JPH11116713A - 延伸ポリテトラフルオロエチレン成形体、及びその製造方法 - Google Patents

延伸ポリテトラフルオロエチレン成形体、及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11116713A
JPH11116713A JP9291831A JP29183197A JPH11116713A JP H11116713 A JPH11116713 A JP H11116713A JP 9291831 A JP9291831 A JP 9291831A JP 29183197 A JP29183197 A JP 29183197A JP H11116713 A JPH11116713 A JP H11116713A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diameter
ptfe
rod
molded article
expanded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9291831A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3975531B2 (ja
Inventor
Fumihiro Hayashi
文弘 林
Yasuhiro Okuda
泰弘 奥田
Kouichirou Natori
耕一朗 名取
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP29183197A priority Critical patent/JP3975531B2/ja
Publication of JPH11116713A publication Critical patent/JPH11116713A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3975531B2 publication Critical patent/JP3975531B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロッド状の延伸ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)多孔質体の全体または任意の部分が細径化
され、かつ、細径化部分の引張強度が充分に高い延伸P
TFE成形体、及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 ロッド状の延伸PTFE多孔質体(A)
の少なくとも一部が、ねじり変形により細径化されてい
る延伸PTFE成形体(B)。ロッド状の延伸PTFE
多孔質体(A)の少なくとも一部に1回転/cm以上の
ねじりを加えた後、PTFEの融点以上の温度で熱固定
する延伸PTFE成形体(B)の製造方法。ロッド状の
延伸PTFE多孔質体(A)の少なくとも一部に、16
0℃以上の温度で、1回転/cm以上のねじりを加えつ
つ二次的延伸を行い、次いで、PTFEの融点以上の温
度で熱固定する延伸PTFE成形体(B)の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、延伸ポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)成形体及びその製造方法に
関し、さらに詳しくは、ロッド状の延伸PTFE多孔質
体が、部分的または全体的にねじり変形を受けて、さら
には、所望により二次的延伸をも受けて、細径化された
延伸PTFE成形体及びその製造方法に関する。本発明
の延伸PTFE成形体は、例えば、医療用縫合糸などと
して好適である。
【0002】
【従来の技術】延伸PTFE多孔質体は、一般に、多数
のフィブリル(微細繊維)が微小結節によって所々結合
された微細繊維状構造を有するものである(例えば、特
公昭42−13560号公報)。延伸PTFE多孔質体
には、例えば、シート状、チューブ状、ロッド状などの
各種形状のものがあり、分離膜、人工血管、中空糸、縫
合糸などの各種分野で汎用されている。これらの中で、
ロッド状(モノフィラメント状を含む)の延伸PTFE
多孔質体は、例えば、医療用(手術用)縫合糸として好
適であるが、引張強度を高めたり、気孔率を調整した
り、針との接合を容易にする等の目的で、少なくともそ
の一部を細径化することが望まれている。
【0003】従来、モノフィラメント状の延伸PTFE
多孔質体を細径化する方法として、PTFEのペースト
押出により得られるロッド状未燒結成形体を、融点以下
の温度で一軸方向に延伸し、燒結した後、ダイス引きす
る方法が提案されている(特開平3−289962号公
報)。この方法によれば、外周面のみ無孔化され、か
つ、引張強度が改善されたモノフィラメント状成形体を
得ることができる。このモノフィラメント状成形体は、
手術用縫合糸として優れている。しかしながら、この方
法では、様々なサイズに細径化する場合、所望のサイズ
に合わせた引き抜きダイスが多数必要となる。しかも、
この方法では、モノフィラメント状成形体の内部の多孔
質構造が維持されているため、大幅な細径化が困難であ
る。
【0004】血管外科等で使用される医療用縫合糸とし
ては、縫合時に生体組織に形成される針穴からの漏血を
防ぐために、針の直径より多少大きめの直径を有する糸
が望まれている。糸の弾性によって、針穴を塞ぐことが
できるためである。しかし、針の鈍端の目に縫合糸を通
して取り付けると、縫合糸の直径の約2倍強の大きさの
ものが生体組織を貫通することになり、針穴からの漏血
が避けられない。そこで、近年、針の鈍端における目を
なくして、例えば、針の鈍端に溝を設けて、その溝中で
縫合糸の端部を縁曲げして固定したり、あるいは、針の
鈍端に穿孔し、その孔中に縫合糸の端部を入れて圧搾し
て固定する方法が提案されている。このような方法に使
用する縫合糸は、針の直径より多少大きめの直径を有す
るとともに、針の鈍端の溝や孔に挿入するため、その端
部の直径が小さく、かつ、針との接合のために充分な引
張強度を有することが必要である。
【0005】従来、縫合糸の針の鈍端に接合する部分の
直径を小さくする方法として、モノフィラメントの一部
分を高温に加熱し、該加熱された部分を延伸して直径を
小さくし、そして、該モノフィラメントを切断して、直
径の小さい端部を有する縫合糸を製造する方法が提案さ
れている(特開平3−210251号公報)。しかしな
がら、この方法は、延伸により容易に細径化が可能な熱
可塑性樹脂のモノフィラメントには適用できるものの、
モノフィラメント状の延伸PTFE多孔質体には適用す
ることができない。何故ならば、モノフィラメント状の
延伸PTFE多孔質体をさらに延伸(二次的延伸)して
も、多孔質構造が維持されるため、気孔率が大きくなる
ものの、充分に細径化することができない。しかも、気
孔率が大きくなると、延伸した部分の引張強度が低下す
る。
【0006】前述のダイス引きする方法では、延伸PT
FE多孔質体の気孔率によって細径化の程度が制限さ
れ、しかも血管の縫合などに使用される直径が300μ
m以下の細い延伸PTFE多孔質体を取り扱うことが極
めて困難である。延伸PTFE多孔質体は、生体適合性
に優れており、医療用縫合糸などとして有用であるが、
従来の延伸法やダイス引き法では、充分な細径化が困難
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ロッ
ド状の延伸PTFE多孔質体の全体または任意の部分が
細径化され、かつ、細径化部分の引張強度が充分に高い
延伸PTFE成形体を提供することにある。また、本発
明の目的は、ロッド状の延伸PTFE多孔質体の全体ま
たは任意の部分に対して、所望の大きさに細径化が可能
な延伸PTFE成形体の製造方法を提供することにあ
る。本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するた
めに鋭意研究した結果、ロッド状の延伸PTFE多孔質
体(A)の少なくとも一部に1回転/cm以上のねじり
を加えた後、PTFEの融点以上の温度で熱固定するこ
とにより、ねじれ変形により所望の大きさに細径化され
た延伸PTFE成形体(B)が得られることを見いだし
た。ねじり変形により細径化されていることは、延伸P
TFE成形体(B)の外周に形成された螺旋状の皺によ
り確認することができる。
【0008】本発明の方法によれば、延伸PTFE多孔
質体(A)の気孔率を小さくすることができ、それによ
って、細径化した部分の引張強度を充分に高く保持ない
しは向上させることができる。延伸PTFE多孔質体
は、多孔質構造により不透明なものであるが、細径化し
た部分の気孔率が充分に小さくなると、当該部分が実質
的に無孔化して半透明化する。ねじり変形による細径化
と同時に、あるいは細径化後に延伸(二次的延伸)を加
えると、より小さく細径化することができる上、細径化
部分の引張強度を顕著に改善することができる。本発明
は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ロッド
状の延伸ポリテトラフルオロエチレン多孔質体(A)の
少なくとも一部が、ねじり変形により細径化されている
延伸ポリテトラフルオロエチレン成形体(B)が提供さ
れる。また、本発明によれば、ロッド状の延伸ポリテト
ラフルオロエチレン多孔質体(A)の少なくとも一部に
1回転/cm以上のねじりを加えた後、ポリテトラフル
オロエチレンの融点以上の温度で熱固定する延伸ポリテ
トラフルオロエチレン成形体(B)の製造方法が提供さ
れる。さらに、本発明によれば、ロッド状の延伸ポリテ
トラフルオロエチレン多孔質体(A)の少なくとも一部
に、160℃以上の温度で、1回転/cm以上のねじり
を加えつつ二次的延伸を行い、次いで、ポリテトラフル
オロエチレンの融点以上の温度で熱固定する延伸ポリテ
トラフルオロエチレン成形体(B)の製造方法が提供さ
れる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において使用するロッド状
の延伸PTFE多孔質体(A)は、細い棒状(直径1〜
10mm程度)のものからモノフィラメント状(直径1
0〜1000μm程度)のものまでを意味する。延伸P
TFE多孔質体(A)の直径が大きすぎると、ねじり変
形を加える際に、切断されやすくなる。医療用縫合糸の
用途に使用する場合には、直径が300μm以下(通常
100〜300μm程度)のモノフィラメント状の延伸
PTFE多孔質体が特に好ましい。ロッド状の延伸PT
FE多孔質体(A)の長さは、用途に応じて適宜設定す
ることができる。
【0011】ロッド状の延伸PTFE多孔質体(A)
は、一般に、未燒結PTFE粉末に液体潤滑剤を混合
し、ラム押し出しによって太いロッド状に押し出した
後、軸方向に任意の倍率で延伸し、次いで、収縮が起こ
らないように固定しながら、PTFEの燒結温度の32
7℃以上に加熱して、延伸した構造を燒結固定すること
により得ることができる(例えば、特公昭42−135
60号公報)。この方法により、多数のフィブリル(微
細繊維)が微小結節によって所々結合された微細繊維状
構造を有する延伸PTFE多孔質体(A)を得ることが
できる。延伸PTFE多孔質体(A)の外径、平均孔
径、気孔率、平均フィブリル長などは、延伸倍率を調整
することにより、所望の範囲に設定することができる。
目的物の延伸PTFE成形体(B)を医療用縫合糸の用
途に使用する場合には、延伸PTFE多孔質体(A)の
平均孔径を通常30〜90μm、好ましくは60〜90
μmとし、気孔率を通常40%以上、好ましくは50〜
80%とすることが望ましい。
【0012】本発明では、ロッド状の延伸PTFE多孔
質体(A)の少なくとも一部にねじり変形を加えて、当
該部分を細径化する。ねじり変形を加える方法として
は、ロッド状の延伸PTFE多孔質体(A)の少なくと
も一部に1回転/cm以上のねじりを加えた後、PTF
Eの融点以上の温度で熱固定する方法が挙げられる。よ
り具体的には、ねじり変形を加える方法としては、ロ
ッド状の延伸PTFE多孔質体(A)の両端をグリップ
にて把持し、一方のグリップを固定し、他方のグリップ
を回転させる方法、ロッド状の延伸PTFE多孔質体
(A)をドラムで巻き取りながら、該ドラムをロッド状
の延伸PTFE多孔質体(A)がねじれる方向に回転さ
せる方法などがある。これらの方法は、繊維に撚をかけ
る方法に類似しており、それと同様の方法が採用でき
る。部分的にねじり変形を加える場合には、その部分に
前記と同様の方法を適用する。
【0013】ねじり変形の程度は、回転数によって調整
することができる。本発明の方法では、ロッド状の延伸
PTFE多孔質体(A)の少なくとも一部に1回転/c
m以上のねじりを加える。この回転数は、ロッド状の延
伸PTFE多孔質体(A)の直径や所望の細径化の程度
に応じて適宜選択することができる。ロッド状の延伸P
TFE多孔質体(A)を用いて医療用縫合糸を製造する
場合には、この回転数を通常1〜100回転/cm、好
ましくは10〜80回転/cm、より好ましくは13〜
50回転/cm程度とする。回転数をこの範囲内とする
ことにより、所望の大きさに細径化することができる。
【0014】ロッド状の延伸PTFE多孔質体(A)を
ねじることにより、多孔質体を構成する微細繊維状組織
のフィブリルが絡み合いながら体積を減少させるため、
全体が径方向に収縮し、低気孔率化と細径化が同時に生
じる。ねじりを加える工程の後、長さが変わらない状態
(緊張下)で、PTFEの融点以上の温度に加熱する
と、ねじり変形の状態が固定化される。この熱固定の温
度は、好ましくは290〜380℃、より好ましくは3
00〜350℃程度であり、熱固定時間は、通常10秒
間から30分間、好ましくは1〜10分間程度である。
ねじり変形の程度や回転数、あるいは後述する延伸の程
度にもよるが、ねじり変形を受けた部分の気孔率が充分
に小さくなると、熱固定により、通常、半透明化した高
密度の細径化部分を有する延伸PTFE成形体(B)が
得られる。もちろん、延伸PTFE成形体(B)全体を
このような高密度状態に細径化することができる。ま
た、所望の細径化が達成できれば、気孔率を過度に下げ
ることなく、多孔質状態を維持することもできる。
【0015】このようにして得られた延伸PTFE成形
体(B)は、顕微鏡による観察により、細径化部分の外
周に螺旋状の皺が形成されていることがわかる。すなわ
ち、図1に示すように、延伸PTFE成形体(B)1に
は、ねじった方向に螺旋状の皺(細かい筋や襞)2が形
成される。モノフィラメント状の延伸PTFE多孔質体
(A)を用いて医療用縫合糸を製造する場合、この皺
(筋または襞)2と延伸PTFE成形体(B)1の長軸
との交差角3(α)は、通常10度以上、好ましくは1
1度以上であることが望ましい。この交差角(α)を大
きくすることにより、細径化部分の気孔率を充分に低下
させ、引張強度を高めることができる。この交差角
(α)の上限は、通常60度、好ましくは50度、より
好ましくは40度程度である。
【0016】本発明では、ねじれ変形に加えて、延伸を
行うことができる。ここで、延伸PTFE多孔質体
(A)は、既に延伸されているので、細径化における延
伸を二次的延伸と呼ぶこととする。ねじれ変形と延伸を
行う方法としては、2つの方法が挙げられる。第一の方
法は、ロッド状の延伸PTFE多孔質体(A)の少なく
とも一部にねじりを加えた後、160℃以上の温度で二
次的延伸を行い、次いで、熱固定する方法である。第二
の方法は、ロッド状の延伸PTFE多孔質体(A)の少
なくとも一部に、160℃以上の温度で、ねじりを加え
つつ二次的延伸を行い、次いで、熱固定する方法であ
る。延伸は、ねじり変形を加える部分に行う。延伸温度
が160℃未満であると、充分に延伸することが困難で
ある。
【0017】この二次的延伸は、PTFEの融点以上の
温度、望ましくは前記のごとき熱固定温度の範囲内で行
うことができる。すなわち、第一の方法では、ねじりを
加えた後、PTFEの融点以上の温度で熱固定する際
に、先ず延伸を加え、次いで当該温度で所定時間放置し
て熱固定する。熱固定は、延伸した長さが変わらない状
態(緊張下)で行う。第二の方法では、ロッド状の延伸
PTFE多孔質体(A)の少なくとも一部に、PTFE
の融点以上の温度で、ねじりを加えつつ二次的延伸を行
い、当該温度で所定時間放置して熱固定する。熱固定
は、ねじり変形と延伸後の長さが変わらない状態(緊張
下)で行う。延伸を行うには、例えば、前記のねじり変
形を加える方法において、グリップ間が離れるように移
動させるか、ドラムを使用する場合は供給速度よりも巻
き取りの速度を高くすればよい。
【0018】これらの方法において、延伸倍率は、所望
の細径化の程度に応じて適宜定めることができるが、通
常10〜1000%、好ましくは20〜500%、より
好ましくは30〜300%である。ねじり変形に加えて
延伸することにより、細径化の程度を大きくすることが
できる。ねじり変形と延伸を受けた延伸PTFE成形体
(B)の外径は、延伸倍率を50%以上にすると、多く
の場合、延伸PTFE多孔質体(A)の外径の1/2程
度以下にまで細径化することが可能である。これに対し
て、ねじり変形を加えることなく、単に延伸したのみで
は、多孔質構造が維持されるため、気孔率が増大するも
のの、充分な細径化が不可能であり、得られる延伸PT
FE成形体(B)の引張強度も著しく低下する。
【0019】ねじり変形と延伸を加えた場合も、得られ
た延伸PTFE成形体(B)は、顕微鏡による観察によ
り、細径化部分の外周に螺旋状の皺が形成されているこ
とがわかる。この場合、前記交差角(α)は、通常1度
以上、好ましくは2度以上とすることが、細径化部分の
気孔率を充分に低下させ、かつ、引張強度を高める上で
望ましい。この場合の交差角(α)の上限は、10度程
度である。本発明の延伸PTFE成形体(B)は、全体
が細径化されていてもよいが、必要に応じて部分的に細
径化されていてもよい。また、全体的にねじり変形を受
けているが、さらに部分的にさらなるねじり変形や延
伸、あるいは部分的なねじり変形と延伸が加えられてい
てもよい。部分的に細径化されたモノフィラメント状の
延伸PTFE成形体(B)を、該細径化部分で切断する
と、直径の小さい端部を有する縫合糸を得ることができ
る。この縫合糸は、直径の小さな端部で針の鈍端の溝や
孔に接合することができる。
【0020】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。
【0021】〔実施例1〕ロッド状の延伸PTFE多孔
質体(外径147μm、気孔率約50%、平均フィブリ
ル長40μm)に対し、長さ1cm当たり15回転のね
じり変形を加えた後、長さが変わらないように固定した
状態で、330℃の熱風循環恒温槽内で5分間熱固定し
た。その結果、外径が108μmの半透明化した延伸P
TFE成形体が得られた。この延伸PTFE成形体の外
周には螺旋状に皺が形成されており、その皺と長軸との
交差角は約11度であった。結果を表1に示す。
【0022】〔実施例2〕長さ1cm当たり20回転の
ねじり変形を加えたこと以外は、実施例1と同様に操作
した。その結果、外径が92μmの半透明化した延伸P
TFE成形体が得られた。この延伸PTFE成形体の外
周には螺旋状に皺が形成されており、その皺と長軸との
交差角は約15度であった。結果を表1に示す。
【0023】〔実施例3〕長さ1cm当たり30回転の
ねじり変形を加えたこと以外は、実施例1と同様に操作
した。その結果、外径が101μmの半透明化した延伸
PTFE成形体が得られた。この延伸PTFE成形体の
外周には螺旋状に皺が形成されており、その皺と長軸と
の交差角は約21度であった。結果を表1に示す。
【0024】〔実施例4〕ロッド状の延伸PTFE多孔
質体(外径147μm、気孔率約50%、平均フィブリ
ル長40μm)に対し、長さ1cm当たり20回転のね
じり変形を加えた後、330℃の熱風循環恒温槽内で5
0%の延伸を加えながら5分間加熱した。その結果、外
径が67μmの半透明化した延伸PTFE成形体が得ら
れた。この延伸PTFE成形体の外周には螺旋状に皺が
形成されており、その皺と長軸との交差角度は約4度で
あった。結果を表1に示す。
【0025】〔実施例5〕延伸倍率を100%に変えた
こと以外は、実施例4と同様に操作した。その結果、外
径が60μmの半透明化した延伸PTFE成形体が得ら
れた。この延伸PTFE成形体の外周には螺旋状に皺が
形成されており、その皺と長軸との交差角度は約3度で
あった。結果を表1に示す。
【0026】〔実施例6〕延伸倍率を200%に変えた
こと以外は、実施例4と同様に操作した。その結果、外
径が52μmの半透明化した延伸PTFE成形体が得ら
れた。この延伸PTFE成形体の外周には螺旋状に皺が
形成されており、その皺と長軸との交差角度は約2度で
あった。結果を表1に示す。
【0027】〔比較例1〕ロッド状の延伸PTFE多孔
質体(外径147μm、気孔率約50%、平均フィブリ
ル長40μm)を、その長さが変わらないように固定し
た状態で330℃の熱風循環恒温槽内で5分間加熱し
た。結果を表1に示す。
【0028】〔比較例2〕ロッド状の延伸PTFE多孔
質体(外径147μm、気孔率約50%、平均フィブリ
ル長40μm)を、330℃の熱風循環恒温槽内で50
%の延伸を加えながら5分間加熱した。結果を表1に示
す。
【0029】〔比較例3〕延伸倍率を100%に変えた
こと以外は、比較例2と同様に操作した。結果を表1に
示す。
【0030】〔比較例4〕延伸倍率を200%に代えた
こと以外は、比較例2と同様に操作した。結果を表1に
示す。
【0031】
【表1】
【0032】(脚注) <引張試験方法> 試験機:島津製作所製オートグラフAG500E サンプル初期長:50mm(グリップ間距離) 引張速度:50mm/min(初期歪速度100%/m
in) 引張強度=最大荷重/断面積(kgf/mm2) <無孔化効果> ○:半透明化している、 ×:不透明のままである。
【0033】表1の結果から明らかなように、ねじり変
形を加えることなく単に延伸を行った場合(比較例2〜
4)には、細径化効果と低気孔率化効果が殆どなく、引
張強度が著しく低下していることがわかる。これに対し
て、ねじり変形を加えた場合(実施例1〜4)、及びね
じり変形と延伸を加えた場合(実施例4〜6)は、細径
化と低気孔率化効果が大きく、しかも単位断面積当りの
引張強度が高いことがわかる。特に、ねじり変形と延伸
を加えた場合(実施例4〜6)には、細径化の程度を大
きくし、かつ、引張強度を著しく高くすることができ
る。
【0034】〔実施例7〕ロッド状の延伸PTFE多孔
質体(外径147μm、気孔率約50%、平均フィブリ
ル長40μm)10cmに対し、200回/分の速度で
30秒間ねじった後、中央部の長さ13mmに対し、3
50℃に加熱しながら、6回/分の速度でねじり変形を
加えつつ、13mm/分の延伸速度で30〜60秒間の
範囲内で延伸して、中央部のみを半透明化して、様々な
細径化の寸法に加工した。結果を図2に示す。図2の結
果から明らかなように、本発明の方法を用いれば、部分
的に半透明化(無孔質化)と任意の寸法に細径化を同時
に施すことができる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、ロッド状の延伸PTF
E多孔質体の全体または任意の部分が細径化され、か
つ、細径化部分の引張強度が充分に高い延伸PTFE成
形体が提供される。また、本発明によれば、ロッド状の
延伸PTFE多孔質体の全体または任意の部分に対し
て、所望の大きさに細径化が可能な延伸PTFE成形体
の製造方法が提供される。本発明の延伸PTFE成形体
は、例えば、医療用縫合糸などとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の延伸PTFE成形体の顕微鏡観察によ
る外観を示す略図である。
【図2】実施例7で作製した延伸PTFE多孔質体の細
径化処理部の外径と引張強度との関係を示す実験データ
のプロット図である。
【符号の説明】
1:延伸PTFE成形体 2:ねじった方向に形成される皺 3:皺と長軸との交差角(α)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロッド状の延伸ポリテトラフルオロエチ
    レン多孔質体(A)の少なくとも一部が、ねじり変形に
    より細径化されている延伸ポリテトラフルオロエチレン
    成形体(B)。
  2. 【請求項2】 ねじり変形に加えて、二次的延伸により
    細径化されている請求項1記載の延伸ポリテトラフルオ
    ロエチレン成形体(B)。
  3. 【請求項3】 ねじり変形によって外周に形成された螺
    旋状の皺と延伸ポリテトラフルオロエチレン成形体の長
    軸との交差角が10度以上である請求項1記載の延伸ポ
    リテトラフルオロエチレン成形体(B)。
  4. 【請求項4】 ねじり変形によって外周に形成された螺
    旋状の皺と延伸ポリテトラフルオロエチレン成形体の長
    軸との交差角が1度以上である請求項2記載の延伸ポリ
    テトラフルオロエチレン成形体(B)。
  5. 【請求項5】 ロッド状の延伸ポリテトラフルオロエチ
    レン多孔質体(A)の少なくとも一部に1回転/cm以
    上のねじりを加えた後、ポリテトラフルオロエチレンの
    融点以上の温度で熱固定する延伸ポリテトラフルオロエ
    チレン成形体(B)の製造方法。
  6. 【請求項6】 ねじりを加える工程の後、160℃以上
    の温度で二次的延伸を行い、次いで、熱固定する請求項
    5記載の延伸ポリテトラフルオロエチレン成形体(B)
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 ロッド状の延伸ポリテトラフルオロエチ
    レン多孔質体(A)の少なくとも一部に、160℃以上
    の温度で、1回転/cm以上のねじりを加えつつ二次的
    延伸を行い、次いで、ポリテトラフルオロエチレンの融
    点以上の温度で熱固定する延伸ポリテトラフルオロエチ
    レン成形体(B)の製造方法。
JP29183197A 1997-10-09 1997-10-09 延伸ポリテトラフルオロエチレン成形体、及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3975531B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29183197A JP3975531B2 (ja) 1997-10-09 1997-10-09 延伸ポリテトラフルオロエチレン成形体、及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29183197A JP3975531B2 (ja) 1997-10-09 1997-10-09 延伸ポリテトラフルオロエチレン成形体、及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11116713A true JPH11116713A (ja) 1999-04-27
JP3975531B2 JP3975531B2 (ja) 2007-09-12

Family

ID=17773992

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29183197A Expired - Fee Related JP3975531B2 (ja) 1997-10-09 1997-10-09 延伸ポリテトラフルオロエチレン成形体、及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3975531B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004111117A1 (ja) * 2003-06-13 2004-12-23 Sumitomo Electric Industries, Ltd. 延伸ポリテトラフルオロエチレン成形体、その製造方法、及び複合体
JP2013132419A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Manii Kk 針付縫合糸およびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004111117A1 (ja) * 2003-06-13 2004-12-23 Sumitomo Electric Industries, Ltd. 延伸ポリテトラフルオロエチレン成形体、その製造方法、及び複合体
JP2013132419A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Manii Kk 針付縫合糸およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3975531B2 (ja) 2007-09-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0699424B1 (en) A method to introduce external coil support to PTFE implantable tubular prosthesis and implantable tubular prosthesis
US5026513A (en) Process for making rapidly recoverable PTFE
US4713070A (en) Porous structure of polytetrafluoroethylene and process for production thereof
JP2547243B2 (ja) 速回復性ポリテトラフルオロエチレンおよび該物質の製造法
US4877661A (en) Rapidly recoverable PTFE and process therefore
JPS63139926A (ja) ポリテトラフルオロエチレンチューブを押出しそして延伸する装置および方法、並びにこれにより製造された生成物
US4876051A (en) Apparatus and method for extruding and expanding polytetrafluoroethylene tubing and the products produced thereby
EP0256748A2 (en) Porous highly expanded fluoropolymers and a process for preparing them
SE435151B (sv) Enhetlig poros struktur av polytetrafluoreten,forfarande for framstellning derav samt anvendning av den porosa strukturen
JPH11507267A (ja) 外部から補強されたテープ強化血管移植片
US20090252926A1 (en) Thin-walled calendered ptfe
JPS63226361A (ja) 多孔質柔軟性で放射状に膨張させたフルオロポリマー類及びその製造方法
EP0232543A2 (en) Tubular internal organ prosthetic material
US5258014A (en) Surgical suture and process for producing same
JP3664169B2 (ja) 延伸ポリテトラフルオロエチレン成形体、その製造方法、及び複合体
US4596577A (en) Napped fluororesin materials having continuous pores, and a method of manufacturing the same
JPH11116713A (ja) 延伸ポリテトラフルオロエチレン成形体、及びその製造方法
JPH0242656B2 (ja)
JPWO2003093356A1 (ja) 延伸ポリテトラフルオロエチレン成形体とその製造方法
JP7232131B2 (ja) ゼラチンフィラメント糸の製造方法
JPH02241448A (ja) 人工血管及びその製造法
JP2005314593A (ja) 二軸延伸ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜とその製造方法
JPS647856B2 (ja)
JP2814415B2 (ja) 人工血管とその製造方法
JPS6037736B2 (ja) 管状臓器補綴材

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040819

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040819

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060804

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060926

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070529

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070611

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110629

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110629

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120629

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130629

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees