JP2013136345A - 自動二輪車 - Google Patents

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Abstract

【課題】同乗者の乗車時における快適性が向上された自動二輪車を提供すること。
【解決手段】自動二輪車1は、運転者が着座する第1シート52と、第1シート52の後方に位置し、同乗者が着座する第2シート54と、第2シート54の左側方から後方に延びる左側部74と、第2シート54の右側方から後方に延びる右側部82と、第2シート54の後方において、左側部74と右側部82とを連結する連結部90と、を有するグラブバー70と、車両前後方向において、第2シート54と連結部90との間に配置され、左側部74と右側部82とを連結するヒップガード100と、を備えている。ヒップガード110の上端は、第2シート54及び連結部90よりも高い位置に配置されており、平面視において、ヒップガード110と連結部90との間には開口が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動二輪車に関する。
同乗者の乗車が可能な自動二輪車において、シートの後方にグラブバーが設けられることが多い。このようなグラブバーが設けられていると、シートに着座した同乗者は、腕を後方に伸ばしてグラブバーを手で掴むことにより、体を安定して支えることができる。
特許文献1には、そのようなグラブバーが記載されている。特許文献1に記載されたグラブバーは、平面視において前方に開いた略U字状に形成されている。同乗者は、略U字状のグラブバーの左右の側部または後部を掴むことにより、前後および左右の揺れに対して、体を安定して支えることができる。
特開2009−227024号公報
自動二輪車の加速時または減速時には、同乗者の体は前後に揺れやすい。同乗者は、グラブバーを掴むことにより、前後方向の荷重を支えることになる。より楽に荷重を支えることができれば、同乗者にとって便利であり、同乗者はシートにより一層安定して座ることができる。そこで、例えば、シートの後方に背もたれを設け、荷重の一部を背もたれで支えることが考えられる。
ところが、背もたれを設けた場合、背もたれが邪魔になって、同乗者は腕を後方に伸ばしにくくなる。その結果、グラブバーを掴みにくくなり、思ったほど快適性が向上しない場合があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、同乗者の乗車時における快適性が向上された自動二輪車を提供することにある。
本発明に係る自動二輪車は、運転者が着座する第1シートと、前記第1シートの後方に位置し、同乗者が着座する第2シートと、前記第2シートの左側方から後方に延びる左側部と、前記第2シートの右側方から後方に延びる右側部と、前記第2シートの後方において、前記左側部と前記右側部とを連結する連結部と、を有するグラブバーと、車両前後方向において、前記第2シートと前記連結部との間に配置され、前記左側部と前記右側部とを連結するヒップガードと、を備えている。前記ヒップガードの上端は、前記第2シート及び前記連結部よりも高い位置に配置されている。平面視において、前記ヒップガードと前記連結部との間には開口が形成されている。
上記自動二輪車によれば、グラブバーに加えて、同乗者の臀部の後方への移動を規制するヒップガードを備えている。そのため、例えば急発進時のようなときに、同乗者の乗車位置が後方にずれそうになった場合、ヒップガードによって臀部を後方から支えることができる。したがって、同乗者は、グラブバーを掴むことにより体重の一部を腕で支えつつ、体重の他の一部をヒップガードによって支えることができる。これにより、同乗者の乗車時における快適性は向上する。ヒップガードは背もたれと異なり、同乗者が腕を後方に伸ばす際に邪魔になりにくい。また、平面視において、ヒップガードとグラブバーの連結部との間に開口が形成されているので、同乗者はその開口に指を挿入することにより、上記連結部を容易に掴むことができる。したがって、ヒップガードを設けることによって、グラブバーの本来の機能が損なわれることはない。
本発明の一態様によれば、前記ヒップガードの上端と前記グラブバーの連結部の上端との高さの差は、前記グラブバーの連結部の上端と前記左側部の下端および前記右側部の下端のうち低い方の下端との高さの差よりも小さい。
このように、グラブバーの連結部に対するヒップガードの上方への突出長さは短いので、同乗者が腕を後方に伸ばす際に、ヒップガードが邪魔になりにくい。
本発明の一態様によれば、前記グラブバーおよび前記ヒップガードは一体成形されている。
このことにより、グラブバーとヒップガードとを組み立てる作業は不要となる。また、グラブバーとヒップガードとの間のがたつきや位置ずれがないので、同乗者の乗車時における快適性が向上する。
本発明の一態様によれば、前記グラブバーおよび前記ヒップガードは、樹脂により形成されている。
このことにより、グラブバーを金属で形成する場合と比べて、グラブバーを軽量化することができる。また、寒冷地、猛暑地で使用された場合、グラブバーに触れたときの冷たさ、熱さを感じにくくなる。
本発明の一態様によれば、平面視において、前記開口の左右の縁部は円弧状に形成されている。
このことにより、開口の左右の縁部が角張っている場合に比べて、同乗者が開口に指を挿入して左右の側部または後部を掴む際に、該部分を掴みやすくなると共に指が痛くなりにくい。
本発明の一態様によれば、前記グラブバーの左側部および右側部には、上方に凹んだ溝が形成されている。前記溝の深さは、前記左側部および前記右側部の後部より前部が深くなっている。
上記溝に指を挿入することにより、左側部および右側部を容易に掴むことができる。後部より前部が深くなっていることにより、同乗者は左側部および右側部をしっかりと掴むことができる。
本発明の一態様によれば、前記グラブバーの左側部、右側部、および連結部には、上方に凹んだ溝が形成されている。前記連結部の溝の深さは、前記左側部および前記右側部の溝の深さよりも浅くなっている。
上記溝に指を挿入することにより、左側部、右側部、および連結部を容易に掴むことができる。一方、平面視においてヒップガードとグラブバーの連結部との間に開口が形成されているので、連結部は、溝に指を挿入するのではなく、連結部の全周囲を握ることによって把持される場合もある。同乗者がより快適に乗車するために、連結部の全周囲を握ることが多い。上記構成によれば、連結部の溝は左側部および右側部の溝よりも浅いので、同乗者は連結部の全周囲を握りやすくなる。
本発明の一態様によれば、前記ヒップガードの後縁部には、上方に凹んだ溝が形成されている。
上記溝に指を挿入することによって、同乗者はヒップガードを容易に掴むことができる。より多様な使い方ができるようになる。
本発明の一態様によれば、前記ヒップガードの上端と前記第2シートの上端との高さの差は、前記第2シートの上端と前記第1シートの上面の下端との高さの差よりも小さい。
このように、第1シートと第2シートとからなるシートに対するヒップガードの上方への突出長さは短いので、同乗者が腕を後方に伸ばす際に、ヒップガードが邪魔になりにくい。
本発明の一態様によれば、自動二輪車は、車体カバーを備えている。前記グラブバーの連結部の後端は、前記車体カバーの後端よりも前方に位置している。
グラブバーが後方に突出していないので、自動二輪車の大型化が避けられる。また、同乗者はグラブバーを容易に掴むことができる。
以上のように、本発明によれば、同乗者の乗車時における快適性が向上された自動二輪車を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る自動二輪車を示す左側面図である。 本発明の一実施形態に係る自動二輪車後部を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るグラブバー及びヒップガードを示す左側面図である。 本発明の一実施形態に係るグラブバー及びヒップガードを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るグラブバー及びヒップガードを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るグラブバー及びヒップガードを示す斜視図である。 図2中のVII−VII線に沿う断面図である。 図2中のVIII−VIII線に沿う断面図である。 図6中のIX−IX線に沿う断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る自動二輪車1は、スクータ型の自動二輪車1である。なお、自動二輪車は鞍乗型車両の一例である。本発明に係る自動二輪車はスクータ型の自動二輪車1に限定される訳ではない。本発明に係る自動二輪車は、いわゆるモペット型、オフロード型、またはオンロード型等の他の型式の自動二輪車であってもよい。
以下の説明において、前、後、左、右は、それぞれ自動二輪車1の乗員から見た前、後、左、右を意味するものとする。図面に付した符号F、Re、L、Rは、それぞれ前、後、左、右を表す。
自動二輪車1は、車両本体5と、前輪7と、後輪9と、後輪9を駆動するエンジンユニット15とを備えている。車両本体5は、車体フレーム20と、該車体フレーム20に取り付けられた車体カバー40とを備えている。車体フレーム20には、乗員によって操作されるハンドル11と、乗員が着座するシート50とが取り付けられている。エンジンユニット15は、図示しないエンジンを有するいわゆるユニットスイング式のエンジンユニットである。エンジンユニット15は、図示しないピボット軸により、車体フレーム20に対して揺動自在に支持されている。
車体フレーム20は、ヘッドパイプ22から後斜め下向きに延びるメインフレーム24と、メインフレーム24から後斜め上向きに延びる左右のシートフレーム26,28と、左右のシートフレーム26,28に架け渡されたクロスメンバ30(図6参照)と、を有する。
シート50は、図1及び図5に示すように、運転者が着座する第1シート52と、同乗者が着座する第2シート54とを備えている。第2シート54は、第1シート52の後方に位置している。第1シート52と第2シート54とは一体的に形成されている。本実施形態では、第2シート54の上面の前端部55は、第1シート52の上面の前端部53よりも高くなるように形成されている。
シート50の後方、即ち第2シート54の後方には、第2シート54に着座する同乗者が把持するグラブバー70が配置されている。
グラブバー70は、図2に示すように、平面視において第2シート54の左側方から後方に延びる左側部74と、第2シート54の右側方から後方に延びる右側部82と、連結部90と、を有している。連結部90は、第2シート54の後方において、左側部74と右側部82とを連結している。本実施形態では、左側部74は、平面視において右斜め後方に延びるように形成されている。右側部82は、平面視において左斜め後方に延びるように形成されている。連結部90は、後述するヒップガード110と対向する位置に形成されている。即ち、左側部74および右側部82は、連結部90の左右方向(幅方向)の両端部から所定の角度を有して前方に延びるように形成されている。
本実施形態では、図3に示すように、左側部74は、側面視において後斜め上方に延びるように形成されている。左側部74の下端76は、図1に示すように、第1シート52の上面の下端53(本実施形態では、第1シート52の前端部53が第1シート52の上面の下端となる)よりも低い位置に配置されている。また、左側部74の下端76は、車体カバー40の後端42よりも低い位置に配置されている。右側部82も同様である。本実施形態では、左側部74と右側部82とは、左右対称の形状に形成されている。ただし、左側部74と右側部82とは、左右対称の形状に形成されていなくてもよい。なお、左側部74および右側部82は、例えば、地面と水平となるように形成されていてもよい。即ち、左側部74および右側部82は、水平方向に延びるように形成されていてもよい。また、左側部74および右側部82は、後斜め下方に延びるように形成されていてもよい。
また、本実施形態では、図2に示すように、左側部74の先端部79および右側部82の先端部87は、第2シート54の前後方向長さの凡そ中央部分に配置されている。
本実施形態では、グラブバー70の連結部90の後端98は、図3に示すように、車体カバー40の後端42よりも前方に位置している。このように、グラブバー70が車体カバー40の後端42の後方に突出していないため、グラブバー70を設けることによって自動二輪車1の前後長さが長くなってしまうことを避けることができる。自動二輪車1をコンパクトにすることができる。
また、グラブバー70の連結部90の上端92は、第2シート54の上端56よりも高い位置に形成されている。このように、連結部90の上端92の位置を第2シート54の上端56よりも高くすることで、同乗者が連結部90を容易に握ることができる。
本実施形態では、グラブバー70は、平面視において、左側部74と、連結部90と、右側部82とによって略U字形状に形成されている。なお、グラブバー70は、平面視において、例えば、略半円形状や略半長円形状に形成されていてもよい。
自動二輪車1は、第2シート54に着座する同乗者の臀部が後方へと移動することを規制するヒップガード110を備えている。
ヒップガード110は比較的高さが低い部材であり、いわゆる背もたれとは異なっている。ヒップガード110は、同乗者の背中を支持する部材ではない。ヒップガード110は、背もたれよりも高さが低い部材である。なお、ここでいうヒップガード110の高さはとは、第2シート54の上端56からの高さをいう。
ヒップガード110は、自動二輪車1の前後方向において、第2シート54と連結部90との間に配置されている。ヒップガード110は、グラブバー70の左側部74と右側部82とを連結している。本実施形態では、ヒップガード110は、図2に示すように、第2シート54の後縁に沿うように円弧状に形成されているため同乗者の快適性が向上する。ヒップガード110の上端114は、第2シート54の上端56及び連結部90の上端92よりも高い位置に配置されている。
図2に示すように、グラブバー70の左側部74と右側部82との間であってヒップガード110の前方には、第2シート54の一部が配置されている。ヒップガード110は、図7に示すように、同乗者の臀部の後方への移動を規制する第1の縦壁124と、第1の縦壁124の端部から車両前方に延びる底壁126と、底壁126の端部から鉛直方向下向きに延びる第2の縦壁128とを有している。底壁126の上方には、第2シート54の後端部分が載置されている。第1の縦壁124は、第2シート54の下方から上方に延びるように配置されており、その大部分は車体カバー40内に配置されているためヒップガード110の剛性が高い。
また、第1の縦壁124は、ヒップガード110の上端114から左側部74および右側部82に向けて下向きに傾斜しているため、ヒップガード110と左側部74および右側部82の連結部分においても、ヒップガード110が邪魔になることなく、容易に左側部74および右側部82を掴むことができる。
本実施形態では、グラブバー70とヒップガード110とは一体的に成形されている。このようにグラブバー70とヒップガード110とが一体的に成形されているため部品の点数が減り、組み立てが容易となる。
本実施形態では、グラブバー70およびヒップガード110は、合成樹脂等の樹脂によって形成されている。グラブバー70およびヒップガード110が金属によって形成されている場合と比較して、グラブバー70およびヒップガード110の軽量化を実現することができる。また、樹脂は金属と比較して熱伝導率が小さいため、寒冷地や猛暑地での使用条件下では、グラブバー70およびヒップガード110が熱くなりすぎたり冷たくなりすぎたりするのを防止することができる。
なお、グラブバー70とヒップガード110とは、別体であってもよい。グラブバー70およびヒップガード110をそれぞれ個別に成形した後にそれぞれを自動二輪車1に組み付けてもよい。また、グラブバー70およびヒップガード110は、相互に異なる材料から形成されてもよい。
平面視において、ヒップガード110とグラブバー70の連結部90との間には開口120が形成されている(図4も参照)。開口120の形状は特に限定されない。好ましくは、開口120の左右の縁部122A,122Bは、円弧状(略半円形状)に形成されている。
図3に示すように本実施形態では、ヒップガード110は、ヒップガード110の上端114とグラブバー70の連結部90の上端92との高さの差cは、グラブバー70の連結部90の上端92と左側部74の下端76との高さの差dよりも小さくなるように形成されている。このように、グラブバー70の連結部90に対してヒップガード110の上方への突出長さは短い。そのため、同乗者が腕を後方に伸ばしたときに、ヒップガード110が邪魔になることがなく、同乗者はグラブバー70を容易に掴むことができる。
なお、本実施形態では、左側部74と右側部82とは左右対称の形状に形成されているため、左側部74の下端76と右側部82の下端84(図6参照)との地上面からの高さは、実質的に同一である。ただし、左側部74の下端76と右側部82の下端84との地上面からの高さが異なる場合には、上記高さの差dは、グラブバー70の連結部90の上端92と、左側部74の下端76および右側部82の下端84のうちいずれか低い方との差とすることができる。即ち、ヒップガード110は、ヒップガード110の上端114とグラブバー70の連結部90の上端92との高さの差cが、グラブバー70の連結部90の上端92と左側部74の下端76および右側部82の下端84のうちいずれか低い方との高さの差dよりも小さくなるように形成される。
また、図1に示すように、ヒップガード110は、ヒップガード110の上端114が、第2シート54の上端56よりも高い位置に配置されるように形成されている。ヒップガード110は、ヒップガード110の上端114と第2シート54の上端56との高さの差aが、第2シート54の上端56と第1シート52の下端58との高さの差bよりも小さくなるように形成されている。また、ヒップガード110の上端114と第2シート54の上端56との高さの差aは、第2シート54の上端56と第1シート52の上面の下端53(本実施形態では、第1シート52の前端部53が第1シート52の上面の下端となる)との高さの差hよりも小さくなっている。
なお、ヒップガード110の上端114と第2シート54の上端56との高さの差aは、典型的には10cm〜20cm程度、例えば15cm程度である。ただし、上記差aの具体的数値は、上記数値に限定される訳ではない。
図7は、図2中のVII−VII線に沿う断面図であって、連結部90およびヒップガード110の断面構造を示す図面である。図8は、図2中のVIII−VIII線に沿う断面図であって、左側部74の断面構造を示す図面である。
図7に示すように、グラブバー70の連結部90の下部94には、上方に凹んだ溝96が形成されている。図8に示すように、グラブバー72の左側部74の左方向の縁部78には、上方に凹んだ溝80が形成されている。同様に、グラブバー本体72の右側部82の右方向の縁部86(図2参照)には、上方に凹んだ溝(図示せず)が形成されている。
本実施形態では、グラブバー70の左側部74の縁部78に形成された溝80の深さは、左側部74の後部77よりも前部75が深くなっている。同様に、右側部82の縁部86に形成された溝の深さは、右側部82の後部85より前部83が深くなっている。左側部74の後部77(連結部90との境界部分)および右側部82の後部85(連結部90との境界部分)から前方に行くほど深くなるように形成されていてもよい。例えば、連続的に深さが変化する場合や、段階的に深さが変化する場合が挙げられる。左側部74の溝80および右側部82の溝の深さは、左側部74の後部77および右側部82の後部85で約5mm〜10mm程度であり、左側部74の前部75および右側部82の前部83で約35mm〜40mm程度である。また、左側部74の溝80および右側部82の溝の左右方向(幅方向)の長さは、5mm〜30mm程度である。同乗者がグラブバー70の左側部74および/または右側部82を掴む場合には、溝80等の内部に、前方から後方に向かって順に、人差し指、中指、薬指、小指を挿入する傾向がある。左側部74の後部77よりも前部75の溝80の深さを深くすることで同乗者は左側部74を容易に掴むことができる。右側部82についても同様である。また、左側部74の後部77および右側部82の後部85の溝を浅く作ることにより、左側部74の縁部78および右側部82の縁部86の剛性を高く保つことができる。
本実施形態では、連結部90の溝96の深さは、左側部74の縁部78に形成された溝80および右側部82の縁部86に形成された溝の深さよりも浅くなるように形成されている。連結部90の溝96の深さは、凡そ5mm〜10mm程度である。グラブバー70の連結部90は、典型的には溝96に指を挿入して掴むのではなく、連結部90の全周囲を握ることによって把持される。上記のように、連結部90の溝96を浅くすることで、同乗者は連結部90の全周囲を握ることが容易となる。
ヒップガード110の縁部112であって、開口120の近傍には、上方に凹んだ溝116が形成されている。縁部112の溝116の深さは、典型的には連結部90の溝96よりも深くなるように形成されている。このようにヒップガード110に溝116を形成することによって、同乗者は容易にヒップガード110を掴むことができる。
なお、本実施形態では、グラブバー70の左側部74、右側部82、連結部90およびヒップガード110には、これらの部位を掴みやすくするために溝がそれぞれ形成されているが、少なくとも段差部分を設けて該段差部分を掴むような形態であってもよい。
図6は、グラブバー70を車体フレーム20のうち左右のシートフレーム26,28およびクロスメンバ30に取り付けた状態を示す斜視図である。なお、図6では、取付構造の理解を容易にするために車体カバー40等の図示を省略している。
本実施形態では、図6に示すように、グラブバー70は、左のシートフレーム26に設けられたブラケット27と、右のシートフレーム28に設けられたブラケット29と、クロスメンバ30に設けられたブラケット31,31に取り付けられている。
グラブバー70と車体フレーム20との取付構造を、右のシートフレーム28を例にして説明する。図9に示すように、グラブバー70に形成された係合穴88と右のシートフレーム28に設けられた金属製のブラケット29に形成された係合穴29Aとに金属製のカラー142を挿入し、ボルト140と図示しないナットとでグラブバー70とブラケット29とを締結している。カラー142は、上端部が半径方向に広がった略筒状に形成されている。このように、本実施形態では、樹脂製のグラブバー70を金属製のブラケット29に金属製のボルト140により固定するに際して、ボルト140とグラブバー70との間に金属製のカラー142を介在させている。なお、グラブバー70を車体フレーム20に取り付ける際に、必ずしも金属カラー142は必要ではない。ただし、上述のように金属カラー142を介在させることとすれば、グラブバー70を車体フレーム20により堅牢に取り付けることができる。
上述したように、本実施形態に係る自動二輪車1は、グラブバー70と、同乗者の臀部の後方への移動を規制するヒップガード110とを備えている。このようにヒップガード110を備えているため、自動二輪車1の定常速度での走行時はもちろん、例えば急発進時のようなときに、同乗者に対して同乗者の乗車位置が後方にずれるような後向きの力が加わっても、同乗者の後方への移動は抑制される。また、ヒップガード110は、従来の背もたれとは異なり、上下方向の高さが低いため、同乗者が腕を後方に伸ばす際に邪魔になりにくい。このため、同乗者は、ヒップガード110の後方に形成された開口120に指を挿入して、グラブバー70の連結部90を容易に掴むことができる。以上のように、同乗者は、グラブバー70を掴むことにより体重の一部を腕で支えつつ、体重の他の一部をヒップガード110によって支えることができるため、同乗者の乗車時における快適性は向上する。
図1に示すように、ヒップガード110の上端114と第2シート54の上端56との高さの差aは、第2シート54の上端56と第1シート52の下端53との高さの差bよりも小さい。また、図3に示すように、ヒップガード110の上端114とグラブバー70の連結部90の上端92との高さの差cは、グラブバー70の連結部90の上端92と左側部74の下端76との高さの差dよりも小さい。このようにヒップガード110の高さを抑えることにより、同乗者が後方に腕を伸ばす際にヒップガード110が邪魔になりにくく、同乗者は、連結部90をより容易に掴むことができる。
本実施形態では、グラバー70とヒップガード110とは一体成形されている。そのため、グラブバー70とヒップガード110とを組み立てる作業は不要となる。また、グラブバー70とヒップガード110との間にがたつきや位置ずれが生じることを回避することができる。したがって、同乗者の乗車時の快適性ははより向上する。
本実施形態によれば、グラブバー70およびヒップガード110は、樹脂により形成されている。そのため、グラブバー70を軽量化することができる。また、金属製のグラブバーに比べて、寒冷地、猛暑地で使用された場合、グラブバーに触れたときの冷たさ、熱さを感じにくくなる。したがって、同乗者はグラブバー70を掴みやすくなる。
図2に示すように、本実施形態によれば、平面視において、開口120の左右の縁部は円弧状に形成されている。そのため、同乗者が開口120に指を挿入して左右の側部74,82または連結部90を掴む際に、掴みやすくなると共に指が痛くなりにくい。
また、本実施形態によれば、グラブバー本体72の左側部74および右側部82には、上方に凹んだ溝80(図8参照)が形成されている。溝80の深さは、左側部74および右側部82の後部77,85より前部75,83が深くなっている。そのため、同乗者は、左側部74および右側部82を容易且つ確実に掴むことができる。
また、本実施形態によれば、グラブバー70の連結部90の溝96(図7参照)の深さは、左側部74の溝80および右側部82の溝の深さよりも小さくなっている。そのため、同乗者は連結部90の全周囲を握りやすくなる。
また、本実施形態によれば、ヒップガード110の後縁部112には、上方に凹んだ溝116が形成されている。そのため、溝116に指を挿入することによって、同乗者はヒップガード110を容易に掴むことができる。したがって、より多様な使い方ができるようになる。
図3に示すように、本実施形態によれば、グラブバー70の連結部90の後端98は、車体カバー40の後端42よりも前方に位置している。即ち、グラブバー70は車体カバー40から後方に突出している訳ではない。したがって、グラブバー70を設けることによって自動二輪車1の前後方向の長さが長くなることを防止することができる。また、連結部90は後方に離れすぎていないので、体の小さな同乗者であっても、グラブバー70(特に連結部90)を容易に掴むことができる。
1 自動二輪車
40 車体カバー
42 車体カバーの後端
50 シート
52 第1シート
54 第2シート
56 第2シートの上端
58 第1シートの下端
70 グラブバー
74 左側部
76 左側部の下端
80 溝
82 右側部
84 右側部の下端
90 連結部
96 溝
98 後部の後端
110 ヒップガード
112 縁部
114 ヒップガードの上端
116 溝
120 開口

Claims (10)

  1. 運転者が着座する第1シートと、
    前記第1シートの後方に位置し、同乗者が着座する第2シートと、
    前記第2シートの左側方から後方に延びる左側部と、前記第2シートの右側方から後方に延びる右側部と、前記第2シートの後方において、前記左側部と前記右側部とを連結する連結部と、を有するグラブバーと、
    車両前後方向において、前記第2シートと前記連結部との間に配置され、前記左側部と前記右側部とを連結するヒップガードと、を備え、
    前記ヒップガードの上端は、前記第2シート及び前記連結部よりも高い位置に配置されており、
    平面視において、前記ヒップガードと前記連結部との間には開口が形成されている、自動二輪車。
  2. 前記ヒップガードの上端と前記グラブバーの連結部の上端との高さの差は、前記グラブバーの連結部の上端と前記左側部の下端および前記右側部の下端のうち低い方の下端との高さの差よりも小さい、請求項1に記載の自動二輪車。
  3. 前記グラブバーおよび前記ヒップガードは一体成形されている、請求項1に記載の自動二輪車。
  4. 前記グラブバーおよび前記ヒップガードは、樹脂により形成されている、請求項1に記載の自動二輪車
  5. 平面視において、前記開口の左右の縁部は円弧状に形成されている、請求項1に記載の自動二輪車。
  6. 前記グラブバーの左側部および右側部には、上方に凹んだ溝が形成され、
    前記溝の深さは、前記左側部および前記右側部の後部より前部が深くなっている、請求項1に記載の自動二輪車。
  7. 前記グラブバーの左側部、右側部、および連結部には、上方に凹んだ溝が形成され、
    前記連結部の溝の深さは、前記左側部および前記右側部の溝の深さよりも浅くなっている、請求項1に記載の自動二輪車。
  8. 前記ヒップガードの後縁部には、上方に凹んだ溝が形成されている、請求項1に記載の自動二輪車。
  9. 前記ヒップガードの上端と前記第2シートの上端との高さの差は、前記第2シートの上端と前記第1シートの上面の下端との高さの差よりも小さい、請求項1に記載の自動二輪車。
  10. 車体カバーを備え、
    前記グラブバー本体の後部の後端は、前記車体カバーの後端よりも前方に位置している、請求項1に記載の自動二輪車。
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