JP2016125353A - エンジンの回転停止位置制御装置 - Google Patents

エンジンの回転停止位置制御装置 Download PDF

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衛 吉岡
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Abstract

【課題】エンジンの停止に際し、クランクシャフトをエンジン再始動に適した所定の回転位置に安定的に停止させること。【解決手段】エンジン1は吸気行程でインジェクタ32により供給される燃料を気筒2で燃焼させてシャフト3を回転させる。回転停止位置制御装置は、気筒2に供給される吸気量を調節するスロットル装置7と、シャフト3の回転位置と回転速度を検出する回転速度センサ45と、シャフト3を所定の回転位置に停止させるために、吸気行程での燃料カットを行うと共に、気筒2に吸気を充填するためにスロットル装置7を開弁制御するECU50とを備える。ECU50は、シャフト3を所定の回転位置に停止させるとき、インジェクタ32へ燃料カットを要求し、その要求後に、気筒2が吸気行程となるときに燃料供給停止を開始し、検出される回転位置が特定の回転位置となるときスロットル装置7へ開弁制御を要求する。【選択図】 図1

Description

この発明は、エンジンの停止に際して、エンジンの回転軸の回転停止位置を制御するように構成したエンジンの回転停止位置制御装置に関する。
従来、この種の分野の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載されるエンジンの始動装置が知られている。この装置は、エンジンを自動で停止させ、自動で始動させるアイドルストップシステムに採用される。ここで、エンジンの再始動性を向上させるために、アイドル運転時にエンジンが自動停止(アイドルストップ)したとき、エンジンの回転停止位置(停止クランク角)を始動に適したクランク角範囲に制御するようになっている。すなわち、エンジンが停止している状態で、膨張行程にある気筒内に燃料を噴射供給して点火燃焼させることにより、スタータモータの力を借りることなく、エンジンそれ自体の力でエンジンを再始動させるようになっている。詳しくは、エンジンへの燃料供給停止(燃料カット)を開始してからエンジン回転速度が低下する過程で、各気筒が順次、圧縮上死点を過ぎるときのエンジン回転速度(上死点回転速度)を回転速度センサにより検出し、その上死点回転速度がエンジン停止後のピストン位置と相関のある所定の回転速度範囲に収まるように、スロットル弁の開度を電気的に制御するようになっている。この装置では、アイドル運転時にエンジンをアイドルストップさせる過程で、スロットル弁をアイドル開度から開弁させる要求として、燃料カットを開始させる要求(燃料カット要求)を併用することが考えられる。一般に、この要求は、スロットル弁が全閉に戻ったことを検知する全閉スイッチ又はアクセルペダルが全閉に戻ったことを検知するアクセルセンサからの信号により得ることができる。
特開2005−155548号公報
ところが、特許文献1に記載の装置では、アイドル運転時にエンジンをアイドルストプさせる過程で、スロットル弁をアイドル開度から開弁させる要求として、燃料カット要求を併用していたので、スロットル弁を実際に開弁させるタイミングが、燃料カットを実際に開始させるタイミングに対してばらつくおそれがあった。これは、燃料カット要求が入るタイミングが各気筒の作動行程にかかわらず不定であるのに対し、実際に燃料カットを開始できるタイミングは、各気筒がある特定の行程に入ったときに限られるからである。
例えば、図10(a)に示すように、吸気行程で燃料噴射する場合は、1番気筒#1が吸気行程で燃料噴射後の時刻t1にて燃料カット要求(F/C要求)が入った場合、その後に燃料カットを実際に開始できるのは、図10(a),(c)に示すように、3番気筒#3が吸気行程に入る時刻t3である。これに対し、スロットル弁をアイドル開度から所定の開度へ開弁できるタイミングは、3番気筒#3が吸気行程に入るのを待つ必要がないことから、図10(c),(d)に示すように、燃料カットを開始できるタイミングより前(例えば、時刻t2)となる。ここで、燃料カット要求が入るタイミングは、図10(c),(d)に太矢印で示す範囲でばらつくことになる。そのため、燃料カット要求後に、燃料カットが実際に開始されるタイミングとスロットル弁が開弁されるタイミングとが前後に変化することになる。この結果、図10(e)に太線と太破線で示すように、時刻t4からのエンジン回転速度NEの低下勾配(低下率)がばらつくことになる。これによって、エンジンの回転停止位置(停止クランク角)やそれに対応する気筒内の圧力状態がばらつき、停止クランク角をエンジン始動に適したクランク角範囲に制御できなくなるおそれがあった。ここで、図10は、(a)1番気筒#1〜4番気筒#4の作動行程(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程)の変遷と、(b)クランク角の変化、(c)燃料カット信号(F/C信号)、(d)スロットル開度TA及び(e)エンジン回転速度NEの関係を示すタイムチャートである。また、図10(e)において、太線と太破線は、燃料カットとスロットル弁の開弁を両方行った場合であって、太線はスロットル弁の開弁タイミングが燃料カットタイミングより早い場合を示し、太破線はスロットル弁の開弁タイミングが燃料カットタイミングより遅い場合を示す。また、二点鎖線は、燃料カットのみを行いスロットル弁を開弁しない場合を示す。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、エンジンの停止に際して、回転軸をエンジンの再始動に適した所定の回転位置に安定的に停止させることを可能としたエンジンの回転停止位置制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、エンジンの回転軸を所定の回転位置に停止させるように制御するエンジンの回転停止位置制御装置であって、エンジンは、気筒を含むレシプロエンジンであり、燃料供給手段により供給される燃料を気筒で燃焼させることにより回転軸を回転させるように構成されることと、気筒に供給される吸気量を調節するための吸気量調節弁と、回転軸の回転位置と回転速度を検出するための回転検出手段と、回転軸を所定の回転位置に停止させるために、燃料供給手段による燃料供給を停止させると共に、気筒に吸気を充填するために吸気量調節弁を開弁制御するための制御手段とを備えたエンジンの回転停止位置制御装置において、制御手段は、回転軸を所定の回転位置に停止させるとき、燃料供給手段へ燃料供給停止を要求し、その要求後に、気筒が常に同じ特定の行程となるときに燃料供給停止を開始し、回転検出手段により検出される回転軸の回転位置が特定の回転位置となるときに、吸気量調節弁へ開弁制御を要求することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、エンジンの停止に際して、制御手段は、回転軸を所定の回転位置に停止させるために、燃料供給手段による燃料供給を停止させると共に、気筒に吸気を充填するために吸気量調節弁を開弁制御する。これにより、回転軸の回転が停止し始めると共に、エンジンに負荷が与えられて回転軸が所定の回転位置に停止する。ここで、制御手段は、回転軸を所定の回転位置に停止させるとき、燃料供給手段へ燃料供給停止を要求し、その要求後に、気筒が常に同じ特定の行程となるときに燃料供給停止を開始し、回転検出手段により検出される回転軸の回転位置が特定の回転位置となるときに、吸気量調節弁へ開弁制御を要求する。よって、燃料供給手段による燃料供給停止の開始は、その要求後に、気筒が常に同じ特定の行程となるときに開始され、回転軸が特定の回転位置となるときに吸気量調節弁の開弁制御が開始される。従って、燃料供給停止の要求のタイミングが変化しても、燃料供給停止と開弁制御とが一定の時期的関係で開始され、そのエンジン停止に対応する気筒内の圧力状態が常に同じとなる。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、特定の行程は、吸気行程であることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、燃料供給手段による燃料供給停止の開始が、その要求後に、気筒が吸気行程となるときに開始される。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、特定の回転位置は、吸気行程に一致する回転位置であることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、燃料供給停止は、吸気行程で開始され、吸気量調節弁の開弁制御は、その吸気行程に一致して開始される。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、エンジンは複数の気筒を含み、特定の回転位置は、各気筒が順次に吸気行程となるときに応じて回転軸が所定角度回転する毎に到来する回転位置であることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、燃料供給停止は、複数の気筒のうち何れかの気筒が最初に吸気行程となるときに開始され、吸気量調節弁の開弁制御は、その気筒の吸気行程に一致して開始される。ここで、回転軸の回転に伴って各気筒が順次に吸気行程となることから、何れのタイミングで燃料供給停止の要求があっても、その要求直後の吸気行程で直ちに燃料供給停止と開弁制御が開始される。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、エンジンは複数の気筒を含み、特定の回転位置は、複数の気筒のうちの特定の一つの気筒が吸気行程となるときに一致する回転位置であることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、燃料供給停止は、複数の気筒のうち特定の一つの気筒が吸気行程となるときに開始され、吸気量調節弁の開弁制御は、その特定の一つの気筒の吸気行程に一致して開始される。ここで、特定の一つの気筒の吸気行程は、回転軸が1周期(通常2回転する周期)回転する毎に行われることになる。従って、燃料供給停止の要求タイミングが変化しても、燃料供給停止と開弁制御とが一定の時期的関係でより正確に開始される。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の発明において、気筒に供給される燃料に点火するための点火手段と、点火手段による点火時期を制御するための点火時期制御手段とを更に備え、点火時期制御手段は、制御手段が燃料供給手段へ燃料供給停止を要求したとき、回転検出手段により検出される回転速度が所定の目標回転速度にならない場合は、燃料供給停止が開始されるまでの間で、回転軸の回転速度を調整するために点火手段による点火時期を変更制御することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の作用に加え、燃料供給停止が要求されたときに、回転軸の回転速度が所定の目標回転速度にならない場合は、燃料供給停止が開始されるまでの間で、点火手段による点火時期が変更制御され、回転軸の回転速度が所定の目標回転速度に近付けられる。ここで、所定の目標回転速度は、回転軸を所定の回転位置に停止させるために燃料供給停止を開始させるのに最適な回転速度である。
上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の発明において、制御手段は、燃料供給停止を要求してから燃料供給停止が開始されるまでの間で、回転検出手段により検出される回転速度が所定の目標回転速度にならない場合、燃料供給停止の開始を遅らせることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1乃至6の何れかに記載の発明の作用に加え、燃料供給停止が要求されてから燃料供給停止が開始されるまでの間で、回転速度が所定の目標回転速度にならない場合は、燃料カットが開始されない。
請求項1又は2に記載の発明によれば、エンジンの停止に際して、回転軸をエンジンの再始動に適した所定の回転位置に安定的に停止させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、エンジンを再始動させるときのため、燃料供給停止を開始した気筒に確実に吸気を充填することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、燃料供給停止の要求後に、できるだけ速やかにエンジンを停止させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、回転軸をエンジンの再始動に適した所定の回転位置に精度良く停止させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の効果に加え、エンジンの停止に際して、燃料供給停止が要求されてからの回転速度の違いによらず、回転軸をエンジンの再始動に適した所定の回転位置に精度良く停止させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の何れかに記載の発明の効果に加え、実際の回転速度を燃料供給停止の開始に最適な目標回転速度に近付けることができる。
第1実施形態に係り、エンジンシステムを示す概略構成図。 第1実施形態に係り、各気筒の構成を示す概略図。 第1実施形態に係り、回転速度センサとタイミングロータの配置の関係を示す正面図。 第1実施形態に係り、エンジンの回転停止位置制御の内容を示すフローチャート。 第1実施形態に係り、(a)1番気筒#1〜4番気筒#4の作動行程(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程)の変遷と、(b)クランク角の変化、(c)燃料カット信号(F/C信号)、(d)スロットル開度TA及び(e)エンジン回転速度NEの関係を示すタイムチャート。 第2実施形態に係り、エンジンの回転停止位置制御の内容を示すフローチャート。 第2実施形態に係り、回転速度差ΔNEcfに応じた点火時期補正値Δaopを求めるために参照されるマップ。 第2実施形態に係り、(a)1番気筒#1〜4番気筒#4の作動行程(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程)の変遷と、(b)クランク角の変化、(c)燃料カット信号(F/C信号)、(d)スロットル開度TA、(e)点火時期及び(f)エンジン回転速度NEの関係を示すタイムチャート。 第3実施形態に係り、エンジンの回転停止位置制御の内容を示すフローチャート。 従来例に係り、(a)1番気筒#1〜4番気筒#4の作動行程(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程)の変遷と、(b)クランク角の変化、(c)燃料カット信号(F/C信号)、(d)スロットル開度TA及び(e)エンジン回転速度NEの関係を示すタイムチャート。
<第1実施形態>
以下、この発明におけるエンジンの回転停止位置制御装置を具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図1に、この実施形態におけるエンジンシステムを概略構成図により示す。この実施形態で、自動車に搭載されるエンジン1は、4サイクルのレシプロエンジンであり、4つの気筒2と、本発明の回転軸であるクランクシャフト3とを含む。エンジン1には、吸気通路4と排気通路5が設けられる。吸気通路4には、上流側からエアクリーナ6、電子スロットル装置7及びサージタンク8が設けられる。電子スロットル装置7は、モータ31により開閉駆動されるスロットル弁9と、スロットル弁9の開度(スロットル開度)TAを検出するためのスロットルセンサ41とを含む。排気通路5には、排気ガスを浄化するための触媒コンバータ10が設けられる。
エンジン1は、シリンダブロック11とシリンダヘッド12とを含む。シリンダブロック11には、各気筒2にピストン13が設けられる。各ピストン13は、コンロッド14を介してクランクシャフト3に連結される。各気筒2は、燃焼室15を含む。すなわち、各気筒2にて、燃焼室15は、ピストン13とシリンダヘッド12との間に形成される。シリンダヘッド12には、各燃焼室15に連通する吸気ポート16及び排気ポート17がそれぞれ形成される。各吸気ポート16は、それぞれ吸気通路4に通じる。各排気ポート17は、それぞれ排気通路5に通じる。各吸気ポート16には、吸気バルブ18が、各排気ポート17には、排気バルブ19がそれぞれ設けられる。各吸気バルブ18及び各排気バルブ19は、クランクシャフト3の回転に連動して、つまり、各ピストン13の上下動に連動して、ひいてはエンジン1の一連の作動行程(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程)に連動して、カムシャフト20などを含む動弁機構21により開閉駆動される。
シリンダヘッド12には、各気筒2のそれぞれに対応して、各燃焼室15の中へ燃料を直接噴射するインジェクタ32が設けられる。各インジェクタ32は、本発明の燃料供給手段に相当し、燃料供給装置(図示略)から供給される燃料を、対応する各燃焼室15へ噴射供給するようになっている。各燃焼室15では、吸気行程で、インジェクタ32から噴射される燃料と吸気通路4から吸入される空気とで可燃混合気が形成される。
シリンダヘッド12には、各気筒2のそれぞれに対応して、各燃焼室15に点火プラグ33が設けられる。各点火プラグ33は、イグニションコイル34から出力される点火信号を受けてスパーク動作する。両部品33,34は、各燃焼室15にて形成される可燃混合気に点火する本発明の点火手段に相当する点火装置を構成する。各燃焼室15の可燃混合気は圧縮行程で各点火プラグ33のスパーク動作により爆発・燃焼し、膨張行程が経過する。燃焼後の排気ガスは、排気行程で各燃焼室15から排気ポート17、排気通路5及び触媒コンバータ10を通じて外部へ排出される。各燃焼室15における可燃混合気の燃焼等に伴い、各ピストン13が上下運動し、一連の作動行程が進行してクランクシャフト3が回転することにより、エンジン1で動力が得られる。このエンジン1では、各気筒2で一連の作動行程が1回完了する毎に、クランクシャフト3が2回転(720℃A回転)するようになっている。
図2に、各気筒2の構成を概略図により示す。ピストン13は、クランクシャフト3の回転に伴い、上死点(TDC)と下死点(BDC)との間で上下動(ストローク運動)するようになっている。上死点(TDC)と下死点(BDC)との間の距離がピストン13の最大ストロークSTmaxとなる。
シリンダヘッド12には、各気筒2のそれぞれに対応して、各燃焼室15の中の圧力を筒内圧PSとして検出するための筒内圧センサ42が設けられる。
図1に示すように、エンジン1に設けられる各種センサ41〜47は、エンジン1の運転状態を検出するための運転状態検出手段を構成する。運転席に設けられたアクセルペダル27には、アクセルセンサ43が設けられる。アクセルセンサ43は、アクセルペダル27の踏み込み角度をアクセル開度ACCとして検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン1に設けられた水温センサ44は、シリンダブロック11の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温)THWを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン1に設けられた回転速度センサ45は、クランクシャフト3の回転位置(クランク角)と回転速度(エンジン回転速度)NEを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。このセンサ45は、クランクシャフト3の一端に固定されたタイミングロータ28の回転を所定の角度ごとに検出するように構成される。この実施形態で、回転速度センサ45とタイミングロータ28は、本発明の回転検出手段に相当する。サージタンク8に設けられた吸気圧センサ46は、サージタンク8の中の吸気圧PMを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。排気通路5に設けられた酸素センサ47は、排気通路5へ排出される排気ガス中の酸素濃度(出力電圧)Oxを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。
この実施形態の回転検出手段について詳しく説明する。図3に、回転速度センサ45とタイミングロータ28の配置の関係を正面図により示す。図3において、回転速度センサ45は、MR素子よりなるクランクセンサにより構成され、クランクシャフト3の一端に固定されたタイミングロータ28の外周に対向させて配置される。タイミングロータ28の外周には、複数の突起(歯)28aが形成され、回転速度センサ45は、各歯28aと対向可能に配置される。複数の歯28aは、大部分が、例えば、10℃A毎に形成され、一箇所のみ30℃Aの間隔に形成された欠け歯28bとなっている。回転速度センサ45は、クランクシャフト3の回転に伴ってタイミングロータ28が回転するときに、各歯28aの通過を検出してパルス信号を出力する。エンジン回転速度NEは、連続するパルス信号の間の経過時間から求めることができる。
このエンジンシステムは、各種制御を司る電子制御装置(ECU)50を備える。ECU50には、各種センサ41〜47がそれぞれ接続される。また、ECU50には、モータ31、各インジェクタ32及び各イグニションコイル34がそれぞれ接続される。
この実施形態で、ECU50は、各種センサ41〜47から出力される信号を入力し、それら信号に基づき燃料噴射制御、点火時期制御及びアイドリングストップ制御などを実行するために、モータ31、各インジェクタ32及び各イグニションコイル34をそれぞれ制御するようになっている。この実施形態で、ECU50は、本発明の制御手段に相当する。
ここで、燃料噴射制御とは、エンジン1の運転状態に応じて各インジェクタ32による燃料噴射量及びその噴射タイミングを制御することである。点火時期制御とは、エンジン1の運転状態に応じて各イグニションコイル34を制御することにより、各点火プラグ33による点火時期を制御することである。アイドリングストップ制御とは、所定の自動停止条件が成立したときに、各インジェクタ32による燃料供給を停止させてエンジン1を自動的に停止させると共に、所定の再始動条件が成立したときに、停止状態のエンジン1に各インジェクタ32から燃料を噴射供給し、各点火プラグ33を動作させることにより、燃料を燃焼させてエンジン1を自動的に再始動させることである。このアイドリングストップ制御には、後述するエンジンの回転停止位置制御が含まれる。
周知のようにECU50は、中央処理装置(CPU)、各種メモリ、外部入力回路及び外部出力回路等を備える。メモリには、エンジン1の各種制御に関する所定の制御プログラムが格納される。CPUは、入力回路を介して入力される各種センサ41〜47の検出信号に基づき、所定の制御プログラムに基づいて前述した各種制御を実行する。
ここで、電子スロットル装置7は、各気筒2の燃焼室15に供給される吸気量を調節するために開閉動作する本発明の吸気量調節弁に相当するが、この実施形態では、クランクシャフト3の回転を調整するために動作する回転調整手段としても機能する。すなわち、アイドル運転状態からエンジン1を自動停止させるためにエンジン1に対する燃料カットが行われたときに、電子スロットル装置7を動作させてスロットル弁9をアイドル開度から開弁させる。これにより、吸気行程の気筒2に吸気を充填すると共に、エンジン1に負荷を与え、クランクシャフト3の減速トルクを変更し、エンジン回転速度NEを調整するようになっている。
次に、アイドリングストップ制御の中のエンジンの回転停止位置制御について説明する。図4に、その内容をフローチャートより示す。この制御は、この実施形態におけるエンジンの回転停止位置制御装置の動作を意味する。
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ100で、ECU50は、燃料カット要求があるか否かを判断する。ECU50は、エンジン1のアイドル運転時に、エンジン回転速度NEが燃料カットを開始すべき所定の回転速度になるときなどの自動停止条件が成立したときに燃料カットを要求するようになっている。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ110へ移行し、この判断結果が否定となる場合に処理をステップ100へ戻す。
ステップ110では、ECU50は、燃料カット要求後の特定のクランク角か否かを判断する。この特定のクランク角は、クランクシャフト3についての、本発明の特定の回転位置に相当するものであり、各気筒2が順次に吸気行程になるときに応じてクランクシャフト3が基準位置(0℃A)から所定角度回転する毎に到来する回転位置に当たる。この実施形態では、エンジン1が4つの気筒2を有することから、クランクシャフト3が基準位置(0℃A)から「180°」回転する毎に到来するクランク角が特定のクランク角となる。すなわち、「180℃A,360℃A,540℃A,720℃A」がそれぞれ特定のクランク角である。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合、処理をステップ120へ移行する。
ステップ120では、ECU50は、スロットル弁9を開弁するために、電子スロットル装置7へ開弁制御を要求する。これにより、スロットル弁9は、この開弁制御の要求に少し遅れて実際に開弁されることになる。この実施形態で、ECU50は、スロットル弁9をアイドル開度から所定の開度(例えば「10deg」)だけ開弁することができる。
次に、ステップ130では、ECU50は、ステップ100の燃料カット要求に応じ、吸気行程で燃料カットを開始する。すなわち、燃料カット要求後に最初に吸気行程となる気筒2につき、その吸気行程に入るタイミングでインジェクタ32からの燃料噴射を強制的に停止させ、以後他の気筒2についても吸気行程に入るタイミングで順次インジェクタ32からの燃料噴射を強制的に停止させる。その後、ECU50は、処理をステップ100へ戻す。
この実施形態では、ある気筒2が吸気行程に入るタイミングと、クランクシャフト3が特定のクランク角となるタイミングが一致することから、燃料カット要求後にある気筒が最初に吸気行程に入るタイミングで最初に燃料カットが開始され、その後少し遅れてスロットル弁9の開弁が開始されることになる。
一方、ステップ110の判断結果が否定となる場合、ECU50は、そのまま処理をステップ130へ移行し、吸気行程で燃料カットを開始する。その後、ECU50は、処理をステップ100へ戻す。
以上説明したこの実施形態におけるエンジンの回転停止位置制御装置によれば、エンジン1の停止に際して、ECU50は、クランクシャフト3を所定のクランク角に停止させるために、吸気行程でのインジェクタ32による燃料供給を停止させると共に、気筒2に吸気を充填するために電子スロットル装置7を開弁制御する。これにより、クランクシャフト3の回転が停止し始めると共に、エンジン1に負荷が与えられてクランクシャフト3が所定のクランク角に停止する。ここで、ECU50は、クランクシャフト3を所定のクランク角に停止させるとき、インジェクタ32へ燃料カットを要求し、その要求後に、ある気筒2が吸気行程となるときに燃料供給停止を開始し、回転速度センサ45により検出されるクランク角が特定のクランク角となるときに、電子スロットル装置7へ開弁制御を要求する。よって、インジェクタ32による燃料カットの開始は、その要求後に、ある気筒2が最初に吸気行程となるときに開始され、クランクシャフト3が特定のクランク角となるときに電子スロットル装置7の開弁制御が開始される。従って、燃料カット要求のタイミングがそのときどきで変化しても、燃料カットと電子スロットル装置7の開弁制御とが一定の時期的関係で開始され、そのエンジン1の停止に対応する気筒2内の圧力状態が常に同じとなる。このため、エンジン1の停止に際して、クランクシャフト3をエンジン1の再始動に適した所定のクランク位置に安定的に停止させることができる。
ここで、上記回転停止位置制御の一例を図5を参照して説明する。図5に、(a)1番気筒#1〜4番気筒#4の作動行程(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程)の変遷と、(b)クランク角の変化、(c)燃料カット信号(F/C信号)、(d)スロットル開度TA及び(e)エンジン回転速度NEの関係をタイムチャートにより示す。図5(e)において、太線は燃料カットとスロットル弁9の開弁を両方行った場合を示し、二点鎖線は燃料カットのみを行いスロットル弁9の開弁を行わなかった場合を示す。図5(a),(c)に示すように、1番気筒#1が吸気行程で燃料噴射後の時刻t1に燃料カット要求(F/C要求)が入ると、その後に燃料カットを実際に開始できるのは、3番気筒#3が吸気行程に入る時刻t2となる。また、スロットル弁9をアイドル開度から所定の開度へ開弁するために電子スロットル装置7へ開弁制御の要求が入るのは、同じく時刻t2となる。すなわち、開弁制御の要求が入るのは、各気筒2が順次に吸気行程に入るタイミングに対応する特定のクランク角であり、クランクシャフト3が基準位置(0℃A)から「180°」回転する毎に到来する「180℃A,360℃A,540℃A,720℃A」である。そして、スロットル弁9の開弁が開始されるのは、時刻t2より少し遅れた時刻t3となる。ここで、燃料カット要求が入るタイミングは、図5(c)に太矢印で示す範囲でばらつく。しかし、開弁制御の要求が入るタイミングが、燃料カット要求後の所定のクランク角、すなわち常に一定のタイミングと定められている。そのため、燃料カット要求後に、燃料カットが実際に開始されるタイミングとスロットル弁9がアイドル開度から開弁されるタイミングは、図5(c),(d)に破線四角S1で囲い示すように、常に一定の時期的関係を保つことになる。この結果、図5(e)に太線で示すように、時刻t4からのエンジン回転速度NEの低下勾配(低下率)がばらつくことなく常に一定となる。この結果、エンジン1の回転停止位置(停止クランク角)やそれに対応する気筒2内の圧力状態がばらつくことなく一定となり、停止クランク角をエンジン1の始動に適したクランク角範囲に制御することができる。
この実施形態では、電子スロットル装置7へ開弁制御を要求する特定のクランク角が、ある気筒2の吸気行程に一致するクランク角であることから、燃料カットは、吸気行程で開始され、電子スロットル装置7の開弁制御は、その吸気行程に一致して開始される。このため、エンジン1を再始動させるときのため、燃料カットを開始した気筒2に確実に吸気を充填することができる。
この実施形態では、燃料カットは、4つの気筒2のうち何れかの気筒2が最初に吸気行程となるときに開始され、電子スロットル装置7の開弁制御は、その気筒2の吸気行程に一致して開始されることになる。ここで、クランクシャフト3の回転に伴って各気筒2が順次に吸気行程となることから、何れのタイミングで燃料カットの要求があっても、その要求直後の吸気行程で直ちに燃料カットと電子スロットル装置7の開弁制御が開始されることになる。このため、燃料カットの要求後に、できるだけ速やかにエンジン1を停止させることができる。
<第2実施形態>
次に、この発明におけるエンジンの回転停止位置制御装置を具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において第1実施形態と同等の構成要素につては同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。
この実施形態では、エンジンの回転停止位置制御の内容の点で第1実施形態と構成が異なる。図6に、その回転停止位置制御の内容をフローチャートにより示す。この制御は、この実施形態におけるエンジンの回転停止位置制御装置の動作を意味する。また、この実施形態で、ECU50は、本発明の点火時期制御手段にも相当する。
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ200で、ECU50は、燃料カット要求があるか否かを判断する。このステップ200の判断内容は、図4のフローチャートのステップ100のそれと同じである。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ210へ移行し、この判断結果が否定となる場合に処理をステップ200へ戻す。
ステップ210で、ECU50は、回転速度センサ45の検出値に基づきエンジン回転速度NEを取り込む。
次に、ステップ220で、ECU50は、取り込まれたエンジン回転速度NEと燃料カットのための基準回転速度NEcfとの差を燃料カット前の回転速度差ΔNEcfとして求める。
次に、ステップ230で、ECU50は、回転速度差ΔNEcfが所定の第1の基準値A1より大きいか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、ECU50は、実際のエンジン回転速度NEが、所定の目標回転速度範囲よりも高くなるものとして処理をステップ250へ移行する。ここで、所定の目標回転速度範囲は、クランクシャフト3を所定の回転位置(クランク角)に停止させるために燃料カットを開始させるのに最適なエンジン回転速度NEであり、この実施形態では、例えば「1000〜1010(rpm)」の範囲の回転速度を当てはめることができる。
そして、ステップ250で、ECU50は、回転速度差ΔNEcfに応じた点火時期補正値Δaopを求める。ECU50は、例えば、図7に示すようなマップを参照することにより、回転速度差ΔNEcfに応じた点火時期補正値Δaopを求めることができる。ステップ230からステップ250へ移行した場合、回転速度差ΔNEcfは正の値となることから、図7のマップより、点火時期補正値Δaopは負の値である遅角量が求められることになる。
一方、ステップ230の判断結果が否定となる場合、ECU50は、処理をステップ240へ移行し、回転速度差ΔNEcfが負の値である所定の第2の基準値−B1のより小さいか否かを判断する。この判断結果が肯定となる場合、ECU50は、実際のエンジン回転速度NEが、所定の目標回転速度範囲よりも低くなるものとして処理をステップ250へ移行する。
そして、ステップ250で、ECU50は、回転速度差ΔNEcfに応じた点火時期補正値Δaopを求める。ECU50は、図7に示すようなマップを参照することにより、回転速度差ΔNEcfに応じた点火時期補正値Δaopを求めることができる。ステップ240からステップ250へ移行した場合、回転速度差ΔNEcfは負の値となることから、図7のマップより、点火時期補正値Δaopは正の値である進角量が求められることになる。
次に、ステップ260では、ECU50は、標準点火時期aopに点火時期補正値Δaopを加算することにより、最終点火時期AOPを求める。ここで、点火時期補正値Δaopが正の値の進角量である場合は、最終点火時期AOPは標準点火時期aopより進角側の点火時期として求められる。一方、点火時期補正値Δaopが負の値の遅角量である場合は、最終点火時期AOPは標準点火時期aopより遅角側の点火時期として求められる。
その後、ステップ270では、ECU50は、燃料カット要求後の最初の圧縮行程か否かを判断する。すなわち、ECU50は、燃料カット要求後に最初にある一つの気筒2が圧縮行程に入るか否かを判断する。ある一つの気筒2が圧縮行程に入るときは、別の一つの気筒2が吸気行程に入ることから、このステップ270の判断は、燃料カット要求後に最初に別の一つの気筒2が吸気行程に入るか否かを判断することになる。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ280へ移行する。
そして、ステップ280で、ECU50は、最終点火時期AOPに基づき点火時期を制御する。すなわち、ECU50は、最終点火時期AOPに基づきイグニションコイル34を介して点火プラグ33を制御する。ここでは、燃料カット前の回転速度差ΔNEcfに応じて、点火時期が進角又は遅角されることになる。その後、ECU50は処理をステップ200へ戻す。
一方、ステップ270の判断結果が否定となる場合、ECU50は、処理をステップ290へ移行し、燃料カット要求後の次の圧縮行程か否かを判断する。すなわち、ECU50は、燃料カット要求後に次にある一つの気筒2が圧縮行程に入るか否かを判断する。ある一つの気筒2が圧縮行程に入るときは、別の一つの気筒2が吸気行程に入ることから、このステップ290の判断は、燃料カット要求後に次に別の一つの気筒2が吸気行程に入るか否かを判断することになる。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ300へ移行する。
ステップ300では、ECU50は、スロットル弁9を開弁するために、電子スロットル装置7へ開弁制御を要求する。これにより、スロットル弁9は、開弁要求に少し遅れて実際に開弁されることになる。この実施形態で、ECU50は、アイドル開度にあるスロットル弁9を所定の開度(例えば「10deg」)だけ開弁することができる。
次に、ステップ310で、ECU50は、上記したようにステップ200の燃料カット要求に応じ、吸気行程で燃料カットを開始した後、処理をステップ200へ戻す。
また、ステップ290の判断結果が否定となる場合、ECU50は、処理をステップ310へ移行し、吸気行程で燃料カットを開始した後、処理をステップ200へ戻す。
一方、ステップ240の判断結果が否定となる場合、ECU50は、実際のエンジン回転速度NEが、所定の目標回転速度範囲内にあるものとして処理をステップ320へ移行し、点火時期補正値Δaopを「0」に設定する。
次に、ステップ330で、ECU50は、標準点火時期aopに点火時期補正値Δaopを加算することにより、最終点火時期AOPを求める。ここで、点火時期補正値Δaopは「0」であることから、最終点火時期AOPは標準点火時期aopそのままとして求められる。
その後、ステップ340では、ECU50は、燃料カット要求後の最初の圧縮行程か否かを判断する。すなわち、ECU50は、燃料カット要求後に最初にある一つの気筒2が圧縮行程に入るか否かを判断する。このステップ340の判断は、燃料カット要求後に最初に別の一つの気筒2が吸気行程に入るか否かを判断することになる。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ350へ移行する。
そして、ステップ350で、ECU50は、ステップ280と同様に、最終点火時期AOPに基づき点火時期を制御する。ここでは、標準点火時期aopに基づいて点火時期を制御することになる。
次に、ステップ360で、ECU50は、ステップ300と同様に、スロットル弁9を開弁するために、電子スロットル装置7へ開弁制御を要求する。これにより、スロットル弁9は、開弁制御の要求に少し遅れて実際に開弁されることになる。
次に、ステップ370で、ECU50は、ステップ310と同様に、ステップ200の燃料カット要求に応じ、吸気行程で燃料カットを開始する。その後、ECU50は、処理をステップ200へ戻す。
一方、ステップ340の判断結果が否定となる場合、ECU50は、処理をステップ370へ移行し、ステップ310と同様に、吸気行程で燃料カットを開始し、処理をステップ200へ戻す。
以上説明したこの実施形態におけるエンジンの回転停止位置制御装置によれば、ECU50が各インジェクタ32へ燃料カットを要求したとき、実際のエンジン回転速度NEが燃料カットの実行に最適な所定の目標回転速度範囲内にある場合は、燃料カット要求後にある一つの気筒2が最初に圧縮行程に入るとき(別の一つの気筒2が最初に吸気行程に入るとき)に、点火時期を標準点火時期aopに制御すると共に、電子スロットル装置7へ開弁制御を要求し、その一つの気筒2が最初の圧縮行程(別の一つの気筒2が最初の吸気行程)に入るときに、燃料カットを開始するようになっている。従って、この実施形態では、第1実施形態と同様、燃料カット要求のタイミングがそのときどきで変化しても、燃料カットと電子スロットル装置7の開弁制御とが一定の時期的関係で開始され、エンジン1の停止に対応する特定の気筒2内の圧力状態が常に同じとなる。このため、エンジン1の停止に際して、クランクシャフト3をエンジン1の再始動に適した所定のクランク位置に安定的に停止させることができる。
加えて、この実施形態では、ECU50が各インジェクタ32へ燃料カットを要求したとき、実際のエンジン回転速度NEが燃料カットの実行に最適な所定の目標回転速度範囲内にない場合は、先ず、燃料カット要求後にある一つの気筒2が最初に圧縮行程に入るとき(別の一つの気筒2が最初に吸気行程に入るとき)に、点火時期を進角又は遅角させてエンジン回転速度NEを調整する。その後、ECU50は、燃料カット要求後にある一つの気筒2が次に圧縮行程に入るとき(別の一つの気筒2が次に吸気行程に入るとき)に、電子スロットル装置7へ開弁制御を要求し、その一つの気筒2が最初の圧縮行程(別の一つの気筒2が最初に吸気行程)に入るときに、燃料カットを開始するようになっている。すなわち、ECU50は、燃料カットを要求したとき、検出されるエンジン回転速度NEが所定の目標回転速度範囲内にならない場合は、燃料カットが開始されるまでの間で、エンジン回転速度NEを調整するために点火プラグ33による点火時期を変更制御するようになっている。従って、燃料カットが要求されたときに、実際のエンジン回転速度NEが所定の目標回転速度範囲内にならない場合は、燃料カットが開始されるまでの間で、点火装置(点火プラグ33及びイグニションコイル34)による点火時期が遅角側又は進角側へ変更制御され、実際のエンジン回転速度NEが燃料カットを開始するのに最適な所定の目標回転速度範囲内に近付けられる。このため、エンジン1の停止に際して、燃料カット要求後のエンジン回転速度NEの違いによらず、クランクシャフト3をエンジン1の再始動に適した所定のクランク位置に精度良く停止させることができる。
ここで、上記回転停止位置制御の一例を図8を参照して説明する。図8に、(a)1番気筒#1〜4番気筒#4の作動行程(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程)の変遷と、(b)クランク角の変化、(c)燃料カット信号(F/C信号)、(d)スロットル開度TA、(e)点火時期及び(f)エンジン回転速度NEの関係をタイムチャートにより示す。図8において、太線は、燃料カット要求時に、エンジン回転速度NEが所定の目標回転速度(この実施形態で「600(rpm)」とする。)になっていない場合を示し、太破線は、燃料カット要求時に、エンジン回転速度NEが所定の目標回転速度になっている場合を示す。先ず、エンジン回転速度NE(アイドル回転速度)が所定の目標回転速度(600(rpm))になっている場合は、図8(a),(c)に示すように、1番気筒#1が吸気行程で燃料噴射後の時刻t1に燃料カット要求(F/C要求)が入ると、図8(c),(d)に太破線で示すように、その後に燃料カットを実際に開始できるのは、3番気筒#3が吸気行程に入る(1番気筒#1が圧縮行程に入る)時刻t2となる。また、電子スロットル装置7へ開弁制御の要求が入るのは、同じく時刻t2であり、スロットル弁9が実際に開弁されるのは、少し遅れた時刻t3となる。また、このときの点火時期は、図8(e)に示すように、燃料カット要求が入る前後で変わりがなく、標準点火時期aopで一定となる。このように、燃料カット要求後に、燃料カットが開始されるタイミングとスロットル弁9がアイドル開度から開弁されるタイミングは、第1実施形態と同様、図8(c),(d)に破線四角S1で囲い示すように、常に一定の時期的関係を保つことになる。この結果、図8(f)に太破線で示すように、時刻t6からのエンジン回転速度NEの低下勾配(低下率)はばらつくことなく常に一定となる。このため、エンジン1の回転停止位置(停止クランク角)やそれに対応する気筒2内の圧力状態がばらつくことなく一定となり、停止クランク角をエンジン1の始動に適したクランク角範囲に制御することができる。
一方、エンジン回転速度NE(アイドル回転速度)が所定の目標回転速度よりも高くなる場合は、図8(a),(c)に示すように、時刻t1で燃料カット要求(F/C要求)が入ると、図8(c),(d)に太線で示すように、その後に燃料カットを実際に開始できるのは、4番気筒#4が吸気行程に入る(3番気筒#3が圧縮行程に入る)時刻t4となる。また、電子スロットル装置7へ開弁制御の要求が入るのは、同じく時刻t4であり、スロットル弁9が開弁されるのは、少し遅れた時刻t5となる。また、このときの点火時期は、燃料カット要求が入ってから1番気筒#1が最初に圧縮行程に入る時刻t2で、標準点火時期aopから遅角されることになる。このように、燃料カット要求後に、燃料カットが開始されるタイミングとスロットル弁9がアイドル開度から開弁されるタイミングは、第1実施形態と同様、図8(c),(d)に破線四角S2で囲い示すように、常に一定の時期的関係を保つことになる。この結果、図8(f)に太線で示すように、時刻t6からのエンジン回転速度NEの低下勾配(低下率)は、太破線で示す目標の状態に近付けられる。このため、エンジン1の回転停止位置(停止クランク角)やそれに対応する気筒2内の圧力状態を目標の状態に近づけることができ、停止クランク角をエンジン1の始動に適したクランク角範囲に近付けることができる。
また、この実施形態では、ECU50は、燃料カットの要求があった後、実際のエンジン回転速度NEが燃料カットの実行に最適な所定の目標回転速度範囲内にない場合は、先ず、燃料カット要求後にある一つの気筒2が最初に圧縮行程に入るとき(別の一つの気筒2が最初に吸気行程に入るとき)を過ぎて、ある一つの気筒2が次に圧縮行程に入るとき(別の一つの気筒2が次に吸気行程に入るとき)を待って電子スロットル装置7へ開弁制御を要求し、その一つの気筒2が圧縮行程(別の一つの気筒2が吸気行程)に入るときに燃料カットを開始するようになっている。すなわち、ECU50は、燃料カットを要求してから燃料カットが開始されるまでの間で、検出されるエンジン回転速度NEが所定の目標回転速度範囲内にない場合は、燃料カットを開始するタイミングを遅らせるようにしている。従って、燃料カットが要求されてから燃料カットが開始されるまでの間で、実際のエンジン回転速度NEが所定の目標回転速度範囲内にない場合は、燃料カットが開始されない。このため、実際のエンジン回転速度NEを燃料カットの開始に最適な目標回転速度範囲内に近付けることができる。
<第3実施形態>
次に、この発明におけるエンジンの回転停止位置制御装置を具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、エンジンの回転停止位置制御の内容の点で前記第1実施形態と構成が異なる。図9に、その回転停止位置制御の内容をフローチャートにより示す。この制御は、この実施形態におけるエンジンの回転停止位置制御装置の動作を意味する。
図9に示すフローチャートは、ステップ115の内容が、図4のステップ110の内容と異なる。その他のステップ100,120,130は、図4のフローチャートと同じであることから説明を省略する。
図9のフローチャートにおいて、ステップ100から移行してステップ115では、ECU50は、燃料カット要求後の特定の気筒の吸気行程に一致する特定のクランク角か否かを判断する。この特定のクランク角は、クランクシャフト3につき、本発明の特定の回転位置に相当するものであり、例えば、図5において、3番気筒#3を特定の気筒2とすると、3番気筒#3が吸気行程となるときに応じてクランクシャフト3が基準位置(0℃A)から180℃Aだけ回転するときに到来する回転位置に相当する。ECU50は、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ120へ移行する。
この実施形態では、燃料カットは、複数の気筒2のうち特定の一つの気筒2が吸気行程となるときに開始され、電子スロットル装置7の開弁制御は、その特定の一つの気筒2の吸気行程に一致して開始される。ここで、特定の一つの気筒2の吸気行程は、クランクシャフト3が1周期(通常2回転する周期)回転する毎に行われる。従って、燃料カットの要求タイミングが変化しても、燃料カットと電子スロットル装置7の開弁制御とが一定の時期的関係でより正確に開始されることになる。このため、クランクシャフト3をエンジン1の再始動に適した所定の回転位置に精度良く停止させることができる。その他の作用効果は、第1実施形態のそれと同じである。
なお、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
(1)前記各実施形態では、吸気行程でインジェクタ32により燃料が噴射供給され、吸気行程となる時に燃料カットを開始するようにしたが、エンジンによっては、燃料を噴射する行程が異なり、例えば、排気行程で燃料供給手段により燃料が供給され、排気行程となる時に燃料カットを開始するようにしてもよく、燃料カットを開始する行程が常に同じであればよい。
(2)前記各実施形態では、本発明を4つの気筒2を有するエンジン1に具体化したが、エンジンの気筒数は4つに限られず、実施可能である限りあらゆる気筒数のエンジンに具体化することができる。
(3)前記各実施形態におけるエンジンシステムは、エンジン1のみを駆動原とする自動車に搭載されるものであってもよく、或いは、エンジンとモータを駆動原として併用するハイブリッド自動車に搭載されるものであってもよい。
この発明は、エンジンに採用されるアイドルストップシステムに利用することができる。
1 エンジン
2 気筒
3 クランクシャフト(回転軸)
7 電子スロットル装置(吸気量調節弁)
9 スロットル弁
15 燃焼室
28 タイミングロータ
32 インジェクタ(燃料供給手段)
33 点火プラグ
34 イグニションコイル(33,34は点火手段を構成する)
45 回転速度センサ(28,45は回転検出手段を構成する)
50 ECU(制御手段、点火時期制御手段)

Claims (7)

  1. エンジンの回転軸を所定の回転位置に停止させるように制御するエンジンの回転停止位置制御装置であって、
    前記エンジンは、気筒を含むレシプロエンジンであり、燃料供給手段により供給される燃料を前記気筒で燃焼させることにより前記回転軸を回転させるように構成されることと、
    前記気筒に供給される吸気量を調節するための吸気量調節弁と、
    前記回転軸の回転位置と回転速度を検出するための回転検出手段と、
    前記回転軸を前記所定の回転位置に停止させるために、前記燃料供給手段による燃料供給を停止させると共に、前記気筒に吸気を充填するために前記吸気量調節弁を開弁制御するための制御手段と
    を備えたエンジンの回転停止位置制御装置において、
    前記制御手段は、前記回転軸を前記所定の回転位置に停止させるとき、前記燃料供給手段へ燃料供給停止を要求し、その要求後に、前記気筒が常に同じ特定の行程となるときに前記燃料供給停止を開始し、前記回転検出手段により検出される前記回転軸の回転位置が特定の回転位置となるときに、前記吸気量調節弁へ前記開弁制御を要求することを特徴とするエンジンの回転停止位置制御装置。
  2. 前記特定の行程は、吸気行程であることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの回転停止位置制御装置。
  3. 前記特定の回転位置は、吸気行程に一致する回転位置であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの回転停止位置制御装置。
  4. 前記エンジンは複数の気筒を含み、
    前記特定の回転位置は、前記各気筒が順次に吸気行程となるときに応じて前記回転軸が所定角度回転する毎に到来する回転位置であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの回転停止位置制御装置。
  5. 前記エンジンは複数の気筒を含み、
    前記特定の回転位置は、前記複数の気筒のうちの特定の一つの気筒が吸気行程となるときに一致する回転位置であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの回転停止位置制御装置。
  6. 前記気筒に供給される燃料に点火するための点火手段と、
    前記点火手段による点火時期を制御するための点火時期制御手段と
    を更に備え、
    前記点火時期制御手段は、前記制御手段が前記燃料供給手段へ前記燃料供給停止を要求したとき、前記回転検出手段により検出される回転速度が所定の目標回転速度にならない場合は、前記燃料供給停止が開始されるまでの間で、前記回転軸の回転速度を調整するために前記点火手段による前記点火時期を変更制御することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のエンジンの回転停止位置制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記燃料供給停止を要求してから前記燃料供給停止が開始されるまでの間で、前記回転検出手段により検出される回転速度が所定の目標回転速度にならない場合は、前記燃料供給停止の開始を遅らせることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のエンジンの回転停止位置制御装置。
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