JP6625902B2 - 発光体、フィラメント、フィラメントを用いた装置、および、白熱電球 - Google Patents

発光体、フィラメント、フィラメントを用いた装置、および、白熱電球 Download PDF

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Description

本発明は、放射制御膜を備えた発光体に関し、特にエネルギー利用効率を改善した耐熱温度の高い発光体に関する。
タングステンフィラメント等に電流を流すことにより、フィラメントを加熱し、発光させる光源が広く用いられている。近年、フィラメントを用いた光源のエネルギー変換効率を向上させるために、必要な波長の放射効率を向上させ、他の波長の放射効率を抑制する放射制御膜をその表面に配置する技術が特許文献1等に開示されている。
特許文献1の技術では、放射制御膜の積層構造や膜厚を設計することにより、所望の波長域の放射効率を向上させる。放射制御膜を構成する材料は、フィラメントの通電時の高温でも溶融せず、蒸発または昇華もしない材料であることが必要である。特許文献1では、室温での結晶構造が立方晶、あるいは、立方晶と正方晶との混合状態のZrO膜あるいはHfO膜を用いることが提案されている。ZrO膜やHfO膜は、通常、室温では単斜晶系であり、フィラメント通電時の高温で正方晶や立法晶へ相変態し、これに伴って体積収縮が起こり、光学特性が変化する。特許文献1の技術では、Yのようなアルカリ土類金属の酸化物をZrOあるいはHfOに添加し、室温においても立方晶、あるいは、立方晶と正方晶との混合状態にしている。これにより、通電時の相変態を抑制し、安定した光学特性が得られることを開示している。
特開2015−46349号公報
特許文献1のようにYをZrOに添加した放射制御膜を備えたフィラメントは、通電量を増加させて2000Kを超える高温にすると、放射制御膜が、結晶系を維持したまま変形し、粒状になる(以下、粒化と呼ぶ)現象が生じることが分かった。図1に、2000Kを超える高温に加熱されたことにより粒化したY添加ZrO膜のSEM像を示す。図1からわかるように、Yを添加したZrO膜は、粒化により材料が粒状に集まり、その部分の膜厚が厚く、その周囲は膜厚が薄くなるか、膜が存在せずにフィラメントが露出している。そのため、Y添加ZrO膜は、一様な膜ではなくなり、放射制御膜としての機能が低下する。よって、放射制御膜の機能を維持するためには、光束効率が向上する2000K以上にフィラメントを加熱することは難しい。
本発明は、上記課題を解決して、エネルギー変換効率の高い発光体を提供することを目的とする。
本発明の発光体は、金属からなる基体と、基体の表面の少なくとも一部に配置された放射制御膜とを含む。放射制御膜は、YおよびLaが添加されたZrO膜を含み、ZrO膜は、室温で立方晶、または、立方晶と正方晶との混合状態である。ZrO膜に含まれるLaの量は、1.8mol%より大きく、20mol%以下である。
本発明の発光体は、高温に加熱しても放射制御膜の粒化を抑制できるため、エネルギー変換効率を高めることができる。
比較例2のYを添加したZrO膜を備えたWフィラメントを点灯により2300Kまで加熱した後の表面のSEM像である。 実施形態の発光体の断面図である。 ZrOとLaとの二元系相図である。 ZrOとYの二元系状態図である。 実施形態の白熱電球の切欠き断面図である。 実施例1〜3および比較例1,2のZrOのYとLaの含有量を示す図である。 実施例1の発光体の放射スペクトルを示すグラフである。 比較例2の発光体の放射スペクトルを示すグラフである。 実施例1の発光体を2300Kで点灯させた後の放射制御膜の表面のSEM像である。 実施例2の発光体を2300Kで点灯させた後の放射制御膜の表面のSEM像である。 実施例3の発光体を2300Kで点灯させた後の放射制御膜の表面のSEM像である。 比較例1の発光体を2300Kで点灯させた後の放射制御膜の表面のSEM像である。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
本実施形態の発光体は、図2に示すように、金属からなる基体31と、基体31の表面の少なくとも一部に配置された放射制御膜32とを含む。放射制御膜32は、YおよびLaが添加されたZrO膜を含む。ZrO膜は、室温で立方晶、または、立方晶と正方晶との混合状態である。ZrO膜に含まれるLaの量は、1.8mol%より大きく、20mol%以下である。
ZrO膜は、融点が高く、基体が発光する温度まで加熱でき、蒸発も昇華しにくいため、層構造や膜厚を設計することにより、特定の波長域の放射効率を高める等、発光体表面の放射特性を制御する放射制御膜32として機能できる。ZrO膜は、何も添加されていなければ、通常は室温において単斜晶系であるため、基体を加熱して高温となった場合には、立方晶、または、立方晶と正方晶との混合状態に相転移し、体積収縮および光学特性の変化が生じるが、本実施形態ではZrO膜にYを添加したことにより、その結晶系を室温においても、立方晶、または、立方晶と正方晶との混合状態にすることができる。よって、基体を加熱して高温になっても相転移が生じず、体積収縮および光学特性の変化を防ぐことができる。
さらに本実施形態では、Yが添加されたZrO膜に、さらにLaを1.8mol%より大きい割合で添加したことにより、2000K以上の高温になった場合でも、Y添加ZrO膜が結晶構造を維持したまま変形して粒状に集まる(粒化)現象が生じるのを防ぐことができる。Laの添加により粒化を防止できる理由は、2000K以上の高温になっても、膜の表面エネルギーが低く維持され、表面エネルギーが小さくなる粒形状に変形が抑制されるためであると推測される。
なお、ZrO膜に含まれるLaの量は、粒化を確実に抑制するために、3.7mol%以上であることが望ましい。
ZrO膜のLaの含有量は、20mol%以下とする。図3にZrO−Laの相図(出典:X. Cao, J. Mater. Sci. Technol., 23, 15 (2007))を示したようにLaの含有量が20mol%を超えると、立方晶系を維持できなくなるためである。
一方、ZrO膜に含まれるYの量は、7mol%以上、45mol%以下であることが望ましい。図4のZrO−Yの相図(出典:青木智則, レーザー研究, 24, 61 (1995))に示すように、Yの含有量が7mol%以上、45mol%以下の範囲のZrOは、立方晶系となり、2500K以上の高い融点を維持できるためである。特に、Yの含有量が、20mol%以下である場合、融点が2700K以上となり、高い光束効率が得られる温度まで加熱することができるためより望ましい。
なお、ZrO膜のLaの含有量は、ZrO膜に含まれるZrOとYとLaの総和に対するLaの割合を算出することにより求めることができる。ZrO膜に含まれるZrとYとLaの量は、例えば、X線光電子分光(XPS)法によって計測したZrとYとLaの原子組成(at%)から求めることができる。
発光体3における基体31は、電流を流すことにより発熱する抵抗体であって、赤外波長の反射率が高く融点が2000K以上の高融点材料より形成される。例えばTa(融点3269K)、Os(融点3318K)、Ir(融点2716K)、Mo(融点2896K)、Re(融点3453K)、W(融点3653K)、Ru(融点2523K)、Nb(融点2740K)、V(融点2000K)、Cr(融点2176K)、Rh(融点2239K)、Zr(融点2128K)、およびHf(融点2503K)のうちのいずれか、または、これらのいずれかを含有する合金からなる融点が2000K以上の金属材料によって形成することができる。
本発明の発光体における基体31は、材料金属の焼結や線引き等の公知の工程により作製される。基体31の形状は、高温に加熱できる形状であればどのような形状でもよく、線状のフィラメント(所定形状に巻きまわされた巻き線構造も含む)、棒状、薄板状等所望の形状に形成することができる。なお、基体31は、電流供給により発熱するものに限られるものではなく、マイクロ波照射等の別の方法により直接加熱される構造であってもよい。
また、ZrO膜には、YとLaの他に、何らかの材料を添加することも可能である。例えば、アルカリ土類金属の酸化物や、希土類元素の酸化物等をさらに添加(固溶)することも可能である。
放射制御膜32は、YとLaが添加されたZrO膜単層であってもよいし、ZrO膜と他の材料の膜(例えばMgOやCeOなどの誘電体)とを積層した構造であってもよい。放射効率を高めたい波長域や用途に応じて、放射制御膜32の積層構造や膜厚を設計することにより、発光体3の表面の放射率を制御して、特定波長の光を放出することができる。
例えば、放射制御膜32により発光体の放射率を制御するために、発光体の反射率を制御することができる。キルヒホッフの法則より放射率とε(λ)と反射率R(λ)との間には、式(1)の関係がある。
(数1)
ε(λ)=1−R(λ) ・・・(1)
したがって、発光体3の所定の波長λ0以上の光の反射率が、波長λ0よりも短波長の光の反射率よりも高くなるように放射制御膜32を設計することにより、放射制御膜32を備えない基体31と比較して、所定の波長λ0よりも短波長の光が多く放射される発光体が得られる。例えば、可視光から近赤外光を高効率で放射する発光体3を提供する場合には、上記所定の波長λ0は、1μm以上5μm以下であることが好ましく、特に、3μm以上4μm以下であることが好ましい。
例えば、放射制御膜32は、発光体3表面の所望の波長域の光の反射率を低下させる膜(特定波長域反射率低下膜と呼称する)となるように設計することができる。具体的には、放射制御膜32は、所望の波長域の光に対して透明で、放射制御膜32の表面で反射された所定の波長域の光と、放射制御膜32を透過して基体31表面で反射された所定の波長域の光とを打ち消し合わせるように、屈折率や膜厚を設計する。これにより、発光体の所定の波長域の反射率を低下させることができ、その波長域の放射率を高めることができる。例えば、放射制御膜32をYとLaが添加されたZrO膜単層で構成する場合、その膜厚、すなわち所定の波長域の光に対する光学的光路長(λ/n0、ただし、n0は放射制御膜32の屈折率)が1/4波長程度になるように膜厚を設計することにより、特定波長域反射率低下膜を実現できる。
具体的には、例えば白熱電球に好適な可視光域の放射率が高い発光体3を得る場合には、波長4000nm以上の赤外光領域で略0%の放射率を有し,700nm以下の可視光領域で略100%の放射率を有する(波長700nm以下の可視光領域で0%に近い低反射率を有し、波長4000nm以上の赤外光領域で100%に近い反射率を有する)ように放射制御膜32を構成することが好ましい。
また、放射制御膜32は、発光体3表面の所定の波長域の反射率を高める膜(特定波長域反射膜と呼称する)となるように設計することができる。具体的には、YとLaが添加されたZrO膜を第1層とし、他の材料の膜(例えば誘電体)を第2層とし、第1層と第2層とを繰り返し複数組積層した干渉膜の構造にする。第1層(YとLaが添加されたZrO膜)および第2層は、所定の波長域の光を透過するように波長または材料を選択する。第1層が、屈折率n、厚さdであり、第2の層が、屈折率n、厚さdである場合、所定の波長域の各波長λに対して
・d=n・d=λ/4
の関係を満たすように設計する。これにより、放射制御膜32は、所定の波長域の各波長λの光を反射することができ、この波長域の反射率を高めて放射率を抑制し、この波長域以外の波長域の放射率を高めることができる。例えば、放射制御膜32が赤外域の反射率を高める赤外光反射膜である場合、可視光放射率を高めることができる。なお、第1および第2の層の各組は、反射する赤外光の所定の波長が、少しずつ異なるように設計することもできる。
具体的には、放射制御膜32を赤外光反射膜の構成として、例えば熱放出装置に好適な発光体3を構成することができる。その場合、放射制御膜32が波長1〜3μmの赤外光を反射する赤外光反射膜となるように設計し、基体31に赤外光を再吸収させ、波長3〜25μmの遠赤外光を高い放射率で放出する発光体3を形成することができる。このような熱放出装置は、融雪装置や赤外ヒーター光源に好適である。
また、放射制御膜32を赤外光反射膜の構成とする別の具体例としては、例えば、熱電子放出装置の熱陰極に好適な発光体3を構成することができる。その場合、放射制御膜32が2μm以上の赤外光を反射する赤外光反射膜となるように設計する。これにより、放射制御膜32が赤外放射を抑制し、赤外光のエネルギーを発光体の再加熱に利用できるため、熱電子の放出効率を高めることができる。
上述してきたように、本実施形態によればエネルギー変換効率の高い発光体を提供することができる。この発光体は、フィラメントとして用いるのに好適である。
つぎに、本実施形態の発光体を用いた白熱電球について図5を用いて説明する。図5に示すように、本実施形態に係る白熱電球1は、透光性気密容器2と、発光体3と、発光体に電流を供給するためのリード線4,5とを有する。ここでは発光体3はフィラメント形状であり、透光性気密容器2の内部に配置され、リード線4,5によって支持され、リード線4,5と電気的に接続されている。透光性気密容器2の封止部には、口金9が接合されている。口金9は、側面電極6、中心電極7、および、側面電極6と中心電極7とを絶縁する絶縁部8を備える。なお、発光体3のリード線4,5との接続部には、放射制御膜32は形成されていない。
透光性気密容器2は、例えばガラスバルブにより構成される。透光性気密容器2の内部は、例えば、10−1〜10−6Paの高真空状態にしてもよい。なお、透光性気密容器2の内部に10〜10−1PaのO、H、ハロゲンガス、不活性ガス、並びにこれらの混合ガスを導入することによって、従来のハロゲンランプと同様に、フィラメント上に成膜された可視光反射率低下膜の昇華並びに劣化を抑制し、寿命の延伸効果を期待できる。
本発明の実施例について説明する。
<実施例1〜3および比較例1,2の発光体の製造>
本実施例のフィラメント形状の発光体を製造した。
まず、フィラメント形状のWを基体31として用意した。
ZrOにYを10%添加し固溶させ、結晶相を安定させた材料(YSZと呼ぶ)からなるスパッタターゲットと、Laからなるスパッタターゲットをそれぞれ用意し、両者を同時にスパッタすることにより、YとLaが添加されたZrO膜を基材31の表面に成膜した。スパッタ時のYSZスパッタターゲットと、Laスパッタターゲットのスパッタ条件を変化させて、YとLaの含有量の異なる実施例1〜3の発光体を製造した。
また、比較例1として、実施例1〜3と同様の同時スパッタであるが、Laの含有量が少なくなるように条件を制御し、比較例1の発光体を製造した。
また、比較例2として、YSZのスパッタターゲットのみを用い、Laのスパッタターゲットを用いず、基体31上にYのみが添加されたZrO膜を備えた発光体を成膜した。
(組成)
実施例1〜3および比較例1の発光体の放射制御膜32の表面層を除去した後、XPSによりZr、Y、Laの原子組成比(at%)を測定した。
得られた原子組成比と次式(2)、(3)により、Y含有量(mol%)とLa含有量(mol%)を算出した。式(2)、(3)において、Yは、Yの原子組成比(at%)に1/2をかけたもの、Laは、Laの原子組成比(at%)に1/2をかけたものである。
含有量(mol%)=Y/(Zr+Y+La) ・・・(2)
La含有量(mol%)=La/(Zr+Y+La) ・・・(3)
比較例2の発光体の放射制御膜32についても、実施例1〜3と同様に、XPSによりZr、Yの原子組成比(at%)を測定した。得られた原子組成比と次式(4)により、Y含有量(mol%)を算出した。式(4)において、Yは、Yの原子組成比(at%)に1/2をかけたものである。
含有量(mol%)=Y/(Zr+Y) ・・・(4)
実施例1〜3、比較例1,2のY含有量(mol%)とLa含有量(mol%)を図6に示す。実施例1〜3は、、Laが3.7mol%以上であるのに対し、比較例1は、Laが1.8mol%と少なく、比較例2は、Laが含有されていない。
(放射スペクトル)
実施例1の発光体と、比較例2の発光体を、それぞれ図5の白熱電球のフィラメント3として用い、2300Kで点灯させたときの、点灯直後と点灯から10分後の放射スペクトルを測定した。その結果を図7、図8に示す。図7より、実施例1の発光体は、点灯開始してから10分経過後も放射スペクトルは変化せず、放射制御膜32の機能が維持されていることがわかる。一方、比較例2の発光体は、点灯してから10分経過すると放射スペクトルはシフトし、放射制御膜32の機能が変化している。
(SEM像)
実施例1、2、3の発光体と比較例1、2の発光体を、2300Kで10分点灯させ後、放射制御膜32の表面のSEM像を撮影した。実施例1〜3の放射制御膜32のSEM像を図9〜図11に、比較例1の放射制御膜32のSEM像を図12に、比較例2の放射制御膜のSEM像を、図1にそれぞれ示す。
図9〜図11から明らかなように、実施例1〜3の放射制御膜32は、収縮による穴は生じているが、膜全体の粒化が抑制され、一様な膜のままである。これに対し、図12のように、比較例1の放射制御膜32は、膜全体に粒化が生じ、膜が変形して粒状(島状)にまとまった部分と、その周囲で膜がなくなり基体表面が露出している部分とが生じている。このため、比較例1の放射制御膜は、一様な膜ではなくなっていることがわかる。また、図1のように、比較例2の放射制御膜は、膜全体に粒化が生じ、膜が変形して粒状にまとまった部分と、その周囲で膜がなくなり基体表面が露出している部分とが網目状になっている。このため、比較例2の放射制御膜も一様な膜ではなくなっていることがわかる。これらのことから、Laの含有量は、比較例1の1.8mol%より多く含有されていることが粒化抑制には必要であることがわかる。
(結晶構造)
また、実施例1の発光体と、比較例1の発光体について、2300Kで10分点灯する前と後の放射制御膜の結晶構造を、ラマン分光法により調べたところ、両者とも点灯前後いずれも立法晶系であることが確認された。
上述してきたように、実施例1〜3の発光体は、Laの含有量が1.8mol%より大きいため、2300K以上の高温に加熱した場合でも、放射制御膜の粒化を防ぐことができ、放射制御膜の機能を維持できる。また、放射スペクトルのシフトも生じない。よって、2300K以上の高温まで加熱して放射効率を高めることができる。
1:白熱電球
2:透光性気密容器
3:フィラメント
4:リード線
5:リード線
6:側面電極
7:中心電極
8:絶縁部
9:口金
31:基体
32:放射制御膜

Claims (7)

  1. 金属からなる基体と、前記基体の表面の少なくとも一部に配置された放射制御膜とを含み、
    前記放射制御膜は、YおよびLaが添加されたZrO膜を含み、
    前記ZrO膜は、室温で立方晶、または、立方晶と正方晶との混合状態であり、
    前記ZrO膜に含まれるLaの量は、1.8mol%より大きく、
    20mol%以下であることを特徴とする発光体。
  2. 請求項1に記載の発光体であって、前記ZrO膜に含まれるLaの量は、3.7mol%以上であることを特徴とする発光体。
  3. 請求項1に記載の発光体であって、前記ZrO膜に含まれるYの量は、7mol%以上、45mol%以下であることを特徴とする発光体。
  4. 請求項1に記載の発光体であって、前記ZrO膜に含まれるYの量は、20mol%以下であることを特徴とする発光体。
  5. 金属からなる基体と、前記基体の表面に配置された放射制御膜とを含み、
    前記放射制御膜は、YおよびLaが添加されたZrO膜を含み、
    前記ZrO膜は、室温で立方晶、または、立方晶と正方晶との混合状態であり、
    前記ZrO膜に含まれるLaの量は、1.8mol%より大きく、20mol%以下であることを特徴とするフィラメント。
  6. 請求項5に記載のフィラメントと、前記フィラメントに電流を供給するリード線とを備え、熱電子および/または光を放出することを特徴とするフィラメントを用いた装置。
  7. 光を透過する容器と、前記容器内に配置された発光体と、前記発光体に電流を供給するためのリード線とを有し、前記発光体は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発光体であることを特徴とする白熱電球。
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