JP2013136979A - 点火時期制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸入空気温度が低い場合の出力性能を向上する。
【解決手段】点火時期制御装置(ECU100)は、エンジン1の充填効率KLが予め設定された閾値(例えば、105%)以上であるときに、エンジン1の筒内圧Pmaxを予め設定された許容値P0(例えば。9Mpa)以下とするべく、エンジン1の点火時期BTDCを遅角する点火時期設定部115を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載された内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御装置に関する。
内燃機関への吸入空気温度が低い場合には、吸入空気量が増加するため、筒内圧が上昇することになる。従来、吸入空気温度が低いことに起因した筒内圧の上昇を低減する種々の装置、方法が提案されている。
例えば、吸入空気量を制限するようにスロットルバルブの開度を調整するエンジン(「内燃機関」に相当する。)の出力制御装置が開示されている(特許文献1参照)。このエンジンの出力制御装置によれば、スロットルバルブの開度を調整することによって、気筒内圧の上昇を抑制することができる。
特開2010−19153号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のエンジンの出力制御装置では、スロットルバルブの開度を調整することによって吸入空気量が制限されるため、出力トルク(出力性能)が低下することになる(図6参照)。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、吸入空気温度が低い場合の出力性能を向上することの可能な点火時期制御装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る点火時期制御装置は、以下のように構成されている。
すなわち、本発明に係る点火時期制御装置は、車両に搭載された内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御装置であって、前記内燃機関の充填効率が予め設定された閾値以上であるときに、前記内燃機関の筒内圧を予め設定された許容値以下とするべく、前記内燃機関の点火時期を遅角する点火時期設定手段を備えることを特徴としている。
かかる構成を備える点火時期制御装置によれば、前記内燃機関の充填効率が予め設定された閾値以上であるときに、前記内燃機関の筒内圧を予め設定された許容値以下とするべく、前記内燃機関の点火時期が遅角されるため、吸入空気温度が低い場合の出力性能を向上することができる。
すなわち、前記内燃機関の吸入空気温度が低い場合には、前記内燃機関への吸入空気量が増加し、前記内燃機関の充填効率が増加することになる。よって、前記内燃機関の充填効率が予め設定された閾値(例えば、105%)以上であるときに、前記内燃機関の点火時期を遅角することによって、前記内燃機関の筒内圧が予め設定された許容値(例えば、9MPa)以下とされるため、吸入空気温度が低い場合の出力性能を向上することができるのである。
また、本発明に係る点火時期制御装置は、前記内燃機関の充填効率及び前記内燃機関の回転数に対応付けて、前記内燃機関の点火時期を予め記憶する点火時期記憶手段と、前記内燃機関に吸入される空気量である吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、前記吸入空気量検出手段によって検出された吸入空気量に基づいて前記充填効率を求める充填効率算出手段と、前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、を更に備え、前記点火時期設定手段が、前記充填効率算出手段によって求めれた前記充填効率、及び、前記回転数検出手段によって検出された前記回転数に対応する前記点火時期を前記点火時期記憶手段から読み出して設定することが好ましい。
かかる構成を備える点火時期制御装置によれば、前記内燃機関の充填効率及び前記内燃機関の回転数に対応付けて、前記内燃機関の点火時期が点火時期記憶手段に予め記憶されている。そして、前記内燃機関に吸入される空気量である吸入空気量が検出されて、検出された吸入空気量に基づいて前記充填効率が求められる。また、前記内燃機関の回転数が検出される。更に、求められた前記充填効率、及び、検出された前記回転数に対応する前記点火時期が前記点火時期記憶手段から読み出されて設定されるため、前記点火時期記憶手段に適正な値を記憶しておく(図3参照)ことによって、吸入空気温度が低い場合の出力性能を向上することができる。
また、本発明に係る点火時期制御装置は、前記点火時期記憶手段が、前記充填効率の範囲について、常温時における前記充填効率を基準として、低温時における前記充填効率まで拡張されていることが好ましい。
かかる構成を備える点火時期制御装置によれば、前記点火時期記憶手段が、前記充填効率の範囲について、常温時における前記充填効率を基準として、低温時における前記充填効率まで拡張されているため、低温時においても、常温時と同様に、検出された吸入空気量に基づいて求められた前記充填効率、及び、検出された前記回転数に対応する前記点火時期を前記点火時期記憶手段から読み出して設定することができるため、吸入空気温度が低い場合の出力性能を容易に向上することができる。
また、本発明に係る点火時期制御装置は、前記点火時期記憶手段が、前記充填効率の拡張された範囲において、前記内燃機関の筒内圧を予め設定された許容値以下とするべく、遅角された前記点火時期が予め記憶されていることが好ましい。
かかる構成を備える点火時期制御装置によれば、前記点火時期記憶手段には、前記内燃機関の筒内圧を予め設定された許容値以下とするべく、遅角された前記点火時期が予め記憶されているため、簡素な構成で、筒内圧を予め設定された許容値以下とすることができる。
本発明に係る点火時期制御装置によれば、前記内燃機関の充填効率が予め設定された閾値以上であるときに、前記内燃機関の筒内圧を予め設定された許容値以下とするべく、前記内燃機関の点火時期が遅角されるため、吸入空気温度が低い場合の出力性能を向上することができる。
本発明に係る点火時期制御装置が搭載される車両のエンジンの一例を示す構成図である。 図1に示す車両に搭載される点火時期制御装置の一例を示す機能構成図である。 図2に示す点火時期制御装置の点火時期記憶部に記憶される情報の一例を示す図表である。 充填効率と筒内圧との関係の一例を示すグラフである。 図2に示す点火時期制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図2に示す点火時期制御装置の効果の一例を示すグラフである。
以下、本発明に係る点火時期制御装置の実施形態を、図面を参照して説明する。
−エンジン1−
まず、図1を参照して、本実施形態に係るエンジン1について説明する。図1は、本発明に係る点火時期制御装置が搭載される車両のエンジン1の一例を示す構成図である。なお、エンジン1は、特許請求の範囲に記載の「内燃機関」に相当する。
エンジン1は、例えば、多気筒ガソリンエンジンであって、燃焼室1aを形成するピストン1b、及び、出力軸であるクランクシャフト15を備えている。ピストン1bは、コネクティングロッド16を介して、クランクシャフト15に連結されている。また、ピストン1bの往復運動は、コネクティングロッド16によって、クランクシャフト15の回転運動へと変換される。
クランクシャフト15には、シグナルロータ17が配設されている。シグナルロータ17の外周面には、複数の突起17aが等間隔で形成されている。シグナルロータ17の側方近傍には、エンジン回転数センサ124が配置されている。エンジン回転数センサ124は、例えば電磁ピックアップであって、クランクシャフト15が回転する際に、エンジン回転数センサ124に対向する位置を通過する突起17aの個数分のパルス状信号(出力パルス)を発生する。なお、エンジン回転数センサ124は、特許請求の範囲に記載の「回転数検出手段」の一部に相当する。
エンジン1の燃焼室1aには、点火プラグ103が配設されている。点火プラグ103の点火タイミングは、イグナイタ104によって調整される。イグナイタ104は、ECU100によって制御される。エンジン1のシリンダブロック1cには、エンジン水温(冷却水の水温)を検出する水温センサ121が配設されている。
エンジン1の燃焼室1aには、吸気通路11と排気通路12とが接続されている。吸気通路11と燃焼室1aとの間には、吸気バルブ13が設けられている。吸気バルブ13を開閉駆動することによって、吸気通路11と燃焼室1aとが連通又は遮断される。また、排気通路12と燃焼室1aとの間には、排気バルブ14が設けられている。排気バルブ14を開閉駆動することによって、排気通路12と燃焼室1aとが連通又は遮断される。
エンジン1の吸気通路11には、エアクリーナ107、エアフローメータ122、吸気温センサ123、及び、スロットルバルブ105等が配設されている。なお、エアフローメータ122は、質量流量(g/sec:単位時間当たりに流れる空気の質量)を検出するものであって、特許請求の範囲に記載の「吸入空気量検出手段」の一部に相当する。ここで、スロットルバルブ105は、エンジン1の吸入空気量を調整する。また、エンジン1の排気通路12には、O2センサ127、三元触媒108等が配設されている。ここで、O2センサ127は、排気ガス中の酸素濃度を検出する。
エンジン1の吸気通路11に配設されたスロットルバルブ105は、スロットルモータ106によって駆動される。スロットルバルブ105の開度は、スロットル開度センサ125によって検出される。なお、スロットルバルブ105の開度(スロットル開度)は、スロットル開度センサ125によって検出される。また、スロットルモータ106は、ECU100によって駆動制御される。
また、吸気通路11には、インジェクタ(燃料噴射弁)102が配設されている。インジェクタ102には、燃料ポンプによって燃料タンクから燃料(ここでは、ガソリン)が供給され、インジェクタ102によって吸気通路11に燃料が噴射される。噴射された燃料は、吸入空気と混合されて混合気となって、エンジン1の燃焼室1aに導入される。燃焼室1aに導入された混合気(燃料+空気)は、点火プラグ103によって点火されて燃焼、爆発する。混合気が燃焼室1a内で燃焼、爆発することによって、ピストン1bが図の上下方向に往復運動して、クランクシャフト15が回転駆動される。
−ECU100−
次に、図2を参照してECU100の構成について説明する。図2は、図1に示す車両に搭載されるECU100の一例を示す機能構成図である。ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、バックアップRAM等を備えている。
ROMは、種々の制御プログラム等を記憶する。CPUは、ROMに記憶された種々の制御プログラムを読み出して各種処理を実行する。RAMは、CPUでの演算結果等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMは、エンジン1の停止時に保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
また、ECU100には、水温センサ121、エアフローメータ122、吸気温センサ123、エンジン回転数センサ124、スロットル開度センサ125、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ126、O2センサ127等が通信可能に接続されている。
更に、ECU100には、制御対象として、インジェクタ102、点火プラグ103のイグナイタ104、スロットルバルブ105のスロットルモータ106等が通信可能に接続されている。そして、ECU100は、上記各種センサの出力に基づいて、インジェクタ102の燃料噴射制御、点火プラグ103の点火時期制御、スロットルモータ106の駆動制御等を含むエンジン1の各種制御を実行する。
−点火時期制御装置の構成−
次に、図2を参照して本発明に係る点火時期制御装置(ECU100)の構成について説明する。ECU100は、ROMに記憶された制御プログラムを読み出して実行することによって、点火時期記憶部111、吸入空気量検出部112、充填効率算出部113、回転数検出部114、及び、点火時期設定部115として機能する。ここで、点火時期記憶部111、吸入空気量検出部112、充填効率算出部113、回転数検出部114、及び、点火時期設定部115は、本発明に係る点火時期制御装置の一部に相当する。
点火時期記憶部111は、エンジン1の充填効率KL及びエンジン1の回転数Neに対応付けて、エンジン1の点火時期BTDCを予め記憶する機能部である。ここで、点火時期記憶部111は、特許請求の範囲に記載の「点火時期記憶手段」に相当する。なお、「充填効率KL」とは、エンジン1の1回転当りのシリンダに吸入される空気量(質量流量(g/sec))を、シリンダに吸入可能な最大空気量(質量流量(g/sec))で除した商である。ここで、「BTDC」とは、上死点(TDC:TOP Dead Center)を「0」度とした基準を用いて、上死点前(回転方向と反対の向き)の角度を示すものである。
点火時期記憶部111に記憶された点火時期BTDCは、点火時期設定部115によって読み出される。また、具体的には、点火時期記憶部111は、例えば、ECU100のROM等にルックアップテーブル(又は、マップ)として記憶されている。
吸入空気量検出部112は、エアフローメータ122を介して、エンジン1に吸入される空気量である吸入空気量QWを検出する機能部である。なお、吸入空気量検出部112は、特許請求の範囲に記載の「吸入空気量検出手段」の一部に相当する。ここで、吸入空気量検出部112は、「吸入空気量」として、エンジン1に吸入される単位時間当たりに流れる空気の質量である質量流量(g/sec)を検出する。
充填効率算出部113は、吸入空気量検出部112によって検出された吸入空気量QW及びエンジン回転数センサ124によって検出されたエンジン回転数Neに基づいて充填効率KLを求める機能部である。なお、充填効率算出部113は、特許請求の範囲の「充填効率算出手段」に相当する。具体的には、充填効率算出部113は、次の(1)式によって充填効率KL(%)を求める。また、充填効率KL(%)は、エンジン1の「負荷率」と呼ばれることもある。
充填効率KL=(エンジン1回転当りの吸入空気量QW)
/(シリンダに吸入可能な最大空気量)×100 (1)
ここで、シリンダに吸入可能な最大空気量は、予め実験等によって求められる値であって、エンジン1の気筒数、総排気量等によって決まる定数である。
回転数検出部114は、エンジン回転数センサ124を介して、エンジン1の回転数(エンジン回転数)Neを検出する機能部である。なお、回転数検出部114は、特許請求の範囲に記載の「回転数検出手段」の一部に相当する。
点火時期設定部115は、充填効率算出部113によって求められた充填効率KL、及び、回転数検出部114によって検出されたエンジン回転数Ne、に対応する点火時期BTDCを点火時期記憶部111から読み出して、イグナイタ104を介して点火プラグ103に設定する機能部である。
このようにして、エンジン1の充填効率KL及びエンジン回転数Neに対応付けて、エンジン1の点火時期BTDCが点火時期記憶部111に予め記憶されている。そして、エンジン1に吸入される空気量である吸入空気量QW(質量流量)が検出されて、検出された吸入空気量QWに基づいて充填効率KLが求められる。また、エンジン回転数Neが検出される。更に、求められた充填効率KL、及び、検出されたエンジン回転数Neに対応する点火時期BTDCが点火時期記憶部111から読み出されて、イグナイタ104を介して点火プラグ103に設定されるため、点火時期記憶部111に適正な値を記憶しておく(図3参照)ことによって、吸入空気温度TAが低い場合の出力性能を向上することができる。
ここで、図3及び図4を参照して、本発明に係る点火時期記憶部111の特徴について説明する。図3は、図2に示す点火時期制御装置(ECU100)の点火時期記憶部111に記憶される情報の一例を示す図表である。
図3に示すように、本発明に係る点火時期記憶部111は、エンジン1の充填効率KL及びエンジン1の回転数Neに対応付けて、エンジン1の点火時期BTDCを記憶している。ここで、点火時期記憶部111は、充填効率KLの範囲について、常温時(例えば、25℃の場合)における充填効率KL(例えば、0〜105%)を基準として、低温時(例えば、−30℃の場合)における充填効率KLまで拡張されている。
ここで、吸入空気温度TAが常温時(例えば、25℃の場合)においてスロットルバルブ105の開度であるスロットル開度θが100%である場合にエンジン1に流入する吸入空気量QV(体積流量)と、吸入空気温度TAが低温時(例えば、−30℃の場合)においてスロットル開度θが100%である場合にエンジン1に流入する吸入空気量QV(体積流量)とが同一であるとして説明する。この場合には、吸入空気温度TAが常温時から低温時に変化すると、空気の比重ρが増加するため、吸入空気温度TAが常温時における最大の充填効率KLが105%であるとすれば、吸入空気温度TAが低温時における充填効率KLの最大値は、次の(2)式によって求められる。
105×(273+25)/(273−30)=129 (2)
すなわち、吸入空気温度TAが低温時における充填効率KLの最大値は、約130%となる。このように、吸入空気温度TAが低温時における最大の充填効率KLは、吸入空気温度TAが常温時における最大の充填効率KLと比較して大きいため、吸入空気温度TAが低温時には、図4に示すように、筒内圧Pmaxが許容値P0(例えば、9MPa)を超える虞がある。図4は、充填効率KLと筒内圧Pmaxとの関係の一例を示すグラフである。横軸は、充填効率KLであって、縦軸は、筒内圧Pmaxである。
図4において、破線で示すグラフG12は、充填効率KLが105%を超えた場合に、充填効率KLが105%の点火時期BTDCを保持すると共に、スロットル開度θを100%に保持した場合の筒内圧Pmaxと充填効率KLとの関係を示すグラフである。グラフG12に示すように、筒内圧Pmaxは、充填効率KLの増大に概ね比例して増大するため、吸入空気温度TAが低温時において筒内圧Pmaxが許容値P0(例えば、9MPa)を超えることになる。従来は、これを回避するため、上述の特許文献1(特開2010−19153号公報)のように、スロットルバルブ105の開度を調整(低減)していた。
これに対して、図4において、実線で示すグラフG11は、充填効率KLが105%を超えた場合に、図3に示す図表で規定される点火時期BTDCに設定すると共に、スロットル開度θを100%に保持した場合の筒内圧Pmaxと充填効率KLとの関係を示すグラフである。グラフG11に示すように、この場合には、筒内圧Pmaxを許容値P0以下とするべく、遅角された点火時期BTDCが設定されるため、筒内圧Pmaxが許容値P0を超えることはない。
次に、図3に戻って、本発明に係る点火時期記憶部111に記憶されるエンジン1の点火時期BTDCについて説明する。充填効率KLが105%以下の場合には、図4を用いて上述のように、筒内圧Pmaxが許容値P0を超えることはないため、エンジン1の点火時期BTDCは、エンジン性能が最良となる(出力トルクが最大となる)値に設定される。
一方、吸入空気温度TAが低温時において充填効率KLが105%より大きい場合には、図4を用いて上述のように、充填効率KLが105%の点火時期BTDCを保持すると、筒内圧Pmaxが許容値P0を超えることになってしまう。よって、エンジン1の点火時期BTDCを遅角させることによって筒内圧Pmaxを低減し、筒内圧Pmaxが許容値P0以下となる点火時期BTDCの値に設定されている。図3に示す図表で規定される点火時期BTDCは、このように設定されているため、スロットル開度θを100%に保持した場合であっても、図3に示す図表で規定される点火時期BTDCに設定することによって、図4のグラフG11に示すように、筒内圧Pmaxが許容値P0を超えることはない。
上述のように、吸入空気温度TAが常温時における充填効率KLを基準として、吸入空気温度TAが低温時における充填効率KL(図3に示す例では、130%)まで拡張されているため、吸入空気温度TAが低温時においても、吸入空気温度TAが常温時と同様に、エアフローメータ122によって検出された吸入空気量QWに基づいて求められた充填効率KL、及び、エンジン回転数センサ124によって検出されたエンジン回転数Neに対応する点火時期BTDCを点火時期記憶部111から読み出して、イグナイタ104を介して点火プラグ103に設定することができるため、吸入空気温度TAが低い場合の出力性能を容易に向上することができる。
本実施形態では、点火時期記憶部111に記憶される充填効率KLの最大値が130%である(図3参照)場合について説明するが、点火時期記憶部111に記憶される充填効率KLの最大値は、車両が使用される環境等に応じて、適宜設定すればよい。例えば、極寒冷地で使用される車両の場合には、空気の比重ρが更に増加するため、点火時期記憶部111に記憶される充填効率KLの最大値を大きな値(例えば、150%)に設定する必要がある。
また、上述のように、点火時期記憶部111には、エンジン1の筒内圧Pmaxを予め設定された許容値P0(例えば、9MPa)以下とするべく、遅角された点火時期BTDCが予め記憶されているため、簡素な構成で、筒内圧Pmaxを許容値P0以下とすることができる。
−点火時期制御装置の動作−
次に、図5を参照して、本発明に係る点火時期制御装置(主に、ECU100)の動作を説明する。図5は、図2に示す点火時期制御装置(ECU100)の動作の一例を示すフローチャートである。まず、回転数検出部114によって、エンジン回転数Neが検出される(ステップS101)。そして、吸入空気量検出部112によって、エンジン1に吸入される空気量である吸入空気量QWが検出される(ステップS103)。次に、充填効率算出部113によって、ステップS101において検出されたエンジン回転数Ne、及び、吸入空気量QWに基づいて充填効率KLが求められる(ステップS105)。
次いで、ステップS101において検出されたエンジン回転数Ne、及び、ステップS105において求められた充填効率KL、に対応する点火時期BTDCが、点火時期設定部115によって、点火時期記憶部111から読み出される(ステップS107)。そして、点火時期設定部115によって、ステップS107において読み出された点火時期BTDCがイグナイタ104を介して点火プラグ103に設定されて(ステップS109)、処理がステップS101に戻され、ステップS101以降の処理が繰り返し実行される。
このようにして、エンジン1の充填効率KLが予め設定された閾値(例えば、105%)以上であるときに、エンジン1の筒内圧Pmaxを予め設定された許容値P0以下とするべく、エンジン1の点火時期BTDCが遅角されるため、吸入空気温度TAが低い場合の出力性能を向上することができる。
すなわち、エンジン1の吸入空気温度TAが低い場合には、エンジン1の吸入空気量QWが増加するため、エンジン1の充填効率KLが大きくなる。よって、エンジン1の充填効率KLが予め設定された閾値(例えば、105%)以上であるときに、エンジン1の点火時期BTDCを遅角することによって、エンジン1の筒内圧Pmaxが予め設定された許容値P0(例えば、9MPa)以下とされるため、吸入空気温度TAが低い場合の出力性能を向上することができるのである。
図6は、図2に示す点火時期制御装置(ECU100)の効果の一例を示すグラフである。ここでは、吸入空気温度TAが低温時(ここでは、−30℃の場合)であって、スロットル開度θが100%である場合について説明する。図の横軸は、エンジン回転数Neであり、縦軸は、エンジン1の出力である。
細い実線で示すグラフG21は、図4を参照して説明した従来の制御のように、スロットルバルブ105の開度を調整(低減)する場合のエンジン1の出力の変化を示すグラフである。これに対して、太い破線で示すグラフG22は、スロットルバルブ105の開度を調整(低減)しない場合のエンジン1の出力の変化を示すグラフである。この場合には、図4に破線で示すグラフG12のように、筒内圧Pmaxが許容値P0を超えることになる。そして、太い実線で示すグラフG23は、スロットルバルブ105の開度を調整(低減)せず、その換わりに、筒内圧Pmaxを許容値P0以下とするべく点火時期BTDCを遅角させた場合のエンジン1の出力の変化を示すグラフである。グラフG23に示すように、点火時期BTDCを遅角させることによって、スロットルバルブ105の開度を調整(低減)する場合のグラフG21と比較して、出力を増大することができる。
−他の実施形態−
本実施形態においては、点火時期制御装置が、ECU100における点火時期記憶部111、吸入空気量検出部112、充填効率算出部113、回転数検出部114、及び、点火時期設定部115等として構成されている場合について説明したが、点火時期記憶部111、吸入空気量検出部112、充填効率算出部113、回転数検出部114、及び、点火時期設定部115のうち、少なくとも1つが、電子回路等のハードウェアで構成されている形態でもよい。
本実施形態では、エンジン1に過給機(ターボチャージャ)が搭載されていない場合について説明したが、エンジン1に過給機が搭載されている形態でもよい。
本実施形態では、エンジン1の点火時期が遅角することによって筒内圧Pmaxを許容値P0以下とする場合について説明したが、エンジン1の点火時期が遅角すると共に、スロットルバルブの開度を調整することによって筒内圧Pmaxを許容値P0以下とする形態でもよい。
本発明は、車両に搭載された内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御装置に利用することができる。
1 エンジン
102 インジェクタ
103 点火プラグ
122 エアフローメータ(吸入空気量検出手段の一部)
123 吸気温センサ
124 エンジン回転数センサ(回転数検出手段の一部)
100 ECU(点火時期制御装置)
111 点火時期記憶部(点火時期記憶手段)
112 吸入空気量検出部(吸入空気量検出手段の一部)
113 充填効率算出部(充填効率算出手段)
114 回転数検出部(回転数検出手段の一部)
115 点火時期設定部(点火時期設定手段)

Claims (4)

  1. 車両に搭載された内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御装置であって、
    前記内燃機関の充填効率が予め設定された閾値以上であるときに、前記内燃機関の筒内圧を予め設定された許容値以下とするべく、前記内燃機関の点火時期を遅角する点火時期設定手段を備えることを特徴とする点火時期制御装置。
  2. 請求項1に記載の点火時期制御装置において、
    前記内燃機関の充填効率及び前記内燃機関の回転数に対応付けて、前記内燃機関の点火時期を予め記憶する点火時期記憶手段と、
    前記内燃機関に吸入される空気量である吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
    前記吸入空気量検出手段によって検出された吸入空気量に基づいて前記充填効率を求める充填効率算出手段と、
    前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、を更に備え、
    前記点火時期設定手段は、前記充填効率算出手段によって求められた前記充填効率、及び、前記回転数検出手段によって検出された前記回転数に対応する前記点火時期を前記点火時期記憶手段から読み出して設定することを特徴とする点火時期制御装置。
  3. 請求項2に記載の点火時期制御装置において、
    前記点火時期記憶手段は、前記充填効率の範囲について、常温時における前記充填効率を基準として、低温時における前記充填効率まで拡張されていることを特徴とする点火時期制御装置。
  4. 請求項3に記載の点火時期制御装置において、
    前記点火時期記憶手段は、前記充填効率の拡張された範囲において、前記内燃機関の筒内圧を予め設定された許容値以下とするべく、遅角された前記点火時期が予め記憶されていることを特徴とする点火時期制御装置。
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