JP5150777B1 - 時間外労働賃金シミュレーションプログラム及び時間外労働賃金シミュレーションシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 シミュレーションモジュールは、所定労働時間パターンを変更した場合にその変更された所定労働時間パターンを適用して当期時間外労働時間実績値を再計算し、再計算された当期時間外労働時間実績値に従って時間外労働賃金を算出し、変更前の時間外労働賃金と対比して表示されるよう出力する。シミュレーションモジュールは、設定出勤日情報が変更された場合にその変更された設定出勤日情報を適用して休日出勤の日数と時間を再計算し、再計算された休日出勤の日数と時間に従って休日出勤に係る時間外労働賃金を算出し、変更前の時間外労働賃金と対比して表示されるよう出力する。
【選択図】 図16
Description
訴訟となった事例は特殊な事例であるとも言えるが、現実問題として、多くの事業所において未払いの残業代があることも事実である。未払いの残業代については過去2年に亘って支払いが命じられるから、残業代を支払っていない事業所においては、大きなリスクを抱えていることになる。中小企業などでは、未払いの残業代をいっぺんに請求されると、経営が破綻するほどの影響を及ぼす場合もあり得る。また、経営が逼迫している事業所では、きちんと残業代を払っていると、経営が成り立たないこともあり得る。
本願の発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、労使双方にメリットがある合理的な時間外労働賃金の支払いを可能にするシステムやプログラムを提供することを目的とするものである。
当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから所定労働時間を読み取り、出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働賃金算出モジュールは、当期実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
情報ファイルには、所定労働時間について集計期間内の各日に設定された出退時刻のパターンである所定労働時間パターンが記録されており、
シミュレーションモジュールは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した当期実績値において残業時間が他の曜日に比べて多い曜日の所定労働時間を延ばすよう所定労働時間パターンが変更された場合にその変更された所定労働時間パターンを前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データに適用して当期時間外労働時間実績値を再計算し、再計算した当期時間外労働時間実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記シミュレーションモジュールは、前記所定労働時間パターンが変更される前の時間外労働賃金と所定労働時間パターンが変更された後の時間外労働時間賃金とを並べて表示するよう前記出力部に出力するか、又は前記所定労働時間パターンが変更された場合の時間外労働時間賃金の減少額を表示するよう前記出力部に出力するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、プロセッサと、記憶部と、入力部と、出力部とを有し、記憶部には、各日において各労働者が勤務すべき時間である所定労働時間が記録された情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルとが記憶されているコンピュータにおいて実行されることにより、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金に関するシミュレーションを行う時間外労働賃金シミュレーションプログラムであって、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから前記所定労働時間を読み取り、前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと前記所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを前記集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働賃金算出モジュールは、当期実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
情報ファイルには、年間カレンダーに基づいて各労働者が出勤すべき日として設定されている出勤日の情報である設定出勤日情報が記録されており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルに記録された設定出勤日情報に従って休日出勤の日数と時間を集計することが可能であり、
当期時間外労働時間賃金算出モジュールは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した休日出勤の日数と時間に従って休日出勤に係る時間外労働賃金を算出することが可能であり、
シミュレーションモジュールは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した休日出勤の実績に応じて、休日出勤となっている日を設定出勤日に変更するよう設定出勤日情報が変更された場合にその変更された設定出勤日情報を前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データに適用して休日出勤の日数と時間を再計算し、再計算した休日出勤の日数と時間に従って休日出勤に係る時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項3の構成において、前記シミュレーションモジュールは、前記設定出勤日情報が変更される前の休日出勤に係る時間外労働賃金と設定出勤日情報が変更された後の休日出勤に係る時間外労働賃金とを並べて表示するよう前記出力部に出力するか、又は前記設定出勤日情報が変更された場合の時間外労働時間賃金の減少額を表示するよう前記出力部に出力するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記出退時刻データファイルは、勤務する労働者が操作する出退時刻採取機からのデータが入力されて記録されたファイルであるという構成を有する。
記憶部には、各日において労働者が勤務すべき時間である所定労働時間が記録された情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルとが記憶されており、
時間外労働賃金算出シミュレーションプログラムは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから所定労働時間を読み取り、出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働賃金算出モジュールは、当期実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
情報ファイルには、所定労働時間について集計期間内の各日に設定された出退時刻のパターンである所定労働時間パターンが記録されており、
シミュレーションモジュールは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した当期実績値において残業時間が他の曜日に比べて多い曜日の所定労働時間を延ばすよう所定労働時間パターンが変更された場合にその変更された所定労働時間パターンを前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データに適用して当期時間外労働時間実績値を再計算し、再計算した実績値に従って時間外労働賃金を算出して出力部に出力する処理をプロセッサに行わせるモジュールであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、前記請求項6の構成において、前記シミュレーションモジュールは、前記所定労働時間パターンを変更する前の時間外労働賃金と所定労働時間パターンを変更した後の時間外労働時間賃金とを並べて表示するよう前記出力部に出力するか、又は前記所定労働時間パターンが変更された場合の時間外労働時間賃金の減少額を表示するよう前記出力部に出力するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項8記載の発明は、プロセッサと、記憶部と、出力部とを有し、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金に関するシミュレーションを行う時間外労働賃金シミュレーションプログラムが実装又はインストールされたコンピュータで構成された時間外労働賃金シミュレーションシステムであって、
記憶部には、各日において労働者が勤務すべき時間である所定労働時間の情報と、年間カレンダーに基づいて各労働者が出勤すべき日として設定されている出勤日の情報である設定出勤日情報が記録された情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルとが記憶されており、
時間外労働賃金算出シミュレーションプログラムは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから前記所定労働時間を読み取り、前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと前記所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを前記所定の集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働賃金算出モジュールは、当期実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルに記録された設定出勤日情報に従って休日出勤の日数と時間を集計することが可能であり、
当期時間外労働時間賃金算出モジュールは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した休日出勤の日数と時間に従って休日出勤に係る時間外労働賃金を算出することが可能であり、
シミュレーションモジュールは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した休日出勤の実績に応じて、休日出勤となっている日を設定出勤日に変更するよう設定出勤日情報が変更された場合にその変更された設定出勤日情報を前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データに適用して休日出勤の日数と時間を再計算し、再計算した休日出勤の日数と時間に従って休日出勤に係る時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項9記載の発明は、前記請求項8の構成において、記シミュレーションモジュールは、前記設定出勤日情報が変更される前の休日出勤に係る時間外労働賃金と設定出勤日情報が変更された後の休日出勤に係る時間外労働賃金とを並べて表示するよう前記出力部に出力するか、又は前記設定出勤日情報が変更された場合の時間外労働時間賃金の減少額を表示するよう前記出力部に出力するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項10記載の発明は、前記請求項6乃至9いずれかの構成において、前記コンピュータは、ネットワークを介してクライアントからのアクセスされることが可能なサーバであり、前記出力部は、アクセスをしたクライアントに対して情報を送信するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項11記載の発明は、前記請求項10の構成において、前記出退時刻データファイルは、勤務する労働者が操作する出退時刻採取機からのデータが前記ネットワークを介して送信されて前記入力部から入力されて記録されたファイルであるという構成を有する。
また、請求項5又は11記載の発明によれば、上記効果に加え、出退時刻データファイルが、勤務する労働者が操作する出退時刻採取機からのデータが記録されたファイルであるので、出退時刻採取機が備えられている事業所に導入する場合に好適なものとなる。
また、請求項10記載の発明によれば、上記効果に加え、クライアントがサーバにアクセスすることでサービスが利用できるので、容量の大きなプログラムをユーザーがコンピュータにインストールしたり、容量の大きなファイルをユーザーのコンピュータの記憶部に記憶したりすることが不要である。このため、ユーザーにおけるサービスの利用が容易になる。
図1は、本願発明の実施形態に係る時間外労働賃金シミュレーションシステムの概略図である。図1に示す時間外労働賃金シミュレーションシステムは、ネットワークを介してクライアント1からのアクセスされることが可能なサーバで構成されている。ネットワークとしてはインターネット2が想定されており、クライアント1は、インターネット2に対して接続可能なコンピュータである。
ウェブサーバ31は、本サービスの提供の窓口となる各ウェブページをユーザーに提供するものである。ウェブサーバ31は、マイクロソフト社のIISのようなサーバソフトウェアを実装することにより構成されており、各クライアント1へのウェブページの提供やデータベースサーバへのデータ転送等の機能を有している。
本サービスは、会員制となっており、会員登録した事業者のみが提供を受けられる。認証サーバ32は、クライアント1からのアクセスが会員によるものかどうかを判断し、会員による場合にのみ各種サービスの提供を許可するものである。
システムの規模が小さい場合、即ち、会員数が少なかったり、管理しているデータの量が少ない場合には、サーバー仮想化等の技術を利用してこれらのサーバを一つの一つのサーバコンピュータで実現する場合もあり得る。システムの規模が大きくなってきた場合、必要に応じて各サーバを別々にし、可用性を高めていく。
1.会員登録等の導入や初期設定の機能
2.時間外労働賃金の算出を含む給与計算機能(メインの機能)
3.各種帳票を出力してユーザーに提供する機能
4.時間外労働賃金の解析や所定労働時間のパターンの変更シミュレーション等のオプション機能
上記各機能の説明の前に、本システムを使用した賃金算出の前提となる固定時間外労働賃金と時間外労働賃金の繰り越しについて、以下に説明する。
固定時間外労働賃金というのを新たに追加して支給する場合、使用者にとってはその分だけ人件費がアップしてしまうので、導入が難しい面もある。その場合には、現状の給与体系における名目変更で対応することが考えられる。営業手当の名目で一定の賃金を支払っているのであれば、その名目を変えて固定時間外労働賃金として支払うのである。つまり、営業という仕事をしていれば、毎月○○時間程度の残業はあるでしょう」ということで、あくまで残業代として支払うのである。
このようにすれば、使用者にとっては人件費がアップすることはなく、労働者にとっても手取りの金額が減ることはない。その一方、ある程度の金額を固定時間外労働賃金として支払っておけば、この労働者が残業を申告してきた場合、別途残業代を支払う必要がない場合が多い。
この場合、固定時間外労働賃金を導入する前の賃金体系では、時間外労働の時給単価は、280,000÷170×1.25=2,059円となるから、時間外労働賃金は、2,059×45=92,655円となる。一方、固定時間外労働賃金を導入した場合、その分は時給単価を計算する際の基礎となる金額から控除できるから、時給単価は、195,000÷170×1.25=1,434円となり、時間外賃金の総額は64,530円となる。実際の時間外労働賃金である64,530円に対して85,000円支払っていることになるため、別途残業代を支払う必要はない。
このように、固定時間外労働賃金を導入すれば、多くの場合、さらなる残業代の支払いは不要であり、未払い残量代のリスクを無くすことができる。但し、このような賃金体系の変更は、労働者にとっては不利益な変更であるとも言えるので、各労働者から承諾書をもらっておく必要がある。
例えば、月給制を採用している事業所で、毎月40時間分の時間外労働賃金を固定給として支払っているとする(以下、固定時間外労働賃金に割り当てられている毎月の時間を固定割当値と呼ぶ)。そして、この事業所に勤務するある労働者は、4月から勤務し、4月に20時間の残業をしたとする。この場合、20時間分の時間外労働賃金は過払いとなるから、その分をきちんと記録し、翌月以降に繰り越すのである。繰り越しは、当月の固定時間外労働賃金の支払いについて、まだ行われていない翌月以降の時間外労働の賃金の前払いという性質を付与することなる。
ウェブサーバ31は、本サービスの紹介や宣伝の機能も担っている。図3は、本サービスを提供するウェブサイトのトップページの一例について示した概略図である。ウェブサーバ31の記憶部には、図3に示すトップページのHTMLファイルが記憶されており、インターネット2を介したアクセスに応じてクライアント1に表示されるようになっている。
ウェブページでは、本サービスが会員制である旨が説明されており、会員登録ボタン41が設けられている。ウェブサーバ31は、会員登録のために各種情報を入力させるページ(会員登録ページ)を提供できるようになっており、会員登録ボタン41には会員登録ページのリンクが貼られている。
会員登録ページでは、事業所名、所在地、担当部署名、担当者名、担当者電話番号、担当者FAX番号、担当者メールアドレス等の各種情報を入力するようになっている。これらの情報が正しく入力されて送信され、必要な手続きが終了すると、正式に会員登録がされ、会員IDやパスワードが発行される。発行された会員IDやパスワードの情報は、認証のため、認証サーバ32の記憶部に記憶される。これらの点は、通常の会員制のシステムにおけるものと同様なので、詳細な説明は割愛する。
一方、本サービスの提供に際しては、給与計算のために必要となる各種情報の初期設定が必要である。初期設定は、会員登録をした者としてウェブサーバ31にアクセスした上で行うようになっている。即ち、図3に示すように、トップページには、「ログイン」と表記されたボタン(ログインボタン)42が設けられており、これをクリックすると、会員ID及びパスワードによる認証画面が表示され、これらが正しく入力されて送信されると、認証サーバ32によりアクセスが認証され、会員向けのサービスのためのトップページ(以下、会員トップページ)がクライアント1に表示されるようになっている。
図4に示すように、会員トップページには、「基本情報登録」との表記の下に「新規登録」と表記されたコマンドボタン(以下、基本情報登録ボタン)43が設けられている。一方、ウェブサーバ31には、基本情報登録プログラムが実装されている。基本情報登録ボタン43がクリックされると、基本情報登録ページが表示されるようになっている。
基本情報登録ページは、給与計算の基本となる共通情報について入力するページである。基本情報登録ページには、「支給日」、「締め日」、「決算期」、「繰り越し有無」等の情報を入力する欄が設けられている。「支給日」は25日のように給与を支給する日を入力する。「締め日」は、月末締めのように、労働時間を計算する締め日を入力する。「決算期」には、本システムの利用を開始した時点での決算期の情報を入力する。「繰り越し有無」は、前述した固定時間外労働賃金の繰り越し処理をするかどうかの設定をする項目である。
尚、本実施形態では、給与の支給単位は月、即ち月給制であることを前提としている。但し、本願発明の実施に際しては、これは必須の条件ではなく、週単位(週休制)、日単位(日給制)であっても実施は可能である。
基本情報登録ページにおいて、上述した各情報が正しく選択又は入力されて送信ボタンがクリックされると、基本情報登録プログラムが実行される。基本情報登録プログラムは、その会員IDを検索キーにして基本情報ファイルを開き、該当するユーザー事業所のレコードの「支給日」、「締め日」、「繰り越し有無」等のフィールドに、選択又は入力された情報を入力し、ファイルを更新する。
一例として、個別入力の場合について説明する。図6は、個別入力ページの一例について示した概略図である。ウェブサーバ31は、個別入力ページのHTMLファイルを記憶部に記憶しており、個別入力ボタン45がクリックされた際にクライアント1に送信して表示させるようになっている。
また、図6に示すように、個別入力ページには、固定時間外労働賃金の入力欄と、固定割当値の入力欄が設けられている。固定割当値は、前述したように、固定時間外労働賃金に対して割り当てられる労働時間の値である。
図6に示すように、固定割当値は、時間外労働の種別毎に入力される。例えば、法定内残業時間:10時間、法定外残業時間:30時間、深夜残業時間:5時間、というように入力される。この例では、支払われる固定時間外労働賃金について、法定内残業として月に10時間、法定外残業として月に30時間、深夜残業として月に5時間が割り当てられるということである。したがって、これらの値を越えた場合にのみ、別途時間外労働賃金(実績勘案の時間外労働賃金)が支払われることになる。この例では、1日の所定労働時間が法定労働時間よりも短い7時間であるため、法定内労働時間についての固定割当値の割り当てがあるが、所定労働時間が法定限度の8時間である場合、残業をすれば即、法定外ということになるので、この場合には法定内残業時間への割り当ては0となる。
ウェブサーバ31には、個別入力ページで入力された情報の登録のためのプログラム(以下、個別情報登録プログラム)が実装されている。図6に示す個別入力ページにおいて各情報が入力され、確認ボタン71がクリックされると、入力情報を確認するページが表示され、そこで送信ボタンがクリックされると、個別情報登録プログラムが実行される。個別情報登録プログラムは、各情報を給与情報ファイルに新しいレコードとして記録した後、ファイルを更新してデータサーバ33の記憶部に記憶するようになっている。
図7に示すように、給与情報ファイルは、「労働者ID」、「氏名」、「雇用形態」、「基本給」、「社保の有無」、「配偶者控除有無」等のフィールドから成るレコードを各労働者について記録したデータベースファイルである。
尚、多くの事業所では、既に給与計算ソフトウェアが使用されていることが多く、労働者の給与情報についてはデジタル化されている場合が多い。したがって、そのような給与計算ソフトウェアからエクスポートした給与情報について、項目の選択を適宜行ってCSVファイルを作成するプログラムを用意しておき、ダウンロードして使用できるようにしておくと好ましい。
尚、基本情報や給与情報は、給与計算を行うに際して必須となる情報である。したがって、ウェブサーバ31は、ログインがされた際、データサーバ33にアクセスし、その会員IDについての基本情報が登録されているか、少なくとも一人の労働者について給与情報が登録されているか(給与情報ファイルにレコードがあるか)をチェックする。これら登録のいずれかがなかったら、その旨のエラーメッセージを表示し、情報を登録するよう促すようになっている。
尚、繰り越しデータファイルは、適宜のタイミングで自動的に新規に作成される。例えば、新しく会員登録をして最初にログインをした際に最初のファイルが作成され、以後は、1年経過時に自動的に作成される。
繰り越しデータファイルは、事業所の決算期を使用した所定のファイル名で登録される。例えばkuri10.dbであれば、第10決算期における繰り越しデータファイルということになる。
図9は、実績情報ファイルの一例について示した概略図である。図9に示すように、実績情報ファイルは、「労働者ID」、「氏名」、「基本給」、「時間外(法定内)」、「時間外(法定外)」、「時間外(深夜)」等のフィールドから成るレコードが各労働者について記録されたファイルである。図9に示すフィールドの他、雇用保険や社会保険に関する項目、所得税や住民税に関する項目等も適宜設けられている。
時間外労働賃金の算出を含む給与計算を行うには、日々の勤務時刻データ、特に退社時刻のデータが必要である。出社、退社の勤務時刻データをシステムに送信するやり方については、二つのやり方がある。一つは、日々の勤務時刻データをそのまま逐一システムに送信するやり方である。もう一つは、クライアント1側でいったんデータを集積し、ある程度まとまった段階で一括してシステムに送信するやり方である。
クライアント1は、一ヶ月に一回、出退時刻採取機にアクセスし、出退時刻データを送信させる。送信された出退時刻データは、クライアント1の記憶部に記憶される。このようなネットワーク対応の出退データ採取機としては、例えばアマノ株式会社からシステムタイムレコーダーとして販売されているので、適宜のものを選んで使用することができる。尚、ネットワーク型のものではなく、単にクライアント1に対して周辺機器としてUSB等の汎用インターフェースを介して接続するタイプの出退時刻採取機であっても良い。
出退データ登録プログラムは、CSVのような汎用形式のファイルで出退時刻データを送信させるものである。出退データ送信ボタン46がクリックされると、出退時刻データを記録したファイル(以下、出退時刻データファイル)を指定するウインドウがクライアント1に表示され、ここで正しくファイルが指定されると、出退データ登録プログラムは、そのファイルを転送させてデータサーバ33に送り、データサーバ33の所定のパス(当該事業所に割り当てられたパス)に記憶するようになっている。この際、システム上での取り扱いがし易いように、出退データ登録プログラムは、出退時刻データファイルをdbファイルのようなデータベース形式のファイルに変換して記憶するようになっている。
図10は、データサーバ33の所定のパスに記憶された出退時刻データファイルの一例について示した概略図である。
図10に示すように、出退時刻データファイルは、「労働者ID」、「出勤日」、「出社時刻」及び「退社時刻」の四つのフィールドから成るレコードが多数記録されたデータベースファイルである。
図4に示すように、会員トップページには、「当月給与計算」と表記されたコマンドボタン(以下、給与計算ボタン)47が設けられている。ウェブサーバ31には、給与計算を行うプログラム(以下、給与計算プログラム)が実装されている。以下に説明する給与計算プログラムは、実施形態の時間外労働賃金シミュレーションシステムや実施形態の時間外労働賃金シミュレーションプログラムを構成するものである。
図4に示す会員トップページにおいて、給与計算ボタン47がクリックされると、給与計算プログラムが起動する。給与計算プログラムは、まず、必要なファイルを予め開いておく。必要なファイルとは、基本情報ファイル、このユーザー事業所についての給与情報ファイルや繰り越しデータファイル、実績情報ファイル等である。
出退時刻データファイルがある場合、給与計算プログラムは、まず、基本情報ファイルを開き、ログインの際に記憶した会員IDに従って、当該ユーザー事業所のレコードを参照し、「繰り越し有無」の値を取得し、その値をメモリ変数に一時的に格納する。また、「繰り越し有無」の値が真値である場合、このユーザー事業所の繰り越しデータファイルを開いておく。例えば、前述したように2011年(第10決算期)9月期の給与の計算であれば、第10決算期の繰り越しデータファイル(前記の例で言えば、kuri10.db)を開く。
図12に示すように、当期実績値集計サブプログラム(以下、当期実績値集計サブと略称する)は、出退時刻データファイルの最初のレコードにポインタを移した後、労働者IDを検索キーにして出退時刻データファイルを検索する。労働者IDが一致するレコードがあったら、データが正常であるかどうか判断する。データが正常でない場合、そのレコードについての処理をスキップする。データが正常でないというのは、出社時刻が無くて退社時刻だけがある場合や、退社時刻が出社時刻よりも早い時刻となっている場合等である。
図12では詳細の図示が省略されているが、上記実績値の算出の際所定労働時間と法定労働時間とを区別して実績値を算出する。例えば、所定労働時間が9:00〜17:00の7時間である場合、17:00を越えて働いた分については時間外労働賃金が支払われるが、一日8時間の法定労働時間の範囲内であれば割り増しはないのに対し、8時間を超えた分については25%の割り増しがある。また、22:00を越えた深夜残業については、さらに25%の割り増しがある。したがって、この例では、実際の退社時間が18:00を越え、19:00未満であれば、法定内時間外労働の実績値としてとして1時間をカウントする。また、19:00を越え、20:00未満であれば、法定内の時間外労働時間として1時間、法定外の時間外労働時間として1時間をカウントする。また、23:00を越えた場合には、深夜残業であるとしてその分の時間をカウントする。
当期実績値集計サブは、出退時刻データファイルにおいてポインタを次のレコードに移し、労働者IDが一致するかどうか判断し、一致する場合には、同様の処理を繰り返す。この際、各メモリ変数に対しては、従前の値に加算して更新する形で値が格納される。
尚、上記説明は、設定退社時刻をオーバーした労働時間即ち残業時間の算出であったが、設定出社時刻よりも前の労働時間即ち早出労働時間の算出も行われるようプログラミングされる。この場合は、設定出社時刻と実際の出社時刻とを比較し、その差が例えば1時間以上である場合、早出として時間外労働の実績時間に加算する。また、早出の時間外労働に朝5時以前の時間が含まれる場合、深夜割り増しとなるので、法定外(深夜)の時間としてカウントすることになる。
即ち、この労働者について当月期の設定勤務時間(所定労働時間×勤務日数)の合計を求め、基本給をその値で割って基準時間給を算出する。そして、上記のように得た各集計値について基準時間給を掛け合わせて時間外労働賃金とする。この際、法定外については、基準時間給の125%を掛け合わせて賃金とし、深夜については基準時間給の150%を掛け合わせて賃金とする。
繰り越しサブは、予め開いてある繰り越しデータファイルにおいて、労働者IDが一致するレコードを探し、そのレコードの当月期の各フィールドを読み出す。即ち、9月期が当月期であれば、「9月法定内」、「9月法定外」、「9月深夜」の各フィールドの値をそれぞれ読み出す。読み出した値(以下、繰り越し値)は、一時的にメモリ変数に格納される。
次に、繰り越しサブは、当期実績値集計サブからの戻り値(各実績値)と各当期割当値とを比較し、その差の正負を判断する。当期割当値≧実績値であれば、当月期の時間外労働についてはすべて賃金の支払いがされていることになるので、実績勘案対象値のメモリ変数にゼロを格納する。そして、当期割当値−実績値の値が翌月への繰り越し値になるので、その値を繰り越しデータファイルの該当フィールドに記録する。
繰り越しサブは、法定内、法定外、深夜のそれぞれについて、上記当期割当値と実績値の大小を判断し、それに応じて異なる処理を上記のようにする。そして、法定内、法定外、深夜のそれぞれについて、翌月への繰り越し値を記録し、当月期の実績勘案対象値を戻り値として給与計算プログラムに戻し、終了する。
その後、給与計算プログラムは、これら時間外労働賃金を基本給とは別に給与に加算した上、通勤手当等を加算し、雇用保険や社会保険、所得税や住民税等の控除を行って支給額を算出する。これら点は、通常の給与計算ソフトウェアと同様なので、詳細な図示及び説明は割愛する。
また、図示は省略したが、当期実績値集計サブは、出退時刻データから時間外労働時間の実績値を採取する際、そのデータの日付が労使協定等で出勤日として設定されている日(以下、設定出勤日)であるかどうか判断する。つまり、休日出勤かどうか判断する。データサーバ33の当該ユーザー事業所のパスには、年間の設定出勤日の情報が記録された設定出勤日情報ファイルが記憶されており、当期実績値集計は、このファイルを開いておいてその情報に照らし合わせて休日出勤かどうか判断する。休日出勤であれば、その旨をメモリ変数に格納し、合計の日数を計算する。給与計算プログラムは、合計の休日出勤の日数に従い、所定の割り増しをした上で、休日出勤に係る時間外労働賃金として算出する。
このようにして、一人の労働者について各支給額や各控除額を算出すると、それら算出した各値を、実績情報ファイルの当該労働者のレコードに記録する。
このような処理を給与情報ファイルの各レコードについて行い、最後のレコードまで処理が終了すると、当月期の給与計算は終了であり、給与計算プログラムが終了となる。
図4に示すように、会員トップページには、「基本情報登録」と表記された部分の下に「修正登録」と表記されたコマンドボタン(以下、基本情報修正ボタン)48が設けられている。ウェブサーバ31の記憶部には、基本情報の修正のためのページ(以下、基本情報修正ページ)のHTMLファイルが記憶されている。
基本情報修正ボタン48をクリックすると、基本情報修正ページがクライアント1に表示される。基本情報修正ページでは、「支給日」や「締め日」、「繰り越し有無」等の項目の修正入力が可能となっており、入力後にOKボタンをクリックすると、ウェブサーバ31上のプログラムが実行され、修正入力された情報がデータサーバ33に送られて基本情報ファイルの当該ユーザー事業所のレコードに反映されるようになっている。
一括変更ボタン49は、各労働者の給与情報を一括して変更登録するためのコマンドボタンである。一括変更ボタン49がクリックされると、各労働者の給与情報を記録したCSV等の汎用形式のファイルを指定するウインドウが表示され、ここでファイルが指定されると、そのファイルをデータサーバ33に送り、当該事業所用のパスに記憶されている既存のファイルを更新するプログラムが実行されるようになっている。
個別変更ページに変更可能な情報は、給与情報ファイルに記録されている情報のうち、労働者IDを除くすべての情報であり、各情報が個別変更ページに表示される。各情報の表示部分は、編集可能となっており、別の情報を上書きできるようになっている。任意に情報を上書きして送信ボタンをクリックすると、確認ページでの確認を経て、情報がデータサーバ33に送信され、給与情報ファイルの該当する労働者のレコードに上書きされて記録されるようになっている。
本システムでは、ユーザーの利便性を高めるため、給与計算の結果を幾つかの異なるフォーマットで出力できるようになっている。その一つは、各労働者に対して交付される給与明細である。給与明細書の出力は、毎月の支給日に先立って行われる。
図4に示すように、会員トップページには、「給与明細書出力」という表記されたコマンドボタン(以下、明細出力ボタン)51が設けられている。一方、ウェブサーバ31には、給与明細書出力のためのプログラム(以下、明細出力プログラム)が実装されている。明細出力ボタン51がクリックされると、明細出力プログラムが実行される。また、ウェブサーバ31の記憶部には、給与明細書のテンプレートファイル(以下、明細テンプレートファイル)が記憶されている。
紙媒体への出力が終了したら、明細出力プログラムは、実績情報ファイルにおいて次のレコードにポインタを移し、同様に各情報の嵌め込みと出力とを行う。このようにして、実績情報ファイルの最後のレコードまで出力をすると、明細出力プログラムは終了である。
図14に示すように、多くの項目は、通常の給与明細書と共通しているが、本実施形態では、「時間外労働時間」と表記された欄に、「前月繰越値」と表記された欄と、「当月割当値」と表記された欄と、「翌月繰越値」と表記された欄が設けられている。これらの欄は、それぞれ「法定内」、「法定外」、「深夜」の三つに区分されており、それぞれに数字が印字されている。
「前月繰越値」の欄の各数字は、前月からの時間外労働時間の繰り越しである。「翌月繰越値」の欄の各数字は、翌月への時間外労働時間の繰り越しである。この例では、法定内残業が0時間、法定外残業が5時間、深夜残業が1時間、前月から繰り越されており、法定内残業が0時間、法定外残業が3時間、深夜残業が0時間、翌月に繰り越されている。
このように、各繰り越し値が給与明細書に印字されるので、各労働者にとってどの程度の時間外労働時間の繰り越しがあるのかがわかる。このため、翌月にどの程度時間外労働をすると実績勘案の時間外労働賃金が支払われるのかを予め知ることができ、便利である。
ユーザー事業所の担当者は、本システムのウェブサイトにアクセスをし、会員登録ボタン41をクリックして会員登録を申し込む。そして、守秘義務の契約書やプライバシーポリシーの承諾書、料金の決済に関する書類等をサービサーに送り、サービサーの担当者は、書類を確認して管理用クライアント36により正式な会員登録をし、会員ID及びパスワードが発行される。
ユーザー事業所の担当者は、発行された会員ID及びパスワードを受け取り、本サービスのウェブサイトにアクセスし、会員ID及びパスワードを入力してログインする。ログインすると、クライアント1に会員トップページが表示される。そして、給与情報をシステムに送信し、データサーバ33に記憶させる。この際、必要に応じて固定時間外労働賃金とそれに割り当てる固定時間外労働時間(固定割当値)について各労働者の承諾を取った上で定め、それらの値を担当者が入力してシステムに送信し、給与情報ファイルに記録させておく。
ユーザー事業所の担当者は、その後、会員トップページにおいて給与計算ボタン47をクリックし、給与計算プログラムを実行する。給与計算プログラムは、出退時刻データファイルを開いて時間外労働時間の集計を法定内、法定外、深夜のそれぞれについて行う。そして、繰り越しデータファイルの当該労働者のレコードを読み出し、前月からの繰り越し時間を加算する。その後、給与計算プログラムは、繰り越しサブを実行し、前月繰り越し値を加算した当月割当値について、当期の実績値と比較し、翌月繰り越し値と、実績勘案対象値とを算出する。繰り越しサブは、翌月繰り越し値を繰り越しデータファイルに記録してファイルを更新した後、実績勘案対象値を給与計算プログラムに戻す。給与計算プログラムは、実績勘案対象値に従って時間外労働時間の賃金を算出し、給与への加算、固定時間外労働賃金の加算、各種手当ての加算、各種控除等を行い、各金額を実績情報ファイルに記録する。
ユーザー事業所の担当者は、適宜のタイミングで、会員トップページの明細出力ボタン51をクリックし、各労働者の給与明細書をプリントアウトする。給与明細書は、各労働者に交付される。
本システムのオプション機能として、まず第一に、各労働者についての時間外労働の実績の解析と、その結果に応じた所定労働時間パターンの変更設定が挙げられる。以下、この点について説明する。
図4に示すように、会員トップページには、「時間外労働解析」と表記されたコマンドボタン(以下、解析ボタン)52が設けられている。ウェブサーバ31の記憶部には、時間外労働解析サービスのトップページ(以下、解析トップ)のHTMLファイルが記憶されており、解析ボタン52をクリックすることでクライアント1に表示されるようになっている。
解析トップでは、各労働者の時間外労働の実績データを、「個人単位」、「部署単位」、「事業所全体」等で解析するためのコマンドボタンが設けられている。「個人単位」を選ぶと、解析対象の期間を指定させるページが表示され、ここで期間が入力されると、特定の労働者の時間外労働の実績データがクライアント1に表示されるようになっている。
ウェブサーバ31には、このような時間外労働の解析を行う各種のプログラムが実装されている。図15に示すような解析を行う場合、労働者IDをクライアント1において入力させることで労働者を特定し、労働者IDを検索キーにして対象期間の各出退情報データファイルを検索する。そして、ヒットしたレコードから出退データを読み取り、曜日ごとに集計して平均値を取るようプログラミングされる。
このようにすると、この労働者は、金曜日において多く働いても1時間までは所定労働時間内ということになるから残業にはならない。一方、月曜日が閑であり、一時間少なくなった場合でも定時に退社するということであれば、労働者としては早く帰宅できるので、余暇等の時間に使えるし、使用者側としても全体として週一時間分残業代の支払いを節約できたことになる。
また、月曜日において所定労働時間を一時間少なくすることはせず、基本給を少し上げることを条件に金曜日に所定労働時間を一時間多くする労働契約の再締結を行うことも考えられる。この場合、基本給の上昇分が、それまでに払ってきた毎週金曜日の1時間分の残業代に比べて少なければ、使用者にとって残業代の支払いを節約できたことになる。
尚、以下の時間パターン変更シミュレーションプログラムの説明は、時間外労働賃金シミュレーションプログラムの発明の実施形態の説明となっている。この時間外労働賃金シミュレーションプログラムは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えている。当期時間外労働時間実績値集計モジュールや当期時間外労働賃金算出モジュールは、時間外労働賃金算出プログラムにおけるものを共用しているので、説明は省略する。以下の説明は、実施形態の時間外労働賃金シミュレーションプログラムにおけるシミュレーションモジュールの説明ということになる。
例えば、金曜日の所定労働時間を1時間増やすよう入力が行われた場合、時間パターン変更シミュレーションプログラムは、これを前提に、対象となっている労働者の時間外労働賃金を計算を対象期間についてやり直す。即ち、労働者IDを検索キーにして出退時刻データファイルを検索し、一致するレコードについて時間外労働であるかどうか判断する。時間外労働であると判断されれば、同様に、法定内、法定外、深夜の別に時間をカウントする。この際、出勤日が金曜日であるレコードについては、所定労働時間を1時間増やし、それを基準にして時間外労働であるかどうか判断する。例えば、1時間休憩の9:00〜17:00がそれまでの所定労働時間である場合には、1時間増やすと18:00が基準となる退社時刻となる。したがって、18:00を1時間以上超えた場合のみ残業であるとしてカウントする(この場合には、法定外残業か深夜残業になる)。
このようにして1ヶ月の時間外労働時間を集計し、同様に基準時間給をもとに時間外賃金の合計を算出する。対象期間が数ヶ月にまたがっていれば、各月について同様に計算をし、その平均値を算出する。
図16に示すように、この時間パターン変更シミュレーションプログラムは、現状の時間外労働の実績の解析データと、シミュレーションにおける時間外労働の賃金データとを並べてクライアント1に表示するものとなっている。
図16に例では、金曜日のみ所定労働時間を8時間に増やすと、月平均の時間外労働賃金を月平均で14,200円少なくすることができるという結果となっている。したがって、使用者は、この労働者に対し、例えば1万円基本給を増やすから金曜日の勤務時間を1時間増やす旨の申し入れを行い、そのように労働契約を結び直すようにすれば、月平均で4,200円残業代を節約することができる。
上記の例で、月曜日の所定労働時間を1時間減らした上で金曜日の所定労働時間を1時間増やすシミュレーションは、厳密にはできない。この場合、このような所定労働時間のパターンで労働契約を再締結した上で実際に勤務をしてもらい、その結果を踏まえた上で、月曜日の所定労働時間を元に戻すか、減らしたままとするかを検討することになる。元に戻す場合、全体としては所定労働時間が増えたことになるので、前述したように、基本給の増額を労働者に提示することになる。
上述したシミュレーションは、設定出勤日における出社時刻と退社時刻のパターンの変更についてのシミュレーションであったが、設定出勤日自体のパターンを変更した場合のシミュレーションをすることも有益である。以下の説明は、このシミュレーションに関する。
図4では図示が省略されているが、会員トップには、「合計労働時間解析」と表記されたコマンドボタン(以下、合計労働時間解析ボタン)が設けられている。ウェブサーバ31には、合計労働時間解析プログラムが実装されており、合計労働時間解析ボタンをクリックすることにより実行されるようになっている。
合計労働時間解析プログラムは、各月の合計労働時間の値を解析期間に亘って取得した後、それをグラフ化する所定のフォーマットに当てはめた後、クライアント1に送信して表示させる。
図17に示すように、この労働者は、7月、8月において合計の残業時間が非常に多くなっており、1月や2月においては非常に少ない。つまり、この労働者は、夏期において非常に忙しく、冬期は閑な業務に就いていると判断される。
1年単位の変形労働時間制を採用している事業所の場合、年間の所定労働時間の合計値は2080時間(280日×8時間)が限度となるが、この限度において各月の所定労働時間の合計値はある程度自由に定められる。したがって、この労働者について、7月期及び8月期の所定労働時間の合計値を例えばそれぞれ20時間程度多くし、その代わり、1月期及び2月期はそれぞれ20時間程度少なくするように所定労働時間の合計値のパターンを変更することが考えられる。この変更は、具体的には、休日の設定を変更することで行う。つまり、7月期及び8月期においては例えば土曜日を適宜出勤日に変更し、1月期や2月期では、平日の何日かを休日に変更することで行う。
また、上記の例で、1月期や2月期の設定出勤日を減らさず7月期や8月期の設定出勤日を増やす変更を行うこともあり得る。この場合、年間の設定出勤日の総数が増えるので、基本給を上げる必要がある。また、2080時間の上限を超えないようにする必要もある。仮に、基本給の上昇分に比べて、設定出勤日を増やすことによる時間外労働賃金の減少分の方が大きければ、全体しては人件費を節約できたことになる。
設定出勤日変更プログラムは、解析期間のカレンダーをクライアントに表示する。この際、カレンダーは、現状の当該労働者との取り決めで出勤日となっている日にマークをつけられた状態で表示される。データサーバ33の当該ユーザー事業所のパスには、設定出勤日の情報が記録されたファイル(設定出勤日情報ファイル)が記憶されており、設定出勤日変更プログラムはそこから情報を読み出して表示する。
出勤日変更シミュレーションプログラムは、マークが付けられた日の情報をすべてメモリ変数に格納し、それに基づいて当該労働者の時間外労働の実績値を再計算する。即ち、出退時刻データファイルを開き、出社時刻と退社時刻のデータから時間外労働時間があるかどうか判断し、あればその時間数をカウントする。この際、メモリ変数に格納した設定出勤日の情報に従って休日出勤であるかどうか判断し、休日出勤であれば、休日出勤としてカウントする。そして、同様に時間外労働賃金の合計を算出する。
このようにして出勤日変更シミュレーションプログラムは、変更された設定出勤日に従って各月の時間外労働賃金の合計を計算し直し、グラフ化を行う所定のフォーマットに当てはめてクライアント1に表示するようになっている。
尚、上記の例では、設定勤務日数を減らした1月期及び2月期において、現実には休日出勤が増えるかもしれない。そうなると、シミュレーションした金額よりは削減額は減る。しかし、これらの期間は元とも閑な期間として推測されるので、削減額の大きな減少はないと予想される。
いずれにしても、上述したシミュレーションプログラムにより、設定出勤日の変更に伴って時間外労働賃金をどの程度削減できるのかを事前に知ることができるので、変形労働時間制を採っている事業所において好適なものとなる。
図1に示すウェブサーバ31は、各種アラート機能のための設定用のページ(以下、アラート設定ページ)が提供可能となっている。そして、図4に示すように、会員トップページには、「各種アラート設定」と表記されたコマンドボタン(以下、アラートページボタン)53が設けられている。アラートページボタン53がクリックされると、アラート設定ページがクライアント1に表示される。
図19は、アラート設定ページの一例を示した概略図である。本実施形態では、各種アラートとして、「契約期間アラート」、「社会保険アラート」、「扶養控除アラート」、「36協定アラート」等のアラート(警告)が出力可能となっている。各アラートは、デフォルトではアラート出力有りであるが、無しに変更できるようになっており、この入力がアラート設定ページで可能となっている。
図20は、36協定登録ページの一例を示した概略図である。図20に示すように、36協定登録ページでは、「36協定締結有無」、「36協定月限度時間」、「36協定一日限度時間」、「36協定年限度時間」の各入力欄が設けられている。「36協定締結有無」は、36協定が締結されているか否かを入力する欄である。尚、36協定とは、労働基準法第36条に基づく労使の協定であり、ここでは、時間外労働をすること自体について協定の有無を意味する。「36協定月限度時間」は、36協定が締結されている場合に、一ヶ月の時間外労働時間の限度について取り決めがある場合、その時間数を入力する欄である。「36協定一日限度時間」は、36協定が締結されている場合に、一日の時間外労働時間の限度について取り決めがある場合、その時間数を入力する欄である。「36協定年限度時間」は、36協定が締結されている場合に、一年の時間外労働時間の限度について取り決めがある場合、その時間数を入力する欄である。
アラート設定ページに対応して、基本情報ファイル及び給与情報ファイルの各ファイル構造も最適化されている。図5に示すように、基本情報ファイルの各レコードは、「契約期間アラート有無」、「社会保険アラート有無」、「扶養控除アラート有無」、「36協定アラート有無」の各フィールドが設けられている。また、図5に示すように、基本情報ファイルには、「36協定有無」、「36協定月限度」、「36協定一日限度」、「36協定年限度」の各フィールドが設けられている。
図21は、各アラート機能を実現する給与計算プログラムの主要部の概略を示したフローチャートである。図21に示すフローチャートは、図11に示すフローチャートと異なる部分を主として表している。図21に示す部分以外は、給与計算プログラムは、図11に示すものと同様である。
そして、一人の労働者についての給与計算が終了した後、給与計算プログラムは、まず、契約期間アラートが有りの設定になっている場合で、当該労働者の社員種別が契約社員である場合、契約末日までの日数を計算し、その日数が基準値(例えば40日)以内であるかどうか判断する。基準値以内であれば、契約末日までの日数が少なくなっているので、契約期間アラートを出力する。ここでは、契約期間アラートが真値である旨のデータをメモリ変数に格納する。
次に、給与計算プログラムは、36協定アラートが有りの設定になっている場合、集計した当月期の時間外労働時間が0であるかどうか判断する。0でない場合で、36協定締結有無の情報をメモリから読み出し、36協定締結無しであれば、36協定未締結アラート出力が真値である旨のデータをメモリ変数に格納する。
次に、給与計算プログラムは、36協定月限度の情報を基本情報ファイルから読み出し、集計した当月期の時間外労働時間がこの値を超えているか判断する。越えていれば、36協定月限度アラート出力が真値である旨のデータをメモリ変数に格納する。
次に、給与計算プログラムは、36協定年限度の情報を基本情報ファイルから読み出し、当該労働者の時間外労働の年間推計値と比較する。年間推計値は、実績情報ファイルから、当該労働者の前月期までの時間労働時間の実績値を読み出して集計するとともにこれに当月期の実績値を加算し、その平均値を12倍することで算出する。年間推計値が、36協定年限度を超えている場合、36協定年限度アラート出力が真値である旨のデータをメモリ変数に格納する。
このようなアラート出力については、適宜の手段によりユーザー事業所の担当者に通知される。例えば、給与計算プログラムがすべて終了した後、クライアント1上にアラート表示がされるようプログラミングすることができる。例えば、一人以上の労働者について、契約期間アラート出力が真値であれば、「契約期間の末日が40日を切っている労働者がいます。至急、チェックして下さい。」というようなアラートメッセージがクライアント1に表示されるようにする。
アラート確認ページは、各アラート出力について、直近の給与計算においてアラート出力が真値であった労働者が一人以上いたかどうかの結果を表示するものである。アラート出力が真値であった労働者が一人以上いた場合、「詳細」と表記されたコマンドボタンが表示されるようになっており、このコマンドボタンには、詳細表示用プログラムの起動コマンドが埋め込まれている。
詳細表示用プログラムは、実績情報ファイルにアクセスし、その項目のアラーム出力が真値となっている労働者のレコードの情報を全て読み出し、リストにして表示するプログラムである。尚、上述したクライアント1に自動表示されるアラートメッセージの横に、詳細表示用プログラムの起動コマンドを埋め込んでも良い。
さらに、各種のアラートが出力されるように設定できるので、システムの運営において労働者の了解を取ったり、法律や規則に違反しないように労務管理したりすることが容易となる。
また、固定割当値は、全事業所において共通した値でなくとも、部署単位で共通した値とすることもあり得る。例えば、製造部全体で共通した値とし、営業部全体でこれでは異なる別の共通した値とし、それらを除く全部署でまた別の共通した値としてそれぞれシステムに登録して運用するのである。このようにすると、事業所の各部署での時間外労働の状況を反映しつつ、運用を比較的簡略化できる。
上記実施形態のシステムは、労務管理システムとして構成されたものであり、時間外労働賃金算出システムでもあり、また時間外労働賃金シミュレーションシステムでもあった。両方のシステムを同時に達成する場合の他、時間外労働賃金シミュレーションシステム単独として構成しても良いことは勿論である。
また、上記実施形態のシステムでは、給与計算プログラムはサーバサイドプログラムであり、ユーザーがウェブサーバ31にアクセスしてプログラムを実行したが、給与計算プログラムをユーザーのコンピュータにインストールして実行するタイプの実施形態もあり得る。
この場合は、ユーザー事業所の担当者は、ウェブサーバからダウンロードするか、パッケージソフトの状態で給与計算プログラム等を入手し、事業所内のコンピュータにインストールすることになる。
但し、前述した実施形態のように、各プログラムをサーバサイドプログラムとしてクライアントからのアクセスにより実行されるようにすると、ユーザーは、容量の大きなプログラムをユーザーがコンピュータにインストールしたり、容量の大きなファイルをユーザーのコンピュータの記憶部に記憶したりすることが不要である。このため、ユーザーにおけるサービスの導入が容易であるというメリットがある。
時間外労働賃金算出プログラムは、上記の通りサーバに実装されてクライアントがサーバにアクセスすることにより実行されるものであっても良いし、スタンドアローンのコンピュータにインストールされてそこで実行されるものであっても良い。また、時間外労働賃金算出プログラムは、給与計算を行うプログラムとして構成されている必要はなく、時間外労働賃金の算出だけを行うものとして構成されていても良いことは勿論である。例えば、既存の給与計算プログラムが稼働してい場合に、時間外労働賃金算出プログラムが追加でインストールされて使用されるようにしたり、既存の時間外労働賃金算出プログラムを更新する形で時間外労働賃金プログラムがインストールされて使用されることもあり得る。
2 インターネット
31 ウェブサーバ
32 認証サーバ
33 データサーバ
34 ファイアウォール
35 イントラネット
Claims (11)
- プロセッサと、記憶部と、入力部と、出力部とを有し、記憶部には、各日において各労働者が勤務すべき時間である所定労働時間が記録された情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルとが記憶されているコンピュータにおいて実行されることにより、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金に関するシミュレーションを行う時間外労働賃金シミュレーションプログラムであって、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから前記所定労働時間を読み取り、前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと前記所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを前記集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働賃金算出モジュールは、当期実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
情報ファイルには、前記所定労働時間について前記集計期間内の各日に設定された出退時刻のパターンである所定労働時間パターンが記録されており、
シミュレーションモジュールは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した当期実績値において残業時間が他の曜日に比べて多い曜日の所定労働時間を延ばすよう所定労働時間パターンが変更された場合にその変更された所定労働時間パターンを前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データに適用して当期時間外労働時間実績値を再計算し、再計算した当期時間外労働時間実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであることを特徴とする時間外労働賃金シミュレーションプログラム。 - 前記シミュレーションモジュールは、前記所定労働時間パターンが変更される前の時間外労働賃金と所定労働時間パターンが変更された後の時間外労働時間賃金とを並べて表示するよう前記出力部に出力するか、又は前記所定労働時間パターンが変更された場合の時間外労働時間賃金の減少額を表示するよう前記出力部に出力するものであることを特徴とする請求項1記載の時間外労働賃金シミュレーションプログラム。
- プロセッサと、記憶部と、入力部と、出力部とを有し、記憶部には、各日において各労働者が勤務すべき時間である所定労働時間が記録された情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルとが記憶されているコンピュータにおいて実行されることにより、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金に関するシミュレーションを行う時間外労働賃金シミュレーションプログラムであって、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから前記所定労働時間を読み取り、前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと前記所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを前記集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働賃金算出モジュールは、当期実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
情報ファイルには、年間カレンダーに基づいて各労働者が出勤すべき日として設定されている出勤日の情報である設定出勤日情報が記録されており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルに記録された設定出勤日情報に従って休日出勤の日数と時間を集計することが可能であり、
当期時間外労働時間賃金算出モジュールは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した休日出勤の日数と時間に従って休日出勤に係る時間外労働賃金を算出することが可能であり、
シミュレーションモジュールは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した休日出勤の実績に応じて、休日出勤となっている日を設定出勤日に変更するよう設定出勤日情報が変更された場合にその変更された設定出勤日情報を前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データに適用して休日出勤の日数と時間を再計算し、再計算した休日出勤の日数と時間に従って休日出勤に係る時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであることを特徴とする時間外労働賃金シミュレーションプログラム。 - 前記シミュレーションモジュールは、前記設定出勤日情報が変更される前の休日出勤に係る時間外労働賃金と設定出勤日情報が変更された後の休日出勤に係る時間外労働賃金とを並べて表示するよう前記出力部に出力するか、又は前記設定出勤日情報が変更された場合の時間外労働時間賃金の減少額を表示するよう前記出力部に出力するものであることを特徴とする請求項3記載の時間外労働賃金シミュレーションプログラム。
- 前記出退時刻データファイルは、勤務する労働者が操作する出退時刻採取機からのデータが入力されて記録されたファイルであることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の時間外労働賃金シミュレーションプログラム。
- プロセッサと、記憶部と、出力部とを有し、複数の日数にまたがる集計期間の時間外労働賃金に関するシミュレーションを行う時間外労働賃金シミュレーションプログラムが実装又はインストールされたコンピュータで構成された時間外労働賃金シミュレーションシステムであって、
記憶部には、各日において労働者が勤務すべき時間である所定労働時間が記録された情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルとが記憶されており、
時間外労働賃金算出シミュレーションプログラムは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから前記所定労働時間を読み取り、前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと前記所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを前記所定の集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働賃金算出モジュールは、当期実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
情報ファイルには、前記所定労働時間について前記集計期間内の各日に設定された出退時刻のパターンである所定労働時間パターンが記録されており、
シミュレーションモジュールは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した当期実績値において残業時間が他の曜日に比べて多い曜日の所定労働時間を延ばすよう所定労働時間パターンが変更された場合にその変更された所定労働時間パターンを前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データに適用して当期時間外労働時間実績値を再計算し、再計算した実績値に従って時間外労働賃金を算出して出力部に出力する処理をプロセッサに行わせるモジュールであることを特徴とする時間外労働賃金シミュレーションシステム。 - 前記シミュレーションモジュールは、前記所定労働時間パターンが変更される前の時間外労働賃金と所定労働時間パターンが変更された後の時間外労働時間賃金とを並べて表示するよう前記出力部に出力するか、又は前記所定労働時間パターンが変更された場合の時間外労働時間賃金の減少額を表示するよう前記出力部に出力するものであることを特徴する請求項6記載の時間外労働賃金シミュレーションシステム。
- プロセッサと、記憶部と、出力部とを有し、複数の日数にまたがる集計期間内の各労働者の時間外労働賃金に関するシミュレーションを行う時間外労働賃金シミュレーションプログラムが実装又はインストールされたコンピュータで構成された時間外労働賃金シミュレーションシステムであって、
記憶部には、各日において労働者が勤務すべき時間である所定労働時間の情報と、年間カレンダーに基づいて各労働者が出勤すべき日として設定されている出勤日の情報である設定出勤日情報が記録された情報ファイルと、各労働者の各日の出退時刻を記録した出退時刻データファイルとが記憶されており、
時間外労働賃金算出シミュレーションプログラムは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールと、当期時間外労働賃金算出モジュールと、シミュレーションモジュールとを備えており、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルから前記所定労働時間を読み取り、前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データと前記所定労働時間とを比較することで各日の時間外労働時間の実績値を算出し、これを前記所定の集計期間において合計することで集計期間における当該労働者の実際の時間外労働時間の合計値である当期実績値を集計する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働賃金算出モジュールは、当期実績値に従って時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであり、
当期時間外労働時間実績値集計モジュールは、情報ファイルに記録された設定出勤日情報に従って休日出勤の日数と時間を集計することが可能であり、
当期時間外労働時間賃金算出モジュールは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した休日出勤の日数と時間に従って休日出勤に係る時間外労働賃金を算出することが可能であり、
シミュレーションモジュールは、当期時間外労働時間実績値集計モジュールが集計した休日出勤の実績に応じて、休日出勤となっている日を設定出勤日に変更するよう設定出勤日情報が変更された場合にその変更された設定出勤日情報を前記出退時刻データファイルに記録された各日における特定の労働者の出退データに適用して休日出勤の日数と時間を再計算し、再計算した休日出勤の日数と時間に従って休日出勤に係る時間外労働賃金を算出する処理をプロセッサに行わせるモジュールであることを特徴とする時間外労働賃金シミュレーションシステム。 - 前記シミュレーションモジュールは、前記設定出勤日情報が変更される前の休日出勤に係る時間外労働賃金と設定出勤日情報が変更された後の休日出勤に係る時間外労働賃金とを並べて表示するよう前記出力部に出力するものであるか、又は前記設定出勤日情報が変更された場合の時間外労働時間賃金の減少額を表示するよう前記出力部に出力するものであることを特徴とする請求項8記載の時間外労働賃金シミュレーションシステム。
- 前記コンピュータは、ネットワークを介してクライアントからのアクセスされることが可能なサーバであり、前記出力部は、アクセスをしたクライアントに対して情報を送信するものであることを特徴とする請求項6乃至9いずれかに記載の時間外労働賃金シミュレーションシステム。
- 前記出退時刻データファイルは、勤務する労働者が操作する出退時刻採取機からのデータが前記ネットワークを介して送信されて記録されたファイルであることを特徴とする請求項10記載の時間外労働賃金シミュレーションシステム。
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