以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[表面実装型発光装置用樹脂成形体]
本発明の表面実装型発光装置用樹脂成形体(以下特に断らない限り単に「樹脂成形体」とする)は、樹脂硬化体と複数のリードとが一体成形され、底部に複数のリードが露出する凹部を有することを特徴とする。
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂成形体1の構成を模式的に示す断面図である。樹脂成形体1は、複数のリードとしての第1リード10および第2リード11と、樹脂硬化体12とを備え、凹部13を有している。さらに、樹脂成形体1は、その厚み方向の側面の少なくとも一部に第1リード10および第2リード11が露出している。本実施形態の樹脂成形体1は、平面形状がほぼ正方形であり、かつ厚みを有する薄板状の形状を有し、その中心部分に開口形状がほぼ円形である凹部13を有している。凹部は光半導体素子を搭載するためのものであり、前記凹部の少なくとも一部が白色熱硬化性組成物の成形体からなる表面実装型発光装置用樹脂成型体を形成する。
第1リード10と第2リード11とは、正負一対であり、互いに離隔するように平行に配置され、かつ一体化されて図示しないフレーム単位を形成している。複数のフレーム単位を縦横に平行に配置して一体化することにより、リードフレームが構成される。リードフレームは、薄板状金属板に打ち抜き加工またはエッチング加工を施すことにより作製できる。リードフレームは、電気良導体である金属材料を用いて形成される。このような金属材料としては特に限定されないが、たとえば、鉄、リン青銅、銅合金などが挙げられる。
リードの表面はめっき層を形成していてもよい。これにより、発光素子から発せられる光の反射率をさらに高めることができる。
めっきの材質としては、たとえば、金、銀、銅、アルミニウムなどが挙げられる。たとえば、めっき層が銀からなる場合は、その膜厚は特に限定されないが、0.5μm〜20μmであることが好ましく、1μm〜15μmであることが好ましい。
また、白色熱硬化性組成物を加圧成形し後硬化して得られる樹脂硬化体12の凹部開口面12cおよび凹部13の内壁面13bは、460nmにおける分光反射率が80%以上であり、このような樹脂硬化体12を用いることにより、樹脂成形体1を表面実装型発光装置に用いた場合の信頼性が顕著に向上する。
なお、上記のような加圧成形、特にトランスファー成形法に用いられる金型の表面処理法、具体的にはコーティングと表面メッキ処理について、および金型リコートを必要とする状態については、後に詳述する。
[白色熱硬化性組成物]
発光素子から発せられる光を反射するための樹脂硬化体を与える白色熱硬化組成物は、(A)熱硬化性オルガノポリシロキサン、(B)白色顔料、(C)無機充填剤、(D)硬化触媒を必須成分として含む。以下、各成分について詳細について詳しく説明する。
<(A)熱硬化性ポリオルガノシロキサン>
本発明に係る(A)成分の熱硬化性オルガノポリシロキサンは、シラノール基含有オルガノポリシロキサンで、特に下記平均組成式(I)
R1 aSi(OR2)b(OH)cO(4-a-b-c)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜20の有機基、R2は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基を示し、0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、0.801≦a+b+c<2を満たす数である。)
で表されるシリコーンポリマーである。
ここで、R1における有機基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基等の炭素数1〜20の非置換又は置換1価炭化水素基が挙げられ、上記アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、直鎖状、分岐状及び環状のいずれであってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記アルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基がより好ましく、例えばビニル基、アリール基、プロペニル基等が挙げられる。
上記アリール基としては、炭素数6〜10のものがより好ましく、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記アラルキル基としては、炭素数7〜10のものがより好ましく、例えばベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
また、上記非置換の1価炭化水素基の水素原子の1個又はそれ以上をハロゲン原子、シアノ基等で置換した置換1価炭化水素基であってもよい。
上記平均組成式(I)のR1は、これらの中でも、特にメチル基又はフェニル基であることが好ましい。
上記平均組成式(I)中、R2は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基であり、例えばアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。また、OR2はシロキサン樹脂の末端基のうち、シラノ−ル基(Si−OH)以外の部分を示し、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられ、原料の入手が容易なメトキシ基、イソプロポキシ基が好ましい。
上記平均組成式(I)中、a、b及びcは、0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、0.801≦a+b+c<2を満たす数であり、より好ましくは、0.9≦a≦1.3、0.001≦b≦0.2、0.01≦c≦0.3、0.911≦a+b+c≦1.8である。R1の含有量aが0.8未満では硬くなり、クラック防止性が低下し、1.5を超えると有機基が多くなって疎水性が高くなり、かつ柔らかくなるため、クラック防止効果がなくなるだけでなく、ハジキ等の概観不良が生じる。OR2の含有量bが0.3を超えると末端基量が多くなり、分子量が小さくなる傾向であるため、クラック防止性能が発現しなくなる。OHの含有量cが0.5を超えると加熱硬化時の縮合反応に関与してくる比率が高まり、高硬度ではあるが、耐クラック性に乏しくなる。cが0.001未満では、融点が高くなる傾向があり、作業性に問題が生じる。cを制御する条件としては、アルコシキ基の完全縮合率を86〜96%にすることが好ましく、86%未満では、融点が低くなり、96%を超えると融点が高くなりすぎる傾向となる。
このような上記平均組成式(I)の(A)成分は、一般に4官能シラン由来のQ単位(SiO4/2)、3官能シラン由来のT単位(R1SiO3/2)、2官能シラン由来のD単位(R1SiO2/2)、1官能シラン由来のM単位(R1SiO1/2)の組み合わせで表現することができるが、(A)成分をこの表記法で表した時、全シロキサン単位の総モル数に対し、R1SiO3/2で表されるT単位の含有モル数の比率が70モル%以上、望ましくは75モル%以上、特に望ましくは80モル%以上であることが好ましい。T単位が70モル%未満では、硬度、密着性、概観等の総合的なバランスが崩れる場合がある。なお、残部は、M、D、Q単位でよく、これらの和が30モル%以下であることが好ましい。融点に対しては、Q及びT単位が多くなるほど融点が高くなり、D,M単位が多くなるほど、融点が低くなる傾向がある。R1SiO3/2で表されるT単位の含有モル数の比率が70モル%以上、残りの30モル%以下がD単位であることがより好ましい。
(A)成分の融点は、40〜130℃であり、好ましくは70〜80℃である。40℃
未満の場合には、固体状でなくなり、固体表面のベタツキが多くなってトランスファー成
形が難しくなり、130℃を超える場合は、流動性がなくなり、トランスファー成形が困
難となる。
このような(A)成分は、下記一般式(II)
R1 nSiX4-n (II)
(式中、R1は上記の通りである。Xは塩素等のハロゲン原子又はアルコキシ基、特に炭素数1〜4のアルコキシ基で、nは1、2又は3である。)
で示されるオルガノシランの加水分解縮合物として得ることができる。
この場合、Xとしては、固体状のオルガノポリシロキサンを得る点からは、ハロゲン原子、特に塩素原子であることが好ましい。
また、上記平均組成式(II)におけるnは、1〜3の整数を表す。nが2又は3である場合、即ちR1が複数ある場合、各R1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。nは、固形状のポリシロキサンを得ることができる点で、n=1であることが好ましい。
上記平均組成式(II)で表されるシラン化合物としては、例えば、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のオルガノトリクロロシラン及びオルガノトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフエニルジエトキシシラン等のジオルガノジアルコキシシラン等が挙げられる。特にメチルトリクロロシランを用いることが好ましい。また、これにフェニルトリクロロシランを併用することも有効である。
なお、これらシラン化合物は、T単位を70モル%以上含むシラノール基含有オルガノポリシロキサンを得る点から、トリクロロシランやトリアルコキシシランの使用量を選定することが好ましい。
上記加水分解性基を有するシラン化合物の加水分解及び縮合は、通常の方法で行えばよいが、例えば酢酸、塩酸、硫酸等の酸触媒、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ触媒の存在下で行うことが好ましい。例えば加水分解性基としてクロル基を含有するシランを使用する場合は、水添加によって発生する塩酸を触媒として、目的とする適切な分子量の加水分解縮合物を得ることができる。
加水分解及び縮合の際に添加される水の量は、上記加水分解性基を有するシラン化合物中の加水分解性基(例えばクロル基の場合)の合計量1モル当り、通常、0.9〜1.6モルであり、好ましくは1.0〜1.3モルである。この添加量が0.9〜1.6モルの範囲を満たすと、後述の組成物は作業性が優れ、その硬化物は強靭性が優れたものとなる。
上記加水分解性基を有するシラン化合物は、通常、アルコール類、ケトン類、エステル類、セロソルブ類、芳香族化合物類等の有機溶剤中で加水分解して使用することが好ましい。具体的には、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール類、芳香族化合物としてトルエン、キシレンが好ましく、組成物の硬化性及び硬化物の強靭性が優れたものとなるので、イソプロピルアルコール、トルエン併用系がより好ましい。
この場合、加水分解及び縮合の反応温度は、好ましくは10〜120℃、より好ましくは20〜100℃である。反応温度がかかる範囲を満たすと、ゲル化することなく、次の工程に使用可能な固体の加水分解縮合物が得られる。
具体的合成方法として、メチルトリクロロシランを用いる場合、トルエンに溶解したメチルトリクロロシランに、水及びイソプロピルアルコールを添加して部分加水分解(反応温度−5〜100℃)し、その後残存するクロル基の全量を加水分解する水を添加して、反応させることにより、融点76℃の固体シリコーンポリマーが得られる。
こうして目的とするオルガノポリシロキサンが得られる。このオルガノポリシロキサンの融点は、50〜100℃であり、好ましくは、70〜80℃である。50℃未満及び100℃を超えた場合には、次工程の混合作業性で混練りが難しくなる問題が発生する。
<(B)白色顔料>
白色熱硬化組成物は、(B)成分を含有する。(B)成分は白色顔料であり、得られる樹脂硬化体の光線反射率を高める効果を有する。(B)成分としては種々のものを用いることができ、たとえば、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化ストロンチウム、酸化ニオブ、窒化ホウ素、チタン酸バリウム、硫化亜鉛、硫酸バリウム、無機中空粒子などが挙げられる。無機中空粒子としては、たとえば、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、シラスなどが挙げられる。
代表的な白色顔料のモース硬度は、酸化亜鉛(4〜5)、酸化チタン(7〜7.5)、酸化マグネシウム(6.5)、酸化アンチモン(3)、酸化ジルコニウム(6)、酸化ストロンチウム(6.5〜7)、酸化ニオブ(5〜6)、窒化ホウ素(9)、チタン酸バリウム(7)、硫化亜鉛(3.5〜4)、硫酸バリウム(3.5)、炭酸マグネシウム(3.5〜4)であり、連続成形時の金型劣化を抑制させるためには、モース硬度が低いほうが良い。好ましいモース硬度は6.5以下、さらに好ましいモース硬度は6以下、より好ましくは5以下である。
(B)成分としては、取り扱いの容易性および入手性、コストの観点や光反射率の高さ、かつ好ましいモース硬度であり金型劣化の程度が低く、連続性成形が高いという点から、酸化亜鉛が好ましい。一方、非特許文献(材料, Vol. 22 ,1973, No. 23,pp706-708)の記載にあるようにメカノケミカル的に酸化亜鉛へ応力がかかると黄色へと変色することが知られている。したがい樹脂組成物との配合の際には適切な条件のもと混合する必要がある。
酸化亜鉛としては、亜鉛華、活性亜鉛華、酸化亜鉛一種粉末、酸化亜鉛二種粉末、酸化亜鉛三種粉末、酸化亜鉛ウイスカーなどを好ましく用いることができる。中でも、不純物が少なく安価で大量入手が可能であることから、酸化亜鉛一種粉末を好ましく用いることができる。
(B)成分の平均粒径としては特に限定されず、種々のものが用いられるが、得られる樹脂硬化体の分光反射率が高くなりやすく、また白色熱硬化組成物のタブレットがより硬くなるという観点からは、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.25μm以下である。白色熱硬化組成物のタブレットについては後述する。一方、白色熱硬化組成物の流動性が高いという観点からは、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上である。平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布計を用いて測定することができる。
(B)成分は表面処理が施されていても良い。(B)成分の表面処理では、(B)成分の表面に無機化合物および有機化合物から選ばれる少なくとも1種を被覆する。無機化合物としては、たとえば、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、スズ化合物、チタニウム化合物、アンチモン化合物などが挙げられ、また、有機化合物としては、多価アルコール、アルカノールアミン又はその誘導体、有機シロキサンなどの有機ケイ素化合物、高級脂肪酸およびその金属塩、有機金属化合物などが挙げられる。
(B)成分表面への無機化合物や有機化合物の被覆は、湿式法や乾式法の公知の方法を用いて、たとえば酸化亜鉛を乾式粉砕する際、湿式粉砕する際またはスラリー化する際に行うことができる。他にも、液相法、気相法など、種々の方法が挙げられる。
これらの中では、得られる樹脂硬化体の分光反射率が高く、耐熱性および耐光性が良好になる観点から、有機シロキサンで処理されていることが好ましい。また、有機シロキサン処理された酸化亜鉛を含有させることにより、光取り出し効率が高く、長期間使用しても光取り出し効率が低下しない優良な発光装置を得ることができる。
ここで、有機シロキサン処理剤としては種々のものを使用でき、たとえば、シランカップリング剤や、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザンなどが挙げられる。シランカップリング剤としては各種シラン類を使用でき、たとえば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルハイドロジェンシロキサン、それらの2種以上の共重合体などのポリシロキサン類、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘプタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンなどのシクロシロキサン類、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシランなどのクロロシラン類、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなどのエポキシ官能基を有するシラン類、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシランなどのメタクリル基またはアクリル基を有するシラン類、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシランなどのビニル基を有するシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのメルカプトシラン類、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するシラン類、イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基を有するシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシランなどのアルキル基を有するシラン類、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランなどのその他のシラン類などが挙げられる。これらの有機シロキサン処理剤の中でも、炭素−炭素二重結合を含まないものが好ましい。炭素−炭素二重結合を含むと、耐熱性が低下しやすくなる。また、有機シロキサン以外の表面処理剤を併用することも可能である。このような表面処理剤としては、Al、Zr、Znなどが挙げられる。
また、(B)成分は、無機化合物により表面処理されていてもよい。無機化合物による表面処理方法としては特に限定されず、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物などを用いる、種々の表面処理方法が挙げられる。表面処理の方法としても各種方法を適用することができ、湿式法、乾式法、液相法、気相法など、種々の方法が例示できる。酸化亜鉛は、耐久性を向上させ、媒体との親和性を向上させ、さらには粒子形状の崩れを防止するなどの目的で無機化合物、有機化合物で表面処理する場合がある。(B)成分を無機化合物で表面処理することにより、白色熱硬化組成物に含まれる各成分との親和性が向上し、(B)成分の白色熱硬化組成物に対する分散性が良くなり、樹脂硬化体の強度が向上すると考えられる。
(B)成分の使用量は、特に限定されないが、白色熱硬化組成物全体に占める(B)成分の量が10重量%以上であることが好ましい。10重量%未満であると、得られる樹脂硬化体の光線反射率が低下することがある。
<(C)無機充填材>
本発明の(C)成分は無機充填材である。(C)成分は、得られる樹脂硬化体の強度や硬度を高くしたり、線膨張率を低減化したりする効果を有する。
(C)成分の無機充填材としては、従来のエポキシ系などの封止材の充填材として一般に使用および/または提案されている各種無機充填材が用いられるが、たとえば、石英、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカなどのシリカ系無機充填材、アルミナ、ジルコン、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、マイカ、黒鉛、カーボンブラック、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、無機バルーン、銀粉などが挙げられる。無機充填材としては、半導体素子へダメージを与え難いという観点からは、低放射線性であることが好ましい。
無機充填材は適宜表面処理してもよい。表面処理としては、カップリング剤による処理、アルキル化処理、トリメチルシリル化処理、シリコーン処理などが挙げられる。
この場合のカップリング剤の例としては、シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなどのエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシランなどのメタクリル基またはアクリル基を有するアルコキシシラン類などが挙げられる。
その他にも、無機化合物を添加する方法が挙げられる。たとえば、本発明で用いる白色熱硬化性組成物に無機化合物を添加して、白色熱硬化性組成物中または白色熱硬化性組成物の部分反応物中で反応させ、白色熱硬化性組成物中で無機充填材を生成させる方法が挙げられる。このような無機化合物としては、アルコキシシラン、アシロキシシラン、ハロゲン化シランなどの加水分解性シランモノマーまたはオリゴマー、チタン、アルミニウムなどの金属のアルコキシド、アシロキシド、ハロゲン化物などが挙げられる。
以上のような無機充填材のうち、硬化反応を阻害し難く、線膨張係数の低減化効果が大きく、リードまたはリードフレームとの接着性が高くなりやすいという観点からは、シリカ系無機充填材が好ましい。さらに、成形性、電気特性などの物性バランスがよいという観点からは、溶融シリカが好ましく、樹脂硬化体の熱伝導性が高くなり易く、放熱性の高い樹脂成形体設計が可能になるという観点からは、結晶性シリカが好ましい。より放熱性が高くなり易いという観点からは、アルミナが好ましい。その他、補強効果が高く、樹脂成形体の強度が高くなり易いという観点からは、ガラス繊維、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウムが好ましい。
無機充填材の平均粒径や粒径分布としては、エポキシ系などの従来の封止材の充填材として使用および/または提案されているものをはじめ、特に限定なく各種のものが用いられるが、通常用いられる平均粒径は0.1μm〜120μmであり、流動性が良好になりやすいという観点から好ましくは0.5μm〜60μm、より好ましくは0.5μm〜15μmである。
無機充填材の比表面積についても、エポキシ系などの従来の封止材の充填材として使用および/または提案されているものをはじめ、各種設定できる。
無機充填材の形状としては、破砕状、片状、球状、棒状など、各種のものが用いられる。アスペクト比も種々のものが用いられる。得られる樹脂硬化体の強度が高くなりやすいという観点からは、アスペクト比が10以上のものが好ましい。また、樹脂のなど方性収縮の観点からは、繊維状よりは粉末状が好ましい。高充填時にも成形時の流れ性がよくなり易いという観点からは、球状のものが好ましい。
上記した各種の無機充填材は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
(C)成分の使用量は特に限定されないが、白色熱硬化組成物全体に占める(C)成分の量が50重量%以上であることが好ましい。(C)成分の量が少ないと、強度や硬度を向上させる効果、線膨張率を低減化する効果などが得られにくくなる。なお、(B)成分および(C)成分の合計量は特に限定されないが、白色熱硬化組成物全体に占める(B)成分および(C)成分の合計量が70重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましい。
<(D)硬化触媒>
本発明のシリコーン樹脂組成物で、得られたオルガノポリシロキサンを硬化させる場合には、硬化触媒(縮合触媒)と混合して組成物を調製する必要がある。この縮合触媒は、上記オルガノポリシロキサンの安定性、被膜の硬度、無黄変性、硬化性などを考慮して選択される。例えば、有機金属触媒として、有機酸亜鉛、ルイス酸触媒、有機アルミニウム化合物、有機チタニウム化合物等が好適に用いられ、具体的にはオクチル酸亜鉛、安息香酸亜鉛、p−tert−ブチル安息香酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、塩化アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、エチルアセトアセテートアルミニウムジ(ノルマルブチレート)、アルミニウム−n−ブトキシジエチルアセト酢酸エステル、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、オクチル酸錫、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸錫等が例示される。
硬化触媒の添加量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.0001〜10質量部、特に好ましくは0.001〜2.0質量部である。添加量がかかる範囲を満たすと、硬化性が良好であり、安定したものとなる。
白色熱硬化性組成物は、(E)成分を含有することが望ましい。(E)成分は金属石鹸であり、白色熱硬化性組成物の離型性をはじめとする成形性を改良するために添加される。
(E)成分としては、従来使用されている各種金属石鹸があげられる。ここでいう金属石鹸とは、一般に長鎖脂肪酸と金属イオンが結合したものであり、脂肪酸に基づく無極性または低極性の部分と、金属との結合部分に基づく極性の部分を一分子中に併せて持っていれば本発明で使用できる。長鎖脂肪酸としては、たとえば、炭素数1〜18の飽和脂肪酸、炭素数3〜18の不飽和脂肪酸、脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらの中では、入手性が容易であり、工業的実現性が高いという観点からは、炭素数1〜18の飽和脂肪酸が好ましく、さらに、離型性の効果が高いという観点からは、炭素数6〜18の飽和脂肪酸がより好ましい。金属イオンとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、コバルト、アルミニウム、ストロンチウムなどのイオンが挙げられる。
金属石鹸をより具体的に例示すれば、ステアリン酸リチウム、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、ラウリン酸リチウム、オレイン酸リチウム、2−エチルヘキサン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、12−ヒドロキシステアリン酸カリウム、ラウリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、2−エチルヘキサン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、12−ヒドロキシステアリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、オレイ
ン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、12−ヒドロキシステアリン酸鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸マンガン、リシノール酸バリウムなどが挙げられる。これらの金属石鹸の中では、入手性が容易であり、安性が高く、工業的実現性が高いという観点から、ステアリン酸金属塩類が好ましく、特に経済性の観点からは、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸亜鉛からなる群から選択される1つ以上のものが最も好ましい。
金属石鹸の添加量は特に制限はないが、白色熱硬化性組成物全体100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜5重量部、より好ましくは0.025重量部〜4重量部、さらに好ましくは0.05重量部〜4重量部である。添加量が多すぎる場合は、得られる樹脂硬化体の物性が低下し、添加量が少なすぎる場合は、金型離型性が得られないことがある。
白色熱硬化性組成物には種々の添加剤を添加することができる。添加剤としては、表面実装型発光装置用の樹脂硬化体に用いられる各種の添加剤をいずれも使用でき、たとえば、硬化遅延剤、接着性改良剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、溶剤、発光素子のための添加剤、離型剤などが挙げられる。
接着性改良剤としては、たとえば、一般に用いられている接着剤、種々のカップリング剤、エポキシ化合物、フェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン−フェノール樹脂、α−メチルスチレン−ビニルトルエン共重合体、ポリエチルメチルスチレン、芳香族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
カップリング剤としては、たとえば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤などが挙げられる。カップリング剤の例や好ましい例は、上記したものと同じである。これらのカップリング剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。カップリング剤の添加量は種々設定できるが、(A)成分の合計量100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜50重量部、より好ましくは0.5重量部〜25重量部である。添加量が少ないと、接着性改良効果が表れず、添加量が多いと、得られる樹脂硬化体の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
接着性改良剤として用いるエポキシ化合物としては、たとえば、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられる。これらのエポキシ化合物は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、本発明においては、上記したカップリング剤やエポキシ化合物の効果を高めるために、さらにシラノール縮合触媒を用いることができる。これにより、接着性の向上および/または安定化が可能である。このようなシラノール縮合触媒としては特に限定されないが、ほう素系化合物、アルミニウム系化合物およびチタン系化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
シラノール縮合触媒となるアルミニウム系化合物としては、アルミニウムトリイソプロポキシド、sec−ブトキシアルミニウムジイソフロポキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシドなどのアルミニウムアルコキシド類:、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミキレートM(川研ファインケミカル製、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)などのアルミニウムキレート類などが挙げられる。取扱い性の観点からは、アルミニウムキレート類がより好ましい。シラノール縮合触媒となるチタン系化合物としては、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタンなどのテトラアルコキシチタン類:チタンテトラアセチルアセトナートなどのチタンキレート類:オキシ酢酸やエチレングリコールなどの残基を有する一般的なチタネートカップ
リング剤が挙げられる。
シラノール縮合触媒となるほう素系化合物としては、ほう酸エステルが挙げられる。ほう酸エステルとしては下記一般式(III)、(IV)で示されるものを好適に用いることが出来る。
B(OR3)3 (III)
B(OCOR3)3 (IV)
(式中R3は炭素数1〜48の有機基を表す。)
ほう酸エステルの具体例として、ほう酸トリ−2−エチルヘキシル、ほう酸ノルマルトリオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリフェニル、トリメチレンボレート、トリス(トリメチルシリル)ボレート、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリ−sec−ブチル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリアリル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリメチル、ほう素メトキシエトキサイドなどが挙げられる。これらほう酸エステルは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いても良い。混合は事前に行っても良く、また樹脂硬化体の作製時に混合しても良い。
これらほう酸エステルのうち、容易に入手でき、工業的実用性が高いという観点からは、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリノルマルブチルが好ましく、なかでもほう酸トリメチルがより好ましい。
硬化時の揮発性を抑制できるという観点からは、ほう酸ノルマルトリオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリフェニル、トリメチレンボレート、トリス(トリメチルシリル)ボレート、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリ−sec−ブチル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリアリル、ほう素メトキシエトキサイドが好ましく、なかでもほう酸ノルマルトリオクタデシル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリフェニル、ほう酸トリノル
マルブチルがより好ましい。
揮発性の抑制、および作業性がよいという観点からは、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピルが好ましく、なかでもほう酸トリノルマルブチルがより好ましい。また、高温下での着色性が低いという観点からは、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチルが好ましく、なかでもほう酸トリメチルがより好ましい。
シラノール縮合触媒の使用量は種々設定できるが、カップリング剤および/またはエポキシ化合物100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜50重量部、より好ましくは1重量部〜30重量部である。添加量が少ないと、接着性改良効果が表れず、添加量が多いと、樹脂硬化体の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
これらのシラノール縮合触媒は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、本発明においては接着性改良効果をさらに高めるために、さらにシラノール源化合物を用いることができる。これにより、接着性の向上および/または安定化が可能である。このようなシラノール源化合物としては、たとえば、トリフェニルシラノール、ジフェニルジヒドロキシシランなどのシラノール化合物、ジフェニルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン類などが挙げられる。これらのシラノール源化合物は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
シラノール源化合物の使用量は種々設定できるが、カップリング剤および/またはエポキシ化合物100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜50重量部、より好ましくは1重量部〜30重量部である。添加量が少ないと、接着性改良効果が表れず、添加量が多いと、得られる樹脂硬化体の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明においてはカップリング剤やエポキシ化合物の効果を高めるために、カルボン酸類および酸無水物類から選ばれる少なくとも1種を使用できる。これにより、接着性の向上および/または安定化が可能である。このようなカルボン酸類および酸無水物類としては特に限定されないが、下記に示される各カルボン酸、
2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、メチルシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルハイミック酸、ノルボルネンジカルボン酸、水素化メチルナジック酸、マレイン酸、アセチレンジカルボン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、桂皮酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、およびそれらの単独あるいは複合酸無水物が挙げられる。これらのカルボン酸類および/または酸無水物類は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
カルボン酸類および/または酸無水物類の使用量は種々設定できるが、カップリング剤および/またはエポキシ化合物100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜50重量部、より好ましくは1重量部〜10重量部である。添加量が少ないと、接着性改良効果が表れず、添加量が多いと、樹脂硬化体の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明の白色熱硬化性組成物には、上記のシラン化合物を使用することができる。シラン化合物は、リードとの密着性向上に寄与し、樹脂硬化体とリードとの界面からの水分の浸入の防止に効果的である。このようなシラン化合物の具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシランなどが挙げられ、中でも特にジメチルジメトキシシランが好ましい。
老化防止剤としては、ヒンダートフェノール系など一般に用いられている老化防止剤の他、クエン酸やリン酸、硫黄系老化防止剤などが挙げられる。
ヒンダートフェノール系老化防止剤としては、チバスペシャリティーケミカルズ社から入手できるイルガノックス1010をはじめとして、各種のものが用いられる。
硫黄系老化防止剤としては、メルカプタン類、メルカプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類や、ヒンダードフェノール系スルフィド類を含むスルフィド類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類、スルホキシド類などが挙げられる。これらの老化防止剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
ラジカル禁止剤としては、たとえば、2,6−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェノール(BHT)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス(メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンなどのフェノール系ラジカル禁止剤や、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系ラジカル禁止剤などが挙げられる。これらのラジカル禁止剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
紫外線吸収剤としては、たとえば、2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケートなどが挙げられる。紫外線吸収剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
白色熱硬化性組成物は溶剤に溶解して用いることも可能である。使用できる溶剤は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶剤、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶剤を好適に用いることができる。これらの中でも、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。これらの溶剤は1種を単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
溶剤の使用量は適宜設定できるが、用いる白色熱硬化性組成物1gに対して、好ましくは0.1mL〜10mLである。使用量が少ないと、低粘度化などの溶媒を用いることの効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラックなどの問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。
発光素子のための添加剤は、たとえば、発光素子の種々の特性を改善するために用いられる。添加剤としては、たとえば、発光素子からの光を吸収してより長波長の蛍光を出す、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体などの蛍光体、特定の波長を吸収するブルーイング剤などの着色剤、光を拡散させるための酸化チタン、酸化アルミニウム、メラミン樹脂、CTUグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などのような拡散材、アルミノシリケートなどの金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ボロンなどの金属窒化物などの熱伝導性充填材などが挙げられる。これらの添加剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。また、これらの添加剤は、均一に含有させても良いし、含有量に傾斜を付けて含有させてもよい。
離型剤は、白色熱硬化性組成物の成形時の離型性を改良するために用いられる。離型剤としては、既に説明した(E)成分や、ワックス類などが挙げられる。ワックス類としては、天然ワックス、合成ワックス、酸化または非酸化のポリオレフィン、ポリエチレンワックスなどが挙げられる。尚、離型剤を添加しなくても十分な離型性が得られる場合には離型剤は用いない方がよい。
白色熱硬化性組成物には、その他、着色剤、難燃剤、難燃助剤、界面活性剤、消泡剤、乳化剤、レベリング剤、はじき防止剤、アンチモン−ビスマスなどのイオントラップ剤、チクソ性付与剤、粘着性付与剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、反応性希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、熱伝導性付与剤、物性調整剤などを本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
さらに、白色熱硬化性組成物には、特性を改質するなどの目的で、種々の熱可塑性樹脂を添加することも可能である。熱可塑性樹脂としては種々のものを用いることができるが、たとえば、メチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレートと他モノマーとのランダム、ブロックまたはグラフト重合体などのポリメチルメタクリレート系樹脂(たとえば日立化成社製オプトレッツなど)、ブチルアクリレートの単独重合体、ブチルアクリレートと他モノマーとのランダム、ブロックまたはグラフト重合体などのポリブチルアクリレート系樹脂などに代表されるアクリル系樹脂;ビスフェノールA、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデンビスフェノールなどをモノマー構造として含有するポリカーボネート樹脂などのポリカーボネート系樹脂(たとえば帝人社製APECなど);ノルボルネン誘導体、ビニルモノマーなどを単独重合または共重合した樹脂、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂、その水素添加物などのシクロオレフィン系樹脂(たとえば、三井化学社製APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONEX、JSR社製ARTONなど);エチレンとマレイミドの共重合体などのオレフィン−マレイミド系樹脂(たとえば東ソー社製TI−PASなど);ビスフェノールA、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンなどのビスフェノール類やジエチレングリコールなどのジオール類とテレフタル酸、イソフタル酸などのフタル酸類や脂肪族ジカルボン酸類を重縮合させたポリエステルなどのポリエステル系樹脂(たとえば鐘紡社製O−PETなど);ポリエーテルスルホン樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリエチレン樹脂;ポリプロピレン樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリアミド樹脂;シリコーン樹脂;フッ素樹脂などの他、天然ゴム、EPDMといったゴム状樹脂が例示されるがこれに限定されるものではない。
熱可塑性樹脂は、その他の架橋性基を有していてもよい。この場合の架橋性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基などが挙げられる。得られる樹脂硬化体の耐熱性が高くなりやすいという観点からは、架橋性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
熱可塑製樹脂の分子量は、特に限定はないが、(A)成分との相溶性が良好となりやすいという観点からは、数平均分子量が好ましくは10000以下、より好ましくは5000以下である。逆に、得られる樹脂硬化体が強靭となりやすいという観点からは、数平均分子量が好ましくは10000以上、より好ましくは100000以上である。分子量分布も特に限定はないが、白色熱硬化性組成物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという観点からは、分子量分布は好ましくは3以下、より好ましくは2以下、さらに好ましくは1.5以下である。
熱可塑性樹脂の使用量は特に限定はないが、好ましくは白色熱硬化性組成物全体の5重量%〜50重量%、より好ましくは10重量%〜30重量%である。添加量が少ないと、得られる樹脂硬化体が脆くなりやすく、添加量が多いと、耐熱性(高温での弾性率)が低くなりやすい。
熱可塑性樹脂は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
熱可塑性樹脂は、(A)成分に溶かして均一な状態として混合してもよいし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶剤に溶かして混合するなどして分散状態としてもよい。得られる樹脂硬化体がより透明になりやすいという観点からは、(A)成分に溶かして均一な状態として混合することが好ましい。この場合も、熱可塑性樹脂を(A)成分に直接溶解させてもよいし、溶剤などを用いて均一に混合してもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態および/または混合状態としてもよい。
熱可塑性樹脂を分散させて用いる場合は、平均粒子径は種々設定できるが、好ましくは10nm〜10μmである。粒子径分布はあってもよく、単一分散でも複数のピーク粒径を持っていてもよいが、白色熱硬化性組成物の粘度が低く成形性が良好となりやすいという観点からは、粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
さらに、白色熱硬化性組成物には、それ以外の熱硬化性樹脂の粒子を混合しても良い。熱硬化性樹脂粒子は、熱硬化性樹脂を硬化させて粉砕することにより得ることができる。熱硬化性樹脂粒子を白色熱硬化性組成物中に分散させて用いる場合は、平均粒子径は種々設定できるが、好ましくは10nm〜10μmである。粒子径分布はあってもよく、単一分散であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、白色熱硬化性組成物の粘度が低く成形性が良好となりやすいという観点からは、粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
白色熱硬化性組成物は、たとえば、上記した(A)〜(D)の必須成分、ならびにその他の任意成分を、上記した方法に従って混合することにより、調製できる。こうして得られる白色熱硬化性組成物は、そのまま液状物またはペースト状物として使用できる。さらに、白色熱硬化性組成物は、各成分および添加剤などを混合した後、加熱などにより部分的に反応(Bステージ化)させてから使用してもよい。Bステージ化することにより粘度調整が可能であり、加熱加圧成形、例えばトランスファー成形性を調整することもできる。また、硬化収縮をより抑制する効果もある。
白色熱硬化性組成物は、トランスファー成形などによる成形性が良好であるという観点からは、150℃以下の温度で流動性を有することが好ましい。
また、白色熱硬化性組成物の硬化性は任意に設定できるが、成形サイクルが短くできるという観点からは、120℃におけるゲル化時間が120秒以内であることが好ましく、60秒以内であることがより好ましい。また、150℃におけるゲル化時間が60秒以内であることが好ましく、30秒以内であることがより好ましい。また、100℃におけるゲル化時間が180秒以内であることが好ましく、120秒以内であることがより好ましい。
この場合のゲル化時間は、以下のようにして調べられる。設定温度に調整したホットプレート上に厚み50μmのアルミ箔を置き、その上に白色熱硬化性組成物約100mgを置いてゲル化するまでの時間を測定してゲル化時間とする。
白色熱硬化性組成物を用いて樹脂成形体を製造する工程において、白色熱硬化性組成物中へのボイドの発生および白色熱硬化性組成物からのアウトガスによる工程上の問題が生じ難いという観点からは、硬化中の重量減少は、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。なお、硬化中の重量減少は、熱重量分析装置を用いて、試料(白色熱硬化性組成物)10mgを室温から150℃まで10℃/分の昇温速度で昇温して、減少した重量の初期重量に対する割合として求めることができる。
樹脂硬化体の線膨張係数は、特に制約はないが、リードフレームなどの金属やセラミックなどとの接着性が良好になりやすいという観点からは、23℃から150℃までの平均線膨張係数は好ましくは30ppm以下、より好ましくは20ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下である。
白色熱硬化性組成物を硬化して得た成形体表面の波長460nmにおける光線反射率は80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは99%以上である。
樹脂硬化体の分光反射率は、微小面分光色差計(日本電色工業社製VSS400)を用いて波長400nm〜700nm(20nm間隔)における分光反射率として測定される。ここで各波長における測定値は、樹脂成形体の凹部開口面の任意の4箇所(測定面積0.1mmφ)の測定値の平均値を採用した。
表面の光線反射率は以下のようにしても測定することができる。PETフィルムを離型フィルムとして用い、所定の温度条件でプレス成形にてボイドのない0.5mm厚の成形体を作成する。得られた成形体に必要に応じて所定の後硬化を実施する。得られた成形体について積分球を設置した分光光度計を用いて460nmの全反射を測定することにより、光線反射率を求めることができる。
白色熱硬化性組成物は、発光素子用のリードフレームの片面に成形してパッケージとした場合の、樹脂硬化体の反りが±1.0mm以下であることが望ましい。
この場合の反りはJIS C 6481に記載の最大反りの測定方法に基づいて測定される。発光装置を一辺の中央で垂直に吊り下げ、その辺に平行に直定規を当てる。直定規は発光装置の凹面に当て、直定規と発光装置の基材面との最大の隔たりを金属製直尺で1.0mmの単位まで測定する。発光装置の凹面に樹脂が成形されている場合は、直定規と発光装置に成形された樹脂面との最大の隔たりを金属製直尺で1.0mmの単位まで測定し、その値から樹脂の厚み分を引いた値を、1.0mmの単位に四捨五入する。他の辺についても順次測定し、最も大きな隔たりを反りとする。
白色熱硬化性組成物は、タブレットとすることができる。ここで言うタブレットとは、室温において一定した形状を保持し、経時的な形状の変化が実質的になく、また互いに接触させたときに互着や一体化することのない固体のことを意味する。タブレットの形状は、特に限定されず、円柱状、角柱状、円盤状、球状などの形状を含むが、トランスファー成形に一般的な円柱状が好ましい。
具体的には、タブレットは、少なくとも一方が23℃における粘度が50Pa秒以下の液体である(A)成分、(A)成分を硬化させるための(D)成分、共に粉体である(B)成分および(C)成分を含有することを特徴とする。このようなタブレットは、高温で(A)成分が粘度低下することによって白色熱硬化性組成物全体が流動可能となり、さらに加熱を続けると硬化反応が進行して所望の形状に成形することが可能である。
成形方法としては、特に限定されず、白色熱硬化性組成物の成形に一般的であるトランスファー成形や圧縮成形などの成形方法を用いることができる。これらの成形方法を用いる場合、原料である熱硬化性樹脂組成物がペースト状や粘土状であると、一定した形状を保持できず、互着や一体化、変形したりするため、計量や搬送、成形機への供給が非常に困難となる。一方、タブレット形状であると、計量や搬送、成形機への供給が容易となり、自動化も可能となって生産性が大幅に向上する。
タブレットに占める(B)成分および(C)成分の合計の割合(以下「充填率」と言うことがある)は、好ましくは70〜95重量%である。充填率における(B)成分と(C)成分の配分については特に限定されず、自由に設定できる。充填率が70重量%未満であると、得られる樹脂硬化体の熱膨張率が大きくなって樹脂成形体の寸法変化が問題となることや、得られる白色熱硬化性組成物が硬いペースト状や粘土状となりタブレット化ができなくなる問題がある。充填率が95重量%を超えると、白色熱硬化性組成物の高温での粘度が高くなりすぎて成形性が低下することや、得られるタブレットが脆くなりすぎる。
[成形方法]
本発明で言う表面実装型発光装置用樹脂成形体の成形方法としては各種の方法が用いられる。例えば、射出成形、トランスファー成形、RIM成形、キャスティング成形、プレス成形、コンプレッション成形等、熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂に一般に用いられる各種成形方法が用いられる。これらの内、成形サイクルが短く成形性が良好であるという点においてはトランスファー成形が好ましい。成形条件も任意に設定可能であり、例えば成形温度についても任意であるが、硬化が速く成形サイクルが短く成形性が良好になりやすいという点においては100℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上の温度が好ましい。上記のような各種方法によって成形した後、必要に応じて後硬化(アフターキュア)することも任意である。後硬化した方が耐熱性は高くなり易い。
成形は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。一定の温度で行うより多段階的あるいは連続的に温度を上昇させながら反応させた方が歪のない均一な硬化物が得られやすいという点において好ましい。また、一定温度で行う方が成形サイクルを短くできるという点において好ましい。
硬化時間も種々設定できるが、高温短時間で反応させるより、比較的低温長時間で反応させた方が歪のない均一な硬化物が得られやすいという点において好ましい。逆に、高温短時間で反応させる方が成形サイクルを短くできるという点において好ましい。
成形時の圧力も必要に応じ種々設定でき、常圧、高圧、あるいは減圧状態で成形することもできる。ボイドの発生を抑制したり、充填性をよくしたり、場合によって発生する揮発分を除きやすいという点においては、減圧状態で硬化させることが好ましい。成形体へのクラックを防止できるという点においては、加圧状態で硬化させることが好ましい。
[成形用金型の表面処理]
本発明に係る樹脂成形体の成形用金型の表面形態は、耐磨耗性の向上、腐食防止、離型性の向上などの目的で、金型材質とは異なる成分をメッキまたはコーティングすることができる。金型の表面に5μm以下の厚みの硬質クロムメッキがなされ、そのメッキの上に厚さ2μm以下のフッ素樹脂をコーティングしたことを特徴とする。フッ素樹脂の下層に 硬質クロムメッキ層を設けることにより、金型の離型性効果が長期間持続可能となる。フッ素樹脂は、PTFE、PEFなどが好適である。また、真空蒸着法により硬質クロムメッキ層と、フッ素樹脂皮膜を形成させることも離型性改善に効果がある。金型表面処理は上記の方法に限られず、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)でも同様の効果が期待できる。このDLCは、高真空中のアーク放電プラズマで炭化水素ガスを分解し、プラズマ中のイオンや励起分子を金型に電気的に加速してエネルギーを持って衝突させることにより膜を形成するものであり、その膜は緻密なアモルファス構造となり、表面は非常に滑らかで結晶粒界が生じないために、低摩擦係数、耐磨耗性、離型性などに優れた特性を示すものである。
[金型クリーニング方法]
成形時の金型クリーニング方法は、市販されているメラミン樹脂等のモールド用クリーニングシートやタブレットが好適に利用できる。
[連続成形性]
金型表面の傷やメッキ、コーティング剥がれなどの金型表面の物理的劣化が生じず、成形品の不良(表面のクラックやボイド)が発生、成形品の金型への張り付き具合、金型表面の汚れ具合(特に曇り・白化)が金型表面のクリーニングのみで回避でき、金型を成形機から外さずに連続成形できる回数としては、好ましくは10000回以上で、より好ましくは50000以上であり、さらに好ましくは100000回以上である。
[金型リコート]
金型表面コーティング層やメッキ層の剥離やキズなどの物理的劣化が観測された場合、金型リコート、すなわち再表面処理が必要となる。金型再表面処理の方法に制限はないが、既に付着している被膜を、薬液を用いて除去し(除膜)、ベース金属を露出させこの上に再度コーティングやメッキを施す。こうして金型の繰り返し使用が可能となる。
[表面実装型発光装置]
本発明の表面実装型発光装置(以下単に「発光装置」とする)は、樹脂硬化体と複数のリードとが一体成形され、底部に複数のリードが露出する凹部を有し、樹脂成形体の凹部底部に実装され、複数のリードと通電可能に接続される発光素子と、発光素子を封止する透明樹脂層と、を備えている。なお、樹脂成形体の凹部底部には、複数個の発光素子が実装されていても良い。
すなわち、本発明の発光装置は、樹脂成形体として、樹脂硬化体と複数のリードとが一体成形され、底部に複数のリードが露出する凹部を有する以外は、従来の表面実装型発光装置と同じ構成を有することができる。
ここで、樹脂成形体としては、上記した各種の樹脂成形体を使用できる。
また、発光素子としては、従来から用いられている発光素子をいずれも使用でき、たとえば、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)などが挙げられる。前記発光ダイオードには、たとえば、青色LEDチップ、紫外線LEDチップ、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、黄緑色LEDチップなどがあり、PN接合構造またはNPN接合構造を有するチップ、2つの電極が水平型または垂直型に配置されるチップなどを含む。
発光素子は、たとえば、ワイヤボンディング、フリップチップボンディングなどの公知の接続方法により、複数のリードと通電可能に接続される。通電可能な接続とは、たとえば、発光素子が2つの電極を有し、複数のリードが第1リードと第2リードとを有している場合、発光素子の一方の電極を第1リードのインナーリード部に接続し、発光素子の他方の電極を第2リードのインナーリード部に接続することである。
また、発光素子を樹脂成型体の凹部の底部に接着するための接着剤としては、たとえば、銀ペースト、共晶はんだ(AuSn、AuGe、AuSiなど)、金バンプなどが用いられる。共晶はんだの融点は、好ましくは200℃〜350℃の範囲である。高出力型LEDを用いる場合は、p−n接合温度が上昇するため、高温で安定した接合強度が得られる共晶はんだや金バンプなどを用いることが好ましい。発光素子は、たとえば、樹脂成形体の凹部底部の、めっき層を有するリード表面に接着剤層を形成し(このときリードと接着剤層とは電気的に接続されている)、その上に発光素子を載置し、加熱溶融することにより、リード表面に固定される。接着剤層は、たとえば、ペースト材料の印刷、ディスペンス、プリフォーム、箔成形、メタライズ、ボール成形などの一般的な手法により形成できる。金属からなる接着剤層を設けることにより、発光装置の放熱性を高めることができる。
また、リード表面における発光素子と接合する領域は、平坦度が好ましくは0.001〜50μmである。平坦度とは、測定する領域の任意の3隅を含む面を基準面とするとき、基準面に対する測定領域の中央の高さとして表される。平坦度が0.001μm未満では、リード表面に形成されためっき層の表面が滑らかになりすぎて、めっき層と接着剤層との密着強度が低下し、接着剤層が剥離し易くなる傾向がある。また、平坦度が50μmを超えると、めっき層と接着剤層との接合面積が小さくなる。その結果、発光装置の放熱性が低下したり、発光素子とリードフレームとの接合強度が低下したりする傾向がある。
発光素子を封止する透明性樹脂としては、従来から表面実装型発光装置に用いられている封止用の透明性樹脂をいずれも使用でき、たとえば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂などが挙げられる。
透明性樹脂層は、たとえば、底部に発光素子を配置させたカップ、キャビティ、パッケージ(樹脂成形体)凹部などに液状の透明性樹脂をディスペンサーその他の方法にて注入して加熱などにより硬化させてもよいし、固体状あるいは高粘度液状の組成物を加熱するなどして流動させ、前記と同様にパッケージ凹部などに注入して、さらに加熱するなどして硬化させてもよい。また透明性樹脂をトランスファー成形、射出成形、インサート成形することによっても、形成できる。
また、透明性樹脂に代えて、樹脂成形体の発光素子を実装した後の凹部に、レンズを装着してもよい。レンズとしては特に限定されず、表面実装型発光素子の分野で一般に使用されるレンズをいずれも使用でき、また、透明性樹脂をレンズの形に成形して用いても良い。一方、透明性樹脂による封止およびレンズの装着を行わずに、ガラスなどでカバーしてハーメチック封止をすることも可能である。
発光装置の形状についても限定されず、表面実装型発光装置の分野で用いられる各種形状を採用できるが、金属製リードフレームの片面に樹脂硬化体が付着しているMAPタイプが好ましい。MAPタイプを用いることにより、特に本発明の硬化が得られ易い。
本発明の発光装置は、従来公知の各種の用途に用いることができる。具体的には、たとえば、液晶表示装置などのバックライト、照明、センサー光源、車両用計器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種ライトなどが挙げられる。
[白色熱硬化性組成物の作製方法]
本実施形態の白色熱硬化性組成物は、上述した各種成分を均一に分散混合することで得ることができ、その手段や条件等は特に限定されない。白色熱硬化性組成物を作製する一般的な方法として所定配合量の各種成分をミキサー等によって十分に均一に撹拌および混合した後、ミキシングロール、押出機、ニーダー、ロールおよびエクストルーダー等、らいかい機、自転と公転を組み合わせた遊星式混合機等を用いて混練し、さらに得られた混練物を冷却および粉砕する方法を挙げることができる。
混練の条件は、各成分の種類や配合量により適宜決定すればよく、例えば、15〜100℃で5〜40分間混練することが好ましく、20〜100℃で10〜30分間混練することがより好ましい。混練温度が15℃未満であると、各成分を混練させ難くなり、分散性も低下する傾向にあり、100℃を超えると、熱硬化性樹脂の高分子量化が進行し、混練時に熱硬化性樹脂が硬化してしまう可能性がある。また、混練時間が5分未満であると、十分な分散効果が得られない可能性がある。混練時間が40分を超えると、熱硬化性樹脂の高分子量化が進行し、熱硬化性樹脂が硬化してしまう可能性がある。
[白色熱硬化性組成物タブレットの作成]
本発明の成形方法において用いるタブレットは、出来上がりの形状が円柱状であれば、その作製方法は限定されない。例えば、熱硬化性樹脂と充填材からなる熱硬化性樹脂組成物を押出成形の要領にて、円柱状のストランドを排出させ、等間隔で切断し円柱状のタブレットを得る方法、あるいは、内部が円柱状の凹型である治具に、所定量の熱硬化性樹脂組成物を添加し、円柱状の凸型治具を押し込み、円柱状のタブレットを得る方法などが挙げられる。これらは、手動でもよく、また自動化して作製してもよい。
[熱硬化性樹脂組成物タブレットを用いた成形方法]
本発明の成形方法は、一般に知られたトランスファー成形機を用いて行われる。具体的には、熱硬化性樹脂組成物よりなるタブレットは、トランスファー成形機に備え付けられた樹脂成形用金型のポットと呼ばれる凹部に投入された後に金型を閉じ、注入用プレンジャーの前進にて樹脂を加圧し押し出すことで、樹脂流路から金型キャビティに樹脂組成物が注入されて成形が行われるものである。ここで、樹脂成形用金型のポットにタブレットが装填されるまでの工程を説明すると、現在は主に自動化が進んでおり、例を挙げると、成形用に作製されたタブレットは、専用のタブレット搬送装置を経て直接金型ポットに装填される場合、搬送装置を経て、専用の供給装置にてタブレット並びを整理させた後、金型ポットに装填される場合など、様々な方法が存在する。金型ポットへの装填の方法に制限は無く、タブレットの側面を直接ロボットアームで掴みポットに装填する場合や、円柱状にくり貫かれた供給装置にタブレットを事前に装填しておき、供給装置ごと金型ポット上部まで運び、供給装置下部のスリットをスライドさせることで、供給装置からタブレットを金型ポットに落下させ装填させる方法など様々である。しかし、本工程を用いる場合、タブレットの性状が軟質である場合は、搬送時に変形が生じ、供給装置や金型ポットに規則正しく装填できない場合があり、またタブレット性状が硬い場合でも、表面にタック感がある場合は、搬送装置、あるいは供給装置を汚染したり、タブレットの一部分が付着することで所定量のタブレットを装填できないこともある。そのため、本発明において用いるタブレットは、その表面温度を−40℃から10℃の間に調整したものを用いることで、材料の表面が硬くなり、またタック性も改善することで、成形時におけるタブレットの搬送や成形機内の金型ポットへのタブレット供給において、トラブルを起こすことなく、安定した生産が可能となる。タブレットの表面温度が10℃よりも高いと、タブレット供給装置あるいは搬送装置にタブレット表面の樹脂組成物が付着し、汚れの原因となるなどの傾向がある。また表面温度が特許範囲以下の場合については、オーバースペックであることや、タブレットを冷却するためのユーティリティコストが非常に高くなるため好ましくない。更に表面温度が−40℃から10℃に調整された円柱状タブレットは、タブレット供給装置あるいは搬送装置に投入してからトランスファー成形機内の金型ポット内に投入されるまでの時間が2分以内であることが好ましい。この時間を越えると、タブレット表面のタック性が低下し、タブレット供給装置あるいは搬送装置にタブレット表面の樹脂組成物が付着し、汚れの原因となるなどの傾向がある。したがって、本発明の成形方法において用いるタブレットは、冷却することによりその表面を硬くする、すなわち強度は特定の範囲に入ることが重要である。具体的には、熱硬化性樹脂組成物からなる円柱状タブレットの形状が直径13mmかつ高さが20mmである場合に、そのタブレット上面から同じく直径13mmの平板状プローブを用いて荷重を加え、タブレット高さが5mm変位するときの最大荷重が3.5kgf以上であることがタブレット形状保持性などの観点で好ましい。最大荷重が3.5kgf未満の場合には、タブレット供給時や搬送時の変形などを起こす傾向がある。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに制限されるものではない。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(合成例1)
メチルトリクロルシラン100質量部、トルエン200質量部を1Lのフラスコに入れ、氷冷下で水8質量部、イソプロピルアルコール60質量部の混合液を液中滴下した。内温は−5〜0℃で5〜20時間かけて滴下し、その後加熱して還流温度で20分間撹拌した。それから室温まで冷却し、水12質量部を30℃以下、30分間で滴下し、20分間撹拌した。更に水25質量部を滴下後、40〜45℃で60分間撹拌した。その後水200質量部を加えて有機層を分離した。この有機層を中性になるまで洗浄し、その後共沸脱水、濾過、減圧ストリップをすることにより、無色透明の固体(融点76℃)36.0質量部のオルガノポリシロキサン(A)を得た。
(CH3)1.0Si(OC3H7)0.07(OH)0.10O1.4 (A)
(実施例1〜2、比較例1〜2)
表1に示した配合比(質量部)に従い、各成分を配合し、得られた白色硬化性組成物の混合物を、丸棒状の冶具にて押し延ばした後、折り重ねて再度押し延ばす作業を繰り返して均一化した。フレーク状や粉体状の場合は、乳鉢ですり潰して均一化した。または電動カッターローラー(送り速度1.3min/mm、大島工業株式会社製、ER−440)を用いて混練した。
<タブレット作製方法>
作製した硬化性樹脂組成物を、Φ13mmの金属製の杵と臼からなるタブレット製造冶具で0.39MPa圧縮して、高さ20mmになるよう仕込み量を調整した。
得られたタブレットは、評価に応じて、冷凍保管(−20℃)、冷蔵保管(5℃)、恒温保管(23℃)した。
<樹脂硬化体の成形方法>
アピックヤマダ株式会社製トランスファー成形機を用いて、50(mm)x50(mm)x1(mm)の樹脂硬化体となる平板を作製した。型締力は30ton、注入圧力は7.7MPa、注入速度は3mm/sとした。白色コンパウンド5.0gを計量、円柱状に賦形し、シリンダー内へ装填し、金型表面にはスプレー式フッ素系離型剤(ダイキン工業株式会社製:ダイフリーGA−7500)を塗布して成形した。成形条件は、170℃/3分、7.8〜13.7MPa。成形後180℃/1hで後キュアした。
<連続成形性の評価>
上記のトランスファー成形方法で、連続成形を実施した。その際、成形品不良(表面のクラックやボイド)の発生や、成形品の金型への張り付き具合、金型表面の汚れ具合(特に曇り・白化)を成形回数に応じて評価した。これらの不良が通常の金型クリーニングで回復しない場合、金型表面全体の観察を実態顕微鏡または走査型顕微鏡で実施した。このとき、1μm以上の金型表面の傷やメッキやコーティング剥がれの発生を観察し、金型表面の物理的劣化が観察された時点の成形ショット数を連続成形の終点とした。金型表面不良の観察は、実体顕微鏡(三眼ズーム式実体顕微鏡、メイジテクノ EMZ-8TR)、走査型電子顕顕微鏡(JSM‐6060LA(日本電子(株)製)を使用して実施した。
<白色熱硬化性組成物の評価>
上記成形で得られた平板を樹脂硬化体の分光反射率は、微小面分光色差計(日本電色工業社製VSS400を用いて波長400nm〜700nm(20nm間隔)における分光反射率として測定し、460nmの値をデータとして取得した。
表1中の*1〜8は以下の通りである。
*1:合成例1で得たオルガノポリシロキサン(A)
*2:酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製、比重5.6、平均粒径0.6μm、商品名:酸化亜鉛1種)
*3:酸化チタン(石原産業株式会社製、ルチル型、比重4.2、塩素法、表面有機:AI、Si、ボリメチルハイドロジェンシロキサン、平均粒径0. 21 μm、12μm以下の粒子の割合100、商品名:タイベークPC-3)
*4:炭酸マグネシウム(和光純薬工業株式会社製、比重2.95)
*5:溶融球状シリカ(株式会社龍森製、比重2.2、平均粒径24.8μm、12μm以下の粒子の割合:28%、商品名:MSR−2212−TN)
*6:安息香酸亜鉛(和光純薬工業株式会社製)
*7:ステアリン酸カルシウム(和光純薬株式会社製)
*8:3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−803)。
表1及示したように、実施例1〜2で得られた白色熱硬化性組成物は白色で高い反射率を示しかつ連続成形性に優れた。これに対して、比較例1〜2で得られた白色熱硬化性組成物は反射率や連続成形性に問題があった。本発明によれば、適切な白色顔料を選択することで連続成形性に優れる白色熱硬化性組成物を与え、生産性高く反射率の高い表面実装型発光装置用樹脂成形体及び光半導体装置を提供することができる。