
 表面M−OH基の失活処理を気相で行う場合、吸着材を上記のようなクロロシラン化合物と不活性ガスとの混合ガスと接触させる方法によることができる。この混合ガス中のクロロシラン化合物の濃度は、0.5vol%以下とすることが好ましく、0.1~0.3vol%とすることがより好ましい。クロロシラン化合物と混合する不活性ガスとしては、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン等を挙げることができる。
 吸着材と失活剤とを気相で接触する際の条件は、表面M−OH基の濃度、吸着材の使用量、使用する失活剤の種類及び濃度等に依存して適宜に設定されるべきであり、一概に決定できるものではない。しかしながら、一般的な条件として次のような値を提示することができる。
 失活剤接触時の温度:好ましくは20~100℃、より好ましくは40~80℃
 失活剤接触時間(滞留時間):好ましくは30~120秒
 失活剤としてクロロシラン化合物を使用する場合、該クロロシラン化合物と表面M−OH基との反応は発熱反応である。従って、吸着材近傍の温度変化をモニターすることにより、失活反応の完了を知ることができる。
<吸着材との接触>
 本発明は、シリコン析出工程、転化反応工程、分離工程及び循環工程を含む多結晶シリコンの製造方法において、下記条件(1)及び(2)のうちの少なくとも一方を充足することを特徴とする:
(1)転化反応工程から得られる転化反応後ガスを、分離工程前にルイス酸性化合物を含有する吸着材と接触させること、及び
(2)分離工程から得られる水素を、シリコン析出工程に供給する前にルイス酸性化合物を含有する吸着材と接触させること。
 上記したとおり、転化反応後のガスには活性炭に由来するリン不純物が混入している。本発明者等は、このリン不純物が分離工程後の水素中にも含有されることを確認した。一方、分離工程後のクロロシラン化合物中には、このリン不純物は含有されないか、含有されるとしても極めて微量である。
 従って、シリコン析出工程に循環再利用される再生ガスからリン不純物を除去するには、上記条件(1)及び(2)のうちの少なくとも一方を充足すればよい。
 上記条件(1)及び(2)における接触条件は、特に制限されない。
 接触の形態としては、例えば吸着材を、固定床、流動床等の適宜の形式で有する吸着反応器中に、条件(1)の場合は転化反応後ガスを、条件(2)の場合は分離工程から得られた水素を、それぞれ流通することによって、吸着材とガスとの接触を行う方法を例示することができる。
 接触時の温度は特に制限されない。しかしながら、接触反応層を構成する材料の耐熱温度以下とすることが好ましい。さらに、ルイス酸性化合物を基材に添着してなる吸着材を使用する場合には、該基材の耐熱温度以下とすることが好ましい。一方で条件(1)の場合には発熱反応である転化反応工程から得られる転化反応後ガスに適用することから、接触温度を過度に低く設定すると必要な冷却の程度が過度に大きくなり、熱エネルギーのロスが無意味に大きくなる。以上の観点から、接触温度としては、−40~200℃であることが好ましく、50~200℃であることがより好ましく、特に80~150℃であることが好ましい。
 接触時間(滞留時間)は、1秒以上とすることが好ましい。接触時間を長くしても得られる効果が減殺されるものではないから、接触時間の上限に制限はない。しかしながら、工業的な利便性を考慮すると、30秒以下とすることが好ましい。より好ましい接触時間は5~15秒である。
 接触時の圧力は特に制限されない。接触圧力は、例えば200~2,000kPaとすることができる。
 本発明においては、上記条件(1)のみを充足することとし、条件(2)は充足しないことが好ましい。その理由は、転化反応後ガスと吸着材との接触を行うと、該転化反応後ガスに含有されるクロロシラン化合物が吸着材に吸着し、該吸着材の寿命を損なうからである。
 本発明の方法を工業上有利に行うための条件を上述した。しかしながら、本発明の効果は、吸着材とガスとを接触させる際の温度及び圧力の変化による影響を受け難いことが確認されている。この傾向は、本発明が示す非常に有利な特徴の1つである。つまり、接触時の温度及び圧力の影響を受け難いため、接触反応の反応条件を特にコントロールすることなく、吸着材とガスとの接触位置を任意の位置に設定することができることとなる。接触位置は、例えば上記条件(1)の場合には転化反応工程と分離工程との間の任意の位置に;
上記条件(2)の場合には分離工程後に、得られた水素をシリコン析出工程に供給するまでの循環工程中の任意の位置に、それぞれ設定することができる。
<吸着剤の調製例>
調製例1
 容量500mLの容器中に、比表面積250m/g、平均粒径3mmの粒状シリカゲル100gを仕込んだ。ここに、硫酸銅5水和物をイオン交換水に溶解して得た濃度20重量%のCuSO水溶液100mLを加え、25℃において24時間浸漬した。浸漬後のシリカゲルをろ取して回収し、イオン交換水で洗浄した後、窒素雰囲気下、130℃において24時間加熱することにより、吸着材(10wt%CuSO添着シリカゲル)を得た。
調製例2
 上記調製例1において、CuSO水溶液の代わりに硫酸ニッケル6水和物をイオン交換水に溶解して得た濃度20重量%のNiSO水溶液100mLを使用したほかは調製例1と同様にして、吸着材(10wt%NiSO添着シリカゲル)を得た。
調製例3
 上記調製例1において、CuSO水溶液の代わりに硫酸アルミニウム16水和物をイオン交換水に溶解して得た濃度20重量%のAl(SO水溶液100mLを使用したほかは調製例1と同様にして、吸着材(10wt%Al(SO添着シリカゲル)を得た。
調製例4
 上記調製例1において、粒状シリカゲルの代わりに比表面積180m/g、平均粒径3mmの粒状活性アルミナ100gを使用したほかは調製例1と同様にして、吸着材(10wt%CuSO添着アルミナ)を得た。
調製例5
 上記調製例1において、粒状シリカゲルの代わりに比表面積180m/g、平均粒径3mmの粒状ゼオライト100gを使用したほかは調製例1と同様にして、吸着材(10wt%CuSO添着ゼオライト)を得た。
調製例6
 上記調製例1において、CuSO水溶液の濃度を5重量%としたほかは調製例1と同様にして、吸着材(3wt%CuSO添着シリカゲル)を得た。
調製例7
 上記調製例1において、CuSO水溶液の濃度を30重量%としたほかは調製例1と同様にして、吸着材(15wt%CuSO添着シリカゲル)を得た。
<一般的実験方法>
 以下の実施例は、所定量の塩化水素及びジクロロシランを含有する水素を、シリコン析出工程から排出される排出ガスのモデルガスとして用いて行った。
 上記のモデルガスを転化反応触媒上に流通して転化反応を行った。この転化反応工程から得られた転化反応後ガスから分離した水素を、所定の吸着材上に流通することによって該吸着材と接触させた。そして吸着材との接触処理後の水素にトリクロロシランを混合したガスを原料として、ジーメンス法によりシリコン析出工程を行い、得られた多結晶シリコン中のリン濃度を測定した。
 実験方法の詳細は以下のとおりである。
(1)転化反応工程
 転化反応触媒としては、比表面積が1,300m/g、水蒸気吸着法によって得られる細孔分布曲線において最大ピークを示す細孔半径(R)が1.2×10−9m、平均粒径が3mmの粒状活性炭を使用した。この活性炭はヤシ殻に由来するものであり、そのリン原子含量は200ppm−wtである。
 内径27mm、長さ100mmの円筒状ステンレス製容器に上記活性炭10gを充填し、容器内に熱電対を挿入した。この熱電対は、活性炭充填層の温度を測定するためのものである。
 先ず、活性炭に吸着している水分の除去を行った。活性炭層を150℃に加熱し、乾燥窒素を圧力2kPaGにて0.05NL/minの流速で10時間流通して、吸着水分を除去した。次いで、容器内を水素で置換しながら、活性炭層温度を30℃まで冷却した後、転化反応に供した。
 転化反応は、塩化水素及びジクロロシランを各1.5モル%含有する水素をモデルガスとして行った。該モデルガスを、温度30℃の活性炭層に、圧力1kPaG、流速320NmL/minにて流通した。このとき、活性炭層の温度は約60℃まで上昇した。活性炭への吸着熱及び転化反応の反応熱によるものと思われる。
(2)分離工程
 上記転化反応から排出されたガスを、温度−40℃の条件下で冷却した後に気相を回収して水素を分離した。得られた水素中のリン原子濃度は2,000ppb−wtであった。
(3)水素と吸着材との接触工程
 内径27mm、長さ100mmの円筒状ステンレス製容器に所定の吸着材10gを充填し、容器内に熱電対を挿入した。
 先ず、吸着材に吸着している水分を除去した後、表面M−OH結合の失活処理を行った。
 吸着材層を150℃に加熱し、乾燥窒素を0.05L/minの流速で10時間流通して、吸着水分を除去した。次いで、0.5vol%のテトラクロロシランを含有する窒素を圧力10kPaGにて50NmL/minの流速で5時間流通した。その後、水素との接触に供した。
 上記処理後の吸着材層の温度を所定温度に設定した後、上記分離工程で得られた水素を圧力1kPaGにて所定の流速で流通して、水素と吸着材との接触反応を行った。
(4)シリコン析出工程
 上記接触工程から得られた水素にトリクロロシランを混合し、水素:トリクロロシラン=10:1(体積比)の混合ガスとした。この混合ガスを、1,200℃に加熱した直径8mm、長さ100mmのシリコンロッドに供給することにより、シリコンロッドの表面に多結晶シリコンを析出させた。
 得られた多結晶シリコン中のリン原子濃度を、元素分析によって測定した。
参考例1(ブランクテスト)
 原料水素としてリン不純物を含有しない水素を用いたほかは上記「(4)シリコン析出工程」と同様に操作して、多結晶シリコンを得た。
 得られた多結晶シリコン中のリン原子濃度を表1に示した。
比較例1(吸着材を用いない場合)
 上記「(3)水素と吸着材との接触工程」において、吸着材を用いずに容器を空容器とし、該空容器の温度を80℃に設定して接触工程を行ったほかは、上記<一般的実験方法>と同様に操作して、多結晶シリコンを得た。
 得られた多結晶シリコン中のリン原子濃度を表1に示した。
実施例1~10並びに比較例2及び3
 上記「(3)水素と吸着材との接触工程」における吸着材の種類、吸着材層の温度及び水素流速を表1に記載のとおりとして上記<一般的実験方法>に従って各工程を行い、それぞれ、多結晶シリコンを得た。
 得られた多結晶シリコン中のリン原子濃度を、それぞれ、表1に示した。
 比較例2及び3で使用したシリカゲル及び活性アルミナは、それぞれ、以下のとおりである。
 シリカゲル(比較例2):比表面積250m/g、平均粒径3mmの粒状シリカゲル
 活性アルミナ(比較例3):比表面積180m/g、平均粒径3mmの粒状活性アルミナ
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
発明の効果
 本発明によると、クロロシラン化合物と水素との反応を利用して行う多結晶シリコンの製造方法において、排出ガス中の塩化水素の除去と排出ガス中の水素の循環再利用とを併用した場合に、循環ガス中に含有される、活性炭触媒由来のリン不純物を容易且つ効果的に除去することができる。従って、上記本発明の方法によって得られる多結晶シリコンは、リン原子含量が可及的に低減されたものであるから、太陽電池、半導体等の用途に好適に適用することができる。

Claims (5)

  1.  クロロシラン化合物と水素との反応によってシリコンを生成するシリコン析出工程、
    前記シリコン析出工程から排出される排出ガスを活性炭と接触させて該排出ガス中の塩化水素を除去する転化反応工程、
    前記転化反応工程から得られる転化反応後ガス中の水素を分離する分離工程、及び
    前記分離工程から得られる水素を前記シリコン析出工程に供給する循環工程
    を含む多結晶シリコンの製造方法において、
    下記条件(1)及び(2)のうちの少なくとも一方を充足することを特徴とする、前記多結晶シリコンの製造方法;
    (1)転化反応工程から得られる転化反応後ガスを、分離工程前にルイス酸性化合物を含有する吸着材と接触させること、及び
    (2)分離工程から得られる水素を、シリコン析出工程に供給する前にルイス酸性化合物を含有する吸着材と接触させること。
  2.  前記ルイス酸化合物が、CuSO、NiSO及びAl(SOよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の多結晶シリコンの製造方法。
  3.  前記吸着材が、基材にルイス酸化合物を添着して得られる吸着材である、請求項1又は2に記載の多結晶シリコンの製造方法。
  4.  前記基材が、シリカゲル、モレキュラーシーブス、ゼオライト及びアルミナから選択される少なくとも1種である、請求項3に記載の多結晶シリコンの製造方法。
  5.  前記吸着材を、クロロシラン化合物によって処理した後に使用に供する、請求項4に記載の多結晶シリコンの製造方法。
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