JP2013136571A - 含フッ素環状カーボネートの製造方法 - Google Patents

含フッ素環状カーボネートの製造方法 Download PDF

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明天 高
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昭佳 山内
Michiru Kagawa
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    • C07D317/34Oxygen atoms
    • C07D317/36Alkylene carbonates; Substituted alkylene carbonates

Abstract

【課題】製造コストを充分に低減することが可能な、含フッ素環状カーボネートの製造方法を提供する。
【解決手段】特定の含フッ素環状カーボネートの製造方法であって、特定の含フッ素エポキシ化合物を、無溶媒で二酸化炭素と反応させる工程を含むことを特徴とする含フッ素環状カーボネートの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、含フッ素環状カーボネートの製造方法に関する。より詳しくは、非水系電解液用添加剤等に好適な含フッ素環状カーボネートの製造方法に関する。
含フッ素環状カーボネート、特に、含フッ素アルキルエーテルを有するエチレンカーボネート誘導体は、非水系電解液用添加剤としてしばしば用いられている。このようなエチレンカーボネート誘導体は難燃性、低温特性、耐電圧に優れ、また、誘電率が高いため、電解質塩の溶解性や炭化水素系溶媒との相容性にも優れ、更に、安定な負極被膜形成剤としても期待されるためである。
(含フッ素)環状カーボネートの合成法としては、例えば、エポキシ化合物に、アルカリ金属塩触媒の存在下で二酸化炭素(CO)を反応させる方法(例えば、非特許文献1参照。)や、フッ素化ハロヒドリンと炭酸塩又は炭酸水素塩とを非プロトン性溶媒中で反応させる方法(例えば、特許文献1参照。)が知られている。非特許文献1には、2,3−エポキシプロピルフェニルエーテルと二酸化炭素とを、NaCl、NaBr、LiBr等のアルカリ金属ハロゲン化物の存在下、100℃で反応させる方法が記載され、溶媒としては、アルカリ金属ハロゲン化物の解離促進のため、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等の水溶性の非プロトン性極性溶媒が用いられている。また、特許文献1には、含フッ素アルキル基を有するハロヒドリンとNaHCO等とをDMF等の溶媒中で反応させる方法が記載されている。
また、電解液に用いられる含フッ素環状カーボネートを合成するにあたり、含フッ素アルキルエーテルを有するエポキシ化合物に、LiBrの存在下、NMP溶媒中で、1MPa以上の圧力下で二酸化炭素を反応させることが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
米国特許第4792613号明細書 再表2006−106655号公報
ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry),(アメリカ),1993年,第58巻,p.6198−6202
しかしながら、特許文献1、2及び非特許文献1に記載されるような、水溶性溶媒を用いる方法では、生成した環状カーボネートを分離するための水洗処理時に反応溶媒が水層に移ってしまうため、反応溶媒の回収及び再利用が困難である。
また、非特許文献1に記載の方法では100℃以上の高温で反応を行う必要があり、特許文献2に記載の方法では1MPa以上の高圧条件下での反応が必要である等、製造エネルギーの面で不利となる傾向があった。
含フッ素環状カーボネートは、電池分野をはじめ、様々な分野において需要が拡大しているが、それに伴い、より低コストで製造することが求められている。この点において、上述した従来の技術には、更なる検討の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、製造コストを充分に低減することが可能な、含フッ素環状カーボネートの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、含フッ素環状カーボネートを製造するにあたり、特定の含フッ素エポキシ化合物を、無溶媒で、又は、非水溶性溶媒中で二酸化炭素と反応させることにより、製造コストを効果的に削減できることを見出した。無溶媒で反応させれば、溶媒に相当するコストを削減することができる。また、非水溶性溶媒中で反応させれば、反応終了後の水洗処理により、水溶性の触媒等のみを水層に分離することができるため、目的生成物である含フッ素環状カーボネートの蒸留時に反応溶媒を回収し、再利用することが可能となる。また、無溶媒又は非水溶性溶媒中で反応を行う場合、反応温度や反応圧力を低減し、温和な条件下で反応を行うことも可能となる。これらの結果として、従来より安価に含フッ素環状カーボネートを製造できることを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、下記一般式(1):
Figure 2013136571
(式中、Rfは、1個以上のエーテル結合を有する含フッ素有機基を表す。X及びXは、同一又は異なり、夫々H、F、Cl、CF又はCHを表す。Xは、H、F、Cl、又は、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、ヘテロ原子を鎖中に含んでいてもよいアルキル基を表す。)で表される含フッ素環状カーボネートの製造方法であって、下記一般式(2):
Figure 2013136571
(式中、Rf、X、X及びXは、一般式(1)におけるものと同じである。)で表される含フッ素エポキシ化合物を、無溶媒で二酸化炭素と反応させる工程を含むことを特徴とする含フッ素環状カーボネートの製造方法である。
本発明はまた、下記一般式(1):
Figure 2013136571
(式中、Rfは、1個以上のエーテル結合を有する含フッ素有機基を表す。X及びXは、同一又は異なり、夫々H、F、Cl、CF又はCHを表す。Xは、H、F、Cl、又は、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、ヘテロ原子を鎖中に含んでいてもよいアルキル基を表す。)で表される含フッ素環状カーボネートの製造方法であって、下記一般式(2):
Figure 2013136571
(式中、Rf、X、X及びXは、一般式(1)におけるものと同じである。)で表される含フッ素エポキシ化合物を、非水溶性溶媒中で二酸化炭素と反応させる工程を含むことを特徴とする含フッ素環状カーボネートの製造方法でもある。
本発明はまた、上記製造方法により得られる含フッ素環状カーボネートでもある。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法で得られる含フッ素環状カーボネートは、下記一般式(1):
Figure 2013136571
(式中、Rfは、1個以上のエーテル結合を有する含フッ素有機基を表す。X及びXは、同一又は異なり、夫々H、F、Cl、CF又はCHを表す。Xは、H、F、Cl、又は、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、ヘテロ原子を鎖中に含んでいてもよいアルキル基を表す。)で表される構造を有するものである。
Rfは、1個以上のフッ素原子と、1個以上のエーテル結合とを少なくとも有する有機基であれば特に限定されないが、低温での粘性のさらなる低下、引火点の上昇、及び、電解質塩の溶解性の向上の観点から、エーテル結合を有する含フッ素アルキル基又は含フッ素アルコキシ基であることが好ましい。
Rfがエーテル結合を有する含フッ素アルキル基である場合、炭素数は2〜17であることが好ましい。これにより、含フッ素環状カーボネートが適度な粘性を有するものとなり、また、電解液用添加剤に用いた場合に電解質塩の溶解性や他の溶剤との相溶性に優れたものとなる。炭素数としては2〜10がより好ましく、2〜7が更に好ましい。
Rfが含フッ素アルコキシ基である場合、炭素数は1〜17であることが好ましい。炭素数としてより好ましくは1〜6である。
Rfとしては、中でも、一般式(3):
Figure 2013136571
(式中、Rはフッ素原子を有していてもよいアルキル基を表す。Rはフッ素原子を有していてもよいアルキレン基を表す。n1は1〜3の整数を表す。ただし、R及びRの少なくとも1つはフッ素原子を有している。)で表されるエーテル結合を有する含フッ素アルキル基であることが好ましい。
としては、フッ素原子を有していてもよい、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。Rとしては、フッ素原子を有していてもよい、炭素数1〜4のアルキレン基が好ましい。また、少なくともRがフッ素原子を有していることが好ましい。
上記一般式(1)におけるX及びXとしては、中でも、H、F又はClが好ましく、Hが最も好ましい。
また、上記一般式(1)におけるXとしては、嵩が小さい方が望ましいことから、H、F、Cl、CF又はCHが好ましく、H、F又はClがより好ましく、Hが最も好ましい。
本発明の製造方法は、下記一般式(2):
Figure 2013136571
(式中、Rf、X、X及びXは、上記一般式(1)におけるものと同じである。)で表される含フッ素エポキシ化合物を、無溶媒又は非水溶性溶媒中で二酸化炭素と反応させる工程を含む。反応基質である上記含フッ素エポキシ化合物の構造は、目的生成物である上記含フッ素環状カーボネートの構造に応じて決定される。
上述したとおり、Rfは、1個以上のエーテル結合を有する含フッ素有機基である。上記含フッ素エポキシ化合物がこのような含フッ素有機基を有するものであると、無溶媒又は非水溶性溶媒中でも、二酸化炭素との反応が良好に進行する。
、X及びXについても、上述したとおりである。
含フッ素環状カーボネート及び含フッ素エポキシ化合物の具体例については後述する。
本発明において、「無溶媒」とは、上記含フッ素エポキシ化合物、上記含フッ素環状カーボネート、及び、それらに由来する化合物以外の液体であり、かつ上記含フッ素エポキシ化合物を溶解することが可能な液体(以下、その他の液体ともいう。)が反応系中に実質的に存在しない状態をいう。具体的には、上記その他の液体の含有量が、反応に要する上記含フッ素エポキシ化合物の総量100質量部に対して、1質量部以下である状態をいう。
従って、上記含フッ素エポキシ化合物として、上記範囲内で上記その他の液体を含むものを用いる場合や、反応初期の撹拌性向上のために上記含フッ素エポキシ化合物に目的生成物である上記含フッ素環状カーボネートを混合する場合も、本発明でいう「無溶媒」に含まれる。
上記含フッ素エポキシ化合物と二酸化炭素とを非水溶性溶媒中で反応させる場合、用いることができる非水溶性溶媒としては、非水溶性であり、かつ上記含フッ素エポキシ化合物を溶解可能な溶媒であれば特に限定されない。ここで、「非水溶性」であるとは、25℃の水に対する溶解度が1重量%以下であることを意味する。このような溶媒は、水と混合した際、速やかに水相と溶媒相との2相を形成する、相分離の容易な溶媒であることから、反応終了後に触媒等の除去を目的として水洗処理を行っても溶媒が水層に移動しないため、目的生成物である上記含フッ素環状カーボネートの蒸留時に溶媒回収が可能である。
上記非水溶性溶媒としては、エステル類、エーテル類、ハロゲン系炭化水素類、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素等を挙げることができ、これらの溶媒は1種又は2種以上を用いることができる。
上記含フッ素エポキシ化合物を二酸化炭素と反応させる工程は、触媒の存在下で行われることが好ましい。上記触媒としては、アルカリ金属化合物、ベンジルトリメチルアンモニウム塩等を用いることができる。中でも、アルカリ金属ハロゲン化物が好適である。
上記含フッ素エポキシ化合物を二酸化炭素と反応させる工程は、80℃以下の温度下で行われることが好ましい。より好ましくは70℃以下であり、更に好ましくは60℃以下である。また、好ましくは30℃以上であり、より好ましくは40℃以上である。
上記含フッ素エポキシ化合物を二酸化炭素と反応させる工程は、0.60MPa以下の圧力下で行われることが好ましい。より好ましくは0.55MPa以下であり、更に好ましくは0.50MPa以下である。また、好ましくは0.20MPa以上であり、より好ましくは0.30MPa以上である。
上記含フッ素エポキシ化合物を二酸化炭素と反応させる工程における反応温度及び反応圧力は、上記含フッ素環状カーボネートが充分な収率で得られる範囲で、製造エネルギー面で最も有利になるように決定すればよい。
なお、本発明の製造方法は、上記一般式(1)で表される含フッ素エポキシ化合物を、無溶媒又は非水溶性溶媒中で二酸化炭素と反応させる工程を含む限り、その他の工程を更に含んでいてもよい。
以下に、本発明の含フッ素環状カーボネートの製造方法について具体例を挙げて更に詳述する。
上記一般式(1)で表される含フッ素環状カーボネートにおいて、Rfで表される含フッ素有機基は、フッ素含有率が10質量%以上であるものが好ましい。フッ素含有率が少ないと、低温での粘性向上効果や引火点の向上効果が充分に得られない。この観点からRfのフッ素含有率は20質量%以上がより好ましく、30質量%以上が更に好ましい。上限は通常76質量%である。なお、Rfのフッ素含有率は、構成原子の組成から算出する。
また、上記含フッ素環状カーボネート全体のフッ素含有率は10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上がより好ましい。上限は通常76質量%である。含フッ素環状カーボネート全体のフッ素含有率の測定方法は後述する燃焼法による。
Rfがエーテル結合を有する含フッ素アルキル基である場合、エーテル部分を構成するアルキレン基としては、直鎖型及び分岐鎖型のアルキレン基を挙げることができる。そうした直鎖型や分岐鎖型のアルキレン基を構成する最小構造単位の一例を下記に示す。
(i)直鎖型の最小構造単位:
−CH−、−CHF−、−CF−、−CHCl−、−CFCl−、−CCl
(ii)分岐鎖型の最小構造単位:
Figure 2013136571
アルキレン基は、これらの最小構造単位単独で構成されてもよいし、直鎖型(i)同士、分岐鎖型(ii)同士、又は、これらを適宜組み合わせて構成されてもよい。
なお、以上の例示のなかでも、塩基による脱HCl反応が起こらず、より安定なことから、Clを含有しない構成単位から構成されることが好ましい。
上記エーテル結合を有する含フッ素アルキル基が、上記一般式(3)で表される構造を有する場合、式中のR及びRとしては、以下のものが例示できるが、これらのみに限定されるものではない。
(a)Rとしては、一般式XC−(Rn2−(X、X及びXは同じか又は異なり、夫々H又はF;Rは炭素数1〜5のフッ素原子を有していてもよいアルキレン基;n2は0又は1)で表されるアルキル基が好ましい。
n2が0の場合は、RはCH−、CF−、HCF−又はHCF−である。
n2が1の場合のRの具体例としては、直鎖型のものとして、CFCH−、CFCF−、CFCHCH−、CFCFCH−、CFCFCF−、CFCHCF−、CFCHCHCH−、CFCFCHCH−、CFCHCFCH−、CFCFCFCH−、CFCFCFCF−、CFCFCHCF−、CFCHCHCHCH−、CFCFCHCHCH−、CFCHCFCHCH−、CFCFCFCHCH−、CFCFCFCFCH−、CFCFCHCFCH−、CFCFCHCHCHCH−、CFCFCFCFCHCH−、CFCFCHCFCHCH−、HCFCH−、HCFCF−、HCFCHCH−、HCFCFCH−、HCFCHCF−、HCFCFCHCH−、HCFCHCFCH−、HCFCFCFCF−、HCFCFCHCHCH−、HCFCHCFCHCH−、HCFCFCFCFCH−、HCFCFCFCFCHCH−、FCHCH−、FCHCF−、FCHCFCH−、FCHCFCH−、CHCF−、CHCH−、CHCFCH−、CHCFCF−、CHCHCH−、CHCFCHCF−、CHCFCFCF−、CHCHCFCF−、CHCHCHCH−、CHCFCHCFCH−、CHCFCFCFCH−、CHCFCFCHCH−、CHCHCFCFCH−、CHCFCHCFCH−、CHCFCHCFCHCH−、CHCHCFCFCHCH−、CHCFCHCFCHCH−等が例示でき、分岐鎖型のものとしては、
Figure 2013136571
等が挙げられる。
ただし、−CHや−CFという分岐を有していると含フッ素環状カーボネートの粘性が高くなりやすいため、直鎖型がより好ましい。
(b)Rとしては、次の直鎖型又は分岐鎖型のものが例示できる。
直鎖型のものとしては、−CH−、−CHF−、−CF−、−CHCH−、−CFCH−、−CFCF−、−CHCF−、−CHCHCH−、−CHCHCF−、−CHCFCH−、−CHCFCF−、−CFCHCH−、−CFCFCH−、−CFCHCF−、−CFCFCF−等が例示でき、分岐鎖型のものとしては、
Figure 2013136571
等が挙げられる。
上記一般式(3)におけるn1は1〜3の整数であり、好ましくは1又は2である。なお、n1=2又は3のとき、Rは同じでも異なっていてもよい。
Rfが含フッ素アルコキシ基である場合、一般式XC−(Rn4−O−(X、X及びXは同じか又は異なりいずれもH又はF;Rは好ましくは炭素数1〜5のフッ素原子を有していてもよいアルキレン基;n4は0又は1;ただしX、X、X又はRのいずれかはフッ素原子を含んでいる)で表される含フッ素アルコキシ基が好ましい。
上記一般式におけるXC−(Rn4−で表される基の具体例としては、上記一般式(3)におけるRの説明で示したものが挙げられる。
上記一般式(1)におけるXが、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、ヘテロ原子を鎖中に含んでいてもよいアルキル基である場合は、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の非置換アルキル基;炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜4の含フッ素アルキル基;上記Rfで示したものと同じエーテル結合を有する含フッ素アルキル基;炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の、エーテル結合を有する非フッ素系アルキル基等が好適である。
上記直鎖又は分岐鎖状の非置換アルキル基としては、例えばCH−、C−、C−、C−、(CHCH−、CHC(CH−等が挙げられる。
上記含フッ素アルキル基としては、直鎖状のものとして、CF−、CFCH−、CFCF−、CFCFCH−、CFCFCF−、CFCHCF−、CFCHCH−、CFCFCHCH−、CFCFCFCH−、CFCFCFCF−、CFCHCFCH−、HCFCFCH−、FCHCFCF−、FCHCFCH−、HCFCFCFCFCH−等が例示でき、分岐鎖状のものとしては、
Figure 2013136571
等があげられ、特に末端がHCF又はCFであるものが、低粘度化に進む点から好ましい。
上記エーテル結合を有する含フッ素アルキル基としては、Rfについて示したエーテル結合を有する含フッ素アルキル基の具体例が挙げられる。また、直鎖又は分岐鎖状の、末端がCFの、エーテル結合を有する含フッ素アルキル基としては、例えばC−OCF(CF)CH−、C−OCF(CF)CF−、CFCH−OCHCH−、CF−OCHCH−、CFCFCH−OCHCH−、CFCH(CF)−OCHCH−等が挙げられる。
上記直鎖又は分岐鎖状の、エーテル結合を有する非フッ素系アルキル基としては、例えばCHCH−OCHCH−、CH−OCHCH−、CHCH(CH)−OCHCH−等が挙げられる。
本発明における含フッ素環状カーボネートの具体例としては、
Figure 2013136571
Figure 2013136571
Figure 2013136571
Figure 2013136571
Figure 2013136571
Figure 2013136571
等を挙げることができる。
本発明における含フッ素エポキシ化合物を表す上記一般式(2)におけるRf、X、X及びXの好ましい例は、上記一般式(3)について説明したものと同様である。
上記含フッ素エポキシ化合物の具体例としては、
Figure 2013136571
Figure 2013136571
Figure 2013136571
Figure 2013136571
Figure 2013136571
Figure 2013136571
等が挙げられる。
上記含フッ素エポキシ化合物の合成方法としては、特に限定されず、従来公知の方法によっても合成することができる。
例えば、上記一般式(2)においてX、X及びXがいずれもHの場合は、一般式(2−a):
Rf−OH (2−a)
(式中、Rfは、フッ素原子を有していてもよい、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で示される含フッ素アルコール(2−a)を次の反応に供する方法が例示できる。
(1)一般式(2−b):
Figure 2013136571
(式中、Rはエーテル結合を含んでいてもよく、フッ素原子を有してもよい炭素数1〜15のアルキレン基を表す。Xは、ハロゲン原子を表す。)のエポキシ化合物と含フッ素アルコール(2−a)とを求核置換反応させることにより、一般式(2−c):
Figure 2013136571
(式中、Rf及びRは、上記と同じである。ただし、Rf及びRの少なくとも一方は、フッ素原子を有する。)で表される含フッ素エポキシ化合物が得られる。
上記一般式(2−b)におけるRの好ましい具体例は、一般式(3)におけるRにおいて示したものと同様である。
また、Xで表されるハロゲン原子としては、Cl、Br又はIが好ましい。
上記一般式(2−c)で表される含フッ素エポキシ化合物の別の合成法としては、例えば次の方法が挙げられる。
すなわち、下記式:
Figure 2013136571
(式中、Rfは、上記と同じである。Mは金属原子を表す。)で表される反応によって得られる含ヨウ素エーテルに、下記式:
Figure 2013136571
(式中、Rはアルキル基又はH)で表される化合物を反応させれば、下記式:
Figure 2013136571
(式中、Rfは、上記と同じである。)で表される含フッ素エポキシ化合物が得られる。
また、下記式:
Rf−O−R−CH=CH−R’
(式中、Rf及びRは、上記と同じである。R’は、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、ヘテロ原子を鎖中に含んでいてもよいアルキル基を表す。)で表される化合物をO、KMnO、NaOCl等を用いて酸化し、下記式:
Figure 2013136571
(式中、Rf、R及びR’は、上記と同じである。)で表される含フッ素エポキシ化合物を得ることもできる。
本発明の製造方法において、上記含フッ素エポキシ化合物と二酸化炭素との反応が非水溶性溶媒中で行われる形態において、用いることができる非水溶性溶媒のうち、エステル類としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、フタル酸ジオクチル等が挙げられる。エーテル類としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。ハロゲン系炭化水素類としては、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクレン、パークレン、1,2−ジクロロプロパン等が挙げられる。脂肪族炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン等が挙げられる。
上記非水溶性溶媒としては、中でも、酢酸エチル、酢酸ブチルが好ましい。
上記非水溶性溶媒の使用量は、上記含フッ素エポキシ化合物100質量部に対し、10〜100質量部であることが好ましい。より好ましくは、15〜60質量部であり、更に好ましくは20〜50質量部である。
また、本発明の製造方法において用いることが可能な触媒のうち、アルカリ金属化合物としては、NaCl、NaBr、NaI、NaOCOCH、NaCN、NaOTs、NaClO、LiCl、LiBr、LiI、LiOPh、LiSPh等が挙げられる。
ベンジルトリメチルアンモニウム塩としては、PhCHMeCl、PhCHMeBr、PhCHMe等が挙げられる。
これらの中でも、NaCl、NaBr、NaI、LiCl、LiBr、LiI等のアルカリ金属ハロゲン化物が好ましく、LiCl、LiBr、LiI等のハロゲン化リチウムがより好ましく、LiBrが最も好ましい。
上記触媒を用いる場合、その使用量は、上記含フッ素エポキシ化合物100モル%に対し、1〜10モル%であることが好ましく、3〜7モル%であることがより好ましい。
本発明の製造方法において、各成分の添加方法や添加順は特に限定されないが、上記含フッ素エポキシ化合物と、触媒及び/又は非水溶性溶媒とを仕込んだ後、反応容器内の圧力が所望の値になるように二酸化炭素を系内に加えることが好ましい。無溶媒で反応を行う場合には、反応基質である上記含フッ素エポキシ化合物自体、及び/又は、反応の進行に従って生成する目的化合物の上記含フッ素環状カーボネートが、反応溶媒に相当する働きをする。反応の進行に伴って二酸化炭素が消費され、系内の圧力が低下すれば、圧力が所望の値で安定するように二酸化炭素を追加すればよい。
なお、上記含フッ素エポキシ化合物と二酸化炭素とを反応させる工程においては、系内の雰囲気が実質的に二酸化炭素のみからなることが好ましい。
本発明の製造方法においては、上記含フッ素エポキシ化合物と二酸化炭素との反応終了後に、反応液の水洗処理を行うことが好ましい。これにより、反応系中に残留する触媒等を効果的に除去することができる。
上記水洗処理の後、目的生成物である含フッ素環状カーボネートを蒸留等により精製することが好ましい。上記含フッ素エポキシ化合物と二酸化炭素との反応を非水溶性溶媒中で行った場合には、上記水洗処理において非水溶性溶媒が有機層に保持されるため、蒸留の際に該非水溶性溶媒を回収することが可能である。
上述した製造方法によって得られた含フッ素環状カーボネートは、難燃性、低温特性、耐電圧に優れ、また、誘電率が高いため、電解質塩の溶解性や炭化水素系溶媒との相容性にも優れるものであるため、電気化学デバイスの非水系電解液用の添加剤として好適である。
電気化学デバイスとしては、リチウム二次電池、キャパシタ(電解二重層キャパシタ)、ラジカル電池、太陽電池(特に色素増感型太陽電池)、燃料電池、各種電気化学センサー、エレクトロクロミック素子、電気化学スイッチング素子、アルミニウム電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサ等があげられ、リチウム二次電池、電解二重層キャパシタが好適である。
そのほか、本発明の含フッ素環状カーボネートを含んでなる電解液は、帯電防止用コーティング材のイオン伝導体等としても使用できる。
電気化学デバイスとしては、上述したなかでも、正極、負極、セパレータ及び本発明の含フッ素環状カーボネートを含んでなる電解液を備えるリチウムイオン二次電池が好適である。
また、本発明の含フッ素環状カーボネートを含んでなる電解液は不燃性であることから、本発明の含フッ素環状カーボネートは、ハイブリッド自動車用や分散電源用の大型リチウムイオン二次電池用の電解液の添加剤として特に有用であるが、そのほか小型のリチウムイオン二次電池等の非水系電解液用添加剤としても有用である。
本発明の含フッ素環状カーボネートの製造方法は、上述の構成よりなるものであるので、含フッ素環状カーボネートをより低コストで製造することが可能である。このような製造方法により得られる含フッ素環状カーボネートは、非水系電解液用添加剤として極めて有用である。
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこの実施例により限定されるものではない。
なお、本発明で採用した測定法は以下のとおりである。
(1)NMR:BRUKER社製のAC−300を使用。
19F−NMR:
測定条件:282MHz(トリクロロフルオロメタン=0ppm)
H−NMR:
測定条件:300MHz(テトラメチルシラン=0ppm)
(2)IR:
Perkin Elmer社製フーリエ変換赤外分光光度計1760Xで室温にて測定する。
(3)フッ素含有率
酸素フラスコ燃焼法により試料10mgを燃焼し、分解ガスを脱イオン水20mlに吸収させ、吸収液中のフッ素イオン濃度をフッ素選択電極法(フッ素イオンメーター、オリオン社製 901型)で測定することにより求める(質量%)。
実施例1
ステンレススチール製の100mlオートクレーブに、含フッ素エポキシ化合物:
Figure 2013136571
を30.1g(80.6mmol)、LiBrを370.5mg(4.27mmol)及び酢酸ブチルを30.0ml入れ、攪拌下にオートクレーブ内を真空にした。ついで室温で0.40MPaに相当するCOを系内に加え、系内の温度を55℃に上げて反応を開始した。反応の進行に伴い圧力が低下するので、系内圧力が0.40MPaで安定するまでCOを更に加えた。系内圧力が安定した時点で系内温度を室温に戻し、反応を終了した。得られた反応溶液を1N−HCl水溶液に加え、得られた下層を減圧(0.3mmHg)下に蒸留し、120℃の留分として含フッ素エーテル環状カーボネートを得た(収率67%)。
この生成物を19F−NMR、H−NMR分析により分析したところ、含フッ素環状カーボネート:
Figure 2013136571
であることが確認された。
19F−NMR:(重アセトン):−135.0〜−134.8ppm(1F)、−131.4〜−131.3ppm(2F)、−84.1〜−84.0ppm(4F)、−83.1〜−83.0ppm(4F)
H−NMR:(重アセトン):3.69〜3.85ppm(2H)、4.07〜4.11ppm(2H)、4.23〜4.29ppm(1H)、4.41〜4.48ppm(1H)、4.83〜4.85ppm(1H)
またIR測定によりカルボニル基の伸縮振動を1780cm−1に確認した。
この含フッ素環状カーボネートのフッ素含有率は50質量%であった。
実施例2
ステンレススチール製の100mlオートクレーブに、含フッ素エポキシ化合物:
Figure 2013136571
を33.3g(177.2mmol)、LiBrを769.0mg(8.86mmol)及び酢酸ブチルを11.1ml入れ、攪拌下にオートクレーブ内を真空にした。ついで室温で0.40MPaに相当するCOを系内に加え、系内の温度を55℃に上げて反応を開始した。反応の進行に伴い圧力が低下するので、系内圧力が0.40MPaで安定するまでCOを更に加えた。系内圧力が安定した時点で系内温度を室温に戻し、反応を終了した。得られた反応溶液を1N−HCl水溶液に加え、得られた下層を減圧(1mmHg)下に蒸留し、115℃の留分として含フッ素エーテル環状カーボネートを得た(収率81%)。
この生成物を19F−NMR、H−NMR分析により分析したところ、含フッ素環状カーボネート:
Figure 2013136571
であることが確認された。
19F−NMR:(重アセトン):−120.7〜−120.8ppm(2F)、−134.4〜−134.7ppm(2F)
H−NMR:(重アセトン):3.51〜3.76ppm(4H)、4.09〜4.29ppm(2H)、4.32〜4.35ppm(1H)、5.66〜5.96ppm(1H)
またIR測定によりカルボニル基の伸縮振動を1797cm−1に確認した。
この含フッ素環状カーボネートのフッ素含有率は33質量%であった。
実施例3
ステンレススチール製の100mlオートクレーブに、含フッ素エポキシ化合物:
Figure 2013136571
を40.0g(76.6mmol)、LiBrを312.0mg(3.60mmol)及び酢酸ブチルを40ml入れ、攪拌下にオートクレーブ内を真空にした。ついで室温で0.40MPaに相当するCOを系内に加え、系内の温度を55℃に上げて反応を開始した。反応の進行に伴い圧力が低下するので、系内圧力が0.40MPaで安定するまでCOを更に加えた。系内圧力が安定した時点で系内温度を室温に戻し、反応を終了した。得られた反応溶液を1N−HCl水溶液に加え、得られた下層を減圧(0.3mmHg)下に蒸留し、165℃の留分として含フッ素エーテル環状カーボネートを得た(収率51%)。
この生成物を19F−NMR、H−NMR分析により分析したところ、含フッ素環状カーボネート:
Figure 2013136571
であることが確認された。
19F−NMR:(重アセトン):−146.2〜−145.9ppm(1F)、−134.9〜−134.1ppm(1F)、−131.3〜−131.0ppm(1F)、−83.8〜−83.6ppm(3F)、−83.0〜−82.9ppm(5F)、−81.4〜−81.3ppm(3F)
H−NMR:(重アセトン):4.05〜4.22ppm(2H)、4.83〜4.90ppm(1H)、5.25ppm(1H)
またIR測定によりカルボニル基の伸縮振動を1780cm−1に確認した。
この含フッ素環状カーボネートのフッ素含有率は56質量%であった。
実施例4
ステンレススチール製の100mlオートクレーブに、含フッ素エポキシ化合物:
Figure 2013136571
を41.2g(219.0mmol)、LiBrを960.0mg(11.1mmol)を入れ、攪拌下にオートクレーブ内を真空にした。ついで室温で0.40MPaに相当するCOを系内に加え、系内の温度を55℃に上げて反応を開始した。反応の進行に伴い圧力が低下するので、系内圧力が0.40MPaで安定するまでCOを更に加えた。系内圧力が安定した時点で系内温度を室温に戻し、反応を終了した。得られた反応溶液を1N−HCl水溶液に加え、得られた下層を減圧(1mmHg)下に蒸留し、115℃の留分として含フッ素エーテル環状カーボネートを得た(収率78%)。
この生成物を19F−NMR、H−NMR分析により分析したところ、含フッ素環状カーボネート:
Figure 2013136571
であることが確認された。
19F−NMR:(重アセトン):−120.7〜−120.8ppm(2F)、−134.4〜−134.7ppm(2F)
H−NMR:(重アセトン):3.51〜3.76ppm(4H)、4.09〜4.29ppm(2H)、4.32〜4.35ppm(1H)、5.66〜5.96ppm(1H)
またIR測定によりカルボニル基の伸縮振動を1797cm−1に確認した。
この含フッ素環状カーボネートのフッ素含有率は33質量%であった。
実施例5
ステンレススチール製の100mlオートクレーブに、含フッ素エポキシ化合物:
Figure 2013136571
を34.2g(219.0mmol)、LiBrを960.0mg(11.1mmol)を入れ、攪拌下にオートクレーブ内を真空にした。ついで室温で0.40MPaに相当するCOを系内に加え、系内の温度を55℃に上げて反応を開始した。反応の進行に伴い圧力が低下するので、系内圧力が0.40MPaで安定するまでCOを更に加えた。系内圧力が安定した時点で系内温度を室温に戻し、反応を終了した。得られた反応溶液を1N−HCl水溶液に加え、得られた下層を減圧(1mmHg)下に蒸留し、80〜90℃の留分として含フッ素エーテル環状カーボネートを得た(収率75%)。
この生成物を19F−NMR、H−NMR分析により分析したところ、含フッ素環状カーボネート:
Figure 2013136571
であることが確認された。
19F−NMR:(重アセトン):−80.7〜−80.9ppm(3F)
H−NMR:(重アセトン):3.61〜3.83ppm(2H)、3.89〜4.29ppm(2H)、4.16〜4.26ppm(2H)、4.52〜4.55ppm(1H)
この含フッ素環状カーボネートのフッ素含有率は29質量%であった。
実施例6
ステンレススチール製の100mlオートクレーブに、含フッ素エポキシ化合物:
Figure 2013136571
を54.8g(219.0mmol)、LiBrを960.0mg(11.1mmol)を入れ、攪拌下にオートクレーブ内を真空にした。ついで室温で0.40MPaに相当するCOを系内に加え、系内の温度を55℃に上げて反応を開始した。反応の進行に伴い圧力が低下するので、系内圧力が0.40MPaで安定するまでCOを更に加えた。系内圧力が安定した時点で系内温度を室温に戻し、反応を終了した。得られた反応溶液を1N−HCl水溶液に加え、得られた下層を減圧(1mmHg)下に蒸留し、90〜95℃の留分として含フッ素エーテル環状カーボネートを得た(収率81%)。
この生成物を19F−NMR、H−NMR分析により分析したところ、含フッ素環状カーボネート:
Figure 2013136571
であることが確認された。
19F−NMR:(重アセトン):−86.2〜−86.9ppm(3F)、−116.5〜−117.0ppm(2F)
H−NMR:(重アセトン):3.60〜3.81ppm(2H)、3.89〜4.25ppm(2H)、4.16〜4.26ppm(2H)、4.51〜4.55ppm(1H)
この含フッ素環状カーボネートのフッ素含有率は38質量%であった。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 2013136571
    (式中、Rfは、1個以上のエーテル結合を有する含フッ素有機基を表す。X及びXは、同一又は異なり、夫々H、F、Cl、CF又はCHを表す。Xは、H、F、Cl、又は、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、ヘテロ原子を鎖中に含んでいてもよいアルキル基を表す。)で表される含フッ素環状カーボネートの製造方法であって、
    下記一般式(2):
    Figure 2013136571
    (式中、Rf、X、X及びXは、一般式(1)におけるものと同じである。)で表される含フッ素エポキシ化合物を、無溶媒で二酸化炭素と反応させる工程を含む
    ことを特徴とする含フッ素環状カーボネートの製造方法。
  2. 下記一般式(1):
    Figure 2013136571
    (式中、Rfは、1個以上のエーテル結合を有する含フッ素有機基を表す。X及びXは、同一又は異なり、夫々H、F、Cl、CF又はCHを表す。Xは、H、F、Cl、又は、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、ヘテロ原子を鎖中に含んでいてもよいアルキル基を表す。)で表される含フッ素環状カーボネートの製造方法であって、
    下記一般式(2):
    Figure 2013136571
    (式中、Rf、X、X及びXは、一般式(1)におけるものと同じである。)で表される含フッ素エポキシ化合物を、非水溶性溶媒中で二酸化炭素と反応させる工程を含む
    ことを特徴とする含フッ素環状カーボネートの製造方法。
  3. 前記非水溶性溶媒は、エステル類、エーテル類、ハロゲン系炭化水素類、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも1種である請求項2記載の含フッ素環状カーボネートの製造方法。
  4. Rfが、下記一般式(3):
    Figure 2013136571
    (式中、Rはフッ素原子を有していてもよいアルキル基を表す。Rはフッ素原子を有していてもよいアルキレン基を表す。n1は1〜3の整数を表す。ただし、R及びRの少なくとも1つはフッ素原子を有している。)で表されるエーテル結合を有する含フッ素アルキル基である請求項1、2又は3記載の含フッ素環状カーボネートの製造方法。
  5. 、X及びXがいずれもHである請求項1、2、3又は4記載の含フッ素環状カーボネートの製造方法。
  6. 含フッ素エポキシ化合物を二酸化炭素と反応させる工程は、触媒の存在下で行われる請求項1、2、3、4又は5記載の含フッ素環状カーボネートの製造方法。
  7. 前記触媒は、アルカリ金属ハロゲン化物である請求項1、2、3、4、5又は6記載の含フッ素環状カーボネートの製造方法。
  8. 含フッ素エポキシ化合物を二酸化炭素と反応させる工程は、80℃以下の温度下で行われる請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の含フッ素環状カーボネートの製造方法。
  9. 含フッ素エポキシ化合物を二酸化炭素と反応させる工程は、0.60MPa以下の圧力下で行われる請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の含フッ素環状カーボネートの製造方法。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の製造方法により得られる含フッ素環状カーボネート。
  11. 非水系電解液用添加剤に用いられる請求項10記載の含フッ素環状カーボネート。
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