JP2013135028A - 印刷配線基材およびその製造方法ならびにグラビア版 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドクターがたわむことで発生するグラビア版の溝パターン内のインキの過剰な掻き取りを防止し、印刷適性上の問題のない高精度の印刷配線を備えた印刷配線基材および印刷配線を形成するためのグラビア版を提供する。
【解決手段】印刷配線基材の印刷配線は屈曲部を有し、屈曲部が複数の直線状の配線で構成され、直線状の配線のうち2つの直線状の配線がなす内角が135°以上である。また、グラビア版の溝パターンは屈曲部3を有し、屈曲部3が複数の直線状の溝3a、3b、3c、3dで構成され、直線状の溝3a、3b、3c、3dのうち2つの直線状の溝がなす内角が135°以上である。
【選択図】図4

Description

本発明は、グラビアオフセット印刷などによって形成された印刷配線を備える印刷配線基材およびその製造方法、ならびにグラビアオフセット印刷などで用いられるグラビア版に関する。
基材上に印刷配線を備える印刷配線基材は、例えば、ICカードアンテナ(コイル状のパターン)や太陽電池バックシートの導配線、電磁波シールド、タッチパネル用の額縁配線などに多く用いられている。このうち、タッチパネルの額縁配線には、従来、スパッタ製膜を用いたフォトリソ法やスクリーン印刷による印刷法が用いられている。
しかしながら、技術革新による配線の微細化やコスト競争などにより、現行の製造方法から別の方法へ移行しようとする動きがある。例えば、スパッタ製膜を用いたフォトリソ法の場合、材料コストやプロセスコストが高く、配線の微細化に関しては、配線の幅が10μm程度のところまで技術的には可能であるが、配線を形成する膜の抵抗値が高いため微細化した場合に抵抗が高くなって問題になる可能性がある。また、スクリーン印刷の場合、コストや抵抗値に関しては問題がないものの、微細化という点では、配線の幅が80μm程度であり、スパッタ製膜を用いたフォトリソ法よりも劣る。
一方、他の印刷法として、グラビアオフセット印刷法がある。例えば、特許文献1には、配線構造を有するタッチパネル用導電性部材の製造方法において、額縁部分へのパターン化された配線構造を印刷する方法として、グラビアオフセット印刷を用いることが開示されている。
特開2011−210148号公報
しかしながら、グラビアオフセット印刷は、微細な配線パターン(30〜100μm)は比較的精度よく形成でき、逆に広い配線パターンの形成は難しい。理由としては、グラビア版にインキを乗せ、溝パターンだけにインキを残すためにドクターで表面のインキを掻き取る必要があるが、あまり広いとドクターがたわんで溝パターン内のインキを多く掻き取ってしまい、印刷できなくなるからである。同様の理由で、ドクターの長さ方向に対して平行な直線状の溝パターンもドクターがたわんで多く掻き取ったり、たわんだ反動で溝の近傍に掻き取れなかったインキが残ってしまったりして、精度よく印刷できない。したがって、グラビア版においては、ドクターの長さ方向に対して平行な直線状の溝パターンの配置を避ける必要がある。
また、配線パターンの屈曲部も問題になる。電気的特性上、配線の屈曲を90°の直線状の配線パターンで構成できず、4分の1の円状の配線パターンで構成する場合がある。しかしながら、円状の配線パターンを形成する場合、原理上はグラビア版においてドクターの長さ方向と平行な溝パターンは存在しないが、円の半径が大きい場合は平行と同じくらいの長さでドクターと接してしまう部分が出来てしまう。円状の配線パターンの半径サイズでも変わってくるが、印刷適性上問題が発生する場合が多い。
そこで、本発明は、上記の課題を達成するため、配線の屈曲部を特定の内角をなす複数の直線状の配線で構成し、配線を形成するためのグラビア版において、ドクターの長さ方向に対して平行になる溝パターンができるだけ存在しないような構成とした。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、印刷配線を備える印刷配線基材であって、前記印刷配線が屈曲部を有し、前記屈曲部が複数の直線状の配線で構成され、前記直線状の配線のうち2つの直線状の配線がなす内角が135°以上であることを特徴とする印刷配線基材である。
また、請求項2に記載の発明は、前記屈曲部が3つ以上の直線状の配線で構成されることを特徴とする請求項1に記載の印刷配線基材である。
また、請求項3に記載の発明は、前記直線状の配線の幅が20μm以上75μm以下であり、前記内角をなす2つの直線状の配線内であって、前記内角と接する直線の長さが500μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷配線基材である。
また、請求項4に記載の発明は、前記印刷配線が、タッチパネルの額縁印刷配線であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の印刷配線基材である。
また、請求項5に記載の発明は、印刷配線を備える印刷配線基材の製造方法であって、ドクターでグラビア版に配置された溝パターンにインキを充填する工程と、前記溝パターンに充填されたインキをブランケットに転写する工程と、前記ブランケットに転写されたインキを基材に転写して印刷配線を形成する工程とを備え、前記溝パターンが屈曲部を有し、前記屈曲部が複数の直線状の溝で構成され、前記ドクターの長さ方向と前記直線状の溝とがなす角が15°以上90°以下であることを特徴とする印刷配線基材の製造方法である。
また、請求項6に記載の発明は、前記屈曲部が3つ以上の直線状の溝で構成されることを特徴とする請求項5に記載の印刷配線基材の製造方法である。
また、請求項7に記載の発明は、前記直線状の溝の幅が20μm以上75μm以下であり、
前記ドクターが前記屈曲部と接する長さの最大値が500μm以下であることを特徴とする請求項5または6に記載の印刷配線基材の製造方法である。
また、請求項8に記載の発明は、溝パターンを備えるグラビア版であって、前記溝パターンが屈曲部を有し、前記屈曲部が複数の直線状の溝で構成され、前記直線状の溝のうち2つの直線状の溝がなす内角が135°以上であることを特徴とするグラビア版である。
また、請求項9に記載の発明は、前記屈曲部が3つ以上の直線状の溝で構成されることを特徴とする請求項8に記載のグラビア版である。
また、請求項10に記載の発明は、前記直線状の溝の幅が20μm以上75μm以下であり、前記内角をなす2つの直線状の溝内であって、前記内角と接する直線の長さが500μm以下であることを特徴とする請求項8または9に記載のグラビア版である。
本発明によれば、グラビア版に配置された溝パターンのうち、ドクターの長さ方向と平行に接する溝パターンをできるだけ少なくすることができるため、ドクターがたわむことで発生するインキの過剰な掻き取りを防止することができる。また、これにより、印刷適性上の問題のない高精度の印刷配線を備えた印刷配線基材を提供することができる。
従来のグラビア版に配置された溝パターンの一部の上面図である。 従来のグラビア版に配置された溝パターンの一部の上面図である。 本発明のグラビア版に配置された溝パターンの一部の上面図である。 本発明のグラビア版に配置された溝パターンの一部の上面図である。 従来のグラビア版に配置された溝パターンの一部の上面図である。 本発明のグラビア版に配置された溝パターンの一部の上面図である。 本発明の印刷配線基材の製造工程図である。 本発明の印刷配線基材の製造工程1を上面からみた図である。 本発明の印刷配線基材に備えられた印刷配線の一部の上面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の実施形態は、以下に記載する実施形態に限定されうるものではなく、当業者の知識に基づいて設計の変更などの変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の実施形態の範囲に含まれうるものである。
[グラビア版]
グラビアオフセット印刷などに用いられるグラビア版に配置された溝パターンについて、従来のグラビア版に配置された溝パターンの一部の上面図を図1、2に、本発明のグラビア版に配置された溝パターンの一部の上面図を図3、4にそれぞれ示す。なお、図1から4に示したグラビア版に配置された溝パターンは、いずれも90°に曲がった配線を形成するためのパターンである。
図1、2に示すように、従来のグラビア版に配置された円状の溝パターン1に対して直線状のドクター2を接すると、ドクター2が円状の溝パターン1と接する方向に関わらずその接する長さA1、A2は一定となる。
例えば、図5に示すように、溝幅Dが0.05mmの円状の溝パターン1の外径Eを0.75mmとした場合、円状の溝パターン1の内径Fは、E−D=0.7mmであるから、円状の溝パターン1に対してドクターを接した場合、ドクターが円状の溝パターン1と接する長さの最大値2Cは、C=E−Fから算出でき、0.538mmとなる。ここで、ドクターが円状の溝パターン1と接する長さの最大値2Cとは、円状の溝パターン1内であって、半径Fの円と接する直線の長さのことをいう。
それに対し、本発明のグラビア版に配置された溝パターンは、直線状のドクターと接する方向によって、ドクターと溝パターンとの接する長さを調整することが出来る。本発明のグラビア版に配置された溝パターンはその一部に屈曲部を有し、その屈曲部は複数の直線状の溝で構成され、直線状の溝のうち2つの直線状の溝がなす内角が135°以上である。
ここで、屈曲部とは、グラビア版に配置された溝パターンのうち、屈曲した溝部分であって、直線状の溝を複数組み合わせることで形成された部分のことをいう。また、2つの直線状の溝がなす内角とは、屈曲部を構成する2つの直線状の溝がつくる内側の角度のことをいう。
例えば、90°に曲がった配線を形成するために、図3、図4のように、4つの直線状の溝3a、3b、3c、3dを、直線状の溝3aと直線状の溝3bがなす内角α1、直線状の溝3bと直線状の溝3cがなす内角α2、直線状の溝3cと直線状の溝3dがなす内角α3が、それぞれ150°となるように配置した屈曲部3の場合、直線状のドクター2と接する方向によってドクター2と屈曲部3との接する長さを調整することが出来る。
図3では、屈曲部3の直線状の溝3bに対してドクター2が平行に接しているため、屈曲部3と接する長さB1が長くなっている。一方、図4では、屈曲部3の頂点(直線状の溝3cと直線状の溝3dがなす頂点)に対してドクター2が接しているため、ドクター2と接する長さB2を短くすることが出来る。
このように、屈曲部の頂点に対してドクターが接する場合、ドクターと屈曲部との接する長さが一番短くなる。例えば、図6に示すように、内角βを150°で構成している溝幅Dが0.05mmの屈曲部3の場合、角度γは、90°−β/2=15°であるから、屈曲部3に対してドクターを接した場合、ドクターが屈曲部3と接する長さの最大値2Gは、2×D/tan15°から算出でき、0.373mmとなる。なお、角度γとは、屈曲部3のうち内角βをなす2つの直線状の溝内(屈曲部3の網掛け部分)であって、内角βと接する直線と屈曲部3の外側の線とがなす角度のことをいう。
ここで、ドクターが屈曲部3と接する長さは、屈曲部3の内角と接するときに最大となることから、ドクターに対して平行になる溝ができるだけ存在しないような構成とするためには、ドクターが屈曲部3の内角と接するときの長さ2Gをできるだけ短くすることが好ましい。そこで、屈曲部3のうち内角をなす2つの直線状の溝内(図6で示す屈曲部3の網掛け部分)であって、当該内角と接する直線の長さ(図6で示す長さ2G)が500μm以下であることが好ましい。内角と接する直線の長さ2Gが500μmを超えると、屈曲部3内にドクターの長さ方向に対して平行になる部分の存在が無視できなくなり、ドクターがたわんで溝パターン内のインキを多く掻き取ってしまう。
例えば、図5に示した円状の溝パターン1の場合、ドクターが円状の溝パターン1と接する長さの最大値2Cは0.538mmであるから、ドクターがたわんで溝パターン内のインキを多く掻き取ってしまうおそれがある。一方、図6に示した屈曲部3の場合、ドクターが屈曲部3と接する長さの最大値2Gは0.373mmであるから、ドクターによる溝パターン内のインキの過剰な掻き取りを防ぐことができる。
ただし、グラビア版に配置された溝パターンが屈曲部を有していても、図3のように、屈曲部3の直線状の溝3bに対してドクター2が平行に接する場合、ドクター2と屈曲部3との接する長さが直線状の溝3bの長さと等しくなるため、直線状の溝3bの長さが500μmを超えてしまうと、ドクターによる溝内のインキの過剰な掻き取りが発生するおそれがある。この場合、図4のように、屈曲部3の頂点に対してドクター2が接するように移動させることで、ドクター2と屈曲部3の接する長さを短くすることができる。また、屈曲部3を構成する直線状の溝の数を増やし、2つの直線状の溝がなす内角を大きくし、直線状の溝の長さを500μm以下にすることによって、ドクター2と屈曲部3の接する長さを短くすることもできる。
また、ドクターと屈曲部の接する長さを短くするためには、屈曲部を構成する直線状の溝の幅が20μm以上75μm以下であることが好ましい。直線状の溝の幅が75μmを超えると、上述したドクターが屈曲部3と接する長さの最大値2G(図6)の算出式(2×D/tan15°)からもわかる通り、溝幅Dの増加に伴い、ドクターと屈曲部の接する長さの最大値2Gが増加するため好ましくない。一方、直線状の溝の幅が20μmを下回ると、角度などに関係なく印刷性が低下するため好ましくない。
また、屈曲部を構成する直線状の溝のうち2つの直線状の溝がなす内角は135°以上であることが好ましい。2つの直線状の溝がなす内角が135°を下回ると角の形状が歪むため好ましくない。一方、2つの直線状の溝パターンがなす内角の上限は、180°より小さければ特に限定されない。ただし、180°に近づくにつれて、直線状の溝はドクターの長さ方向と平行に近づくため、2つの直線状の溝がなす内角の上限は、好ましくは170°程度である。
また、複数の直線状の溝で構成される屈曲部は、3つ以上の直線状の溝で構成されることが好ましく、4つ程度の直線状の溝で構成されることがより好ましい。屈曲部を構成する直線状の溝が多くなると、屈曲部が円状の溝パターンに近づくため、ドクターの長さ方向と平行になる部分が多く存在することになり、ドクターによる溝内のインキの過剰な掻き取りが発生するおそれがある。
[印刷配線基材の製造方法]
印刷配線を備える印刷配線基材の製造方法の各工程について以下に示す。図7に示す通り、本発明の印刷配線基材の製造方法は、ドクター5でグラビア版4に配置された溝パターン6にインキ7を充填する工程(工程1)と、グラビア版4に配置された溝パターン6に充填されたインキ7をブランケット8に転写する工程(工程2)と、ブランケット8に転写されたインキ7を基材9に転写して印刷配線を形成する工程(工程3)とを備える。
具体的には、工程1では、グラビア版4の溝パターン6が配置された面にインキ7を乗せ、ドクター5をグラビア版4の長さ方向に対して垂直になるように設定し、グラビア版4上のインキ7を図7の矢印の方向へ掻き取るようになぞることで、溝パターン6の中のみにインキ7を充填する。また、工程2では、円筒状のシリンダーの表面にシリコン層を成型したブランケット8を、一定の圧力、一定の回転速度で図7の矢印の方向へ移動させながらグラビア版4の表面に押し付けて、グラビア版4の溝パターン6に充填されたインキ7をブランケット8の表面に転写する。また、工程3では、ブランケット8を一定の圧力、一定の回転速度で図7の矢印の方向へ移動させながら基材9の表面に押し付け、ブランケット8の表面のインキ7を基材9の表面に転写することにより、基材9の表面に印刷配線を形成する。
また、本発明の印刷配線基材の製造方法は、工程1において、複数の直線状の溝で構成された屈曲部を一部に有する溝パターンが配置されたグラビア版を用い、ドクターの長さ方向と直線状の溝とがなす角が15°以上90°以下となるようにドクターを移動させることで、溝パターンにインキを充填することが好ましい。ドクターの長さ方向と直線状の溝とがなす角が15°より小さい場合、ドクターの長さ方向と直線状の溝とがより平行に近づくため、ドクターがたわんで溝内のインキを多く掻き取ってしまう。なお、本発明において、ドクターの長さ方向と直線状の溝とがなす角は鋭角を基準とし、ドクターの長さ方向と直線状の溝とがなす角が90°の場合は、ドクターが溝パターン内のインキを過剰に掻き取ることはない。
図8に上記工程1を上面からみた図を示す。グラビア版4に配置された溝パターンの一部に屈曲部3があり、屈曲部3は4つの直線状の溝で構成される。グラビア版4の表面をドクター5が図8の矢印の方向へ移動するとき、ドクターの長さ方向(図の矢印に対して垂直方向)と直線状の溝とがなす角δ1、δ2、δ3、δ4が、それぞれ45°、15°、15°、45°となるように、直線状の溝が配置されている。このように、ドクター5の長さ方向と直線状の溝とがなす角が15°以上90°以下となるようにドクター5を移動させることで、ドクター5と屈曲部3との接する長さをより短くさせることができ、ドクター5がたわんで屈曲部3内のインキを過剰に掻き取ることを防止することができる。
ここで、グラビア版としては、銅板、ニッケル版などの金属版、ガラス版などが一般的であるが、これに限定されるものではない。銅板の場合は、溝パターンを必要なパターン形状にエッチング加工で形成する。エッチング加工以外には、電鋳加工、サンドブラスト加工などが挙げられる。パターン形成後は、その表面にクロムメッキやカーボンメッキによる耐擦性皮膜を形成することが好ましい。
また、グラビア版としては、上述の通り、屈曲部を構成する複数の直線状の溝のうち2つの直線状の溝がなす内角が135°以上であるものを用いることが好ましい。これにより、角の形状を歪めずに印刷することができる。
ドクターとしては、グラビア版の溝パターンにインキを充填しかつグラビア版上のインキを掻き取る必要があることから、ある程度のしなりが求められる。よって、ドクターは、ステンレスなどの金属、またはウレタンなどの樹脂、セラミックであることが望ましい。
インキとしては、銀ペーストなど種々の導電性インキや絶縁性樹脂インキなどが使用できる。
ブランケットの円筒状のシリンダーの表面に成型される層の材質としては、シリコンが一般的であるが、これに限定されるものではない。
[印刷配線基材]
本発明の印刷配線基材は、基材の表面に上記の製造方法などにより印刷配線を形成したものである。印刷配線の形状は、上述のグラビア版の溝パターンと略同一であり、印刷配線の一部に屈曲部を有し、屈曲部は複数の直線状の配線で構成され、直線状の配線のうち2つの直線状の配線がなす内角が135°以上である。
ここで、屈曲部とは、印刷配線のうち、屈曲した配線部分であって、直線状の配線を複数組み合わせることで形成された部分のことをいう。具体的には、例えば、図3、4、6に示したグラビア版によって形成された配線部分のことをいう。また、2つの直線状の配線がなす内角とは、屈曲部を構成する2つの直線状の配線がつくる内側の角度のことをいう。
本発明の印刷配線基材において、屈曲部を構成する直線状の配線のうち2つの直線状の配線がなす内角は135°以上であることが好ましい。2つの直線状の配線がなす内角が135°を下回ると角の形状が歪むため好ましくない。一方、2つの直線状の配線がなす内角の上限は、180°より小さければ特に限定されない。ただし、180°に近づくにつれて、直線状の配線は、ドクターの長さ方向と平行に近づくグラビア版の直線状の溝パターンによって形成されるため、精度よく形成できない。よって、2つの直線状の配線がなす内角の上限は、好ましくは170°程度である。
また、印刷配線が有する屈曲部は、複数の直線状の配線で構成されるが、3つ以上の直線状配線で構成されることが好ましく、4つ程度の直線状の配線で構成されることがより好ましい。屈曲部を構成する直線状の配線が多くなると、屈曲部が円状の配線に近づくため、屈曲部を形成するグラビア版の溝パターン内にドクターの長さ方向と平行になる部分が多く存在することになり、屈曲部が精度よく形成されない。
また、図9に示すように、内角εをなす2つの直線状の配線7内(配線7の網掛け部分)であって、内角と接する直線の長さ2Iが500μm以下であることが好ましい。内角と接する直線の長さ2Iが500μmを超えると、2つの直線状の配線7を形成するグラビア版の屈曲部内に、ドクターの長さ方向に対して平行になる部分の存在が無視できなくなり、2つの直線状の配線が精度よく形成されない。なお、長さ2Iの算出方法は、図6で説明した上記算出方法と同じである。
このとき、内角と接する直線の長さ2Iを短くするためには、2つの直線状の配線7の幅Hが20μm以上75μm以下であることが好ましい。直線状の配線の幅Hが75μmを超えると、2つの直線状の配線7を形成するグラビア版の屈曲部とドクターが接する長さが増加するため好ましくない。一方、直線状の配線の幅Hが20μmを下回ると、角度などに関係なく印刷性が低下するため好ましくない。
本発明の印刷配線基材は、上述の通り、グラビアオフセット印刷により形成される。ただし、グラビアオフセット印刷だけではなく、ドクターに相当する微細な溝パターンにインキを充填する手段とグラビア版に相当する微細な溝パターンが配置された凹版との組み合わせであって、本発明の課題であるドクターの長さ方向に対して平行になる溝パターンが存在することによる溝パターン内のインキの過剰な掻き取りが問題となる印刷方法によって形成されてもよい。例えば、ダイレクトグラビア印刷、パッド印刷などが挙げられる。
また、本発明の印刷配線基材は、例えば、ICカードアンテナ(コイル状のパターン)や太陽電池バックシートの導配線、電磁波シールド、タッチパネル用の額縁配線などに多く用いることができるが、微細配線への適用という点で、タッチパネル用の額縁配線として用いることが好ましい。
以下、詳細な実施例について示す。グラビア版として、銅板に幅が70μmの溝パターンを必要なパターン形状にエッチング加工により形成し、クロムメッキをしたものを用いた。溝パターンの深さは一律20μmとした。本実施例の溝パターンは、簡易的に図8で示した4つの直線状の溝で構成された屈曲部3とし、ドクターの長さ方向(図8の矢印に対して垂直方向)と直線状の溝とがなす角δ1、δ2、δ3、δ4が、それぞれ45°、15°、15°、45°となるように配置した。また、2つの直線状の溝がなす内角を150°とした。
上記グラビア版の上に導電性インキを乗せ、ドクター5グラビア版に対して垂直になるように設定し、グラビア版の上の導電性インキを掻き取るようになぞることで、溝パターンの中のみ導電性にインキを充填した。ドクターの圧力は0.05MPa、掻き取り速度は10mm/secとした。
グラビア版上の導電性インキを、円筒シリンダーに成型したシリコンブランケットを圧力0.15MPa、回転速度10mm/secで移動しながら押し付けることでブランケット上に転写した。シリコンブランケットの厚みは0.2mmを用いた。
ブランケット上の導電性インキを、シリコンブランケットを圧力0.15MPa、回転速度10mm/secで移動しながら200μm厚のPETフィルム上に押し付け、転写した。転写することにより、PETフィルム上に印刷配線を形成した。
形成された印刷配線については、印刷適性上の問題は発生しなかった。
本発明の印刷配線基材は、例えば、ICカードアンテナ(コイル状のパターン)や太陽電池バックシートの導配線、電磁波シールド、タッチパネル用の額縁配線などに用いることができる。
1・・・円状の溝パターン
2・・・ドクター
3・・・屈曲部
3a、3b、3c、3d・・・直線状の溝
4・・・グラビア版
5・・・ドクター
6・・・溝パターン
7・・・インキ
8・・・ブランケット
9・・・基材

Claims (10)

  1. 印刷配線を備える印刷配線基材であって、
    前記印刷配線が屈曲部を有し、
    前記屈曲部が複数の直線状の配線で構成され、
    前記直線状の配線のうち2つの直線状の配線がなす内角が135°以上である
    ことを特徴とする印刷配線基材。
  2. 前記屈曲部が3つ以上の直線状の配線で構成されることを特徴とする請求項1に記載の印刷配線基材。
  3. 前記直線状の配線の幅が20μm以上75μm以下であり、
    前記内角をなす2つの直線状の配線内であって、前記内角と接する直線の長さが500μm以下である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷配線基材。
  4. 前記印刷配線が、タッチパネルの額縁印刷配線であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の印刷配線基材。
  5. 印刷配線を備える印刷配線基材の製造方法であって、
    ドクターでグラビア版に配置された溝パターンにインキを充填する工程と、
    前記溝パターンに充填されたインキをブランケットに転写する工程と、
    前記ブランケットに転写されたインキを基材に転写して印刷配線を形成する工程と
    を備え、
    前記溝パターンが屈曲部を有し、
    前記屈曲部が複数の直線状の溝で構成され、
    前記ドクターの長さ方向と前記直線状の溝とがなす角が15°以上90°以下である
    ことを特徴とする印刷配線基材の製造方法。
  6. 前記屈曲部が3つ以上の直線状の溝で構成されることを特徴とする請求項5に記載の印刷配線基材の製造方法。
  7. 前記直線状の溝の幅が20μm以上75μm以下であり、
    前記ドクターが前記屈曲部と接する長さの最大値が500μm以下である
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の印刷配線基材の製造方法。
  8. 溝パターンを備えるグラビア版であって、
    前記溝パターンが屈曲部を有し、
    前記屈曲部が複数の直線状の溝で構成され、
    前記直線状の溝のうち2つの直線状の溝がなす内角が135°以上である
    ことを特徴とするグラビア版。
  9. 前記屈曲部が3つ以上の直線状の溝で構成されることを特徴とする請求項8に記載のグラビア版。
  10. 前記直線状の溝の幅が20μm以上75μm以下であり、
    前記内角をなす2つの直線状の溝内であって、前記内角と接する直線の長さが500μm以下である
    ことを特徴とする請求項8または9に記載のグラビア版。
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