JP2011031229A - 海水中の重金属の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 重金属に汚染された海水や、多量のアルカリ土類金属を含む重金属排水より、重金属類を効果的に除去する方法を提供する。
【解決手段】重金属を含む海水及び排水に、ケイ酸塩を添加した後鉄塩類の凝集剤を添加し液性をアルカリ性に調整し重金属の不溶性の塩を形成させ、この凝集物を分離除去することを特徴とする海水及び排水の処理方法。

Description

本発明は、重金属を含有する排水により汚染された海水や、多量のアルカリ土塁金属を含む重金属含有排水より、重金属類のみを効果的に除去する排水の処理方法に関するものである。
従来、重金属に汚染された、海水の浄化には逆浸透膜やイオン交換樹脂を利用する方法が用いられているが、これらの方法で重金属に汚染された海水を処理した場合重金属のみでなく、アルカリ金属類やアルカリ土類金属類も除去されてしまう欠点を有している。
更に沈殿剤による処理を行った場合、アルカリ金属類歯は沈殿剤と反応しないが、アルカリ土類金属類は、沈殿剤と、沈殿剤と反応することから、重金属を確実に除去する上で極めて多量の沈殿剤を必要とし、そのために処理コストが上昇すると共に、汚泥の発生量が多くなる欠点を有する。
又重金属を含む排水は、pH調整により重金属を水酸化物として沈澱させ、この沈澱物を鉄塩等の凝集剤により凝集させて分離除去し、有機汚染が大きい場合は引き続いて生物処理を行い、排水基準値以下として放流する方法が採用されている。この方法でアルカリ土類金属を多量に含む重金含有排水を処理した場合、アルカリ土類金属類が沈澱剤と反応することから、重金属を確実に除去する上で極めて多量の沈殿剤を必要とし、そのために処理コストが上昇すると共に、汚泥の発生量が多くなる欠点を有する。
従って、沈殿剤としてはアルカリ金属類やアルカリ土類金属類とは反応せず重金属と選択的に反応するものが望ましいが、このような性状を持つ薬剤は必然的に極めて限られており、一般的には硫化ナトリウムハジチオカルバミン酸塩類が知られる程度である。
ところが、上記の硫化ナトリウムは、常態でも微量ながら有毒な硫化水素ガスを生じることから、作業環境に悪影響を及ぼす上、何らかの要因で酸成分と接触した際に激しく硫化水素ガスを発生するという危険性があるため、重金属除去用の処理剤として優れた性状を有するにもかかわらず、安全衛生面より採用困難である。
因に、硫化水素ガスは、大気汚染関連物質の特定物質に指定されており、700ppm以上の濃度において数分間で人命を損なう程の強い毒性を有するものである。
一方、ジチオカルバミン酸塩類は、アルカリ土類金属類を多量に含む排水に対する重金属沈澱剤として優れた機能を発揮し、極めて大きな重金属捕集力を有することが確認されているが、やはり酸成分との接触によって硫化水素ほどではないが相当に有毒な二硫化炭素を発生する上、空気酸化によって厳しい排水規制を要求される農薬成分のチウラムを生成する性質がある。
従って、このジチオカルバミン酸塩類も、二硫化炭素及びチウラムによる環境汚染が懸念されることと、チウラムの後処理が不可避であることから、処理剤としては基本的に採用困難である。
なお、上記のジチオカルバミン酸塩類と類似のものとして、ポリマー分子にジチオカルバミン酸基を結合させた高分子化合物があり、アルカリ土類金属類を多量に含む排水中で重金属と選択的に反応することから、優れた重金属除去剤として機能し得るが、やはり酸成分との接触によって有毒な二硫化炭素を発生する点で前二者と同様の危険性があり、処理剤として採用困難である。
その他、処理剤に利用可能な薬剤として、重金属沈澱用の分析試薬に使用される有機化合物が考えられるが、これらは金属と極めて強固に結合する性質を有する反面、成分中に窒素や硫黄を含むことから毒物ないし変異原性物質の性状を示すものが多く、そのために処理剤としての使用に厳しい制限を受けることが想定される。
本発明者らは、上述の状況に鑑み、重金属含有排水の処理剤として、重金属の除去効率に優れて毒性がなく安全な無機系沈澱剤を究明すべく模索する過程で、まず重金属と不溶性の塩を形成し易い、炭酸塩、ケイ酸塩の2種に着目した。
すなわち、これら無機酸塩は、アルカリ土類金属類を多量に含む排水を処理対象とした場合、通常の技術的常識からすれば、アルカリ土類金属類との反応に消費されるため、アルカリ土類金属類含有量に対応する以上の添加量としない限り重金属を効果的に除去できないと考えられるが、実際には、排水のpHを中性付近に調整した上で添加することにより、アルカリ土類金属に対応する添加量よりも遙かに少ない添加量で重金属濃度をある程度まで低減できる。
炭酸塩では、上記のpH調整後の添加で沈澱処理し、更に塩化鉄等の鉄塩により凝集を行っても、低減し得る鉛濃度は0.1mg/l程度が限界であり、pH調整と鉄塩による凝集を行う従来の処理法と比較して有意差が認められる程の効果は得られなかった。
これに対し、ケイ酸塩では、鉄塩による凝集を組み合わせることにより、通常の技術的常識に反し、炭酸塩よりも更に少ない添加量で鉛を0.01mg/l以下といった極低濃度まで低減できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の請求項1に係る重金属の処理方法は、重金属に汚染された海水にケイ酸のアルカリ金属塩を添加することにより、重金属を沈澱させ、次いで凝集剤を添加して沈澱物を凝集させ、この凝集物を分離除去することを特徴とする構成を採用したものである。
また請求項2の発明は、重金属含有排水の処理方法において、500mg/l以上のアルカリ土類金属類含む排水にケイ酸塩を添加することにより、重金属の不溶性の塩を形成させ、その後鉄塩類の凝集剤を添加して沈澱物を凝集させ、この凝集物を分離除去することを特徴とする排水の処理方法。
請求項3の発明は、上記請求項1,2のいずれか重金属の処理方法において、ケイ酸のアルカリ金属塩が、オルトケイ酸又はメタケイ酸のナトリウム塩又はカリウム塩である構成を採用したものである。
請求項4の発明は、上記請求項1〜3のいずれか重金属含有排水の処理方法において、凝集剤が鉄塩よりなる構成を採用したものである。
発明の細部構成と作用
本発明の処理方法では、既述のように、重金属を含む海水及び排水にケイ酸のアルカリ金属塩を添加することにより、重金属を沈澱させ、この沈澱物を凝集剤により凝集させて分離除去する。
しかも、海水や、アルカリ土類金属を含む排水に用いた場合でも、ケイ酸のアルカリ金属塩の添加量は含有されるアルカリ土類金属に対応する量より遙かに少量でよく、例えば鉛濃度が後述する実施例1の如く0.1mg/l以下となるように、極めて低い濃度まで海水や排水中の重金属を低減することができる。
重金属で汚染された海水や、アルカリ土類金属等を多量に含む重金属含有排水の処理法として極めて有用である。
ところで、ケイ酸塩による鉛の沈澱作用は、一般的には次式の反応によってケイ酸鉛として沈澱するものると考えられる。
Figure 2011031229
一方、水中に存在する鉛は、アルカリ領域では鉛イオン(Pb2+)が水酸化鉛Pb(OH)として沈澱するが、pHが高くなるほど鉛イオンよりも亜鉛酸イオン(HPbO)の比率が増し、pH11以上ではHPbOの形で安定していてPb2+は存在しない。つまり、pHによって次の平衡が移動する。
Figure 2011031229
次の表1は、解離定数、錯体形成定数から求められる鉛の溶解濃度とpHとの相関を示す。
Figure 2011031229
上表より、鉛の溶解濃度は、pH9.4〜9.6付近で約1mg/l程度と最も低くなるが、更にpHが高くなるにしたがってHPbOが増加し、pH12以上では非常に高濃度となる。
本発明で沈澱剤として使用するケイ酸のアルカリ金属塩は、特に限定されないが、処理コストの面よりオルトケイ酸又はメタケイ酸のナトリウム塩及びカリウム塩が好適である。またケイ酸のアルカリ金属塩の使用量は、テストの結果、排水中の鉛濃度、アルカリ土類金属類濃度に対し相関性はみられず、SiOとして40mg/lの添加量で充分に満足できる結果を得た。
本発明においては、上記のケイ酸のアルカリ金属塩を添加して重金属を沈澱させたのち、凝集剤を添加混合して沈澱を凝集させ、この凝集物を沈澱,濾過等によって分離除去する。なお、凝集時の排水のpHは、特に調整する必要はないが、塩化鉄等のフロック形成効果を考慮してpH10〜11に調整するのが好ましい。しかして、凝集剤としては、凝集フロックの沈澱性が優れていること、ヒ素成分との共沈効果が高いこと、処理コストの点から塩化鉄等の鉄塩が好ましい。一連のテストにおいては、Feとして70mg/lの添加量で充分であった。
以下に本発明の実施例を比較例と対比して具体的に説明する。
試験液として表2に示す、模擬排水を調整した。
Figure 2011031229
Figure 2011031229
実施例1〜5
模擬排水100mlを採取し、この模擬排水に表3に示す量の1%メタケイ酸ナトリウム(NaSiO)溶液、及び塩化第二鉄液(40Beの塩化第二鉄液を100倍に希釈したもの)添加し5分攪拌した後、水酸化ナトリウム溶液を用いてPHを9に調整し凝集処理を行い、ろ過した後ろ液中のナトリウム濃度及び亜鉛濃度を測定した。
その結果を表3に示す。
Figure 2011031229
表3の結果より、排水中にケイ酸のアルカリ金属塩及び鉄塩を少量添加する事により、鉛濃度及び亜鉛濃度はそれぞれ0.1mg/l、0.5mg/l以下となっており、十分に低濃度まで処理されていることが判る。
実施例6〜8
模擬排水100mlを採取し、この模擬排水中に1%メタケイ酸ナトリウム(NaSiO)溶液を5ml及び塩化第二鉄液(40Beの塩化第二鉄液を100倍に希釈したもの)4mlを添加し3分間拡販した後、水酸化ナトリウム溶液を用いてPHを表4に示す値に調整し凝集沈殿を行い、ろ過した後ろ液中のナトリウム濃度及び亜鉛濃度を測定した。
その結果を表4に示す。
Figure 2011031229
表4の結果よりPH9〜11の広いPH領域において鉛濃度及び亜鉛濃度はそれぞれ0.1mg/l、0.5mg/l以下となっており十分に低濃度まで処理されていることが判る。
比較例1〜4
模擬排水100mlを採取し、表5に示す量の処理剤を添加し水酸化ナトリウムを用いて、所定のPHに調整し、凝集処理を行い、ろ過した後ろ液中のナトリウム濃度及び亜鉛濃度を測定した。
その結果を表に示す。
Figure 2011031229
上記表5の結果より、メタケイ酸ナトリウム及び塩化第二鉄液のみを添加した場合は、処理液中の鉛の濃度及び亜鉛濃度はそれぞれ、0.1mg/l、0.5mg/l以上となり十分な処理は行えていない。このことより、ケイ酸塩と鉄塩を共用することにより金属濃度を微量まで処理できることが判る。
発明の効果
請求項1の発明によれば、重金属に汚染された海水の処理方法として、非常に少ない量の処理剤の添加により、毒性等の問題を生じることなく安全に、鉛等の重金属を効率よく極めて低濃まで確実に除去することが可能である方法が提供される。
請求項2の発明によれば、上記の重金属含有排水の処理方法として、処理対象とする排水が500mg/l以上のアルカリ土類金属類イオンを含むにも関わらず、このアルカリ土類金属類に見合う量よりも遙かに少ない処理剤の使用により、鉛等の重金属を効率よく極めて低濃度まで確実に除去することが可能であり、汚泥生成量が少なくて済み、それだけ汚泥処理のコストも低減される方法が提供される。
請求項3の発明によれば、上記の重金属含有排水の処理方法において、特に重金属沈澱用の処理剤コストが安く付くという利点がある。
請求項4の発明によれば、上記の重金属含有排水の処理方法において、特に重金属の沈澱処理後の凝集効率がよく、且つ処理剤コストが安く付くという利点がある。

Claims (4)

  1. 重金属に汚染された海水にケイ酸塩を添加することにより、重金属の不溶性の塩を形成させ、その後鉄塩類の凝集剤を添加して沈澱物を凝集させ、この凝集物を分離除去することを特徴とする海水の処理方法。
  2. 500mg/l以上のアルカリ土類金属類含む排水にケイ酸塩を添加することにより、重金属の不溶性の塩を形成させ、その後鉄塩類の凝集剤を添加して沈澱物を凝集させ、この凝集物を分離除去することを特徴とする排水の処理方法。
  3. ケイ酸のアルカリ金属塩が、オルトケイ酸又はメタケイ酸のナトリウム塩又はカリウム塩である請求項1〜2のいずれかに記載の海水及び排水の処理方法。
  4. 鉄塩類の凝集剤が塩化第一鉄及び塩化第二鉄よりなる請求項1〜3のいずれかに記載の排水の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015120110A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 株式会社バイオメルト 汚染水浄化システム
CN112779545A (zh) * 2020-12-21 2021-05-11 深圳市世清环保科技有限公司 铁金属表面酸洗使用的盐酸再生剂和盐酸在线再生方法

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