JP2013132419A - 針付縫合糸およびその製造方法 - Google Patents

針付縫合糸およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡単にePTFEのモノフィラメント縫合糸の端部に細径部を形成することができ、その結果、縫合糸と縫合針の径の差の少ない針付縫合糸と、その製造方法とを提供する。
【解決手段】 縫合針10の基端部11の端面11aに、基端部11の長さ方向に沿って止まり穴12を穿設する工程と、ePTFEのモノフィラメントでフィブリル化して多孔質になっている縫合糸20の端部に3以上の方向から同時に圧力を加えて細径部20aを形成する工程と、該細径部を前記止まり穴12に挿入してかしめる工程とを有することを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は針付縫合糸に関し、特に、ePTFE繊維を縫合糸に使用した針付縫合糸とその製造方法とに関する。
縫合針の基端部に、軸方向に沿った止まり穴、もしくは長手方向に切れ目を設けたチャネル式接合部等の糸保持部を設けたアイレス縫合針の糸保持部に縫合糸の一端を挿入してかしめた縫合糸付きの縫合針(針付縫合糸)は従来から使用されている。
一般に、縫合針や縫合糸が、生体組織を通過する際の抵抗力が大きいと、それだけ患者への負担が増加する。そこで、縫合針の刺通抵抗を低下させるために縫合針にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を塗布することが行われている(たとえば特許文献1、請求項37参照)。
一方、縫合糸については、その抵抗を低下させるため、延伸したポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のモノフィラメントの繊維を使用することが提案されている(例えば特許文献2)。
ePTFEの繊維とは、PTFEを急速に引き伸ばし(expand)、表面に無数の亀裂を生じさせた繊維で、無数の亀裂ができることをフィブリル化という。ePTFEは、引き伸ばされ、フィブリル化したことにより多孔質で、柔らかい材料となる。そして、PTFEの優れた性質を引き継ぎ、生体組織との親和性に優れ、異物反応が少なく、毒性・発がん性の心配がないなどの特徴があり、生体内では劣化、変質することもない。これらの特徴から、縫合糸に適した素材である。
特開2008−264547号 特開2005−2253号
一般に、アイレス縫合針は、針径と縫合糸の糸径とを比較すると、針径の方が大きくなる。これは、針の基端面に形成された穴に縫合糸を入れてかしめるという構造から、半ば必然的な理由による。
しかしながら、針径の方が太く、縫合糸が細いと、縫合針が刺通した生体組織の穴を縫合糸が通過するとき縫合糸の周辺に隙間ができ、出血量が増加するという問題が起こる。そのため、縫合糸の直径は、縫合針の針径に近いことが望ましく、同じ程度になることがさらに望ましい。特に、心臓外科では、出血の影響を大きく受けるので、この要請が強い。
針径と縫合糸の径を同程度の大きさにするには、針径と同程度の太さの縫合糸を使用し、その端部だけを細くして、縫合針の基端の糸保持部に挿入できる太さにすればよい。
ポリプロピレンなどのモノフィラメント縫合糸の場合、針径とほぼ同じ太さの縫合糸の端部を高温に加熱し、加熱された部分を延伸して、延伸された部分の直径を小さくすることができる。こうしてできた直径の小さい末端部分を縫合針の穴に差し込み、かしめることで、針径とほぼ同じ太さの縫合糸を有する縫合針を製造することができる。
しかし、この延伸法をePTFEのモノフィラメント縫合糸に適用しても、延伸された部分の気孔率が高くなるだけで、断面積の減少率は僅かである。延伸倍率を高めると、延伸部分が破断しやすくなる。しかも、延伸により気孔率が大きくなった端部は、外科用針の基端面に明けられた穴に挿入しても、柔らかすぎて、かしめても強固に接合することができない。
この問題に対し、特許文献2では、ePTFEのモノフィラメント縫合糸の端部に捩りを加え、ねじり変形により細径化する方法を提案している。
しかし、特許文献2のねじり変形による方法は、単にねじるだけでは、細径状態を保持することができないので、加熱することで、細径状態を固定している。また、細径部の高い引張強度と弾性率を維持するために、ねじり変形を加える部分にPTFEの引張弾性率(常温での測定値)よりも高い引張弾性率を有する合成樹脂を塗布または含浸させてから、ねじり変形を加えることにしている。そのため、細径化するのに非常に手間が掛かる、という問題がある。
また、ねじり変形を加える場合、ねじりを加えた部分全体に均一なねじりを加えることは困難であり、通常、先端部の捩りが最も強くなる。そして、先端部が最も細くなり、先端部から離れるにしたがって、ねじりが弱くなって、太さも増加する。そのため、細径部は均一の太さにならず、テーパー状になる。テーパー状の縫合糸を縫合針の基端面に形成された穴に挿入すると、穴の奥では縫合糸が細いので嵌合が緩くなり、結合強度が低下するので全体の結合強度が下がることになる。また、穴に挿入する長さより長い範囲にねじりを加える必要があり、穴に挿入しない部分もテーパー状になっているため段差が大きくなってしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決し、簡単にePTFEのモノフィラメント縫合糸の端部に細径部を形成することができ、その結果、縫合糸と縫合針の径の差の少ない針付縫合糸と、その製造方法とを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明の針付縫合糸は、先端と、該先端から徐々に太くなるテーパー部と、該テーパー部に続く胴部と、該胴部に続く基端部と、該基端部に形成され基端部の長さ方向に形成された糸保持部と、を有する縫合針と、該糸保持部に挿入され前記糸保持部の外側をかしめることで固定される縫合糸と、からなる針付縫合糸において、前記縫合糸がePTFEのモノフィラメントでフィブリル化した多孔質の素材からなり、前記糸保持部に挿入する部分が、該糸保持部に挿入しない部分であって縫合糸の径を有する縫合糸本体部分と比較して空隙率が小さい細径部の一部又は全部を含み、前記縫合糸本体部分と前記細径部の間に移行部を有するとともに、前記縫合針の基端部の基端面から前記縫合糸本体部分の径に至る部分の長さが前記縫合糸本体部分の径より小さいことを特徴としている。
前記細径部は、縫合糸本体部分の組織の流れと同じ状態、つまり、細径部が、空隙率が小さいことのみで縫合糸本体部分と相違しているだけで、捩られていたり、他の合成樹脂を含んだりしていない(塗布や含浸をしていない)状態となっていることが望ましい。
また、前記細径部が略直線状である構成や、前記縫合針の前記基端部の外径と、前記縫合糸の径とがほぼ同じである構成や、前記縫合針の基端部の基端面から前記縫合糸本体部分の径に至る部分の長さが前記縫合糸本体部分の径の半分以下である構成が望ましい。
上記の目的を達成するために本発明の針付縫合糸の製造方法は、縫合針の基端部に、基端部の長さ方向に沿って糸保持部を形成する工程と、ePTFEのモノフィラメントでフィブリル化して多孔質になっている縫合糸の端部の径方向に3以上の方向から同時に圧力を加えて細径部を形成する工程と、該細径部を前記糸保持部に挿入してかしめる工程とを有することを特徴としている。
前記細径部を形成する工程が、前記縫合糸の端部を中空部材の中空部に挿入し、該中空部を縮径させることとしても良い。
前記細径部を前記糸保持部に挿入してかしめる工程の後に、かしめられた縫合針と縫合糸との間に引張力を加えることとしても良い。
前記細径部は略直線状である構成や、前記縫合針の前記基端部の外径と、前記縫合糸の径とがほぼ同じである構成が望ましい。
本発明の針付縫合糸によれば、ePTFEを縫合糸として使用するので、生体組織との抵抗が小さくなり患者の負担を軽減することができる。また、生体組織との親和性に優れ、異物反応が少なく、毒性・発がん性の心配がない。さらに、縫合糸の、縫合針に形成された糸保持部に挿入する部分を細径部にするので、通常の縫合糸より太く縫合針の径に近い縫合糸を使用することができる。したがって、縫合する際の出血を少なくすることができる。また、縫合糸の径を有する縫合糸本体部分と細径部の間に移行部を有するとともに、前記縫合針の基端部の基端面から前記縫合糸本体部分の径に至る部分の長さが、縫合糸本体部分の径より小さいことにより、縫合する生体組織に対して十分に小さいため、移行部の少なくとも一部を含む、前記縫合針の基端部の基端面から前記縫合糸本体部分の径に至る部分の長さが大きい段差として影響することは無く、組織に損傷を与えにくい構成とすることができる。
また、細径部を、縫合糸本体部分の組織の流れと同じとすることができ、かしめたときに強固に接合することができる。また、細径部を略直線状の構成とすることができるので、穴の長手方向で均一に縫合糸を結合することができ、全体の結合強度を上げることができる。また、縫合針の径と縫合糸の径をほぼ同じにすることができるため、さらに効果的に出血を減少させることができる。また、前記細径部を前記糸保持部に挿入してかしめる工程の後に、かしめられた縫合針と縫合糸との間に引張力を加えることによって、縫合針と縫合糸の結合強度の試験を行うことができるとともに、前記縫合糸の移行部が引っ張られることにより若干膨張し、縫合糸本体部分の径とほぼ同じにすることができる。
本発明の縫合針の斜視図で、縫合糸を固定する前の状態を示す図である。 縫合針に縫合糸を固定した状態を示す斜視図である。 縫合糸の端部の拡大図で、(a)は細径部を作る前、(b)は細径部を作った後の図、(c)は縫合糸を縫合針にかしめて付け、縫合糸と縫合針との間に引張力を加えた後の状態を示す図である。 縫合糸の先端の細径にする部分に中空部材をはめた状態を示す図である。 4方向から同時に中空部材に半径方向の力を加える装置の構成例を示す図である。 図5の爪部分の拡大図である。 (a)〜(e)は、細径部を形成する別の方法を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の縫合針の斜視図で、縫合糸を固定する前の状態を示す図である。図示の縫合針10は、アイレス縫合針で、従来から公知の方法により製造されたものである。
図1に示すように、縫合針10は基端部11の一方の端部には基端面11aがあり、この基端面11aにレーザー加工法、電子ビーム加工法、放電加工法、ドリリング等の加工法によって基端部11の長さ方向に延びる糸保持部12として止まり穴が形成されている。止まり穴が形成された基端面11aの内面側及び/又は外面側には、図示しない面取部が形成されていても良い。内面側に面取部が形成されている場合には、縫合糸20の細径部20aの径d1より大きい、移行部20bの一部も糸保持部12へ挿入可能となる。また縫合針10の先端には鋭利な針先13が形成されており、この針先13から徐々に径が太くなるテーパー部14が形成されている。
テーパー部14の基端部11側は、基端部11と同じ外径の胴部15となっている。基端部11はほぼ直線状であるが、胴部15は湾曲していたり直線状であったりする。また、基端部11は断面形状が円であるが、胴部15の断面形状は円とは限らず、ほぼ平行な2平面を有する長円形状や、4平面を有するものや、鼓形状のものもある。
本発明のアイレス縫合針としては、図1に示すような丸針に限定されず、三角針や箆型針などの角針でもよい。また、先端は鋭利な針先に限定されず、鈍い針先でも良い。また、糸保持部は止まり穴でなく、長手方向に切れ目を設けたチャネル式接合部としても良い。
縫合糸20としては、ePTFEの繊維(モノフィラメント)を使用している。ePTFE繊維は、延伸されているので、フィブリル化しており、多孔質である。本発明のePTFE繊維からなる縫合糸20は、先端に略直線状の細径部20aを有する。本発明では特に、縫合糸20の各部位を区別するため、細径部20aを形成していない部分であって縫合糸20の径を有する部分を「縫合糸本体部分」とし、細径部20aと縫合糸本体部分との間に形成された部分を「移行部」20bとしている。
図2は、縫合針10に縫合糸20を固定した状態を示す斜視図である。図3は、縫合糸の端部を拡大した図で、(a)は細径部ができる前の図、(b)は細径部ができた後の図、(c)は縫合糸を縫合針にかしめて付け、縫合糸と縫合針との間に引張力を加えた後の状態を示す図である。
図1に示す細径部20aを糸保持部12に挿入し、糸保持部12の外側の基端部11をかしめることで、縫合糸20を縫合針10に固定する。細径部20aは全長を糸保持部12に挿入することが好ましいが、必ずしも全長を挿入しなくても良い。細径部20aのうち糸保持部12に挿入しない部分が若干残っていたとしても、移行部20bが短いため段差に影響しにくいからである。このとき、縫合針10の基端部11の径Dと、縫合糸20の径dとは、ほぼ等しくなっている。なお、基端部11は、縫合糸の細径部20aを挿入してからかしめるので、かしめた後は真円ではない。そこで、ここでは基端部11の径Dというときは、かしめによる変形を受ける前の径とする。
また、図示の実施例では、縫合針10の基端部11の径Dと、縫合糸20の径dとは、ほぼ等しくなっているが、本発明は、これに限定されるものではない。従来は、糸保持部12としての止まり穴の径は、針の基端部の径Dの50%程度であるから、本発明の縫合糸20の径dは、基端部の径Dの50%以上であればよい。望ましい範囲としては、80〜100%である。
図4から図6は、細径部20aの形成方法を説明する図である。ePTFEのモノフィラメントは、上述したように、延伸しても細径部20aを形成することができない。そこで、本発明では、以下のようにして細径部20aを形成した。
まず、図4に示すように、ePTFEのモノフィラメントからなる縫合糸20の先端の細径にする部分に柔軟な合成樹脂製の中空部材(チューブ)30をはめる。この中空部材30に3以上の方向から同時に半径方向の力を加えることで細径部20aを形成することができる。
図5は、4方向から同時に中空部材30に半径方向の力を加える装置の構成例を示す図で、図6は図5の爪41a部分の拡大図である。この装置は、独立した4つの爪41aを有する。各爪41aは、90゜の角度で中心にある中空部材30に四方から同時に圧力を加えることができる。
各爪41aは、それぞれ4つのアーム41の各先端に取り付けられており、各アーム41は、基端側の軸41bにより、4つのアーム42に回動自在に結合している。各アーム42は、先端が固定軸42aに回動自在に結合し、基端はシリンダー43のロッド43aと回動軸42bにより結合している。アーム41の先端近傍には引張バネ44があり、各アーム41を時計方向に付勢している。
以上の構成により、シリンダー43のロッド43aが伸びると、アーム42は先端の固定軸42aを中心に時計方向に回転する。これによってアーム41は、中心に向かってb方向に移動するが、このとき、引張バネ44によりa方向(時計方向)にも移動する。4つのシリンダー43のロッド43aが同時に伸びると、図6に示すように、各爪41aは、図のa方向とこれに垂直なb方向の双方に同時に移動し、4つの爪41a相互間の距離は小さくなって、中空部材30に四方から同時に圧力を加える。各爪41aは、図6の実線に示す位置から仮想線に示す41a'の位置まで移動する。4つの爪41aに囲まれた領域はAからA'へと縮小され、中空部材30内にある縫合糸20は四方からの圧力を受けるので、押圧された部分が塑性変形し、その径が図3(a)のdからだんだんと縮径されて小さくなり、図3(b)に示す所望の径d1に達する。このとき加圧をする中空部材30で被う長さを決めることにより、細径部20aの長さL1を過不足なく設定することができる。また、図5、図6における爪41aの紙面と垂直な方向の長さは、縮径部20aの長さL1と同じか、大きくなっている。細径部20aが形成されたら、細径部20aの少なくとも一部を含む長さL3を糸保持部12に挿入し、かしめると、針付縫合糸が完成する。
この間、縫合糸20の加圧されている部分には、延伸力は加わらないので、多孔質の空隙率が上昇することはない。逆に、フィブリル化していた部分が、圧力により塑性変形してつぶされ、空隙率は低下していく。空隙率が低下し硬くなることによって、かしめたとき強固に接合できる。また、細径化する範囲(長さ)だけを細径化することができるので、無駄がないとともに、太径部から細径部20aに移行する移行部20bの長さを小さくすることができる。この点、特許文献2のねじり変形による方法に比べ、加熱したり、引張弾性率を上げるための合成樹脂を塗布または含浸させたりする必要がなく、製造が簡単である。さらに、特許文献2では、縫合糸の縫合針との接続部にねじり変形によるテーパー部ができて移行部の長さが大きくなってしまう。本発明においても、縫合糸20から細径部20aへの移行部20bはテーパー状になっているが、縫合糸20の直径方向に加圧するので、移行部20bの長さL2は非常に短くなるのが特徴であり、この移行部20bを少なくとも一部含む、縫合針10の基端部11の基端面11aから縫合糸本体部分の径dに至る部分の長さL4は、縫合糸20の径dより短く、さらに径dの半分以下とすることも可能である。
この後、かしめられた縫合針10と縫合糸20とが離れるように、図示しない固定手段と重りなどの荷重付加手段によって引張力を加え、縫合針10と縫合糸20の結合強度の試験を行うことが好ましい。このとき、前記縫合糸20の移行部20bが引っ張られることによって若干膨張し、縫合糸本体部分の径dとほぼ同じにすることができる。この場合、図3(c)に示すように、L4は0もしくは0に近い値となる。
さらに、細径部20aを形成するために縫合糸20に直接接触して加圧する部材(中空部材30または、縫合糸20に半径方向の力を加える装置の4つの爪41a等)の端部形状を調整することによって、移行部L2を0に近づけることも可能である。この場合も、図3(c)に示すように、L4は0もしくは0に近い値となる。
縫合糸20の細径化は、塑性変形に基づく縮径であるから、4つの爪41aが外れて、圧力が取り去られても、縫合糸20の細径部20aは、元の径dに戻ることはなく、d1のままとなる。また、細径部20aは、縫合糸20に比べて空隙率が小さいことのみが相違しているだけで、捩られていたり、他の合成樹脂を含んだりしていない。この状態を、ここでは、細径部20aの組織が、本体部分の組織の流れと同じ状態と表現している。
ePTFEのモノフィラメントは、圧縮により、圧縮前の断面積(100%)の30%程度まで細径化できるが、勿論、70〜80%の細径化でも可能であり、使用状況などに応じてかなり広い範囲から選択できる。
なお、図5、図6に示す縮径方法では、細径化後の断面形状は四角になるはずであるが、実際には、爪41aと縫合糸20との間に中空部材30があるので、角部の丸くなった多角形、この実施例では四角の角部が丸くなった形状で、ほぼ円形に近い形状になる。ただし、縮径方法は、図5、図6に示す方法以外にも種々の方法があり、3方向以上から同時に押圧すればよく、断面形状はそれぞれの方法により決まるが、円形、楕円形、長円形等種々の形状にしてもよいが、糸保持部12が穴の場合は、糸保持部12の形状が円形なので、円形かこれに近い形状が望ましい。また、図示の実施例では中空部材30を使用したが、中空部材30を使用しなくても、若干四角張った細径部20aにはなるが、細径部20aを形成することができ、糸保持部12に挿入してかしめることができる。
図7は、細径部20aを形成する別の方法を説明する図で(a)は縦断面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は加圧状態を示す図、(d)加圧直後の縫合糸の図、(e)は先端を切り落として細径部が形成された縫合糸の図である。この方法は、縫合糸20に気体又は液体によって圧力を加え、細径部20aを形成する方法である。
図7(a)、(b)に示すように、縫合糸20の先端部をチューブ30に挿入し、チューブ30の外側を鋼管などの剛性の高い管状材40で囲う。管状材40には1箇所気体又は液体の注入口41がある。管状材40の両端には、チューブ30との間の気密を保つための封止材42が設けられている。気密を保つために、チューブ30と縫合糸20は、管状材40の先端から若干突出した状態とする。
図7(a)に示すように縫合糸20の先端に管状材40をセットしたら、注入口41から高圧の気体又は液体を管状材40とチューブ30との間の空間40aに注入する。気体又は液体の圧力が高いと、管状材40内のチューブ30は360゜どの方向からも半径方向に圧縮され、図7(c)に示すように、その径が細くなる。同時にチューブ30内の縫合糸20も縮径される。気圧又は液圧を調整することによって、縮径後の直径d1の大きさを決めることができる。
こうして細径部20aが形成されたら、注入口41を開けて空間40aの圧力を大気圧に戻し、縫合糸20を引き出す。チューブ30は元の形状に戻るが、縫合糸20は縮径された状態のままである。チューブ30を取り除くと、縫合糸20は図7(d)に示すように、先端に縮径されない部分20cが残った状態となる。先端の部分20cを、cの位置で切断し、図7(e)に示すように、先端を細径部20aにする。この方法でも縫合糸20の元の径dの部分とd1に縮径された細径部20aとの間にテーパー状の移行部20bができるが、この移行部20bを少なくとも一部含む、縫合針10の基端部11の基端面11aから縫合糸本体部分の径dに至る部分の長さL4も直径dを越えることはない。
尚、上記方法では、チューブ30と縫合糸20を、管状材40の先端から若干突出した状態としたが、縫合糸20は突出させないで、チューブ30のみを突出させる構成としても良い。このとき、管状材40に挿入する縫合糸20の長さを所望の細径部20aの長さとすれば、縫合糸20を切断する工程を省略することができる。
図7に示す気圧又は液圧で細径部20aを形成する場合は、チューブ30は管状材40との間で気密性を保つことができるように、通気性がなく、表面が平滑な素材を使用する。また、縫合糸20の表面が多孔質であるため、チューブ30を用いないと、気密を保持できないので、縮径することができない。
10 縫合針
11 基端部
11a 基端面
12 糸保持部
13 針先
14 テーパー部
20 縫合糸
20a 細径部
20b 移行部

Claims (3)

  1. 先端と、該先端から徐々に太くなるテーパー部と、該テーパー部に続く胴部と、該胴部に続く基端部と、該基端部に形成され基端部の長さ方向に形成された糸保持部と、を有する縫合針と、該糸保持部に挿入され前記糸保持部の外側をかしめることで固定される縫合糸と、からなる針付縫合糸において、前記縫合糸がePTFEのモノフィラメントでフィブリル化した多孔質の素材からなり、前記糸保持部に挿入する部分が、該糸保持部に挿入しない部分であって縫合糸の径を有する縫合糸本体部分と比較して空隙率が小さい細径部の一部又は全部を含み、前記縫合糸本体部分と前記細径部の間に移行部を有するとともに、前記縫合針の基端部の基端面から前記縫合糸本体部分の径に至る部分の長さが前記縫合糸本体部分の径より小さいことを特徴とする針付縫合糸。
  2. 縫合針の基端部に、基端部の長さ方向に沿って糸保持部を形成する工程と、ePTFEのモノフィラメントでフィブリル化して多孔質になっている縫合糸の端部の径方向に3以上の方向から同時に圧力を加えて細径部を形成する工程と、該細径部を前記糸保持部に挿入してかしめる工程とを有することを特徴とする針付縫合糸の製造方法。
  3. 縫合針の基端部に、基端部の長さ方向に沿って糸保持部を形成する工程と、ePTFEのモノフィラメントでフィブリル化して多孔質になっている縫合糸の端部を中空部材の中空部に挿入し、該中空部を縮径させることによって細径部を形成する工程と、該細径部を前記糸保持部に挿入してかしめる工程とを有することを特徴とする、請求項2に記載の針付縫合糸の製造方法。
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