JP2013134629A - 時間外労働賃金算出プログラム及び時間外労働賃金算出システム - Google Patents

時間外労働賃金算出プログラム及び時間外労働賃金算出システム Download PDF

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Abstract

【課題】 労使双方にメリットがある合理的な時間外労働賃金の支払いを可能にするシステムやプログラムを提供する。
【解決手段】 固定時間外労働賃金に対して、各期の時間外労働時間の値である固定割当値が割り当てられている。給与計算プログラムは、繰り越しデータファイルを開き、前期の当該労働者についての繰り越し値を読み取り、この繰り越し値と固定割当値とを加算して当期割当値を得た後、当期割当値と当期実績値とを比較し、当期割当値が当期実績値以上である場合にはその差分を翌期への繰り越し値として繰り越しデータファイルに記録するとともに当期の実績勘案の時間外労働賃金をゼロとする処理をプロセッサに行わせ、当期割当値が当期実績値より小さい場合にはその差分について当期の実績勘案の時間外労働賃金を算出するとともに翌期への繰り越し値をゼロとする処理をプロセッサに行わせる。
【選択図】 図13

Description

本願の発明は、労働者に対する賃金の支払いの際に使用される賃金の算出に関するものであり、特に時間外労働に対する賃金を算出するシステムやプログラムに関するものである。
各事業所において、使用者は労働者との間で労働契約を締結し、賃金について合意を取り交わしている。そして、就業規則等において定めた労働時間(以下、本明細書において所定労働時間という)を越えて労働者が勤務した場合には、時間外労働として別途賃金を支払うことが法律で義務付けられている。時間外労働のうち、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を越える労働については、割り増しした時間外労働賃金を払うことも義務付けられている。
特開2005−267298号公報
その一方、「サービス残業」や「名ばかり管理職」といった言葉にみられるように、未払い残業代の問題が顕在化してきている。未払い残業代を巡る訴訟において、高額の未払い残業代の支払いが裁判所により命じられるケースも頻発している。
訴訟となった事例は特殊な事例であるとも言えるが、現実問題として、多くの事業所において未払いの残業代があることも事実である。未払いの残業代については過去2年に亘って支払いが命じられるから、残業代を支払っていない事業所においては、大きなリスクを抱えていることになる。中小企業などでは、未払いの残業代をいっぺんに請求されると、経営が破綻するほどの影響を及ぼす場合もあり得る。また、経営が逼迫している事業所では、きちんと残業代を払っていると、経営が成り立たないこともあり得る。
法律の規定に違反して時間外労働賃金を支払わないでいることは、当然に認められるべきではない。しかし、労働基準法などの法律の規定も、ある程度は自由度があり、法律が許容する範囲内で合理的な取り決めを労使が行い、その範囲で合理的なやり方で時間外労働賃金の支払いをすることで、時間外労働賃金の未払いリスクを無くすことができる場合もある。そして、そのような合理的な取り決めが、労働者にとっても都合が良い場合があり得る。
本願の発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、労使双方にメリットがある合理的な時間外労働賃金の支払いを可能にするシステムやプログラムを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、プロセッサと、記憶部と、入力部と、出力部とを有し、記憶部には、固定時間外労働賃金に対して割り当てられた各期の時間外労働時間の値である固定割当値を記録した情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルと、賃金過払いの固定時間外労働時間の繰り越し値を記録した繰り越しデータファイルとが記憶されているコンピュータにおいて実行されることにより、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金の合計を算出して出力部に出力する時間外労働賃金算出プログラムであって、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールとを備えており、
情報ファイルには、各日において労働者が勤務すべき時間である所定労働時間が記録されており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから所定労働時間を読み取り、出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働賃金算出モジュールは、繰り越しデータファイルを開き、当該集計期間の一つの前の集計期間における当該労働者についての繰り越し値を読み取り、この繰り越し値と当期の固定割当値とを加算して当期割当値を得た後、当期割当値と、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した当期実績値とを比較し、当期割当値が当期実績値以上である場合にはその差分を翌期への繰り越し値として繰り越しデータファイルに記録するとともに当期の実績勘案の時間外労働賃金をゼロとする処理をプロセッサに行わせ、当期割当値が当期実績値より小さい場合にはその差分について当期の実績勘案の時間外労働賃金を算出するとともに翌期への繰り越し値をゼロとする処理をプロセッサに行わせるモジュールであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、プロセッサと、記憶部と、入力部と、出力部とを有し、記憶部には、各日において各労働者が勤務すべき時間である所定労働時間が記録された情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルとが記憶されているコンピュータにおいて実行されることにより、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金に関するシミュレーションを行う時間外労働賃金シミュレーションプログラムであって、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから所定労働時間を読み取り、出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働賃金算出モジュールは、当期実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
情報ファイルには、所定労働時間について集計期間内の各日に設定された出退時刻のパターンである所定労働時間パターンが記録されており、
シミュレーションモジュールは、所定労働時間パターンを変更した場合にその変更された所定労働時間パターンに基づいて当期時間外労働時間実績値を再計算し、再計算された当期時間外労働時間実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、プロセッサと、記憶部と、入力部と、出力部とを有し、記憶部には、各日において各労働者が勤務すべき時間である所定労働時間が記録された情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルとが記憶されているコンピュータにおいて実行されることにより、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金に関するシミュレーションを行う時間外労働賃金シミュレーションプログラムであって、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから前記所定労働時間を読み取り、前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと前記所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを前記集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働賃金算出モジュールは、当期実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
情報ファイルには、年間カレンダーに基づいて各労働者が出勤すべき日として設定されている出勤日の情報である設定出勤日情報が記録されており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルに記録された設定出勤日情報に従って休日出勤の日数と時間を集計することが可能であり、
当期時間外労働時間賃金算出モジュールは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した休日出勤の日数と時間に従って休日出勤に係る時間外労働賃金を算出することが可能であり、
シミュレーションモジュールは、設定出勤日情報が変更された場合にその変更された設定出勤日情報に基づいて休日出勤の日数と時間を再計算し、再計算された休日出勤の日数と時間に従って休日出勤に係る時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記出退時刻データファイルは、勤務する労働者が操作する出退時刻採取機からのデータが入力されて記録されたファイルであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項2又は3の構成において、前記出退時刻データファイルは、勤務する労働者が操作する出退時刻採取機からのデータが入力されて記録されたファイルであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、プロセッサと、記憶部と、入力部と、出力部とを有し、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金の合計を算出して出力部に出力する時間外労働賃金算出プログラムが実装又はインストールされたコンピュータで構成された時間外労働賃金算出システムであって、
記憶部には、固定時間外労働賃金に対して割り当てられた各期の時間外労働時間の値である固定割当値を記録した情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルと、賃金過払いの固定時間外労働時間の繰り越し値を記録した繰り越しデータファイルとが記憶されており、
時間外労働賃金算出プログラムは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働時間算出モジュールとを備えており、
情報ファイルには、各日において労働者が勤務すべき時間である所定労働時間が記録されており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから所定労働時間を読み取り、出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働賃金算出モジュールは、繰り越しデータファイルを開き、当該集計期間の一つの前の集計期間における当該労働者についての繰り越し値を読み取り、この繰り越し値と固定割当値とを加算して当期割当値を得た後、当期割当値と、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した当期実績値とを比較し、当期割当値が当期実績値以上である場合にはその差分を翌期への繰り越し値として繰り越しデータファイルに記録するとともに当期の実績勘案の時間外労働賃金をゼロとする処理をプロセッサに行わせ、当期割当値が当期実績値より小さい場合にはその差分について当期の実績勘案の時間外労働賃金を算出するとともに翌期への繰り越し値をゼロとする処理をプロセッサに行わせるモジュールであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、プロセッサと、記憶部と、入力部と、出力部とを有し、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金に関するシミュレーションを行う時間外労働賃金シミュレーションプログラムが実装又はインストールされたコンピュータで構成された時間外労働賃金シミュレーションシステムであって、
記憶部には、各日において労働者が勤務すべき時間である所定労働時間が記録された情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルとが記憶されており、
時間外労働賃金算出シミュレーションプログラムは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから所定労働時間を読み取り、出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働賃金算出モジュールは、当期実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
情報ファイルには、所定労働時間について集計期間内の各日に設定された出退時刻のパターンである所定労働時間パターンが記録されており、
シミュレーションモジュールは、所定労働時間パターンを変更した場合にその変更された所定労働時間パターンに基づいて当期時間外労働時間実績値を再計算し、その再計算された実績値に従って時間外労働賃金を算出して出力部に出力する処理をプロセッサに行わせるモジュールであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項8記載の発明は、プロセッサと、記憶部と、出力部とを有し、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金に関するシミュレーションを行う時間外労働賃金シミュレーションプログラムが実装又はインストールされたコンピュータで構成された時間外労働賃金シミュレーションシステムであって、
記憶部には、各日において労働者が勤務すべき時間である所定労働時間の情報と、年間カレンダーに基づいて各労働者が出勤すべき日として設定されている出勤日の情報である設定出勤日情報が記録された情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルとが記憶されており、
時間外労働賃金算出シミュレーションプログラムは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから前記所定労働時間を読み取り、前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと前記所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを前記所定の集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働賃金算出モジュールは、当期実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルに記録された設定出勤日情報に従って休日出勤の日数と時間を集計することが可能であり、
当期時間外労働時間賃金算出モジュールは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した休日出勤の日数と時間に従って休日出勤に係る時間外労働賃金を算出することが可能であり、
シミュレーションモジュールは、設定出勤日情報が変更された場合にその変更された設定出勤日情報に基づいて休日出勤の日数と時間を再計算し、再計算された休日出勤の日数と時間に従って休日出勤に係る時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項9記載の発明は、前記請求項6の構成において、前記コンピュータは、ネットワークを介してクライアントからのアクセスされることが可能なサーバであり、前記出力部は、アクセスをしたクライアントに対して情報を送信するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項10記載の発明は、前記請求項9の構成において、前記出退時刻データファイルは、勤務する労働者が操作する出退時刻採取機からのデータが前記ネットワークを介して送信されて前記入力部から入力されて記録されたファイルであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項11記載の発明は、前記請求項7又は8の構成において、前記コンピュータは、ネットワークを介してクライアントからのアクセスされることが可能なサーバであり、前記出力部は、アクセスをしたクライアントに対して情報を送信するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項12記載の発明は、前記請求項11の構成において、前記出退時刻データファイルは、勤務する労働者が操作する出退時刻採取機からのデータが前記ネットワークを介して送信されて前記入力部から入力されて記録されたファイルであるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1又は6記載の発明によれば、一定の金額が固定して支払われる固定時間外労働賃金に対して割り当てられる時間外労働時間が設定され、この割当値に対して実際の時間外労働時間が少なかった場合にその少ない分を翌期に繰り越し処理するので、固定時間外労働賃金の制動を導入しつつも支払われる時間外労働賃金が実績をより反映したものとなる。このため、使用者においては固定時間外労働賃金の制度を導入する大きなインセンティブとなり、労働者においては未払い時間外労働賃金の問題の発生を未然に防止する大きな手段となる。
また、請求項2、3、7又は8記載の発明によれば、特定の労働者の時間外労働の実績に基づき、所定労働時間のパターンを変更した場合に時間外労働賃金がどのように変わるかがシミュレーションできるので、基本給をどのように変更した提示を当該労働者に対してすれば良いかの見極めがし易くなる。このため、繁閑の状態を考慮しつつ合理的に時間外労働賃金を節約することが可能になる。
また、請求項4、5、10又は12記載の発明によれば、上記効果に加え、出退時刻データファイルが、勤務する労働者が操作する出退時刻採取機からのデータが記録されたファイルであるので、出退時刻採取機が備えられている事業所に導入する場合に好適なものとなる。
また、請求項9又は11記載の発明によれば、上記効果に加え、クライアントがサーバにアクセスすることでサービスが利用できるので、容量の大きなプログラムをユーザーがコンピュータにインストールしたり、容量の大きなファイルをユーザーのコンピュータの記憶部に記憶したりすることが不要である。このため、ユーザーにおけるサービスの利用が容易になる。
本願発明の実施形態に係る時間外労働賃金算出システムの概略図である。 時間外労働賃金の繰り越しについて示した概略図である。 時間外労働賃金の計算を含む労働者の給与計算等の労務管理サービスを提供するウェブサイトのトップページの一例について示した概略図である。 会員トップページの一例を示した概略図である。 基本情報ファイルの一例について示した概略図である。 個別入力ページの一例について示した概略図である。 給与情報ファイルの一例について示した概略図である。 繰り越しデータファイルの一例について示した概略図である。 実績情報ファイルの一例について示した概略図である。 出退時刻データファイルの一例について示した概略図である。 給与計算プログラムの概略を示したフローチャートである。 図11に示す給与計算プログラムに組み込まれている当期実績値集計サブプログラムの概略を示したフローチャートである。 時間外労働賃金の繰り越しのためのサブプログラムの概略を示したフローチャートである。 本実施形態のシステムにおいて出力される給与明細書の一例について示した概略図である。 クライアントに表示された時間外労働の解析データの一例について示した概略図である。 シミュレーションプログラムの実行結果の一例を示す概略図である。 合計労働時間解析プログラムの実行結果の一例を示す図である。 出勤日変更シミュレーションプログラムの実行結果の一例を示す概略図である。 アラート設定ページの一例を示した概略図である。 36協定登録ページの一例を示した概略図である。 各アラート機能を実現する給与計算プログラムの主要部の概略を示したフローチャートである。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、本願発明の実施形態に係る時間外労働賃金算出システムの概略図である。図1に示す時間外労働賃金算出システムは、ネットワークを介してクライアント1からのアクセスされることが可能なサーバで構成されている。ネットワークとしてはインターネット2が想定されており、クライアント1は、インターネット2に対して接続可能なコンピュータである。
本実施形態のシステム(以下、本システム)は、時間外労働賃金を含む労働者の給与計算を行う労務管理システムとなっている。本実施形態のシステムは、時間外労働賃金の計算を含む労働者の給与計算等の労務管理サービス(以下、本サービスという)をインターネット2を介してユーザーに提供する際に使用されるものであり、いわゆるASPやSaaSに類したものである。このシステムは、時間外労働賃金の算出の他、時間外労働賃金のシミュレーションも行うことが可能となっている。したがって、以下の説明は、時間外労働賃金シミュレーションシステムの実施形態の説明でもある。
システムを構成するサーバは、ウェブサーバ31や認証サーバ32、データサーバ33等となっている。ウェブサーバ31は、ファイアウォール34を介してインターネット2に接続されており、不正なアクセスが遮断されるようになっている。
ウェブサーバ31は、本サービスの提供の窓口となる各ウェブページをユーザーに提供するものである。ウェブサーバ31は、マイクロソフト社のIISのようなサーバソフトウェアを実装することにより構成されており、各クライアント1へのウェブページの提供やデータベースサーバへのデータ転送等の機能を有している。
本サービスは、会員制となっており、会員登録した事業者のみが提供を受けられる。認証サーバ32は、クライアント1からのアクセスが会員によるものかどうかを判断し、会員による場合にのみ各種サービスの提供を許可するものである。
データサーバ33は、認証されたクライアント1からの要求に応じて送信するため、給与計算に必要な情報を記憶部(例えばハードディスク等のストレージデバイス)に記憶したサーバである。多くの情報は、データベース化されており、データサーバ33にはデータベースソフトウェアが実装されている。
システムの規模が小さい場合、即ち、会員数が少なかったり、管理しているデータの量が少ない場合には、サーバー仮想化等の技術を利用してこれらのサーバを一つの一つのサーバコンピュータで実現する場合もあり得る。システムの規模が大きくなってきた場合、必要に応じて各サーバを別々にし、可用性を高めていく。
図1に示すように、各サーバは、ファイアウォール34を介してインターネット2に接続されたイントラネット35上に設けられている。イントラネット35上には、管理用クライアント36が設けられている。管理用クライアント36は、本サービスの提供事業を運営する事業主体(以下、サービサー)の担当者が操作するものである。イントラネット35も、この事業会社の社内ネットワークの場合があり得るが、事業会社がホスティングサービスを使用している場合、イントラネット35はホスティング会社のものであり、管理用クライアント36が特別のアクセス権を与えられてインターネット2から各サーバにアクセスするよう構成される場合もある。尚、いわゆるクラウドコンピューティングの技術を利用し、各サーバをインターネット2上に散在する各イントラネット(プライベートクラウド)に設けた構成が採用されることもあり得る。
本システムの機能は、大きく以下の四つに分けられる。
1.会員登録等の導入や初期設定の機能
2.時間外労働賃金の算出を含む給与計算機能(メインの機能)
3.各種帳票を出力してユーザーに提供する機能
4.時間外労働賃金の解析や所定労働時間のパターンの変更シミュレーション等のオプション機能
上記各機能の説明の前に、本システムを使用した賃金算出の前提となる固定時間外労働賃金と時間外労働賃金の繰り越しについて、以下に説明する。
固定時間外労働賃金というのは、労働者に対して毎月一定の金額を時間外労働に対する賃金として支払ってしまうというものである。実際の時間外労働の時間のいかんに関わらず一定の金額を支払うものであるので、実際の時間外労働の時間がそれより少ない場合には、過払いということになるし、実際の時間外労働の時間がそれより多い場合には、未払い分があるということになる。未払い分がその後にちきんと支払われる限り、このような固定時間外労働賃金というもの自体は、特に法律の規定に反するものではない。
固定時間外労働賃金というのを新たに追加して支給する場合、使用者にとってはその分だけ人件費がアップしてしまうので、導入が難しい面もある。その場合には、現状の給与体系における名目変更で対応することが考えられる。営業手当の名目で一定の賃金を支払っているのであれば、その名目を変えて固定時間外労働賃金として支払うのである。つまり、営業という仕事をしていれば、毎月○○時間程度の残業はあるでしょう」ということで、あくまで残業代として支払うのである。
このようにすれば、使用者にとっては人件費がアップすることはなく、労働者にとっても手取りの金額が減ることはない。その一方、ある程度の金額を固定時間外労働賃金として支払っておけば、この労働者が残業を申告してきた場合、別途残業代を支払う必要がない場合が多い。
より具体的に説明すると、例えばある労働者の基本給に各種手当(家族手当及び通勤手当を除く)を加算した金額が280,000円であり、法定外残業時間が45時間であったとし、この月の所定労働時間(法定労働時間とイコールとする)が170時間であったとする。そして、固定時間外労働賃金として、280,000円のうち、毎月85,000円を支払うよう賃金体系を変更したとする。つまり、例えば280,000円に営業手当として85,000円が含まれていた場合、それを固定時間外労働賃金という名目に変更するのである。
この場合、固定時間外労働賃金を導入する前の賃金体系では、時間外労働の時給単価は、280,000÷170×1.25=2,059円となるから、時間外労働賃金は、2,059×45=92,655円となる。一方、固定時間外労働賃金を導入した場合、その分は時給単価を計算する際の基礎となる金額から控除できるから、時給単価は、195,000÷170×1.25=1,434円となり、時間外賃金の総額は64,530円となる。実際の時間外労働賃金である64,530円に対して85,000円支払っていることになるため、別途残業代を支払う必要はない。
このように、固定時間外労働賃金を導入すれば、多くの場合、さらなる残業代の支払いは不要であり、未払い残量代のリスクを無くすことができる。但し、このような賃金体系の変更は、労働者にとっては不利益な変更であるとも言えるので、各労働者から承諾書をもらっておく必要がある。
次に、時間外労働賃金の繰り越しについて説明する。時間外労働賃金の繰り越しというのは、上記固定時間外労働賃金を支払いをする際に好適に採用される仕組みである。これについて、図2を使用して説明する。図2は、時間外労働賃金の繰り越しについて示した概略図である。
例えば、月給制を採用している事業所で、毎月40時間分の時間外労働賃金を固定給として支払っているとする(以下、固定時間外労働賃金に割り当てられている毎月の時間を固定割当値と呼ぶ)。そして、この事業所に勤務するある労働者は、4月から勤務し、4月に20時間の残業をしたとする。この場合、20時間分の時間外労働賃金は過払いとなるから、その分をきちんと記録し、翌月以降に繰り越すのである。繰り越しは、当月の固定時間外労働賃金の支払いについて、まだ行われていない翌月以降の時間外労働の賃金の前払いという性質を付与することなる。
そして、この労働者が5月には30時間の残業があったとする。この場合、4月からの繰り越し分と当月(5月)の固定割当値とを加算すると(以下、前月からの繰り越し値と当月の固定割当値を加算した値を当期割当値と呼ぶ)、5月の当期割当値は60時間となる。したがって、5月は30時間が余ったことになる。そこで、5月の時点では30時間分が過払いとなるからこの分を6月に繰り越す。6月には60時間の残業が実際にあった場合、当期割当値は70時間になっているので、差し引いた10時間を7月に繰り越す。このようにして順次繰り越しを行い、7月には30時間、8月には50時間、9月には50時間の残業がそれぞれ実際にあったとすると、9月の時点で繰り越し分を全て使い切ったことになる。
以上の点を踏まえ、本実施形態のシステムの構成を具体的に説明する。本実施形態のシステムは、上述した固定時間外労働賃金の支払いと、時間外労働時間の繰り越し処理の二つを行うことを前提としている。
ウェブサーバ31は、本サービスの紹介や宣伝の機能も担っている。図3は、本サービスを提供するウェブサイトのトップページの一例について示した概略図である。ウェブサーバ31の記憶部には、図3に示すトップページのHTMLファイルが記憶されており、インターネット2を介したアクセスに応じてクライアント1に表示されるようになっている。
図3に示すように、トップページは、本サービスの特徴点やメリットを紹介し、会員登録を募るものとなっている。このウェブページのURLは、「給与計算」、「時間外労働賃金算出」といったキーワードでヒットするよう検索エンジンへの登録が行われている。
ウェブページでは、本サービスが会員制である旨が説明されており、会員登録ボタン41が設けられている。ウェブサーバ31は、会員登録のために各種情報を入力させるページ(会員登録ページ)を提供できるようになっており、会員登録ボタン41には会員登録ページのリンクが貼られている。
会員登録ページでは、事業所名、所在地、担当部署名、担当者名、担当者電話番号、担当者FAX番号、担当者メールアドレス等の各種情報を入力するようになっている。これらの情報が正しく入力されて送信され、必要な手続きが終了すると、正式に会員登録がされ、会員IDやパスワードが発行される。発行された会員IDやパスワードの情報は、認証のため、認証サーバ32の記憶部に記憶される。これらの点は、通常の会員制のシステムにおけるものと同様なので、詳細な説明は割愛する。
尚、本システムは、事業者の企業情報や労働者の給与情報等、多くの内部的な又はプライベートな情報を管理するものであるので、導入に際しては、サービサーは、ユーザーと間で守秘義務に関する契約書を取り交わしたり、個人情報保護法に基づくプライバシーポリシーに関してユーザーから承諾をもらうことになる。したがって、正式な会員登録は、郵送により行われることになる。具体的には、会員登録の申し込みの情報は、データサーバ33に一時的に保管され、この情報は管理用クライアント36から読み出される。サービサーの担当者は、情報に従って守秘義務の契約書やプライバシーポリシーの承諾書等を申し込みをした事業所の担当者に送り、署名・捺印などをしてもらって返送してもらう。そして、その受領の後、正式な会員登録をし、会員IDやパスワードを事業所の担当者に通知する。
一方、本サービスの提供に際しては、給与計算のために必要となる各種情報の初期設定が必要である。初期設定は、会員登録をした者としてウェブサーバ31にアクセスした上で行うようになっている。即ち、図3に示すように、トップページには、「ログイン」と表記されたボタン(ログインボタン)42が設けられており、これをクリックすると、会員ID及びパスワードによる認証画面が表示され、これらが正しく入力されて送信されると、認証サーバ32によりアクセスが認証され、会員向けのサービスのためのトップページ(以下、会員トップページ)がクライアント1に表示されるようになっている。
図4は、会員トップページの一例を示した概略図である。
図4に示すように、会員トップページには、「基本情報登録」との表記の下に「新規登録」と表記されたコマンドボタン(以下、基本情報登録ボタン)43が設けられている。一方、ウェブサーバ31には、基本情報登録プログラムが実装されている。基本情報登録ボタン43がクリックされると、基本情報登録ページが表示されるようになっている。
基本情報登録ページは、給与計算の基本となる共通情報について入力するページである。基本情報登録ページには、「支給日」、「締め日」、「決算期」、「繰り越し有無」等の情報を入力する欄が設けられている。「支給日」は25日のように給与を支給する日を入力する。「締め日」は、月末締めのように、労働時間を計算する締め日を入力する。「決算期」には、本システムの利用を開始した時点での決算期の情報を入力する。「繰り越し有無」は、前述した固定時間外労働賃金の繰り越し処理をするかどうかの設定をする項目である。
尚、本実施形態では、給与の支給単位は月、即ち月給制であることを前提としている。但し、本願発明の実施に際しては、これは必須の条件ではなく、週単位(週休制)、日単位(日給制)であっても実施は可能である。
一方、データサーバ33には、本システムを利用しているユーザー事業所の基本情報をデータベース化したファイル(以下、基本情報ファイル)が設けられている。図5は、基本情報ファイルの一例について示した概略図である。図5に示すように、基本情報ファイルは、「会員ID」、「事業所名」、「所在地」、「担当部署名」、「担当者名」の他、「支給日」、「締め日」、「繰り越し有無」等のフィールドから成るレコードを各ユーザー事業所について登録したデータベースファイルである。
基本情報登録ページにおいて、上述した各情報が正しく選択又は入力されて送信ボタンがクリックされると、基本情報登録プログラムが実行される。基本情報登録プログラムは、その会員IDを検索キーにして基本情報ファイルを開き、該当するユーザー事業所のレコードの「支給日」、「締め日」、「繰り越し有無」等のフィールドに、選択又は入力された情報を入力し、ファイルを更新する。
また、図4に示すように、会員トップページには、「給与情報登録」との表記の下に、「一括入力」と表記されたコマンドボタン(以下、一括入力ボタン)44と、「個別入力」と表記されたコマンドボタン(以下、個別入力ボタン)45とが設けられている。一括入力ボタン44は、各労働者の情報をCSV形式のような汎用形式のファイルで送信して一括してシステムに登録するためのボタンである。個別入力ボタン45は、各労働者の情報を個別に入力するためのページ(個別入力ページ)を表示するボタンである。
一例として、個別入力の場合について説明する。図6は、個別入力ページの一例について示した概略図である。ウェブサーバ31は、個別入力ページのHTMLファイルを記憶部に記憶しており、個別入力ボタン45がクリックされた際にクライアント1に送信して表示させるようになっている。
図6に示すように、個別入力ページには、労働者の氏名、雇用形態、性別、入社年月日等の情報に加え、設定勤務時刻(出社時刻と退社時刻)や給与に関する情報(基本給、通勤手当等)を入力する欄が設けられている。
また、図6に示すように、個別入力ページには、固定時間外労働賃金の入力欄と、固定割当値の入力欄が設けられている。固定割当値は、前述したように、固定時間外労働賃金に対して割り当てられる労働時間の値である。
図6に示すように、固定割当値は、時間外労働の種別毎に入力される。例えば、法定内残業時間:10時間、法定外残業時間:30時間、深夜残業時間:5時間、というように入力される。この例では、支払われる固定時間外労働賃金について、法定内残業として月に10時間、法定外残業として月に30時間、深夜残業として月に5時間が割り当てられるということである。したがって、これらの値を越えた場合にのみ、別途時間外労働賃金(実績勘案の時間外労働賃金)が支払われることになる。この例では、1日の所定労働時間が法定労働時間よりも短い7時間であるため、法定内労働時間についての固定割当値の割り当てがあるが、所定労働時間が法定限度の8時間である場合、残業をすれば即、法定外ということになるので、この場合には法定内残業時間への割り当ては0となる。
一方、データサーバ33の記憶部には、給与情報を記録したデータベースファイル(以下、給与情報ファイル)が記憶されている。会員登録がされると、データサーバ33の記憶部にその事業所専用のパスが設けられ、給与情報ファイルが新たに作成されてそのパスに記憶される。給与情報ファイルは、一人の労働者の給与情報を一つのレコードとしてデータベース化したファイルである。
ウェブサーバ31には、個別入力ページで入力された情報の登録のためのプログラム(以下、個別情報登録プログラム)が実装されている。図6に示す個別入力ページにおいて各情報が入力され、確認ボタン71がクリックされると、入力情報を確認するページが表示され、そこで送信ボタンがクリックされると、個別情報登録プログラムが実行される。個別情報登録プログラムは、各情報を給与情報ファイルに新しいレコードとして記録した後、ファイルを更新してデータサーバ33の記憶部に記憶するようになっている。
ウェブサーバ31には、給与情報を一括して登録するためのプログラム(以下、一括登録プログラム)も実装されている。給与情報を一括して登録する場合、ユーザー事業所の担当者が予めCSVファイルを作成しておく。このCSVファイルは、データサーバ33の給与情報ファイルの各フィールドと同一の項目について情報を記録したファイルである。図4に示す会員トップページで一括入力ボタン44がクリックされると、一括登録プログラムは、CSVファイルを指定するウインドウをクライアント1に表示する。クライアント1の記憶部等にあるCSVファイルが正しく指定され、OKボタンがクリックされると、一括登録プログラムは、CSVファイルをクライアント1に送信させ、所定の形式変換を行って給与情報ファイルとしてデータサーバ33の所定のパスに記憶する。
図7は、データサーバ33に記憶された給与情報ファイルの一例について示した概略図である。
図7に示すように、給与情報ファイルは、「労働者ID」、「氏名」、「雇用形態」、「基本給」、「社保の有無」、「配偶者控除有無」等のフィールドから成るレコードを各労働者について記録したデータベースファイルである。
尚、多くの事業所では、既に給与計算ソフトウェアが使用されていることが多く、労働者の給与情報についてはデジタル化されている場合が多い。したがって、そのような給与計算ソフトウェアからエクスポートした給与情報について、項目の選択を適宜行ってCSVファイルを作成するプログラムを用意しておき、ダウンロードして使用できるようにしておくと好ましい。
また、データサーバ33には、各ユーザー事業所について、繰り越しデータファイルが設けられている。繰り越しデータファイルは、前述したように、時間外労働賃金の過払い分の繰り越し情報を記録したデータベースファイルである。
尚、基本情報や給与情報は、給与計算を行うに際して必須となる情報である。したがって、ウェブサーバ31は、ログインがされた際、データサーバ33にアクセスし、その会員IDについての基本情報が登録されているか、少なくとも一人の労働者について給与情報が登録されているか(給与情報ファイルにレコードがあるか)をチェックする。これら登録のいずれかがなかったら、その旨のエラーメッセージを表示し、情報を登録するよう促すようになっている。
図8は、繰り越しデータファイルの一例について示した概略図である。図8に示すように、繰り越しデータファイルは、「労働者ID」、「4月法定内」、「4月法定外」、「4月深夜」、「5月法定内」、「5月法定外」、「5月深夜」、・・・「3月法定内」、「3月法定外」、「3月深夜」のフィールドから成るレコードを各労働者について記録したデータベースファイルである。即ち、繰り越しデータファイルは、各労働者の各月における法定内残業時間の繰り越し、法定外残業時間の繰り越し、深夜残業時間の繰り越しをそれぞれのフィールドに記録したファイルとなっている。繰り越しデータファイルは、一つの決算期で一つのファイルとなっており、この例は3月決算であるため、4月〜3月の順に各フィールドが並んでいる。
尚、繰り越しデータファイルは、適宜のタイミングで自動的に新規に作成される。例えば、新しく会員登録をして最初にログインをした際に最初のファイルが作成され、以後は、1年経過時に自動的に作成される。
繰り越しデータファイルは、事業所の決算期を使用した所定のファイル名で登録される。例えばkuri10.dbであれば、第10決算期における繰り越しデータファイルということになる。
また、データサーバ33の記憶部には、実績としての給与情報を記録したデータベースファイル(以下、実績情報ファイル)が記憶されている。実績情報ファイルも、各ユーザー事業所毎に作られて記憶されており、各ユーザー事業所用のパスの下に記憶されている。実績情報ファイルは、給与の支払い単位毎に作られる。通常は月払いであるので、各月について作られる。実績情報ファイルは、jisseki2011-10.dbのように、西暦の数字と月の数字とを使用した所定のやり方でファイル名が決められている。
図9は、実績情報ファイルの一例について示した概略図である。図9に示すように、実績情報ファイルは、「労働者ID」、「氏名」、「基本給」、「時間外(法定内)」、「時間外(法定外)」、「時間外(深夜)」等のフィールドから成るレコードが各労働者について記録されたファイルである。図9に示すフィールドの他、雇用保険や社会保険に関する項目、所得税や住民税に関する項目等も適宜設けられている。
次に、時間外労働賃金の算出を含む給与計算の機能について説明する。
時間外労働賃金の算出を含む給与計算を行うには、日々の勤務時刻データ、特に退社時刻のデータが必要である。出社、退社の勤務時刻データをシステムに送信するやり方については、二つのやり方がある。一つは、日々の勤務時刻データをそのまま逐一システムに送信するやり方である。もう一つは、クライアント1側でいったんデータを集積し、ある程度まとまった段階で一括してシステムに送信するやり方である。
図1では、後者のやり方を行う構成が示されている。図1に示すように、クライアント1は、ユーザーの社内ネットワーク11上に設けられている。この社内ネットワーク11には、タイムカード打刻機のような出退時刻採取機12が接続されている。出退時刻採取機12は、ネットワーク対応のものであり、出退時刻データをいったん内部に記憶した後、クライアント1からのアクセスがあった際、CSVのような汎用形式のファイルの形でデータをまとめてクライアント1に送信するようになっている。
クライアント1は、一ヶ月に一回、出退時刻採取機にアクセスし、出退時刻データを送信させる。送信された出退時刻データは、クライアント1の記憶部に記憶される。このようなネットワーク対応の出退データ採取機としては、例えばアマノ株式会社からシステムタイムレコーダーとして販売されているので、適宜のものを選んで使用することができる。尚、ネットワーク型のものではなく、単にクライアント1に対して周辺機器としてUSB等の汎用インターフェースを介して接続するタイプの出退時刻採取機であっても良い。
一方、図4に示すように、会員トップページには、「出退データ送信」と表記されたコマンドボタン(以下、出退データ送信ボタン)46が設けられている。ウェブサーバ31には、出退時刻データの登録のためのプログラム(以下、出退データ登録プログラム)が実装されており、出退データ送信ボタン46は、出退データ登録プログラムを実行するものとなっている。
出退データ登録プログラムは、CSVのような汎用形式のファイルで出退時刻データを送信させるものである。出退データ送信ボタン46がクリックされると、出退時刻データを記録したファイル(以下、出退時刻データファイル)を指定するウインドウがクライアント1に表示され、ここで正しくファイルが指定されると、出退データ登録プログラムは、そのファイルを転送させてデータサーバ33に送り、データサーバ33の所定のパス(当該事業所に割り当てられたパス)に記憶するようになっている。この際、システム上での取り扱いがし易いように、出退データ登録プログラムは、出退時刻データファイルをdbファイルのようなデータベース形式のファイルに変換して記憶するようになっている。
尚、出退時刻データファイルは、当該ユーザー事業所用のパスの下に出退時刻データ用のパスを作り、そこに記憶される。出退時刻データファイルは、本実施形態では月単位のファイルとなっており、西暦と月を表すアラビア数字の所定の組み合わせから成るファイル名とされる。例えば、2011年10月期の出退時刻データファイルであれば、2011-10.dbのようなファイル名である。
図10は、データサーバ33の所定のパスに記憶された出退時刻データファイルの一例について示した概略図である。
図10に示すように、出退時刻データファイルは、「労働者ID」、「出勤日」、「出社時刻」及び「退社時刻」の四つのフィールドから成るレコードが多数記録されたデータベースファイルである。
次に、給与計算機能について説明する。
図4に示すように、会員トップページには、「当月給与計算」と表記されたコマンドボタン(以下、給与計算ボタン)47が設けられている。ウェブサーバ31には、給与計算を行うプログラム(以下、給与計算プログラム)が実装されている。以下に説明する給与計算プログラムは、実施形態の時間外労働賃金算出システムを構成するものであるが、時間外労働賃金算出プログラムの発明の実施形態でもある。
図11は、給与計算プログラムの概略を示したフローチャートである。給与計算プログラムは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールとを備えている。モジュールとは、プログラムを構成する要素であって、一定のまとまりのあるコマンドの集まりといった程度の意味である。尚、当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、サブプログラムの構成となっており、当期実績値集計サブプログラムによって構成されている。
図4に示す会員トップページにおいて、給与計算ボタン47がクリックされると、給与計算プログラムが起動する。給与計算プログラムは、まず、必要なファイルを予め開いておく。必要なファイルとは、基本情報ファイル、このユーザー事業所についての給与情報ファイルや繰り越しデータファイル、実績情報ファイル等である。
次に、給与計算プログラムは、給与計算を行う期(月)を特定する確認をさせる。例えば、基本情報ファイルに記録されている支給日や締め日、導入時決算期の情報と、アクセスの際の時刻情報(環境変数)とから、給与計算を行う期を推測し、これをクライアント1に送信して表示させ、クライアント1上で確認ボタンをクリックさせることが考えられる。例えば、支給日が毎月25日で、締め日が月末に設定されており、導入年が2006年で導入時決算期が第5期であった場合で、アクセスが2011年9月10日にあった場合、2011年(第10決算期)9月期の給与(就業日が8月1日〜8月31日である給与)を計算しようとしていることが想定される。したがって、2011年(第10決算期)9月期の給与計算で良いかどうかのメッセージをクライアント1上に表示し、OKボタンがクリックされたら、プログラムを先に進める。
給与計算プログラムは、上記OKボタンがクリックされた場合、まず、ログインの際に記憶していた会員IDから、データサーバ33のそのユーザー用のパスを検索し、該当期の出退時刻データファイルがあるかどうか判断する。具体的には、前述したように2011年9月期の給与計算であれば、2011-8.dbというファイル名の出退時刻データファイルを当該ユーザー事業所用のパスにおいて探す。このファイルが無ければ、「出退時刻データがアップされていません。出退時刻データをアップしてからやり直して下さい。」というようなエラーメッセージをクライアント1に表示した後、プログラムを終了する。
出退時刻データファイルがある場合、給与計算プログラムは、まず、基本情報ファイルを開き、ログインの際に記憶した会員IDに従って、当該ユーザー事業所のレコードを参照し、「繰り越し有無」の値を取得し、その値をメモリ変数に一時的に格納する。また、「繰り越し有無」の値が真値である場合、このユーザー事業所の繰り越しデータファイルを開いておく。例えば、前述したように2011年(第10決算期)9月期の給与の計算であれば、第10決算期の繰り越しデータファイル(前記の例で言えば、kuri2011.db)を開く。
次に、給与計算プログラムは、予め開いておいた給与情報ファイルを開き、最初のレコードにポインタを移動させる。そして、そのレコードの労働者IDと設定退社時刻を読み取る。そして、給与計算プログラムは、労働者IDと設定退社時刻とを引数にして当期実績値集計サブプログラムを実行し、当該労働者について当期の時間外労働時間の実績値の集計を行う。図12は、図11に示す給与計算プログラムに組み込まれている当期実績値集計サブプログラムの概略を示したフローチャートである。
図12に示すように、当期実績値集計サブプログラム(以下、当期実績値集計サブと略称する)は、出退時刻データファイルの最初のレコードにポインタを移した後、労働者IDを検索キーにして出退時刻データファイルを検索する。労働者IDが一致するレコードがあったら、データが正常であるかどうか判断する。データが正常でない場合、そのレコードについての処理をスキップする。データが正常でないというのは、出社時刻が無くて退社時刻だけがある場合や、退社時刻が出社時刻よりも早い時刻となっている場合等である。
データが正常であると判断したら、当期実績値集計サブは、退社時刻(実績値)と設定退社時刻とを比較し、時間外労働(残業)があったかどうか判断する。即ち、退社時刻が設定退社時刻との差が例えば1時間以上であれば、時間外労働があったと判断し、この差を算出してその日の時間外労働時間の実績値とする。
図12では詳細の図示が省略されているが、上記実績値の算出の際所定労働時間と法定労働時間とを区別して実績値を算出する。例えば、所定労働時間が9:00〜17:00の7時間である場合、17:00を越えて働いた分については時間外労働賃金が支払われるが、一日8時間の法定労働時間の範囲内であれば割り増しはないのに対し、8時間を超えた分については25%の割り増しがある。また、22:00を越えた深夜残業については、さらに25%の割り増しがある。したがって、この例では、実際の退社時間が18:00を越え、19:00未満であれば、法定内時間外労働の実績値としてとして1時間をカウントする。また、19:00を越え、20:00未満であれば、法定内の時間外労働時間として1時間、法定外の時間外労働時間として1時間をカウントする。また、23:00を越えた場合には、深夜残業であるとしてその分の時間をカウントする。
このようにして、出退時刻データファイルの一つのレコードについて、時間外労働時間(法定内)、時間外労働時間(法定外)、時間外労働時間(深夜)をそれぞれ算出する。算出された実績値は、それぞれメモリ変数において従前の値に加算・更新する形で格納される。実績値がゼロであれば、ゼロが加算される。
当期実績値集計サブは、出退時刻データファイルにおいてポインタを次のレコードに移し、労働者IDが一致するかどうか判断し、一致する場合には、同様の処理を繰り返す。この際、各メモリ変数に対しては、従前の値に加算して更新する形で値が格納される。
出退時刻データファイルの最後のレコードまでこの処理を繰り返すと、一人の労働者についての当月期の時間外労働時間の実績値の集計が終了したことになる。これで、当期実績値集計サブは終了であり、集計した勤務日数、時間外労働時間(法定内)、時間外労働時間(法定外)、時間外労働時間(深夜)を戻り値として給与計算プログラムに戻す。
尚、上記説明は、設定退社時刻をオーバーした労働時間即ち残業時間の算出であったが、設定出社時刻よりも前の労働時間即ち早出労働時間の算出も行われるようプログラミングされる。この場合は、設定出社時刻と実際の出社時刻とを比較し、その差が例えば1時間以上である場合、早出として時間外労働の実績時間に加算する。また、早出の時間外労働に朝5時以前の時間が含まれる場合、深夜割り増しとなるので、法定外(深夜)の時間としてカウントすることになる。
次に、給与計算プログラムは、当月期の時間外労働賃金を算出する。この際、給与計算プログラムは、メモリ変数に格納しておいた「繰り越し有無」の値を参照し、この値によって異なった処理をする。即ち、「繰り越し有無」が偽値であれば、給与計算プログラムは、繰り越し処理のためのサブプログラム(以下、繰り越しサブ)を実行せずに当期時間外労働賃金を算出する。この場合、当期実績値集計サブから戻された各時間外労働時間の集計値をそのまま実績勘案対象値とし、これに基づいて通常の仕方でそのまま時間外労働賃金を算出する。
即ち、この労働者について当月期の設定勤務時間(所定労働時間×勤務日数)の合計を求め、基本給をその値で割って基準時間給を算出する。そして、上記のように得た各集計値について基準時間給を掛け合わせて時間外労働賃金とする。この際、法定外については、基準時間給の125%を掛け合わせて賃金とし、深夜については基準時間給の150%を掛け合わせて賃金とする。
「繰り越し有無」が真値の場合、給与計算プログラムは、時間外労働賃金の繰り越しのためのサブプログラムを実行する。図13は、時間外労働賃金の繰り越しのためのサブプログラム(以下、繰り越しサブ)の概略を示したフローチャートである。
繰り越しサブは、予め開いてある繰り越しデータファイルにおいて、労働者IDが一致するレコードを探し、そのレコードの当月期の各フィールドを読み出す。即ち、9月期が当月期であれば、「9月法定内」、「9月法定外」、「9月深夜」の各フィールドの値をそれぞれ読み出す。読み出した値(以下、繰り越し値)は、一時的にメモリ変数に格納される。
次に、繰り越しサブは、給与情報ファイルを労働者IDで検索し、該当するレコードから、各固定割当値を取得する。そして、各繰り越し値に対してそれぞれ固定割当値を加算し、当期割当値を得る。例えば、ある労働者について毎月85,000円の固定時間外労働賃金が支払われており、それについて、法定内の時間外労働時間として10時間、法定外の時間外労働時間として30時間、深夜の時間外労働時間として0時間が割り当てられている場合、法定内の繰り越し値に10時間を加算し、法定外の繰り越し値に30時間を加算し、深夜の繰り越し値に0時間を加算して、各々、当期割当値とする。
次に、繰り越しサブは、当期実績値集計サブからの戻り値(各実績値)と各当期割当値とを比較し、その差の正負を判断する。当期割当値≧実績値であれば、当月期の時間外労働についてはすべて賃金の支払いがされていることになるので、実績勘案対象値のメモリ変数にゼロを格納する。そして、当期割当値−実績値の値が翌月への繰り越し値になるので、その値を繰り越しデータファイルの該当フィールドに記録する。
また、当期割当値<実績値であれば、当期割当値ではまかないきれない時間外労働が発生したことになるので、繰り越しサブは、その差を算出して実績勘案対象値のメモリに格納する。そして、翌月への繰り越し値としてゼロを繰り越しデータファイルの該当フィールドに記録する。
繰り越しサブは、法定内、法定外、深夜のそれぞれについて、上記当期割当値と実績値の大小を判断し、それに応じて異なる処理を上記のようにする。そして、法定内、法定外、深夜のそれぞれについて、翌月への繰り越し値を記録し、当月期の実績勘案対象値を戻り値として給与計算プログラムに戻し、終了する。
図11に示すように、給与計算プログラムは、実績勘案対象値に従って時間外労働賃金を算出する。即ち、この労働者について、当月期の所定勤務時間(所定労働時間×勤務日数)の合計を求め、基本給をその値で割って基準時間給を算出する。そして、上記繰り越しサブから戻された実績勘案対象値に従い、賃金を算出する。即ち、法定内についてはその基準時間給を掛け合わせて賃金とし、法定外については、基準時間給の125%を掛け合わせて賃金とし、深夜については基準時間給の150%を掛け合わせて賃金とする。
その後、給与計算プログラムは、これら時間外労働賃金を基本給とは別に給与に加算した上、通勤手当等を加算し、雇用保険や社会保険、所得税や住民税等の控除を行って支給額を算出する。これら点は、通常の給与計算ソフトウェアと同様なので、詳細な図示及び説明は割愛する。
尚、固定時間外労働時間制を採用されている場合、前述した固定時間外労働賃金が基本的に給与に加算される。しかし、その場合でも、このユーザー事業所が「繰り越し処理」を無しにしている場合、即ち、固定時間外労働賃金に対して実績を比較した繰り越し処理をしないことにしている場合、繰り越しサブは実行されない。この場合、実績勘案対象値は、当期実績値集計サブが出力した値のままとされ、この値に応じて実績勘案の時間外労働賃金が算出され、給与に加算される。
また、図示は省略したが、当期実績値集計サブは、出退時刻データから時間外労働時間の実績値を採取する際、そのデータの日付が労使協定等で出勤日として設定されている日(以下、設定出勤日)であるかどうか判断する。つまり、休日出勤かどうか判断する。データサーバ33の当該ユーザー事業所のパスには、年間の設定出勤日の情報が記録された設定出勤日情報ファイルが記憶されており、当期実績値集計は、このファイルを開いておいてその情報に照らし合わせて休日出勤かどうか判断する。休日出勤であれば、その旨をメモリ変数に格納し、合計の日数を計算する。給与計算プログラムは、合計の休日出勤の日数に従い、所定の割り増しをした上で、休日出勤に係る時間外労働賃金として算出する。
このようにして、一人の労働者について各支給額や各控除額を算出すると、それら算出した各値を、実績情報ファイルの当該労働者のレコードに記録する。
以上で、一人の労働者の給与計算処理が終了したことになる。給与計算プログラムは、給与情報ファイルにおいて次のレコードにポインタを移し、同様の処理を繰り返す。即ち、出退時刻データファイルを検索し、労働者IDが一致するレコードについて出退時刻データを取得し、設定勤務時間と比較して各時間外労働時間を算出する。労働者IDが一致するすべてのレコードについて各時間外労働時間の算出と加算をして各時間外労働の合計時間を算出した後、それぞれに対する賃金を算出し、給与に加算する。そして、各種手当てや各種控除の金額を算出し、実績情報ファイルの当該労働者のレコードに記録する。
このような処理を給与情報ファイルの各レコードについて行い、最後のレコードまで処理が終了すると、当月期の給与計算は終了であり、給与計算プログラムが終了となる。
また、本システムにおける初期設定の情報は、適宜変更できるようになっている。以下、この機能について説明する。
図4に示すように、会員トップページには、「基本情報登録」と表記された部分の下に「修正登録」と表記されたコマンドボタン(以下、基本情報修正ボタン)48が設けられている。ウェブサーバ31の記憶部には、基本情報の修正のためのページ(以下、基本情報修正ページ)のHTMLファイルが記憶されている。
基本情報修正ボタン48をクリックすると、基本情報修正ページがクライアント1に表示される。基本情報修正ページでは、「支給日」や「締め日」、「繰り越し有無」等の項目の修正入力が可能となっており、入力後にOKボタンをクリックすると、ウェブサーバ31上のプログラムが実行され、修正入力された情報がデータサーバ33に送られて基本情報ファイルの当該ユーザー事業所のレコードに反映されるようになっている。
また、「給与情報変更」と表記された部分の下には、「一括変更」というコマンドボタン(以下、一括変更ボタン)49と、「個別変更」と表記されたコマンドボタン(以下、個別変更ボタン)50とが設けられている。
一括変更ボタン49は、各労働者の給与情報を一括して変更登録するためのコマンドボタンである。一括変更ボタン49がクリックされると、各労働者の給与情報を記録したCSV等の汎用形式のファイルを指定するウインドウが表示され、ここでファイルが指定されると、そのファイルをデータサーバ33に送り、当該事業所用のパスに記憶されている既存のファイルを更新するプログラムが実行されるようになっている。
また、個別変更ボタン50がクリックされると、給与情報を労働者毎に個別に変更登録するためのページ(以下、個別変更ページ)がクライアント1に表示されるようになっている。個別変更ボタン50がクリックされると、労働者IDや労働者氏名等で労働者を特定させるウインドウが表示され、ここで特定された労働者について給与情報ファイルの既存のレコードから情報が取得されて個別変更ページに嵌め込まれてクライアント1に表示されるようになっている。
個別変更ページに変更可能な情報は、給与情報ファイルに記録されている情報のうち、労働者IDを除くすべての情報であり、各情報が個別変更ページに表示される。各情報の表示部分は、編集可能となっており、別の情報を上書きできるようになっている。任意に情報を上書きして送信ボタンをクリックすると、確認ページでの確認を経て、情報がデータサーバ33に送信され、給与情報ファイルの該当する労働者のレコードに上書きされて記録されるようになっている。
これらの登録情報の変更は、ユーザー事業所において、給与計算や支給の仕方に変更があった場合、それを本システムに反映させるべく行われる。例えば、固定時間外労働賃金の制度を導入してはいたものの、実績を勘案した繰り越し処理を行っていなかった場合で、新たに各労働者から承諾を得て、繰り越し処理を行うようにした場合が該当する。このような場合、上記基本情報変更ページで、「繰り越し有無」を「有り」に変更した上で、一括変更ボタン49か個別変更ボタン50をクリックして各固定割当値を登録する。この後は、前述したように、時間外労働時間の繰り越し処理をしつつ賃金計算が行われることになる。
次に、帳票類の出力機能について説明する。
本システムでは、ユーザーの利便性を高めるため、給与計算の結果を幾つかの異なるフォーマットで出力できるようになっている。その一つは、各労働者に対して交付される給与明細である。給与明細書の出力は、毎月の支給日に先立って行われる。
図4に示すように、会員トップページには、「給与明細書出力」という表記されたコマンドボタン(以下、明細出力ボタン)51が設けられている。一方、ウェブサーバ31には、給与明細書出力のためのプログラム(以下、明細出力プログラム)が実装されている。明細出力ボタン51がクリックされると、明細出力プログラムが実行される。また、ウェブサーバ31の記憶部には、給与明細書のテンプレートファイル(以下、明細テンプレートファイル)が記憶されている。
明細出力プログラムは、まず、給与明細書を出力する支給月を確認するページをクライアント1に送って表示させる。支給月は、例えばアクセス日時から類推して表示する。例えば、ログイン時の会員IDに従って基本情報ファイルを検索し、そのユーザー事業所の支給日の情報を取得する。例えば、アクセス日時が2011年11月20日で、支給日が毎月25日であれば、明細出力プログラムは、2011年11月期(11月25日支払い)の給与明細書であると判断する。明細出力プログラムは、このユーザー事業所のパスに記憶されている実績情報ファイルのうち、2011年11月期を実績情報ファイルを開き、最初のレコードにポインタを移す。そして、レコードから必要な情報を読み出し、明細テンプレートファイルに嵌め込む。各情報が嵌め込んまれた明細テンプレートファイルをクライアント1に送り、クライアント1上の印刷機能によって紙媒体に出力する。
紙媒体への出力が終了したら、明細出力プログラムは、実績情報ファイルにおいて次のレコードにポインタを移し、同様に各情報の嵌め込みと出力とを行う。このようにして、実績情報ファイルの最後のレコードまで出力をすると、明細出力プログラムは終了である。
図14は、本実施形態のシステムにおいて出力される給与明細書の一例について示した概略図である。
図14に示すように、多くの項目は、通常の給与明細書と共通しているが、本実施形態では、「時間外労働時間」と表記された欄に、「前月繰越値」と表記された欄と、「当月割当値」と表記された欄と、「翌月繰越値」と表記された欄が設けられている。これらの欄は、それぞれ「法定内」、「法定外」、「深夜」の三つに区分されており、それぞれに数字が印字されている。
「前月繰越値」の欄の各数字は、前月からの時間外労働時間の繰り越しである。「翌月繰越値」の欄の各数字は、翌月への時間外労働時間の繰り越しである。この例では、法定内残業が0時間、法定外残業が5時間、深夜残業が1時間、前月から繰り越されており、法定内残業が0時間、法定外残業が3時間、深夜残業が0時間、翌月に繰り越されている。
このように、各繰り越し値が給与明細書に印字されるので、各労働者にとって時間外労働時間の繰り越しがあるのかをわかる。このため、翌月にどの程度時間外労働をすると実績勘案の時間外労働賃金が支払われるのかを予め知ることができ、便利である。
この他、本実施形態のシステムでは、賃金台帳等の必要となる幾つかの帳票を出力することが可能となっている。各帳票は、時間外労働時間の繰り越しの情報を適宜含む。例えば、賃金台帳であれば、各月における各労働者の勤務日数、労働時間、時間外労働時間(法定内、法定外、深夜)、基本給、時間外労働時間の前月繰り越し(法定内、法定外、深夜)、時間外労働時間給、時間外労働時間の翌月繰り越し(法定内、法定外、深夜)、各種手当て、各種控除の情報を一覧表にした帳票である。すべての情報は、実績情報ファイルに含まれているので、そこから情報を抽出して専用のテンプレートファイルに組み込んで出力するようウェブサーバ31にプログラムが実装されている。
次に、上記構成に係る実施形態のシステムの運用について説明する。
ユーザー事業所の担当者は、本システムのウェブサイトにアクセスをし、会員登録ボタン41をクリックして会員登録を申し込む。そして、守秘義務の契約書やプライバシーポリシーの承諾書、料金の決済に関する書類等をサービサーに送り、サービサーの担当者は、書類を確認して管理用クライアント36により正式な会員登録をし、会員ID及びパスワードが発行される。
ユーザー事業所の担当者は、発行された会員ID及びパスワードを受け取り、本サービスのウェブサイトにアクセスし、会員ID及びパスワードを入力してログインする。ログインすると、クライアント1に会員トップページが表示される。そして、給与情報をシステムに送信し、データサーバ33に記憶させる。この際、必要に応じて固定時間外労働賃金とそれに割り当てる固定時間外労働時間(固定割当値)について各労働者の承諾を取った上で定め、それらの値を担当者が入力してシステムに送信し、給与情報ファイルに記録させておく。
ユーザー事業所では、各労働者の毎日の就業において、出退時刻採取機が使用され、出退時刻が採取される。締め日を過ぎた後、出退時刻採取機が採取したデータは、ユーザークライアント1でCSVのような汎用形式のファイルにまとめられ、システムに送信される。送信された出退時刻データは、データサーバ33上の当該ユーザー事業所の専用のパスに出退時刻データファイルとして記憶される。
ユーザー事業所の担当者は、その後、会員トップページにおいて給与計算ボタン47をクリックし、給与計算プログラムを実行する。給与計算プログラムは、出退時刻データファイルを開いて時間外労働時間の集計を法定内、法定外、深夜のそれぞれについて行う。そして、繰り越しデータファイルの当該労働者のレコードを読み出し、前月からの繰り越し時間を加算する。その後、給与計算プログラムは、繰り越しサブを実行し、前月繰り越し値を加算した当月割当値について、当期の実績値と比較し、翌月繰り越し値と、実績勘案対象値とを算出する。繰り越しサブは、翌月繰り越し値を繰り越しデータファイルに記録してファイルを更新した後、実績勘案対象値を給与計算プログラムに戻す。給与計算プログラムは、実績勘案対象値に従って時間外労働時間の賃金を算出し、給与への加算、固定時間外労働賃金の加算、各種手当ての加算、各種控除等を行い、各金額を実績情報ファイルに記録する。
ユーザー事業所の担当者は、適宜のタイミングで、会員トップページの明細出力ボタン51をクリックし、各労働者の給与明細書をプリントアウトする。給与明細書は、各労働者に交付される。
上記説明から解るように、本実施形態のシステムでは、固定時間外労働賃金について割当時間を設定することが可能であり、実際の時間外労働時間を割当時間を下回っている場合、その差を翌月期への割当用に繰り越すべく繰り越しデータファイルに記録することが可能である。したがって、固定的に支払われる固定時間外労働賃金が実績をより反映したものとなる。このことは、使用者においては固定時間外労働賃金の制度を導入する大きなインセンティブとなり、労働者においては未払い時間外労働賃金の問題の発生を未然に防止する大きな手段となる。
また、時間外労働の実績時間が月によって大きく変動する場合も、実際に支払われる時間外労働賃金は、実績値が当期割当値を越えた場合にのみその越えた分が追加して支払われるだけであるので、より平準化したものとなる。この点は、労使双方にとってメリットがある。つまり、使用者にとっては、繁閑に関わらず月々の人件費の支払い総額に大きな変動が生じないということになり、資金的な予測や見極めがし易くなる。労働者にとっては、実際の時間外労働の多寡に関わらず毎月安定して時間外労働賃金をもらうことができるようになる。このため、分割払いをしたり定額の積み立て貯金をしたりしているような場合、予測ができるので、家計のやり繰りが容易になる。
次に、本実施形態のシステムのオプション機能について説明する。
本システムのオプション機能として、まず第一に、各労働者についての時間外労働の実績の解析と、その結果に応じた所定労働時間パターンの変更設定が挙げられる。以下、この点について説明する。
図4に示すように、会員トップページには、「時間外労働解析」と表記されたコマンドボタン(以下、解析ボタン)52が設けられている。ウェブサーバ31の記憶部には、時間外労働解析サービスのトップページ(以下、解析トップ)のHTMLファイルが記憶されており、解析ボタン52をクリックすることでクライアント1に表示されるようになっている。
解析トップでは、各労働者の時間外労働の実績データを、「個人単位」、「部署単位」、「事業所全体」等で解析するためのコマンドボタンが設けられている。「個人単位」を選ぶと、解析対象の期間を指定させるページが表示され、ここで期間が入力されると、特定の労働者の時間外労働の実績データがクライアント1に表示されるようになっている。
図15は、クライアント1に表示された時間外労働の解析データの一例について示した概略図である。図15に示す例では、特定の労働者の通期(12ヶ月)の時間外労働の平均時間が曜日ごとに示されている。半期(6ヶ月)や3ヶ月程度の期間のデータを解析することもある。
ウェブサーバ31には、このような時間外労働の解析を行う各種のプログラムが実装されている。図15に示すような解析を行う場合、労働者IDをクライアント1において入力させることで労働者を特定し、労働者IDを検索キーにして対象期間の各出退情報データファイルを検索する。そして、ヒットしたレコードから出退データを読み取り、曜日ごとに集計して平均値を取るようプログラミングされる。
図15に示すように、この労働者は、毎週金曜日において残業時間が非常に多くなっており、月曜や火曜においては非常に少ない。つまり、この労働者は、金曜日に非常に忙しく、月曜や火曜は閑な業務に就いていると判断される。この場合、例えば、所定労働時間のパターンを、金曜日において1時間多くし、月曜日において1時間少なくするよう労働契約を再締結することが考えられる。この場合、基本給の額は変更されない。
このようにすると、この労働者は、金曜日において多く働いても1時間までは所定労働時間内ということになるから残業にはならない。一方、月曜日が閑であり、一時間少なくなった場合でも定時に退社するということであれば、労働者としては早く帰宅できるので、余暇等の時間に使えるし、使用者側としても全体として週一時間分残業代の支払いを節約できたことになる。
また、月曜日において所定労働時間を一時間少なくすることはせず、基本給を少し上げることを条件に金曜日に所定労働時間を一時間多くする労働契約の再締結を行うことも考えられる。この場合、基本給の上昇分が、それまでに払ってきた毎週金曜日の1時間分の残業代に比べて少なければ、使用者にとって残業代の支払いを節約できたことになる。
このようなシミュレーションを可能にするため、本実施形態のシステムは、シミュレーション用のプログラム(以下、時間パターン変更シミュレーションプログラム)をウェブサーバ31に実装している。そして、図15に示すように、解析データをクライアント1に表示するページには、「時間パターン変更シミュレーション」と表記されたコマンドボタン(以下、時間パターン変更シミュレーションボタン)81が設けられている。
尚、以下の時間パターン変更シミュレーションプログラムの説明は、時間外労働賃金時間パターン変更シミュレーションプログラムの発明の実施形態の説明でもある。実施形態の時間パターン変更シミュレーションプログラムは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えている。当期時間外労働時間実績値集計モジュールや当期時間外労働賃金算出モジュールは、時間外労働賃金算出プログラムにおけるものを共用しているので、説明は省略する。以下の説明は、実施形態の時間パターン変更シミュレーションプログラムにおけるシミュレーションモジュールの説明ということになる。
時間パターン変更シミュレーションボタン81は、解析対象となっている労働者の労働者IDと解析対象の期間のデータとを引数にして時間パターン変更シミュレーションプログラムを実行するものとなっている。時間パターン変更シミュレーションプログラムは、まず、どの曜日の所定労働時間をどの程度多くするかの入力をさせる。但し、所定労働時間は1日8時間を超えては多くできない。例えば、現状の所定労働時間が1日7時間であれば、1時間までしか多くできない。したがって、1時間を超えた入力をした場合、エラーメッセージを表示して再入力させるようプログラミングされる。
例えば、金曜日の所定労働時間を1時間増やすよう入力が行われた場合、時間パターン変更シミュレーションプログラムは、これを前提に、対象となっている労働者の時間外労働賃金を計算を対象期間についてやり直す。即ち、労働者IDを検索キーにして出退時刻データファイルを検索し、一致するレコードについて時間外労働であるかどうか判断する。時間外労働であると判断されれば、同様に、法定内、法定外、深夜の別に時間をカウントする。この際、出勤日が金曜日であるレコードについては、所定労働時間を1時間増やし、それを基準にして時間外労働であるかどうか判断する。例えば、1時間休憩の9:00〜17:00がそれまでの所定労働時間である場合には、1時間増やすと18:00が基準となる退社時刻となる。したがって、18:00を1時間以上超えた場合のみ残業であるとしてカウントする(この場合には、法定外残業か深夜残業になる)。
このようにして1ヶ月の時間外労働時間を集計し、同様に基準時間給をもとに時間外賃金の合計を算出する。対象期間が数ヶ月にまたがっていれば、各月について同様に計算をし、その平均値を算出する。
図16は、時間パターン変更シミュレーションプログラムの実行結果の一例を示す概略図である。
図16に示すように、この時間パターン変更シミュレーションプログラムは、現状の時間外労働の実績の解析データと、シミュレーションにおける時間外労働の賃金データとを並べてクライアント1に表示するものとなっている。
図16に例では、金曜日のみ所定労働時間を8時間に増やすと、月平均の時間外労働賃金を月平均で14,200円少なくすることができるという結果となっている。したがって、使用者は、この労働者に対し、例えば1万円基本給を増やすから金曜日の勤務時間を1時間増やす旨の申し入れを行い、そのように労働契約を結び直すようにすれば、月平均で4,200円残業代を節約することができる。
上記の例で、月曜日の所定労働時間を1時間減らした上で金曜日の所定労働時間を1時間増やすシミュレーションは、厳密にはできない。この場合、このような所定労働時間のパターンで労働契約を再締結した上で実際に勤務をしてもらい、その結果を踏まえた上で、月曜日の所定労働時間を元に戻すか、減らしたままとするかを検討することになる。元に戻す場合、全体としては所定労働時間が増えたことになるので、前述したように、基本給の増額を労働者に提示することになる。
次に、別のシミュレーションについて説明する。
上述したシミュレーションは、設定出勤日における出社時刻と退社時刻のパターンの変更についてのシミュレーションであったが、設定出勤日自体のパターンを変更した場合のシミュレーションをすることも有益である。以下の説明は、このシミュレーションに関する。
図4では図示が省略されているが、会員トップには、「合計労働時間解析」と表記されたコマンドボタン(以下、合計労働時間解析ボタン)が設けられている。ウェブサーバ31には、合計労働時間解析プログラムが実装されており、合計労働時間解析ボタンをクリックすることにより実行されるようになっている。
合計労働時間解析プログラムは、労働者ID等で労働者を特定させるとともに、労働時間を解析する期間をクライアント1に入力させるウインドウを表示するようになっている。労働者ID等が正しく入力され、解析期間が正しく入力されると、合計労働時間解析プログラムは、労働者IDを検索キーにして各月の実績情報ファイルを順次検索し、該当労働者の労働時間の合計値を取得する。ここでの労働時間の合計は、所定労働時間の合計と時間外労働時間の合計である。そして、時間外労働時間には、出勤日の時間外労働の他、休日出勤である時間外労働も含まれる。
合計労働時間解析プログラムは、各月の合計労働時間の値を解析期間に亘って取得した後、それをグラフ化する所定のフォーマットに当てはめた後、クライアント1に送信して表示させる。
図17は、合計労働時間解析プログラムの実行結果の一例を示す図である。図17に示す例は、解析期間を1年とした例であり、各月の所定労働時間の合計と時間外労働時間の合計とが示されている。
図17に示すように、この労働者は、7月、8月において合計の残業時間が非常に多くなっており、1月や2月においては非常に少ない。つまり、この労働者は、夏期において非常に忙しく、冬期は閑な業務に就いていると判断される。
1年単位の変形労働時間制を採用している事業所の場合、年間の所定労働時間の合計値は2080時間(280日×8時間)が限度となるが、この限度において各月の所定労働時間の合計値はある程度自由に定められる。したがって、この労働者について、7月期及び8月期の所定労働時間の合計値を例えばそれぞれ20時間程度多くし、その代わり、1月期及び2月期はそれぞれ20時間程度少なくするように所定労働時間の合計値のパターンを変更することが考えられる。この変更は、具体的には、休日の設定を変更することで行う。つまり、7月期及び8月期においては例えば土曜日を適宜出勤日に変更し、1月期や2月期では、平日の何日かを休日に変更することで行う。
このようにすると、7月期や8月期での休日出勤に係る時間外労働賃金は大幅に減らせる一方、設定出勤日を減らした1月期や2月期において休日出勤や出勤日の時間外労働時間が増加しなければ、全体としては時間外労働賃金を削減できたことになる。つまり、年間を通した繁閑を反映させた合計所定労働時間パターンを採用することで、無理なく時間外労働賃金を削減できるということである。
また、上記の例で、1月期や2月期の設定出勤日を減らさず7月期や8月期の設定出勤日を増やす変更を行うこともあり得る。この場合、年間の設定出勤日の総数が増えるので、基本給を上げる必要がある。また、2080時間の上限を超えないようにする必要もある。仮に、基本給の上昇分に比べて、設定出勤日を増やすことによる時間外労働賃金の減少分の方が大きければ、全体しては人件費を節約できたことになる。
このようなシミュレーションを可能にするため、ウェブサーバ31には、設定出勤日変更プログラムと、変更された設定出勤日に基づいて時間外労働賃金の変動をシミュレーションする出勤日変更シミュレーションプログラムが実装されている。図17に示すように、合計労働時間解析プログラムの実行結果を示すウインドウには、「出勤日変更シミュレーション」と表記されたコマンドボタン56が設けられており、このボタン56をクリックすると、まず設定出勤日変更プログラムが起動するようになっている。
設定出勤日変更プログラムは、解析期間のカレンダーをクライアントに表示する。この際、カレンダーは、現状の当該労働者との取り決めで出勤日となっている日にマークをつけられた状態で表示される。データサーバ33の当該ユーザー事業所のパスには、設定出勤日の情報が記録されたファイル(設定出勤日情報ファイル)が記憶されており、設定出勤日変更プログラムはそこから情報を読み出して表示する。
設定出勤日変更プログラムは、カレンダーのマークを異なる日に変更可能としており、ユーザー事業所の担当者は、クライアント1に表示された年間カレンダーを見ながら、マークを適宜異なる日に変更する。カレンダーの表示ウインドウには、OKボタンが設けられており、このボタンには、出勤日変更シミュレーションプログラムの起動コマンドが埋め込まれている。
出勤日変更シミュレーションプログラムは、マークが付けられた日の情報をすべてメモリ変数に格納し、それに基づいて当該労働者の時間外労働の実績値を再計算する。即ち、出退時刻データファイルを開き、出社時刻と退社時刻のデータから時間外労働時間があるかどうか判断し、あればその時間数をカウントする。この際、メモリ変数に格納した設定出勤日の情報に従って休日出勤であるかどうか判断し、休日出勤であれば、休日出勤としてカウントする。そして、同様に時間外労働賃金の合計を算出する。
この際、休日であった日が設定出勤日に変更され、その日に休日出勤していた場合、設定出勤日ということで時間外労働賃金はカウントされない。但し、所定労働時間をオーバーしていれば、その分の時間外労働賃金はカウントされる。また、設定出勤日が休日に変更された日については、休日なので出勤しないとしてシミュレートする。尚、時間外労働賃金の計算に際しては、年間の所定労働時間の合計値で基本給を割ることで時間単価が算出される。したがって、年間の設定出勤日の日数が変わらなければ時間単価は変わらないが、日数が変わると時間単価も変わる。
このようにして出勤日変更シミュレーションプログラムは、変更された設定出勤日に従って各月の時間外労働賃金の合計を計算し直し、グラフ化を行う所定のフォーマットに当てはめてクライアント1に表示するようになっている。
図18は、出勤日変更シミュレーションプログラムの実行結果の一例を示す概略図である。図18に示すように、出勤日変更シミュレーションプログラムは、設定出勤日の変更によって各月の時間外労働時間の合計値がどのように変化し、各月の時間外労働賃金がどのように変動するか表示するものとなっている。そして、各月の増減をトータルした年間の時間外労働賃金も表示されるようになっており、変更に伴って時間外労働賃金が年間でどの程度削減できるのか確認できるようになっている。
尚、上記の例では、設定勤務日数を減らした1月期及び2月期において、現実には休日出勤が増えるかもしれない。そうなると、シミュレーションした金額よりは削減額は減る。しかし、これらの期間は元とも閑な期間として推測されるので、削減額の大きな減少はないと予想される。
上記の例では、年間の設定出勤日の総数は、労使協定で定められているのでそれを変更しないことを前提とした。即ち、設定日変更プログラムは、設定出勤日を休日に変更した日数分だけ別の日(休日として設定されている日)を設定出勤日に変更することができるようプログラミングされている。しかし、年間の設定出勤日の日数を増える状態で設定出勤日を変更できるようプログラミングすることも可能である。この場合、労使協定の日数をオーバーしてしまうので再度取り決めが必要である旨のアラート(警告)を発したり、年間の総時間数は2080時間を超えるようであればその旨のアラート(警告)を発したりするようプログラミングされると好適である。
また、設定出勤日の変更は、各月の所定労働時間の合計値のみを入力させ、それに基づいてプログラムが自動的に出勤日を割り振るようにしても良い。例えば1日の所定労働時間が8時間となっていれば、8時間単位で各月の所定労働時間の合計値を変更できるようにする。例えば7月期に所定労働時間の合計値を16時間増やすとの入力をクライアント1がすると、プログラムが8月のカレンダーのうち現状では休日となっている日(例えば第1土曜日と第2土曜日)を自動的に設定出勤日に変更するようにする。このようにすると、クライアントにおいていちいち設定出勤日を変更する手間がないので、好適である。
いずれにしても、上述したシミュレーションプログラムにより、設定出勤日の変更に伴って時間外労働賃金をどの程度削減できるのかを事前に知ることができるので、変形労働時間制を採っている事業所において好適なものとなる。
次に、別のオプション機能として、各種のアラート機能について説明する。
図1に示すウェブサーバ31は、各種アラート機能のための設定用のページ(以下、アラート設定ページ)が提供可能となっている。そして、図4に示すように、会員トップページには、「各種アラート設定」と表記されたコマンドボタン(以下、アラートページボタン)53が設けられている。アラートページボタン53がクリックされると、アラート設定ページがクライアント1に表示される。
図19は、アラート設定ページの一例を示した概略図である。本実施形態では、各種アラートとして、「契約期間アラート」、「社会保険アラート」、「扶養控除アラート」、「36協定アラート」等のアラート(警告)が出力可能となっている。各アラートは、デフォルトではアラート出力有りであるが、無しに変更できるようになっており、この入力がアラート設定ページで可能となっている。
図4に示す会員トップページには、「36協定情報登録」と表記されたコマンドボタン(以下、36協定登録ボタン)54が設けられており、ウェブサーバ31は、36協定情報登録ページが提供できるようになっている。36協定登録ボタン54がクリックされると、36協定登録ページがクライアント1に表示される。
図20は、36協定登録ページの一例を示した概略図である。図20に示すように、36協定登録ページでは、「36協定締結有無」、「36協定月限度時間」、「36協定一日限度時間」、「36協定年限度時間」の各入力欄が設けられている。「36協定締結有無」は、36協定が締結されているか否かを入力する欄である。尚、36協定とは、労働基準法第36条に基づく労使の協定であり、ここでは、時間外労働をすること自体について協定の有無を意味する。「36協定月限度時間」は、36協定が締結されている場合に、一ヶ月の時間外労働時間の限度について取り決めがある場合、その時間数を入力する欄である。「36協定一日限度時間」は、36協定が締結されている場合に、一日の時間外労働時間の限度について取り決めがある場合、その時間数を入力する欄である。「36協定年限度時間」は、36協定が締結されている場合に、一年の時間外労働時間の限度について取り決めがある場合、その時間数を入力する欄である。
また、図7では図示が省略されているが、個別入力ページでは、「契約期間」、「社会保険有無」、「扶養控除有無」、「社会保険扶養適用有無」の各入力欄が設けられている。「契約期間」の入力欄は、社員種別が契約社員となっている場合にその契約の末日を入力する欄である。「扶養控除有無」は、その労働者が配偶者の扶養控除の対象になっている場合に真値が入力される欄である。「社会保険扶養適用有無」は、その労働者が被扶養者として配偶者の社会保険の対象になっている場合に真値が入力される欄である。
アラート設定ページに対応して、基本情報ファイル及び給与情報ファイルの各ファイル構造も最適化されている。図5に示すように、基本情報ファイルの各レコードは、「契約期間アラート有無」、「社会保険アラート有無」、「扶養控除アラート有無」、「36協定アラート有無」の各フィールドが設けられている。また、図5に示すように、基本情報ファイルには、「36協定有無」、「36協定月限度」、「36協定一日限度」、「36協定年限度」の各フィールドが設けられている。
また、図7に示すように、給与情報ファイルの各レコードには、「雇用形態」のフィールドに加え、「契約末日」、「扶養控除有無」、「配偶者被扶養有無」、「配偶者社保適用有無」の各フィールドが設けられている。
図21は、各アラート機能を実現する給与計算プログラムの主要部の概略を示したフローチャートである。図21に示すフローチャートは、図11に示すフローチャートと異なる部分を主として表している。図21に示す部分以外は、給与計算プログラムは、図11に示すものと同様である。
図21に示すように、給与計算プログラムは、各労働者の給与計算に先立って、基本情報ファイルの該当レコードから、各アラートの出力有無の設定情報や、36協定に関する情報を取得し、各々メモリ変数に格納しておく。
そして、一人の労働者についての給与計算が終了した後、給与計算プログラムは、まず、契約期間アラートが有りの設定になっている場合で、当該労働者の社員種別が契約社員である場合、契約末日までの日数を計算し、その日数が基準値(例えば40日)以内であるかどうか判断する。基準値以内であれば、契約末日までの日数が少なくなっているので、契約期間アラートを出力する。ここでは、契約期間アラートが真値である旨のデータをメモリ変数に格納する。
次に、給与計算プログラムは、扶養控除アラートが有りの設定になっている場合で、当該労働者が「配偶者被扶養有無」が有りになっている場合、計算した当月期の総支給額及び実績情報ファイル内の情報から、当年度の年間の収入の総額を推計する。例えば、実績情報ファイルに記録されている情報から当該労働者の前月期までの支給額の総額を計算し、これに当月期の支給額を加えた上で月平均を算出し、それを12倍する。もしくは、単純に当月期の支給額を12倍しても良い。給与所得プログラムは、このように当期(年間)の支給額の総額を推計した後、その金額が103万円を越えるかどうか判断する。越えている場合、扶養控除アラート出力が真値である旨のデータをメモリ変数に格納する。
次に、給与計算プログラムは、社会保険扶養適用アラートが有りの設定になっている場合、同様に推計した年間の総支給額が130万円を越えているかどうか判断する。越えている場合、社会保険扶養適用アラート出力が真値である旨のデータをメモリ変数に格納する。
次に、給与計算プログラムは、36協定アラートが有りの設定になっている場合、集計した当月期の時間外労働時間が0であるかどうか判断する。0でない場合で、36協定締結有無の情報をメモリから読み出し、36協定締結無しであれば、36協定未締結アラート出力が真値である旨のデータをメモリ変数に格納する。
次に、給与計算プログラムは、36協定月限度の情報を基本情報ファイルから読み出し、集計した当月期の時間外労働時間がこの値を超えているか判断する。越えていれば、36協定月限度アラート出力が真値である旨のデータをメモリ変数に格納する。
次に、給与計算プログラムは、36協定一日限度の情報を基本情報ファイルから読み出す。そして、出退時刻データファイルの該当レコードから各日の残業時間をもう一度集計し、一日の残業時間が36協定一日限度を超えているかどうか判断する。越えていれば、1を加算し、36協定一日限度を超えている日数を集計する。そして、36協定一日限度アラート出力が真値である旨のデータと越えている日数のデータとをそれぞれをメモリ変数に格納する。
次に、給与計算プログラムは、36協定年限度の情報を基本情報ファイルから読み出し、当該労働者の時間外労働の年間推計値と比較する。年間推計値は、実績情報ファイルから、当該労働者の前月期までの時間労働時間の実績値を読み出して集計するとともにこれに当月期の実績値を加算し、その平均値を12倍することで算出する。年間推計値が、36協定年限度を超えている場合、36協定年限度アラート出力が真値である旨のデータをメモリ変数に格納する。
このようにして、給与計算プログラムは、各アラート出力についてのデータをメモリ変数に格納した後、それぞれ読み出して、給与情報ファイルに記録する。給与情報ファイルには、各アラート出力の値を記録するフィールドがそれぞれ設けられており、給与計算プログラムは、アラート出力が真値である場合には、その旨を当該フィールドに記録する。このような処理を、各労働者の給与計算を行った後に行い、登録されているすべての労働者についてアラート出力を判断し、真値である場合にはそのデータを給与情報ファイルに記録する。
このようなアラート出力については、適宜の手段によりユーザー事業所の担当者に通知される。例えば、給与計算プログラムがすべて終了した後、クライアント1上にアラート表示がされるようプログラミングすることができる。例えば、一人以上の労働者について、契約期間アラート出力が真値であれば、「契約期間の末日が40日を切っている労働者がいます。至急、チェックして下さい。」というようなアラートメッセージがクライアント1に表示されるようにする。
また、図4に示すように、会員トップページには、「アラート確認」と表記されたコマンドボタン(以下、アラート確認ボタン)55が設けられている。ウェブサーバ31は、アラート確認ページが提供できるようになっており、アラート確認ボタン55にはアラート確認ページのリンクが貼られている。
アラート確認ページは、各アラート出力について、直近の給与計算においてアラート出力が真値であった労働者が一人以上いたかどうかの結果を表示するものである。アラート出力が真値であった労働者が一人以上いた場合、「詳細」と表記されたコマンドボタンが表示されるようになっており、このコマンドボタンには、詳細表示用プログラムの起動コマンドが埋め込まれている。
詳細表示用プログラムは、実績情報ファイルにアクセスし、その項目のアラーム出力が真値となっている労働者のレコードの情報を全て読み出し、リストにして表示するプログラムである。尚、上述したクライアント1に自動表示されるアラートメッセージの横に、詳細表示用プログラムの起動コマンドを埋め込んでも良い。
上述したように、本実施形態の給与計算システムによれば、一定の金額が固定して支払われる固定時間外労働賃金に対して割り当てられる基準時間外労働時間が設定され、この基準時間外労働時間に対して実際の時間外労働時間が少なかった場合にその少ない分を翌期に繰り越し処理するので、固定時間外労働賃金が実績をより反映させたものとなる。このため、使用者においては固定時間外労働賃金の制度を導入する大きなインセンティブとなり、労働者においては未払い時間外労働賃金の問題の発生を未然に防止する大きな手段となる。
また、シミュレーション機能により、所定労働時間のパターンを変更した場合の時間外労働賃金の減少額が表示できるので、基本給をどの程度上げた提示を当該労働者に対してすれば良いかの見極めがし易くなる。このため、繁閑の状態を考慮しつつ合理的に時間外労働賃金を節約することが可能になる。
さらに、各種のアラートが出力されるように設定できるので、システムの運営において労働者の了解を取ったり、法律や規則に違反しないように労務管理したりすることが容易となる。
また、出退時刻データファイルは、勤務する労働者が操作するタイムカード打刻機のような出退時刻採取機からのデータが記録されたファイルであるので、出退時刻採取機が備えられている事業所に導入する場合に好適なものとなる。例えば、出退時刻採取機を販売する会社が付帯サービスとして本サービスを運営したり、上記実施形態の給与計算プログラムや時間パターン変更シミュレーションプログラムを出退時刻採取機の附属ソフトとして提供したりすることも考えられる。
尚、本実施形態のシステムの運用においては、サービサーのイントラネット35に対してユーザー事業所の担当者以外の第三者のアクセスを許可する場合がある。即ち、本実施形態のシステムで運用されている業務は、労務管理の一種であり、専門士業者たる社会保険労務士が状況を定期的にチェックすべき場合がある。ユーザー事業所から業務委託を受けている社会保険労務士は、クライアント91を操作し、定期的にシステムにアクセスし、ユーザー事業所の労務管理状況についてデータサーバ33の各種ファイルを見る等してチェックする。そして、必要な助言や、社会保険事務所等の公的機関への手続きの代理業務等を行う。このような管理を行う社会保険労務士のクライアント91に対しては、本システムに対する特別なアクセス権が与えられる。尚、社会保険労務士事務所自体が本システムの運営主体である場合もあり得るが、このような場合にはアクセス権は不要である。
また、繰り越し処理を行うのに予め設定される固定割当値は、給与情報ファイルに記録されており、各労働者毎に設定されるものであったが、事業所全体で共通した値を設定する場合もあり得る。即ち、固定時間外労働賃金として支払われる金額は、勤続年数や能力等によって多寡はあるものの、それら金額について割り当てられる時間外労働時間(固定割当値)は、法定内が月10時間、法定外が月30時間、深夜が月5時間というように事業所全体として共通にし、運用を簡略化することはあり得る。これは、全労働者において時間外労働の実際の状況が平均化している(各労働者の時間外労働時間の差が少ない)場合に好適に採用し得る構成である。この場合、固定割当値は、全労働者共通の値なので、基本情報ファイルに記録して読み出すようにしても良い。
また、固定割当値は、全事業所において共通した値でなくとも、部署単位で共通した値とすることもあり得る。例えば、製造部全体で共通した値とし、営業部全体でこれでは異なる別の共通した値とし、それらを除く全部署でまた別の共通した値としてそれぞれシステムに登録して運用するのである。このようにすると、事業所の各部署での時間外労働の状況を反映しつつ、運用を比較的簡略化できる。
さらに、事業所全体の共通した値の設定と、部署毎の値の設定との両方を行い、部署毎の値の設定を優先して利用して時間外労働賃金の計算を行うよう構成される場合もあり得る。事業所全体でベースとなる共通の固定割当値を設定して基本情報ファイルに記録しておき、特に配慮が必要となる部署で勤務する労働者についてのみ特別に取り決めをし、取り決めた個別割当値を給与情報ファイルの該当労働者のレコードに記録しておく。給与計算プログラムは、給与情報ファイルの該当労働者のレコードに固定割当値のデータがある場合にはそれを優先して利用して時間外労働賃金を算出し、それがない場合には、基本情報ファイルから読み出した共通の固定割当値で時間外労働賃金を計算するようにする。
上記の点は、前述した36協定の限度額の設定についても同様である。前述した説明では、36協定月限度額等の設定情報は全労働者共通の情報であって、基本情報ファイルに記録されていたが、各労働者個別の情報として給与情報ファイルの各レコードに記録しても良い。この場合も、ある部署単位で36協定の月限度額等を取り決め、それを給与情報ファイルの各レコードに記録しても良い。事業所全体の共通情報と部署毎の情報との双方が登録される場合、給与情報に記録されている情報の方を優先して採用して各々限度を越えているか判断することになる。
次に、上記以外の他の実施形態のシステムの構成について説明する。
上記実施形態のシステムは、労務管理システムとして構成されたものであり、時間外労働賃金算出システムでもあり、また時間外労働賃金シミュレーションシステムでもあった。両方のシステムを同時に達成する場合の他、時間外労働賃金算出システム単独として構成したり、時間外労働賃金シミュレーションシステム単独として構成したりしても良いことは勿論である。
また、上記実施形態のシステムでは、給与計算プログラムはサーバサイドプログラムであり、ユーザーがウェブサーバ31にアクセスしてプログラムを実行したが、給与計算プログラムをユーザーのコンピュータにインストールして実行するタイプの実施形態もあり得る。
この場合は、ユーザー事業所の担当者は、ウェブサーバからダウンロードするか、パッケージソフトの状態で給与計算プログラム等を入手し、事業所内のコンピュータにインストールすることになる。
この際、事業所に内部ネットワークが設けられていてサーバ−クライアント環境が実現されているのであれば、給与計算プログラムを含む上記各プログラムが事業所内のサーバに実装され、上記各種のデータファイルがサーバの記憶部に記憶されて利用される。また、サーバ−クライアント環境がない場合、給与計算プログラムを含む上記各プログラムは、スタンドアローンのコンピュータにインストールされ、上記各データファイルはそのコンピュータの記憶部に記憶されて利用されることになる。このいずれの形態であっても、本願発明の各システムは実施可能である。
但し、前述した実施形態のように、各プログラムをサーバサイドプログラムとしてクライアントからのアクセスにより実行されるようにすると、ユーザーは、容量の大きなプログラムをユーザーがコンピュータにインストールしたり、容量の大きなファイルをユーザーのコンピュータの記憶部に記憶したりすることが不要である。このため、ユーザーにおけるサービスの導入が容易であるというメリットがある。
次に、プログラムの各発明について補足して説明する。
上記システムの実施形態における給与計算プログラムの説明は、本願発明の時間外労働賃金算出プログラムの実施形態の説明でもある。時間外労働賃金算出プログラムは、上記の通りサーバに実装されてクライアントがサーバにアクセスすることにより実行されるものであっても良いし、スタンドアローンのコンピュータにインストールされてそこで実行されるものであっても良い。
また、時間外労働賃金算出プログラムは、給与計算を行うプログラムとして構成されている必要はなく、時間外労働賃金の算出だけを行うものとして構成されていても良いことは勿論である。例えば、既存の給与計算プログラムが稼働してい場合に、本願発明の時間外労働賃金算出プログラムが追加でインストールされて使用されるようにしたり、既存の時間外労働賃金算出プログラムを更新する形で本願発明の時間外労働賃金プログラムがインストールされて使用されることもあり得る。
また、上記システムの実施形態における各シミュレーションプログラムの説明は、本願発明の時間外労働賃金シミュレーションプログラムの実施形態の説明でもある。この場合も、時間外労働賃金シミュレーションプログラムは、サーバに実装されてクライアントからのアクセスにより実行されるものであっても良いし、スタンドアローンのコンピュータにインストールされてそこで実行されるものであっても良い。また、時間外労働賃金シミュレーションのみを行うプログラムとして構成されても良い。
前述したように、本願発明によれば、固定時間外労働賃金の制度を導入する大きなインセンティブを使用者にもたらしつつ未払い時間外労働賃金の問題の発生を未然に防止したり、所定労働時間のパターンを変更した場合に時間外労働賃金のどのように変わるかのシミュレーションをしたりすることができるので、より適切な労務管理を行うのに役立つツールが提供される。したがって、その産業上の利用可能性は著しい。
1 クライアント
2 インターネット
31 ウェブサーバ
32 認証サーバ
33 データサーバ
34 ファイアウォール
35 イントラネット
特開2005−267285号公報
本願の発明は、労働者に対する賃金の支払いの際に行われる賃金の算出に関するものであり、特に時間外労働に対する賃金を算出するシステムやプログラムに関するものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、プロセッサと、記憶部と、入力部と、出力部とを有し、記憶部には、固定時間外労働賃金に対して割り当てられた各期の時間外労働時間の値である固定割当値を記録した情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルと、賃金過払いの固定時間外労働時間の繰り越し値を記録した繰り越しデータファイルとが記憶されているコンピュータにおいて実行されることにより、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金の合計を算出して出力部に出力する時間外労働賃金算出プログラムであって、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールとを備えており、
情報ファイルには、各日において労働者が勤務すべき時間である所定労働時間が記録されており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから所定労働時間を読み取り、出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働賃金算出モジュールは、繰り越しデータファイルを開き、当該集計期間の一つの前の集計期間における当該労働者についての繰り越し値を読み取り、この繰り越し値と当期の固定割当値とを加算して当期割当値を得た後、当期割当値と、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した当期実績値とを比較し、当期割当値が当期実績値以上である場合にはその差分を翌期への繰り越し値として繰り越しデータファイルに記録するとともに当期の実績勘案の時間外労働賃金をゼロとする処理をプロセッサに行わせ、当期割当値が当期実績値より小さい場合にはその差分について当期の実績勘案の時間外労働賃金を算出するとともに翌期への繰り越し値をゼロとする処理をプロセッサに行わせるモジュールであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記出退時刻データファイルは、勤務する労働者が操作する出退時刻採取機からのデータが入力されて記録されたファイルであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、プロセッサと、記憶部と、入力部と、出力部とを有し、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金の合計を算出して出力部に出力する時間外労働賃金算出プログラムが実装又はインストールされたコンピュータで構成された時間外労働賃金算出システムであって、
記憶部には、固定時間外労働賃金に対して割り当てられた各期の時間外労働時間の値である固定割当値を記録した情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルと、賃金過払いの固定時間外労働時間の繰り越し値を記録した繰り越しデータファイルとが記憶されており、
時間外労働賃金算出プログラムは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働時間算出モジュールとを備えており、
情報ファイルには、各日において労働者が勤務すべき時間である所定労働時間が記録されており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから所定労働時間を読み取り、出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働賃金算出モジュールは、繰り越しデータファイルを開き、当該集計期間の一つの前の集計期間における当該労働者についての繰り越し値を読み取り、この繰り越し値と固定割当値とを加算して当期割当値を得た後、当期割当値と、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した当期実績値とを比較し、当期割当値が当期実績値以上である場合にはその差分を翌期への繰り越し値として繰り越しデータファイルに記録するとともに当期の実績勘案の時間外労働賃金をゼロとする処理をプロセッサに行わせ、当期割当値が当期実績値より小さい場合にはその差分について当期の実績勘案の時間外労働賃金を算出するとともに翌期への繰り越し値をゼロとする処理をプロセッサに行わせるモジュールであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、前記コンピュータは、ネットワークを介してクライアントからのアクセスされることが可能なサーバであり、前記出力部は、アクセスをしたクライアントに対して情報を送信するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、前記出退時刻データファイルは、勤務する労働者が操作する出退時刻採取機からのデータが前記ネットワークを介して送信されて前記入力部から入力されて記録されたファイルであるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1又は記載の発明によれば、一定の金額が固定して支払われる固定時間外労働賃金に対して割り当てられる時間外労働時間が設定され、この割当値に対して実際の時間外労働時間が少なかった場合にその少ない分を翌期に繰り越し処理するので、固定時間外労働賃金の制動を導入しつつも支払われる時間外労働賃金が実績をより反映したものとなる。このため、使用者においては固定時間外労働賃金の制度を導入する大きなインセンティブとなり、労働者においては未払い時間外労働賃金の問題の発生を未然に防止する大きな手段となる。
また、請求項2又は5記載の発明によれば、上記効果に加え、出退時刻データファイルが、勤務する労働者が操作する出退時刻採取機からのデータが記録されたファイルであるので、出退時刻採取機が備えられている事業所に導入する場合に好適なものとなる。
また、請求項記載の発明によれば、上記効果に加え、クライアントがサーバにアクセスすることでサービスが利用できるので、容量の大きなプログラムをユーザーがコンピュータにインストールしたり、容量の大きなファイルをユーザーのコンピュータの記憶部に記憶したりすることが不要である。このため、ユーザーにおけるサービスの利用が容易になる。
本実施形態のシステム(以下、本システム)は、時間外労働賃金を含む労働者の給与計算を行う労務管理システムとなっている。本実施形態のシステムは、時間外労働賃金の計算を含む労働者の給与計算等の労務管理サービス(以下、本サービスという)をインターネット2を介してユーザーに提供する際に使用されるものであり、いわゆるASPやSaaSに類したものである。このシステムは、時間外労働賃金の算出の他、時間外労働賃金のシミュレーションも行うことが可能となっている。
図1に示すように、各サーバは、ファイアウォール34を介してインターネット2に接続されたイントラネット35上に設けられている。イントラネット35上には、管理用クライアント36が設けられている。管理用クライアント36は、本サービスの提供事業を運営する事業主体(以下、サービサー)の担当者が操作するものである。イントラネット35も、このサービサーの社内ネットワークの場合があり得るが、サービサーがホスティングサービスを使用している場合、イントラネット35はホスティング会社のものであり、管理用クライアント36が特別のアクセス権を与えられてインターネット2から各サーバにアクセスするよう構成される場合もある。尚、いわゆるクラウドコンピューティングの技術を利用し、各サーバをインターネット2上に散在する各イントラネット(プライベートクラウド)に設けた構成が採用されることもあり得る。
給与計算プログラムは、上記OKボタンがクリックされた場合、まず、ログインの際に記憶していた会員IDから、データサーバ33のそのユーザー用のパスを検索し、該当期の出退時刻データファイルがあるかどうか判断する。具体的には、前述したように2011年9月期の給与計算であれば、2011-8.dbというファイル名の出退時刻データファイルを当該ユーザー事業所用のパスにおいて探す。このファイルが無ければ、「出退時刻データがアップされていません。出退時刻データをアップしてからやり直して下さい。」というようなエラーメッセージをクライアント1に表示した後、プログラムを終了する。
出退時刻データファイルがある場合、給与計算プログラムは、まず、基本情報ファイルを開き、ログインの際に記憶した会員IDに従って、当該ユーザー事業所のレコードを参照し、「繰り越し有無」の値を取得し、その値をメモリ変数に一時的に格納する。また、「繰り越し有無」の値が真値である場合、このユーザー事業所の繰り越しデータファイルを開いておく。例えば、前述したように2011年(第10決算期)9月期の給与の計算であれば、第10決算期の繰り越しデータファイル(前記の例で言えば、kuri10.db)を開く。
上記説明から解るように、本実施形態のシステムでは、固定時間外労働賃金について割当時間を設定することが可能であり、実際の時間外労働時間割当時間を下回っている場合、その差を翌月期への割当用に繰り越すべく繰り越しデータファイルに記録することが可能である。したがって、固定的に支払われる固定時間外労働賃金が実績をより反映したものとなる。このことは、使用者においては固定時間外労働賃金の制度を導入する大きなインセンティブとなり、労働者においては未払い時間外労働賃金の問題の発生を未然に防止する大きな手段となる。
このようなシミュレーションを可能にするため、本実施形態のシステムは、シミュレーション用のプログラム(以下、時間パターン変更シミュレーションプログラム)をウェブサーバ31に実装している。そして、図15に示すように、解析データをクライアント1に表示するページには、「時間パターン変更シミュレーション」と表記されたコマンドボタン(以下、時間パターン変更シミュレーションボタン)81が設けられている。
尚、本実施形態のシステムの運用においては、サービサーのイントラネット35に対してユーザー事業所の担当者以外の第三者のアクセスを許可する場合がある。即ち、本実施形態のシステムで運用されている業務は、労務管理の一種であり、専門士業者たる社会保険労務士が状況を定期的にチェックすべき場合がある。ユーザー事業所から業務委託を受けている社会保険労務士は、クライアント91を操作し、定期的にシステムにアクセスし、ユーザー事業所の労務管理状況についてデータサーバ33の各種ファイルを見る等してチェックする。そして、必要な助言や、社会保険事務所等の公的機関への手続きの代理業務等を行う。このような管理を行う社会保険労務士のクライアント91に対しては、本システムに対する特別なアクセス権が与えられる。尚、社会保険労務士事務所自体がサービサーである場合もあり得るが、このような場合にはアクセス権は不要である。
次に、上記以外の他の実施形態のシステムの構成について説明する。
上記実施形態のシステムは、労務管理システムとして構成されたものであり、時間外労働賃金算出システムでもあり、また時間外労働賃金シミュレーションシステムでもあった。両方のシステムを同時に達成する場合の他、時間外労働賃金算出システム単独として構成しても良いことは勿論である。
また、上記実施形態のシステムでは、給与計算プログラムはサーバサイドプログラムであり、ユーザーがウェブサーバ31にアクセスしてプログラムを実行したが、給与計算プログラムをユーザーのコンピュータにインストールして実行するタイプの実施形態もあり得る。
この場合は、ユーザー事業所の担当者は、ウェブサーバからダウンロードするか、パッケージソフトの状態で給与計算プログラム等を入手し、事業所内のコンピュータにインストールすることになる。
この際、事業所に内部ネットワークが設けられていてサーバ−クライアント環境が実現されているのであれば、給与計算プログラムを含む上記各プログラムが事業所内のサーバに実装され、上記各種のデータファイルがサーバの記憶部に記憶されて利用される。また、サーバ−クライアント環境がない場合、給与計算プログラムを含む上記各プログラムは、スタンドアローンのコンピュータにインストールされ、上記各データファイルはそのコンピュータの記憶部に記憶されて利用されることになる。このいずれの形態であっても、本願発明のシステムは実施可能である。
但し、前述した実施形態のように、各プログラムをサーバサイドプログラムとしてクライアントからのアクセスにより実行されるようにすると、ユーザーは、容量の大きなプログラムをユーザーがコンピュータにインストールしたり、容量の大きなファイルをユーザーのコンピュータの記憶部に記憶したりすることが不要である。このため、ユーザーにおけるサービスの導入が容易であるというメリットがある。
次に、プログラムの発明について補足して説明する。
上記システムの実施形態における給与計算プログラムの説明は、本願発明の時間外労働賃金算出プログラムの実施形態の説明でもある。時間外労働賃金算出プログラムは、上記の通りサーバに実装されてクライアントがサーバにアクセスすることにより実行されるものであっても良いし、スタンドアローンのコンピュータにインストールされてそこで実行されるものであっても良い。
また、時間外労働賃金算出プログラムは、給与計算を行うプログラムとして構成されている必要はなく、時間外労働賃金の算出だけを行うものとして構成されていても良いことは勿論である。例えば、既存の給与計算プログラムが稼働してい場合に、本願発明の時間外労働賃金算出プログラムが追加でインストールされて使用されるようにしたり、既存の時間外労働賃金算出プログラムを更新する形で本願発明の時間外労働賃金プログラムがインストールされて使用されることもあり得る。
また、上記システムの実施形態における各シミュレーションプログラムは、サーバに実装されてクライアントからのアクセスにより実行されるものであっても良いし、スタンドアローンのコンピュータにインストールされてそこで実行されるものであっても良い。また、時間外労働賃金シミュレーションのみを行うプログラムとして構成されても良い。
前述したように、本願発明によれば、固定時間外労働賃金の制度を導入する大きなインセンティブを使用者にもたらしつつ未払い時間外労働賃金の問題の発生を未然に防止できるので、より適切な労務管理を行うのに役立つツールが提供される。したがって、その産業上の利用可能性は著しい。
明細出力プログラムは、まず、給与明細書を出力する支給月を確認するページをクライアント1に送って表示させる。支給月は、例えばアクセス日時から類推して表示する。例えば、ログイン時の会員IDに従って基本情報ファイルを検索し、そのユーザー事業所の支給日の情報を取得する。例えば、アクセス日時が2011年11月20日で、支給日が毎月25日であれば、明細出力プログラムは、2011年11月期(11月25日支払い)の給与明細書であると判断する。明細出力プログラムは、このユーザー事業所のパスに記憶されている実績情報ファイルのうち、2011年11月期を実績情報ファイルを開き、最初のレコードにポインタを移す。そして、レコードから必要な情報を読み出し、明細テンプレートファイルに嵌め込む。各情報が嵌め込まれた明細テンプレートファイルをクライアント1に送り、クライアント1上の印刷機能によって紙媒体に出力する。
紙媒体への出力が終了したら、明細出力プログラムは、実績情報ファイルにおいて次のレコードにポインタを移し、同様に各情報の嵌め込みと出力とを行う。このようにして、実績情報ファイルの最後のレコードまで出力をすると、明細出力プログラムは終了である。
図14は、本実施形態のシステムにおいて出力される給与明細書の一例について示した概略図である。
図14に示すように、多くの項目は、通常の給与明細書と共通しているが、本実施形態では、「時間外労働時間」と表記された欄に、「前月繰越値」と表記された欄と、「当月割当値」と表記された欄と、「翌月繰越値」と表記された欄が設けられている。これらの欄は、それぞれ「法定内」、「法定外」、「深夜」の三つに区分されており、それぞれに数字が印字されている。
「前月繰越値」の欄の各数字は、前月からの時間外労働時間の繰り越しである。「翌月繰越値」の欄の各数字は、翌月への時間外労働時間の繰り越しである。この例では、法定内残業が0時間、法定外残業が5時間、深夜残業が1時間、前月から繰り越されており、法定内残業が0時間、法定外残業が3時間、深夜残業が0時間、翌月に繰り越されている。
このように、各繰り越し値が給与明細書に印字されるので、各労働者にとってどの程度の時間外労働時間の繰り越しがあるのかがわかる。このため、翌月にどの程度時間外労働をすると実績勘案の時間外労働賃金が支払われるのかを予め知ることができ、便利である。
上記の例では、年間の設定出勤日の総数は、労使協定で定められているのでそれを変更しないことを前提とした。即ち、設定日変更プログラムは、設定出勤日を休日に変更した日数分だけ別の日(休日として設定されている日)を設定出勤日に変更することができるようプログラミングされている。しかし、年間の設定出勤日の日数が増える状態で設定出勤日を変更できるようプログラミングすることも可能である。この場合、労使協定の日数をオーバーしてしまうので再度取り決めが必要である旨のアラート(警告)を発したり、年間の総時間数は2080時間を超えるようであればその旨のアラート(警告)を発したりするようプログラミングされると好適である。
上述したように、本実施形態のシステムによれば、一定の金額が固定して支払われる固定時間外労働賃金に対して割り当てられる基準時間外労働時間が設定され、この基準時間外労働時間に対して実際の時間外労働時間が少なかった場合にその少ない分を翌期に繰り越し処理するので、固定時間外労働賃金が実績をより反映させたものとなる。このため、使用者においては固定時間外労働賃金の制度を導入する大きなインセンティブとなり、労働者においては未払い時間外労働賃金の問題の発生を未然に防止する大きな手段となる。

Claims (12)

  1. プロセッサと、記憶部と、入力部と、出力部とを有し、記憶部には、固定時間外労働賃金に対して割り当てられた各期の時間外労働時間の値である固定割当値を記録した情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルと、賃金過払いの固定時間外労働時間の繰り越し値を記録した繰り越しデータファイルとが記憶されているコンピュータにおいて実行されることにより、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金の合計を算出して出力部に出力する時間外労働賃金算出プログラムであって、
    当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールとを備えており、
    情報ファイルには、各日において労働者が勤務すべき時間である所定労働時間が記録されており、
    当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから前記所定労働時間を読み取り、前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと前記所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを前記集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
    当期時間外労働賃金算出モジュールは、繰り越しデータファイルを開き、当該集計期間の一つの前の集計期間における当該労働者についての繰り越し値を読み取り、この繰り越し値と当期の固定割当値とを加算して当期割当値を得た後、当期割当値と、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した当期実績値とを比較し、当期割当値が当期実績値以上である場合にはその差分を翌期への繰り越し値として繰り越しデータファイルに記録するとともに当期の実績勘案の時間外労働賃金をゼロとする処理をプロセッサに行わせ、当期割当値が当期実績値より小さい場合にはその差分について当期の実績勘案の時間外労働賃金を算出するとともに翌期への繰り越し値をゼロとする処理をプロセッサに行わせるモジュールであることを特徴とする時間外労働賃金算出プログラム。
  2. プロセッサと、記憶部と、入力部と、出力部とを有し、記憶部には、各日において各労働者が勤務すべき時間である所定労働時間が記録された情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルとが記憶されているコンピュータにおいて実行されることにより、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金に関するシミュレーションを行う時間外労働賃金シミュレーションプログラムであって、
    当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えており、
    当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから前記所定労働時間を読み取り、前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと前記所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを前記集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
    当期時間外労働賃金算出モジュールは、当期実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
    情報ファイルには、前記所定労働時間について前記集計期間内の各日に設定された出退時刻のパターンである所定労働時間パターンが記録されており、
    シミュレーションモジュールは、所定労働時間パターンを変更した場合にその変更された所定労働時間パターンに基づいて当期時間外労働時間実績値を再計算し、再計算された当期時間外労働時間実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであることを特徴とする時間外労働賃金シミュレーションプログラム。
  3. プロセッサと、記憶部と、入力部と、出力部とを有し、記憶部には、各日において各労働者が勤務すべき時間である所定労働時間が記録された情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルとが記憶されているコンピュータにおいて実行されることにより、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金に関するシミュレーションを行う時間外労働賃金シミュレーションプログラムであって、
    当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えており、
    当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから前記所定労働時間を読み取り、前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと前記所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを前記集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
    当期時間外労働賃金算出モジュールは、当期実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
    情報ファイルには、年間カレンダーに基づいて各労働者が出勤すべき日として設定されている出勤日の情報である設定出勤日情報が記録されており、
    当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルに記録された設定出勤日情報に従って休日出勤の日数と時間を集計することが可能であり、
    当期時間外労働時間賃金算出モジュールは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した休日出勤の日数と時間に従って休日出勤に係る時間外労働賃金を算出することが可能であり、
    シミュレーションモジュールは、設定出勤日情報が変更された場合にその変更された設定出勤日情報に基づいて休日出勤の日数と時間を再計算し、再計算された休日出勤の日数と時間に従って休日出勤に係る時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであることを特徴とする時間外労働賃金シミュレーションプログラム。
  4. 前記出退時刻データファイルは、勤務する労働者が操作する出退時刻採取機からのデータが入力されて記録されたファイルであることを特徴とする請求項1記載の時間外労働賃金算出プログラム。
  5. 前記出退時刻データファイルは、勤務する労働者が操作する出退時刻採取機からのデータが入力されて記録されたファイルであることを特徴とする請求項2又は3記載の時間外労働賃金シミュレーションプログラム。
  6. プロセッサと、記憶部と、出力部とを有し、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金の合計を算出して出力部に出力する時間外労働賃金算出プログラムが実装又はインストールされたコンピュータで構成された時間外労働賃金算出システムであって、
    記憶部には、固定時間外労働賃金に対して割り当てられた各期の時間外労働時間の値である固定割当値を記録した情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルと、賃金過払いの固定時間外労働時間の繰り越し値を記録した繰り越しデータファイルとが記憶されており、
    時間外労働賃金算出プログラムは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働時間算出モジュールとを備えており、
    情報ファイルには、各日において労働者が勤務すべき時間である所定労働時間が記録されており、
    当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから前記所定労働時間を読み取り、前記出退データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと前記所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを前記集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
    当期時間外労働賃金算出モジュールは、繰り越しデータファイルを開き、当該集計期間の一つの前の集計期間における当該労働者についての繰り越し値を読み取り、この繰り越し値と固定割当値とを加算して当期割当値を得た後、当期割当値と、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した当期実績値とを比較し、当期割当値が当期実績値以上である場合にはその差分を翌期への繰り越し値として繰り越しデータファイルに記録するとともに当期の実績勘案の時間外労働賃金をゼロとする処理をプロセッサに行わせ、当期割当値が当期実績値より小さい場合にはその差分について当期の実績勘案の時間外労働賃金を算出するとともに翌期への繰り越し値をゼロとする処理をプロセッサに行わせるモジュールであることを特徴とする時間外労働賃金算出システム。
  7. プロセッサと、記憶部と、出力部とを有し、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金に関するシミュレーションを行う時間外労働賃金シミュレーションプログラムが実装又はインストールされたコンピュータで構成された時間外労働賃金シミュレーションシステムであって、
    記憶部には、各日において労働者が勤務すべき時間である所定労働時間が記録された情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルとが記憶されており、
    時間外労働賃金算出シミュレーションプログラムは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えており、
    当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから前記所定労働時間を読み取り、前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと前記所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを前記所定の集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
    当期時間外労働賃金算出モジュールは、当期実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
    情報ファイルには、前記所定労働時間について前記集計期間内の各日に設定された出退時刻のパターンである所定労働時間パターンが記録されており、
    シミュレーションモジュールは、所定労働時間パターンを変更した場合にその変更された所定労働時間パターンに基づいて当期時間外労働時間実績値を再計算し、その再計算された実績値に従って時間外労働賃金を算出して出力部に出力する処理をプロセッサに行わせるモジュールであることを特徴とする時間外労働賃金シミュレーションシステム。
  8. プロセッサと、記憶部と、出力部とを有し、複数の日数にまたがる集計期間内の各労働者の時間外労働賃金に関するシミュレーションを行う時間外労働賃金シミュレーションプログラムが実装又はインストールされたコンピュータで構成された時間外労働賃金シミュレーションシステムであって、
    記憶部には、各日において労働者が勤務すべき時間である所定労働時間の情報と、年間カレンダーに基づいて各労働者が出勤すべき日として設定されている出勤日の情報である設定出勤日情報が記録された情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルとが記憶されており、
    時間外労働賃金算出シミュレーションプログラムは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えており、
    当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから前記所定労働時間を読み取り、前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと前記所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを前記所定の集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
    当期時間外労働賃金算出モジュールは、当期実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
    当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルに記録された設定出勤日情報に従って休日出勤の日数と時間を集計することが可能であり、
    当期時間外労働時間賃金算出モジュールは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した休日出勤の日数と時間に従って休日出勤に係る時間外労働賃金を算出することが可能であり、
    シミュレーションモジュールは、設定出勤日情報が変更された場合にその変更された設定出勤日情報に基づいて休日出勤の日数と時間を再計算し、再計算された休日出勤の日数と時間に従って休日出勤に係る時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであることを特徴とする時間外労働賃金シミュレーションシステム。
  9. 前記コンピュータは、ネットワークを介してクライアントからのアクセスされることが可能なサーバであり、前記出力部は、アクセスをしたクライアントに対して情報を送信するものであることを特徴とする請求項6に記載の時間外労働賃金算出システム。
  10. 前記出退時刻データファイルは、勤務する労働者が操作する出退時刻採取機からのデータが前記ネットワークを介して送信されて記録されたファイルであることを特徴とする請求項9記載の時間外労働賃金算出システム。
  11. 前記コンピュータは、ネットワークを介してクライアントからのアクセスされることが可能なサーバであり、前記出力部は、アクセスをしたクライアントに対して情報を送信するものであることを特徴とする請求項7又は8に記載の時間外労働賃金シミュレーションシステム。
  12. 前記出退時刻データファイルは、勤務する労働者が操作する出退時刻採取機からのデータが前記ネットワークを介して送信されて記録されたファイルであることを特徴とする請求項11記載の時間外労働賃金シミュレーションシステム。
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