JP2013132601A - フッ素含有排水の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低濃度フッ素含有排水中のフッ素濃度を十分に且つ安価に低減することができる、フッ素含有排水の処理方法を提供する。
【解決手段】10〜500mg/LのFを含む低濃度フッ素含有排水にCa源とCu源を添加して、フッ素含有排水中のF濃度に対するCu濃度の比(Cu/F)を0.5以上、F濃度に対するCa濃度の比(Ca/F)を1以上にし、(必要に応じてpH調整剤の添加によりpHを5〜11に調整して)攪拌しながら保持した後に生成した汚泥を沈降分離する。
【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素含有排水の処理方法に関し、特に低濃度のフッ素を含有する低濃度フッ素含有排水の処理方法に関する。
フッ素は、化学工業の他、半導体製造や金属表面処理などにおいて大量に使用され、近年その使用量が著しく増大している。このような化学工業の工場などから排出されるフッ素含有排水をそのまま海域などに排出すると海域を汚染するので、フッ素含有排水を海域などに排出する前にフッ素濃度をできるだけ低減する必要がある。特に、水質汚濁防止法施行令では、排水中のフッ素濃度の排水基準は、海域に排出する場合には15mg/L以下、海域以外に排出する場合には8mg/L以下であることが規定されているため、フッ素含有排水中のフッ素濃度を8mg/L以下に低減する必要がある。
従来、フッ素含有排水中のフッ素濃度を低減する方法として、フッ素含有排水にカルシウム化合物を添加して沈殿物を生成させる(Ca+2F→CaF)ことによりフッ素濃度を低減させる所謂フッ化カルシウム法が知られている。また、このフッ化カルシウム法を利用してフッ素含有排水中のフッ素濃度をさらに低減する方法として、フッ素含有排水にカルシウム化合物とアルミニウム系凝集剤や鉄系凝集剤などの無機凝集剤とを添加し、生成した沈殿物の少なくとも一部をフッ素含有排水に添加して、フッ素含有排水の処理に再利用する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
特開昭60−241988号公報(第1〜2頁) 特開平6−154767号公報(段落番号0005) 特開平8−197070号公報(段落番号0008) 特開2000−33386号公報(段落番号0011−0027) 特開2007−196177号公報(段落番号0014)
しかし、特許文献1〜5の方法では、フッ酸を含有する薬液で銅または銅合金材を処理した後に水洗いした廃水などのように、低濃度のFとCuを含む低濃度フッ素含有排水中のフッ素濃度を排水基準の8mg/L以下に低減するのは困難である。
また、特許文献1〜5の方法により低濃度フッ素含有排水を処理すると、大量の汚泥が生成され、その処理費用や薬品代などの操業コストが増大する。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、低濃度フッ素含有排水中のフッ素濃度を十分に且つ安価に低減することができる、フッ素含有排水の処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、10〜500mg/LのFを含むフッ素含有排水にCa源とCu源を添加し、攪拌しながら保持した後に生成した汚泥を沈降分離することにより、低濃度フッ素含有排水中のフッ素濃度を十分に且つ安価に低減することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によるフッ素含有排水の処理方法は、10〜500mg/LのFを含むフッ素含有排水にCa源とCu源を添加し、攪拌しながら保持した後に生成した汚泥を沈降分離することを特徴とする。
このフッ素含有排水の処理方法において、フッ素含有排水にCu源を添加することにより、フッ素含有排水中のF濃度に対するCu濃度の比(Cu/F)を0.5以上にするのが好ましく、フッ素含有排水にCa源を添加することにより、フッ素含有排水中のF濃度に対するCa濃度の比(Ca/F)を1以上にするのが好ましい。また、フッ素含有排水にpH調整剤を添加してpHを5〜11に調整するのが好ましく、このpH調整剤として酸およびアルカリの少なくとも一方を使用するのが好ましい。また、上記の汚泥を生成する前に高分子凝集剤を添加するのが好ましい。
上記のフッ素含有排水の処理方法において、Ca源がカルシウムイオン、カルシウムの水酸化物またはカルシウムの酸化物であるのが好ましく、Cu源が銅イオン、銅の水酸化物または銅の酸化物であるのが好ましい。また、Cu源として、1〜50g/LのCuを含む酸溶液にカルシウムイオン、カルシウムの水酸化物またはカルシウムの酸化物を添加し、攪拌しながら保持した後に生成したCu含有汚泥を使用してもよい。この場合、酸溶液が1〜100g/LのFを含んでもよい。
なお、本明細書中において、「F濃度」、「Cu濃度」、「Ca濃度」とは、それぞれ、フッ素含有排水などの液中にイオンや化合物として存在する全ての状態のF、Cu、Caの合計のFの濃度、Cuの濃度、Caの濃度をいう。
本発明によれば、低濃度フッ素含有排水中のフッ素濃度を十分に且つ安価に低減することができる。
本発明によるフッ素含有排水の処理方法の実施の形態では、10〜500mg/LのFを含むフッ素含有排水にCa源とCu源を添加し、攪拌しながら保持した後に生成した汚泥を沈降分離する。生成した汚泥は、有価物(Cu)として再利用可能である。
このフッ素含有排水の処理方法では、フッ素含有排水にCu源を添加することにより、フッ素含有排水中のF濃度に対するCu濃度の比(Cu/F)を0.5以上にするのが好ましく、0.6以上にするのがさらに好ましく、3以上にするのが最も好ましい。また、フッ素含有排水にCa源を添加することにより、フッ素含有排水中のF濃度に対するCa濃度の比(Ca/F)を1以上にするのが好ましく、3以上にするのがさらに好ましく、10以上にするのが最も好ましい。なお、F濃度や共存イオンの存在などにより必要なCu量やCa量が変わるので、過剰のCu源やCa源を添加してもよい。例えば、共存イオンとして、硫酸イオンやリン酸イオンなどが存在すると、Caと反応して(硫酸カルシウムやリン酸カルシウムなどの)不溶性の塩を生成するため、過剰のCa源を添加するのが好ましい。また、共存イオンとして、アンモニウムイオンなどが存在すると、Cuと(銅アンミン錯体などの)錯体を形成するため、過剰のCu源を添加するのが好ましい。さらに、キレート化剤が存在すると、Cuと(EDTAなどの)キレート化合物を形成するため、過剰のCu源を添加するのが好ましい。その他、銅の水酸化物や銅の酸化物の生成を阻害する分散剤などが存在する場合には、過剰のCu源を添加するのが好ましい。但し、コスト面を考慮すると、フッ素含有排水中のF濃度に対するCu濃度の比(Cu/F)は、30以下にするのが好ましく25以下にするのがさらに好ましく、10以下にするのが最も好ましい。また、フッ素含有排水中のF濃度に対するCa濃度の比(Ca/F)は、30以下にするのが好ましく、20以下にするのがさらに好ましい。
また、フッ素含有排水にpH調整剤を添加してpHを5〜11に調整するのが好ましく、6〜10に調整するのがさらに好ましく、6〜8に調整するのが最も好ましい。このpH調整剤として、酸およびアルカリの少なくとも一方を使用するのが好ましい。酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などを使用するのが好ましく、アルカリとしては、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウムなどを使用するのが好ましい。なお、フッ素含有排水にCa源とCu源を添加した後にpHが5〜11の範囲内であれば、pH調整剤を添加しなくてもよい。また、汚泥を生成するために、液状化ポリマーなどの高分子凝集剤を添加してもよい。
また、Ca源がカルシウムイオン、カルシウムの水酸化物またはカルシウムの酸化物であるのが好ましく、消石灰または生石灰であるのがさらに好ましい。また、Cu源が銅イオン、銅の水酸化物または銅の酸化物であるのが好ましく、銅イオンまたは銅水酸化物であるのがさらに好ましい。また、Cu源として、1〜50g/LのCuを含む酸溶液にカルシウムイオン、カルシウムの水酸化物またはカルシウムの酸化物を添加し、攪拌しながら保持した後に生成したCu含有汚泥を使用してもよい。このCu含有汚泥は、乾燥させる必要はなく、水分を含んだ湿潤汚泥の状態でCu源としてフッ素含有排水に添加してもよい。また、1〜50g/LのCuを含む酸溶液が1〜100g/LのFを含んでもよい。このような酸溶液として、(フッ酸を含有する薬液で銅または銅または銅合金材を処理した廃水である)高濃度のFとCuを含む高濃度フッ素含有排水を使用し、低濃度フッ素含有排水として、(その後に銅または銅合金材を水洗いした廃水である)低濃度のFとCuを含む低濃度フッ素含有排水を使用することができる。
すなわち、銅または銅合金材の表面の酸洗処理方法として、フッ酸を含有する薬液を使用する方法がある。この方法では、フッ酸を含有する薬液で銅または銅合金材を処理した廃水である高濃度のFとCuを含む高濃度フッ素含有排水と、その後に銅または銅合金材を水洗いした廃水である低濃度のFとCuを含む低濃度フッ素含有排水が発生する。これらの排水のうち、低濃度フッ素含有排水(特にFの濃度が100mg/L以下の低濃度フッ素含有排水)は、フッ化カルシウム法で処理するだけでは排水中のフッ素濃度を排水基準の8mg/L以下に低減することができない。
そのため、本発明によるフッ素含有排水の処理方法の実施の形態では、10〜500mg/L、好ましくは10〜300mg/LのF、さらに好ましくは10〜100mg/LのFを含む低濃度フッ素含有排水にCa源とCu源を添加し、攪拌しながら保持した後に生成した汚泥を沈降分離することによって、低濃度フッ素含有排水中のフッ素濃度を排水基準の8mg/L以下に低減することができるとともに、生成した汚泥を有価物(Cu)として再利用することができる。
本発明によるフッ素含有排水の処理方法の実施の形態において、例えば、Ca源として消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))を使用し、Cu源として銅イオンを使用する場合に、フッ素含有排水中の基本的な化学反応は、(1)Ca2++2F→CaF、(2)Cu2++2OH→Cu(OH)、(3)xCaF+yCu(OH)→xCaF・yCu(OH)の反応式で示されると考えられる。これらの反応式のうち、式(3)で示される共沈反応と考えられる化学反応において、吸着反応などによってFが取り込まれて、フッ素含有排水中のF濃度が8mg/L以下に減少すると考えられる。しかし、Ca源としての消石灰や、Cu源としての銅イオンは、フッ素含有排水中の成分によって上記の化学反応以外に消費される場合があると考えられるので、上述したように、過剰のCa源やCu源を添加するのが好ましい。例えば、フッ素含有排水中に硫酸イオンが存在すると、Ca2++SO 2−→CaSO(石膏)の反応式で示されるように、Caが硫酸と反応する分だけCa源を過剰に添加する必要があり、フッ素含有排水中にアンモニウムイオンが存在すると、Cu(OH)+4NH +4OH→Cu(NH(OH)+4HOの反応式で示されるように、Cuがアンモニア錯体として取り込まれる分だけCu源を過剰に添加する必要があると考えられる。
また、本発明によるフッ素含有排水の処理方法の実施の形態において、フッ素含有排水にpH調整剤を添加する場合には、フッ素含有排水にCa源とCu源とpH調整剤を添加して攪拌しながら保持した後に汚泥を沈降分離することができれば、Ca源とCu源とpH調整剤の添加順序は特に限定されない。また、上述したように、pH調整剤として酸を使用する場合に、硫酸、塩酸、硝酸などを使用するのが好ましいが、これらの酸を使用すると、凝集剤として硫酸アルミニウム(硫酸バンド)を使用した場合と比べて、汚泥(沈殿物)の量が少なくなり、汚泥の処理費用を削減することができる。
なお、BeやTiを含有する銅合金材の表面を酸洗処理する場合には、フッ化物系の酸の洗浄液を使用する場合があり、このような洗浄液からフッ素を除去するために、本発明によるフッ素含有排水の処理方法の実施の形態を適用することができる。また、Siを含有する銅合金材の生産ラインやめっきラインの前処理などにおいて、フッ素を含有する処理液を使用する場合があり、このような処理液からフッ素を除去するために、本発明によるフッ素含有排水の処理方法の実施の形態を適用することができる。さらに、フッ素と(Cuなどの)重金属を同時に処理する必要がある場合にも、本発明によるフッ素含有排水の処理方法の実施の形態を適用することができる。
以下、本発明によるフッ素含有排水の処理方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
フッ化水素アンモニウムと硫酸を含有する薬液でCu板を処理して得られた65mg/LのFと29mg/LのCuを含む低濃度フッ素含有排水(pH=2.4)を用意した。このフッ素含有排水を攪拌しながら、Ca源として消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))を添加し、Cu源として塩化銅の2水和物(CuCl・2HO)を添加するとともに、pH調整剤として塩酸と水酸化ナトリウムを添加して、pHを8程度(6〜10の範囲)に調整しながら60分間保持した後、10分間沈降分離処理を行った。なお、Ca源およびCu源を添加した後の排水中のF濃度に対するCa濃度の比(Ca/F)は11.54であり、F濃度に対するCu濃度の比(Cu/F)は21.98であった。この処理により得られる汚泥の沈降分離性は良好であり、汚泥の含水率は50%であった。また、この処理後の排水の上澄み液中のF濃度は7mg/L、Cu濃度は50mg/Lであった。
なお、本実施例および以下の実施例と比較例において、F濃度はJIS K0102の34.2(イオン電極法)、Cu濃度はJIS K0102の52.4(ICP発光分析法)、Ca濃度はJIS K0102の50.3(ICP発光分析法)により、液中にイオンとして存在するF、Cu、Caの濃度と、化合物として存在するF、Cu、Caの濃度をそれぞれ測定し、それぞれのF、Cu、Caの濃度の合計から求めた。
[実施例2]
フッ化水素アンモニウムと硝酸と硫酸を含有する薬液でCu板を処理して得られた高濃度(13,500mg/L)のFと高濃度(16,000mg/L)のCuを含む高濃度フッ素含有排水(pH<1)を用意した。この高濃度のFと高濃度のCuを含む高濃度フッ素含有排水を攪拌しながら、Ca源として消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))を添加するとともに、pH調整剤として硫酸を添加して、pHを10程度(9.5〜10.5の範囲)に調整しながら60分間保持した後、120分間沈降分離処理を行った。なお、Ca源およびCu源を添加した後の排水中のF濃度に対するCa濃度の比(Ca/F)は12.43であり、F濃度に対するCu濃度の比(Cu/F)は1.19であった。その後、ろ過により沈殿物(高濃度のFと高濃度のCuを含むCu含有汚泥)を分離して得た。
次に、フッ化水素アンモニウムと硫酸を含有する薬液でCu板を処理して得られた31mg/LのFと14mg/LのCuを含む低濃度フッ素含有排水(pH=2.9)を用意した。このフッ素含有排水を攪拌しながら、Ca源として消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))を添加するとともに、pH調整剤として硫酸を添加して、pHを7程度(6〜8の範囲)に調整しながら10分間保持した後、Cu源として上記のCu含有汚泥(高濃度フッ素含有排水を処理して得られた高濃度のFと高濃度のCuを含むCu含有汚泥)を添加するとともに、pH調整剤として硫酸を添加して、pHを7程度(6〜8の範囲)に調整しながら10分間保持し、その後、60分間沈降分離処理を行った。なお、Ca源およびCu源を添加した後の排水中のF濃度に対するCa濃度の比(Ca/F)は16.49であり、F濃度に対するCu濃度の比(Cu/F)は0.83であった。この処理により得られる汚泥の沈降分離性は良好であり、汚泥の含水率は63%であった。また、この処理後の排水の上澄み液中のF濃度は8mg/L、Cu濃度は3mg/Lであった。
[実施例3]
フッ化水素アンモニウムと硫酸を含有する薬液でCu板を処理して得られた31mg/LのFと14mg/LのCuを含む低濃度フッ素含有排水(pH=2.9)を用意した。このフッ素含有排水を攪拌しながら、Ca源として消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))を添加するとともに、pH調整剤として硫酸を添加して、pH7程度(6〜8の範囲)に調整しながら10分間保持した後、Cu源として実施例2で得られたCu含有汚泥(高濃度フッ素含有排水を処理して得られた高濃度のFと高濃度のCuを含むCu含有汚泥)を添加するとともに、pH調整剤として硫酸を添加して、pHを7程度(6〜8の範囲)に調整しながら10分間保持し、その後、高分子凝集剤(栗田工業株式会社製のクリフロック)を添加して10分間沈降分離処理を行った。なお、Ca源およびCu源を添加した後の排水中のF濃度に対するCa濃度の比(Ca/F)は16.49であり、F濃度に対するCu濃度の比(Cu/F)は0.83であった。この処理により得られる汚泥の沈降分離性は非常に良好であり、汚泥の含水率は62%であった。また、この処理後の排水の上澄み液中のF濃度は7mg/L、Cu濃度は3mg/Lであった。
[実施例4]
フッ化水素アンモニウムと硫酸を含有する薬液でCu板を処理して得られた31mg/LのFと14mg/LのCuを含む低濃度フッ素含有排水(pH=2.9)を用意した。このフッ素含有排水を攪拌しながら、Ca源として消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))を添加するとともに、pH調整剤として硫酸を添加して、pHを7程度(6〜8の範囲)に調整しながら10分間保持した後、Cu源として実施例2で得られたCu含有汚泥(高濃度フッ素含有排水を処理して得られた高濃度のFと高濃度のCuを含むCu含有汚泥)を添加するとともに、pH調整剤として硫酸を添加して、pHを7程度(6〜8の範囲)に調整しながら10分間保持し、その後、pH調整剤として水酸化カルシウムを添加してpHを10程度(9〜10の範囲)に調整しながら10分間保持し、その後、高分子凝集剤(栗田工業株式会社製のクリフロック)を添加して10分間沈降分離処理を行った。なお、Ca源およびCu源を添加した後の排水中のF濃度に対するCa濃度の比(Ca/F)は17.32であり、F濃度に対するCu濃度の比(Cu/F)は0.83であった。この処理により得られる汚泥の沈降分離性は非常に良好であり、汚泥の含水率は60%であった。また、この処理後の排水の上澄み液中のF濃度は6mg/L、Cu濃度は1mg/L未満であった。
なお、本実施例および以下に示す実施例5では、pH6〜8でフッ素含有排水からFを除去し易く、pH9〜10でフッ素含有排水中のCuが化合物を生成して除去し易くなることを考慮して、攪拌しながら保持する際にpHを変更している。
[実施例5]
フッ化水素アンモニウムと硫酸を含有する薬液でCu板を処理して得られた31mg/LのFと14mg/LのCuを含む低濃度フッ素含有排水(pH=2.9)を用意した。このフッ素含有排水を攪拌しながら、Ca源として消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))を添加するとともに、pH調整剤として硫酸を添加して、pHを7程度(6〜8の範囲)に調整しながら10分間保持した後、Cu源として実施例4で得られた汚泥(低濃度フッ素含有排水をCu含有汚泥で処理して得られた汚泥)を添加するとともに、pH調整剤として硫酸を添加して、pHを7程度(6〜8の範囲)に調整しながら10分間保持し、その後、pH調整剤として水酸化カルシウムを添加してpHを10程度(9〜10の範囲)に調整しながら10分間保持し、その後、高分子凝集剤(栗田工業株式会社製のクリフロック)を添加して10分間沈降分離処理を行った。なお、Ca源およびCu源を添加した後の排水中のF濃度に対するCa濃度の比(Ca/F)は17.32であり、F濃度に対するCu濃度の比(Cu/F)は0.71であった。この処理により得られる汚泥の沈降分離性は非常に良好であり、汚泥の含水率は61%であった。また、この処理後の排水の上澄み液中のF濃度は8mg/L、Cu濃度は1mg/L未満であった。
[比較例1]
フッ化水素アンモニウムと硫酸を含有する薬液でCu板を処理して得られた31mg/LのFと14mg/LのCuを含む低濃度フッ素含有排水(pH=2.9)を用意した。このフッ素含有排水を攪拌しながら、Ca源として消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))を添加して、pHを7程度(6〜8の範囲)に調整しながら10分間保持した後、高分子凝集剤(栗田工業株式会社製のクリフロック)を添加して60分間沈降分離処理を行った。なお、Ca源を添加した後の排水中のF濃度に対するCa濃度の比(Ca/F)は2.48、F濃度に対するCu濃度の比(Cu/F)は0.45であった。この処理により得られる汚泥の沈降分離性は非常に良好であり、汚泥の含水率は61%であった。また、この処理後の排水の上澄み液中のF濃度は29mg/L、Cu濃度は3mg/Lであった。
[比較例2]
フッ化水素アンモニウムと硫酸を含有する薬液でCu板を処理して得られた31mg/LのFと14mg/LのCuを含む低濃度フッ素含有排水(pH=2.9)を用意した。このフッ素含有排水を攪拌しながら、Ca源として消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))を添加して、pHを10程度(9.5〜10.5の範囲)に調整しながら10分間保持した後、高分子凝集剤(栗田工業株式会社製のクリフロック)を添加して60分間沈降分離処理を行った。なお、Ca源を添加した後の排水中のF濃度に対するCa濃度の比(Ca/F)は5.52、F濃度に対するCu濃度の比(Cu/F)は0.45であった。この処理により得られる汚泥の沈降分離性は非常に良好であり、汚泥の含水率は62%であった。また、この処理後の排水の上澄み液中のF濃度は29mg/L、Cu濃度は1mg/L未満であった。
[比較例3]
フッ化水素アンモニウムと硫酸を含有する薬液でCu板を処理して得られた31mg/LのFと14mg/LのCuを含む低濃度フッ素含有排水(pH=2.9)を用意した。このフッ素含有排水を攪拌しながら、Ca源として消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))を添加するとともに、pH調整剤として硫酸を添加して、pHを7程度(6〜8の範囲)に調整しながら10分間保持した後、高分子凝集剤(栗田工業株式会社製のクリフロック)を添加して60分間沈降分離処理を行った。なお、Ca源を添加した後の排水中のF濃度に対するCa濃度の比(Ca/F)は16.74であり、F濃度に対するCu濃度の比(Cu/F)は0.45であった。この処理により得られる汚泥の沈降分離性は非常に良好であり、汚泥の含水率は65%であった。また、この処理後の排水の上澄み液中のF濃度は13mg/L、Cu濃度は3mg/Lであった。
[比較例4]
フッ化水素アンモニウムと硫酸を含有する薬液でCu板を処理して得られた31mg/LのFと14mg/LのCuを含む低濃度フッ素含有排水(pH=2.9)を用意した。このフッ素含有排水を攪拌しながら、Ca源として消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))を添加するとともに、pH調整剤として硫酸を添加して、pHを7程度(6〜8の範囲)に調整しながら10分間保持した後、高分子凝集剤(栗田工業株式会社製のクリフロック)を添加して60分間沈降分離処理を行った。なお、Ca源を添加した後の排水中のF濃度に対するCa濃度の比(Ca/F)は117.77であり、F濃度に対するCu濃度の比(Cu/F)は0.45であった。この処理により得られる汚泥の沈降分離性は非常に良好であり、汚泥の含水率は60%であった。また、この処理後の排水の上澄み液中のF濃度は18mg/L、Cu濃度は3mg/Lであった。
[比較例5]
フッ化水素アンモニウムと硫酸を含有する薬液でCu板を処理して得られた31mg/LのFと14mg/LのCuを含む低濃度フッ素含有排水(pH=2.9)を用意した。このフッ素含有排水を攪拌しながら、Ca源として消石灰(水酸化カルシウムCa(OH))を添加するとともに、pH調整剤および凝集剤として硫酸アルミニウム(硫酸バンド)を添加して、pHを7程度(6〜8の範囲)に調整しながら10分間保持した後、高分子凝集剤(栗田工業株式会社製のクリフロック)を添加して60分間沈降分離処理を行った。なお、Ca源を添加した後の排水中のF濃度に対するCa濃度の比(Ca/F)は6.65であり、F濃度に対するCu濃度の比(Cu/F)は0.45であった。この処理により得られる汚泥の沈降分離性は非常に良好であったが、汚泥の含水率は80%であった。また、この処理後の排水の上澄み液中のF濃度は6mg/L、Cu濃度は3mg/Lであった。なお、本比較例で得られた汚泥は、含水率が80%と高く、アルミニウムを含んでいるため、有価物として処理することができず、汚泥を産業廃棄物として処理する費用が必要になるだけでなく、比較的高価な硫酸アルミニウムを使用するため、コストが高くなる。
上述したように、実施例1〜5では、低濃度廃液(低濃度フッ素含有排水)の沈降分離処理後に得られた汚泥溶液の上澄み液は、フッ素濃度の排水基準の8mg/L以下を満たしている。また、生成した汚泥は、有価物(Cu)として再利用することができる。また、30分〜数時間程度と短時間で低濃度廃液(低濃度フッ素含有排水)を処理することができる。

Claims (10)

  1. 10〜500mg/LのFを含むフッ素含有排水にCa源とCu源を添加し、攪拌しながら保持した後に生成した汚泥を沈降分離することを特徴とする、フッ素含有排水の処理方法。
  2. 前記フッ素含有排水に前記Cu源を添加することにより、前記フッ素含有排水中のF濃度に対するCu濃度の比(Cu/F)を0.5以上にすることを特徴とする、請求項1に記載のフッ素含有排水の処理方法。
  3. 前記フッ素含有排水に前記Ca源を添加することにより、前記フッ素含有排水中のF濃度に対するCa濃度の比(Ca/F)を1以上にすることを特徴とする、請求項1または2に記載のフッ素含有排水の処理方法。
  4. 前記フッ素含有排水にpH調整剤を添加してpHを5〜11に調整することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のフッ素含有排水の処理方法。
  5. 前記pH調整剤が酸およびアルカリの少なくとも一方であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のフッ素含有排水の処理方法。
  6. 前記汚泥を生成する前に高分子凝集剤を添加することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のフッ素含有排水の処理方法。
  7. 前記Ca源がカルシウムイオン、カルシウムの水酸化物またはカルシウムの酸化物であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載のフッ素含有排水の処理方法。
  8. 前記Cu源が銅イオン、銅の水酸化物または銅の酸化物であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載のフッ素含有排水の処理方法。
  9. 前記Cu源が、1〜50g/LのCuを含む酸溶液にカルシウムイオン、カルシウムの水酸化物またはカルシウムの酸化物を添加し、攪拌しながら保持した後に生成したCu含有汚泥であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載のフッ素含有排水の処理方法。
  10. 前記酸溶液が1〜100g/LのFを含むことを特徴とする、請求項9に記載のフッ素含有排水の処理方法。
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