JP2013134875A - 白熱電球、および、フィラメント - Google Patents

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Abstract

【課題】電力を可視光に変換する効率が高いフィラメントを備えた白熱電球を提供する。
【解決手段】透光性気密容器と、透光性気密容器内に配置されたフィラメントと、フィラメントに電流を供給するためのリード線とを有する白熱電球が提供される。フィラメントは、金属材料により形成された基体と、基体を覆う可視光吸収膜とを有する。可視光吸収膜は、赤外光領域では透明である。これにより、可視光の反射率が低く、赤外光の反射率が高くなるため、赤外光の放射が抑制され、可視光光束効率を高めることができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、エネルギー利用効率を改善した光源用フィラメントに関し、特に、フィラメントを用いた白熱電球ならびに熱電子放出源に関する。
タングステンフィラメント等に電流を流すことにより、フィラメントを加熱し、電球とする白熱電球が広く用いられている。白熱電球は、太陽光に近い演色性に優れた放射スペクトルが得られ、白熱電球の電力から光への変換効率は80%以上になるが、放射光の波長成分は、図1に示すように赤外放射光成分が90%以上である(図1の3000Kの場合)。このため、白熱電球の電力から可視光への変換効率は、凡そ15 lm/Wと低い値になる。一方、蛍光灯は、電力から可視光への変換効率が約90 lm/Wであり、白熱電球よりも大きい。このため、白熱電球は、演色性に優れているが、環境負荷が大きいという問題がある。
白熱電球を高効率化・高輝度化・長寿命化する試みとして、様々な提案がなされている。例えば、特許文献1および2には、電球内部に不活性ガスやハロゲンガスを封入することにより、蒸発したフィラメント材料をハロゲン化してフィラメントに帰還させ(ハロゲンサイクル)、フィラメント温度をより高くする構成が提案されている。一般的にこれらはハロゲンランプと呼ばれている。これにより、可視光への電力変換効率の上昇およびフィラメント寿命の延長の効果が得られる。この構成では、高効率化並びに長寿命化のために、封入ガスの成分並びに圧力の制御が重要となる。
特許文献3−5には、電球ガラスの表面に赤外線反射コートを施し、フィラメントから放射された赤外光を反射して、フィラメントに戻し、吸収させる構成が開示されている。これにより、赤外光をフィラメントの再加熱に利用し、高効率化を図っている。
特許文献6−9には、フィラメント自体に微細構造体を作製し、その微細構造体の物理的効果により、赤外放射を抑制し、可視光放射の割合を高めるという構成が提案されている。
特開昭60−253146号公報 特開昭62−10854号公報 特開昭59−58752号公報 特表昭62−501109号公報 特開2000−123795号公報 特表2001−519079号公報 特開平6−5263号公報 特開平6−2167号公報 特開2006−205332号公報
F. Kusunoki et al., Jpn. J. Appl. Phys. 43, 8A, 5253(2004).
しかしながら、特許文献1、2のようにハロゲンサイクルを利用する技術は、寿命延伸効果を図ることはできるが、変換効率を大きく改善することは困難であり、現状、20 lm/W程度の効率である。
また、特許文献3−5のように、赤外放射を赤外線反射コートで反射して、フィラメントに再吸収させる技術は、フィラメントによる赤外光の反射率が70%と高いために再吸収が効率良く起こらない。また、赤外線反射コートで反射された赤外光が、フィラメント以外の他の部分、例えばフィラメント保持部分並びに口金等に吸収され、フィラメントの加熱に利用されない。このため、本技術により、変換効率を大きく改善することは困難である。現状、20 lm/W程度の効率となる。
特許文献6−9のように微細構造により赤外放射光の抑制効果を図る技術は、非特許文献1のように赤外放射スペクトルの極一部分の波長に対して放射増強並びに抑制効果を示す報告は存在するものの、広範囲な赤外光全体に亘って赤外放射光の抑制を図ることは非常に困難である。これは、ある波長が抑制されると、別の波長は増強される性質のためである。このため、本技術を利用して大幅な効率改善を図ることは難しいと考えられている。また、微細構造作製に際して、電子ビームリソグラフィー等の高度な微細加工技術を利用するため、これを使用した光源は非常に高価なものとなる。更に、高温耐熱部材であるW基体上に微細構造を作り込んでも1000℃程度の加熱温度で微細構造部分が溶融並びに破壊してしまうと言う問題も存在する。
本発明の目的は、電力を可視光に変換する効率が高いフィラメントを備えた白熱電球を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様によれば、透光性気密容器と、当該透光性気密容器内に配置されたフィラメントと、フィラメントに電流を供給するためのリード線とを有する白熱電球であって、フィラメントは、金属材料により形成された基体と、前記基体を覆う可視光吸収膜とを有し、可視光吸収膜は、赤外光領域では透明であることを特徴とする白熱電球が提供される。
また、第2の態様によれば、透光性気密容器と、当該透光性気密容器内に配置されたフィラメントと、フィラメントに電流を供給するためのリード線とを有する白熱電球であって、フィラメントは、金属材料により形成された基体と、前記基体を覆う赤外光反射膜とを有することを特徴とする白熱電球が提供される。
本発明によれば、赤外波長領域の反射率が高く、可視光波長領域の反射率が低いフィラメントにより、赤外光放射を抑制し、可視光放射を高めることができるため、可視光光束効率の高い白熱電球が得られる。
従来のタングステンフィラメントの放射エネルギーの波長依存性を示すグラフ。 本発明のフィラメントの反射率と放射率と放射スペクトルとの関係を示すグラフ。 本実施形態のフィラメントの断面図。 実施形態のTa基体の研磨加工前の反射率と得られる放射スペクトル並びに分光光度(放射スペクトル×視感度曲線)の波長依存性を示すグラフ。 実施形態のTa基体の研磨加工後の反射率と得られる放射スペクトル並びに分光光度の波長依存性を示すグラフ。 実施形態のフィラメントの赤外光反射膜20の断面図。 具体的な実施形態1〜9のフィラメントの赤外光反射膜20の層構成と反射特性、およびフィラメントの可視光光束効率を示す説明図。 具体的な実施形態1のフィラメントの反射率と得られる放射スペクトルグラフ。 実施形態の白熱電球の切り欠き断面図。
本発明の光源用フィラメントの原理について図面を用いて説明する。
本発明のフィラメントは、図2に実線で示したように、可視光領域で、0%に近い低反射率を有し、赤外光領域で100%に近い反射率を有する。具体的には、波長700nm以下の可視光領域の反射率が20%以下の低反射率であり、赤外光領域の反射率が90%以上の高反射率であることが望ましい。また、その間の波長領域は、図2のように短波長側から長波長側に向かって、反射率が単調増加していることが望ましい。このフィラメントが、電流供給等により加熱されることによって高効率に可視光を発する。その原理を、黒体放射におけるキルヒホッフの法則に基づいて、以下説明する。
自然対流熱伝達の無い条件下(例えば真空中)における材料(ここではフィラメント)の入力エネルギーに対するエネルギー損失は平衡状態では以下の式(1)で与えられる。
(数1)
P(total)=P(conduction)+P(radiation) ・・・(1)
ここで、P(total)は、全入力エネルギー、P(conduction)は、フィラメントに電流を供給するリード線を経て損失されるエネルギー、P(radiation)は、フィラメントが、加熱された温度で外部空間に光を放射して損失するエネルギーである。フィラメントは、その温度が2500K以上の高温になると、リード線を経て損失されるエネルギーはわずか5%程度になり、残りの95%以上のエネルギーは、光放射によって外部にエネルギー損失されるため、入力電力の殆ど全てのエネルギーを光に変えることができる。しかしながら、従来の一般的なフィラメントから放射される放射光の内、可視光成分の割合はわずか10%程度で、大部分が赤外放射光成分であるため、そのままでは効率の良い可視光源とはならない。
上記式(1)におけるP(radiation)の項は一般的に、下記式(2)で記述することができる。
と記述することが出来る。式(2)においては、ε(λ)は、各波長における放射率、αλ-5/(exp(β/λT)−1)の項は、プランクの放射則を示す。α=3.747×10 Wμm/m、β=1.4387×10 μmK、である。また、ε(λ)は、キルヒホッフの法則によって反射率R(λ)と式(3)の関係にある。
(数3)
ε(λ)=1−R(λ) ・・・(3)
式(2)と式(3)を関連付けて議論すると、仮に反射率が全ての波長に亘って1である材料は、式(3)よりε(λ)=0となり、ひいては、式(2)における積分値が0となるため放射による損失が起こらなくなる。この物理的意味は、P(total)=P(conduction)となるため、少量の入力エネルギーでも光放射による損失が無く、フィラメントが非常に高い温度まで達することを意味している。一方、反射率が全ての波長に亘って0である材料は、完全黒体とよばれ、式(3)よりε(λ)=1となる。この結果、式(2)における積分値は最大となり、ひいては、放射による損失量が最大となる。通常の材料は、放射率ε(λ)が0< ε(λ)<1の間に存在し、かつ、その波長依存性は、劇的に変化することは無い(波長λ、温度Tに対する緩慢な依存性は存在する)。そのため、赤外から可視光領域における光放射は、図2の2点鎖線で示すように略可視から赤外領域に亘って均一に起こる。なお、図2では、議論を簡略化するため全波長領域でε(λ)=1として黒体放射スペクトルをプロットしている。
一方、図2に一点鎖線で示すように赤外光領域で略0%の放射率を有し、700nm以下の可視光領域で、略100%の放射率を有する材料を、真空中で加熱した熱放射は、以下の式(4)で表現出来る。
式(4)において、θ(λ−λ) は、長波長から可視光のある波長λまでは放射率が0であり、ある波長λよりも短波長の領域では放射率が1である階段関数的振る舞いを示す関数である。得られる放射スペクトルは階段関数的な放射率と黒体放射スペクトルを畳み込んだ形状となり、計算の結果は、図2の破線で示すスペクトルとなる。即ち、式(4)の物理的意味は、フィラメントへの入力エネルギーの小さい低温領域では輻射損失が抑えられており、式(4)のP(radiation)の項が0となるため、エネルギー損失がP(conduction)のみとなり、非常に効率良くフィラメント温度が上昇する。一方、フィラメント温度が高温になり、黒体放射スペクトルのピーク波長がλより短くなるような温度領域になると、フィラメントに入力したエネルギーを図2の破線で示したスペクトルのように可視光放射として損失するようになる。
式(4)におけるθ(λ−λ)は、上述のように長波長から可視光のある波長λまでは放射率が0であり、ある波長λよりも短波長の領域では放射率が1である材料である。このような材料は、式(3)のキルヒホッフの法則により、図2に実線で示したように、波長λ以下で反射率が0で、波長λよりも長波長領域で反射率が1となる。そこで本発明は、波長λ以下の可視光域の反射率が0に近く、波長λよりも長波長領域で1に近い反射率を有するフィラメントを提供する。具体的には、本発明では、波長λ以下の可視光域の反射率が20%以下の低反射率であり、波長λよりも長波長の所定の赤外光領域の反射率が90%以上の高反射率のフィラメントを提供する。波長λ以下の可視光域とは、波長750nm以下で380nm以上であることが好ましく、波長700nm以下で380nm以上であることがより好ましい。反射率が90%以上の所定の赤外光領域とは、波長4000nm以上の赤外光領域であることが好ましく、波長1000nm以上の赤外光領域で反射率が90%以上である場合には更なる光束効率の向上を期待することが出来るため、より好ましい。なお、可視光域の反射率が20%以下であれば、可視光域よりも短い波長領域での反射率が20%を超えていても構わない。また、反射率が20%以下の可視光域と反射率が90%以上になる赤外光領域との間には、反射率が20%以下から90%以上まで変化する領域が存在するため、この領域の反射率が90%未満であっても構わない。そのため、波長750nm以上波長4000nm以下の波長領域は、反射率が20%より大きく90%未満であっても構わない。
また、従来の白熱電球等の光源用フィラメントは、2000K〜3000Kの高温になることが知られている。本発明の光源用フィラメントにおいても2000K以上の高温で上述の反射率の波長依存性を示すものを提供する。
発明者らは、上記のような反射率を有する材料(フィラメント)を得られる可能性のある従来の技術を調査したところ、以下の(a)〜(d)のような手法が公知であることがわかった。しかしながら、詳細に調査を行ってみると、これらの材料は、1000℃以上の温度には耐えられず、2000K以上の温度では、上述の反射特性(波長λ=700nm以下の可視光域で反射率20%以下、赤外光領域で反射率90%以上)を達成できないことがわかった。
(a)基体上に電気メッキ等の手法を利用してクロム膜、ニッケル膜等を被覆する手法。(例えば、G. Zajac、 et al. J. Appl. Phys. 51、 5544 (1980).参照)
(b)アルミを陽極酸化して、表面上に多孔質ナノ構造を作製して、孔径、孔深さを制御して反射率を制御する手法。(例えば、A. Anderson、 et al. J. Appl. Phys. 51、 754 (1980).参照)
(c)誘電体中に金属微粒子を含んだ複合薄膜を形成する方法。複合薄膜の作製方法として、Cu、Cr、Co、Au、等の金属、またはPbS、CdS等の半導体を、酸化物またはフッ化物等の誘電体と同時に、蒸着、スパッター、またはイオン注入する。(例えば、J. C. C. Fan and S. A. Spura、 Appl. Phys. Lett. 30、 511 (1977).)
(d)金属または半導体表面にフォトニック結晶構造を作製し反射率を制御する手法。(例えば、F. Kusunoki et al.、 Jpn. J. Appl. Phys. 43、 8A、 5253 (2004).)
等が考えられる。
発明者らは、赤外波長の反射率が高い高融点材料(融点2000K以上)をフィラメントの基体とし、可視光域の反射率を低下させる可視光吸収膜および赤外光の反射率を高める赤外光反射膜の少なくとも一方で被覆する。
以下、一実施形態として、図3に示すように、基材10を、赤外線反射膜20、可視光吸収膜30、可視光反射防止膜40により順に被覆した構造のフィラメントについて説明する。
(基体10の設計)
基体を構成する高融点材料としては、融点2000K以上の金属材料、例えば、HfC(融点4160K)、TaC(融点4150K)、ZrC(融点3810K)、C(融点3800K)、W(融点3680K)、Re(融点3453K)、Os(融点3327K)、Ta(融点3269K)、Mo(融点2890K)、Nb(融点2741K)、Ir(融点2683K)、Ru(融点2583K)、Rh(融点2239K)、V(融点2160K)、Cr(融点2130K)、およびZr(融点2125K)、のいずれか、または、これらのうちのいずれかを含有する合金を用いることができる。
基材10の形状は、高温に加熱できる形状であればどのような形状でもよく、例えばリード線から電流の供給を受けて発熱することができる線状、棒状、薄板状にすることができる。また、電流供給以外の方法により直接加熱される構造であってもよい。
基体の表面は、鏡面研磨されていることが望ましい。具体的には、例えば、基体の表面は、表面粗さ(中心線平均粗さRa)が1μm以下、最大高さ(Rmax)が10μm以下、および、十点平均粗さ(Rz)が10μm以下、のうちの少なくも1つを満たすことが好ましい。その理由は、一般的に、金属材料の放射率は表面粗度と関連し、表面粗さが大きくなると鏡面状態の表面と比較して反射率が低下するためである。
図4に、Ta基材10を鏡面加工する前(砂面)の反射率の波長依存性のグラフを、図5に上述の表面粗さ条件を満たす鏡面研磨加工後の反射率の波長依存性のグラフをそれぞれ示す。図5に示すように、鏡面研磨加工後のTa基材の赤外光領域における反射率は、図4の鏡面研磨前の反射率と比較して、10%以上向上している。反射率が高いほど、長波長赤外光の放出は低減するため、基材10に鏡面研磨を施すことにより、光束効率を高めることができる。さらに具体的には、図4、図5に示すようにTa基材においては、1−10 μmの赤外波長領域で、砂面の反射率(88%)と比較して鏡面の反射率(98%)は、10%程度向上している。また、被覆しないTa基材10の放射率の波長依存性を求めると図4、図5に示すように、鏡面研磨したTa基材10の放射率が、赤外波長領域において低減する。よって、可視光光束効率を2500Kの温度領域において求めると、砂面のTa基材10の可視光光束効率28.2 lm/Wと比較し、鏡面研磨したTa基材10の可視光光束効率は52.2 lm/Wであり、46%も向上する。
このように、本発明のフィラメントは、1−10 μmの赤外波長領域で反射率を極力高めた高温耐熱材料が望まれるため、基材10の表面を鏡面加工することが望ましい。なお、砂面によって生じる反射率低下の原因は、砂面構造によって生じる光の多重散乱ならびに吸収である。
(赤外光反射膜20の設計)
赤外光反射膜20は、赤外光を反射するために配置されている。図6のように、赤外光反射膜20は、いずれも赤外光を透過する材料、例えば高耐熱性誘電体層でそれぞれ構成された第1の層21および第2の層22の組を少なくともひと組含む。第1の層21の屈折率をn、厚さをd、第2の層22の屈折率をn、厚さをdとする、赤外光の所定の波長λに対して、式(5)を満たす。
(数5)
・d=n・d=λ/4 ・・・(5)
このように屈折率の異なる2種類の層21、22を積層することにより、光の干渉を利用して、所定の波長λを中心波長とする所定の波長範囲の赤外光の反射率を高めることができる。
また、本実施形態では、広い波長範囲の赤外光を反射するため、図6のように、赤外光反射膜20は、2種類の層21、22の組を複数組積層した構成としている。それぞれの組の反射の中心波長λを異ならせ、積層された各組でそれぞれ少しずつ異なる波長の赤外光を反射させることにより、赤外光反射膜20全体として広い波長範囲の赤外光を反射することができる。第1の層21と第2の層22の屈折率差が大きいほど、反射できる波長幅が大きくなるため、反射したい波長幅に応じて第1の層21と第2の層22の材料を選択する。なお、層21、22の組を複数組積層した場合、すべての組の中心波長を必ずしも異ならせる必要はなく、複数の組全体で所望の波長帯域の赤外光を反射できればよい。よって、複数の組のうちのいくつかの組の中心波長が同一であってもよく、例えば、2組づつ同一の中心波長を反射するように構成してもよい。
例えば、第1の層21をMgO層とし、第2の層22をSiC層とする。2500 Kの温度における黒体からの放射は、1200nm程度の赤外波長においてピークを有するので、このピーク周辺の波長を選択し、この波長帯における反射を高めることにより、光束効率を向上することができる。第1の層21および第2の層22の組の数を26組(組20−1〜組20−26)、合計52層積層し、例えば、MgO層21の膜厚を156nmから94nmまで、SiC層22の膜厚を116nmから70nmまで組ごとに徐々に異なる値に設計することにより、中心波長λ〜λ26=700nm〜10μmの範囲で良好な赤外線反射特性を得ることができる。
上記第1の層21および第2の層22は、SiO、MgO、ZrO、Y、6H−SiC(六方晶のSiC)、GaN、3C−SiC(立方晶のSiC)、HfO、Lu、Yb、グラファイト、ダイヤモンド、CrZrB、MoB、MoBC、MoTiB、MoTiB、MoZrB、MoZr、NbB、Nb、NbTiB、NdB、SiB、Ta、TiWB、WB、WB、WB、YBおよびZrB12、のうちのいずれかの材料、もしくは、これらの材料を含有する混晶材料で構成することができる。
なお、ここでは、第1の層21と第2の層22を構成する材料の組み合わせが、各組20−1〜20−26において同じである場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、組ごとに、第1の層21と第2の層22の材料の組み合わせを異ならせることももちろん可能である。
第1の層21と第2の層22の屈折率差は、0.1以上の場合、良好な反射率特性を得ることができるため好ましい。屈折率差が大きいほど、1組の第1の層21と第2の層22で反射できる波長範囲が広くなり、薄膜積層の総数を少なくできるため、特に屈折率差が0.3以上であることが望ましい。
第1の層21と第2の層22の組の積層は、積層の総数が3層から200層において良好な反射率特性を得ることができる。200層以上になると、応力などによりクラック、はがれを生じ、良好な反射率特性を維持することが難しくなるため、これらを防止する成膜手法を採用することが望ましい。
(可視光吸収膜30の設計)
上記赤外光反射膜20の上には、可視光吸収膜30が配置されている。可視光吸収膜30は、赤外光に対しては透明であって、可視光の吸収率が高い膜であり、可視光を吸収することで可視光の反射率を低下させる。
可視光吸収膜30は、赤外光領域に透明な材料、例えば高耐熱性誘電体に金属微粒子を添加した材料もしくは、赤外光領域に透明な材料に不純物を添加した材料によって構成されている。
前者の金属微粒子を添加した材料の場合、金属微粒子による局在光吸収の作用により、可視光を吸収することができる。金属微粒子による局在光吸収効果を利用した代表的な例としては教会のステンドグラスが挙げられる。ガラス中に分散させる金属の種類並びに粒径に応じて、可視光領域の吸収波長並びに吸収量を制御出来るため、ステンドグラスのように種々の吸収帯を形成することが可能となる。例えば、Auの微粒子の粒径を2nmから5nmに変化させることによって、ステンドグラスの色をピンクから深緑に変化させることが可能となるが、これは、物理的には、金属微粒子表面で起こる光の局在共鳴吸収効果による透過光変化(補色)に起因する。即ち、粒子サイズが小さい場合は短波長の光を吸収し、粒子サイズが大きくなるにつれて長波長の光を吸収する。赤外光領域に透明な材料に金属微粒子添加した吸収も本原理に基づく。
金属微粒子の粒径は、2nm以上5μm以下であることが望ましい。金属微粒子の添加量としては、0.0001%以上10%以下が好ましい。金属微粒子は、フィラメントを発光させる際の温度である2000K以上の融点を有することが望ましく、一例としては、W、Ta、Mo、Au、Ag、Cu、Al、Ti、Ni、Co、Cr、Si、V、Mn、Fe、Nb、Ru、Pt、Pd、Hf、Y、Zr、Re、Os、および、Ir、のいずれかの微粒子、もしくは、これらの金属を含有する合金金属の微粒子であることが望ましい。
後者の赤外光領域に透明な材料に不純物を添加した材料の場合、蛍光体材料と同様な物理的効果で可視光を吸収することができる。これは、即ち、赤外光領域に透明な材料に添加された原子(イオン)が作り出すエネルギー準位を反映した吸収となる。代表的な作用として、遷移金属を利用した光吸収、並びに希土類金属を利用した光吸収、の物理的過程がある。この作用により可視光を吸収させるための条件としては、赤外光領域に透明な材料に添加された元素が、上記の金属微粒子の例とは対照的に原子的(イオン的)に分散していることが必要である。具体的には、不純物は、Ce、Eu、Mn、Ti、Sn、Tb、Au、Ag、Cu、Al、Ni、W、Pb、As、Tm、Ho、Er、Dy、Pr等を用いることができる。不純物の添加濃度としては、0.0001%以上10%以下が好ましい。
可視光吸収膜30を構成する赤外光領域に透明な材料としては、SiO、MgO、ZrO、Y、6H−SiC(六方晶のSiC)、GaN、3C−SiC(立方晶のSiC)、HfO、Lu、Yb、グラファイト、ダイヤモンド、CrZrB、MoB、MoBC、MoTiB、MoTiB、MoZrB、MoZr、NbB、Nb、NbTiB、NdB、SiB、Ta、TiWB、WB、WB、WB、YBおよびZrB12、のうちのいずれかの材料、もしくは、これらの材料を含有する材料を用いることができる。
例えば、可視光吸収膜30としては、金属微粒子もしくは不純物を添加したSiC膜を使用することができる。この可視光吸収膜30の厚さは、可視光の反射が0.05以下となるように設計することが望ましい。可視光吸収膜30をコーティングしていないTa基材10の550nmの波長における反射率は0.4程度なので、可視光吸収膜30の透過率を0.35以下とすれば、可視光が可視光吸収膜を往復する間に吸収されることにより、基材10の反射率を、0.4×0.35×0.35=0.049まで低下させることができ、可視光吸収膜30でコーティグしたTa基材10の反射率を0.05以下にすることができるからである。
なお、可視光吸収膜30の消衰係数をkとすると、可視光吸収膜30の透過率を0.35にするために必要な可視光吸収膜30の厚さdは、以下の式(6)で表される。
よって、必要な透過率が得られるように、可視光吸収膜30の膜厚を設計する。例えば、可視光吸収膜30の550nmの波長における消衰係数kが0.1である場合、透過率を0.35にするために必要な厚さdは、200nmとなる。
金属微粒子を添加した可視光吸収膜30の形成方法としては、膜30を構成する赤外光に透明な誘電体(SiC)を蒸着により成膜する際に共蒸着する方法、あるいは、上記赤外光に透明な誘電体の膜をコーティングした後にイオン注入する方法を用いることができる。具体的には、前者の方法の場合、例えば、蒸着源として、SiCと、金属微粒子材料Taをそれぞれ用意し、金属微粒子材料をSiC中に0.0001%以上10%以下の割合で混合させ、その混合材料を電子ビームで加熱して、基材上に同時に蒸着する。その後、焼成して透明な誘電体中に金属微粒子の結晶を成長させる方法を用いる。後者の方法の場合、蒸着源として、SiCを用意し、SiC膜を形成した後、金属微粒子材料であるTa金属イオンを、イオン注入装置を利用して打ち込み、その後、焼成して透明な誘電体中中に金属微粒子の結晶を成長させる方法を用いる。
(可視光反射防止膜40の設計)
赤外光吸収膜30の上には、可視光反射防止膜40が配置されている。可視光反射防止膜40は、可視光の反射率を低下させる作用をする膜である。
可視光反射防止膜40は、可視光に対して透明であり、可視光反射防止膜40の表面で反射される可視光と、可視光反射防止膜40を透過して下面(赤外光吸収膜30との界面)で反射される可視光とを打ち消し合わせることにより、フィラメントの可視光反射率を低下させる。
可視光反射防止膜の膜厚は、その屈折率に応じて計算により、または実験またはシミュレーションにより、適切な値に設計されている。計算により設計する場合には、例えば、可視光に対する光学的光路長(λ/n0、ただし、nは、可視光反射防止膜の屈折率)が1/4波長程度になるように膜厚を設計する。実験またはシミュレーションにより設計する場合には、例えば、膜厚を種々変えて、フィラメントの反射率の膜厚依存性を求め、可視光全体の波長に対して反射率が最も低くなる膜厚を求める方法を用いる。
可視光反射防止膜40は、2000K以上の融点を有する誘電体膜により形成する。例えば2000K以上の融点を有する金属の酸化物膜、窒化物膜、炭化物膜、および、ホウ化物膜のいずれかを用いる。具体的には、SiO、MgO、ZrO、Y、6H−SiC(六方晶のSiC)、GaN、3C−SiC(立方晶のSiC)、HfO、Lu、Yb、グラファイト、ダイヤモンド、CrZrB、MoB、MoBC、MoTiB、MoTiB、MoZrB、MoZr、NbB、Nb、NbTiB、NdB、SiB、Ta、TiWB、WB、WB、WB、YBおよびZrB12、のうちのいずれかの単層膜、もしくは、これらの材料の単層膜を複数種類積層した多層膜を用いることができる。
具体的には、可視光反射防止膜40として、例えば、MgO膜を80nm程度コーティングする。これにより、550nmの波長においてMgO薄膜の光学膜厚が、この波長の1/4となるため、光学干渉により、550nm波長の反射率を低下させることができる。さらに、反射率の低い波長範囲を広くするために、MgO、SiC薄膜の多層膜で構成することも可能である。
上述の赤外反射膜20および可視光反射防止膜40の成膜方法としては、電子ビーム蒸着法、スパッター法、CVD法、等種々の手法を用いることが可能である。成膜後、基材10界面との密着性並びに膜質(結晶性、光学的特性等)を高めるために1500℃〜2500℃の温度範囲でアニーリング処理を行うことが好ましい。
このように本発明のフィラメントは、基材10を赤外光反射膜20、可視光吸収膜30、可視光反射防止膜40で順に被覆することによって、可視光域の反射率を低く抑制し、赤外光領域の反射率を高めた反射特性を得ることができる。
<具体的な実施形態>
以下の具体的な実施形態1〜9として、いずれも基体をTaで構成し、赤外光反射膜20を第1の層21と第2の層22の材料を後述する9種類の組み合わせに種々に変更したフィラメントを作製する。
いずれの実施形態においても可視光吸収膜30は、SiCにTaの金属微粒子(粒径 3nm)を0.1%の濃度で添加したものを用いる。可視光吸収膜30の膜厚は、およそ200nmである。また、可視光反射防止膜40としては、MgO膜を用い、膜厚は80nmとする。
基体10は、材料金属の焼結や線引き等の公知の工程により作製される。基体の形状は、線材、棒材、薄板等所望の形状に形成する。
焼結や線引き等の工程により製造された基体を、複数種類のダイヤモンド研磨粒により研磨し、中心線平均粗さRaを1μm以下、最大高さ(Rmax)が10μm以下、十点平均粗さ(Rz)が10μm以下の鏡面に加工する。
赤外光反射膜20は、実施形態1では、図7に示すように、第2の層22/第1の層21を、SiC/MgO材料を用いて、交互に、同じ膜構造を2組づつ、総積層組数13層(組)を積層した構造(単層で合計52層)とする。合計52層で波長700nm〜10μmの赤外光を反射するように各組の中心波長λを設計する。
実施形態2〜9では、第2の層22/第1の層21を、SiC/ZrO、SiC/Y、SiC/HfO、SiC/Lu、SiC/Yb、SiC/SiO、HfO/SiO、Lu/SiOにそれぞれ変更する。積層数は、実施形態1と同じである。
図7に各実施形態1〜9の赤外光反射膜20により、得られる反射特性(550nmにおける反射率、1μmにおける反射率)、ならびに、反射率が50%となる波長(Cutoff波長)を示している。
また、図7には、各実施形態1〜9の鏡面研磨Ta基体10上に赤外光反射膜20と可視光吸収膜30と可視光反射防止層40を備えたフィラメントについて、シミュレーションにより求めた可視光光束効率(2500K)を示している。図7のように、各実施形態1〜9のフィラメントの可視光光束効率は、75.4〜113.0 lm/Wと高い値を示し、鏡面研磨Ta10基体の可視光光束効率52.2 lm/Wよりも増大している。このように、本実施形態1〜9のフィラメントは、可視光光束効率を向上させることができる。
また、図8には、上記実施形態1のフィラメントの反射率と放射率を示す。図8から明らかなように、本実施形態1のように鏡面研磨Ta基体10上に赤外光反射膜(SiC/MgO)20と可視光吸収膜30と可視光反射防止層40を備えることにより、波長600〜700nmで反射率がほぼ0.1からほぼ1まで急峻に変化する反射特性を有し、可視光領域の反射率は、0〜0.1と非常に低く、赤外光領域は反射率が広い範囲で1に近いフィラメントが得られていることが確認できる。よって、赤外光領域の放射率(2500K)を小さく抑制でき、上述したような高い可視光光束効率103.2lm/Wが得られることが分かる。
<白熱電球の具体的な実施形態>
上記実施形態フィラメントを用いた白熱電球について説明する。
図9に、本実施形態のフィラメントを用いた白熱電球の切り欠き断面図を示す。白熱電球1は、透光性気密容器2と、透光性気密容器2の内部に配置されたフィラメント3と、フィラメント3の両端に電気的に接続されると共にフィラメント3を支持する一対のリード線4、5とを備えて構成される。透光性気密容器2は、例えばガラスバルブにより構成される。透光性気密容器2の内部は、10−1〜10−6Paの高真空状態となっている。なお、透光性気密容器2の内部に10〜10−1PaのO、H、ハロゲンガス、不活性ガス、並びにこれらの混合ガスを導入することによって、従来のハロゲンランプと同様に、フィラメント上に成膜された可視光反射防止膜の昇華並びに劣化を抑制し、寿命の延伸効果を期待することが可能となる。
透光性気密容器2の封止部には、口金9が接合されている。口金9は、側面電極6と、中心電極7と、側面電極6と中心電極7とを絶縁する絶縁部8とを備える。リード線4の端部は、側面電極6に電気的に接続され、リード線5の端部は、中心電極7に電気的に接続されている。
フィラメント3は、ここでは、線材形状のフィラメントをらせん状に巻き回した構造である。
フィラメント3は、基体上に、赤外反射膜20、可視光吸収膜30、可視光反射防止膜40を備えているため、赤外波長領域の反射率が高く、可視光領域の反射率が低い。この構成により、高い可視光光束効率(光束効率)を実現できる。よって、本発明では、フィラメントの表面に可視光反射防止膜を備えるという簡単な構成で、赤外域の放射を抑制することができ、結果的に入力電力に対する可視光の可視光変換効率を高めることができる。これにより、安価で効率のよい省エネ型照明用電球を提供することができる。
なお、上述の実施形態では、機械研磨加工によりフィラメント表面の反射率を向上させたが、機械研磨加工に限らず、フィラメント表面の反射率を向上させることができれば他の方法を用いることももちろん可能である。例えば、湿式や乾式のエッチングや、線引き時や鍛造や圧延時に滑らかな型に接触させる方法等を採用できる。
上述の実施形態では、本発明のフィラメントを白熱電球のフィラメントとして用いることを説明したが、白熱電球以外に用いることも可能である。例えば、ヒーター用電線、溶接加工用電線、熱電子放出電子源(X線管や電子顕微鏡等)等として採用することができる。この場合も、赤外光放射の抑制作用により、少量の入力電力で、効率よく高温にフィラメントを加熱することができるため、エネルギー効率を向上させることができる。
1…白熱電球、2…透光性気密容器、3…フィラメント、4…リード線、5…リード線、6…側面電極、7…中心電極、8…絶縁部、9…口金

Claims (23)

  1. 透光性気密容器と、当該透光性気密容器内に配置されたフィラメントと、前記フィラメントに電流を供給するためのリード線とを有する白熱電球であって、
    前記フィラメントは、金属材料により形成された基体と、前記基体を覆う可視光吸収膜とを有し、前記可視光吸収膜は、赤外光領域では透明であることを特徴とする白熱電球。
  2. 請求項1に記載の白熱電球において、前記可視光吸収膜は、赤外光領域に透明な材料に金属微粒子を添加した材料によって構成されていることを特徴とする白熱電球。
  3. 請求項1に記載の白熱電球において、前記可視光吸収膜は、赤外光領域に透明な材料に不純物を添加した材料によって構成されていることを特徴とする白熱電球。
  4. 請求項2に記載の白熱電球において、前記金属微粒子の粒径は、2nm以上5μm以下であることを特徴とする白熱電球。
  5. 請求項2または4に記載の白熱電球において、前記金属微粒子は、W、Ta、Mo、Au、Ag、Cu、Al、Ti、Ni、Co、Cr、Si、V、Mn、Fe、Nb、Ru、Pt、Pd、Hf、Y、Zr、Re、OsおよびIrのうちのいずれかを含有する金属の微粒子であることを特徴とする白熱電球。
  6. 請求項3に記載の白熱電球において、前記不純物は、Ce、Eu、Mn、Ti、Sn、Tb、Au、Ag、Cu、Al、Ni、W、Pb、As、Tm、Ho、Er、DyおよびPrのうちのいずれかであることを特徴とする白熱電球。
  7. 請求項2ないし6のいずれか1項に記載の白熱電球において、前記可視光吸収膜を構成する前記赤外光領域に透明な材料は、SiO、MgO、ZrO、Y、6H−SiC(六方晶のSiC)、GaN、3C−SiC(立方晶のSiC)、HfO、Lu、Yb、グラファイト、ダイヤモンド、CrZrB、MoB、MoBC、MoTiB、MoTiB、MoZrB、MoZr、NbB、Nb、NbTiB、NdB、SiB、Ta、TiWB、WB、WB、WB、YBおよびZrB12のうちのいずれかを含有することを特徴とする白熱電球。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の白熱電球において、前記基体は、赤外光反射膜によりさらに被覆されていることを特徴とする白熱電球。
  9. 透光性気密容器と、当該透光性気密容器内に配置されたフィラメントと、前記フィラメントに電流を供給するためのリード線とを有する白熱電球であって、
    前記フィラメントは、金属材料により形成された基体と、前記基体を覆う赤外光反射膜とを有することを特徴とする白熱電球。
  10. 請求項8または9に記載の白熱電球において、前記赤外光反射膜は、赤外光を透過する材料でそれぞれ構成され、かつ、積層された第1および第2の層の組を含み、前記第1の層は、屈折率n、厚さd、前記第2の層は、屈折率n、厚さdである場合、赤外光の所定の波長λに対して
    ・d=n・d=λ/4
    の関係を満たし、前記所定の波長λの赤外光を反射することを特徴とする白熱電球。
  11. 請求項10に記載の白熱電球において、前記赤外光反射膜は、前記第1および第2の層の組を複数組積層した構造であり、各組は、反射する前記赤外光の所定の波長が異なることを特徴とする白熱電球。
  12. 請求項10または11に記載の白熱電球において、前記赤外光反射膜の前記第1および第2の層は、それぞれ、SiO、MgO、ZrO、Y、6H−SiC(六方晶のSiC)、GaN、3C−SiC(立方晶のSiC)、HfO、Lu、Yb、グラファイト、ダイヤモンド、CrZrB、MoB、MoBC、MoTiB、MoTiB、MoZrB、MoZr、NbB、Nb、NbTiB、NdB、SiB、Ta、TiWB、WB、WB、WB、YBおよびZrB12のうちのいずれかを含有する材料により構成されていることを特徴とする白熱電球。
  13. 請求子8に記載の白熱電球において、前記赤外光反射膜は、前記可視光吸収膜と前記基体との間に配置されていることを特徴とする白熱電球。
  14. 請求項1ないし13のいずれか1項に記載の白熱電球において、前記基体は、可視光反射率を低下させる可視光反射防止膜によりさらに被覆されていることを特徴とする白熱電球。
  15. 請求項14に記載の白熱電球において、前記可視光反射防止膜は、可視光に対して透明な材料により構成された層を1以上含み、この層は、所定の可視光波長に対する光学膜厚が、当該可視光波長の1/4であることを特徴とする白熱電球。
  16. 請求項14または15に記載の白熱電球において、前記可視光反射防止膜は、前記可視光に対して透明な材料により構成された層を複数積層した多層膜であることを特徴とする白熱電球。
  17. 請求項14ないし16のいずれか1項に記載の白熱電球において、前記可視光反射防止膜を構成する前記可視光に対して透明な材料の層は、SiO、MgO、ZrO、Y、6H−SiC(六方晶のSiC)、GaN、3C−SiC(立方晶のSiC)、HfO、Lu2O、Yb、グラファイト、ダイヤモンド、CrZrB、MoB、MoBC、MoTiB、MoTiB、MoZrB、MoZr、NbB、Nb、NbTiB、NdB、SiB、Ta、TiWB、WB、WB、WB、YBおよびZrB12のうちのいずれかで形成された層を含むことを特徴とする白熱電球。
  18. 請求項14ないし17のいずれか1項に記載の白熱電球において、可視光反射防止膜は、最表面に配置されていることを特徴とする白熱電球。
  19. 請求項1ないし18のいずれか1項に記載の白熱電球において、前記フィラメントの前記基体は、表面が鏡面に研磨加工されていることを特徴とする白熱電球。
  20. 請求項1ないし19のいずれか1項に記載の白熱電球において、前記基体は、HfC、TaC、ZrC、C、W、Re、Os、Ta、Mo、Nb、Ir、Ru、Rh、V、Cr、およびZrのうちのいずれかを含有することを特徴とする白熱電球。
  21. 請求項19に記載の白熱電球において、前記基体の表面粗さは、中心線平均粗さRaが1μm以下、最大高さRmaxが10μm以下、および、十点平均粗さRzが10μm以下、のうちの少なくとも1つを満たすことを特徴とする白熱電球。
  22. 金属材料により形成された基体と、前記基体を覆う可視光吸収膜とを有し、前記可視光吸収膜は、赤外光領域では透明であることを特徴とするフィラメント。
  23. 金属材料により形成された基体と、前記基体を覆う赤外光反射膜とを有することを特徴とするフィラメント。
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