JP6253313B2 - フィラメント、および、それを用いた光源 - Google Patents
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Description
(数1)
P(total)=P(conduction)+P(radiation) ・・・(1)
ここで、P(total)は、全入力エネルギー、P(conduction)は、フィラメントに電流を供給するリード線を経て損失されるエネルギー、P(radiation)は、フィラメントが、加熱された温度で外部空間に光を放射して損失するエネルギーである。
(数3)
ε(λ)=1−R(λ) ・・・(3)
可視光反射率低下膜11は、図2に示すように基板10で反射した可視光13と可視光反射率低下膜11の表面で反射した可視光12との干渉を利用して、可視光12と可視光13が打ち消し合うようにして、可視光反射率を低下させる。干渉の結果、可視光の反射光を0に近づけるために、可視光反射率低下膜11表面で反射した可視光12の電場強度が、基板10との界面で反射した可視光12の電場強度と略同程度であることが望ましい。そのため、可視光反射率低下膜11表面での可視光反射率が、略0.5程度であることが好ましい。これにより、可視光反射率低下膜11表面で、入射した可視光のうちの半分を反射し、残りの半分の可視光は、可視光反射率低下膜11内に入射させて基体10との界面で反射することができる。これにより、可視光反射率低下膜11の表面で反射した可視光12と基板10で反射した可視光13の電場強度が同等となるので、理論的にはほぼ完全に打ち消し合わせることが可能になる。
(数5)
R=[(n0−n(λ))2+k(λ)2]/[(n0+n(λ))2+k(λ)2]
・・・(5)
式(5)において、n0は、真空の屈折率で1、nは、可視光反射率低下膜11の屈折率、kは可視光反射率低下膜11の消衰係数、λは、入射する可視光の波長である。
可視光反射率低下膜11の膜厚Dは、基板10で反射した可視光13の位相が、可視光反射率低下膜11の表面で反射した可視光12に対してπラジアンずれる(すなわち反転する)ように設定する。
(数6)
D=(1/4)(λ/n2) ・・・(6)
ただし、λは、真空中での可視光13の波長である。
基体10は、可視光反射率低下膜11を透過してきた光を出来るだけ低減することなく反射することが望ましい。よって、上述したように、基体10の反射率は、可視光領域の少なくとも一部および赤外光領域の少なくとも一部において90%以上であることが望ましい。特に、波長1000 nmで80%以上の反射率であることが望ましい。
実施形態1では、基体10は、芯材をWで構成し、芯材をWよりも反射率の高い金属(HfNまたはZrN)の層で被覆した構造とする。可視光反射率低下膜11としては、Os膜を用いる。
実施形態2としては、可視光反射率低下膜11として金属Re膜を用いる場合について説明する。
実施形態3として、図7に示したタングステンシリサイド(WSi2)を可視光反射率低下膜11として用いる場合について説明する。この材料(WSi2)は、可視光に対する屈折率が、22.4と非常に大きいため、膜厚を1〜10nmに設定する。このため、膜厚を精密に制御可能な成膜方法(例えば、MBE(分子線蒸着)等)により成膜する。
実施形態4として、可視光反射率低下膜11と基体10との間に、誘電体層を配置したフィラメントについて説明する。誘電体層の可視光に対する屈折率は、2.5よりも小さくてもよい。誘電体層を配置することにより、可視光反射率低下膜11を透過した光が基板10に到達する光路長を調節することができるため、可視光反射率低下膜11の膜厚制御が容易になる。この場合、可視光反射率低下膜11と誘電体層の合計膜厚の光路長で、可視光反射率低下膜11表面で反射する可視光と、基体10で反射する可視光を干渉させて可視光強度を低下させるように設計する。誘電体層は、可視光および赤外光を吸収率が低い材料で構成することが望ましい。
実施形態5として、可視光反射率低下膜11と基体10との間に、誘電体層を配置したフィラメントの別の例について説明する。実施形態5のフィラメントは、可視光反射率低下膜11として膜厚20nmのSiC膜を用い、誘電体層として膜厚200nmのHfO2膜を用いる。基体10はTaで構成されている。
実施形態6として、本発明のフィラメントを用いた光源について説明する。
Claims (9)
- 金属材料により形成された基体と、
前記基体の可視光反射率を赤外光反射率よりも低くするために、前記基体を被覆する可視光反射率低下膜とを備え、
前記可視光反射率低下膜の膜厚は、前記可視光反射率低下膜表面で反射した可視光と、前記基体で反射した可視光とを干渉させて強度を低下させるように設定され、
前記可視光反射率低下膜の可視光に対する屈折率および消衰係数の少なくとも一方は、3.0以上であることを特徴とするフィラメント。 - 請求項1に記載のフィラメントにおいて、可視光領域の少なくとも一部の反射率が40%以下、赤外光領域の少なくとも一部の反射率が80%以上であることを特徴とするフィラメント。
- 請求項1または2のいずれか1項に記載のフィラメントにおいて、前記可視光反射率低下膜は、Os、Re、Ru、W、Mo、SiC、および、WSi2のうちのいずれかで形成された膜を含むことを特徴とするフィラメント。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のフィラメントにおいて、前記基体自体の反射率は、前記可視光領域の少なくとも一部および赤外光領域の少なくとも一部において90%以上であることを特徴とするフィラメント。
- 請求項4に記載のフィラメントにおいて、前記基体は、表面が鏡面に加工されていることを特徴とするフィラメント。
- 請求項4または5に記載のフィラメントにおいて、前記基体は、金属で形成された芯材の表面を、前記芯材よりも反射率の高い金属の層で被覆した構造であることを特徴とするフィラメント。
- 請求項4ないし6のいずれか1項に記載のフィラメントにおいて、前記基体の表面粗さは、中心線平均粗さRaが1μm以下、最大高さRmaxが10μm以下、および、十点平均粗さRzが10μm以下、のうちの少なくとも1つを満たすことを特徴とするフィラメント。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載のフィラメントにおいて、前記可視光反射率低下膜は、前記基体との間に配置された誘電体層をさらに含み、前記誘電体層の可視光に対する屈折率は、2.5よりも小さく、
前記可視光反射率低下膜と前記誘電体層の合計膜厚は、前記可視光反射率低下膜表面で反射する可視光と、前記基体で反射する可視光を干渉させて、可視光強度を低下させるように設定されていることを特徴とするフィラメント。 - 気密容器と、前記気密容器内に配置されたフィラメントと、前記フィラメントに電流を供給するためのリード線とを有する光源であって、
前記フィラメントは、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のものであることを特徴とする光源。
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JP2013180057A JP6253313B2 (ja) | 2013-08-30 | 2013-08-30 | フィラメント、および、それを用いた光源 |
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JP2015050000A JP2015050000A (ja) | 2015-03-16 |
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EP2787524B1 (en) * | 2011-12-01 | 2016-09-14 | Stanley Electric Co., Ltd. | Light source device and filament |
JP2013134875A (ja) * | 2011-12-26 | 2013-07-08 | Stanley Electric Co Ltd | 白熱電球、および、フィラメント |
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2013
- 2013-08-30 JP JP2013180057A patent/JP6253313B2/ja active Active
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