JP2013136265A - ブレーキ制御装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動制御によってブレーキ装置を操作する際に、制御信号線に誤検知や断線/短絡が発生するリスクを効果的に軽減することによって、より高度な安全性を有するブレーキ制御装置及び方法を提供する。
【解決手段】ブレーキ制御装置は、動力遮断システム3,90を備えた車両1に搭載され、停車時に車両の停止状態を維持するようにブレーキ装置7を自動的に制御する。このブレーキ装置の自動制御は、オートマチックトランスミッションがニュートラル状態以外に切り替えられた場合、又は、駐車ブレーキ装置が作動していることが検知された場合に解除される。これらの検知を多重化された検知信号に基づいて行うため、誤検知や断線/短絡による不用意なブレーキ装置の制御解除を効果的に防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定条件下でエンジンの動力を自動的に遮断する動力遮断システムを備えた車両において、動力遮断時に車両の停車状態を維持するために作動させたブレーキ装置を安全に解除可能なブレーキ制御装置及び方法の技術分野に関する。
自動車の速度やエンジンの回転数に応じて、変速段を自動的に切替えるオートマチックトランスミッション(以下、適宜「A/T」と称する)が広く知られており、多くの自動車に採用されている。A/Tの1つとして、トルクコンバータと遊星歯車の組み合わせを油圧制御によって自動的に変速を行うトルクコンバータ式A/Tがある。トルクコンバータ式A/Tは、乗用車のみならず、頻繁に発進・停止を繰り返す必要のある路線バスや業務用トラック等にも採用されている。
ところで、近年の自動車には環境配慮の観点から、所定条件下においてエンジンの動力を自動的に遮断することによって、排気ガスの排出量低減や燃費性能の向上や、安全性の向上が図られている。この種の動力遮断システムとしては、例えば、停車時にエンジンを自動的に停止させると共に、発車時に自動的に再始動を行う自動停止始動装置(通称「アイドリングストップ装置」であり、以下適宜「ISS装置」と称する)がある。また、路線バスなどの乗降用扉を備える車両では、停車時に扉が開状態にある場合に、A/Tを自動的にニュートラル状態に切り替えてエンジンの動力を遮断するA/T動力カットシステムを搭載することによって、扉が開いた状態のまま車両がクリープ現象などにより不意に動き出すことを防止して安全性を確保している。
一方、停車時にエンジンの動力を自動的に遮断するとストールトルクが発生しなくなるため、坂道等で停車する際に運転手が誤ってブレーキペダルから足を離してしまった場合、又はブレーキペダルの踏込み量が少なかった場合等に車両が動いてしまい、空走が発生してしまうことがある。例えば路線バスでは停留所等で乗客が乗降している(乗降扉が開いている)際に車両が動いてしまうと安全上大きな問題となる。また、可動式の荷台を備えるトラックにおいても、荷台の動作中に車両が動いてしまうと危険である。
このような問題に対して、例えば特許文献1では、停車時に動力遮断システムの一例であるISS装置によってエンジンからの動力を遮断した際に、駐車ブレーキを自動的に作動させることによって、車両の停止状態を維持するブレーキ制御装置が開示されている。
特開2010−149634号公報
特許文献1のように、乗客の乗降時に停車状態を維持して安全性を確保するために、ブレーキ装置の自動作動制御が行われている。一方、ブレーキを解除する場合においても、乗客の乗降が完了しており十分安全であることを確認することが必要となる。このようなブレーキ装置の作動及び解除に関する制御は、センサなどの電気的な検知信号に基づいて安全性を確認するようにしているが、その信号線等に断線や短絡が生じたり、外部ノイズなどに起因して誤検知が発生するリスクがある。このようなリスクは車両メンテナンスなどによってもある程度低減することができるものの、より積極的な安全性確保の観点からも、更なる対策が必要とされている。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、動力遮断時にブレーキ装置を自動制御する際に、制御信号線に誤検知や断線/短絡が発生するリスクを軽減することによって、不用意にブレーキ装置が解除されることを防止可能なブレーキ制御装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明に係る第1のブレーキ制御装置は上記課題を解決するために、エンジンの動力をオートマチックトランスミッションを介して駆動輪に伝達して走行し、前記エンジンの動力を所定条件下で遮断する動力遮断システムを搭載した車両のブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置であって、前記動力遮断システムによって前記エンジンの動力が遮断された際に、前記ブレーキ装置を自動的に作動させて前記車両の停止状態を維持するように制御するブレーキ制御手段を備え、前記ブレーキ制御手段は、前記オートマチックトランスミッションから一の信号線を介して取得した第1のギア信号に基づいて、前記オートマチックトランスミッションがニュートラル状態でないと判定され、且つ、前記オートマチックトランスミッションから他の信号線を介して取得した第2のギア信号に基づいて、前記オートマチックトランスミッションがニュートラル状態でないと判定された場合に、前記ブレーキ制御手段による前記車両の停止状態の維持を解除することを特徴とする。
動力遮断時に停車状態を維持するために自動作動させたブレーキ装置を解除する際には、ドライバーが発進の意思を有しているか否かを確認することが安全上重要である。その意思確認手法の一つとして、オートマチックトランスミッションの変速段がニュートラル状態からその他の状態に切り替えられることを検知することが有効である。本発明では、オートマチックトランスミッションから取得した第1及び第2の信号に基づいて、変速段がニュートラル状態であるか否かを多重的に判定する。このように、複数の検知信号によって多重的にオートマチックトランスミッションのニュートラル状態が解除されたことを判定することで、いずれかの信号線に誤検知や断線/短絡が発生した場合であっても、ブレーキ装置が不用意に解除されてしまう事態を回避することができる。
本発明に係る第2のブレーキ制御装置は上記課題を解決するために、エンジンの動力をオートマチックトランスミッションを介して駆動輪に伝達して走行し、前記エンジンの動力を所定条件下で遮断する動力遮断システムを搭載した車両のブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置であって、前記動力遮断システムによって前記エンジンの動力が遮断された際に、前記ブレーキ装置を自動的に作動させて前記車両の停止状態を維持するように制御するブレーキ制御手段と、前記車両の駐車ブレーキと、ドライバーが前記駐車ブレーキを操作するための駐車ブレーキ操作手段と、前記駐車ブレーキの実際の作動状態を検知する駐車ブレーキ作動状態検知手段とを備え、前記ブレーキ制御手段は、前記駐車ブレーキ操作手段によって前記駐車ブレーキの作動操作が行われたと判定され、且つ、前記駐車ブレーキ作動状態検知手段によって前記駐車ブレーキが実際に作動状態になったと検知された場合に、前記ブレーキ制御手段による前記車両の停止状態の維持を解除することを特徴とする。
車両の停止時において駐車ブレーキを作動させた場合には、ブレーキ制御装置を2重に作動させることは非効率的である。そこで本発明では駐車ブレーキの作動が確認された場合には、ブレーキ制御装置を解除する。特に本発明では、駐車ブレーキの作動検知を多重的に行っている。具体的には、駐車ブレーキ操作手段によって駐車ブレーキの作動操作が行われたと判定され、且つ、駐車ブレーキ作動状態検知手段によって駐車ブレーキが実際に作動状態になったと検知されたと多重的に判定された場合に、ブレーキ装置を解除するとしている。このように、複数の検知手段によって多重的に駐車ブレーキが作動したと判定された場合にブレーキ装置を解除することによって、いずれかの制御信号線に誤検知や断線/短絡が発生した場合に、ブレーキ装置が不用意に解除されてしまう事態を回避することができる。
上記第1のブレーキ制御装置では、前記車両に搭載された乗降用の扉の開閉状態を検知する開閉状態検知手段を備え、前記ブレーキ制御手段は、更に前記開閉状態検知手段により前記扉が閉状態にあると検知された場合に、前記ブレーキ制御手段による前記車両の停止状態の維持を解除するとよい。この態様によれば、扉の開閉状態により、ドライバーの発進の意思の有無をより確実に判定することができるので、より安全性を向上させることができる。
ここで、前記動力遮断システムは、前記車両に搭載された扉が開状態である場合に前記A/T変速機をニュートラル状態に切り替えるA/T変速機動力カットシステムであってもよい。
本発明に係る第1のブレーキ制御方法は上記課題を解決するために、エンジンの動力をオートマチックトランスミッションを介して駆動輪に伝達して走行し、前記エンジンの動力を所定条件下で遮断する動力遮断システムを搭載した車両のブレーキ装置を制御するブレーキ制御方法であって、前記動力遮断システムによって前記エンジンの動力が遮断された際に、前記ブレーキ装置を自動的に作動させて前記車両の停止状態を維持するように制御するブレーキ作動工程と、前記オートマチックトランスミッションから一の信号線を介して取得した第1のギア信号に基づいて、該オートマチックトランスミッションがニュートラル状態であるか否かを判定する第1のギア信号判定工程と、前記オートマチックトランスミッションから他の信号線を介して取得した第2のギア信号に基づいて、該オートマチックトランスミッションがニュートラル状態であるか否かを判定する第2のギア信号判定工程と、前記第1のギア信号に基づいて前記オートマチックトランスミッションがニュートラル状態でないと判定され、且つ、前記第2のギア信号に基づいて前記オートマチックトランスミッションがニュートラル状態でないと判定された場合に、前記ブレーキ制御手段による前記車両の停止状態の維持を解除するブレーキ解除工程とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る第2のブレーキ制御方法は上記課題を解決するために、エンジンの動力をオートマチックトランスミッションを介して駆動輪に伝達して走行し、前記エンジンの動力を所定条件下で遮断する動力遮断システムを搭載した車両のブレーキ装置を制御するブレーキ制御方法であって、前記動力遮断システムによって前記エンジンの動力が遮断された際に、前記ブレーキ装置を自動的に作動させて前記車両の停止状態を維持するように制御するブレーキ作動工程と、ドライバーが前記駐車ブレーキを操作するための駐車ブレーキ操作手段によって、前記駐車ブレーキの作動操作を行ったか否かを判定する解除操作判定工程と、前記駐車ブレーキの実際の作動状態を検知する駐車ブレーキ作動状態検知手段によって、前記駐車ブレーキの実際の作動状態を検知する作動状態検知工程と、前記駐車ブレーキの作動操作が行われたと判定され、且つ、前記駐車ブレーキが実際に作動状態になったと検知された場合に、前記ブレーキ制御手段による前記車両の停止状態の維持を解除するブレーキ解除工程とを備えたことを特徴とする。
これら第1及び第2のブレーキ制御方法は、上述の第1及び第2のブレーキ制御装置(上記各種態様を含む)によって、好適に実現することができる。
本発明に係るブレーキ制御装置及び方法によれば、オートマチックトランスミッションがニュートラル状態にあるか否か、或いは、駐車ブレーキが作動状態にあるか否かを、多重的に設けられた判定基準に基づいて判断するため、いずれかの制御信号線に誤検知や断線/短絡が発生した場合に、ブレーキ装置が不用意に解除されてしまう事態を回避することができ、良好な安全性が得られる。
本実施形態に係る車両の概略ブロック図である。 本実施形態に係るブレーキ制御装置の全体構成図である。 動力遮断条件の一例を示すロジック図である。 動力遮断条件の他の例を示すロジック図である。 本実施形態に係る車両に搭載された駐車ブレーキ装置の概略構成図である。 本実施形態に係る車両に搭載された駐車ブレーキ装置のマキシチャンバー詳細図である。 本実施形態におけるブレーキコントロールバルブ作動条件図である。 第1実施例に係るブレーキコントロールバルブ及び駐車ブレーキを作動・解除する際の一連の制御方法を示すフローチャートである。 第2実施例に係るブレーキコントロールバルブ及び駐車ブレーキを作動・解除する際の一連の制御方法を示すフローチャートである。 図8及び図9の駐車ブレーキ解除制御をロジック図にまとめたものである。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
本実施形態では本発明に係るブレーキ制御装置をA/T搭載の路線バス(以下、適宜「車両」と称する)に適用した場合を例に説明する。尚、以下の説明で方向を示す場合、運転席に着座した状態を基準にして、「上下方向」、「左右方向」及び「前後方向」と記述するものとする。
図1は本発明に係るブレーキ制御装置を搭載した車両1の構成を示す概略ブロック図である。車両1は、前輪1aと後輪1cとの間に、乗客の乗降時に開閉可能な中扉1bを有している。中扉1bは、運転席に設けられた中扉開閉操作スイッチ32(以後「スイッチ」を「S/W」と略称する)をドライバーが操作することによって開閉することができ、走行時には閉じられている。この中扉1bの実際の開閉状態は、中扉1b部分に装着された本発明に係る「開閉状態検知手段」の一例である中扉マイクロS/W39によって検知されるようになっている。
車両1にはエンジン動力遮断システムの一例としてアイドリングストップ制御を実施するISS制御装置(図2の符号3を参照)が搭載されており、停車時にエンジンを自動停止させ、発車時に自動始動することによって、エンジンの運転期間を短縮して排気ガスの排出量低減や燃費性能の向上を図っている。ISS制御装置3によるアイドリングストップ制御は、運転者によって操作されるISS装置メーンS/W22がON状態になっている場合に実施される(すなわちISS装置メーンS/W
22をOFFに切り替えるとアイドリングストップ制御は行われなくなる)。
また、アイドリングストップ制御によって停車時にエンジンを自動停止した場合であっても、運転席に設けられたフットS/W25をドライバーが操作することによって、マニュアル的にエンジンを始動することもできるようになっている。
図1ではエンジンの図示を省略しているが、エンジンの動力はA/T変速機を介して駆動輪に伝達されることにより、車両1の走行が行われる。また、車両1には制動装置たるブレーキ装置7が搭載されており、前後輪に所定の制動力を発生させることにより減速及び停車するように構成されている。図1では図示が煩雑にならないように後輪にのみブレーキ装置7を示しているが、実際の車両1では以下の図2等に示すように、前輪にもブレーキ装置が搭載されている。
車両1には、ブレーキ装置7を制御するブレーキ装置作動制御ECU35が設けられている。ブレーキ装置作動制御ECU35には、中扉1bの開閉を操作する中扉開閉操作S/W32と、ブレーキペダル24を備えた後述するデュアルブレーキバルブ70と、車両1にトラブルが発生した時にアイドリングストップ制御の実施を禁止して通常走行を行うための非常走行S/W31と、中扉1b部分に装着され中扉開閉状態を検知する開閉状態検知手段である中扉マイクロS/W39と、車両後部に配置され、車両1の停止状態を検知する、本発明に係る「停止状態検知手段」の一例である車速センサ41とから夫々信号が入力される。
図2は本実施形態に係るブレーキ制御装置の全体構成図である。ブレーキ装置の動作は、ブレーキ装置作動制御ECU35によってブレーキ作動リレー80を制御して行われる。ブレーキ装置作動制御ECU35は、アイドリングストップ制御を実施するISS制御装置3と、エンジン5の回転数、出力、始動及び停止等を制御するエンジンECU6と、エンジン5の駆動輪への動力伝達機構であるA/T変速機(不図示)の変速段制御を行うA/T制御ECU90とに電気的に連結されている。
A/T ECU90にはISS制御装置3からエンジンがアイドリングストップ制御により自動停止することができる状態にあることを知らしめるISSスタンバイ信号が入力される。このISSスタンバイ信号は主にA/T ECU90における動力遮断制御に用いられるが、本実施例ではブレーキ装置作動制御ECU35におけるブレーキ制御でも用いるため、ISS制御装置3から更にブレーキ装置作動制御ECU35に対して入力されるようになっている。
ここで図3は動力遮断条件の一例を示すロジック図である。本実施例では、ISS制御装置3に車速センサ41から検知値が入力され、該検知値に基づいて車速が1.7km/hであることにより停車状態にあり、且つ、A/TがISS制御によって動力遮断することができる状態にあることを示すISSスタンバイ信号をA/T ECU90がISS制御装置3から受信したことを条件にエンジンの動力を自動的に遮断するようにしている。
尚、図3の例はアイドリングストップ制御の一例を示すものであり、その他のパラメータ等を考慮して動力遮断の判定を行ってもよいことは言うまでも無い。
図2に戻って、ブレーキ装置作動制御ECU35にはA/T制御ECU90からN信号(ニュートラル信号)が入力される。N信号はA/T制御ECU90の制御対象であるA/T変速機の変速状態がニュートラル状態にあるか否かを示す信号であり、ニュートラル状態にある場合には「ON」、ニュートラル状態以外の場合には「OFF」の値をとる、2値信号である。
このN信号は同時にエンジンECU6にもエンジン制御用に入力される。本実施例では特に、エンジンECU6に入力されたN信号は、エンジンECU6におけるエンジン制御用として使用される他に、エンジンECU6を経由してブレーキ装置作動制御ECU35に入力されるようになっている。これにより、ブレーキ装置作動制御ECU35にはA/T制御ECU90から直接入力されるN信号(本発明の「第1の信号」の一例であり、以下適宜「実ギアN信号」と称する)と、エンジンECU6を経由したN信号(本発明の「第2の信号」の一例であり、以下適宜「レンジアテンダント信号」と称する)とが多重的に供給される。そのため、どちらか一方のN信号の配線に断線・短絡や誤検知が生じた場合に精度よくエラーを検出でき、後述するブレーキ制御における安全性を効果的に高めることができる。
A/T制御ECU90では、エンジンの動力遮断制御の一種であるA/T動力カット制御が実施される。図4は動力遮断条件の他の例を示すロジック図である。A/T動力遮断システムでは、中扉開閉操作S/W32がON状態にあることにより中扉1bがドライバーによって開操作されたことを検知した場合、車速センサ41の検知値に基づいて車速が1.7km/hであることで車両1が停止状態にあると判断される場合、及び、中扉マイクロS/W39がON状態にある場合に、A/T変速機を自動的にニュートラル状態に切り替えるようN信号をA/T制御ECU90に出力して制御する。これにより、クリープ等によって停車時に車両1が不意に動き出すことを防止し、安全性の向上を図っている。
再び図2に戻って、ブレーキ装置7では、後輪1c用のエアタンクであるリヤ用エアタンク71が接続された第1エア管路73と、前輪1a用のフロント用エアタンク72が接続された第2エア管路74とが配設されている。第1及び第2エア管路73、74の途中にはブレーキバルブであるデュアルブレーキバルブ70が介装されており、デュアルブレーキバルブ70にはブレーキペダル24が装着されている。ドライバーがブレーキペダル24を運転席で操作すると、デュアルブレーキバルブ70が開閉し、ブレーキペダル24の踏込み量によって第1及び第2エア管路73、74内のエアの流通量が調節されるようになっている。
第2エア管路74は、さらに第2ダブルチェックバルブ77を介し、FWリレーバルブ51に接続されている。ここで、第2ダブルチェックバルブ77は、デュアルブレーキバルブ70又は後述する第2ブレーキコントロールバルブ79からFWリレーバルブ51方向へのエアの流通を可能とするものである。また、FWリレーバルブ51は前輪1aの各FLブレーキ832、FRブレーキ831のFRブレーキチャンバー82及び、FLブレーキチャンバー83に接続され、ブレーキペダル24の踏み込み又は解除によって、ブレーキチャンバー82,83のそれぞれへの高圧エアの供給又は排気を行い、給気時にはブレーキが作動し、排気時にはブレーキが解除されるようになっている。
同様に、第1エア管路73は、第1ダブルチェックバルブ76を介し、RWリレーバルブ52に接続されている。ここで、第1ダブルチェックバルブ76は、デュアルブレーキバルブ70又は後述する第1ブレーキコントロールバルブ78からRWリレーバルブ52方向へのエアの流通を可能とするものである。RWリレーバルブ52は後輪1cの各RRブレーキ841,RLブレーキ851のRRブレーキマキシチャンバー84及び、RLブレーキマキシチャンバー85に接続されている。このRR及び、RLマキシチャンバー84,85には後述する駐車ブレーキ装置8のブレーキ作動部が内装されている。
尚、以下の説明では、ブレーキマキシチャンバーを「マキシチャンバー」と略称し、RR及び、RLを区別する必要がない場合は「マキシチャンバー84」と総称することとする。
さらに、リヤ用エアタンク71と第1ダブルチェックバルブ76の間には、第3エア管路86が設けられている。第3エア管路86には、リヤ用エアタンク71から第1ダブルチェックバルブ76方向へのエアの流通を可能とするチェックバルブ86aと、第3エア管路86内を閉止・開放する第1ブレーキコントロールバルブ78が設けられている。
同様に、フロント用エアタンク72と第2ダブルチェックバルブ77の間には、第4エア管路87が設けられている。第4エア管路87には、フロント用エアタンク72から第2ダブルチェックバルブ77方向へのエアの流通を可能とするチェックバルブ87aと、第4エア管路87内を閉止・開放する第2ブレーキコントロールバルブ79が設けられている。
次に、図5を参照して、駐車ブレーキ装置8の構成について説明する。駐車ブレーキ装置8は、図2を参照して上述したように、その作動部が後輪1cのRRブレーキマキシチャンバー84及び、RLブレーキマキシチャンバー85に第5エア管路88を介して接続されることにより内装されている。
図5に示すように、マキシチャンバー84には、プッシュロッド845aが配設され、該プッシュロッド845aは軸線方向に移動すると共に、先端部にウェッジ845bを有している。ホイールシリンダー843は内部に台形状の受部が配設され、該受部にマキシチャンバー84のウェッジ845bが嵌入されブレーキシュー842がピン846を中心にして外側へ拡開するようになっている。
駐車ブレーキ装置8はマキシチャンバー84,85と、リヤ用エアタンク71を第5エア管路88で連結している。第5エア管路88には後述する各マキシチャンバー84,85のエマージェンシ・ブレーキ・ポート846を介して、高圧エアの給排気を行うリリースバルブ9が配設されている。リヤ用エアタンク71と、運転席に配置され駐車ブレーキ装置8を作動させるハンドコントロールバルブ81とを第6エア管路89によって連結している。
また、ハンドコントロールバルブ81とリリースバルブ9とを第7エア管路90にて連結されている。そして、第6エア管路にはハンドコントロールバルブ81が操作される(図5に示すリリース位置に切り替えられる)とON信号を発信する駐車ブレーキ操作手段であるインジケータ用S/W37と、第7エア管路には駐車ブレーキ作動状態検知手段である低圧警報解除S/W38が夫々配設されている。
尚、本実施形態では駐車ブレーキ操作確認手段としてエア圧によって作動するインジケータ用S/W37を使用したが、これに代えて又はこれと併せて、ハンドコントロールバルブ81の本体と操作レバーとの間に介装し、操作レバーをパーキング位置に操作すると[ON]になる機械式のスイッチを用いるようにしてもよい。また、駐車ブレーキ作動確認手段としてエア圧で作動する低圧警報解除S/W38を使用したが、これに代えて又はこれに併せて、マキシチャンバー84のA室で、ピストン91がスプリング842によって移動する部分に検出用スイッチ95を配置するようにしてもよい(図5を参照)。
ここで図6を参照してマキシチャンバー84の構造について説明する。マキシチャンバー84は、プッシュロッド845aの先端側(図6において右端)にウェッジ845b(図5参照)が装着されて、左右方向に摺動する構造となっている。
通常走行時においてマキシチャンバー84は、エマージェンシ・ブレーキ・ポート846からA室側に高圧エアが導入されており、ピストン91はスプリング92および、847に抗してスプリング受座93とピストン91との間に圧縮された状態でマキシチャンバー84の軸線方向中央部に位置した状態で収納されている。
走行中、車両にブレーキ(サービスブレーキ)を作動させる場合、はデュアルブレーキバルブ70からブレーキペダル24の踏込み量に応じた高圧エアがサービス・ブレーキ・ポート849からB室側に導入され、ダイヤフラム848に連結したプッシュロッド846が高圧エアの圧力に応じて右側に移動し、RRブレーキ842,RLブレーキ851を作動させるようになっている。
一方、駐車ブレーキ8を作動させる場合は、A室側の高圧エアをリリースバルブ9によって大気開放することにより、スプリング92が伸長し、ピストン91が右側に移動して駐車ブレーキ装置8が作動する。尚、FRブレーキチャンバー82,FLブレーキチャンバー83は図6のマキシチャンバー84のピストン91、スプリング92、スプリング受845を除いた以外は同じなので説明は省略することとする。
続いて、以上の構成を踏まえて、ブレーキ装置7の具体的な動作について説明する。まず通常の運転時の動作について説明すると、ドライバーによりブレーキペダル24が操作(サービスブレーキ)されてデュアルブレーキバルブ70が開作動すると、フロント用エアタンク72から高圧のエアが第2エア管路74を流通し、デュアルブレーキバルブ70及び第2ダブルチェックバルブ77を介してFWリレーバルブ51介してFRブレーキチャンバー82,FLブレーキチャンバー83に供給されてバス1の前輪1aに制動力が付与される。このとき、第2ダブルチェックバルブ77は第2エア管路74のエアを第4エア管路87側への流通を遮断している。
同様に、リヤ用エアタンク71から高圧のエアが第1エア管路73を流通し、デュアルブレーキバルブ70及び第1ダブルチェックバルブ76及び、RWリレーバルブ52を介してRRブレーキマキシチャンバー84及びRLブレーキマキシチャンバー85に供給され、RRブレーキ841、RLブレーキ851に供給されてバス1の後輪1cに制動力が付与される。このとき、第1ダブルチェックバルブ76は第1エア管路73のエアを第3エア管路86側への流通を遮断している。
次に、バス1が停留所等で停止して乗客の乗降のために中扉1bの扉が開状態とされたときや、バス1のアイドリングストップ中でA/Tのストールトルクが発生しなくなった場合に作動する第1及び第2ブレーキコントロールバルブ78、79の動作について説明する。
図7は第1及び第2ブレーキコントロールバルブ78、79の作動条件[ON]を示すロジック図である。38において中扉開閉操作S/W32開[ON]と、中扉1bの開閉状態を検知する中扉マイクロS/W39開[ON]の[AND]条件が必須となり、40において38又はISSスタンバイ信号[ON]のどちらか一方が[OR]条件となり、48において40の何れかと、非常走行S/W31通常[ON]と、車両停車信号41:車速≦1.7km/h[OFF]との夫々が[AND]になると第1及び第2ブレーキコントロールバルブ78、79が[ON](作動)になる。
ブレーキコントロールバルブは、ブレーキ作動制御ECU35からの出力信号に基づいて作動する。まず第1ブレーキコントロールバルブ78が開放(ON)された後、タイムラグリレー80によってその1秒後に第2ブレーキコントロールバルブ79が開放(ON)される。第1ブレーキコントロールバルブ78が開放されると、リヤ用エアタンク71からの高圧エアが第3エア管路86を流通し、第1ダブルチェックバルブ76及び、RWリレーバルブ52を介してマキシチャンバー84,85の夫々のB室側(図6参照)に供給され、プッシュロッド841が右側に移動して、RRブレーキ841,RLブレーキ851がバス1の後輪1cに制動力が付与される。尚、このとき、第1ダブルチェックバルブ76は第3エア管路86側のエアを第1エア管路73側への流通を遮断している。
そして、その1秒後に第2ブレーキコントロールバルブ79が開放されると、フロント用エアタンク72からの高圧エアが第4エア管路87を流通し、第2ダブルチェックバルブ77及び、FWリレーバルブ51を介してFR及び,FLブレーキチャンバー82,83に供給され、バス1の前輪1aに制動力が付与され、乗降客の安全が確保される。尚、このとき、第2ダブルチェックバルブ77は第4エア管路87側のエアを第2エア管路74側への流通を遮断している。
駐車ブレーキ8を作動させる場合は、ドライバーがハンドコントロールバルブ81をパーキング位置(図5参照)にレバーを操作することにより、リリースバルブ9に作用していた高圧エアがハンドコントロールバルブ81から大気中に開放され、マキシチャンバー84のA室側の高圧エアが第5エア管路88を介してリリースバルブ9から大気中に開放される。その結果、マキシチャンバー84のB室に充填されていた高圧エアは、エマージェンシ・ブレーキ・ポート846→第5エア管路88→リリースバルブ9→大気開放となり、ピストン91(図6参照)はスプリング92の伸長力によって右側(図6において)に移動して、駐車ブレーキ8が作動する。
(第1実施例)
続いて、図8を参照して、第1実施例に係る、ブレーキコントロールバルブ78,79及び駐車ブレーキ8を作動・解除する際の一連の制御方法について説明する。処理がステップS1からスタートすると、ステップS2において非常走行スイッチ31が[OFF]になっているかを判断する。ブレーキ装置作動制御ECU35に異常が発生した場合、非常走行スイッチは[ON]に切替えられ、NOを選択してステップS13に進む。このように非常走行スイッチが[ON]に切替えられると、ISS制御装置3及びブレーキ装置7の作動は禁止され、通常走行状態となる。一方、非常走行スイッチが[OFF]になっている場合は、後述するようにブレーキ装置7の作動が可能となる。
ステップS3において車両1が停止状態にあるか否かを判断する。ここで停止状態の判定は、車速センサ41で検知した車速が1.7km/h以下であるか否かを基準として判断される。NOの場合はステップS13に進み、処理を終了する。これは、車両1が停車しない状態で中扉1bを開放すると危険である。一方、車速が1.7km/h以下であり、車両が停止したと判断されるとYesを選択して、ステップS4に進む。
ステップS4では、中扉開閉操作S/W32が操作されたか否かを判断する。ここでは、ステップS3で車両1が停車したと判定されているので、ドライバーは乗客の乗降のため中扉開閉操作S/W32を操作する。操作がされない場合は、NOを選択してステップS13に進み、処理を終了する。
ステップS4にて中扉開閉操作S/W32の開操作が確認されると、Yesを選択してステップS5に進む。ドライバーは、この時点においてもブレーキペダル24は踏みつづけている。ステップS5では、車両が停車し、中扉1bを開状態にしても問題ない状態になっているので、中扉1bが開状態になっているか否かを、中扉マイクロS/W39の検知値が[ON]状態になっているか否かに基づいて判断する。開状態になっていない場合はNOを選択し、ステップS13に進む。
ステップS5にてYesの場合はステップS6に進み、A/T制御ECU90からA/Tがニュートラル状態である信号がエンジンECU6に入力される(図4を参照)。そして、第1及び第2ブレーキコントロールバルブ78,79をONさせる信号をブレーキ作動制御ECU35から出力する。その結果、ステップS7にてブレーキ装置7の第1及び第2ブレーキコントロールバルブ78,79が作動する。
ステップS7にて第1ブレーキコントロールバルブ78が開放されると、高圧エアはリヤ用エアタンク71→第1ダブルチェックバルブ76→RWリレーバルブ52→マキシチャンバー84,85の夫々のB室側(図6参照)に供給され、RRブレーキ841,RLブレーキ851がバス1の後輪1cに制動力が付与される。
そして、第2ブレーキコントロールバルブ79が開放されると、高圧エアはフロント用エアタンク72→第2ダブルチェックバルブ77→FWリレーバルブ51→FR及び,FLブレーキチャンバー82,83に供給され、バス1の前輪1aに制動力が付与され、乗降客の安全が確保される。
一方、バスターミナルでの乗客待ち、又は、路線経路での時間調整等で長い間(数分単位)の駐車の場合は、ステップS8に進み、運転者が駐車ブレーキ8を作動させるために駐車ブレーキ操作手段であるハンドコントロールバルブ81をパーキング位置(図5参照)に操作する。
ハンドコントロールバルブ81が操作ONになると、YESを選択してステップS9に進む。ハンドコントロールバルブ81のレバーをパーキング位置に操作すると、リリースバルブ9は、ハンドコントロールバルブ81側からリリースバルブ9に作用していた高圧エアがハンドコントロールバルブ81から大気中に開放されることにより、第5エア管路88側を大気開放する。従って、マキシチャンバー84のA室側の高圧エアは第5エア管路88を介してリリースバルブ9から大気中に開放される。その結果、マキシチャンバー84のB室に充填されていた高圧エアは、エマージェンシ・ブレーキ・ポート846→第5エア管路88→リリースバルブ9→大気開放となり、ピストン91(図6参照)はスプリング92の伸長力によって右側(図6において)に移動して、駐車ブレーキが作動する。このように、B室側の高圧エアによるブレーキ装置作動と、スプリング92の伸長力によるブレーキ装置作動とが同時に作動している状態になる。
続いてステップS10では、駐車ブレーキ8が作動しているか否かを判断する。この判断は、第6エア管路89に介装されたインジケータ用S/W37によってハンドコントロールバルブ81が操作されたか否かを判定することによって行われる。インジケータ用S/W37が[ON]信号の場合は、ハンドコントロールバルブ81が操作されたと判断し、YESを選択してステップS10に進む。一方、OFFの場合は、ハンドコントロールバルブ81の操作が行われたか、通信上のトラブルかを確認するためにステップS8に戻る。
ステップS11では、低圧警報解除S/W38の作動(低圧警報解除S/W38へ作用していた高圧エアの大気開放)によって、第5エア管路88内の高圧エアが大気開放されたか否かを判断する。ここでは、大気開放されたことにより、マキシチャンバー84のスプリング92が伸長したと判断して、マキシチャンバー84が作用したことを判断している。このようにステップS10及びS11では、駐車ブレーキ8の作動確認を、ハンドコントロールバルブ81の操作確認及び、低圧警報解除S/W38の作動の二重チェックすることにより行われている。
このように、ステップS10及びS11における二重チェックの結果、安全性が確認された場合、ブレーキコントロールバルブをOFFにして(ステップS12)、処理を終了する(ステップS13)。ステップS11を具体的に説明すると、FR及び、FLブレーキチャンバー82,83内の高圧エアはFWリレーバルブ51から大気開放され、ブレーキシュー842はリターンスプリング844によって戻され、ブレーキが解除される。また、RR及び、RLマキシチャンバー84,85のB室側に入っていた高圧エアは第5エア管路に介装されているRWリレーバルブ52から大気開放されるが、駐車ブレーキ8は、RR及び、RLマキシチャンバー84,85のスプリング92のピストン押圧力によってブレーキ力が維持されている。
一方、ステップS8にてNOが選択された場合、ステップS14にてA/T変速機がニュートラル以外であるか否かが判定される。A/T変速機がニュートラル以外である場合はYESを選択し、ステップS15にて中扉マイクロS/W39がOFF[閉]状態にあるか否かが判定される。ステップS15にて中扉マイクロS/W39がOFF[閉]状態にある場合はYESを選択し、処理をステップS12に進めて上述したように、ブレーキコントロールバルブをOFFする。
尚、ステップS14及びS15にてNOを選択した場合には、処理はステップS8に戻される。
(第2実施例)
続いて、図9を参照して、第2実施例に係る、ブレーキコントロールバルブ78,79及び駐車ブレーキ8を作動・解除する際の一連の制御方法について説明する。第2実施例では基本的に第1実施例と共通するステップについては同じ符号を付しており、重複する説明は適宜省略することとする。
第2実施例では、第1実施例のステップS11に代えて、ステップS16乃至S18が実施される。ステップS16ではエンジンECU6を経由して取得したN信号であるレンジアテンダント信号がOFFであるか否かに基づいて、A/T変速機がニュートラル状態以外になったか否かを判定する。レンジアテンダント信号がONの場合はNOを選択し、ステップS8に戻す。一方、レンジアテンダント信号がOFFの場合はYesを選択し、ステップS17に進める。
ステップS17では、A/T変速機から直接取得したN信号である実ギアN信号に基づいて、該オートマチックトランスミッションがニュートラル状態以外の状態であるか否かを判定する。実ギア信号がONの場合はNOを選択し、ステップS8に戻す。一方、実ギア信号がOFFの場合はYESを選択し、ステップS18に進める。このように、本実施例ではA/T変速機の変速段がニュートラル状態であるか否かの判定が、レンジアテンダント信号と実ギアN信号によって二重チェックされる。
そしてさらにステップS18では中扉マイクロS/W39がOFF状態(中扉1bが閉状態)であるか否かが判定される。中扉マイクロS/W39がONの場合は、中扉1bは開状態にあるため、車両1が動き出すと危険が生じるおそれがあるとして、ステップS7に戻してブレーキコントロールバルブの解除を行わない。一方、中扉マイクロS/W39がOFFの場合は、中扉1bは閉状態にあるため、車両1が動き出しても危険が生じるおそれがないとして処理をステップS12に進める。
このようにステップS18では、A/Tの変速段がニュートラル状態か否かの判断に加えて、中扉1bが閉状態にあるか否かを判定するようにしている。これによりドライバーの発進の意思の有無をより確実に判定することができるので、より安全性を向上させることができる。
このように、ステップS16及びS17における二重チェックの結果、安全性が確認された場合、ブレーキコントロールバルブをOFFにして(ステップS12)、処理を終了する(ステップS13)。
ここで図10は以上説明した第1及び第2実施例におけるブレーキコントロールバルブの解除制御(ステップS9〜S14に対応)をロジック図としてまとめたものである。60においてレンジアテンダント信号:N以外[OFF]と、実ギアN信号:N以外[OFF]と、中扉1bの開閉状態を検知する中扉マイクロS/W39:閉[OFF]とが、[AND]条件となっている。また62において、低圧警報解除S/W38:作動[OFF]と、インジケータ用S/W:作動[ON]とが[AND]条件となっている。そして、64において、非常走行S/W31が非常[OFF]、60、又は62が[OR]条件となり、いずれかが成立すると第1及び第2ブレーキコントロールバルブ78、79がOFF(解除)になる。
尚、図10の64に示すように、非常走行S/W31がONであることをOR条件として追加してもよい。
図10に示すように、A/Tがニュートラル状態であるか否かを判断するにあたって、レンジアテンダント信号と実ギアN信号について二重チェックしている。一方、駐車ブレーキが作動しているか否かを判断するにあたっても、ハンドコントロールバルブ81の操作確認及び、低圧警報解除S/W38の作動の二重チェックを行っている。このように、それぞれの条件について複数種類の判定を行うことによって、いずれかの制御信号線に誤検知や断線/短絡が発生した場合に、ブレーキ装置が不用意に解除されてしまう事態を回避することができ、良好な安全性が得られる。
以上説明したように、本実施例によれば、停車時にエンジンからの動力を遮断した際に車両の停止状態を維持するためにブレーキ装置を自動制御した場合、この自動制御を安全に解除するための条件として、(i)オートマチックトランスミッションがニュートラル以外に選択されることにより、ドライバーの発進の意思が確認されること、又は、(ii)ドライバーが作動させた駐車ブレーキが解除されることにより、ドライバーの発進の意思が確認されることが挙げられる。本発明では、これらの解除条件における判定を、多重化された制御信号に基づいて行うことによって、いずれかの制御信号線に誤検知や断線/短絡が発生した場合に、ブレーキ装置が不用意に解除されてしまう事態を回避することができ、良好な安全性が得られる。
本発明は、停車時にエンジンを自動停止して動力を遮断するアイドリングストップ装置を備えた車両において、動力遮断時に車両の停車状態を維持するためのブレーキ装置を安全に解除可能なブレーキ制御装置及び方法に利用可能である。
1 車両
1b 中扉
2 AT ECU
3 ISS制御装置
6 エンジンECU
7 ブレーキ装置
8 エア圧力センサ
9 リリースバルブ
21 メータークラスター
22 ISS装置メーンS/W
24 ブレーキペダル
51 FWリレーバルブ
52 RWリレーバルブ
70 デュアルブレーキバルブ
71 リヤ用エアタンク
72 フロント用エアタンク
73 第1エア管路
74 第2エア管路
76 第1ダブルチェックバルブ
77 第2ダブルチェックバルブ
78 第1ブレーキコントロールバルブ
79 第2ブレーキコントロールバルブ
81 ハンドコントロールバルブ
82 FRブレーキチャンバー
83 FWブレーキチャンバー
84 RRブレーキマキシチャンバー
85 RLブレーキマキシチャンバー

Claims (6)

  1. エンジンの動力をオートマチックトランスミッションを介して駆動輪に伝達して走行し、前記エンジンの動力を所定条件下で遮断する動力遮断システムを搭載した車両のブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置であって、
    前記動力遮断システムによって前記エンジンの動力が遮断された際に、前記ブレーキ装置を自動的に作動させて前記車両の停止状態を維持するように制御するブレーキ制御手段を備え、
    前記ブレーキ制御手段は、前記オートマチックトランスミッションから一の信号線を介して取得した第1のギア信号に基づいて、前記オートマチックトランスミッションがニュートラル状態でないと判定され、且つ、前記オートマチックトランスミッションから他の信号線を介して取得した第2のギア信号に基づいて、前記オートマチックトランスミッションがニュートラル状態でないと判定された場合に、前記ブレーキ制御手段による前記車両の停止状態の維持を解除することを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. エンジンの動力をオートマチックトランスミッションを介して駆動輪に伝達して走行し、前記エンジンの動力を所定条件下で遮断する動力遮断システムを搭載した車両のブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置であって、
    前記動力遮断システムによって前記エンジンの動力が遮断された際に、前記ブレーキ装置を自動的に作動させて前記車両の停止状態を維持するように制御するブレーキ制御手段と、
    前記車両の駐車ブレーキと、
    ドライバーが前記駐車ブレーキを操作するための駐車ブレーキ操作手段と、
    前記駐車ブレーキの実際の作動状態を検知する駐車ブレーキ作動状態検知手段と
    を備え、
    前記ブレーキ制御手段は、前記駐車ブレーキ操作手段によって前記駐車ブレーキの作動操作が行われたと判定され、且つ、前記駐車ブレーキ作動状態検知手段によって前記駐車ブレーキが実際に作動状態になったと検知された場合に、前記ブレーキ制御手段による前記車両の停止状態の維持を解除することを特徴とするブレーキ制御装置。
  3. 前記車両に搭載された乗降用の扉の開閉状態を検知する開閉状態検知手段を備え、
    前記ブレーキ制御手段は、更に前記開閉状態検知手段により前記扉が閉状態にあると検知された場合に、前記ブレーキ制御手段による前記車両の停止状態の維持を解除することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  4. 前記動力遮断システムは、前記車両に搭載された乗降用の扉が開状態である場合に前記A/T変速機をニュートラル状態に切り替えるA/T変速機動力カットシステムであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のブレーキ制御装置。
  5. エンジンの動力をオートマチックトランスミッションを介して駆動輪に伝達して走行し、前記エンジンの動力を所定条件下で遮断する動力遮断システムを搭載した車両のブレーキ装置を制御するブレーキ制御方法であって、
    前記動力遮断システムによって前記エンジンの動力が遮断された際に、前記ブレーキ装置を自動的に作動させて前記車両の停止状態を維持するように制御するブレーキ作動工程と、
    前記オートマチックトランスミッションから一の信号線を介して取得した第1のギア信号に基づいて、該オートマチックトランスミッションがニュートラル状態であるか否かを判定する第1のギア信号判定工程と、
    前記オートマチックトランスミッションから他の信号線を介して取得した第2のギア信号に基づいて、該オートマチックトランスミッションがニュートラル状態であるか否かを判定する第2のギア信号判定工程と、
    前記第1のギア信号に基づいて前記オートマチックトランスミッションがニュートラル状態でないと判定され、且つ、前記第2のギア信号に基づいて前記オートマチックトランスミッションがニュートラル状態でないと判定された場合に、前記ブレーキ制御手段による前記車両の停止状態の維持を解除するブレーキ解除工程と
    を備えたことを特徴とするブレーキ制御方法。
  6. エンジンの動力をオートマチックトランスミッションを介して駆動輪に伝達して走行し、前記エンジンの動力を所定条件下で遮断する動力遮断システムを搭載した車両のブレーキ装置を制御するブレーキ制御方法であって、
    前記動力遮断システムによって前記エンジンの動力が遮断された際に、前記ブレーキ装置を自動的に作動させて前記車両の停止状態を維持するように制御するブレーキ作動工程と、
    ドライバーが前記駐車ブレーキを操作するための駐車ブレーキ操作手段によって、前記駐車ブレーキの作動操作を行ったか否かを判定する解除操作判定工程と、
    前記駐車ブレーキの実際の作動状態を検知する駐車ブレーキ作動状態検知手段によって、前記駐車ブレーキの実際の作動状態を検知する作動状態検知工程と、
    前記駐車ブレーキの作動操作が行われたと判定され、且つ、前記駐車ブレーキが実際に作動状態になったと検知された場合に、前記ブレーキ制御手段による前記車両の停止状態の維持を解除するブレーキ解除工程と
    を備えたことを特徴とするブレーキ制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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