JP2013135120A - 表面実装型発光装置用樹脂成形体およびそれを用いた発光装置 - Google Patents

表面実装型発光装置用樹脂成形体およびそれを用いた発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】長期間連続成形を行っても金型表面の劣化を誘発しない白色熱硬化性組成物からなる表面実装型発光装置用樹脂パッケージおよび表面実装型発光装置を提供する。
【解決手段】光半導体素子を搭載するための凹部を有し、凹部の少なくとも一部が、白色顔料として酸化亜鉛を用いた白色熱硬化性組成物の成形体からなる表面実装型発光装置用樹脂成形体であって、白色熱硬化性組成物を加熱加圧成形し後硬化して得られる樹脂硬化体の460nmにおける光反射率が80%以上であり、金型リコートを必要としない連続成形回数が10000以上となる前記の白色熱硬化性組成物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は連続成形性に優れた白色熱硬化性組成物ならびにそれを用いた表面実装型発光装置用樹脂成形体および表面実装型発光装置に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、高性能化、多機能化に伴い、電子部品を基板上に高密度に実装することが行われている。高密度に実装するための電子部品としては、例えば、基板上の配線パターンにリフロー半田付け等により接続することが可能なSMD(Surface mounted device)が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
このような電子部品の一例であるLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)は、光半導体素子と蛍光体を組み合わせた光半導体装置であり、省電力で寿命が長い発光装置として注目されている。
白色熱硬化性組成物を用いた表面実装型発光装置用樹脂成形体は、光半導体素子の外周を取り囲むように備えられた壁面、および基板底部の電極間の充填部分に用いられ、発光素子から射出された光を反射させ上方へ導くリフレクタ−としての役割を果たす。このように、白色熱硬化性組成物からなる樹脂硬化体には十分な光反射性が求められる。
特許文献2には、可視光から近紫外光領域において高い反射率を有する白色熱硬化性組成物を用いた表面実装型発光装置用樹脂成形体が開示されている。また、特許文献3には、酸化チタンを充填し白色度を長く維持できる成形用樹脂組成物が開示されている。
特開2003−218398号公報 特開2006−140207号公報 特開2008−255338号公報
表面実装型発光装置を短時間に大量に製造するためには、前記白色熱硬化性組成物を加熱加圧成形、例えばトランスファー成形によってリードと一体成形する方法が一般的である。しかしながら、白色熱硬化性組成物に含まれる無機充填材成分の硬度に由来した金型摩耗が生じ、連続成形性に課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、連続成形性に優れた白色熱硬化性組成物からなる表面実装型発光装置用樹脂成形体、およびこれを用いた表面実装型発光装置を提供することを目的とする。
本発明は、下記(1)〜(4)に記載の事項をその特徴とするものである。
(1)光半導体素子を搭載するための凹部を有し、前記凹部の少なくとも一部が、白色熱硬化性組成物の成形体からなる表面実装型発光装置用樹脂成形体において、
前記の白色熱硬化性組成物を加熱加圧成形し後硬化して得られる樹脂硬化体の460nmの光反射率が80%以上であり、
表面コーティングまたは表面メッキ処理を施した金型を用いる加熱加圧成形において、金型リコートを必要としない連続成形回数が10000以上となる前記の白色熱硬化性組成物を用いてなり、
前記の白色熱硬化性組成物が、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)ポリオルガノシロキサン、(D)硬化促進剤、(E)無機充填剤、(F)白色顔料を必須成分として含むことを特徴とする、表面実装型発光装置用樹脂成形体。
(2)前記(C)成分のポリオリガノシロキサンの含有量が、前記(A)〜(C)成分を含む硬化性樹脂組成物全体の5〜60重量%の範囲である(1)に記載の表面実装型発光装置用樹脂成形体。
(3)前記(E)白色顔料が、酸化亜鉛であることを特徴とする、(1)〜(2)いずれか一項に記載の表面実装型発光装置用樹脂成形体。
(4)(1)〜(3)いずれか一項に記載の表面実装型発光装置用樹脂成形体と、該表面実装型発光装置用樹脂成形体に搭載された光半導体素子と、を有する、表面実装型発光装置。
本発明によれば、連続成形性と光反射性に優れた白色熱硬化性組成物を用いて表面実装型発光装置用樹脂成形体及びこれを用いた表面実装型発光装置を提供することができる。
本発明に係る樹脂成型体の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。 本発明に係る樹脂成型体の他の実施形態の構成を模式的に示す断面図である。 本発明に係る樹脂成型体の他の実施形態の構成を模式的に示す断面図である。 本発明に係る樹脂成型体の他の実施形態の構成を模式的に示す斜視図である。 本発明に係る樹脂成形体の製造方法により得られる樹脂成形体の構成を模式的に示す図面である図5(a)は上面図、図5(b)は部分拡大上面図および図5(c)は部分拡大断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[表面実装型発光装置用樹脂成形体]
本発明の表面実装型発光装置用樹脂成形体(以下特に断らない限り単に「樹脂成形体」とする)は、樹脂硬化体と複数のリードとが一体成形され、底部に複数のリードが露出する凹部を有することを特徴とする。
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂成形体1の構成を模式的に示す断面図である。樹脂成形体1は、複数のリードとしての第1リード10および第2リード11と、樹脂硬化体12とを備え、凹部13を有している。さらに、樹脂成形体1は、その厚み方向の側面の少なくとも一部に第1リード10および第2リード11が露出している。本実施形態の樹脂成形体1は、平面形状がほぼ正方形であり、かつ厚みを有する薄板状の形状を有し、その中心部分に開口形状がほぼ円形である凹部13を有している。凹部は光半導体素子を搭載するためのものであり、前記凹部の少なくとも一部が白色熱硬化性組成物の成形体からなる表面実装型発光装置用樹脂成型体を形成する。
第1リード10と第2リード11とは、正負一対であり、互いに離隔するように平行に配置され、かつ一体化されて図示しないフレーム単位を形成している。複数のフレーム単位を縦横に平行に配置して一体化することにより、リードフレームが構成される。リードフレームは、薄板状金属板に打ち抜き加工またはエッチング加工を施すことにより作製できる。リードフレームは、電気良導体である金属材料を用いて形成される。このような金属材料としては特に限定されないが、たとえば、鉄、リン青銅、銅合金などが挙げられる。リードの表面はめっき層を形成していてもよい。これにより、発光素子から発せられる光の反射率をさらに高めることができる。
めっきの材質としては、たとえば、金、銀、銅、アルミニウムなどが挙げられる。たとえば、めっき層が銀からなる場合は、その膜厚は特に限定されないが、0.5μm〜20μmであることが好ましく、1μm〜15μmであることが好ましい。
また、白色熱硬化性組成物を加圧成形し後硬化して得られる樹脂硬化体12の凹部開口面12cおよび凹部13の内壁面13bは、460nmにおける分光反射率が80%以上であり、このような樹脂硬化体12を用いることにより、樹脂成形体1を表面実装型発光装置に用いた場合の信頼性が顕著に向上する。
なお、上記のような加圧成形、特にトランスファー成形法に用いられる金型の表面処理法、具体的にはコーティングと表面メッキ処理について、および金型リコートを必要とする状態については、後に詳述する。
上記した各実施形態において、発光素子から発せられる光を反射するための樹脂硬化体を与える樹脂材料としては、特に限定されないが、トランスファー成形法を実施する観点からは、熱硬化性樹脂を用いるのが好ましい。熱硬化性樹脂としては、表面実装型発光装置の分野で使用されるものを特に限定なく使用できるが、たとえば、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ポリウレタンなどが挙げられる。熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂と後述のポリオルガノシロキサンを必須成分とし、さらに別の熱硬化性樹脂の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
たとえば、エポキシ樹脂((A)成分)と当量の酸無水物((B)成分)との混合物100重量部に、硬化促進剤0.1〜2重量部((D)成分)、助触媒0.5〜3重量部、白色顔料5〜30重量部((F)成分)および無機フィラー30〜70重量部((E)成分)及びポリオルガノシロキサン5〜65重量部((C)成分)を添加することにより得られるエポキシ樹脂組成物を使用できる。さらに、この組成物を加熱することにより部分的に硬化させてBステージ化したエポキシ樹脂組成物も使用できる。
(A)成分であるエポキシ樹脂 について詳細に説明する。
エポキシ樹脂としては、電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料で一般に使用されているものを用いることができる。エポキシ樹脂として、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のフェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS及びアルキル置換ビスフェノール等のジグリシジルエーテル、ジアミノジフェニルメタン及びイソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、並びに脂環族エポキシ樹脂が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート、及び、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸から誘導されるジカルボン酸ジグリシジルエステルが、比較的着色が少ないことから好ましい。同様の理由から、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ナジック酸及びメチルナジック酸等のジカルボン酸のジグリシジルエステルも好適である。芳香環が水素化された脂環式構造を有する核水素化トリメリット酸、核水素化ピロメリット酸等のグリシジルエステルも挙げられる。シラン化合物を有機溶媒、有機塩基及び水の存在下に加熱して、加水分解・縮合させることにより製造される、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンも挙げられる。
エポキシ樹脂は市販品を使用することもできる。例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートとして、セロキサイド2021、セロキサイド2021A、セロキサイド2021P(以上、ダイセル化学工業社製、商品名)、ERL4221、ERL4221D、ERL4221E(以上、ダウケミカル日本社製、商品名)を入手できる。また、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートとして、ERL4299(ダウケミカル日本社製、商品名)、EXA7015(大日本インキ化学工業社製、商品名)を入手できる。更に、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン又はリモネンジエポキシドとして、エピコートYX8000、エピコートYX8034、エピコートYL7170(以上、ジャパンエポキシレジン社製、商品名)、セロキサイド2081、セロキサイド3000、エポリードGT301、エポリードGT401、EHPE3150(以上、ダイセル化学工業社製)を、トリスグリシジルイソシアヌレートであるTEPIC(日産化学製、商品名)を入手可能である。
(硬化剤)
上記白色熱硬化性組成物は、(B)成分である硬化剤を含むことが好ましい。(B)成分としては、電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料で一般に使用されている硬化剤を用いることができる。このような(B)成分としては、エポキシ樹脂と反応するものであれば、特に限定されないが、着色の少ないものが好ましく、無色又は淡黄色であることがより好ましい。
このような(B)成分として、例えば、酸無水物系硬化剤、イソシアヌル酸誘導体系硬化剤、フェノール系硬化剤が挙げられる。酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、無水ジメチルグルタル酸、無水ジエチルグルタル酸、無水コハク酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸が挙げられる。イソシアヌル酸誘導体としては、1,3,5−トリス(1−カルボキシメチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレート、1,3−ビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレートが挙げられる。これらの硬化剤の中では、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸、無水ジメチルグルタル酸、無水ジエチルグルタル酸又は1,3,5−トリス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレートを用いることが好ましい。上記硬化剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせてもよい。
上述の(B)成分は、分子量が100〜400であることが好ましい。また、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香環を有する酸無水物よりも、芳香環の不飽和結合のすべてを水素化した酸無水物が好ましい。酸無水物系硬化剤として、ポリイミド樹脂の原料として一般的に知られているような酸無水物を用いてもよい。
本発明に係る白色熱硬化性組成物において、硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、1〜150質量部であることが好ましく、50〜120質量部であることがより好ましい。
また、硬化剤は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、当該エポキシ基との反応可能な硬化剤中の活性基(酸無水物基又は水酸基)が0.5〜0.9当量となるように配合することが好ましく、0.7〜0.8当量となることがより好ましい。上記活性基が0.5当量未満では、白色熱硬化性組成物の硬化速度が遅くなると共に、得られる硬化体のガラス転移温度が低くなり、充分な弾性率が得られ難くなる傾向がある。一方、上記活性基が0.9当量を超えると、硬化後の強度が低下する傾向がある。
(ポリオルガノシロキサン)
上記A成分およびB成分とともに用いられるポリオルガノシロキサン(C成分)は、上記エポキシ樹脂(A成分)と混合可能なものであればよく、各種ポリオルガノシロキサン、すなわち、固体または常温で液体のポリオルガノシロキサンを用いることができる。本発明において用いられるポリオルガノシロキサンは、樹脂組成物の硬化物中に、ナノ単位で均一に分散可能なものであればよい。
このようなポリオルガノシロキサン(C成分)としては、例えば、そのポリオルガノシロキサンの構成成分となるシロキサン単位が、下記の一般式(1)で表されるものがあげられる。そして、一分子中に少なくとも一個のケイ素原子に結合した水酸基またはアルコキシ基を有し、ケイ素原子に結合した一価の炭化水素基(R)中、10モル%以上が置換または未置換の芳香族炭化水素基であるものがあげられる。
m (OR1n SiO(4-m-n)/2 ・・・(1)
〔式(1)中、Rは炭素数1〜18の置換または未置換の飽和一価炭化水素基であり、同じであっても異なっていてもよい。また、R1 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、同じであっても異なっていてもよい。さらに、m,nは各々0〜3の整数である。〕。
上記式(1)において、炭素数1〜18の置換または未置換の飽和一価炭化水素基であるRのうち、未置換の飽和一価炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状または分岐状のアルキル基や、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ジシクロペンチル基、デカヒドロナフチル基等のシクロアルキル基、さらに芳香族基として、フェニル基、ナフチル基、テトラヒドロナフチル基、トリル基、エチルフェニル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基等があげられる。
一方、上記式(1)のRにおいて、置換された飽和一価炭化水素基としては、具体的には、炭化水素基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、エポキシ基等によって置換されたものがあげられ、具体的には、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、クロロフェニル基、ジブロモフェニル基、ジフルオロフェニル基、β−シアノエチル基、γ−シアノプロピル基、β−シアノプロピル基等の置換炭化水素基等があげられる。
そして、上記ポリオルガノシロキサン(C成分)として、先のエポキシ樹脂(A成分)との親和性および得られる樹脂組成物の特性の点から、上記式(1)中のRとして好ましいものは、アルキル基またはアリール基であり、上記アルキル基の場合、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基として先に例示したものであり、特に好ましいのはメチル基である。また、アリール基として特に好ましいのはフェニル基である。上記式(1)中のRとして選択されるこれら基は、同一のシロキサン単位の中で、またはシロキサン単位の間で同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記ポリオルガノシロキサン(C成分)では、例えば、上記式(1)で表されるその構造において、ケイ素原子に結合した一価の炭化水素基(R)は、その10モル%以上が芳香族炭化水素基から選択されることが好ましい。すなわち、芳香族炭化水素基が少なすぎると、エポキシ樹脂との親和性が不充分であるためにポリオルガノシロキサンをエポキシ樹脂中に溶解,分散させた場合に不透明となり、得られる樹脂組成物の硬化物においても耐光劣化性および物理的な特性において充分な効果が得られないという傾向がみられるからである。このような芳香族炭化水素基の含有量は、より好ましくは30モル%以上であり、特に好ましくは40モル%以上である。なお、上記芳香族炭化水素基の含有量の上限は、100モル%である。
また、上記式(1)の(OR1 )は、水酸基またはアルコキシ基であって、(OR1 )がアルコキシ基である場合のR1 としては、具体的には、前述のRについて例示したアルキル基において炭素数1〜6のものである。より具体的には、R1 としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基があげられる。これらの基は、同一のシロキサン単位の中で、またはシロキサン単位の間で同一であってもよいし、異なっていてもよい。
さらに、上記ポリオルガノシロキサン(C成分)は、その一分子中に少なくとも一個のケイ素原子に結合した水酸基またはアルコキシ基、すなわち、ポリオルガノシロキサンを構成するシロキサン単位の少なくとも一個に式(1)の(OR1 )基を有することが好ましい。すなわち、上記水酸基またはアルコキシ基を有しない場合には、エポキシ樹脂との親和性が不充分となり、またその機構は定かではないもののこれら水酸基またはアルコキシ基がエポキシ樹脂の硬化反応のなかで何らかの形で作用するためと考えられるが、得られる樹脂組成物により形成される硬化物の物理的特性も充分なものが得られ難い。そして、上記ポリオルガノシロキサン(C成分)において、ケイ素原子に結合した水酸基またはアルコキシ基の量は、好ましくは、OH基に換算して0.1〜15重量%の範囲に設定され、より好ましくは1〜10重量%である。すなわち、水酸基またはアルコキシ基の量が上記範囲を外れると、エポキシ樹脂(A成分)との親和性に乏しくなり、特に多すぎると(例えば、15重量%を超える)、自己脱水反応や脱アルコール反応を生じる可能性があるからである。
上記式(1)において、繰り返し数mおよびnは、それぞれ0〜3の整数である。そして、上記繰り返し数mおよびnがとりうる数は、シロキサン単位毎に異なるものであり、上記ポリオルガノシロキサンを構成するシロキサン単位を、より詳細に説明すると、下記の一般式(2)〜(5)で表されるA1〜A4単位があげられる。
A1単位:(R)3 SiO1/2 ・・・(2)
A2単位:(R)2 (OR1n SiO(2-n)/2 ・・・(3)
〔式(3)において、nは0または1である。〕
A3単位:(R)(OR1 n SiO(3-n)/2 ・・・(4)
〔式(4)において、nは0,1または2である。〕
A4単位:(OR1n SiO(4-n)2 ・・・(5)
〔式(5)において、nは0〜3の整数である。〕
〔上記式(2)〜(5)において、Rは炭素数1〜18の置換または未置換の飽和一価炭化水素基であり、同じであっても異なっていてもよい。また、R1 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、同じであっても異なっていてもよい。〕
すなわち、前記式(1)のmにおいて、m=3の場合が上記式(2)で表されるA1単位に、m=2の場合が上記式(3)で表されるA2単位に、m=1の場合が上記式(4)で表されるA3単位に、m=0の場合が上記式(5)で表されるA4単位にそれぞれ相当する。このなかで、上記式(2)で表されるA1単位は1個のシロキサン結合のみであって末端基を構成する構造単位であり、上記式(3)で表されるA2単位は、nが0の場合には2個のシロキサン結合を有し線状のシロキサン結合を構成する構造単位であり、上記式(4)で表されるA3単位においてnが0の場合、および上記式(5)で表されるA4単位においてnが0または1の場合には、3個または4個のシロキサン結合を有することができ、分岐構造または架橋構造に寄与する構造単位である。
さらに、上記ポリオルガノシロキサン(C成分)において、上記式(2)〜(5)で表される各A1〜A4単位の構成割合が、下記の(a)〜(d)の割合に設定されていることが好ましい。
(a)A1単位が0〜30モル%
(b)A2単位が0〜80モル%
(c)A3単位が20〜100モル%
(d)A4単位が0〜30モル%
より好ましくはA1単位およびA4単位が0モル%、A2単位が5〜70モル%、A3単位が30〜100モル%である。すなわち、各A1〜A4単位の構成割合を上記範囲に設定することにより、硬化物に適度な硬度や弾性率を付与(維持)することができるという効果が得られるようになり一層好ましい。
上記ポリオルガノシロキサン(C成分)は、上記各構成単位が相互にまたは連なって結合しているものであって、そのシロキサン単位の重合度は、6〜10,000の範囲であることが好ましい。そして、上記ポリオルガノシロキサン(C成分)の性状は、重合度および架橋度によって異なり、液状または固体状のいずれであってもよい。
このような式(1)で表されるシロキサン単位を有するポリオルガノシロキサン(C成分)は、公知の方法によって製造することができる。例えば、オルガノシラン類およびオルガノシロキサン類の少なくとも一方を、トルエン等の溶媒存在下で加水分解する等の反応によって得られる。特に、オルガノクロロシラン類またはオルガノアルコキシシランを加水分解縮合する方法が一般的に用いられる。ここで、オルガノ基は、アルキル基やアリール基等の前記式(1)中のRに相当する基である。前記式(2)〜(5)で表されるA1〜A4単位は、それぞれ原料として用いるシラン類の構造と相関関係にあり、例えば、クロロシランの場合は、トリオルガノクロロシランを用いると前記式(2)で表されるA1単位が、ジオルガノジクロロシランを用いると前記式(3)で表されるA2単位が、オルガノクロロシランを用いると前記式(4)で表されるA3単位が、テトラクロロシランを用いると前記式(5)で表されるA4単位がそれぞれ得られる。また、上記式(1),(3)〜(5)において、(OR1 )として示されるケイ素原子の置換基は、縮合されなかった加水分解の残基である。
また、上記ポリオルガノシロキサン(C成分)が、常温で固形を示す場合は、軟化点(流動点)は樹脂組成物との溶融混合の観点から、150℃以下であることが好ましく、特に好ましくは120℃以下である。
上記ポリオルガノシロキサン(C成分)の含有量は、上記(A)〜(C)成分を含む有機成分全体の5〜60重量%の範囲に設定することが好ましい。特に好ましくは、その線膨張係数が大きくなることを考慮して、10〜40重量%の範囲である。すなわち、C成分の含有量が少なすぎると、耐熱性および耐光劣化性が低下する傾向がみられ、C成分の含有量が多すぎると、得られる樹脂組成物の硬化物自身の脆さが顕著となる傾向がみられるからである。
(硬化促進剤)
上記白色熱硬化性組成物は、硬化反応を促進するために、(D)成分である硬化促進剤を含むことが好ましい。(D)成分としては、例えば、アミン化合物、イミダゾール化合物、有機リン化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、第4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの(D)成分の中でも、アミン化合物、イミダゾール化合物又は有機リン化合物を用いることが好ましい。アミン化合物としては、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリ−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノールが挙げられる。また、イミダゾール化合物として、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾールが挙げられる。更に、有機リン化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−テトラフルオロボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−テトラフェニルボレートが挙げられる。これらの(D)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記(D)成分の配合量は、(A)成分エポキシ樹脂100質量部に対して、0.01〜8質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることがより好ましい。(D)成分の配合量が、0.01質量部未満では、十分な硬化促進効果を得られない場合があり、8質量部を超えると、得られる硬化物に変色が見られる場合がある。
(無機充填材)
本発明の(E)成分は無機充填材である。(E)成分は、得られる樹脂硬化体の強度や硬度を高くしたり、線膨張率を低減化したりする効果を有する。
(E)成分の無機充填材としては、従来のエポキシ系などの封止材の充填材として一般に使用および/または提案されている各種無機充填材が用いられるが、たとえば、石英、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカなどのシリカ系無機充填材、アルミナ、ジルコン、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、マイカ、黒鉛、カーボンブラック、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、無機バルーン、銀粉などが挙げられる。無機充填材としては、半導体素子へダメージを与え難いという観点からは、低放射線性であることが好ましい。
無機充填材は適宜表面処理してもよい。表面処理としては、カップリング剤による処理、アルキル化処理、トリメチルシリル化処理、シリコーン処理などが挙げられる。
この場合のカップリング剤の例としては、シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなどのエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシランなどのメタクリル基またはアクリル基を有するアルコキシシラン類などが挙げられる。
その他にも、無機化合物を添加する方法が挙げられる。たとえば、本発明で用いる熱硬化性樹脂に無機化合物を添加して、熱硬化性樹脂中または熱硬化性樹脂の部分反応物中で反応させ、熱硬化性樹脂中で無機充填材を生成させる方法が挙げられる。
このような無機化合物としては、アルコキシシラン、アシロキシシラン、ハロゲン化シランなどの加水分解性シランモノマーまたはオリゴマー、チタン、アルミニウムなどの金属のアルコキシド、アシロキシド、ハロゲン化物などが挙げられる。
以上のような無機充填材のうち、硬化反応を阻害し難く、線膨張係数の低減化効果が大きく、リードまたはリードフレームとの接着性が高くなりやすいという観点からは、シリカ系無機充填材が好ましい。さらに、成形性、電気特性などの物性バランスがよいという観点からは、溶融シリカが好ましく、樹脂硬化体の熱伝導性が高くなり易く、放熱性の高い樹脂成形体設計が可能になるという観点からは、結晶性シリカが好ましい。より放熱性が高くなり易いという観点からは、アルミナが好ましい。補強効果が高く、樹脂成形体の強度が高くなり易いという観点からは、ガラス繊維、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウムが好ましい。
無機充填材の平均粒径や粒径分布としては、エポキシ系などの従来の封止材の充填材として使用および/または提案されているものをはじめ、特に限定なく各種のものが用いられるが、通常用いられる平均粒径は0.1μm〜120μmであり、流動性が良好になりやすいという観点から好ましくは0.5μm〜60μm、より好ましくは0.5μm〜15μmである。
無機充填材の比表面積についても、エポキシ系などの従来の封止材の充填材として使用および/または提案されているものをはじめ、各種設定できる。
無機充填材の形状としては、破砕状、片状、球状、棒状など、各種のものが用いられる。アスペクト比も種々のものが用いられる。得られる樹脂硬化体の強度が高くなりやすいという観点からは、アスペクト比が10以上のものが好ましい。また、樹脂のなど方性収縮の観点からは、繊維状よりは粉末状が好ましい。高充填時にも成形時の流れ性がよくなり易いという観点からは、球状のものが好ましい。
上記した各種の無機充填材は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
(E)成分の使用量は特に限定されないが、白色熱硬化性組成物全体に占める(E)成分の合計の量が70重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましい。(E)成分の量が少ないと、強度や硬度を向上させる効果、線膨張率を低減化する効果などが得られにくくなる。
(E)成分の無機充填材を混合する手段としては、従来エポキシ樹脂などに用いられおよび/または提案されている種々の手段を用いることができる。たとえば、2本ロール、3本ロール、遊星式撹拌脱泡装置、ホモジナイザー、ディゾルバー、プラネタリーミキサーなどの撹拌機、プラストミルなどの溶融混練機などが挙げられる。これらのうち、高充填であっても無機充填材の十分な分散性が得られやすいという観点からは、3本ロール、溶融混練機が好ましい。無機充填材の混合は、常温で行ってもよいし加熱して行ってもよい。また、常圧下に行ってもよいし減圧状態で行ってもよい。高充填であっても無機充填材の十分な分散性が得られやすいという観点からは、加熱状態で混合することが好ましく、無機充填材表面の塗れ性を向上させ、十分な分散性が得られやすいという観点からは、減圧状態で混合することが好ましい。
(白色顔料)
白色熱硬化性組成物は、(F)成分を含有する。(F)成分は白色顔料であり、得られる樹脂硬化体の光線反射率を高める効果を有する。(F)成分としては種々のものを用いることができ、たとえば、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化ストロンチウム、酸化ニオブ、窒化ホウ素、チタン酸バリウム、硫化亜鉛、硫酸バリウム、無機中空粒子などが挙げられる。無機中空粒子としては、たとえば、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、シラスなどが挙げられる。
代表的な白色顔料のモース硬度は、酸化亜鉛(4〜5)、酸化チタン(7〜7.5)、酸化マグネシウム(6.5)、酸化アンチモン(3)、酸化ジルコニウム(6)、酸化ストロンチウム(6.5〜7)、酸化ニオブ(5〜6)、窒化ホウ素(9)、チタン酸バリウム(7)、硫化亜鉛(3.5〜4)、硫酸バリウム(3.5)、炭酸マグネシウム(3.5〜4)であり、連続成形時の金型劣化を抑制させるためにはモース硬度が低いほうが良い。このましいモース硬度は6.5以下、さらに好ましいモース硬度は6以下、より好ましくは5以下である。
酸化亜鉛が物性や取り扱いの容易性および入手性、コストの観点や光反射率の高さ、金型劣化の程度が低く、かつ好ましいモース硬度であるため連続性成形が高いという点で好ましい。
(F)成分の酸化亜鉛は樹脂組成物の白色性、光反射用、高強度、高弾性率、高粘度などの特性を同時に付与することができるとの観点から、酸化亜鉛が特に好ましい。酸化亜鉛としては、亜鉛華、活性亜鉛華、酸化亜鉛一種粉末、酸化亜鉛二種粉末、酸化亜鉛三種粉末、酸化亜鉛ウイスカーなどを好ましく用いることができる。中でも、不純物が少なく安価で大量入手が可能であることから、酸化亜鉛一種粉末を好ましく用いることができる。
(F)成分の平均粒径としては特に限定されず、種々のものが用いられるが、得られる樹脂硬化体の分光反射率が高くなりやすく、また白色熱硬化性組成物のタブレットがより硬くなるという観点からは、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.25μm以下である。白色熱硬化性組成物のタブレットについては後述する。一方、白色熱硬化性組成物の流動性が高いという観点からは、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上である。平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布計を用いて測定することができる。
(F)成分は表面処理が施されていても良い。(F)成分の表面処理では、(F)成分の表面に無機化合物および有機化合物から選ばれる少なくとも1種を被覆する。無機化合物としては、たとえば、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、スズ化合物、チタニウム化合物、アンチモン化合物などが挙げられ、また、有機化合物としては、多価アルコール、アルカノールアミン又はその誘導体、有機シロキサンなどの有機ケイ素化合物、高級脂肪酸およびその金属塩、有機金属化合物などが挙げられる。
(F)成分表面への無機化合物や有機化合物の被覆は、湿式法や乾式法の公知の方法を用いて、たとえば酸化チタンを乾式粉砕する際、湿式粉砕する際またはスラリー化する際に行うことができる。他にも、液相法、気相法など、種々の方法が挙げられる。
これらのなかでは、得られる樹脂硬化体の分光反射率が高く、耐熱性および耐光性が良好になる観点から、有機シロキサンで処理されていることが好ましい。また、有機シロキサン処理された酸化チタンを含有させることにより、光取り出し効率が高く、長期間使用しても光取り出し効率が低下しない優良な発光装置を得ることができる。
ここで、有機シロキサン処理剤としては種々のものを使用でき、たとえば、シランカップリング剤や、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザンなどが挙げられる。シランカップリング剤としては各種シラン類を使用でき、たとえば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルハイドロジェンシロキサン、それらの2種以上の共重合体などのポリシロキサン類、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘプタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンなどのシクロシロキサン類、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシランなどのクロロシラン類、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなどのエポキシ官能基を有するシラン類、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシランなどのメタクリル基またはアクリル基を有するシラン類、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシランなどのビニル基を有するシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのメルカプトシラン類、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するシラン類、イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基を有するシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシランなどのアルキル基を有するシラン類、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランなどのその他のシラン類などが挙げられる。これらの有機シロキサン処理剤の中でも、炭素−炭素二重結合を含まないものが好ましい。炭素−炭素二重結合を含むと、耐熱性が低下しやすくなる。また、有機シロキサン以外の表面処理剤を併用することも可能である。このような表面処理剤としては、Al、Zr、Znなどが挙げられる。
また、(F)成分は、無機化合物により表面処理されていてもよい。無機化合物による表面処理方法としては特に限定されず、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物などを用いる、種々の表面処理方法が挙げられる。表面処理の方法としても各種方法を適用することができ、湿式法、乾式法、液相法、気相法など、種々の方法が例示できる。酸化チタンは、耐久性を向上させ、媒体との親和性を向上させ、さらには粒子形状の崩れを防止するなどの目的で無機化合物、有機化合物で表面処理する場合がある。(F)成分を無機化合物で表面処理することにより、白色熱硬化性組成物に含まれる各成分との親和性が向上し、(F)成分の白色熱硬化性組成物に対する分散性が良くなり、樹脂硬化体の強度が向上すると考えられる。
(F)成分の使用量は、特に限定されないが、白色熱硬化性組成物全体に占める(F)成分の量が10重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましく、20重量%以上であることがさらに好ましい。10重量%未満であると、得られる樹脂硬化体の光線反射率が低下することがある。
(E)成分および(F)成分の合計量は特に限定されないが、白色熱硬化性組成物全体に占める(E)成分および(F)成分の合計量が85重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましい。(E)成分および(F)成分の合計量が少ないと、強度や硬度を高くする効果や、線膨張率を低減化する効果が得られにくくなる。
(F)成分の混合の順序としては、各種方法をとることができるが、好ましい態様は、既に説明した(E)と同様である。また、(E)成分と(F)成分とは同時に添加してもよい。(F)成分を混合する手段としては、(E)成分を混合する手段と同様の手段を用いることかできる。
白色熱硬化性組成物は、(G)成分を含有することが望ましい。(G)成分は金属石鹸であり、白色熱硬化性組成物の離型性をはじめとする成形性を改良するために添加される。
(G)成分としては、従来使用されている各種金属石鹸があげられる。ここでいう金属石鹸とは、一般に長鎖脂肪酸と金属イオンが結合したものであり、脂肪酸に基づく無極性または低極性の部分と、金属との結合部分に基づく極性の部分を一分子中に併せて持っていれば本発明で使用できる。長鎖脂肪酸としては、たとえば、炭素数1〜18の飽和脂肪酸、炭素数3〜18の不飽和脂肪酸、脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらの中では、入手性が容易であり、工業的実現性が高いという観点からは、炭素数1〜18の飽和脂肪酸が好ましく、さらに、離型性の効果が高いという観点からは、炭素数6〜18の飽和脂肪酸がより好ましい。金属イオンとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、コバルト、アルミニウム、ストロンチウムなどのイオンが挙げられる。
金属石鹸をより具体的に例示すれば、ステアリン酸リチウム、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、ラウリン酸リチウム、オレイン酸リチウム、2−エチルヘキサン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、12−ヒドロキシステアリン酸カリウム、ラウリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、2−エチルヘキサン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、12−ヒドロキシステアリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、オレイ
ン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、12−ヒドロキシステアリン酸鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸マンガン、リシノール酸バリウムなどが挙げられる。これらの金属石鹸の中では、入手性が容易であり、安性が高く、工業的実現性が高いという観点から、ステアリン酸金属塩類が好ましく、特に経済性の観点からは、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸亜鉛からなる群から選択される1つ以上のものが最も好ましい。
金属石鹸の添加量は特に制限はないが、白色熱硬化性組成物全体100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜5重量部、より好ましくは0.025重量部〜4重量部、さらに好ましくは0.05重量部〜4重量部である。添加量が多すぎる場合は、得られる樹脂硬化体の物性が低下し、添加量が少なすぎる場合は、金型離型性が得られないことがある。
白色熱硬化性組成物には種々の添加剤を添加することができる。添加剤としては、表面実装型発光装置用の樹脂硬化体に用いられる各種の添加剤をいずれも使用でき、たとえば、硬化遅延剤、接着性改良剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、溶剤、発光素子のための添加剤、離型剤などが挙げられる。
接着性改良剤としては、たとえば、一般に用いられている接着剤、種々のカップリング剤、エポキシ化合物、フェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン−フェノール樹脂、α−メチルスチレン−ビニルトルエン共重合体、ポリエチルメチルスチレン、芳香族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
(H)成分としてカップリング剤を含むことができる。(H)成分のカップリング剤としては、たとえば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤などが挙げられる。(H)成分の例や好ましい例は、上記したものと同じである。これらの(H)成分は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。(H)成分の添加量は種々設定できるが、(A)成分と(B)成分との合計量100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜50重量部、より好ましくは0.5重量部〜25重量部である。添加量が少ないと、接着性改良効果が表れず、添加量が多いと、得られる樹脂硬化体の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
接着性改良剤として用いるエポキシ化合物としては、たとえば、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられる。これらのエポキシ化合物は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、本発明においては、上記したカップリング剤やエポキシ化合物の効果を高めるために、さらにシラノール縮合触媒を用いることができる。これにより、接着性の向上および/または安定化が可能である。このようなシラノール縮合触媒としては特に限定されないが、ほう素系化合物、アルミニウム系化合物およびチタン系化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
シラノール縮合触媒となるアルミニウム系化合物としては、アルミニウムトリイソプロポキシド、sec−ブトキシアルミニウムジイソフロポキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシドなどのアルミニウムアルコキシド類:、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミキレートM(川研ファインケミカル製、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)などのアルミニウムキレート類などが挙げられる。取扱い性の観点からは、アルミニウムキレート類がより好ましい。シラノール縮合触媒となるチタン系化合物としては、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタンなどのテトラアルコキシチタン類:チタンテトラアセチルアセトナートなどのチタンキレート類:オキシ酢酸やエチレングリコールなどの残基を有する一般的なチタネートカップリング剤が挙げられる。
シラノール縮合触媒となるほう素系化合物としては、ほう酸エステルが挙げられる。ほう酸エステルとしては下記一般式(I)、(II)で示されるものを好適に用いることが出来る。
B(OR13 (I)
B(OCOR13 (II)
(式中R1は炭素数1〜48の有機基を表す。)
ほう酸エステルの具体例として、ほう酸トリ−2−エチルヘキシル、ほう酸ノルマルトリオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリフェニル、トリメチレンボレート、トリス(トリメチルシリル)ボレート、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリ−sec−ブチル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリアリル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリメチル、ほう素メトキシエトキサイドなどが挙げられる。これらほう酸エステルは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いても良い。混合は事前に行っても良く、また樹脂硬化体の作製時に混合しても良い。
これらほう酸エステルのうち、容易に入手でき、工業的実用性が高いという観点からは、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリノルマルブチルが好ましく、なかでもほう酸トリメチルがより好ましい。
硬化時の揮発性を抑制できるという観点からは、ほう酸ノルマルトリオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリフェニル、トリメチレンボレート、トリス(トリメチルシリル)ボレート、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリ−sec−ブチル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリアリル、ほう素メトキシエトキサイドが好ましく、なかでもほう酸ノルマルトリオクタデシル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリフェニル、ほう酸トリノル
マルブチルがより好ましい。
揮発性の抑制、および作業性がよいという観点からは、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピルが好ましく、なかでもほう酸トリノルマルブチルがより好ましい。また、高温下での着色性が低いという観点からは、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチルが好ましく、なかでもほう酸トリメチルがより好ましい。
シラノール縮合触媒の使用量は種々設定できるが、カップリング剤および/またはエポキシ化合物100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜50重量部、より好ましくは1重量部〜30重量部である。添加量が少ないと、接着性改良効果が表れず、添加量が多いと、樹脂硬化体の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
これらのシラノール縮合触媒は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、本発明においては接着性改良効果をさらに高めるために、さらにシラノール源化合物を用いることができる。これにより、接着性の向上および/または安定化が可能である。このようなシラノール源化合物としては、たとえば、トリフェニルシラノール、ジフェニルジヒドロキシシランなどのシラノール化合物、ジフェニルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン類などが挙げられる。これらのシラノール源化合物は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
シラノール源化合物の使用量は種々設定できるが、カップリング剤および/またはエポキシ化合物100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜50重量部、より好ましくは1重量部〜30重量部である。添加量が少ないと、接着性改良効果が表れず、添加量が多いと、得られる樹脂硬化体の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明においてはカップリング剤やエポキシ化合物の効果を高めるために、カルボン酸類および酸無水物類から選ばれる少なくとも1種を使用できる。これにより、接着性の向上および/または安定化が可能である。このようなカルボン酸類および酸無水物類としては特に限定されないが、下記に示される各カルボン酸、
2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、メチルシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルハイミック酸、ノルボルネンジカルボン酸、水素化メチルナジック酸、マレイン酸、アセチレンジカルボン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、桂皮酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、およびそれらの単独あるいは複合酸無水物が挙げられる。これらのカルボン酸類および/または酸無水物類は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
カルボン酸類および/または酸無水物類の使用量は種々設定できるが、カップリング剤および/またはエポキシ化合物100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜50重量部、より好ましくは1重量部〜10重量部である。添加量が少ないと、接着性改良効果が表れず、添加量が多いと、樹脂硬化体の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明の白色熱硬化性組成物には、上記のシラン化合物を使用することができる。シラン化合物は、リードとの密着性向上に寄与し、樹脂硬化体とリードとの界面からの水分の浸入の防止に効果的である。このようなシラン化合物の具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシランなどが挙げられ、中でも特にジメチルジメトキシシランが好ましい。
老化防止剤としては、ヒンダートフェノール系など一般に用いられている老化防止剤の他、クエン酸やリン酸、硫黄系老化防止剤などが挙げられる。
ヒンダートフェノール系老化防止剤としては、チバスペシャリティーケミカルズ社から入手できるイルガノックス1010をはじめとして、各種のものが用いられる。
硫黄系老化防止剤としては、メルカプタン類、メルカプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類や、ヒンダードフェノール系スルフィド類を含むスルフィド類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類、スルホキシド類などが挙げられる。これらの老化防止剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
ラジカル禁止剤としては、たとえば、2,6−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェノール(BHT)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス(メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンなどのフェノール系ラジカル禁止剤や、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系ラジカル禁止剤などが挙げられる。これらのラジカル禁止剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
紫外線吸収剤としては、たとえば、2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケートなどが挙げられる。紫外線吸収剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
白色熱硬化性組成物は溶剤に溶解して用いることも可能である。使用できる溶剤は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶剤、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶剤を好適に用いることができる。これらの中でも、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。これらの溶剤は1種を単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
溶剤の使用量は適宜設定できるが、用いる白色熱硬化性組成物1gに対して、好ましくは0.1mL〜10mLである。使用量が少ないと、低粘度化などの溶媒を用いることの効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラックなどの問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。
発光素子のための添加剤は、たとえば、発光素子の種々の特性を改善するために用いられる。添加剤としては、たとえば、発光素子からの光を吸収してより長波長の蛍光を出す、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体などの蛍光体、特定の波長を吸収するブルーイング剤などの着色剤、光を拡散させるための酸化チタン、酸化アルミニウム、メラミン樹脂、CTUグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などのような拡散材、アルミノシリケートなどの金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ボロンなどの金属窒化物などの熱伝導性充填材などが挙げられる。これらの添加剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。また、これらの添加剤は、均一に含有させても良いし、含有量に傾斜を付けて含有させてもよい。
離型剤は、白色熱硬化性組成物の成形時の離型性を改良するために用いられる。離型剤としては、既に説明した(G)成分や、ワックス類などが挙げられる。ワックス類としては、天然ワックス、合成ワックス、酸化または非酸化のポリオレフィン、ポリエチレンワックスなどが挙げられる。尚、離型剤を添加しなくても十分な離型性が得られる場合には離型剤は用いない方がよい。
白色熱硬化性組成物には、その他、着色剤、難燃剤、難燃助剤、界面活性剤、消泡剤、乳化剤、レベリング剤、はじき防止剤、アンチモン−ビスマスなどのイオントラップ剤、チクソ性付与剤、粘着性付与剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、反応性希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、熱伝導性付与剤、物性調整剤などを本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
さらに、白色熱硬化性組成物には、特性を改質するなどの目的で、種々の熱可塑性樹脂を添加することも可能である。熱可塑性樹脂としては種々のものを用いることができるが、たとえば、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレートと他モノマーとのランダム、ブロックまたはグラフト重合体などのポリメチルメタクリレート系樹脂(たとえば日立化成社製オプトレッツなど)、ブチルアクリレートの単独重合体、ブチルアクリレートと他モノマーとのランダム、ブロックまたはグラフト重合体などのポリブチルアクリレート系樹脂などに代表されるアクリル系樹脂;ビスフェノールA、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデンビスフェノールなどをモノマー構造として含有するポリカーボネート樹脂などのポリカーボネート系樹脂(たとえば帝人社製APECなど);ノルボルネン誘導体、ビニルモノマーなどを単独重合または共重合した樹脂、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂、その水素添加物などのシクロオレフィン系樹
脂(たとえば、三井化学社製APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONEX、JSR社製ARTONなど);エチレンとマレイミドの共重合体などのオレフィン−マレイミド系樹脂(たとえば東ソー社製TI−PASなど);ビスフェノールA、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンなどのビスフェノール類やジエチレングリコールなどのジオール類とテレフタル酸、イソフタル酸などのフタル酸類や脂肪族ジカルボン酸類を重縮合させたポリエステルなどのポリエステル系樹脂(たとえば鐘紡社製O−PETなど);ポリエーテルスルホン樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリエチレン樹脂;ポリプロピレン樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリアミド樹脂;シリコーン樹脂;フッ素樹脂などの他、天然ゴム、EPDMといったゴム状樹脂が例示されるがこれに限定されるものではない。
熱可塑性樹脂は、その他の架橋性基を有していてもよい。この場合の架橋性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基などが挙げられる。得られる樹脂硬化体の耐熱性が高くなりやすいという観点からは、架橋性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
熱可塑製樹脂の分子量は、特に限定はないが、(A)成分や(B)成分および(C)成分との相溶性が良好となりやすいという観点からは、数平均分子量が好ましくは10000以下、より好ましくは5000以下である。逆に、得られる樹脂硬化体が強靭となりやすいという観点からは、数平均分子量が好ましくは10000以上、より好ましくは100000以上である。分子量分布も特に限定はないが、白色熱硬化性組成物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという観点からは、分子量分布は好ましくは3以下、より好ましくは2以下、さらに好ましくは1.5以下である。
熱可塑性樹脂の使用量は特に限定はないが、好ましくは白色熱硬化性組成物全体の5重量%〜50重量%、より好ましくは10重量%〜30重量%である。添加量が少ないと、得られる樹脂硬化体が脆くなりやすく、添加量が多いと、耐熱性(高温での弾性率)が低くなりやすい。
熱可塑性樹脂は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
熱可塑性樹脂は、(A)成分および/または(B)成分、(C)成分に溶かして均一な状態として混合してもよいし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶剤に溶かして混合するなどして分散状態としてもよい。得られる樹脂硬化体がより透明になりやすいという観点からは、(A)成分および/または(B)成分、(C)成分に溶かして均一な状態として混合することが好ましい。この場合も、熱可塑性樹脂を(A)成分および/または(B)成分、(C)成分に直接溶解させてもよいし、溶剤などを用いて均一に混合してもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態および/または混合状態としてもよい。
熱可塑性樹脂を分散させて用いる場合は、平均粒子径は種々設定できるが、好ましくは10nm〜10μmである。粒子径分布はあってもよく、単一分散でも複数のピーク粒径を持っていてもよいが、白色熱硬化性組成物の粘度が低く成形性が良好となりやすいという観点からは、粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
さらに、白色熱硬化性組成物には、それ以外の熱硬化性樹脂の粒子を混合しても良い。熱硬化性樹脂粒子は、熱硬化性樹脂を硬化させて粉砕することにより得ることができる。熱硬化性樹脂粒子を白色熱硬化性組成物中に分散させて用いる場合は、平均粒子径は種々設定できるが、好ましくは10nm〜10μmである。粒子径分布はあってもよく、単一分散であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、白色熱硬化性組成物の粘度が低く成形性が良好となりやすいという観点からは、粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
白色熱硬化性組成物は、たとえば、上記した(A)〜(F)の必須成分、ならびに(G)〜(H)およびその他の任意成分を、上記した方法に従って混合することにより、調製できる。こうして得られる白色熱硬化性組成物は、そのまま液状物またはペースト状物として使用できる。さらに、白色熱硬化性組成物は、各成分および添加剤などを混合した後、加熱などにより部分的に反応(Bステージ化)させてから使用してもよい。Bステージ化することにより粘度調整が可能であり、トランスファー成形性を調整することもできる。また、硬化収縮をより抑制する効果もある。
白色熱硬化性組成物は、トランスファー成形などによる成形性が良好であるという観点からは、150℃以下の温度で流動性を有することが好ましい。
また、白色熱硬化性組成物の硬化性は任意に設定できるが、成形サイクルが短くできるという観点からは、120℃におけるゲル化時間が120秒以内であることが好ましく、60秒以内であることがより好ましい。また、150℃におけるゲル化時間が60秒以内であることが好ましく、30秒以内であることがより好ましい。また、100℃におけるゲル化時間が180秒以内であることが好ましく、120秒以内であることがより好ましい。
この場合のゲル化時間は、以下のようにして調べられる。設定温度に調整したホットプレート上に厚み50μmのアルミ箔を置き、その上に白色熱硬化性組成物約100mgを置いてゲル化するまでの時間を測定してゲル化時間とする。
白色熱硬化性組成物を用いて樹脂成形体を製造する工程において、白色熱硬化性組成物中へのボイドの発生および白色熱硬化性組成物からのアウトガスによる工程上の問題が生じ難いという観点からは、硬化中の重量減少は、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。なお、硬化中の重量減少は、熱重量分析装置を用いて、試料(白色熱硬化性組成物)10mgを室温から150℃まで10℃/分の昇温速度で昇温して、減少した重量の初期重量に対する割合として求めることができる。
樹脂硬化体の線膨張係数は、特に制約はないが、リードフレームなどの金属やセラミックなどとの接着性が良好になりやすいという観点からは、23℃から150℃までの平均線膨張係数は好ましくは30ppm以下、より好ましくは20ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下である。
樹脂硬化体の分光反射率は、微小面分光色差計(日本電色工業社製VSS400)を用いて波長400nm〜700nm(20nm間隔)における分光反射率として測定される。ここで各波長における測定値は、樹脂成形体の凹部開口面の任意の4箇所(測定面積0.1mmφ)の測定値の平均値を採用した。
白色熱硬化性組成物を硬化して得た成形体表面の波長460nmにおける光線反射率は、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上、特に好ましくは99%以上である。
表面の光線反射率は以下のように測定することができる。 PETフィルムを離型フィルムとして用い、所定の温度条件でプレス成形にてボイドのない0.5mm厚の成形体を作成する。得られた成形体に必要に応じて所定の後硬化を実施する。得られた成形体について積分球を設置した分光光度計を用いて460nmの全反
射を測定することにより、光線反射率を求めることができる。
白色熱硬化性組成物は、発光素子用のリードフレームの片面に成形してパッケージとした場合の、樹脂硬化体の反りが±1.0mm以下であることが望ましい。
この場合の反りはJIS C 6481に記載の最大反りの測定方法に基づいて測定される。発光装置を一辺の中央で垂直に吊り下げ、その辺に平行に直定規を当てる。直定規は発光装置の凹面に当て、直定規と発光装置の基材面との最大の隔たりを金属製直尺で1.0mmの単位まで測定する。発光装置の凹面に樹脂が成形されている場合は、直定規と発光装置に成形された樹脂面との最大の隔たりを金属製直尺で1.0mmの単位まで測定し、その値から樹脂の厚み分を引いた値を、1.0mmの単位に四捨五入する。
他の辺についても順次測定し、最も大きな隔たりを反りとする。
白色熱硬化性組成物は、(A)〜(E)成分に加えて、少なくとも(F)成分を含有する場合は、タブレットとすることができる。ここで言うタブレットとは、室温において一定した形状を保持し、経時的な形状の変化が実質的になく、また互いに接触させたときに互着や一体化することのない固体のことを意味する。タブレットの形状は、特に限定されず、円柱状、角柱状、円盤状、球状などの形状を含むが、トランスファー成形に一般的な円柱状が好ましい。
具体的には、タブレットは、少なくとも一方が23℃における粘度が50Pa秒以下の液体である(A)成分、(B)成分および(C)成分、を硬化させるための(D)成分、共に粉体である(E)成分および(F)成分を含有することを特徴とする。このようなタブレットは、高温で(A)成分および(B)成分が粘度低下することによって白色熱硬化性組成物全体が流動可能となり、さらに加熱を続けると硬化反応が進行して所望の形状に成形することが可能である。
成形方法としては、特に限定されず、白色熱硬化性組成物の成形に一般的であるトランスファー成形や圧縮成形などの成形方法を用いることができる。これらの成形方法を用いる場合、原料である熱硬化性樹脂がペースト状や粘土状であると、一定した形状を保持できず、互着や一体化、変形したりするため、計量や搬送、成形機への供給が非常に困難となる。一方、タブレット形状であると、計量や搬送、成形機への供給が容易となり、自動化も可能となって生産性が大幅に向上する。
タブレットに占める(E)成分および(F)成分の合計の割合(以下「充填率」と言うことがある)は、好ましくは70〜95重量%である。充填率における(E)成分と(F)成分の配分については特に限定されず、自由に設定できる。充填率が70重量%未満であると、得られる樹脂硬化体の熱膨張率が大きくなって樹脂成形体の寸法変化が問題となることや、得られる白色熱硬化性組成物が硬いペースト状や粘土状となりタブレット化ができなくなる問題がある。充填率が95重量%を超えると、白色熱硬化性組成物の高温での粘度が高くなりすぎて成形性が低下することや、得られるタブレットが脆くなりすぎる。
(成形方法)
本発明で言う表面実装型発光装置用樹脂成形体の成形方法としては各種の方法が用いられる。例えば、射出成形、トランスファー成形、RIM成形、キャスティング成形、プレス成形、コンプレッション成形等、熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂に一般に用いられる各種成形方法が用いられる。これらの内、成形サイクルが短く成形性が良好であるという点においてはトランスファー成形が好ましい。成形条件も任意に設定可能であり、例えば成形温度についても任意であるが、硬化が速く成形サイクルが短く成形性が良好になりやすいという点においては100℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上の温度が好ましい。上記のような各種方法によって成形した後、必要に応じて後硬化(アフターキュア)することも任意である。後硬化した方が耐熱性が高くなり易い。
成形は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。一定の温度で行うより多段階的あるいは連続的に温度を上昇させながら反応させた方が歪のない均一な硬化物が得られやすいという点において好ましい。また、一定温度で行う方が成形サイクルを短くできるという点において好ましい。
硬化時間も種々設定できるが、高温短時間で反応させるより、比較的低温長時間で反応させた方が歪のない均一な硬化物が得られやすいという点において好ましい。逆に、高温短時間で反応させる方が成形サイクルを短くできるという点において好ましい。
成形時の圧力も必要に応じ種々設定でき、常圧、高圧、あるいは減圧状態で成形することもできる。ボイドの発生を抑制したり、充填性をよくしたり、場合によって発生する揮発分を除きやすいという点においては、減圧状態で硬化させることが好ましい。成形体へのクラックを防止できるという点においては、加圧状態で硬化させることが好ましい。
(成形用金型の表面処理)
本発明に係る樹脂成形体の成形用金型の表面形態は、耐磨耗性の向上、腐食防止、離型性の向上などの目的で、金型材質とは異なる成分をメッキまたはコーティングすることができる。金型の表面に5μm以下の厚みの硬質クロムメッキがなされ、そのメッキの上に厚さ2μm以下のフッ素樹脂をコーティングしたことを特徴とする。フッ素樹脂の下層に硬質クロムメッキ層を設けることにより、金型の離型性効果が長期間持続可能となる。フッ素樹脂は、PTFE、PEFなどが好適である。また、真空蒸着法により硬質クロムメッキ層と、フッ素樹脂皮膜を形成させることも離型性改善に効果がある。金型表面処理は上記の方法に限られず、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)でも同様の効果が期待できる。このDLCは、高真空中のアーク放電プラズマで炭化水素ガスを分解し、プラズマ中のイオンや励起分子を金型に電気的に加速してエネルギーを持って衝突させることにより膜を形成するものであり、その膜は緻密なアモルファス構造となり、表面は非常に滑らかで結晶粒界が生じないために、低摩擦係数、耐磨耗性、離型性などに優れた特性を示すものである。
(金型クリーニング方法)
成形時の金型クリーニング方法は、市販されているメラミン樹脂等のモールド用クリーニングシートやタブレットが好適に利用できる。
(連続成形性)
金型表面の傷やメッキ、コーティング剥がれなどの金型表面の物理的劣化が生じず、成形品の不良(表面のクラックやボイド)が発生、成形品の金型への張り付き具合、金型表面の汚れ具合(特に曇り・白化)が金型表面のクリーニングのみで回避でき、金型を成形機から外さずに連続成形できる回数として、好ましくは10000回以上で、より好ましくは50000以上であり、さらに好ましくは100000回以上である。
(金型リコート)
金型表面コーティング層やメッキ層の剥離やキズなどの物理的劣化が観測された場合、金型リコート、すなわち再表面処理が必要となる。金型再表面処理の方法に制限はないが、既に付着している被膜を、薬液を用いて除去し(除膜)、ベース金属を露出させこの上に再度コーティングやメッキを施す。こうして金型の繰り返し使用が可能となる。
本実施形態では、樹脂成形体を製造するための成形方法として、トランスファ成形を利用したが、これに限定されず、射出成形、RIM成形、キャスティング成形、プレス成形、コンプレッション成形など、熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂に一般に用いられる各種成形方法が用いられる。これらの内、成形サイクルが短く成形性が良好であるという点においてはトランスファー成形が好ましい。成形条件も任意に設定可能であり、たとえば成形温度についても任意であるが、硬化が速く成形サイクルが短く成形性が良好になりやすいという点においては100℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上の温度が好ましい。上記のような各種方法によって成形した後、必要に応じて後硬化(アフターキュア)することも任意である。後硬化した方が耐熱性を高め易い。
成形は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階または連続的に温度を変化させてもよい。一定の温度で行うより多段階的あるいは連続的に温度を上昇させながら反応させた方が歪のない均一な樹脂硬化体が得られやすいという点において好ましい。また、一定温度で行う方が成形サイクルを短くできるという点において好ましい。
硬化時間も種々設定できるが、高温短時間で反応させるより、比較的低温長時間で反応させた方が歪のない均一な樹脂硬化体が得られやすいという点において好ましい。逆に、高温短時間で反応させる方が成形サイクルを短くできるという点において好ましい。
成形時の圧力も必要に応じ種々設定でき、常圧、高圧、または減圧状態で成形することもできる。ボイドの発生を抑制したり、充填性をよくしたり、場合によって発生する揮発分を除きやすいという点においては、減圧状態で硬化させることが好ましい。成形体へのクラックを防止できるという点においては、加圧状態で硬化させることが好ましい。
(表面実装型発光装置)
本発明の表面実装型発光装置(以下単に「発光装置」とする)は、樹脂硬化体と複数のリードとが一体成形され、底部に複数のリードが露出する凹部を有し、樹脂成形体の凹部底部に実装され、複数のリードと通電可能に接続される発光素子と、発光素子を封止する透明樹脂層と、を備えている。なお、樹脂成形体の凹部底部には、複数個の発光素子が実装されていても良い。
すなわち、本発明の発光装置は、樹脂成形体として、樹脂硬化体と複数のリードとが一体成形され、底部に複数のリードが露出する凹部を有する以外は、従来の表面実装型発光装置と同じ構成を有することができる。
ここで、樹脂成形体としては、上記した各種の樹脂成形体を使用できる。
また、発光素子としては、従来から用いられている発光素子をいずれも使用でき、たとえば、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)などが挙げられる。前記発光ダイオードには、たとえば、青色LEDチップ、紫外線LEDチップ、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、黄緑色LEDチップなどがあり、PN接合構造またはNPN接合構造を有するチップ、2つの電極が水平型または垂直型に配置されるチップなどを含む。
発光素子は、たとえば、ワイヤボンディング、フリップチップボンディングなどの公知の接続方法により、複数のリードと通電可能に接続される。通電可能な接続とは、たとえば、発光素子が2つの電極を有し、複数のリードが第1リードと第2リードとを有している場合、発光素子の一方の電極を第1リードのインナーリード部に接続し、発光素子の他方の電極を第2リードのインナーリード部に接続することである。
また、発光素子を樹脂成型体の凹部の底部に接着するための接着剤としては、たとえば、銀ペースト、共晶はんだ(AuSn、AuGe、AuSiなど)、金バンプなどが用いられる。共晶はんだの融点は、好ましくは200℃〜350℃の範囲である。高出力型LEDを用いる場合は、p−n接合温度が上昇するため、高温で安定した接合強度が得られる共晶はんだや金バンプなどを用いることが好ましい。発光素子は、たとえば、樹脂成形体の凹部底部の、めっき層を有するリード表面に接着剤層を形成し(このときリードと接着剤層とは電気的に接続されている)、その上に発光素子を載置し、加熱溶融することにより、リード表面に固定される。接着剤層は、たとえば、ペースト材料の印刷、ディスペンス、プリフォーム、箔成形、メタライズ、ボール成形などの一般的な手法により形成できる。金属からなる接着剤層を設けることにより、発光装置の放熱性を高めることができる。
また、リード表面における発光素子と接合する領域は、平坦度が好ましくは0.001〜50μmである。平坦度とは、測定する領域の任意の3隅を含む面を基準面とするとき、基準面に対する測定領域の中央の高さとして表される。平坦度が0.001μm未満では、リード表面に形成されためっき層の表面が滑らかになりすぎて、めっき層と接着剤層との密着強度が低下し、接着剤層が剥離し易くなる傾向がある。また、平坦度が50μmを超えると、めっき層と接着剤層との接合面積が小さくなる。その結果、発光装置の放熱性が低下したり、発光素子とリードフレームとの接合強度が低下したりする傾向がある。
発光素子を封止する透明性樹脂としては、従来から表面実装型発光装置に用いられている封止用の透明性樹脂をいずれも使用でき、たとえば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂などが挙げられる。
透明性樹脂層は、たとえば、底部に発光素子を配置させたカップ、キャビティ、パッケージ(樹脂成形体)凹部などに液状の透明性樹脂をディスペンサーその他の方法にて注入して加熱などにより硬化させてもよいし、固体状あるいは高粘度液状の組成物を加熱するなどして流動させ、前記と同様にパッケージ凹部などに注入して、さらに加熱するなどして硬化させてもよい。また透明性樹脂をトランスファー成形、射出成形、インサート成形することによっても、形成できる。
また、透明性樹脂に代えて、樹脂成形体の発光素子を実装した後の凹部に、レンズを装着してもよい。レンズとしては特に限定されず、表面実装型発光素子の分野で一般に使用されるレンズをいずれも使用でき、また、透明性樹脂をレンズの形に成形して用いても良い。一方、透明性樹脂による封止およびレンズの装着を行わずに、ガラスなどでカバーしてハーメチック封止をすることも可能である。
発光装置の形状についても限定されず、表面実装型発光装置の分野で用いられる各種形状を採用できるが、金属製リードフレームの片面に樹脂硬化体が付着しているMAPタイプが好ましい。MAPタイプを用いることにより、特に本発明の硬化が得られ易い。
本発明の発光装置は、従来公知の各種の用途に用いることができる。具体的には、たとえば、液晶表示装置などのバックライト、照明、センサー光源、車両用計器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種ライトなどが挙げられる。
(白色熱硬化性組成物)
本発明に係る白色熱硬化性組成物は、エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂と、無機酸化物とを含有し、無機酸化物の配合量が、熱硬化性樹脂100質量部に対して70〜400質量部であることが好ましい。このような組成物は、成形体の光反射率と成形性や耐熱性などその他の特性とのバランスを調整しやすい。
(白色熱硬化性組成物の作製方法)
本実施形態の白色熱硬化性組成物は、上述した各種成分を均一に分散混合することで得ることができ、その手段や条件等は特に限定されない。白色熱硬化性組成物を作製する一般的な方法として所定配合量の各種成分をミキサー等によって十分に均一に撹拌および混合した後、ミキシングロール、押出機、ニーダー、ロールおよびエクストルーダー等、らいかい機、自転と公転を組み合わせた遊星式混合機等を用いて混練し、さらに得られた混練物を冷却および粉砕する方法を挙げることができる。
混練の条件は、各成分の種類や配合量により適宜決定すればよく、例えば、15〜100℃で5〜40分間混練することが好ましく、20〜100℃で10〜30分間混練することがより好ましい。混練温度が15℃未満であると、各成分を混練させ難くなり、分散性も低下する傾向にあり、100℃を超えると、熱硬化性樹脂の高分子量化が進行し、混練時に熱硬化性樹脂が硬化してしまう可能性がある。また、混練時間が5分未満であると、十分な分散効果が得られない可能性がある。混練時間が40分を超えると、熱硬化性樹脂の高分子量化が進行し、熱硬化性樹脂が硬化してしまう可能性がある。
(白色熱硬化性組成物タブレットの作成)
本発明の成形方法において用いるタブレットは、出来上がりの形状が円柱状であれば、その作製方法は限定されない。例えば、熱硬化性樹脂と充填材からなる白色熱硬化性組成物を押出成形の要領にて、円柱状のストランドを排出させ、等間隔で切断し円柱状のタブレットを得る方法、あるいは、内部が円柱状の凹型である治具に、所定量の白色熱硬化性組成物を添加し、円柱状の凸型治具を押し込み、円柱状のタブレットを得る方法などが挙げられる。これらは、手動でもよく、また自動化して作製してもよい。
(白色熱硬化性組成物タブレットを用いた成形方法)
本発明の成形方法は、一般に知られたトランスファー成形機を用いて行われる。具体的には、白色熱硬化性組成物よりなるタブレットは、トランスファー成形機に備え付けられた樹脂成形用金型のポットと呼ばれる凹部に投入された後に金型を閉じ、注入用プレンジャーの前進にて樹脂を加圧し押し出すことで、樹脂流路から金型キャビティに樹脂組成物が注入されて成形が行われるものである。ここで、樹脂成形用金型のポットにタブレットが装填されるまでの工程を説明すると、現在は主に自動化が進んでおり、例を挙げると、成形用に作製されたタブレットは、専用のタブレット搬送装置を経て直接金型ポットに装填される場合、搬送装置を経て、専用の供給装置にてタブレット並びを整理させた後、金型ポットに装填される場合など、様々な方法が存在する。金型ポットへの装填の方法に制限は無く、タブレットの側面を直接ロボットアームで掴みポットに装填する場合や、円柱状にくり貫かれた供給装置にタブレットを事前に装填しておき、供給装置ごと金型ポット上部まで運び、供給装置下部のスリットをスライドさせることで、供給装置からタブレットを金型ポットに落下させ装填させる方法など様々である。しかし、本工程を用いる場合、タブレットの性状が軟質である場合は、搬送時に変形が生じ、供給装置や金型ポットに規則正しく装填できない場合があり、またタブレット性状が硬い場合でも、表面にタック感がある場合は、搬送装置、あるいは供給装置を汚染したり、タブレットの一部分が付着することで所定量のタブレットを装填できないこともある。そのため、本発明において用いるタブレットは、その表面温度を−40℃から10℃の間に調整したものを用いることで、材料の表面が硬くなり、またタック性も改善することで、成形時におけるタブレットの搬送や成形機内の金型ポットへのタブレット供給において、トラブルを起こすことなく、安定した生産が可能となる。タブレットの表面温度が10℃よりも高いと、タブレット供給装置あるいは搬送装置にタブレット表面の樹脂組成物が付着し、汚れの原因となるなどの傾向がある。また表面温度が特許範囲以下の場合については、オーバースペックであることや、タブレットを冷却するためのユーティリティコストが非常に高くなるため好ましくない。更に表面温度が−40℃から10℃に調整された円柱状タブレットは、タブレット供給装置あるいは搬送装置に投入してからトランスファー成形機内の金型ポット内に投入されるまでの時間が2分以内であることが好ましい。この時間を越えると、タブレット表面のタック性が低下し、タブレット供給装置あるいは搬送装置にタブレット表面の樹脂組成物が付着し、汚れの原因となるなどの傾向がある。したがって、本発明の成形方法において用いるタブレットは、冷却することによりその表面を硬くする、すなわち強度は特定の範囲に入ることが重要である。具体的には、白色熱硬化性組成物からなる円柱状タブレットの形状が直径13mmかつ高さが20mmである場合に、そのタブレット上面から同じく直径13mmの平板状プローブを用いて荷重を加え、タブレット高さが5mm変位するときの最大荷重が3.5kgf以上であることがタブレット形状保持性などの観点で好ましい。最大荷重が3.5kgf未満の場合には、タブレット供給時や搬送時の変形などを起こす傾向がある。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに制限されるものではない。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<白色熱硬化性組成物の作製>
(実施例1〜2、比較例1〜3)
表1に示した配合比(質量部)に従い、各成分を配合し、得られた白色硬化性組成物の混合物を、丸棒状の冶具にて押し延ばした後、折り重ねて再度押し延ばす作業を繰り返して均一化した。フレーク状や粉体状の場合は、乳鉢ですり潰して均一化した。または電動カッターローラー(送り速度1.3min/mm、大島工業株式会社製、ER−440)を用いて混練した。
<タブレット作製方法>
作製した白色熱硬化性組成物を、Φ13mmの金属製の杵と臼からなるタブレット製造冶具で0.39MPa圧縮して、高さ20mmになるよう仕込み量を調整した。
得られたタブレットは、評価に応じて、冷凍保管(−20℃)、冷蔵保管(5℃)、恒温保管(23℃)した。
<樹脂硬化体の成形方法>
アピックヤマダ株式会社製トランスファー成形を用いて、50(mm)x50(mm)x1(mm)の樹脂硬化体となる平板を作製した。型締力30ton、注入圧力7.7MPa、注入速度3mm/sとした。白色コンパウンド5.0gを計量、円柱状に賦形し、シリンダー内へ装填し、金型表面にはスプレー式フッ素系離型剤(ダイキン工業株式会社製:ダイフリーGA−7500)を塗布して成形した。成形条件は、170℃/3分、7.8〜13.7MPa。成形後180℃/1hで後キュアした。
<連続成形性の評価>
上記のトランスファー成形方法で、連続成形を実施した。その際、成形品不良(表面のクラックやボイド)が発生や、成形品の金型への張り付き具合、金型表面の汚れ具合(特に曇り・白化)を成形回数に応じて評価した。これらの不良が通常の金型クリーニングで回復しない場合、金型表面全体の観察を実態顕微鏡または走査型顕微鏡で実施した。このとき、1μm以上の金型表面の傷やメッキやコーティング剥がれの発生を観察し、金型表面の物理的劣化が観察された時点の成形ショット数を連続成形の終点とした。金型表面不良の観察は、実体顕微鏡(三眼ズーム式実体顕微鏡、メイジテクノ EMZ-8TR)、走査型電子顕顕微鏡(JSM‐6060LA(日本電子(株)製)を使用して実施した。
<白色熱硬化性組成物の評価>
上記成形で得られた平
板を樹脂硬化体の分光反射率は、微小面分光色差計(日本電色工業社製VSS400を用いて波長400nm〜700nm(20nm間隔)における分光反射率として測定し、460nmの値をデータとして取得した。
表1中の*1〜7は以下の通りである。
*1:トリスグリシジルイソシアヌレート(エポキシ当量100、日産化学社製、商品名:TEPIC−S)
*2:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(日立化成工業社製)
*3:シリコーンレジン(Reactive solicone、Gelest社製、PDV−2331)
*4:テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート(日本化学工業社製、商品名:PX−4ET)
*5:溶融球状シリカ(株式会社龍森製、比重2.2、平均粒径24.8μm、12μm以下の粒子の割合:28%、商品名:MSR−2212−TN)
*6:酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製、比重5.6、平均粒径0.6μm、商品名:酸化亜鉛1種)
*7:酸化チタン(石原産業製タイベークPC-3、ルチル型、比重4.2、塩素法、表面有機:AI、Si、ボリメチルハイドロジェンシロキサン、平均粒径0. 21 μm、12μm以 下の粒子の割合100%)
*8:炭酸マグネシウム(和光純薬株式会社製、比重2.95)
*9:ステアリン酸カルシウム(和光純薬株式会社製)
表1及示したように、実施例1〜2で得られた白色熱硬化性組成物は白色で高い反射率を示しかつ連続成形性に優れた。これに対して、比較例1〜2で得られた白色熱硬化性組成物は連続成形性に劣り、比較例3で得られた樹脂硬化体の反射率は劣っていた。本発明によれば、適切な白色顔料を選択することで連続成形性に優れる白色熱硬化性組成物を与え、生産性高く反射率の高い表面実装型発光装置用樹脂成形体及び光半導体装置を提供することができる。
1、2、3、4 樹脂成形体
10 第1リード
10a 第1インナーリード部
10b 第1アウターリード部
11 第2リード
11a 第2インナーリード部
11b 第2アウターリード部
12、14、16、17 樹脂硬化体
12a 反射部
12b 絶縁部
12c 凹部開口面
13、15 凹部
13a 底部
13b 内壁面

Claims (4)

  1. 光半導体素子を搭載するための凹部を有し、前記凹部の少なくとも一部が、白色熱硬化性組成物の成形体からなる表面実装型発光装置用樹脂成形体において、
    前記の白色熱硬化性組成物を加熱加圧成形し後硬化して得られる樹脂硬化体の460nmの光反射率が80%以上であり、
    表面コーティングまたは表面メッキ処理を施した金型を用いる加熱加圧成形において、金型リコートを必要としない連続成形回数が10000以上となる前記の白色熱硬化性組成物を用いてなり、
    前記の白色熱硬化性組成物が、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)ポリオルガノシロキサン、(D)硬化促進剤、(E)無機充填剤、(F)白色顔料を必須成分として含むことを特徴とする、表面実装型発光装置用樹脂成形体。
  2. 前記(C)成分のポリオリガノシロキサンの含有量が、前記(A)〜(C)成分を含む硬化性樹脂組成物全体の5〜60重量%の範囲である請求項1に記載の表面実装型発光装置用樹脂成形体。
  3. 前記(E)白色顔料が、酸化亜鉛であることを特徴とする、請求項1〜2いずれか一項に記載の表面実装型発光装置用樹脂成形体。
  4. 請求項1〜3いずれか一項に記載の表面実装型発光装置用樹脂成形体と、該表面実装型発光装置用樹脂成形体に搭載された光半導体素子と、を有する、表面実装型発光装置。
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