しかしながら、事業者の中には就業規則と整合しないカレンダや、整合していても就業規則自体が内包する問題により法規上の瑕疵を含んだカレンダしか用意されていないことがある。また、基礎となるカレンダ自体が存在しないこともある。特許文献1あるいは特許文献2の技術を実際に実施しようとしたとき、前者の場合では、使用するカレンダが適法性のないものであっては、時間外労働時間の適法な計算ができるわけがない。また、後者のごとくカレンダ自体が存在しない場合は、こうした技術の活用を図ること自体が根本的に不可能である。こうした状況の事業者の数は案外に多いものであり、前述の「合理的なやり方による時間外労働賃金」の算定や支払いがなされる状況には程遠い。
なお、時間外労働賃金を含む給与の計算を就業規則と整合させた形で自動計算させるシステムの一例は、特許文献3に開示がある。しかし、このシステムは、就業規則を文字列としてデータ化し、これをAI的に解析して給与計算式の項目を抽出する、といった非常に複雑で高価な装置体系を採用しており、現実的には普及するに至っていない。
本発明の課題は、就業規則に従う労働時間カレンダが用意されていない場合にあっても、残業代等の計算に必要な各日の時間外労働時間の値を、各労働者の出退時刻データを用いて合理的に算出できる労働時間計算システムと、それを用いた給与計算システム及びコンピュータプログラムを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の労働時間計算システムは、各労働者の各日付の出退時刻を記録した出退時刻データを取得する出退時刻データ取得部と、各労働者について設定されるべき労働時間制を、一般労働時間制及び変形労働時間制のいずれかに選択的に入力設定する労働時間制入力設定部と、各労働者の所定出勤日に設定するべき日予定所定労働時間を入力する日予定所定労働時間入力部と、出退時刻データに基づいて、各労働者の各日付の総労働時間を日総労働時間として計算する日総労働時間計算部と、各労働者について各日付にかかる日付属性を、計算された日総労働時間が所定値未満となる日付については休日と判別し、日総労働時間が所定値を超える日付については所定出勤日と判別する日付属性判別部と、日付属性が所定出勤日と判別された日付については、日総労働時間を、入力された日予定所定労働時間及び労働時間制の種別に応じて用意された日固有法定労働時間の少なくともいずれかと比較するとともに、その比較結果に基づいて当該日付に割り振るべき日所定労働時間を決定する一方、日付属性が休日と判別された日付については日所定労働時間をゼロとして決定する日所定労働時間決定部とを備え、各労働者について、日付と、当該日付に対して判別された日付属性と、日所定労働時間とが互いに対応付けられた労働時間カレンダを作成する労働時間カレンダ作成部と、作成された労働時間カレンダを記憶する労働時間カレンダ記憶部と、各労働者の各日付の日所定労働時間を労働時間カレンダ上にて読み取り、各日付について日総労働時間と日予定所定労働時間と日固有法定労働時間とを比較することにより、各日付の日残業時間を、法定内残業時間と法定外残業時間とに区分して算出する残業時間算出部と、各労働者の各日付の日残業時間を予め定められた集計対象期間について集計することにより集計済残業時間を算出する残業時間集計部と、集計済残業時間を各労働者の特定情報と対応付けて記憶する集計済残業時間記憶部と、集計済残業時間記憶部に記憶された集計済残業時間を出力する集計済残業時間出力部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の給与計算システムは、上記本発明の労働時間計算システムと、労働時間計算システムが出力する集計済残業時間の情報に基づいて各労働者の給与計算を行なう給与計算部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明のコンピュータプログラムの第一は、コンピュータを、上記本発明の労働時間計算システムの各機能実現部として機能させることを特徴とする。さらに、本発明のコンピュータプログラムの第二は、コンピュータを、上記本発明の給与計算システムの各機能実現部として機能させることを特徴とする。
上記本発明の労働時間計算システムにおいては、タイムレコーダ等により記録される出退時刻データを取得し、その出退時刻データに基づいて、各労働者の各日付の総労働時間を日総労働時間として計算する。そして、その計算された日総労働時間の値を用いて労働時間カレンダを作成する点に特徴がある。よって、就業規則に従う労働時間カレンダが用意されていない場合にあっても、作成される労働時間カレンダを用いることで残業代等の計算に必要な各日の残業時間の値を合理的に算出できる。より詳細な作用効果は以下の通りである。
日総労働時間を所定労働時間と残業時間とに区分する基準となるのは、日固有法定労働時間と、契約等で労働者との間で個別に取り決められる日予定所定労働時間の値である。これらの値が個別に組み込まれた詳細な労働時間カレンダが、何らかの事情でユーザ側にて用意できないことを想定し、ユーザ側には最小限の情報として、労働時間制の種別と日予定所定労働時間とを入力させる。労働時間制の種別を入力させるのは、労働基準法(及びその施行規則)上にて各日の法定労働時間が、労働時間制の種別によって異なるためである。本発明において、労働時間制入力設定部にて選択可能な労働時間制の種別は、上記法に法定労働時間の規定が存在する一般労働時間制、週単位、月単位及び年単位の変形労働時間制のいずれかとしている。これにより、作成されるカレンダ上にて設定可能な労働時間制は、労働基準法に適合するもののみとなる。また、本発明において「所定労働時間」は労働基準法に従い「法定労働時間」の範囲内で設定されるものであり、当然、予定所定労働時間も日固有法定労働時間の範囲内で設定入力される。
上記を前提に、労働時間カレンダ作成部は、労働者について各日付にかかる日付属性を、計算された日総労働時間が所定値未満となる日付については休日と判別し、日総労働時間が所定値を超える日付については所定出勤日と判別する。そして、日付属性が所定出勤日と判別された日付については、日総労働時間計算部により計算されている日総労働時間を、入力された日予定所定労働時間と労働時間制の種別に応じて用意された日固有法定労働時間との少なくともいずれかと比較し、その比較結果に基づいて当該日付に割り振るべき日所定労働時間を決定する。他方、日付属性が休日と判別された日付については日所定労働時間がゼロとして決定される。そして、各日付に対し判別された上記の日付属性と日所定労働時間とが紐づけられ、労働時間カレンダとされる。ここで、上記の休日判別のために日総労働時間に対し設定される所定値は、例えばゼロであるが、例えば、30分未満の出勤時間はゼロとみなす、といった取り決めが別途交わされている場合にあっては、ゼロでない正の値を設定することも可能である。ただし、労働基準法への適合性を高めるためには、該所定値はゼロに設定することがより望ましいといえる。
このようにして作成される労働時間カレンダは、労働基準法に適合する日予定所定労働時間と日固有法定労働時間とを参照して決定された日所定労働時間が各日付に設定され、その内容は本質的に遵法的な方向に誘導されたものとなる。さらに、これを参照して残業時間算出部が算出する各日付の法定内残業時間と法定外残業時間も、確実に労働基準法の規定に従う内容のものとなる。
つまり、事業者側において、就業規則と整合しないカレンダや法規上の瑕疵を含んだカレンダしか使えない場合、さらには、カレンダ自体が存在しない場合であっても、本発明によれば、労働基準法の規定に適合する労働時間カレンダを、労働者の出退時刻データに基づいて簡単に作成することができる。また、見方を変えれば、本発明により作成される遵法的な労働時間カレンダを用いた残業時間計算を施行することは、適法な就業規則に則った勤務形態運用を事業者側に促すことにつながり、労務指導上の効果も顕著となる。また、事業者側が仮に残業時間に対する賃金の全額支払いを行なわない場合についても、法定上は賃金支払いの対象となる総残業時間の計算結果を示すことで、例えば違法な賃金支払いの実態とそのリスクとを具体的な数字により事業者に把握させ、適法な勤務形態に導く改革等を促す契機等ともなりうるものである。
労働時間カレンダ作成部は、各労働者の各日付について、日総労働時間の値と労働時間制の設定種別に応じ、各日付固有の日法定労働時間である日固有法定労働時間を決定する日固有法定労働時間決定部を備え、日付、日付属性及び日所定労働時間と日固有法定労働時間とを対応付けて労働時間カレンダを作成するものとして構成できる。この場合、残業時間算出部は、労働時間カレンダを参照することにより、各日付の法定外残業時間を、対応する日固有法定労働時間を用いて算出するものとされる。労働時間カレンダ内にて各日付に日固有法定労働時間が設定されていることで、各日付の法定外残業時間をより誤りなく算出することが可能となる。特に、変形労働時間制が採用されている場合、日固有法定労働時間は週単位、月単位、あるいは年単位で変動することが法定上許されていることから、労働時間カレンダの各日付に日固有法定労働時間を定めておくことで、各日の法定外労働時間の算出をより簡単かつ確実に行なうことができる。なお、日、週、月の各固有法定労働時間は、
労働時間カレンダ作成部は、日付と、当該日付に対して判別された日付属性と、日所定労働時間の計算結果とを互いに対応付けた日労働時間カレンダと、労働時間カレンダを週に区切り、区切られた個々の週に週特定情報を付与した週労働時間カレンダとを労働時間カレンダとして作成するものとして構成できる。この場合、各週について日総労働時間を集計することにより週総労働時間を算出する週総労働時間算出部を設けておく。残業時間算出部は、各週について各日の法定外残業時間の合計である週累積日法定外残業時間を算出する一方、週総労働時間を予め定められた週固有法定労働時間と比較し、その比較結果において週固有法定労働時間を超過する週超過労働時間が生ずる場合に、該週超過労働時間を、週累積日法定外残業時間に加算することにより週総法定外残業時間を算出する週総法定外残業時間算出部を備えるものとして構成することができる。労働基準法(及びその施行規則)では、労働者の1週間当たりの法定労働時間である週固有法定労働時間についても規定があり、1週間の総労働時間のうち週固有法定労働時間を超える労働時間は法定外残業時間として割増賃金支払いの対象となる。出退時刻データから作成された日労働時間カレンダをもとに、上記のような週労働時間カレンダを作成することで、週超過労働時間を含めた形で週総法定外残業時間を労働基準法の規定に従い、正確に算出することができる。
この場合、労働時間カレンダ作成部は、各週について、労働時間制の設定種別に応じ、各週固有の週法定労働時間である週固有法定労働時間を決定する週固有法定労働時間決定部を備え、週特定情報と週固有法定労働時間とを対応付けて週労働時間カレンダを作成するものとして構成しておくとさらに良い。残業時間算出部は、週労働時間カレンダを参照することにより、週超過労働時間を、週総労働時間と週固有法定労働時間との差分として決定するものとして構成できる。労働時間カレンダ内にて各週に週固有法定労働時間が設定されていることで、各週の週超過労働時間をより誤りなく算出することが可能となる。特に、変形労働時間制が採用されている場合、週固有法定労働時間は週単位、月単位、あるいは年単位で変動することが法定上許されているが、労働時間カレンダの各週に週固有法定労働時間を定めておくことで、各週の週超過労働時間の算出をより簡単かつ確実に行なうことができる。
上記の構成では、労働時間制として一般労働時間制が入力設定されている場合において、日所定労働時間決定部は、日総労働時間が8時間未満の日付については日所定労働時間を日総労働時間と等しく設定する一方、日総労働時間が8時間を超える日付については日所定労働時間を8時間に設定する。これにより、早退や遅刻等により、日総労働時間が法定労働時間である8時間よりも少なくなる出勤日については、その少なくなった日総労働時間を日所定労働時間として設定することで、これを日予定所定労働時間から減ずることにより、労働基準法に従う賃金減額の対象となる不足時間の算出を的確に行うことができる。他方、一般労働時間制が入力設定されている場合において労働基準法に従う法定外残業時間の算出を一律にかつ正確に行なう観点にて、日固有法定労働時間決定部は、各日付の日固有法定労働時間を一律に8時間として決定し、週固有法定労働時間決定部は、各週の週固有法定労働時間を一律に40時間として決定するように構成することが望ましい。なお、日、週、月の各固有法定労働時間は、法定外残業時間等を適法に算出うえでの都合上、労働基準法施行規則に定められた法定労働時間と一致しない値が設定されることもあり得る(特に、変形労働時間制が採用されている場合)。
次に、変形労働時間制が採用される場合の望ましい態様について説明する。変形労働時間制とは、労働時間を月単位・年単位で調整することで、繁忙期等により勤務時間が増加しても時間外労働としての取扱いを不要とする労働時間制度であり、繁忙期や閑散期など、業務にかかる時間が月や週ごとにバラつきがある場合に労働時間を調整できる利点がある。他方、変形労働時間制を、従業員を何時間でも働かせてよい制度と勘違いしているブラック企業も少なくない。変形労働時間制の場合でも法律で規定された労働時間を超えた分は残業代として支払わなければならないが、時間外労働時間の算出が複雑化する難点があった。
本発明において労働時間制入力設定部は、変形労働時間制として週単位の変形労働時間制を入力設定可能に構成できる。該週単位の変形労働時間制が入力設定されている場合においては、次のように構成することで、上記の問題を解決することができる。まず、日所定労働時間決定部は、日総労働時間の値によらず各日付の日所定労働時間を日総労働時間と等しく設定する。また、週固有法定労働時間決定部は、週単位の変形労働時間制が入力設定されている場合は各週の週固有法定労働時間を一律に40時間として決定する。
週単位の変形労働時間制では、週単位で法定労働時間の上限が定められており、本来は明確な日固有法定労働時間(ひいては、日所定労働時間)や、1日当たりの法定内残業時間及び法定外残業時間の概念は存在しない。しかし、本発明の上記態様では、作成する日労働時間カレンダ上の各日付に対し、日総労働時間と等しい値が日所定労働時間としてあえて設定される。すなわち、日総労働時間と等しい値が日所定労働時間として常に設定される結果、1日当たりの法定内残業時間は日総労働時間と無関係に常にゼロとして算出される。他方、週固有法定労働時間決定部は、各週の週固有法定労働時間を一律に40時間として決定するので、例えば(一般労働時間制の法定労働時間である)8時間を超過する日総労働時間の所定出勤日が過度に設定されるような就業状態が発生した場合も、週固有法定労働時間である40時間を超える労働時間は法定外残業時間として的確に算出される。すなわち、作成される日労働時間カレンダ上にて上記のような設定を行なうことで、1日当たりの法定労働時間の制限がない週単位の変形労働時間制が採用されている場合についても法定外残業時間を的確に算出でき、事業者に対する労務指導上の効果も顕著となる。
本発明において労働時間制入力設定部は、変形労働時間制として月単位の変形労働時間制を入力設定可能に構成することもできる。該月単位の変形労働時間制が入力設定されている場合においては、次のように構成することが望ましい。すなわち、日労働時間カレンダを月に区切るとともに区切られた個々の月に対し、各月の日数に応じた各月固有の月法定労働時間である月固有法定労働時間を決定する月固有法定労働時間決定部を設ける。また、日所定労働時間決定部は、日総労働時間の値によらず各日付の日所定労働時間を日総労働時間と等しく設定するものとする。週固有法定労働時間決定部は、各週に対する週固有法定労働時間の制限を設けないものとする。残業時間算出部は、各月についての総労働時間の合計である月総労働時間を算出するとともに、該月総労働時間を月固有法定労働時間と比較し、その比較結果において月固有法定労働時間を超過する月超過労働時間が生ずる場合に、該月超過労働時間を月総法定外残業時間として算出する月総法定外残業時間算出部を備えるものとして構成する。
月単位の変形労働時間制では、日総労働時間とともに週総労働時間の上限が撤廃され、これに代わって1か月あたりの総労働時間の上限が(月)法定労働時間によって制限される。よって、上記の構成によると、週単位の変形労働時間制が採用される場合と同様に、日総労働時間と等しい値が日所定労働時間として常に設定される結果、日当たりの法定内残業時間は日総労働時間と無関係に常にゼロとして算出される。週固有法定労働時間決定部は週固有法定労働時間の制限を設けない一方、月総労働時間を算出し、該月総労働時間のうち月固有法定労働時間を超過する部分である月超過労働時間を月総法定外残業時間として算出する。これにより、例えば(一般労働時間制の法定労働時間である)8時間を超過する日総労働時間の所定出勤日が過度に設定されるような就業状態が発生した場合も、月固有法定労働時間を超える労働時間は法定外残業時間として的確に算出できる。すなわち、作成される日労働時間カレンダ上にて上記のような設定を行なうことで、日当たりの法定労働時間の制限がない月単位の変形労働時間制が採用されている場合についても法定外残業時間を適法に算出でき、事業者に対する労務指導上の効果も顕著となる。
なお、週単位の変形労働時間制又は月単位の変形労働時間制を入力設定する場合、日固有法定労働時間決定部は、日総労働時間が8時間を超える日付については日固有法定労働時間を日総労働時間と等しい値に決定するように構成しておくことで、当該日付について日法定内残業時間を常にゼロとして算出することができる。一方、日固有法定労働時間決定部は、日総労働時間が8時間未満の日付については日固有法定労働時間を8時間に決定するように構成しておくことで、当該日付について日法定外残業時間を常にゼロとして算出することができる。
本発明において労働時間制入力設定部は、変形労働時間制として年単位の変形労働時間制を入力設定可能に構成することもできる。該年単位の変形労働時間制が入力設定されている場合においては、次のように構成することが望ましい。すなわち、日所定労働時間決定部は、日総労働時間が10時間未満となる日付については日所定労働時間を日総労働時間と等しくなるように決定する一方、日総労働時間が10時間を超える日付については日所定労働時間を10時間として決定するものとする。また、週固有法定労働時間決定部は、日所定労働時間の合計が52時間を超える週について週固有法定労働時間を52時間として決定するものである
年単位の変形労働時間制は、事業所が定めた1か月を超え1年以内の一定期間(対象期間)を平均して、1週間あたりの労働時間が40時間以下になっていれば、40時間を超える週や8時間を超える日があっても、時間外労働として取り扱わなくてもよい、という制度として理解することができる。これは、季節的に忙しい時期が決まっているなど、年のうちに業務の繁閑がある場合や週休2日制を実施できない場合において有益な制度であり、労働時間の弾力的な運用を図ることができる利点がある。具体的には、日総労働時間、週総労働時間及び月総労働時間のいずれについても上限が撤廃され、これに代わって1年あたりの総労働時間の上限が(年)法定労働時間によって制限される。しかし、1日当たりあるいは1週間当たりの労働時間が無制限に拡大されないよう、年単位の変形労働時間制には、労働基準法(及び施行規則)において日総労働時間には10時間の、週総労働時間には52時間の、それぞれ上限が定められている。
上記の構成においては、日総労働時間が10時間を超える日付については日所定労働時間が法定上限の10時間として決定され、これを超過する労働時間は日法定外残業時間として的確に算出される。また、週固有法定労働時間決定部は、日所定労働時間の合計が52時間を超える週について週固有法定労働時間を52時間と定めるので、これを超過する週総労働時間のうちこれを超過する部分は、週法定外残業時間として的確に算出される。
なお、年単位の変形労働時間制を入力設定する場合、日固有法定労働時間決定部は、日総労働時間が10時間を超える日付については日固有法定労働時間を10時間として決定し、日総労働時間が8時間を超え10時間未満となる日付については日固有法定労働時間を日総労働時間と等しく決定し、日総労働時間が8時間未満となる日付については日固有法定労働時間を8時間として決定するように構成しておくと、日総労働時間が10時間未満となる日付について日法定外残業時間を常にゼロとして算出することができる。また、同様に、週固有法定労働時間決定部は、日所定労働時間の合計が40時間を超え52時間未満の週については週固有法定労働時間を週総労働時間と等しく決定し、日所定労働時間の合計が40時間未満の週については週固有法定労働時間を40時間に決定するように構成しておくと、週総労働時間が52時間未満となる日付について週法定外残業時間を常にゼロとして算出することができる。
次に、出退時刻データから算出される総労働時間が所定値未満となる日付は、それだけでは休日の種別までは判別できない。これを解決するために、本発明の労働時間計算システムには、各労働者についての法定休日設定条件を入力する法定休日設定条件入力部を設けることができる。労働時間カレンダ作成部の日付属性判別部は、入力された法定休日設定条件と、日付属性が休日と判別された日付の出現形態とに基づいて、休日と判別された日付が法定休日であるか否かを判別する法定休日判別部を備えたものとして構成できる。残業時間集計部は、法定休日と判別された日付に対する日総労働時間を休日出勤時間として別途集計するものとして構成できる。これにより、労働時間カレンダ作成部が作成する労働時間カレンダに法定休日を反映させることができ、割増賃金の対象となる休日出勤時間の算出を的確に行うことができる。
この場合、法定休日設定条件入力部は、法定休日体系を曜日固定、曜日不定1週1日及び曜日不定4週4日のいずれかに選択的に入力設定する法定休日体系入力設定部と、入力設定された法定休日体系が曜日固定であった場合に、固定設定されるべき法定休日曜日を入力設定する法定休日曜日入力設定部とを有するものとして構成できる。法定休日判別部は、選択された法定休日体系が曜日固定であった場合には、選択された法定休日曜日と曜日の合致する休日を法定休日として判別し、選択された法定休日体系が曜日不定1週1日であった場合には各週の休日のうち1日までを法定休日として判別し、選択された法定休日体系が曜日不定4週4日であった場合には各週を4週単位にて区分するとともに、区分された各4週にそれぞれ現れる休日のうち4日までを法定休日として判別するものとして構成できる。これにより、交代勤務等の関係で生ずる変則的な法定休日設定についても、作成される労働時間カレンダに的確に反映させることができる。
また、本発明の労働時間計算システムには、各労働者について届出された有給休暇日付を入力する有給休暇日付入力部を設けることができる。労働時間カレンダ作成部の日付属性判別部は、入力された有給休暇日付の日付属性を有給休暇として判別するものとして構成できる。残業時間集計部は、有給休暇と判別された日付に対する日総労働時間を有給休暇時間として別途集計するものとして構成できる。これにより、出退時刻データのみでは判別できない有給休暇を作成される労働時間カレンダに的確に反映させることができる。なお、有給休暇日付入力部は、有給休暇時間の取得形態として午前のみ、午後のみ及び午前午後通しのいずれかのみを選択入力可能としておくと、労働基準法への適合性をより高めることができる。
さらに、本発明の労働時間計算システムには、各労働者について届出された振替休日情報を入力する振替休日情報入力部を設けることができる。この場合、労働時間カレンダ作成部は、入力された振替休日情報の内容に基づいて、対象となる日付にかかる日付属性を所定出勤日と休日との間で振り替える日付属性振替部を有するものとして構成できる。出退時刻データから算出される総労働時間が所定値未満となる日付は、それだけでは別の休日からの振替えであるか否かまでは判別できない。上記構成により、労働時間カレンダ作成部が作成する労働時間カレンダに振替休日の届け出を的確に反映させることができる。
本発明の効果については、課題を解決する手段の欄にて詳細に説明したので、ここでは繰り返さない。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づき説明する。
図1は、 本発明の給与計算システムの一構成例を示すブロック図である。給与計算システム1は、公共通信網としてのインターネット6により相互に接続される労務管理サーバ5と、複数のユーザ端末2を含んで構成される。労務管理サーバ5は例えばクラウドサーバとして構成されるものであり、給与計算ソフトウェア5aがインストールされている。各ユーザ端末2から労務管理サーバ5にインターネットを介してログインすることにより、給与計算ソフトウェア5aをクラウドソフトウェアの形態で利用することができる。
図2は、ユーザ端末2のブロック図である。ユーザ端末2はマイコンを処理主体として備えたパーソナルコンピュータ(PC)として構成されている。該マイコンは、CPU51、プログラム実行領域となるRAM52、ROM53、入出力部54及びそれらを相互に接続するバス50B等からなる。また、バス50Bにはハードディスクドライブ(フラッシュメモリ等の半導体記憶デバイスで構成されていてもよい)にて構成された大容量記憶装置55が接続され、ここに周知のオペレーティングシステム(OS)ソフトウェア55a、通信ソフトウェア55b及びインターネットブラウザ55cがインストールされている。また、入出力部54にはモニタ56及びキーボード等で構成された入力部57が接続されている。さらに、バス50Bにはブロードバンドルータ60が接続され、該ブロードバンドルータ60を介してユーザ端末2はインターネット6に接続される。
また、大容量記憶装置55には、本発明の労働時間計算システムの主機能を実現するための主ソフトウェア55dがインストールされている。主ソフトウェア55dは、データ入力モジュール55d1、カレンダ作成モジュール55d2、労働時間計算モジュール55d3及びCSVファイル生成モジュール55d4の各プログラムモジュールを含む。該主ソフトウェア55dは、本実施形態では労働時間計算に好都合な表計算ソフトウェア(例えば商標名:Microsoft Excel)上に構築されている場合を例にとるが、ソフトウェア形態はこれに限られるものではない。
主ソフトウェア55dは、例えば図1において、所定の配信サーバ3よりインターネット6を経由してダウンロードすることにより、個々のユーザ端末2にインストール可能である。また、CD−ROMや着脱式メモリ媒体などからインストールできるように構成してもよい。図2においては、着脱式メモリ媒体としてのUSBメモリ59mを装着するためのUSBメモリ装着部59を設けている(当然、CD−ROMを使用する場合はCD−ROMドライブの実装が必要であるが、周知のデバイスのため、図示は省略している)。
大容量記憶装置55には、給与計算システム1のユーザである会社や法人、商店、個人事業主(以下、これらを総称する場合は「事業者」ともいう)からコンピュータ読み取り可能な形で作成・提出される、労働時間計算の基礎となる元データ55eが記憶されている。元データ55eは、具体的には、事業者の基本情報であるカルテデータ55e0(共通項目リストデータ55e1及び所属別項目リストデータ55e2を含む)、社員マスタデータ55e3、提出カレンダデータ55e4、休暇申請データ55e5、早出・遅刻申請データ55e6、宿直申請データ55e7及び出退勤打刻データ(以下、単に打刻データともいう)55e8を含むものである。これらのデータは、インターネット6を経由した通信による取得(例えば、電子メールの添付ファイルやサーバからのダウンロード)、あるいは、USBメモリ59m等の記憶媒体を介しての取得が可能であり、データ入力モジュール55d1がその機能実現を担う。つまり、出退時刻データ取得部の機能が実現されている。
以下、元データ55eの構成例について説明する。
図3は、カルテデータ55e0に含まれる出退勤打刻データ55e8の一例を示すものである。出退勤打刻データ55e8は事業所等に配備された出退管理用のタイムレコーダにより打刻記録されるデータを、労働者(社員)別に集約したものであり、特許請求の範囲に記載した「出退時刻データ」に相当するものである。本実施形態では表計算ソフトウェアのスプレッドシートの形でデータ化されており、各労働者の特定情報である社員コード、名前、日付、出勤時刻、退勤(退出)、休憩入時刻、休憩戻時刻などのデータが互いに対応付けられた構造を有する。
図4は、カルテデータ55e0に含まれる共通項目リストデータ55e1の例を示すものであり、具体的には、事業者の名称(会社名)、所在地(郵便番号及び住所)、通知先担当者、通知先メールアドレス、通知先電話番号などが含まれる。一方、選択入力項目として、「休憩入力方法」、「出勤時間の差し替え」、「宿直規定」及び「有の場合、宿直手当に深夜勤務手当が含まれているか」が含まれ、それぞれプルダウンメニューによるデータ入力が可能となっている。「休憩入力方法」は、図3の出退勤打刻データ55e8上での休憩時間入力のフォーマットを規定する情報であり、図5に示す如く「入-戻時刻」及び「取得時間」のいずれかで選択が可能である。図3の出退勤打刻データ55e8は「入-戻時刻」が選択された場合のフォーマットでの表示であり、「取得時間」が選択された場合は、休憩取得した時間長が、図3の休憩入時刻及び休憩戻時刻の代わりに出退勤打刻データ55e8のスプレッドシートに組み込まれる。また、「出勤時間の差し替え」については「する」「しない」のいずれかに選択入力が可能である。また、図示はしていないが、「宿直規定」については「有」「無」のいずれかに、「有の場合、宿直手当に深夜勤務手当が含まれているか」は「含まれている」「含まれていない」のいずれかに選択入力がそれぞれ可能である。
図6は、カルテデータ55e0に含まれる所属別項目リストデータ55e2の例を示すものであり、具体的には、事業者の所属部署を特定する「所属」、該所属部署が採用する労働時間制の種別を選択入力するための「労働時間制」、給与払いの単位期間を選択入力するための「給与払い」、労働時間カレンダ上の週の起算曜日を選択入力するための「起算曜日」、法定休日設定条件を入力するための「法定休日」(法定休日設定条件入力部の機能を担う)、週の基本法定休日を選択入力するための「基本法定休日」、午前の予定所定労働時間を入力するための「午前時間」、午後の予定所定労働時間を入力するための「午後時間」(各労働者の所定出勤日に設定するべき日予定所定労働時間を入力する日予定所定労働時間入力部の機能が実現されている)、および「カレンダの提出方法」の各項目が定められている。
「所属」項目には、所属部署の特定情報(本実施形態では、所属部署ごとに定められた番号)が入力される。また、図7に示すように、「労働時間制」項目はプルダウンメニューにより、一般労働時間制、変形労働時間制(1週間)、変形労働時間制(1か月間)及び変形労働時間制(1年間)の4つから選択が可能である。つまり、各労働者について設定されるべき労働時間制を、一般労働時間制及び変形労働時間制のいずれかに選択的に入力設定する労働時間制入力設定部の機能が実現されている。「給与払い」項目はプルダウンメニューにより、「時」「日」「月」のいずれかが選択入力可能である。「法定休日」項目は、「固定」「1週1日」「4週4日」」のいずれかが選択入力可能である。「基本法定休日」項目は、「法定休日」として「固定」が選択された場合の曜日を選択するためのものであり、プルダウンメニューにより7つの曜日のいずれかが選択入力可能である。「カレンダの提出方法」項目は、提出可能な労働時間カレンダが事業所に存在する場合はプルダウンメニューにより、「毎年作成」(年カレンダ)、「毎月作成(所属)」(月カレンダ(所属部署別))、「毎月作成(個人)」(月カレンダ(労働者別))のいずれかから選択が可能である。一方、提出可能な労働時間カレンダが事業所に存在しない場合は「打刻データ」が選択される。「打刻データ」が選択された場合、労働時間カレンダは提出されるのではなく、図3の出退勤打刻データ55e8を用いてカレンダ作成モジュール55d2が作成する処理となる。
次に、図8は、社員マスタデータ55e3の内容例を示すものであり、労働者特定情報(社員コード)、労働者名(名前)及び所属部署特定情報(所属)の各情報が互いに対応付けられたものである。
図9は、提出カレンダデータ55e4の一例として、所属部署別の年間の労働時間カレンダ(年カレンダ)の内容例を示すものであり、所属部署特定情報(所属)、日付、日付属性(日付種別)、(日)予定所定労働時間及び出勤予定時刻の各情報が互いに対応付けられている。図10上は、所属部署別の月間の労働時間カレンダ(月カレンダ)の内容例を示すものであり、所属部署特定情報(所属)、日付、日付属性(日付種別)、(日)予定所定労働時間及び出勤予定時刻の各情報が互いに対応付けられている。図10下は、労働者個人別の月カレンダの内容例を示すものであり、労働者特定情報(社員コード)、労働者名(名前)、日付、日付属性(日付種別)、(日)予定所定労働時間及び出勤予定時刻の各情報が互いに対応付けられている。
図11は、休暇申請データ55e5の内容例を示すものであり、労働者特定情報(社員コード)、労働者名(名前)、申請内容、申請日、休む日、休む長さ、全日休まない場合の出勤時刻、代わりに働く日(代替休日・振替休日の場合)、働く長さ及びその場合の出勤予定時刻の各情報が互いに対応付けられている。これらの各項目は、労働者から提出される休暇申請書の記入内容に従い、データ入力される。このうち、申請内容はプルダウンメニューにより、「有給休暇」「代替休日」「振替休日」のいずれかが選択入力される(有給休暇日付入力部の機能を担う)。また、休む長さについては「終日」「AM」(午前)及び「PM」(午後)のいずれかのみが選択可能となっており、これよりも短い時間単位での休暇申請が受け付けられないようになっている。
図12は、早出・遅刻申請データ55e6の内容例を示すものであり、労働者特定情報(社員コード)、労働者名(名前)、対象日、早出/遅刻の種別及び出勤時刻の各情報が互いに対応付けられている。これらの各項目は、労働者から提出される早出・遅刻申請書の記入内容に従い、データ入力される。図13は、宿直申請データ55e7の内容例を示すものであり、労働者特定情報(社員コード)、労働者名(名前)及び宿直日の各情報が互いに対応付けられている。これらの各項目は、労働者から提出される宿直申請書の記入内容に従い、データ入力される。
次に、図2の労働時間計算モジュール55d3は、以下の機能を実現するためのものである。
・日総労働時間計算部:出退時刻データに基づいて、各労働者の各日付の総労働時間を日総労働時間として計算する。
・残業時間算出部:残業時間算出部各労働者の各日付の日所定労働時間を労働時間カレンダ上にて読み取り、各日付について日総労働時間と日予定所定労働時間と日固有法定労働時間とを比較することにより、各日付の日残業時間を、法定内残業時間と法定外残業時間とに区分して算出する。
・残業時間集計部:各労働者の各日付の日残業時間を予め定められた集計対象期間について集計することにより集計済残業時間を算出する。
また、カレンダ作成モジュール55d2は労働時間カレンダ作成部の機能を実現するためのものであり、以下の機能実現部を含む。
・日付属性判別部:各労働者について各日付にかかる日付属性を、計算された日総労働時間が所定値未満となる日付については休日と判別し、日総労働時間が所定値を超える日付については所定出勤日と判別する。
・日所定労働時間決定部:日付属性が所定出勤日と判別された日付については、日総労働時間を、入力された日予定所定労働時間及び労働時間制の種別に応じて用意された日固有法定労働時間の少なくともいずれかと比較するとともに、その比較結果に基づいて当該日付に割り振るべき日所定労働時間を決定する一方、日付属性が休日と判別された日付については日所定労働時間をゼロとして決定する。
そして、各労働者について、日付と、当該日付に対して判別された日付属性と、日所定労働時間とが互いに対応付けられた労働時間カレンダを作成する。
作成された労働時間カレンダは作成カレンダデータ55fとして大容量記憶装置55に記憶される(その記憶エリアは労働時間カレンダ記憶部を形成する)。図14は、作成カレンダデータ55fの一例を示すものであり、各労働者について個別に作成されるものである。具体的には、「所属」、「日付」及び「曜日」の項目と、後述のカレンダ作成処理に伴い算出ないし決定される「日付属性」、事前入力されるか打刻データ上の最頻の出勤時刻等から推定される「出勤予定時刻」、「日所定労働時間」(DWH)、「日固有法定労働時間」(SWH)の各項目の値が対応づけられている(該部分は日労働時間カレンダを形成している)。また、日労働時間カレンダは、「所属」項目の内容に対応する所属別項目リストデータ55e2の情報を用いて週に区切られ、区切られた個々の週に週特定情報(週番号)が付与される。そして、各週番号に対し、後述のカレンダ作成処理に伴い算出ないし決定される週予定所定労働時間DWH’及び週固有法定労働時間(SWH’)が対応付けられる(該部分は週労働時間カレンダを形成している)。さらに、各週は月単位に区切られ、これに対応して、月単位の変形労働時間制において用いられる月固有法定労働時間SWH”の項目も対応付けられている。
なお、週予定所定労働時間DWH’は、労働基準法によると、週単位の変形労働制の場合は40時間以内に定められ、月単位の変形労働制の場合は特に上限は設けられない。また、年単位の変形労働制の場合は、労働基準法によると52時間を超えない範囲で適宜設定が可能である。よって、週予定所定労働時間DWH’は、各週について適法な数値を予め入力しておくことが望ましい。
次に、集計済残業時間のデータは労働時間計算集計データ55gとして大容量記憶装置55に記憶される(その記憶エリアは集計済残業時間記憶部を形成する)。図15は、労働時間計算集計データ55gの一例を示すものであり、これも各労働者について個別に作成されるものであり、具体的には、個別に労働者特定情報としての社員番号が付与されるとともに、「日付」、「日総労働時間」(TWH)、「日深夜勤務時間(NWH)、「日法定内残業時間」(SOH)、「日法定外残業時間」(NSO)、「日不足労働時間」(QWH)、「休日出勤時間」、「週番号」、「週総労働時間」(TWH)、「週深夜勤務時間(NWH)、「週法定内残業時間」(SOH)、「週法定外残業時間」(NSO)及び「60時間超残業時間」の各集計・算出項目が労働時間カレンダと類似の形式にて互いに対応付けられたデータ構造を有する。
図16は、主ソフトウェア55dによる本発明の労働時間計算システムの主処理の流れを示すものである。S1(カルテデータ作成)では、ユーザが提供する元データを取り込み、社員マスタの作成処理等が実行される。S2(提出カレンダデータ統合)では、元データに複数に分割して提出されたカレンダデータが含まれている場合、これを統合する処理を行なう。S3(打刻修正)では、出退勤打刻データ55e8の打刻データの丸め・修正処理を行なう。S4(日総労働時間算出)では、打刻データの出退勤時刻・休憩時間から各日の総労働時間を算出する。
S5(日カレンダー作成)では、各日の日総労働時間から、提出されるカレンダデータが存在しない社員の日労働時間カレンダ(以下、日カレンダともいう)を作成する。S6(週カレンダ作成)では、日カレンダを集計し、週労働時間カレンダ(以下、週カレンダともいう)を作成する。S7(月カレンダ作成)では、週カレンダを集計し、月労働時間カレンダ(以下、月カレンダともいう)を作成する。S8(休暇申請反映)では、日労働時間カレンダを労働時間計算集計データ55g(図15)に引き当て、休暇申請データを反映させる。
また、S9(日総労働時間振分)では、日所定労働時間、日固有法定労働時間、日付属性から総労働時間を振り分ける処理を行なう。S10(週労働時間積算・振分け)では、日単位の各労働時間の集計結果を週ごとに積算する。また、週カレンダをもとに、各労働時間の週単位合計を再振り分けする。S11(月労働時間積算・振分け)では、週単位の各労働時間の集計結果を月ごとに積算する。また、月カレンダをもとに、各労働時間の月単位合計を再振り分けする。
図17は、カルテデータ作成処理(図16:S1)の詳細を示すフローチャートである。S101ではユーザから提供される元データを取得する。具体的には、カルテデータ55e0(図4:共通項目リストデータ55e1、図6:所属別項目リストデータ55e2)、提出カレンダデータ55e4(図9又は図10)及び出退勤打刻データ55e8を、インターネット6(図1)経由したダウンロードあるいは電子メール等による通信取得、記憶媒体からの読み取り、あるいは手入力等により取得する。S102では社員マスタデータを同様に取得する。
S103では、図4の共通項目リストデータ55e1に含まれるプルダウンメニューによる入力項目、すなわち図4に示す「宿直規定の有無」及び「宿直手当に深夜勤務手当が含まれているか」についての選択・入力を行なう。S104では、図6の所属別項目リストデータ55e2に含まれるプルダウンメニューによる入力項目、すなわち図7に示す労働時間制(一般/変形(週・月・年))、給与払い体系(時給/日給/月給)、法定休日体系(固定・1週1日・4週4日)、基本となる法定休日の曜日(日〜土)などの選択・入力を行なう。また、S105では、図11の休暇申請データ55e5の取得と、プルダウンメニューによる入力項目、すなわち、申請内容(有給・代休・振替休日)及び休む長さ(終日・AM・PM)の選択・入力を行なう。最後に、S106では、図12の早出・遅刻申請データ55e6及び図13の宿直申請データ55e7の取得を行なう。
図18は、提出カレンダデータ統合処理(S2)の詳細を示すものである。S201ではまず、労働時間データ作成の対象となる所属部署について、図6の所属別項目リストデータ55e2の「カレンダの提出方法」の項目として、何が参照されているかを参照する。該項目で「打刻データ」が選択されている場合は提出カレンダデータがないことを意味し、提出カレンダデータ統合処理は不要であり、次の打刻修正処理(S3)のステップへと進む。一方、それ以外が選択されている場合はS202に進み、カレンダ提出形態として何が選択されているかの判別を行なう。本実施形態では、提出カレンダデータ55e4として、年カレンダ(図9)の提出があった場合、所属部署別の月カレンダ(図10上)の提出があった場合及び労働者個人別の月カレンダ(図10下)の提出があった場合を想定しており、S203〜S205ではそれぞれ提出されたカレンダデータを、労働時間カレンダを作成する場合に使用するカレンダひな形ファイル(図14参照)の日カレンダ部分の各項目に転送する。これにより、S204及びS205では、提出された各月の月カレンダデータが年カレンダの形に統合される。本実施形態では、提出カレンダデータに含まれる(日)予定所定労働時間の各日付の値を、図14の日所定労働時間(DWH)の各値として転送する。また、日固有法定労働時間(SWH)の各値は、選択されている労働時間制の種別と日付属性に応じて、予め定められた値に設定される(日固有法定労働時間決定部の機能が実現されている)。週カレンダ及び月カレンダ部分の各値は、後述のカレンダ作成時の処理と同じである。
次に、図19は、打刻修正処理(S3)の処理の詳細を示すものである。この処理は、各労働者の出退勤打刻データ55e8(図3)に対し、各日付について実行される。まず、S301では、共通項目リストデータ55e1(図4)にて「出勤時間の差し替え」が「する」に選択されている場合はS302に進む。S302では、該当する日付にて該当する労働者の早出・遅刻申請データが入力されているか否かが判断され、されていない場合はS303に進み、当該日付の(打刻された)出勤時刻データを日カレンダの出勤予定時刻で置き換える処理を行なう。これにより、打刻された出勤時刻データが日によってばらついていても、予め取り決めされた出勤予定時刻に一律に丸め処理される。
他方、S302で早出・遅刻申請データが存在する場合はS304に進み、申請された時刻にて出勤時刻データが置き換えられる。なお、事前申請なしで遅刻や早出を行なった場合は、後日早出・遅刻申請データが提出・補充される運用が前提であり、早出・遅刻申請データが存在しない(つまり、届け出が失念された)早出ないし遅刻に対応する出勤時刻データは考えない。続いてS305では、同じ日付にて打刻されている出勤時刻と退勤(退出)時刻とを比較する。これは、退勤時刻が日付をまたいでいないかを確認するためのものであり、退勤時刻が出勤時刻よりも小さくなっている場合は日付をまたいだと判断し、S306に進んで退勤時刻に24時間加算する処理を行なう。この場合、退勤時刻は、例えば30時間制の範囲内で表示するものとする。
続いて、図20は、日総労働時間算出処理(S4)の詳細を示すものである。この処理も、各労働者の出退勤打刻データ55e8(図3)に対し、各日付について実行される。S401では、カレンダひな形ファイル(図14参照)を開く。各日付の日総労働時間の計算結果は、後述の労働時間計算集計データ55g(図15)の対応する日付のセルに書き込まれることとなる。S402では、拘束時間RHを退勤時刻ET−出勤時刻ATにて算出する。この拘束時間RHには総労働時間WTHから控除されるべき休憩時間VHが含まれている。また、遵法的な就業規則が制定される場合に想定される深夜手当支給のための労働時間計算が考慮されたアルゴリズムが採用されている。以下、詳細に説明する。
S403では、該当する日付について該当する労働者の宿直申請データが入力されているか否かを調べる。入力されている場合はS404に進み、入力されていない場合はS404をスキップする。S404では、共通項目リスト55e1(図4)にて、宿直手当に深夜手当が含まれているか否か(宿直手当における深夜手当支給の規定があるかないか)を調べ、含まれている(深夜手当の支給規定あり)が選択されている場合はS406に進み、含まれていない(深夜手当の支給規定なし)が選択されている場合はS405に進んで深夜拘束時間NRH=0とする。S406に進んだ場合は、労働基準法が定める深夜時間帯の開始時刻22:00から翌朝5:00までの間に拘束時間RHがかかっているか否かを、AT≧05:00かつET≦22:00を充足しているか否かにより調べる。S406でnoの場合はS407に進み、深夜拘束時間算出処理となる。S406でyesの場合はS405に進み、深夜拘束時間NRH=0とする。
図21は、深夜拘束時間算出処理の一例を示す。S40701ではAT<05:00であるか否かを調べる。S40701でyesの場合はS40702に進み、ET<05:00であるか否かを調べる。S40702でyesの場合はS40703Aに進み、深夜拘束時間(1)をET−ATにて算出する。S40702でnoの場合はS40703Bに進み、深夜拘束時間(1)を05:00 −ATにて算出する。他方、S40701でnoの場合はS40702〜S40704をスキップする。
次に、S40705ではET>22:00であるか否かを調べる。S40705でyesの場合はS40706に進み、AT>22:00であるか否かを調べる。S40706でyesの場合はS40707に進み、さらにET<29:00であるか否かを調べる。S40707でyesの場合はS40708に進み、深夜拘束時間(2)をET−ATにて算出する。S40707でnoの場合はS40709に進み、深夜拘束時間(2)を29:00−ATにて算出する。
一方、S40706でnoの場合はS40710に進み、ET<29:00であるか否かを調べる。S40710でyesの場合はS40711に進み、深夜拘束時間(2)をET− 22:00にて算出する。S40710でnoの場合はS40712に進み、深夜拘束時間(2)を29:00 − 22:00にて算出する。また、S40705でnoの場合もS40712に進み、同様の処理となる。S40713では、最終的な深夜拘束時間を深夜拘束時間(1)+深夜拘束時間(2)にて算出する。
図20に戻り、S408では、共通項目リストデータ55e1(図4)にて休憩入力方法として何が選択されているかを確認する。「取得時間」が選択されている場合はS409に進み、打刻された値を休憩時間として採用する(これは、深夜休憩時間についても同じである)。一方、「入り・戻り時刻」が選択されている場合はS411に進み、休憩時間VHを戻り時刻VET−入り時刻VATにて算出する。次いで、その休憩時間に含まれる深夜休憩時間を算出するために、S412では、VAT≧05:00かつVET≦22:00を充足しているか否かにより調べる。S412でnoの場合はS413に進み、深夜休憩時間算出処理となる。S412でyesの場合はS410に進み、深夜休憩時間NVH=0とする。
図22は、深夜休憩時間算出処理の一例を示す。S41301ではVAT<05:00であるか否かを調べる。S41301でyesの場合はS41302に進み、VET<05:00であるか否かを調べる。S41302でyesの場合はS41303に進み、深夜休憩時間(1)をVET−VATにて算出する。S41302でnoの場合はS41304に進み、深夜休憩時間(1)を05:00 −VATにて算出する。他方、S41301でnoの場合はS41302〜S41304をスキップする。
次に、S41305ではVET>22:00であるか否かを調べる。S41305でyesの場合はS41306に進み、VAT>22:00であるか否かを調べる。S41306でyesの場合はS41307に進み、深夜休憩時間(2)をVET−VATにて算出する。S41306でnoの場合はS41308に進み、深夜休憩時間(2)をVET−22:00にて算出する.S41309では、最終的な深夜休憩時間を深夜休憩時間(1)+深夜休憩時間(2)にて算出する。
以上で拘束時間と休憩時間の算出が終わるので図20に戻り、S414で日総労働時間TWHを拘束時間RH−休憩時間VHにて算出する。また、S416では、日深夜勤務時間NWHを深夜拘束時間NRH−深夜休憩時間NVHにて算出する。算出された日総労働時間TWHと日深夜勤務時間NWHとは、対応する労働者の労働時間計算集計データ55g(図15)の対応する日付のセルに転送され、記憶される。
図23は、日カレンダ作成処理(S5)の詳細を示すものである。該処理は、図14のカレンダひな形ファイル上にて各日付について、各労働者の労働時間計算集計データ55g(図15)上の総労働時間TWHの算出結果を参照する形で順次実施される。S501では提出カレンダデータがあるか否かを判別する。提出カレンダデータがある場合は日カレンダの作成は不要であり、処理全体がスキップされる。
S502では、総労働時間TWH>0(すなわち、休日判別比較のための所定値をゼロと定めている)であるか否かを判別する。S502でnoの場合はS503に進み、日カレンダ上で当該日を所定休日に設定する。また、日所定労働時間DWH=0、日固有法定労働時間SWH=0として、それぞれカレンダひな形ファイルの対応するセルに値を格納する。一方、S502でyesの場合はS504に進み、日カレンダ上で当該日を所定出勤日に設定する。そしてS505に進み、所定出勤日の労働時間設定処理を行なう。
図24は、該処理の詳細を示すものである。S50501では、図6の所属別項目リストデータ55e2を参照し、対象の労働者が所属する部署について選択されている労働時間制の種別を判別する。S50501で一般労働時間制が選択されている場合はS50502に進み、総労働時間TWHについてTWH≧8となっているか否かを判別する。S50502でyesの場合はS50504に進み、日所定労働時間DWH=8、日固有法定労働時間SWH=8として、それぞれカレンダひな形ファイルの対応するセルに値を格納する。一方、S50502でnoの場合はS50503に進み、日所定労働時間DWH=TWHとする(つまり、その日の総労働時間の算出値を日所定労働時間DWHの値として設定する)。また、日固有法定労働時間SWHは8(時間)とし、それぞれカレンダひな形ファイルの対応するセルに値を格納する。
ここで、算出される日所定労働時間は、総労働時間に基づいて算出されていることからも明らかなとおり実際に働いた所定労働時間である実所定労働時間のことであり、所属別項目リストデータ55e2(図6)にて入力設定した日予定所定労働時間とは異なる。労働基準法によると、一般労働時間制においては、日法定労働時間は8時間であり、日予定所定労働時間は日法定労働時間(すなわち、8時間)の範囲内で自由に設定が可能である。よって、S50502で総労働時間TWH≧8になっている場合に、S50504で日所定労働時間DWH及び日固有法定労働時間SWHがいずれも8時間として設定されることで、日固有法定労働時間いっぱいまでは所定労働時間として働き、これを超過する労働時間は法定外残業時間として遵法的かつ強制的に算出される機能が実現する。また、後述のごとく、日予定所定残業時間の設定値との比較により、法定内残業時間についても遵法的に算出される。すなわち、労働基準法に違反しない就業規則やこれに準拠した労働時間カレンダが完備されていない事業者について、労働時間計算(ひいてはそれを用いた賃金計算)を、あたかも適法な就業規則を整備しつつ自動的に行なうことが可能となるのである。
図24においては、S50501で変形労働時間制が選択されている場合はS50505に進み、選択されている変形単位種別が何であるかをさらに判別する。S50505で週単位又は月単位の変形労働時間制が選択されている場合はS50506に進み、TWH≧8となっているか否かを判別する。S50506でnoの場合はS50507に進み、日所定労働時間DWH=TWHとする(つまり、その日の総労働時間の算出値を日所定労働時間DWHの値として設定する)。また、日固有法定労働時間SWHは8(時間)とし、それぞれカレンダひな形ファイルの対応するセルに値を格納する。他方、S50506でyesの場合はS50508に進み、日所定労働時間DWHと日固有法定労働時間SWHをいずれもその日の総労働時間TWHと等しく設定し、それぞれカレンダひな形ファイルの対応するセルに値を格納する。変形労働時間制では、一定の制限の下で日固有法定労働時間を超えた所定労働時間設定が可能であり、上記のように設定を行なうことで当該日付については法定内あるいは法定外の残業時間が発生しないように計算を誘導することができる。
一方、S50505で年単位の変形労働時間制が選択されている場合はS50509に進み、TWH≧8となっているか否かを判別する。S50509でnoの場合はS50510に進み、日所定労働時間DWH=TWHとする。また、日固有法定労働時間SWHは8(時間)とし、それぞれカレンダひな形ファイルの対応するセルに値を格納する。他方、S50509でyesの場合はS50511に進み、TWH≧10となっているか否かを判別する。これは労働基準法(及び施行規則)において、年単位変形労働時間制における日総労働時間の上限が10時間に制限されていることを反映したものである。S50511でnoの場合は、日所定労働時間DWHと日固有法定労働時間SWHをいずれもその日の総労働時間TWHと等しく設定し、それぞれカレンダひな形ファイルの対応するセルに値を格納する。一方、S50511でyesの場合は、日所定労働時間DWH=10、日固有法定労働時間SWH=10として、それぞれカレンダひな形ファイルの対応するセルに値を格納する。
次に、図25は週・月カレンダ作成処理(S6)の詳細を示すものである。S601では選択されている労働時間制の種別を判別する。S601で一般労働時間制が選択されている場合はS609に進み、週固有法定労働時間SWH’=40(時間)に設定するとともに、カレンダひな形ファイルの対応するセルに値を格納する。S601で変形労働時間制が選択されている場合はS602に進む。週単位の変形労働時間制が選択されている場合はS609に進み、週固有法定労働時間SWH’=40(時間)に設定するとともに、カレンダひな形ファイルの対応するセルに値を格納する。その余の場合はS603に進み、週固有法定労働時間の制限がない月単位の変形労働時間制が選択されている場合は、S609をスキップし、カレンダひな形ファイルにて週固有法定労働時間SWH’のセルを例えばブランクとする。
一方、S603で年単位の変形労働時間制が選択されている場合はS604に進み、週予定所定労働時間DWH’についてDWH’≧40となっているか否かを判別する。S604でnoの場合はS605に進み、週固有法定労働時間SWH’=40に設定し、カレンダひな形ファイルの対応するセルに値を格納する。一方、S604でyesの場合はS606に進み、DWH’≧52となっているか否かを判別する。S606でのnoの場合は週固有法定労働時間SWH’=DWH’とし(つまり、その週の週予定所定労働時間の設定値を週固有法定労働時間SWH’の値として設定する)、カレンダひな形ファイルの対応するセルに値を格納する。この場合、週予定所定労働時間DWH’は、年間各週の平均的な所定労働時間が40時間以下となるように、適宜調整された値が入力されていることを前提とする。一方、S606でyesの場合はSWH’=52(時間)とし、カレンダひな形ファイルの対応するセルに値を格納する。これは、年単位の変形労働時間制において週予定所定労働時間DWH’が52時間を超えるのは、労働基準法の規定に違反することに基づいており、事業者側の希望として週予定所定労働時間DWH’が仮に52時間以上に設定されても、52時間を超える労働時間は強制的に法定外残業時間として算出される仕組みになっている、ということである。以上で週カレンダ作成処理は完了である。なお、上記の処理の流れにおいて週固有法定労働時間決定部の機能が実現されていることは明らかである。
S701以下は月カレンダ作成処理となる。S701では選択されている労働時間制の種別が判別される。月固有の設定が必要となるのは月単位の変形労働時間制が採用されている場合のみであり、この場合はS702に進み、月固有法定労働時間SWH”を、その月の日数÷7×40(時間)として算出し、カレンダひな形ファイルの対応するセルに値を格納する(月固有法定労働時間決定部の機能が実現している)。その余の労働時間制が採用されている場合は月固有法定労働時間の制限を特に設けず、処理を終える。
続いて、上記のごとく作成されたカレンダデータに休暇申請内容を反映させる処理を実行する。図26は休暇申請反映処理(S8)の詳細を示す。S801では、労働時間計算集計データ55g(図15)の各日付のレコードに日カレンダの各日付のデータを引き当てる。以下、各日付についての処理となる。S802では、対象日付について休暇申請データが入力されているかを調べる。また、S803では休暇申請反映の対象日であるかを調べる。いずれにおいてもnoの場合、休暇申請反映処理はスキップされる。他方、いずれもyesの場合はS804に進み、当該日付に選択されている休暇種別を判別する。代替休日の場合は、振替等の処理は不要であり休暇申請反映処理はスキップされる。他方、有給休暇が選択されている場合はS805に、振替休日が選択されている場合はS806にそれぞれ進み、個別に処理がなされる。
図27は有給休暇反映処理(S805)の詳細を示すフローチャートである。S80501では有給休暇の取得形態(休む長さ)が判別される。図11にてすでに説明したごとく、本実施形態では、休む長さについては「終日」「AM」(午前)及び「PM」(午後)のいずれかのみが選択可能となっている。図15には図示していないが、例えば労働時間計算集計データ55gに各労働者の有給取得日数PHNと、各日付の有給時間を記憶しておく。休む長さが終日であった場合はS80502に進み、有給取得日数PHNに1を加算する。また、S80503では、その日付の日予定所定労働時間を全て有給時間PHHに組み入れる。
休む長さが「AM」(午前)であった場合はS80504に進み、有給取得日数PHNに0.5を加算する。S80505では、その日付の日予定所定労働時間のうちの午前設定時間AMH(図6:所属別項目リストデータ55e2を参照)を有給時間PHHに組み入れる。休む長さが「PM」(午後)であった場合はS80506に進み、有給取得日数PHNに0.5を加算する。また、S80507では、その日付の日予定所定労働時間のうちの午後設定時間PMH(図6:所属別項目リストデータ55e2を参照)を有給時間PHHに組み入れる。有給時間に対する賃金計算は、労働時間に対する賃金計算と別になされるため、S80508では、その日の日予定所定労働時間から有給時間PHHを減算する。S80509では日予定所定労働時間のその日の残時間が負値になっていないかを確認し、なっているようであればS80509で当該日付の日予定所定労働時間をゼロに設定する。
例えば休む長さが「AM」のとき、「PM」の時間帯は労働者が出勤し、出勤時間及び退勤時間の打刻がなされる。これに基づき計算される総労働時間に対し、上記減算後の日予定所定労働時間が適用され、時間外労働が発生した場合は時間外時間が計算される。他方、休んだ時間は有給時間PHHとして計算されることとなる。
図28は振替休日反映処理(S806)の詳細を示すものであり、S80601では振替対象期間の指定を確認する。本実施形態では、振替期間は1日単位のみとしており、その余の振替対象期間が選択された場合はS80604に進み、モニタ56への表示等によるアラート処理となる。一方、対象となる日付の全体が振替対象期間として指定されている場合はS80602に進み、提出カレンダデータが入力されているか否かを調べる。提出されている場合はS80603に進み、カレンダひな形ファイル(図14参照)に転送された提出カレンダデータ上にて日付属性、日所定労働時間DWH及び日固有法定労働時間SWHの振替処理を行なう。他方、提出カレンダデータが存在しない場合はS80605に進み、カレンダひな形ファイルを用いて作成されたカレンダデータ上での振替をマニュアル入力処理にて実行させるための誘導が行われる。
図29は日総労働時間振分(S9)の詳細を示すフローチャートである。S91では提出カレンダデータがあるか否かを判別する。提出カレンダデータがない場合はS92に進み、出退勤打刻データを使用した処理となる。他方、提出カレンダデータがある場合はS93に進み、提出カレンダデータを使用した処理となる。いずれも、各労働者について各日付について実行される。
図30は出退勤打刻データを使用する場合(つまり、提出カレンダデータがなく、出退勤打刻データからカレンダを作成する場合に対応)の処理(S92)の詳細を示すものである。労働基準法に従い、法定休日出勤にのみ割増賃金の対象となる休日出勤時間が算出されるよう、アルゴリズムが配慮されている。まず、S9201では所属別項目リストデータ55e2を参照し、法定休日種別の選択状態を判別する。法定休日として曜日固定(所属別項目リストデータ55e2(図6)にて、基本法定休日として選択されている曜日が法定休日となる)又は4週4日が選択されている場合はS9202に進み、処理中の日付属性が法定休日か否かを判別する(以上、法定休日判別部の機能が実現されている)。法定休日である場合はS9203に進み、労働時間計算集計データ55gにおいて、その日付の総労働時間TWHを休日出勤時間HWHにセットし、他種別の労働時間は全てゼロにセットする。S9202で日付属性が法定休日でなかった場合はS9204以下の処理に進む。該処理では、休日出勤時間の算出対象にならない所定出勤日又は所定休日に対する労働時間計算がなされる。
まずS9204では、総労働時間TWHと日予定所定労働時間PWDとを比較し、TWH≧PWDとなっているか否かを判定する。S9204でnoの場合、つまり当該日付の総労働時間TWHが日予定所定労働時間PWDよりも小さい場合はS9205に進み、総労働時間TWHを(実)所定労働時間DWHとしてセットし、さらに、日不足労働時間QWHをQWH=PWD−TWHとして算出し、労働時間計算集計データ55gにセットする。一方、S9204にてyesの場合、つまり当該日付の総労働時間TWHが日予定所定労働時間PWDよりも大きい場合はS9206に進み、日予定所定労働時間PWDを(実)所定労働時間DWHとしてセットし、さらに、日不足労働時間QWHをゼロとして算出し、労働時間計算集計データ55gにセットする。S9207では総労働時間TWHと日固有法定労働時間SWHとを比較し、TWH≧SWHとなっているか否かを判定する。S9207にてnoの場合、つまり当該日付の総労働時間TWHが日固有法定労働時間SWHよりも小さい場合はS9208に進み、法定内残業時間SOHをSOH=TWH−PWDにて算出し、法定外残業時間NSOをゼロとして算出し、それぞれ労働時間計算集計データ55gにセットする。S9207にてyesの場合、つまり当該日付の総労働時間TWHが日固有法定労働時間SWHよりも大きい場合はS9209に進み、法定内残業時間SOHをSOH=SWH−PWDにて算出する一方、法定外残業時間NSOをNSO=TWH−SWHとして算出し、それぞれ労働時間計算集計データ55gにセットする。
ここで、所定休日の場合、日予定所定労働時間PWDがゼロに設定されているから、S9204では総労働時間TWHの値によらずS9206側に進む処理となる。この日に労働者が出勤しなければTWHはゼロであり、S9206で(実)所定労働時間DWHもゼロとなり、S9207では総労働時間TWH(出勤していないので0時間)は日固有法定労働時間SWH(休日なので0時間)と等しく、S9209に進む。よって、法定内残業時間SOH(=TWH−PWD)も法定外残業時間NSO(=TWH−SWH)もゼロとなり、処理としての不整合は生じない。一方、この日に労働者が出勤した場合、S9206で(実)所定労働時間DWHは同様にゼロであり、S9207では総労働時間TWH(出勤した時間)は日固有法定労働時間SWH(休日なので0時間)より大きく、S9209に進む。法定内残業時間SOH(=SWH−PWD)は、日固有法定労働時間SWHも日予定所定労働時間PWDもいずれもゼロなので、法定内残業時間SOH(=SWH−PWD)はゼロとなる。一方、法定外残業時間NSO(=TWH−SWH)については、日固有法定労働時間SWHがゼロだから、総労働時間TWH(出勤した時間)と等しくなる。つまり、所定休日における出勤は全て法定外残業時間NSOとして算出され、労働基準法通りの計算となることがわかる。
なお、法定休日種別として4週4日が選択されている場合は、どの日付を法定休日として設定するかを別途入力できるようにしておくこともできる。他方、こうした設定が行われず、法定休日となる日付が特定できない場合は、例えば次のようにすることができる。すなわち、各日付を所定の4週ごとの期間に区切り、その区切られた期間において、出退勤打刻データ55e8にて休日と特定される日付が5日以上存在する場合は、そのうちの所定の4日(例えば最初の4日)を法定休日と判別し、残りを所定休日と判別する処理を行なう。また、休日と特定される日付が4日以下の場合は、それらの日付の全てを法定休日と判別する。また、期間中の法定休日の合計が4日となるよう、例えば図2の入力部57を用いて、出勤日と判別された日付のうち指定されたものについて、その日付属性を法定休日に変更修正できるように構成しておくとよい。
一方、法定休日が1週1日となる形態は、交代勤務などの場合に採用される場合であり、1週に1日は必ず法定休日をとるが、曜日は不定となる。しかし、多くあるケースとして、事業者側が労働者に1週1日の取り決めを口頭で通達するだけで、実際は業務量が多く慢性的な人手不足に陥っている事業所では、法定休日設定の管理がなおざりとなり、なし崩しに法定休日なしで労働運用がなされていることもある。
そこで、図30のS9201で法定休日種別として1週1日が選択されている場合は、本実施形態では次のような処理を採用している。すなわち、S9210に進み、作成カレンダデータ55fにおいて、同週内(つまり、処理中の日付が含まれる週番号の週内)の別の日に休日と判別されている日付があるか否かを調べる。休日があると判断された場合は、1週1日の法定休日設定が守られていると判断してS9204に進み、以下は上述と同様の処理となる。この時、処理中の日付が所定出勤日であれば、同じ週に存在する前記休日が1日のみの場合は、その日付は法定休日として設定できる。他方、2日以上休日が存在する場合は、1日のみを法定休日とし、他を所定休日として設定できる。いずれの場合も、処理中の日付についての労働時間計算は、その日付属性によらずS9204以下の流れで問題なく実行することができる。
他方、S9210において、同週内の別の日に、休日と判別されている日付が存在しないと判断された場合はS9211に進む。この場合、処理中の日付が休日であれば、週内の残余の日は休日でないことを意味するから、処理中の日付は1週1日の法定休日であると判別できる。他方、所定出勤日であれば、その週内には休日が存在せず、法定休日が1週1日の設定に反する就業運用となっていることを意味する。そこで、S9211では、現在処理中の日付の曜日を確認する。当該曜日が所属別項目リストデータ55e2にて基本法定休日として選択されている曜日と一致していた場合は、当該日付の日付属性は法定休日であるからS9212に進み、S9203と同様に、その日付の総労働時間TWHを休日出勤時間HWHにセットし、他種別の労働時間は全てゼロにセットする。一方、S9211で上記以外の曜日であった場合は、当該日付の日付属性は所定出勤日であり、S9204に進んで以下同様の処理となる。
図31は提出カレンダデータを使用する場合の処理(S93)の詳細を示すものである。S9301では所属別項目リストデータ55e2を参照し、法定休日種別の選択状態を判別し、4週4日が選択されている場合はS9202に進む。該S9302からS9309に至る処理は、図30のS9202からS9209に至る処理と同一であるので、詳細な説明は略する。
S9301に戻り、S9301で法定休日種別の選択状態が曜日固定又は1週1日が選択されている場合はS9310に進み、提出されたカレンダデータにおいて、同週内(つまり、処理中の日付が含まれる週番号の週内)の別の日に休日と判別される日付があるか否かを調べる。S9310でyesの場合、つまり、処理中の日付が含まれる週内の別の日に休日があると判断された場合は、曜日固定又は1週1日の法定休日設定が守られていると判断してS9304に進み、以下は上述と同様の処理となる。他方、S9310でnoの場合、つまり、同週内の別の日に休日が存在しない場合はS9311に進み、提出カレンダデータにおいてその週内に、法定休日として日付属性が定められた日付があるか否かを確認する。S9311にて法定休日が存在しない場合は、提出カレンダデータが日固定又は1週1日の法定休日設定に反して作成されていると判断し、S9312に進み、提出カレンダデータに対しその週のどれかの日を法定休日に差し替える処理を行なうか、または該差し替え処理を促す表示等の出力を行なう。他方、S9311にて法定休日が存在する場合はS9302に進み、以下上記と同様の処理を行なう。
以上で、日総労働時間振分処理の説明を終わる。
図32は、週労働時間積算・振分処理(S10)の詳細を示すものである。S1001では、労働時間計算集計データ55g(図15)において、週ごとに、日総労働時間TWH、日所定労働時間DWH、日法定内残業時間SOH、日法定外残業時間NSO、日不足労働時間QWH、日深夜勤務時間NWH、日休日出勤時間HWH及び有給日数PHNの合計値をそれぞれ算出する(週総労働時間算出部の機能が実現されている)。以下、各パラメータは週ごとの集計値となり、便宜的に符号に「’」を付与して区別する。
S1002では週不足労働時間QWH’についてQWH’>0であるか否かを判別する。S1002でyesの場合はS1003に進み、週不足労働時間QWH’と週法定内残業時間SOH’との相殺判断を行なう。具体的には、SOH’≦QWH’のときS1004に進み、週法定内残業時間SOHを0とする一方、週不足労働時間QWH’についてはSOH’との相殺により、その値をQWH’−SOH’により置き換える。他方、SOH’>QWH’のときS1005に進み、週不足労働時間QWH’を0とする一方、週法定内残業時間SOH’についてはQWH’との相殺により、その値をSOH’−QWH’により置き換える。なお、S1002でnoの場合はS1002〜S1005をスキップする。
次に、S1006では、採用されている労働時間制が月単位の変形労働時間制か否かを判別する。S1006でnoの場合はS1007に進み、週予定所定労働時間DWH’+週法定内残業時間SOH’の値を週固有法定労働時間SWH’と比較する。S1007でDWH’+SOH’≦SWH’の場合はS1008に進み、労働時間計算集計データ55g(図15)において、週予定所定労働時間DWH’の値として週総労働時間TWH’をセットし、週不足労働時間QWH’として週固有法定労働時間SWH’−週予定所定労働時間DWH’の値をセットする。
S1007でDWH’+SOH’>SWH’の場合はS1009に進み、週予定所定労働時間DWH’の値を週固有法定労働時間SWH’と比較する。S1009においてDWH’≦SWH’の場合はS1010に進み、労働時間計算集計データ55g(図15)において、週法定内残業時間SOH’の値として週固有法定労働時間SWH’−週予定所定労働時間DWH’をセットする。また、週法定外残業時間NSO’の値として、週累積日法定外残業時間NSO*(日法定外残業時間NSOの週合計値)に、週予定所定労働時間DWH’+週法定内残業時間SOH’−週固有法定労働時間SWH’の値を加算したものをセットする。
また、S1009においてDWH’>SWH’の場合はS1011に進み、労働時間計算集計データ55g(図15)において、週法定内残業時間SOH’の値はゼロをセットする。また、週法定外残業時間NSO’の値として、週累積日法定外残業時間NSO*(日法定外残業時間NSOの週合計値)に、週予定所定労働時間DWH’+週法定内残業時間SOH’−週固有法定労働時間SWH’の値を加算したものをセットする。なお、S1006においてyesの場合、つまり、採用されている労働時間制が月単位の変形労働時間制であった場合は、S1006〜S1011をスキップする。
図33は、月労働時間積算・振分処理(S11)の詳細を示すものである。S1101では、労働時間計算集計データ55g(図15)において、月ごとに、週総労働時間TWH’、日所定労働時間DWH’、日法定内残業時間SOH’、日法定外残業時間NSO’、日不足労働時間QWH’、日深夜勤務時間NWH’、日休日出勤時間HWH’及び有給日数PHN’の合計値をそれぞれ算出する。以下、各パラメータは月ごとの集計値となり、便宜的に符号に「”」を付与して区別する。
S1102では月不足労働時間QWH”についてQWH”>0であるか否かを判別する。S1102でyesの場合はS1103に進み、月不足労働時間QWH”と月法定内残業時間SOHとの相殺判断を行なう。具体的には、SOH”≦QWH”のときS1104に進み、月法定内残業時間SOH”を0とする一方、月不足労働時間QWH”についてはSOH”との相殺により、その値をQWH”−SOH”により置き換える。他方、SOH”>QWH”のときS1105に進み、月不足労働時間QWH”を0とする一方、月法定内残業時間SOH”についてはQWH”との相殺により、その値をSOH”−QWH”により置き換える。なお、S1102でnoの場合はS1102〜S1105をスキップする。
次に、S1106では、採用されている労働時間制が月単位の変形労働時間制か否かを判別する。S1106でyesの場合はS1107に進み、月予定所定労働時間DWH”+月法定内残業時間SOH”の値を月固有法定労働時間SWH”と比較する。S1107でDWH”+SOH”≦SWH”の場合はS1108に進み、労働時間計算集計データ55g(図15)において、月予定所定労働時間DWH”の値として月総労働時間TWH”をセットし、月不足労働時間QWH”として月固有法定労働時間SWH”−月予定所定労働時間DWH”の値をセットする。
S1107でDWH”+SOH”>SWH”の場合はS1109に進み、月予定所定労働時間DWH”の値を月固有法定労働時間SWH”と比較する。S1109においてDWH”≦SWH”の場合はS1110に進み、労働時間計算集計データ55g(図15)において、月法定内残業時間SOH”の値として月固有法定労働時間SWH”−月予定所定労働時間DWH”をセットする。また、月法定外残業時間NSO”の値として、月累積日法定外残業時間NSO**(日法定外残業時間NSOの月合計値)に、月予定所定労働時間DWH”+月法定内残業時間SOH”−月固有法定労働時間SWH”の値を加算したものをセットする。
また、S1109においてDWH”>SWH”の場合はS1111に進み、労働時間計算集計データ55g(図15)において、月法定内残業時間SOH”の値はゼロをセットする。また、月法定外残業時間NSO”の値として、月累積日法定外残業時間NSO*(日法定外残業時間NSOの月合計値)に、月予定所定労働時間DWH”+月法定内残業時間SOH”−月固有法定労働時間SWH”の値を加算したものをセットする。なお、S1106においてnoの場合、つまり、採用されている労働時間制が月単位の変形労働時間制以外のものであった場合は、S1106〜S1111をスキップする。
そして、S1103では、月法定外残業時間NSO”の値が60時間を超えていないかを判別する。超えている場合はS1104に進み、60時間超過残業時間をNSO”−60にて算出し、労働時間計算集計データ55g(図15)にセットする。また、超えていない場合はS1104をスキップする。
労働時間計算集計データ55gの各項目の労働時間計算値は、一般的な給与計算ソフトウェアにおいても使用されるものであり、上記のごとく、主ソフトウェア55dにより労働基準法の規定に適合する形で算出・集計がなされる。該労働時間計算集計データ55gは、例えばCSVファイル生成モジュール55d4(図2)によりCSVファイルに変換され、インターネット6を経由して労務管理サーバ5に転送できる(この場合、例えばブロードバンドルータ60が集計済残業時間出力部の機能を担うと考えることができる)。労務管理サーバ5ではCSVファイルに変換された労働時間計算集計データ55gを受け取り、給与計算ソフトウェア5aにより、各項目(種別)の労働時間の計算値について、予め定められた時間当たりの賃金単価を乗じて合計され、さらに不足労働時間に基づく賃金控除などの処理を経て各労働者の給与計算がなされる。その計算結果は、労務管理サーバ5からインターネット6を経由して各ユーザ端末2にダウンロードされ、所定のフォーマットにて図2のモニタ56あるいはプリンタ58から出力が可能である。労働時間算出結果を用いた給与計算ソフトウェア5aでの計算処理の内容は周知であり、詳細な説明は略する。
また、主ソフトウェア55dとともに給与計算ソフトウェア5aをユーザ端末2にインストールしておけば、ユーザ端末2内にて本発明の給与計算システムの機能を完備させることが可能である。同様に、労務管理サーバ5に給与計算ソフトウェア5aとともに主ソフトウェア55dをインストールしておけば、本発明の給与計算システムの機能を労務管理サーバ5内にて完備させることが可能である。後者の場合は、各ユーザ端末2から労務管理サーバ5にログインする形で本発明の給与計算システムの機能を利用することができる。