JP2013136862A - 撚糸とその製造方法及びこれを用いた繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙スリットヤーンを使用した撚糸を織編物に適用してもヨコ段やタテ段の発生がないか生じ難い紙を含む撚糸とその製造方法及びこれを用いた繊維製品を提供する。
【解決手段】紙スリットヤーン1単独か又はスリットヤーンと他の繊維糸に撚りを掛けた撚糸であって、長さ方向の撚り数が異なる。この撚糸は、撚糸機のスピンドル回転数を一定とし、紙スリットヤーンの送り出し速度及び/又は巻き取り速度を変化させて製造する。繊維製品は、紙を含む撚糸の織編物で構成され、外観は無地調である。
【選択図】図1

Description

本発明は、紙スリットテープを撚糸にした、紙を含む撚糸とその製造方法及びこれを用いた繊維製品に関する。
従来から紙スリットテープを撚糸(以下スリットヤーンという)にすることは知られている。スリットヤーンは紙を原料としており、セルロースが主成分であることから、木綿と同様の吸湿性があり、肌触りや風合いも良く、衣類として利用されている。従来からの提案としては、例えば特許文献1〜3には紙をスリットし、撚りを掛けて糸にすることが提案されている。特許文献4には紙の表面に金や銀の金属の薄膜を形成しておき、スリットし、撚りを掛けて金銀糸にすることが提案されている。
しかし、従来の撚糸を織編物に適用すると、ヨコ段やタテ段が発生し易いという問題があった。すなわち、丸編み及び横編みではヨコ段、経編ではタテ段、織物ではヨコ段及びタテ段が発生し易い問題があった。とくに淡色に染めた染色品で目立ち易いという問題があった。
特開2010−095835号公報 特開2010−037670号公報 特開2003−301397号公報 特開平11−100741号公報
本発明は、前記従来の問題を解決するため、紙スリットヤーンを使用した撚糸を織編物に適用してもヨコ段やタテ段の発生がないか生じ難い紙を含む撚糸とその製造方法及びこれを用いた繊維製品を提供する。
本発明の撚糸は、紙スリットヤーン単独か又は前記スリットヤーンと他の繊維糸に撚りを掛けた撚糸であって、前記撚糸は長さ方向の撚り数が異なることを特徴とする。
本発明の撚糸の製造方法は、前記の紙を含む撚糸の製造方法であって、撚糸機のスピンドル回転数は一定とし、紙スリットヤーンの送り出し速度及び/又は巻き取り速度を変化させることを特徴とする。
本発明の繊維製品は、前記の紙を含む撚糸を含む繊維製品であって、前記繊維製品は織編物で構成され、染色されており、外観は無地調であることを特徴とする。
本発明の紙スリットヤーン単独か又は前記スリットヤーンを含む撚糸は、長さ方向の撚り数が異なることにより、織編物の生地としたときに紙スリットヤーン特有の生地の傷であるヨコ段やタテ段の発生がないか生じ難い撚糸とその製造方法及びこれを用いた繊維製品を提供できる。本発明の繊維製品は肉眼観察により外観は無地調である。
図1は本発明の一実施例における紙スリットヤーン1本の撚糸の構成図である。 図2は本発明の別の実施例における紙スリットヤーン2本の撚糸の構成図である。 図3は本発明のさらに別の実施例における紙スリットヤーン1本と添え糸及びカバーリングヤーンの撚糸の構成図である。 図4は本発明の一実施例におけるダブルツィスタ撚糸機による紙スリットヤーン1本の撚糸の製造工程図である。 図5は本発明の別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機による紙スリットヤーン1本の撚糸の製造工程図である。 図6は本発明のさらに別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機による紙スリットヤーン芯糸と鞘糸からなる撚糸の製造工程図である。 図7は本発明のさらに別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機による紙スリットヤーン芯糸とマルチフィラメント糸からなる添え糸及びカバーリングヤーンの撚糸の製造工程図である。 図8は本発明のさらに別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機による紙スリットヤーン1本の撚糸の製造工程図である。 図9は本発明のさらに別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機による紙スリットヤーン芯糸と鞘糸からなる撚糸の製造工程図である。 図10は本発明のさらに別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機による紙スリットヤーン芯糸とマルチフィラメント糸からなる添え糸及びカバーリングヤーンの撚糸の製造工程図である。
本発明者は、紙スリットヤーン単独か又は前記スリットヤーンを含む撚糸を織編物にすると、なぜヨコ段やタテ段が発生するかを検討した。その結果、紙スリットヤーンはいわば扁平状のモノフィラメントであり、少しの製造欠点(抄紙工程、スリット工程、撚糸工程、編み工程、染色工程)等の各工程における品質のばらつき)が織編物生地の傷となって現れやすいことがわかった。とくに編物にした場合はヨコ段による編み傷の発生が目立ちやすく、編物生地の欠点につながりやすい。
通常、紡績糸やフィラメント(長繊維)糸においては、均一な撚り掛けをすることによりヨコ段やタテ段を防止している。しかし、紙スリットヤーン単独か又は前記スリットヤーンを含む撚糸は均一な撚り掛けをしてもヨコ段やタテ段は防止できなかった。そこで本発明者は、撚り回数を変化させることにより、ヨコ段やタテ段が見え難くなることを見つけた。撚り回数を変化させることは、通常は杢糸や意匠撚糸で採用されているが、これは織編物にしたときに模様を出し意匠効果を高めるためである。本発明は撚り回数を変化させて、織編物の外見を均一にして無地調にしようとする着想であることから、従来の当業者の常識からすると、いわば逆転の発想に立脚するものである。
撚り数の変化は目的とする生地の風合いによって異なるが、撚糸の長さ方向の撚り数を異ならせる。好ましくは、撚糸10〜1000mmの範囲内の任意の長さ(以下所定長さともいう)当たりの撚り数を変えると効果がある。さらに好ましくは所定長さごとに2種類以上の撚り数変化を与えるとより効果が高く、多ければ多いほど無地調に近づく。所定長さごとに撚り数を変える間隔(ピッチ)は、10〜1000mmの範囲内であれば、短いほど無地調に近づく。間隔(ピッチ)は一定間隔(ランダムピッチ)でも良いし1ピッチごとにアトランダムに変化させても良い。
撚り数の変化を多く、ピッチを不揃いに多くすると無地調に近づく。また、ランダムピッチにしない場合はピッチの変化を多くすることで無地調に近づく。無地調であれば、良好な織編物の外観となる。撚糸の所定長さの撚り数は1〜50%の範囲で異なるのが好ましく、さらに好ましくは2〜25%の範囲で異ならせる。この範囲であればさらに好ましいヨコ段やタテ段の発生を防止できる。
本発明の撚糸は繊維成分が紙スリットヤーン単独でもよい。この場合、紙スリットヤーン1本又は2本以上を撚り合わせることができる。他の繊維糸を使用する場合は、紙スリットヤーンと1本以上のマルチフィラメント糸を撚ってもよい。例えば、マルチフィラメント糸を1本の紙スリットヤーンの周囲にシングル又はダブルでカバーリングさせて撚糸とすることもできる。シングルでカバーリングさせる場合、マルチフィラメント糸は1本とし、左回り又は右回りとする。ダブルでカバーリングさせる場合は、例えばマルチフィラメント糸は2本とし、1本は右回りに巻回し他の1本は左回りに巻回する。紙スリットヤーンと他の繊維糸(例えばマルチフィラメント糸)を併用する場合は、紙スリットヤーンを20〜99質量%の範囲で使用する。
紙スリットヤーンに対してさらにマルチフィラメント糸を添え糸として撚り込んでも良い。添え糸を撚り込むと、さらに強度を高め織編み工程通過性を良好にでき、着用時の強度も満足する。
本発明の撚糸は1〜10%の伸度を有することが好ましい。さらに好ましい伸度は2〜7%である。伸度が前記の範囲であると、織編み工程通過性を良好にでき、着用時の伸度も良好となる。
本発明における紙スリットヤーンは、紙の原料はいかなるものであっても良い。例えば針葉樹、広葉樹、竹、各種麻を含む天然繊維などをパルプの原料とするなどがある。紙は常法に従って製造する。パルプに対して糊(バインダー)を混合し、湿式抄紙し、乾燥して紙とする。糊(バインダー)は汗や選択の際の水に溶けないものを使用する。紙の厚さ及びスリット幅は任意のものとすることができる。例えば、スリット幅2mmで繊度292deci tex(綿番手20番)単糸、スリット幅1.5mmで繊度194deci tex(綿番手30番)単糸、スリット幅1mmで繊度146deci tex(綿番手40番)単糸などが使用できる。本発明の紙スリットヤーンの好ましい繊度は衣料用、産業用を含めると100〜800deci texであり、さらに好ましくは120〜600deci texである。衣料用に限ると好ましくは100〜500deci texであり、さらに好ましくは120〜400deci texである。
紙スリットヤーンと合撚するマルチフィラメント糸としては、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、ウレタン繊維、アクリル繊維、ポリビニルアルコールなどの合成繊維製マルチフィラメント糸、アセテート、レーヨンなどの再生繊維製マルチフィラメント糸を使用するのが好ましい。とくに織編物とした後に紙スリットヤーンと一浴で染色できるポリアミド(ナイロン)製マルチフィラメント糸を使用するのが、染色上の利点があり好ましい。
本発明の撚糸の製造方法は、撚糸機のスピンドル回転数は一定とし、紙スリットヤーンの送り出し速度又は巻き取り速度を変化させる。紙スリットヤーンの送り出し速度又は巻き取り速度を一定とし、撚糸機のスピンドル回転数を短時間で切り替えることは簡単ではない。装置が大がかりとなり、糸の制御も難しい。これに対して撚糸機のスピンドル回転数は一定とし、紙スリットヤーンの送り出し速度又は巻き取り速度を変化させることは、それほど大きな改造は不要であり、糸の制御も容易である。
紙スリットヤーンは1〜10%、より好ましくは2〜7%のオーバーフィード状態で撚糸機へ供給する。これにより撚糸に好ましい伸度を付与できる。
撚糸機としては、ダブルツィスタ、イタリア式撚糸機(トライツィスタともいう)、アットウッド式撚糸機、パーン給糸アップツィスタ、リング撚糸機、合撚機等が使用できる。このうち、紙スリットヤーン単独の撚糸を得る場合はダブルツィスタ又はイタリア式撚糸機(トライツィスタ)が好ましく、紙スリットヤーンとマルチフィラメント糸との合撚糸を得る場合はイタリア式撚糸機(トライツィスタ)が好ましい。紙スリットヤーンをスピンドル内に通過させてそのまま巻き取るイタリア式撚糸機(トライツィスタ)の場合、撚糸機の後に仮撚りスピンドルを設け、紙スリットヤーンの実撚り方向と同一の方向に仮撚りスピンドルを回転させるのが好ましい。撚糸機のスピンドル回転数を一定とし、紙スリットヤーンの送り出し速度又は巻き取り速度を変化させることにより、長さ方向の撚り数を異ならせた撚糸は、紙スリットヤーンの実撚り方向と同一の方向に回転させた仮撚りスピンドルにより、撚りが安定し、撚り数が均整化されずにメリハリのついたままで巻き取ることができる。
以下図面を用いて説明する。以下の図面において、同一符号は同一物を示す。図1は本発明一実施例における紙スリットヤーン単独1本の撚糸の構成図である。紙スリットヤーン1は撚り数が異なるように撚られている。2は撚糸部である。図2は本発明別の実施例における紙スリットヤーン2本の撚糸の構成図である。1本の紙スリットヤーン1aの周囲にもう1本の紙スリットヤーン1bを撚り数が異なるように巻きつけて撚られている。3は撚糸部である。図3は本発明さらに別の実施例における紙スリットヤーン1と合成繊維添え糸4及びカバーリングヤーン5の撚糸の構成図である。3は撚糸部であり、撚り数が異なるように撚られている。
図4は本発明の一実施例におけるダブルツィスタ撚糸機7による紙スリットヤーン単独1本の撚糸の製造工程図である。パーン11に巻かれた紙スリットヤーン12は引き出され、フライヤ18の目を通過し、中空スピンドル13の上から入り、下方のガイド14から出て、撚糸15は旋回して引き出され、上方のガイド16を通過して巻き取りワインダ17に巻き上げられる。中空スピンドルが1回転するごとに糸には2回の撚りが掛けられる。巻き取りワインダ17で速度を変化させて、所定長さ当たりの撚り数を変化させる。19はカバー、20は駆動系のベルトである。
図5は本発明の別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機8による紙スリットヤーン単独1本の撚糸の製造工程図である。パーン11に巻かれた紙スリットヤーン12は引き出され、中空スピンドル13の上から入り、下方から出て、下方のガイド16を通過して巻き取りワインダ17に巻き上げられる。中空スピンドル1回転するごとに糸には1回の撚りが掛けられる。巻き取りワインダ17で速度を変化させて、所定長さ当たりの撚り数を変化させる。
図6は本発明のさらに別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機9による紙スリットヤーン芯糸と鞘糸からなる撚糸の製造工程図である。芯糸として、パーン11に巻かれた紙スリットヤーン12を引き出し、中空スピンドル13の上から入れる。紙スリットヤーン21(1本又は多数本)からなる鞘糸は、送り出しローラー22(必須ではない)から供給して中空スピンドル13の上から入れ、紙スリットヤーン12に巻きつけ、中空スピンドル13の下方から出して下方のガイド16を通過して巻き取りワインダ17に巻き上げる。送り出しローラー22(必須ではない)及び又は巻き取りワインダ17で速度を変化させて、所定長さ当たりの撚り数を変化させる。
図7は本発明のさらに別の実施例におけるトライツィスタ撚糸機10による紙スリットヤーン芯糸とマルチフィラメント糸からなる添え糸及びカバーリングヤーンの撚糸の製造工程図である。芯糸として、紙スリット糸12とマルチフィラメント添え糸25を送り出しローラー22(必須ではない)から供給して中空スピンドル13の上から入れる。鞘糸として、パーン23に巻かれたマルチフィラメント糸24は引き出され、中空スピンドル13の上から入り、芯糸をカバーリングし、中空スピンドル13の下方から出て、下方のガイド16を通過して巻き取りワインダ17に巻き上げられる。送り出しローラー22(必須ではない)及び又は巻き取りワインダ17で速度を変化させて、所定長さ当たりの撚り数を変化させる。
図8は図5に示すトライツィスタ撚糸機8の後に、仮撚り中空スピンドル26を設けた例である。トライツィスタ撚糸機8は駆動ベルト20の右方向への駆動により、紙スリットヤーン12には右撚り(実撚り)が掛けられる。仮撚り中空スピンドル26は駆動ベルト27の左方向への駆動により、紙スリットヤーン12’には左撚り(仮撚り)が掛けられる。中空スピンドル26の同一方向への仮撚りにより、撚り数が異なる実撚りはそのままの状態で仮固定されてワインダ17に巻き取られる。すなわち、トライツィスタ撚糸機8によって長さ方向の撚り数を異ならせた撚糸は、撚りが安定し、撚り数が均整化されずにメリハリのついたままで巻き取ることができる。仮撚り中空スピンドル26の好ましい回転数は1000〜12000rpmである。
図9は図6に示すトライツィスタ撚糸機9の後に、仮撚り中空スピンドル26を設けた例であり、図10は図7に示すトライツィスタ撚糸機10の後に、仮撚り中空スピンドル26を設けた例である。作用・効果は図8の説明と同じである。
図示を省略するが、鞘糸をダブルでカバーさせるには、図6、図7、図9又は図10の工程後、さらに鞘糸を逆方向に巻きつけることにより得られる。
本発明の撚糸は編織物に適用できる。編物としては、横編(ニット)、トリコット経編、ラッセル経編などいずれの編物であってもよい。織物としては、平織、綾織、朱子織の基本組織とそれらから誘導された変化組織、片二重織、二重織等の重ね組織、コール天、ビロード等のパイル織組織等があげられる。製品としては、吸湿性に優れていることからシャツ、パンツ、肌着などの夏季用衣類、タオル類、シーツ、タオルケットなどの寝具類、あるいは発汗を伴うスポーツウエアなどに好適である。その他、ユニフォーム、中敷き、靴下、肌着、下着、中着、上着、衣服の表地、裏地、布団側地、椅子の側地、帽子、手袋、セーター、スラックス、スカートなどが挙げられる。
以下実施例を用いて、さらに本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
三木特種製紙社製のマニラ麻(アバカ種)を原料としたスリット糸用紙を1mm幅にスリットしたスリットテープを表1に示す撚り数とピッチで撚糸にした。撚糸機は図5に示すトライツィスタを用い、スピンドル回転数は一定とし、紙スリットヤーンの巻き取り速度を変化させて、糸の長さ方向の撚り数を変化させた。オーバーフィード率は5%とした。表1における区分は、第1区分−第2区分−第3区分−第2区分−第1区分で1サイクルとした。得られた撚糸は図1に示すとおりであり、綿番手40番単糸であった。
Figure 2013136862
以上のようにして得られた撚糸(単糸)を使用して丸編み機に48本供給し、編み幅1000mm、1インチ当たりのゲージ数28で編み上げ、目付け:160g/m2のニットを得た。このニットと、撚り数一定(525回/m)とし、他の条件は本実施例と同一とした撚糸を前記と同様にニットにした比較例品とともに、反応染料を使用して濃紺色に染めた。この結果、比較例品のヨコ段は目立ったが、本実施例品はヨコ段がほとんど観察されず無地調であった。また、本実施例品のニットをシャツに縫製して着用したところ、吸湿性があり、夏物衣料として着心地良いことが確認できた。
(実施例2)
白川製紙社製のマニラ麻(アバカ種)を原料としたスリット糸用紙を使用し、2mm幅にスリットしたスリットテープを芯糸とし、鞘糸としてナイロン6のマルチフィラメント(繊維本数7本、トータル繊度13.3dtex)、添え糸として鞘糸と同一のマルチフィラメントを使用し、表2に示す撚り数とピッチで撚糸にした。撚糸機は図5に示すトライツィスタを用い、スピンドル回転数は一定とし、紙スリットヤーンの巻き取り速度を変化させて、糸の長さ方向の撚り数を変化させた。オーバーフィード率は10%とした。表2における区分は、第1区分−第2区分−第3区分−第2区分−第1区分で1サイクルとした。得られた撚糸は図3に示すとおりであり、繊度286deci tex(綿番手20.4番)単糸であった。
Figure 2013136862
以上のようにして得られた撚糸(単糸)を使用して丸編み機に48本供給し、編み幅1000mm、1インチ当たりのゲージ数20で編み上げ、目付け:280g/m2のニットを得た。このニットと、撚り数一定(500回/m)とし、他の条件は本実施例と同一とした撚糸を前記と同様にニットにした比較例品とともに、反応染料を使用して濃紺色に染めた。この結果、比較例品のヨコ段は目立ったが、本実施例品はヨコ段がほとんど観察されず無地調であった。また、本実施例品のニットをシャツに縫製して着用したところ、吸湿性があり、夏物衣料として着心地良いことが確認できた。
(実施例3)
実施例1において、図5に換えて図8に示す装置を用い、他の条件は同一として撚糸した。すなわち、トライツィスタ撚糸機8の後に仮撚り中空スピンドル26を設け、トライツィスタ撚糸機8では紙スリットヤーンに左撚り(実撚り)を掛け、仮撚り中空スピンドル26では左撚り(仮撚り)を掛けて、トライツィスタ撚糸機8で掛けた撚り数が異なる実撚りを仮固定してワインダ17に巻き取った。仮撚り中空スピンドル26の回転数は10,000rpmとした。得られた撚糸を実施例1と同様にニット編み物にしたところ、実施例1品に比べてさらに糸の撚り数変化はメリハリがついており、ヨコ段がほとんど観察されず好ましい無地調であり、高級感があった。
(実施例4)
実施例2において、図5に換えて図8に示す装置を用い、他の条件は同一として撚糸した。すなわち、トライツィスタ撚糸機8の後に仮撚り中空スピンドル26を設け、トライツィスタ撚糸機8では紙スリットヤーンに左撚り(実撚り)を掛け、仮撚り中空スピンドル26では左撚り(仮撚り)を掛けて、トライツィスタ撚糸機8で掛けた撚り数が異なる実撚りを仮固定してワインダ17に巻き取った。仮撚り中空スピンドル26の回転数は11,000rpmとした。得られた撚糸を実施例2と同様にニット編み物にしたところ、実施例2品に比べてさらに糸の撚り数変化はメリハリがついており、ヨコ段がほとんど観察されず好ましい無地調であり、高級感があった。
1,1a,1b 紙スリットヤーン
2,3,6 撚糸部
4 マルチフィラメント添え糸
5 マルチフィラメントカバーリングヤーン
7 ダブルツィスタ撚糸機
8,9,10 トライツィスタ撚糸機
11,23 パーン
12,21 紙スリットヤーン
13 中空スピンドル
14,16 ガイド
15 撚糸
17 ワインダ
18 フライヤ
19 カバー
20,27 駆動ベルト
22 送り出しローラー
24 マルチフィラメント鞘糸
25 マルチフィラメント添え糸
26 仮撚り中空スピンドル
特開2010−095835号公報 特開2010−037670号公報 特開2003−301397号公報 特開平11−100741号公報
従来から紙スリットテープ又は紙スリットヤーンを撚糸にすることは知られている。スリットヤーンは紙を原料としており、セルロースが主成分であることから、木綿と同様の吸湿性があり、肌触りや風合いも良く、衣類として利用されている。従来からの提案としては、例えば特許文献1〜3には紙をスリットし、撚りを掛けて糸にすることが提案されている。特許文献4には紙の表面に金や銀の金属の薄膜を形成しておき、スリットし、撚りを掛けて金銀糸にすることが提案されている。
本発明の撚糸は、紙スリットヤーン単独か又は前記スリットヤーンと他の繊維糸に撚りを掛けた撚糸であって、前記撚糸は長さ方向の撚り数が異なり、前記撚糸10〜1000mmの範囲内の任意の長さ当たりの撚り数が、1〜50%の範囲で異なることを特徴とする。
本発明者は、紙スリットヤーン単独か又は前記スリットヤーンを含む撚糸を織編物にすると、なぜヨコ段やタテ段が発生するかを検討した。その結果、紙スリットヤーンはいわば扁平状のモノフィラメントであり、少しの製造欠点(抄紙工程、スリット工程、撚糸工程、編み工程、染色工程等の各工程における品質のばらつき)が織編物生地の傷となって現れやすいことがわかった。とくに編物にした場合はヨコ段による編み傷の発生が目立ちやすく、編物生地の欠点につながりやすい。

Claims (11)

  1. 紙スリットヤーン単独か又は前記スリットヤーンと他の繊維糸に撚りを掛けた撚糸であって、
    前記撚糸は長さ方向の撚り数が異なることを特徴とする撚糸。
  2. 前記撚糸10〜1000mmの範囲内の任意の長さ当たりの撚り数が異なる請求項1に記載の撚糸。
  3. 前記撚糸10〜1000mmの範囲内の任意の長さ当たりの撚り数が、1〜50%の範囲で異なる請求項1に記載の撚糸。
  4. 前記他の繊維糸は、マルチフィラメント糸である請求項1〜3のいずれか1項に記載の撚糸。
  5. 前記撚糸は、マルチフィラメント糸が紙スリットヤーンをシングル又はダブルでカバーリングしている請求項1〜4のいずれか1項に記載の撚糸。
  6. 前記紙スリットヤーンに対してさらにマルチフィラメント糸を添え糸として撚り込んだ請求項1〜5のいずれか1項に記載の撚糸。
  7. 前記撚糸は1〜10%の伸度を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の撚糸。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の紙を含む撚糸の製造方法であって、
    撚糸機のスピンドル回転数は一定とし、紙スリットヤーンの送り出し速度及び/又は巻き取り速度を変化させることを特徴とする撚糸の製造方法。
  9. 前記紙スリットヤーンを1〜10%のオーバーフィード状態で前記撚糸機へ供給する請求項8に記載の撚糸の製造方法。
  10. 前記紙スリットヤーンをスピンドル内に通過させてそのまま巻き取る撚糸機の場合、前記撚糸機の後に仮撚りスピンドルを設け、前記紙スリットヤーンの実撚り方向と同一の方向に仮撚りスピンドルを回転させる請求項8又は9に記載の撚糸の製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の紙を含む撚糸を含む繊維製品であって、
    前記繊維製品は織編物で構成され、染色されており、外観は無地調であることを特徴とする繊維製品。
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