JP2013129708A - インクジェット記録用白色系インク、記録装置 - Google Patents

インクジェット記録用白色系インク、記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な白色度を備え、吐出安定性に優れた白色系インクおよびこれを備える記録装置を提供することにある。
【解決手段】本発明に係るインクジェット記録用白色系インクは、平均粒子径が200nm以上400nm以下であり、金属酸化物からなる白色系顔料を含有し、下記式(1)を満たす。
0.5×A≦V≦1.3×A ・・・(1)
(上記式(1)において、Aは、インクジェット記録用白色系インクに含まれる前記白色系顔料の含有量(質量%)を示す。また、Vは、インクジェット記録用白色系インク中で前記白色系顔料が完全に沈降したとき、インクジェット記録用白色系インクの全体積に占める前記白色系顔料の体積の割合(%)を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用白色系インク、およびこれを備える記録装置に関する。
従来から、インクジェット記録ヘッドのノズルから、インクの液滴を吐出させて、文字や画像を形成するインクジェット記録方法が知られている。
近年、インクジェット記録には、多種多様なインクが用いられるようになっている。このようなインクのうち、白色系顔料を含有する白色系インクは、例えばプラスチック製品や金属製品のような下地の色が白色とは限らない記録媒体にカラー画像を記録する場合において、カラー画像の発色性を向上させるべく下地の色を消す用途に使用されることがある。また、透明シートにカラー画像を記録する場合にあっては、カラー画像の透過性を下げる白色遮蔽層の形成に用いられることがある(例えば、特許文献1)。そのため、白色系インクは、記録媒体に付着させた際の白色度が高いことが求められていた。
特開2008−248008号公報
上記の白色系インクに含まれる白色系顔料は、溶媒との比重差の点からインクジェット記録装置内で沈降することがあった。
このような場合、白色系顔料を含む沈降物(ハードケーキという場合がある)は、ある程度柔らかければ、インクジェット記録装置内に液体(インクや洗浄液)を流通させることで、インクジェット式記録ヘッドのノズルから吐出できる。
しかしながら、白色系顔料を含む沈降物が固化したり増粘したりすると、インクジェット記録装置内に液体を流通させても、沈降物を十分に解消できないことがある。そうすると、沈降物がインクの供給を阻害したり、吐出不良等を引き起こしたりする場合があった。
本発明のいくつかの態様にかかる目的の一つは、良好な白色度を備えつつ、吐出安定性に優れたインクジェット記録用白色系インクおよびこれを備える記録装置を提供することにある。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係るインクジェット記録用白色系インクの一態様は、
平均粒子径が200nm以上400nm以下であり、金属酸化物からなる白色系顔料を含有し、
下記式(1)を満たす。
0.5×A≦V≦1.3×A ・・・(1)
(上記式(1)において、Aは、インクジェット記録用白色系インクに含まれる前記白色系顔料の含有量(質量%)を示す。また、Vは、インクジェット記録用白色系インク中で前記白色系顔料が完全に沈降したとき、インクジェット記録用白色系インクの全体積に占める前記白色系顔料の体積の割合(%)を示す。)
適用例1のインクジェット記録用白色系インクは、吐出安定性に優れ、白色度の高い画像を記録できる。特に、白色系顔料を含む沈降物が生じても、これが硬化したり増粘したりしにくいので、インクジェット記録装置に白色系インクを供給した状態で長期間保存しても吐出不良が生じにくい。
[適用例2]
適用例1において、
前記インクジェット記録用白色系インクは、インク流路を流通してインクジェット式記録ヘッドのノズルから吐出され、
前記インク流路で前記白色系顔料を完全に沈降させたとき、前記インク流路に流速70ml/分・cm以上260ml/分・cm以下の液体を供給した場合に、前記インク流路に残存する前記白色系顔料が、前記インク流路で前記白色系顔料を完全に沈降させたときの体積を100%とした場合に、30%以下であることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2において、
さらに、樹脂、糖類およびシリカ粒子の少なくとも一種を含有することができる。
[適用例4]
適用例3において、
前記樹脂の含有量が、0.5質量%以上9質量%以下であることができる。
[適用例5]
適用例3または適用例4において、
前記樹脂が、スチレンアクリル系樹脂を含むことができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか1例において、
前記金属酸化物が、二酸化チタンであることができる。
[適用例7]
適用例2ないし適用例6のいずれか1例において、
前記インク流路は、前記インクジェット式記録ヘッド内部に液体を供給するインク供給管を含み、
前記インク供給管の材質が、エラストマーであることができる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれか1例において、
塩化ビニル系樹脂を実質的に含有しないことができる。
[適用例9]
本発明に係る記録装置の一態様は、
適用例1ないし適用例8のいずれか1例に記載のインクジェット記録用白色系インクを備える。
本発明の一実施形態に係るプリンターの構成を示す斜視図。
以下に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
1.インクジェット記録用白色系インク
本実施形態に係るインクジェット記録用白色系インク(以下、単に「白色系インク」ともいう。)は、平均粒子径が200nm以上400nm以下であり、金属酸化物からなる白色系顔料を含有し、下記式(1)を満たす。
0.5×A≦V≦1.3×A ・・・(1)
上記式(1)において、Aは、白色系インクに含まれる白色系顔料の含有量(質量%)を示す。また、Vは、白色系インク中で白色系顔料が完全に沈降したとき、白色系インクの全体積に占める白色系顔料の体積の割合(%)を示す。
本発明において「沈降」とは、一定期間液体を放置した場合に、液体に含有されていた成分が沈殿し、液体に含有されていた成分が液体の下層に積もることをいう。沈降成分としては、例えば白色系インクにあっては、白色系顔料を挙げることができ、これに結合または吸着した成分を含むことができる。
本発明において「白色系インク中で白色系顔料が完全に沈降したとき」とは、白色系インクをインクジェットプリンターに充填して、温度20℃、湿度50%RHの条件下で、6ヶ月間相当で保存した場合のことをいう。
また、上記式(1)中の「V」は、本明細書では沈降体積率(%)ともいい、白色系インク中で白色系顔料が完全に沈降したときに、二層に分離したインクの界面を基準として、下層の体積を算出することによって得られる。具体的には、白色系インク中で白色系顔料が完全に沈降すると、透明の液体からなる上層(主として溶媒からなる)と、白色の沈降物からなる下層(主として白色系顔料からなる)とに分離する。このとき、下層の体積が、上層および下層の体積の合計に占める割合を算出する。こうすることで、沈降体積率(%)が求められる。
発明者は、鋭意検討の結果、沈降体積率が上記式(1)を満たすことで、インクジェット記録装置内で白色系顔料を含む沈降物が生じても、これが硬化したり、増粘したりしにくいことを見出した。このように上記式(1)を満たすことで、吐出安定性に優れた白色系インクが得られる。
具体的には、上記式(1)において、Vが0.5×A未満であると、沈降物は強固かつ高密度に流路に密着した状態であり良好ではない。一方で、上記式(1)において、Vが1.3×A超過であると、沈降物は高粘度の状態で流路中に存在し、白色系インクとしては良好ではない。なお、上記式(1)において、白色系インクは0.6×A≦V≦1.0×Aを満たすものであれば、一層良好な白色系インクとなる。
本発明において「白色系インク」とは、社会通念上「白」と呼称される色を記録できるインク(インキ)のことを示し、微量着色されているものも含む。また、その顔料を含有するインク(インキ)が「白色インク(インキ)、ホワイトインク(インキ)」などといった名称で呼称、販売されるインク(インキ)を含む。さらに、例えば、インク(インキ)が、エプソン純正写真用紙<光沢>(セイコーエプソン社製)に100%duty以上又は写真用紙の表面が十分に被覆される量で記録された場合に、インクの明度(L)および色度(a、b)が、分光測光器Spectrolino(商品名、GretagMacbeth社製)を用いて、測定条件をD50光源、観測視野を2°、濃度をDIN NB、白色基準をAbs、フィルターをNo、測定モードをReflectance、として設定して計測した場合に、70≦L≦100、−4.5≦a≦2、−6≦b≦2.5、の範囲を示す、インク(インキ)を含む。
本実施形態の白色系インクは、白色とは限らない記録媒体(例えば、プラスチックや金属)に対して画像を記録するために用いられる場合がある。このような場合に、白色系インクは、例えば、記録媒体の色を消したり、カラー画像の透過性を下げたりするために、下地層の形成に用いられる。なお、本実施形態に係る白色系インクは、これに限らず、白色の記録媒体に用いてもよい。
1.1.白色系顔料
本実施形態に係る白色系インクは、金属酸化物からなる白色系顔料を含有する。金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの中でも、特に白色度および耐擦性に優れるという観点から、二酸化チタンが好ましい。
なお、白色系顔料には、例えば米国特許第4,880,465号などの明細書に記載されている中空構造を有する粒子を含まない。中空構造を有する粒子は、嵩高いため、上記式(1)を満たさないためである。
白色系顔料の体積基準の平均粒子径(以下、「平均粒子径」という。)は、200nm以上400nm以下である。白色系顔料の平均粒子径が前記範囲内、とりわけ下限を下回らずにあることで、良好な白色度を備えた画像を記録できる。また、白色系顔料の平均粒子径が前記範囲内、とりわけ上限を超えずにあることで、吐出安定性に優れた白色系インクが得られる。
白色系顔料の平均粒子径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社製)が挙げられる。
白色系顔料の含有量(固形分)は、白色系インクの全質量に対して、好ましくは1%以上30%以下であり、より好ましくは1%以上20%以下である。白色系顔料の含有量が上記範囲内、とりわけ下限を下回らずにあることで、白色度等の色濃度が良好になる場合がある。また、白色系顔料の含有量が上記範囲内、とりわけ上限を超えずにあることで、ノズル詰まり等の発生を低減できる場合がある。
1.2.樹脂
本実施形態に係る白色系インクは、樹脂を含有することができる。樹脂の機能としては、記録媒体上に白色系インクを定着させることや、白色系顔料を白色系インク中で分散させることが挙げられる。
このような樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、フルオレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等の公知の樹脂や、ポリオレフィンワックス等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
上記樹脂のうち、スチレンアクリル系樹脂は、沈降物を増粘させる作用が小さいので好ましく用いることができる。
スチレンアクリル系樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α―メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α―メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。なお、共重合体の形態としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれの形態でも用いることができる。なお、スチレンアクリル系樹脂としては、市販されているものを利用してもよい。スチレンアクリル樹脂の市販品としては、例えば、YS−1274(星光PMC株式会社製、溶液タイプ)、JONCRYL 61J(BASFジャパン株式会社製、溶液タイプ)等が挙げられる。
樹脂を含有する場合には、その含有量が、白色系インクの全質量に対して、0.5質量%以上9質量%以下であることが好ましい。樹脂の含有量が上記範囲内にあると、白色系顔料を含む沈降物の硬化や増粘が生じにくくなる。
なお、本実施形態に係る白色系インクには、塩化ビニル系樹脂を実質的に含有しないことが好ましい。塩化ビニル系樹脂は、白色系顔料を含む沈降物を増粘させることがあるためである。
塩化ビニル系樹脂を実質的に含有しないとは、例えば、インク中における塩化ビニル系樹脂の含有量が0.1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、一層好ましくは0.01質量%以下であることをいう。
1.3.シリカ粒子
本実施形態に係る白色系インクは、シリカ(SiO)粒子を含有することができる。シリカ粒子は、白色系顔料を含む沈降物の硬化を抑制する機能を備える。具体的には、シリカ粒子は、白色系顔料の粒子間に入り込み、スペーサーとして機能することで、沈降物の硬化を抑制できる。
シリカ粒子は、シリカ粒子を水や有機溶媒中に分散させたコロイド溶液としたもの(コロイダルシリカ)を添加することが好ましい。これにより、シリカ粒子をインク中で容易に分散できる。このようなコロイダルシリカとしては、市販品を用いることもでき、例えば、扶桑化学工業株式会社製のクォートロン PL−1、PL−3、PL−7、日産化学株式会社製のスノーテックス XS、OXS、NXS、CXS−9等が挙げられる。
シリカ粒子を含有する場合には、その含有量が、白色系インクの全質量に対して、0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上3質量%以下であることがより好ましい。シリカ粒子の含有量が上記範囲内にあると、沈降物の硬化を抑制する作用がさらに高まる場合がある。
シリカ粒子の好ましい体積基準の平均粒子径は、30nm以上120nm以下である。この範囲内にあることによって、白色系顔料のスペーサーとしての機能が良好に発揮される。また、白色系顔料とシリカ粒子の平均粒子径の好ましい関係は、白色系顔料の平均粒子径:シリカ粒子の平均粒子径=3:1〜7:1であり、より好ましくは3.5:1〜6.5:1である。なお、シリカ粒子の体積基準の平均粒子径は、白色系顔料の体積基準の平均粒子径と同様の方法で測定できる。
1.4.糖類
本実施形態に係る白色系インクは、糖類を含有することができる。糖類は、白色系インクの湿潤性を高めて、インクジェット式記録ヘッドの目詰まりの抑制効果を高める機能や、沈降物の硬化を抑制する機能を備える。
糖は、単糖と二糖以上の糖により構成されていてもよいし、単糖のみであってもよいし、二糖以上の糖のみによって構成されていてもよい。糖の種類は、求める効果の範囲で適宜選択される。つまり、沈降物の硬化を抑制する効果に重点を置きたい場合には、二糖以上の糖のみ(単糖を含有しない)により構成されていてもよい。また、二糖以上の糖のみによって構成されている場合、その糖は、二糖と三糖以上の糖のみであってよい。
本実施の形態に係る白色系インクは、前記糖として、単糖、二糖以上の糖(オリゴ糖(三糖および四糖を含む)および多糖)を含有しても良い。単糖、二糖以上の糖の例としては、グルコース、リボース、マンニトール、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などがあげられる。ここで、多糖とは広義の糖を意味し、アルギン酸、瘁|シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖の誘導体としては、前記した糖の還元糖[(例えば、糖アルコール(一般式HOCH(CHOH)CHOH(ここで、n=2〜5の整数を表す)で表される]、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などがあげられる。糖の種類は特に限定されないが、特に還元糖が好ましく、具体例としてはグルコース、フルクトースなどが挙げられる。
また、単糖と二糖以上の糖が添加されている場合、インク中に含有された糖全体に対して、単糖の割合が5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、20質量%以上45質量%以下である。これにより、糖が保湿剤として作用し、記録ヘッドのノズル目詰まりを防ぐことができる。さらに、糖が白色系顔料の粒子に吸着し、粒子の凝集を防ぎ、白色色材の沈降による底面で固化を防ぐことができる。また、糖は三糖(二糖以上の糖の一種)を含むと一層好ましい。三糖を含有させる場合には、その含有量は特に限定されないが、3質量%以上90質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以上85質量%以下である。なお、単糖と二糖以上の糖をインクに添加する場合、単糖と二糖以上の糖を別個に添加してもよいし、2つを含む混合糖(例えばシラップ)を添加してもよい。
還元糖の市販品としては、例えば「HS−500」(株式会社林原商事製)、「HS−300」(株式会社林原商事製)、「HS−60」(株式会社林原商事製)、「HS−30」(株式会社林原商事製)、「HS−20」(株式会社林原商事製)等が挙げられる。
糖類を含有する場合には、その含有量が、白色系インクの全質量に対して、2質量%以上15質量%以下であることが好ましく、5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。糖の含有量が上記範囲内にあると、記録される画像の乾燥性が良好であり、沈降物の硬化を良好に抑制できる。
1.5.その他の成分
本実施形態に係る白色系インクは、有機溶媒、界面活性剤および水等を含有してもよい。
(有機溶媒)
白色系インクは、有機溶媒を含有することができる。白色系インクには、複数種の有機溶媒が含有されていてもよい。白色系インクに用いる有機溶媒としては、1,2−アルカンジオール類、多価アルコール類、ピロリドン誘導体等が挙げられる。
1,2−アルカンジオール類としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等が挙げられる。1,2−アルカンジオール類は、記録媒体に対するインクの濡れ性を高めて均一に濡らす作用に優れているため、記録媒体上に優れた画像を形成することができる。1,2−アルカンジオール類を含有する場合には、その含有量が、白色系インクの全質量に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン等が挙げられる。多価アルコール類は、白色系インクをインクジェット記録装置に用いた場合に、ヘッドのノズル面でのインクの乾燥固化を抑制して目詰まりや吐出不良等を低減できるという観点から好ましく用いることができる。多価アルコール類を含有する場合には、その含有量が、白色系インクの全質量に対して、2質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
ピロリドン誘導体として、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。ピロリドン誘導体は、樹脂の良好な溶解剤として作用することができる。ピロリドン誘導体を含有する場合には、その含有量が、白色系インクの全質量に対して、0.1質量%以上25質量%以下であることが好ましい。
(界面活性剤)
白色系インクは、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、シリコン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤等が挙げられる。
シリコン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物等が好ましく用いられ、例えば、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。より詳しくは、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。シリコン系界面活性剤は、記録媒体上で白色系インクの濃淡ムラや滲みを生じないように均一に広げる作用を有するという観点から好ましく用いることができる。シリコン系界面活性剤を含有する場合には、その含有量が、白色系インクの全質量に対して、0.1質量%以上1.5質量%以下であることが好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、または3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は市販品も利用することができ、例えば、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、DF110D、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、他の界面活性剤と比較して、表面張力および界面張力を適正に保つ能力に優れており、かつ起泡性がほとんどないという特性を有する。アセチレン系界面活性剤を含有する場合には、その含有量は、白色系インクの全質量に対して、0.1質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。
(水)
本実施形態に係る白色系インクは、主となる溶媒(白色系インクの全質量に対して、例えば、50質量%以上含まれる溶媒)が、水であってもよいし、有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、カルボン酸エステル類、エーテル類等)であってもよい。
白色系インクが水を主溶媒とする、いわゆる水系インクである場合には、非水系(溶剤系)インク(例えば、記録物に用いるインクとしては米国特許出願公開第2007/0044684号明細書に記載されたインクを参照)に比べて、記録ヘッドに用いられているピエゾ素子や、被記録媒体に含まれる有機バインダー等への反応性が弱いので、これらを溶かしたり、腐食させたりすることを低減できる場合がある。また、水系インクは、高沸点・低粘度の溶剤を多く含有する非水系インクに比べて、乾燥性に優れた画像を形成することができる場合がある。さらに、水系インクは、溶剤系インクに比べて、臭気も抑えられており、かつ、その組成の50%以上が水であるので環境にも良いという利点がある。
(その他)
本実施形態に係る白色系インクは、さらに、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を含有することができる。本実施形態に係る白色系インクは、これらの化合物を含有していると、その特性がさらに向上する場合がある。
pH調整剤としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
防腐剤・防かび剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。市販品では、プロキセルXL2、プロキセルGXL(以上商品名、アビシア社製)や、デニサイドCSA、NS−500W(以上商品名、ナガセケムテックス株式会社製)等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
キレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸およびそれらの塩類(エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム塩等)等が挙げられる。
本実施形態に係る白色系インクは、従来公知の装置、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、バスケットミル、ロールミルなどを使用して、従来の顔料インクと同様に調製することができる。調製に際しては、メンブランフィルターやメッシュフィルター等を用いて粗大粒子を除去することが好ましい。
1.6.物性
本実施形態に係る白色系インクは、記録品質とインクジェット用インクとしての信頼性とのバランスの観点から、20℃における表面張力が20mN/m以上50mN/mであることが好ましく、25mN/m以上40mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面張力の測定は、自動表面張力計CBVP−Z(協和界面科学社製)を用いて、20℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
また、同様の観点から、本実施形態に係る白色系インクの20℃における粘度は、2mPa・s以上15mPa・s以下であることが好ましく、2mPa・s以上10mPa・s以下であることがより好ましい。なお、粘度の測定は、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、20℃の環境下で、Shear Rateを10〜1000に上げていき、Shear Rate200時の粘度を読み取ることにより測定することができる。
2.インクジェット記録装置
本実施形態に係る白色系インクは、インク流路を流通して、インクジェット式記録ヘッド(以下、単に「ヘッド」ともいう。)のノズルから液滴として吐出され、記録媒体上に付着する。このようにして、記録媒体上に白色系インクからなる画像(記録物)が得られる。
以下、本実施形態に係る白色系インクを吐出可能なヘッドを備えたインクジェット記録装置について、図1を参照しながら説明する。以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。本実施形態では、インクジェット記録装置としてインクジェットプリンター(以下、単に「プリンター」という。)を例示する。なお、本発明はこの装置構成に限定されるわけではない。
図1は、本実施形態におけるプリンター1の構成を示す斜視図である。図1に示すプリンター1は、シリアルプリンターである。シリアルプリンターとは、所定の方向に移動するキャリッジにヘッドが搭載されており、キャリッジの移動に伴ってヘッドが移動することにより記録媒体上に液滴を吐出するもののことをいう。
図1に示すように、プリンター1は、ヘッド2を搭載するキャリッジ3と、キャリッジ3を記録媒体Pの媒体幅方向に移動させるキャリッジ移動機構4と、記録媒体Pを媒体送り方向に搬送する媒体送り機構5と、を有するものである。また、プリンター1は、当該プリンター1全体の動作を制御する制御部6を有している。なお、上記媒体幅方向とは、主走査方向(ヘッド走査方向)である。上記媒体送り方向とは、副走査方向(主走査方向に直交する方向)である。
図1に示すように、ヘッド2は、インク供給管20を介して、白色系インクを収容するインク収容部10と接続されている。本実施形態に係るプリンター1としては、インク収容部10をプリンター1の筐体等に装着して、インク供給管20を介してヘッド2にインクを供給する、いわゆるオフキャリッジタイプのプリンターを例示したが、これに限定されるものではない。例えば、インクカートリッジをキャリッジに搭載した、いわゆるオンキャリッジタイプのプリンターを使用してもよい。また、キャリッジを有さない、ラインヘッドタイプのプリンターに使用しても良い。
インク供給管20は、中空状のチューブ形状を備え、内部にインクを流通させる。インク供給管20の材質としては、特に限定されないが、エラストマーが挙げられる。エラストマーとしては、例えば、天然ゴム、合成ゴム等の加硫ゴムや、塩化ビニル系、スチレン系、オレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、シリコーン系、フッ素系等のエラストマーを挙げることができる。
インク流路で白色系インクに含まれる白色系顔料を完全に沈降させたとき、当該インク流路に流速70ml/分・cm以上260ml/分・cm以下の液体を供給した場合、インク流路に残存する白色系顔料は、インク流路で白色系顔料を完全に沈降させたときの体積を100%とした場合に、40%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。本明細書において、当該値を流路残存率という場合がある。白色系顔料を含む沈降物を60%以上(好ましくは70%以上)解消できると、沈降物に伴う吐出安定性の低下を十分に改善できるといえる。
また、上記のような比較的低速な流速の液体によって、沈降物の60%以上(好ましくは70%以上)を解消できるのであれば、沈降物がそれ程硬化していないといえる。そのため、プリンターを連続使用しているうちに、インク流路に残っていた沈降物の一部をさらに解消できる。
インク流路に流通させる液体としては、特に限定されないが、例えば、本実施形態に係る白色系インクの他に、インク流路を洗浄するための洗浄液(例えば、水およびグリセリンを含む液体)を用いることができる。
本発明におけるインク流路とは、インク収容部より流出した液体が、ヘッドのノズルから吐出されるまでに通る流路のことをいう。例えば、上記プリンター1では、インク供給管20と、ヘッド2内部のインク流通経路とがインク流路に相当する。
3.実施例
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
3.1.白色系インクの調製
表1および表2に示す配合量で各成分を混合攪拌した後、孔径5μmの金属フィルターにてろ過、真空ポンプを用いて脱気処理をした。このようにして、実施例1〜実施例14、および比較例1〜比較例8に係る白色系インクを得た。
表1および表2で用いた成分は、次の通りである。また、表1および表2の樹脂の添加量は、固形分換算値である。なお、下記の白色系顔料の平均粒子径は、石原産業株式会社製のTIPAQUE CR−60,TIPAQUE CR−58,TIPAQUE CR−50を用い、これの分散・攪拌方法を適宜調節して粒子径を異ならせた後、これを実際に測定することで得られた値である。
(白色系顔料)
・二酸化チタン 平均粒子径96nm(商品名「TIPAQUE CR−60」、石原産業株式会社製)
・二酸化チタン 平均粒子径144nm(商品名「TIPAQUE CR−60」、石原産業株式会社製)
・二酸化チタン 平均粒子径210nm(商品名「TIPAQUE CR−60」、石原産業株式会社製)
・二酸化チタン 平均粒子径266nm(商品名「TIPAQUE CR−50」、石原産業株式会社製)
・二酸化チタン 平均粒子径280nm(商品名「TIPAQUE CR−50」、石原産業株式会社製)
・二酸化チタン 平均粒子径321nm(商品名「TIPAQUE CR−50」、石原産業株式会社製)
・二酸化チタン 平均粒子径330nm(商品名「TIPAQUE CR−50」、石原産業株式会社製)
・二酸化チタン 平均粒子径332nm(商品名「TIPAQUE CR−50」、石原産業株式会社製)
・二酸化チタン 平均粒子径360nm(商品名「TIPAQUE CR−50」、石原産業株式会社製)
・二酸化チタン 平均粒子径399nm(商品名「TIPAQUE CR−58」、石原産業株式会社製)
・二酸化チタン 平均粒子径440nm(商品名「TIPAQUE CR−58」、石原産業株式会社製)
・二酸化チタン 平均粒子径520nm(商品名「TIPAQUE CR−58」、石原産業株式会社製)
(樹脂)
・YS−1274(商品名、星光PMC株式会社製、顔料分散用の樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体の溶液タイプ)
・ジョンクリル 61J(商品名、BASF社製、定着用の樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体の溶液タイプ)
・ビニブラン 711(商品名、日信化学工業株式会社製、定着用の樹脂、塩化ビニル系樹脂からなる樹脂粒子、エマルジョンタイプ)
(糖類)
・HS−500(商品名、株式会社林原商事製、還元糖)
(シリカ粒子)
・PL−3(商品名、扶桑化学株式会社製、コロイダルシリカ)
(その他)
・2−ピロリドン
・1,2−ヘキサンジオール
・プロピレングリコール
・BYK−348(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、シリコン系界面活性剤)
・水
Figure 2013129708
Figure 2013129708
3.2.評価試験A
評価試験Aでは、白色系顔料の粒子径が及ぼす効果を検討した。
(1)白色度
表1の実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例4に係る白色系インクを、インクジェットプリンターの専用カートリッジに充填した。そして、当該カートリッジをプリンターPX−G930に装着して、記録媒体(商品名「ルミラー」、東レ株式会社製、PETフィルム)に白色系インクからなるベタパターン画像を記録した。このときの印刷条件は、解像度1440dpi×1440dpi、Duty100%であった。
なお、「Duty値」とは、下式で算出される値である。
duty(%)=実吐出ドット数/(縦解像度×横解像度)×100
(式中、「実吐出ドット数」は単位面積当たりの実吐出ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。)
得られたベタパターン画像について、測色機Gretag Macbeth SpetroscanおよびSpectrolino(X−Rite社製)によって測色して、L値を求め、L値を白色度の指標として行った。評価基準は次の通りであり、評価結果を表1に示す。
◎:L値が75以上
○:L値が70以上
×:L値が70未満
(2)吐出安定性
上記の「3.2.(1)」と同様にして、実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例4に係る白色系インクを用いて、記録媒体(商品名「ルミラー」、東レ株式会社製、PETフィルム)にノズルチェックパターンを記録した。
得られたノズルチェックパターンについて、ノズル抜けおよびインクの飛行曲がりの有無を確認することにより、吐出安定性を評価した。評価基準は次の通りであり、評価結果を表1に示す。
○:ノズル抜けおよびインクの飛行曲がりがない
×:ノズル抜けおよびインクの飛行曲がりが発生
(3)沈降体積率
表1の実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例4に係る白色系インクを、インクジェットプリンターPX−G930の専用カートリッジに充填した。そして、当該カートリッジをプリンターPX−G930に搭載して、プリンターのインク流路(インク供給管およびヘッド内部)を白色系インクで満たした後、当該プリンターを温度20℃、湿度50%RHの条件下で、6ヶ月間保存した。なお、インク供給管は水平に保った状態で保存した。
保存後、インク供給管における二層に分離したインクの界面を基準として、下層の体積(沈降物の体積)を求め、下層の体積が上層および下層の体積の合計に占める割合(沈降体積率(V%))を算出した。得られた値を表1に示す。
(4)流路残存率
上記の「3.2.(3)」の試験後、白色系インクを充填したカートリッジを、洗浄液(水およびグリセリンが10:7で配合された液体)を充填したカートリッジに取り替えた。そして、ヘッドのノズルから、流速260ml/分・cmで30mlのインクを抜き取った。その後、インク供給管内に残存する沈降物の体積を算出して、当該残存する沈降物の体積が上記の「3.2.(3)」で求めた沈降物の体積に対して占める割合(流路残存率(%))を算出した。得られた値を表1に示す。
3.3.評価試験B
評価試験Bでは、沈降体積および流路残存について、さらに詳細に検討する実験を行った。
(1)沈降体積率
表2の実施例8〜実施例14、比較例5〜比較例8に係る白色系インクを用いた以外は、上記の「3.2.(3)」と同様にして、沈降体積率(%)を求めた。得られた値を表2に示す。
(2)流路残存率の評価
表2の実施例8〜実施例14、比較例5〜比較例8に係る白色系インクを用いた以外は、上記の「3.2.(4)」と同様にして、流路残存率(%)を求めた。得られた値を表2に示す。
3.4.評価結果
3.4.1.評価試験Aの結果
実施例1〜実施例7で用いた白色系インクは、いずれも平均粒子径200nm以上400nm以下の白色系顔料を含有する。そのため、表1の評価結果の通り、吐出安定性に優れ、かつ、白色度の高い画像を記録した。
一方、比較例1および比較例2で用いた白色系インクは、いずれも平均粒子径200nm未満の白色系顔料を含有する。そのため、表1の評価結果の通り、白色度の低い画像を記録した。比較例3および比較例4で用いた白色系インクは、いずれも平均粒子径が400nmを超えた白色系顔料を含有する。そのため、吐出安定性に優れなかった。
3.4.2.評価試験Bの結果
実施例8〜実施例14で用いた白色系インクは、いずれも上記の式(1)を満たすものであった。そのため、沈降物の硬化や増粘が少なく、吐出安定性に大きく影響しない程度まで沈降物を解消することができた。
一方、比較例5〜比較例8で用いた白色系インクは、いずれも上記の式(1)を満たさないものであった。そのため、沈降物の硬化あるいは増粘がみられ、沈降物を十分に解消することが困難であった。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。たとえば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(たとえば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…プリンター、2…ヘッド、3…キャリッジ、4…キャリッジ移動機構、5…媒体送り機構、6…制御部、10…インク収容部、20…インク流路

Claims (9)

  1. 平均粒子径が200nm以上400nm以下であり、金属酸化物からなる白色系顔料を含有し、
    下記式(1)を満たす、インクジェット記録用白色系インク。
    0.5×A≦V≦1.3×A ・・・(1)
    (上記式(1)において、Aは、インクジェット記録用白色系インクに含まれる前記白色系顔料の含有量(質量%)を示す。また、Vは、インクジェット記録用白色系インク中で前記白色系顔料が完全に沈降したとき、インクジェット記録用白色系インクの全体積に占める前記白色系顔料の体積の割合(%)を示す。)
  2. 請求項1において、
    前記インクジェット記録用白色系インクは、インク流路を流通してインクジェット式記録ヘッドのノズルから吐出され、
    前記インク流路で前記白色系顔料を完全に沈降させたとき、前記インク流路に流速70ml/分・cm以上260ml/分・cm以下の液体を供給した場合に、前記インク流路に残存する前記白色系顔料が、前記インク流路で前記白色系顔料を完全に沈降させたときの体積を100%とした場合に、30%以下である、インクジェット記録用白色系インク。
  3. 請求項1または請求項2において、
    さらに、樹脂、糖類およびシリカ粒子の少なくとも一種を含有する、インクジェット記録用白色系インク。
  4. 請求項3において、
    前記樹脂の含有量が、0.5質量%以上9質量%以下である、インクジェット記録用白色系インク。
  5. 請求項3または請求項4において、
    前記樹脂が、スチレンアクリル系樹脂である、インクジェット記録用白色系インク。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    前記金属酸化物が、二酸化チタンである、インクジェット記録用白色系インク。
  7. 請求項2ないし請求項6のいずれか1項において、
    前記インク流路は、前記インクジェット式記録ヘッド内部に液体を供給するインク供給管を含み、
    前記インク供給管の材質が、エラストマーである、インクジェット記録用白色系インク。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
    塩化ビニル系樹脂を実質的に含有しない、インクジェット記録用白色系インク。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のインクジェット記録用白色系インクを備える、記録装置。
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