JP2013127494A - 画像表示装置、その制御方法、及び画像表示システム - Google Patents

画像表示装置、その制御方法、及び画像表示システム Download PDF

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Abstract

【課題】画像の表示サイズや観察距離が変更された場合にも、観察者が正確な色で画像を見ることができる画像表示を行う画像表示装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】画像データに基づく画像を表示する表示手段と、所定の複数の視野角のいずれにおいても表示手段に表示される画像の色がその色に対応する目標の色で観察者に知覚されるように視野角に応じて画像データを補正するための補正データを、複数の視野角の各々について記憶する記憶手段と、前記表示手段から観察者までの距離と、前記表示手段に表示される画像のサイズと、に基づき、観察者が前記画像を観察する際の視野角を算出する視野角算出手段と、前記記憶手段に記憶されている補正データのうち、前記視野角算出手段により算出される視野角に対応する補正データを用いて、入力される画像データを補正する補正手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示装置、その制御方法、及び画像表示システムに関する。
人が色を感じる際、観察対象の“見えの大きさ”(画角,視野、視角、視野角)によって、色の感じ方が異なることが知られている。例えば、同じ色だが大きさの異なる2つの色票を用意し、観察者がこの2つの色票を見た場合、2つの色票の色が異なるように感じる。この現象は、“色の面積効果”と呼ばれており、目の視細胞感度、すなわち分光視感度特性(等色関数とも呼ばれる)が変化することが原因と考えられている。国際照明委員会(略称CIE)では上記現象に鑑み、分光分布から色を算出する際に使用する等色関数として、2°視野の場合の等色関数(CIE1937標準観測者)と、10°視野の場合の等色関数(CIE1964補助標準観測者)の2つを定義している。
一方、カラーマネジメントモニタのような業務用モニタにおいて、個体差や劣化による色ずれを修正し正確に色を表示するための、色校正(キャリブレーション)と呼ばれる色調整機能を搭載する機種が存在する。一般的なキャリブレーションの手法では、モニタに色票を表示し、測色器を用いて該色票を測色したのち、測色値が理論値と等しくなるよう、R,G,Bそれぞれの画像信号出力値を補正するデータを作成することで調整を行う。
従来のカラーマネジメントモニタのキャリブレーション機能では、モニタに表示する画像の“見えの大きさ”(以下、視野角と称する)を考慮せず、特定の視野角の等色関数(例えば2°視野)を使用して色調整が行われている。ところが、視野角はモニタの画面サイズや観察者とモニタ間の距離によって変化する。そのため、色調整が前提としている視野角で表示画像を観察する場合には、観察者は正確な色で表示画像を見ることが可能だが、色調整が前提としている視野角と異なる視野角で表示画像を観察した場合には、正確な色で見ることができないという問題があった。
この課題の解決手段として、モニタの画面サイズと、観察者とモニタ間の距離(以下、観察距離と称する)と、から視野角を算出し、該視野角に応じた等色関数を使用して色調整を行う画像信号処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−322850号公報
しかしながら、拡大縮小のスケーリング処理等により表示画像サイズが画面サイズと等しくなっていない場合(全画面表示でない場合)がある。上述の色調整技術では、画面サイズに基づいて視野角の算出を行うため、画面サイズと表示画像サイズとが異なる場合、観察対象の表示画像の“見えの大きさ”(視野角)が色調整が前提としている視野角と異なってしまうことがあり得る。その場合、観察者が正確な色で表示画像を見ることができないという問題があった。
そこで本発明は、画像の表示サイズや観察距離が変化した場合でも、観察者が正確な色で表示画像を見ることができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
所定の複数の視野角のいずれにおいても表示手段に表示される画像の色がその色に対応する目標の色で観察者に知覚されるように視野角に応じて画像データを補正するための補正データを、複数の視野角の各々について記憶する記憶手段と、
前記表示手段から観察者までの距離と、前記表示手段に表示される画像のサイズと、に基づき、観察者が前記画像を観察する際の視野角を算出する視野角算出手段と、
前記記憶手段に記憶されている補正データのうち、前記視野角算出手段により算出される視野角に対応する補正データを用いて、入力される画像データを補正する補正手段と、を備える画像表示装置である。
本発明は、画像データに基づく画像を表示する表示手段を備えた画像表示装置の制御方法であって、
前記表示手段から観察者までの距離と、前記表示手段に表示される画像のサイズと、に基づき、観察者が前記画像を観察する際の視野角を算出する視野角算出工程と、
所定の複数の視野角のいずれにおいても表示手段に表示される画像の色がその色に対応する目標の色で観察者に知覚されるように視野角に応じて画像データを補正するための補正データを、複数の視野角の各々について記憶する記憶手段から、前記視野角算出工程で算出される視野角に対応する補正データを読み出し、前記補正データを用いて、入力される画像データを補正する補正工程と、
を有する画像表示装置の制御方法である。
本発明は、表示装置と、制御装置と、からなる画像表示システムであって、
前記表示装置は、
画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
所定の複数の視野角のいずれにおいても表示手段に表示される画像の色がその色に対応する目標の色で観察者に知覚されるように視野角に応じて画像データを補正するための補正データを、複数の視野角の各々について記憶する記憶手段と、
前記表示手段から観察者までの距離と、前記表示手段に表示される画像のサイズと、に基づき、観察者が前記画像を観察する際の視野角を算出する視野角算出手段と、
前記記憶手段に記憶されている補正データのうち、前記視野角算出手段により算出される視野角に対応する補正データを用いて、入力される画像データを補正する補正手段と、
前記制御装置から画像データ、画像データの表示サイズに関する情報、及び補正データを入力する入力手段と、
を備え、
前記制御装置は、
前記表示手段に表示される画像の色を測定する測定手段と、
視野角に応じた人間の目の分光感度特性を表す等色関数と、前記表示手段に色票を表示させたときに前記測定手段により測定される色と、前記色票に対応する目標の色と、に基づき、その視野角で観察者に知覚される前記色票の色が前記目標の色と等しくなるように、前記複数の視野角の各々について前記補正データを作成するキャリブレーション手段と、
前記表示手段へ画像データ、画像データの表示サイズに関する情報、及び補正データを出力する出力手段と、
を備える画像表示システムである。
本発明によれば、画像の表示サイズや観察距離が変化した場合でも、観察者が正確な色で表示画像を見ることが可能となる。
実施例1の画像表示装置の構成を示すブロック図 実施例1の色調整テーブル、分光データ、等色関数テーブルの一例を示す図 実施例1のキャリブレーション処理の手順を示すフローチャート 実施例1の画像表示処理の手順を示すフローチャート 実施例1の視野補正処理の手順を示すフローチャート 実施例1の観察視野角Θの算出方法の一例を示す図 実施例1の画像の表示サイズ変更処理の手順を示すフローチャート 実施例1の観察距離変化検出時の処理の手順を示すフローチャート 実施例2の画像表示装置の構成を示すブロック図 実施例2の注目領域表示処理の手順を示すフローチャート 実施例3の表示装置の構成を示すブロック図 実施例3の制御装置の構成を示すブロック図 実施例3のキャリブレーション処理の手順を示すフローチャート 実施例3の画像表示処理の手順を示すフローチャート 実施例3の画像の表示サイズ変更処理の手順を示すフローチャート
以下、本発明による画像表示装置及びその制御方法の実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例では、観察者とモニタ間の距離である観察距離と、画像の表示サイズと、から視野角を算出し色調整を行う、画像表示装置及びその制御方法の一例の説明を行う。本実施例の画像表示装置は、キャリブレーション時に、予め画像表示装置がサポートする全視野角の各々に対応する色調整データを作成し保存しておく。そして画像表示装置は、画像閲覧時に、観察距離と画像の表示サイズから観察視野角を算出し、キャリブレーション時に保存した色調整データ群の中から対応する視野角の色調整データを読み出して色調整を行う。以上の処理により、本実施例の画像表示装置は、任意の画像の表示サイズ、及び任意の観察距離において、観察者が正確な色で表示画像を見ることができるように画像を表示することが可能となる。
以下、本実施例について、図面を用いて説明する。図1は、本発明を適用した画像表示装置100、リモコン2、記録メディア3、分光型測色器4の構成を示す図である。
画像表示装置100は、カラーマネジメントモニタやマスターモニタのような、キャリブレーション機能を持ち、表示色の調整が可能な装置である。
リモコン2は、ユーザが画像表示装置100を操作するのに用い、赤外線等を用いて操作内容を画像表示装置100に送信する。
記録メディア3は、例えば画像表示装置100に接続される記録機器や記録メディアである。例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブルやLAN(Local Area Network)ケーブルで接続されたハードディスクやフラッシュメモリ、画像表示装置100に直接挿入するメモリーカード等である。
分光型測色器4は、画像表示装置100からの光の波長分布を測定し、測定結果を分光データとして出力する分光輝度計である。分光型測色器4は、USBケーブル等の通信手段で画像表示装置100と接続されており、測定により得られた分光データを当該通信手段を用いて画像表示装置100に送信する。
次に、画像表示装置100の各機能ブロックを説明する。
操作入力部101は、リモコン2を介して行われたユーザ操作を認識し、後述する制御部103に供給する。
外部I/F部102は、記録メディア3とのインターフェースであり、後述の制御部103の指示により、記録メディア3に記憶された画像データの読み込みを行う。
制御部103は、ユーザ操作に応じた動作を含む、画像表示装置100の動作全般の制御を行う。制御部103は、画像表示の指示を画像表示装置100に入力するための操作がユーザによりリモコン2を介して行われたことを示す信号を操作入力部101から受け取った場合、外部I/F部102を介して記録メディア3に記憶された画像データを読み込む。制御部103は、読み込んだ画像データの表示を後述の表示制御部109に指示することにより、画像表示装置100の画面上に、ユーザ操作により指定された画像を表示させる。また、制御部103は、ユーザから表示画像のサイズ変更指示を受け取った場合、ユーザにより指示された変更後の表示サイズを指定して、後述の表示制御部109に対して表示サイズ変更を指示することにより、ユーザが指定した表示サイズで画像を表示させる。更に、制御部103は、後述のキャリブレーション部119にキャリブレーション実行を指示し、キャリブレーションを行わせる。
デコード部104は、後述の表示制御部109から画像データと共にデコード指示を受け、その画像データのデコード処理を行い、処理後の画像データをメモリ105に書き込む。デコード部104は、一連の処理終了後、表示制御部109に対し、処理が完了した旨を返答する。
表示サイズ調整部106は、後述の表示制御部109から表示サイズ変更指示を受け、メモリ105内に格納されたデコード後の画像データの表示サイズ変更処理を行う。ここで、表示サイズ変更処理としては、例えば、全画面表示、50%縮小表示、横及び縦のピクセル数を指定した画素数変換といったスケーリング処理などである。そして、表示サイズ調整部106は、表示サイズ変更処理後の画像データをバッファ107に書き込む。表示サイズ調整部106は、表示サイズ変更処理後の画像データの表示サイズに関する情報として当該画像データの画素数(横のピクセル数と縦のピクセル数)の情報を後述の表示画素数保持部108に格納する。そして、表示サイズ調整部106は、表示制御部109に対して処理が終了した旨を返答する。
表示画素数保持部108は、表示サイズ調整部106から通知された、表示画像データの画素数(横のピクセル数と縦のピクセル数)を一時的に保持する。また、表示画素数保持部108は、後述の視野角算出部113からの表示画素数の問い合わせに応じて、保持する表示画素数を返答することも行う。
表示制御部109は、制御部103や後述のキャリブレーション部119から、画像データや色票データとそれらの表示サイズの情報を受け取り、指示通りの表示サイズで指定の画像や色票が表示されるよう制御を行う。表示制御部109は、受け取った画像データをデコード部104に送信して展開させる。表示制御部109は、デコード部104からデコード処理完了通知を受け取った後、表示サイズ調整部106に対して指定された表示サイズ変更処理を行うよう指示する。その後、表示制御部109は、後述の視野補正部115に対して、視野補正のオン/オフを指示したのち、後述の表示部110に対してパネル(非図示)に画像を表示するよう指示する。また、表示制御部109は、指示された表示処理が完了した旨を、指示元のブロック(制御部103又はキャリブレーション部119)に返答する。
表示部110は、表示制御部109からの画像表示指示を受け、バッファ107から読み出した画像データに対し、表示部110内の色調整テーブル111を用いて色調整を行い、調整後の画像データをパネル(非図示)に表示する。ここで色調整テーブル111は、図2(A)の様に、R、G、Bの3パラメータで表現する色値(画素値)に関して、色Ciの入力値(Ri,Gi,Bi)を出力値(Roi,Goi,Boi)へ一意に変換する色変換テーブルである。
距離算出部112は、後述の視野角算出部113からの観察距離算出指示により、画像表示装置100に内蔵された距離センサ120を用いて、観察者と画像表示装置100との距離(以下、観察距離を称する)を測定し、返答する。また、距離算出部112は、定期的に距離センサ120を用いて観察距離を測定し、前回の測定時の観察距離から変化があった場合には、後述の視野補正部115に対して、観察距離が変化した旨を通知することも行う。ここで、距離算出部112は、今回測定された観察距離が、前回の測定時の観察距離から、予め用意した閾値以上近くなった場合又は遠くなった場合に、観察距離に変化あったと判断する。
視野角算出部113は、後述の視野補正部115からの観察視野角算出指示により、表示画素数保持部108から画像の表示画素数を、距離算出部112から観察距離を取得し、これらの値から観察視野角Θを算出する。視野角算出部113は、観察視野角Θ算出後、求めた観察視野角Θの値を視野補正部115に返答する。
視野補正テーブル保持部114は、所定の複数の視野角の各々について、いずれの視野角においても表示部110に表示される画像の色がその色に対応する目標の色で観察者に知覚されるように画像データを補整するための補正データを視野角毎に記憶している。ここでは、所定の複数の視野角とは、画像表示装置100の視野補正機能でサポートする全視野角である。また、補正データは、表示部110の色調整テーブル111と同様の、入力画素値を出力画素値へ一意に変換する色変換テーブル(視野補正テーブル)である。例えば、視野補正機能が1°〜10°の範囲内の1°刻みの各視野角をサポートしている場合、視野補正テーブル保持部114は、1°視野、2°視野、・・・、10°視野の全部で10個の視野補正テーブルを保持する。視野補正テーブル保持部114に保持される視野補正テーブル群は、後述のキャリブレーション部119によって書きこまれ、後述の視野補正部115によって読み出されて使用される。
視野補正部115は、表示制御部109からの視野補正オン/オフの指示を受け、表示部110の色調整(視野補正)のオン/オフを切り換え、切り換え後の視野補正状態(オン状態又はオフ状態)の情報を保持する。視野補正がオンの場合、視野補正部115は視野角算出部113から観察視野角Θを取得し、視野補正テーブル保持部114から観察視野角Θに対応する視野補正テーブルを読み出し、表示部110内の色調整テーブル111に書き込む。視野補正がオフの場合、入力値と出力値が等しいテーブル(以下、リニアテーブルと称する)を表示部110の色調整テーブル111に書き込む。リニアテーブルでは、例えば色Ciの入力値が(Ri,Gi,Bi)=(1,2,3)の場合に、出力値(Roi,Goi,Boi)=(1,2,3)となる。従って、視野補正オンの場合には、表示部110への入力画像データに対し、現在の観察者の観察視野角に対応する視野補正が行われたうえで表示され、視野補正オフの場合には、視野補正が行われず、表示部110への入力画像データがそのままの値で表示される。
更に、視野補正部115は、距離算出部112からの観察距離変化通知を受け取り、通知に応じて上述の視野補正処理を行う。視野補正部115は、距離算出部112から観察距離変化通知を受け取った時に視野補正部115が保持している視野補正状態に応じた視野補正処理を行う。すなわち、視野補正部115は、保持している視野補正状態が“オン状態”の場合、視野補正オンの処理を実行し、“オフ状態”の場合、視野補正オフの処理を実行する。
測色部116は、後述のキャリブレーション部119からの測色指示を受け、外部の分光型測色器4から分光データs(λ)を取得し、取得した分光データs(λ)を測色部116へ返答する。図2(B)は、測色部116が分光型測色器4から取得する分光データ
の一例である。ここでは、分光型測色器4は、測色対象における360nm〜830nmまでの波長の分光反射率を1nm単位で分光データとして出力可能であるとする。
等色関数保持部117は、画像表示装置100の視野補正機能でサポートする全視野角の各々について、人間の目の分光感度特性を表す等色関数テーブル(分光感度テーブル)を保持する。図2(C)は、2°視野における等色関数テーブルの一例である。ここでは、等色関数テーブルは、360nm〜830nmの波長における3錐体それぞれの分光感度x(λ)、y(λ)、z(λ)が格納されたテーブルである。例えば、視野補正機能が1°〜10°の範囲内の1°刻みの各視野角をサポートしている場合、等色関数保持部117は、1°視野、2°視野、・・・、10°視野の全部で10種類の視野角に対応する等色関数テーブルが格納される。これらの等色関数テーブル群の各データは、予め複数の被験者による等色実験により求め、出荷前の工場調整時に等色関数保持部117に格納しておく。
色値算出部118は、後述のキャリブレーション部119から、測色対象の分光データと観察視野角Θと共に色値算出指示を受け、指定された観察視野角Θに対応する等色関数テーブルを等色関数保持部117から取得する。そして色値算出部118は、キャリブレーション部119から受け取った分光データと、等色関数保持部117から取得した観察視野角Θにおける等色関数テーブルと、を用いて、観察視野角Θにおける色値(X[Θ],Y[Θ],Z[Θ])を算出する。算出方法は、式1に分光データs(λ)と等色関数テーブルの分光感度x(λ),y(λ),z(λ)を代入することで求めることができる。その後、色値算出部118は、求めた視野角Θにおける色値(X[Θ],Y[Θ],Z[Θ])を、キャリブレーション部119に返答する。
Figure 2013127494
キャリブレーション部119は、制御部103からキャリブレーション実行指示を受ける。そして、制御部103から取得するキャリブレーション目標値と、測色部116と色値算出部118を使用して取得する色値(X[Θ],Y[Θ],Z[Θ])と、から、画像表示装置100がサポートする全視野角の各々に対応する視野補正テーブルを作成する。キャリブレーション部119は、作成した視野補正テーブルを視野補正テーブル保持部114に格納する。ここで、キャリブレーション目標値とは、(R,G,B)値で表現される全色に対して、それぞれデバイス非依存の色値(例えば、CIE−XYZ値)を一意に決定することができる情報のことである。例えば、色域(赤,緑,青のxy色度)、最大輝度、最小輝度、ガンマ、白色点の色度等のデータを例示できる。詳細なキャリブレーション処理は、後述のフローで説明する。
画像表示装置としての基本機能を実行する為のブロックは、上記構成で説明したブロック以外にも存在するが、本実施例の説明で用いないものに関しては、説明を割愛する。
続いて、本実施例の画像表示装置100における、キャリブレーション処理と画像表示時の視野補正処理を実現するための動作を、個別に説明する。その後、画像表示状態において、ユーザ操作によって表示画像の表示サイズが変更された場合と、ユーザが移動する
などして、観察距離が変更された場合における、視野補正処理の再実行を実現するための動作を説明する。
(キャリブレーション処理の動作)
画像表示装置100のサポートする全視野角の各々に対応する視野補正テーブルを作成する、キャリブレーション処理について、図3のフローを用いて説明する。図3のフローは、キャリブレーション部119が制御部103からキャリブレーション目標値と共にキャリブレーション実行指示を受けた時点から開始するものである。
ステップS101で、キャリブレーション部119は、補正対象の色Ci(Ri,Gi,Bi)の現在(補正前)の出力値を得るため、色Ci(Ri,Gi,Bi)の色票データを作成し、表示制御部109に該色票データを表示するよう指示を出す。表示制御部109は、色票表示指示を受け、まずは視野補正部115に視野補正オフを指示する。視野補正部115は、表示制御部109からの視野補正オフの指示を受け、表示部110の色調整テーブル111にリニアテーブルを書き込む。視野補正処理の詳細は、後述のフロー(図5)で説明する。
ステップS102で、表示制御部109は、表示サイズ調整部106と表示部110を使用して、パネル(不図示)上に色Ci(Ri,Gi,Bi)の色票を表示させる。
ステップS103で、キャリブレーション部119は、制御部103から受け取ったキャリブレーション目標値から、色Ci(Ri,Gi,Bi)に対応する目標色値(Xmi,Ymi,Zmi)を算出する。ここで目標色値(Xmi,Ymi,Zmi)は、デバイス非依存の色値であり、本実施例ではCIE−XYZ値を用いる。
ステップS104で、キャリブレーション部119は、測色部116を用いて、現在パネル(不図示)に表示されている色票の色Ci(Ri,Gi,Bi)の分光データを取得する。
ステップS105で、キャリブレーション部119は、どの視野角Θに対応する視野補正テーブルを作成するかを決定する。例えば、画像表示装置100がサポートする視野角が1°〜10°である場合、キャリブレーション部119は、まず1°視野に対応する視野補正テーブルを作成する。
ステップS106で、キャリブレーション部119は、色値算出部118に対して、ステップS104で取得した分光データと、ステップS105で決定した視野角Θの情報を渡す。そして、キャリブレーション部119は、色値算出部118に対して、視野角Θに対応するデバイス非依存の色値(Xi[Θ],Yi[Θ],Zi[Θ])を算出するよう指示する。上述の例では、1°視野に対応する色値(Xi[1°],Yi[1°],Zi[1°])を算出するよう指示する。色値算出部118は、キャリブレーション部119からの色値算出指示を受け、指示された視野角Θの等色関数テーブルを、等色関数保持部117から読み出す。上述の例では、色値算出部118は、1°視野に対応する等色関数テーブルを読み出す。
ステップS107で、色値算出部118は、等色関数保持部117から読み出した等色関数テーブルと、キャリブレーション部119から受け取った分光データから、式1を使用して、色値(Xi[Θ],Yi[Θ],Zi[Θ])を算出する。ここでは、色値(Xi[Θ],Yi[Θ],Zi[Θ])は、CIE−XYZ値で表現するものとする。色値算出部118は、算出した色値(Xi[Θ],Yi[Θ],Zi[Θ])を、キャリブレーション部119に返答する。上述の例では、色値算出部118は、1°視野に対応する
色値(Xi[1°],Yi[1°],Zi[1°])を算出する。
ステップS108で、キャリブレーション部119は、ステップS103で求めた目標色値(Xmi,Ymi,Zmi)とステップS107で取得した視野角Θに対応するパネルの表示色値(Xi[Θ],Yi[Θ],Zi[Θ])から視野補正データを算出する。すなわち、キャリブレーション部119は、色Ci(Ri,Gi,Bi)と測定された表示色値(Xi[Θ],Yi[Θ],Zi[Θ])との関係から、表示色値が目標色値(Xmi,Ymi,Zmi)と等しくなるために入力すべき値(Roi[Θ],Goi[Θ],Boi[Θ])を算出する。そして、これを色Ci(Ri,Gi,Bi)に対応する視野補正データとする。上述の例では、キャリブレーション部119は、1°視野に対応する視野補正データ(Roi[1°],Goi[1°],Roi[1°])を算出する。
ステップS109で、キャリブレーション部119は、算出した色Ci(Ri,Gi,Bi)の視野角Θに対応する視野補正データ(Roi[Θ],Goi[Θ],Boi[Θ])を、視野補正テーブル保持部114に書込み保存する。
ステップS110で、キャリブレーション部119は、色Ci(Ri,Gi,Bi)の視野補正データを、画像表示装置100がサポートする全視野角について算出し保存したか否かを判断する。視野補正データを未だ算出していない視野角がある場合には、未算出の視野角に対応する視野補正データの算出を行うため、ステップS105の処理に進む。一方、全視野角について視野補正データを算出し保存した場合には、ステップS111の処理に進む。
ステップS111で、キャリブレーション部119は、視野補正データを、画像表示装置100の出力可能な全色について算出し保存したか否かを判断する。視野補正データを未だ算出していない色がある場合には、その色の視野補正データの算出を行うため、ステップS101の処理に進む。一方、全色について視野補正データを算出し保存した場合には、本フローの処理を終了する。本実施例では、画像表示装置100の出力可能な全色に対する視野補正データを、色票を表示させた場合の測色結果を用いて算出し、それに基づき視野補正テーブルを作成している。しかし、主要な数色の視野補正データのみ上述の方法で算出し、他の色はその視野補正データから補間することで全色の視野補正テーブルを完成させても良い。
以上のキャリブレーション処理により、画像表示装置100のサポートする全視野角・全色の視野補正テーブルが作成される。
(画像表示時の視野補正処理の動作)
次に、キャリブレーション処理によって作成して視野補正テーブル保持部114に保存した視野補正テーブルを使用して画像表示時に行われる視野補正処理を、図4と図5のフローを用いて説明する。
図4のフローは、制御部103が、操作入力部101から入力されたユーザの操作内容を解釈した結果、画像表示指示であると判断した時点から開始するものである。
ステップS201において、制御部103は、表示画像データのファイルパス(記憶メディアにおけるファイルの記録位置を示す情報)と画像表示時の表示サイズ情報を取得する。ここで、画像表示時の表示サイズ情報については、デフォルト値を予め制御部103が保持しているものとする。表示サイズ情報のデフォルト値は、例えば、全画面表示(画面フィット)、モニタの縦又は横いずれかにフィットさせる表示、ピクセル等倍表示などである。前回選択された表示サイズ情報をデフォルト値として保持していても良い。
ステップS202で、制御部103は、外部I/F部102を使用して、取得したファイルパスの位置に存在する画像データを読み込む。
ステップS203で、制御部103は、表示制御部109に対して、読み込んだ画像データと表示サイズ情報を渡し、表示サイズ情報に従って画像データに基づく画像を表示するよう指示する。表示制御部109は、制御部103からの表示指示を受け、デコード部104に受け取った画像データを送り、デコードするよう指示する。デコード部104は、表示制御部109からのデコード指示を受け、上記画像データをデコードし、メモリ105に格納する。
ステップS204で、表示制御部109は、表示サイズ調整部106に対して表示サイズ情報と共に表示サイズ変更指示を出す。表示サイズ調整部106は、表示制御部109からの表示サイズ変更指示を受け、受け取った表示サイズ情報に従って、メモリ105に格納された画像データの表示サイズ変更を行い、変更後の画像データをバッファ107に格納する。
ステップS205で、表示サイズ調整部106は、表示サイズ変更後の画像データの画素数(横のピクセル数と縦のピクセル数)の情報を表示画素数保持部108に格納し、表示制御部109に表示サイズ変更処理が完了した旨の返答を行う。
ステップS206で、表示制御部109は視野補正部115に対して、視野補正をオンするよう指示する。視野補正部115は、表示制御部109からの視野補正オンの指示を受け、視野角算出部113と視野補正テーブル保持部114を使用して、現在の視野角に対応する視野補正テーブルを表示部110の色調整テーブル111に書き込む。視野補正処理の詳細は、後述のフロー(図5)で説明する。
ステップS207で、表示制御部109は、表示部110に対してバッファ107に格納された画像データの表示指示を行う。表示部110は、表示制御部109の画像表示指示を受け、バッファ107に格納された画像データを、表示部110の色調整テーブル111(ステップS206で書き込まれた視野補正テーブル)を用いて調整した後、パネル(不図示)に表示する。その後、表示制御部109は、制御部103に対して表示完了の返答を行う。
次に、視野補正処理について、図5に基づいて説明を行う。図5のフローは、視野補正部115が、キャリブレーション部119や表示制御部109から、視野補正オン、もしくは視野補正オフを指示された時点から開始するものとする。
ステップS301において、視野補正部115は、表示制御部109から受けた指示の内容判断を行う。視野補正部115は、受けた指示内容が視野補正オンならば、処理をステップS303に進め、視野補正オフならば、ステップS302に進める。
ステップS302で、視野補正部115は、視野補正をオフとするため、リニアテーブルを作成し、表示部110の色調整テーブル111に書き込む。その後、当処理を終了する。
ステップS303で、視野補正部115は、表示画素数保持部108から画像データの画素数(横のピクセル数と縦のピクセル数)を読み出す。視野補正部115は、取得した画像データの画素数と、予め内部に保持したパネル(不図示)のピクセル密度情報(ppi:pixel per inch)から、画像の表示サイズ(横サイズ[cm]と縦サイズ[cm])を算出する。
ステップS304で、視野補正部115は、距離算出部112を使用して、観察距離d[cm]を取得する。
ステップS305で、視野補正部115は、ステップS303で算出した画像の表示サイズ(横サイズ[cm]と縦サイズ[cm])と、ステップS304で取得した観察距離d[cm]から、現在の観察視野角Θを算出する。ここで図6は、観察視野角Θの算出方法を説明した図である。まず、図6(A)に示すように、画像の表示サイズ(横サイズL[cm]と縦サイズL[cm])から、その画像を閲覧する際の観察者の視野sの直径、すなわち表示サイズの対角線の長さ2rを算出する(2r=(L +L 1/2。その後、図6(B)に示すように、観察者の視野sの直径2rと観察距離dから、観察視野角Θを算出可能である(Θ=2tan−1(r/d))。
ステップS306で、視野補正部115は、観察視野角Θに対応する視野補正テーブルを、視野補正テーブル保持部114から読み出す。例えば、観察視野角Θ=2°の場合、視野補正部115は、2°視野の視野補正テーブルを読み出す。
ステップS307で、視野補正部115は、取得した視野補正テーブルを表示部110の色調整テーブル111に書き込み、当処理を終了する。
以上の処理により、画像表示時に、観察距離と画像の表示サイズから観察視野角が算出され、その観察視野角に対応する視野補正テーブルが表示部の色調整テーブルに適用され、画像が表示される。これにより、画像表示時の観察視野角において正確な色に見えるよう色調整が行われる。
(表示サイズ変更時の視野補正処理の動作)
次に、表示部に画像が表示されているときに、ユーザにより表示画像の表示サイズ変更操作がなされた場合に行われる、画像表示装置100の視野補正処理について、図7のフローを用いて説明する。
図7のフローは、制御部103が、操作入力部101から入力されたユーザの操作内容を解釈した結果、現在表示されている画像の表示サイズの変更指示であると判断した時点から開始するものである。
ステップS401において、制御部103は、変更後の表示サイズを取得する。ここで、表示サイズは、表示サイズ変更後の画像データの画素数(横のピクセル数と縦のピクセル数)とする。
ステップS402で、制御部103は、表示制御部109に対して、表示サイズ(表示画素数)の情報と共に表示サイズ変更指示を出す。表示制御部109は、表示サイズ変更指示を受け、受け取った表示サイズ(表示画素数)の情報を表示サイズ情報とし、その表示サイズ情報と共に表示サイズ変更指示を表示サイズ調整部106に出す。表示サイズ調整部106は、表示制御部109からの表示サイズ変更指示を受け、受け取った表示サイズ情報に従って、メモリ105に格納された画像データの表示サイズ変更処理(スケーリング処理)を行い、変更後の画像データをバッファ107に格納する。
ステップS404で、表示サイズ調整部106は、表示サイズ変更後の画像データの画素数(横のピクセル数と縦のピクセル数)を表示画素数保持部108に格納し、表示制御部109に表示サイズ変更処理が完了した旨の返答を行う。すなわち、表示処理(図4)のステップS205と同様の処理となる。
ステップS405で、表示制御部109は視野補正部115に対して、視野補正をオンするよう指示する。視野補正部115は、表示制御部109からの視野補正オンの指示を受け、視野角算出部113と視野補正テーブル保持部114を使用して、現在の視野角に対応する視野補正テーブルを表示部110の色調整テーブル111に書き込む。現在の視野角は、表示サイズ変更処理後の画像の表示サイズに基づき算出された視野角である。すなわち、表示処理(図4)のステップS206と同様の処理となる。
ステップS406で、表示制御部109は、表示部110に対してバッファ107に格納された画像データの表示指示を行う。表示部110は、表示制御部109の画像表示指示を受け、バッファ107に格納された画像データを、表示部110内の色調整テーブル111で調整した後、パネル(不図示)に表示する。その後、表示制御部109は、制御部103に対して表示完了の返答を行う。
以上の処理により、画像表示時に、ユーザにより表示画像の表示サイズ変更がなされ、観察視野角が変化した場合でも、変更後の表示サイズと観察距離から、改めて観察視野角が算出される。そして、算出された最新の観察視野角に対応する視野補正テーブルで色調整が行われ、画像表示が行われる。そのため、表示サイズを変更した場合でも観察者が正確な色で表示画像を見ることができる画像表示を行うことが可能となる。
(観察距離変更時の視野補正処理の動作)
次に、表示画像を観察中、観察者が移動する等により観察距離が変化した場合に行われる、画像表示装置100の視野補正処理について説明する。距離算出部112は、距離センサ120を使用して定期的に観察距離を取得し、観察距離の変動量が距離算出部112が予め保持している閾値を超えた場合に、観察距離が変化したと判断する。これら、観察距離変化の検出及び観察距離変化時の視野補正処理の流れを、図8のフローを用いて説明する。
図8のフローは、距離算出部112内のタイマー(不図示)により、指定時間毎に発行されるタイマーイベントとトリガーとして開始するものである。
ステップS501において、距離算出部112は内部のタイマーイベントを受け、距離センサ120を使用して、観察距離dを取得する。
ステップS502で、距離算出部112は内部に保持している、過去に取得した観察距離(前回検出した観察距離)と、ステップS501で取得した現在の観察距離(今回検出した観察距離)d[cm]と、の差Δd[cm]を求める。
ステップS503で、距離算出部112は、ステップS502で算出した観察距離の差、すなわち観察距離の変化量Δdが、内部に保持している閾値よりも大きいか否かを判断する。ここで、閾値は工場出荷時に予め距離算出部112に書き込んでおく。観察距離の差Δdが閾値よりも大きい場合は、ステップS504へ処理が進み、観察距離の差Δdが閾値よりも小さい場合は、本フローの処理は終了する。
ステップS504で、距離算出部112は、観察距離の差Δdが閾値を超えたため、観察距離が変化したと判断し、新たな観察距離dを内部に保存する。
ステップS505で、距離算出部112は、視野補正部115に対して観察距離変化通知を発行する。
ステップS506で、視野補正部115は、距離算出部112からの観察視野角変化通知を受け、視野補正処理を再度実行する。ここで、視野補正処理のオン/オフは、観察距
離変化通知を受け取った時に、視野補正部115が保持していた視野補正処理のオン/オフの状態に応じて決定する。すなわち、視野補正部115が保持している視野補正状態が“オン状態”の場合、視野補正オンの処理を、“オフ状態”の場合、視野補正オフの処理を、実行する。視野補正オンの処理を実行する場合、画像表示装置100は、新たな観察距離dに基づき新たな観察視野角Θを算出し、当該観察視野角Θに対応する視野補正テーブルを表示部110の色調整テーブル111に適用して画像表示を行う。視野補正オフの処理を実行する場合、画像表示装置100は、リニアテーブルを表示部110の色調整テーブル111に適用して画像表示を行う。
以上の処理により、観察者が移動する等により観察距離が変化した場合でも、変化後の観察距離と表示サイズから、改めて観察視野角を算出し、当該観察視野角に対応する視野補正テーブルで色調整を行って画像表示が行われる。そのため、観察距離が変化した場合でも観察者が正確な色で表示画像の色を知覚する(見る)ことができる画像表示を行うことが可能となる。
本実施例では、ユーザが画像を観察する際に、観察距離や画像の表示サイズを変更した場合においても、観察者が正確な色で表示画像を見ることができるよう色調整を行う画像表示装置について説明した。本実施例の画像表示装置は、予め、キャリブレーション処理時に、画像表示装置がサポートする全視野角分の視野補正テーブルを作成する。そして、画像表示時や表示サイズの変更時、観察距離の変化時に画像の表示サイズと観察距離から観察視野角を算出して、その観察視野角に対応する視野補正テーブルを使用して視野補正を行う。これらの処理により、本実施例の画像表示装置では、画像の表示サイズや観察距離が変更された場合にも適切な色調整を行い、観察者が表示画像を正確な色で見ることができるような画像表示を行うことが可能となる。
また、本実施例では、キャリブレーション処理時に、予め画像表示装置がサポートする全視野角の各々に対応する視野補正テーブルが作成され、画像表示時に観察視野角に対応する視野補正テーブルが色調整テーブルに適用される例を説明した。別の方法でも本発明の実施が可能である。例えば、予めキャリブレーションに使用する色の分光データを取得、保存し、画像表示時にそれらの分光データと観察視野角に対応する等色関数を用いてキャリブレーションを行い、視野補正テーブルを算出するようにしても良い。
(実施例2)
続いて、本発明を適用した画像表示装置の第2の実施例について説明する。観察者が表示画像を観察する際、画像内の一部分(注目領域)に注目して見ることがある。この場合、ユーザの視界が注目領域のみに狭まり、画像全体を観察した場合と視野角が異なることになる。従って、画像全体の表示サイズに基づく観察視野角に対応する視野補正を行った状態で、観察者が注目領域のみを観察した場合、観察者は正確な色で注目領域の画像を見ることができない。本実施例ではこの問題を鑑み、ユーザが注目領域を指定した場合、その注目領域の表示サイズと観察距離から観察視野角を算出し、その観察視野角に対応する視野補正を行う画像表示装置について説明する。このような視野補正を行うことにより、観察者は指定した注目領域に表示される画像を正確な色で見ることが可能になる。
本実施例では、主に実施例1と異なる構成について説明する。実施例1と同一の構成及び処理に関しては、実施例1と同じ符号を用い、詳細な説明を適宜省略する。
以下、本実施例について、図面を用いて説明する。図9は、本発明を適用した画像表示装置200及びリモコン2、記録メディア3、分光型測色器4の構成を示す図である。リモコン2、記録メディア3、分光型測色器4は、実施例1の構成(図1)と同等であるため、説明を割愛する。
次に、画像表示装置200の各機能ブロックを説明する。
操作入力部201は、リモコン2を介して行われたユーザ操作を認識し、後述する制御部203に供給する。すなわち、操作入力部201は、実施例1の操作入力部101と同様の機能をもつ。
外部I/F部202は、記録メディア3とのインターフェースであり、後述の制御部203の指示により、記録メディア3内の画像データの読み込みを行う。すなわち、外部I/F部202は、実施例1の外部I/F部102と同様の機能をもつ。
制御部203は、ユーザ操作に応じた動作を含む画像表示装置200の動作全般を制御する。制御部203は、ユーザによる画像表示指示を受け取った場合、外部I/F部202を介して記録メディア3内の画像データを読み込み、後述の表示制御部210に読み込んだ画像データの表示を指示する。これにより、制御部203は、画像表示装置100の画面上に、指定された画像データに基づく画像を表示させる。また、制御部203は、ユーザから表示画像のサイズ変更指示を受け取った場合、後述の表示制御部210に対して、変更後の表示サイズを指定して表示サイズ変更を指示することで、ユーザが指定した表示サイズへ画像の表示サイズを変更する。更に、制御部203は、後述のキャリブレーション部220にキャリブレーションの実行を指示し、キャリブレーション(視野補正テーブルの更新)を行わせる。
また、制御部203は、ユーザ操作に応じて、現在表示中の画像の注目領域を決定し、後述の注目領域保持部204に注目領域の位置データを格納する。また、制御部203は、後述の表示制御部210に対して、注目領域表示指示を行う。表示制御部210は、注目領域表示指示を受け取ると、注目領域部分を枠で図示するとともに、注目領域が正確な色に見えるような視野補正を行う。本実施例では、注目領域は、始点Sと終点Eで規定される矩形により指定されるものとする。始点Sの位置及び終点Eの位置は、画像表示装置200の画面の最も左上の画素の位置を原点Oとし、横方向をx軸、縦方向をy軸としたxy座標(単位はピクセル)で表わす。ここでは、それぞれの座標を始点S(xs,ys)、終点E(xe,ye)とする。
注目領域保持部204は、制御部203から通知された注目領域の位置(始点Sと終点Eの座標)を一時的に保持する。また、注目領域保持部204は、後述の表示制御部210からの注目領域の位置の問い合わせに応じて、保持する注目領域の位置情報を返答することも行う。
デコード部205は、後述の表示制御部210から画像データと共にデコード指示を受け、その画像データのデコードを行い、処理後の画像データをメモリ206に書き込む。デコード部205は、一連の処理終了後、表示制御部210に対し、処理が完了した旨を返答する。すなわち、デコード部205は、実施例1のデコード部104と同様の機能を持つ。
表示サイズ調整部207は、後述の表示制御部210から表示サイズ変更指示を受け、メモリ206内に格納されたデコード後の画像データの表示サイズ変更処理を行う。そして、表示サイズ調整部207は、表示サイズ変更処理後の画像データをバッファ208に書き込む。表示サイズ調整部207は、表示サイズ変更処理後の画像データの表示サイズを示す情報、ここでは当該画像データの画素数(横のピクセル数と縦のピクセル数)の情報を、後述の表示画素数保持部209に格納する。そして、表示サイズ調整部207は、表示制御部210に対して処理が終了した旨を返答する。
また、表示サイズ調整部207は、後述の表示制御部210から、注目領域の座標の情報と共に注目領域を示す枠(以下、注目枠と称する)の描画指示を受け、現在表示中の画
像に、注目枠の画像を重畳表示する。すなわち、表示サイズ調整部207は、バッファ208から現在表示中の画像データを読み出し、指定の座標に注目枠を描画後、再びバッファ208に書き込む。その後、表示サイズ調整部207は、後述の表示画素数保持部209に、注目領域の画素数(横のピクセル数と縦のピクセル数)を書き込み、表示制御部210に対して処理が終了した旨を返答する。
表示画素数保持部209は、表示サイズ調整部207から通知された、表示画像、もしくは注目領域の画素数(横のピクセル数と縦のピクセル数)を一時的に保持する。また、表示画素数保持部209は、後述の視野角算出部214からの表示画素数の問い合わせに応じて、保持する表示画素数を返答することも行う。
表示制御部210は、制御部203や後述のキャリブレーション部220から、画像データや色票データとそれらの表示サイズ情報を受け取り、表示サイズ情報に従って指定の画像や色票を表示するよう制御を行う。表示制御部210は、受け取った画像データをデコード部205を使用して展開し、デコード部205からデコード完了通知を受け取った後、表示サイズ調整部207に対して指定された表示サイズに変更するよう指示する。そして、表示制御部210は、後述の視野補正部216に対して、視野補正のオン/オフを指示したのち、後述の表示部211に対してパネル(非図示)に画像を表示するよう指示する。また、表示制御部210は、表示制御が完了した旨を、指示元のブロック(制御部203、又はキャリブレーション部220)に返答する。
更に、表示制御部210は、制御部203からの注目領域表示指示により、注目領域保持部204から注目領域の位置情報を取得し、表示サイズ調整部207に対して取得した位置座標と共に注目枠の描画指示を出す。その後、表示制御部210は、視野補正部216に対して視野補正オンを指示し、指示元である制御部203に対して処理が完了した旨を返答する。
表示部211は、表示制御部210からの画像表示指示を受け、バッファ208から読み出した画像データに対して、表示部211の色調整テーブル212を用いて色調整を行い、調整後の画像データをパネル(非図示)に表示する。すなわち、実施例1の表示部110と同様の機能を持つ。ここで色調整テーブル212は、実施例1と同様、図2(A)の様な色変換テーブルとする。
距離算出部213は、後述の視野角算出部214からの観察距離算出指示により、画像表示装置200に内蔵された距離センサ221を用いて、観察者と画像表示装置200との距離を測定し、返答する。また、距離算出部213は、定期的に距離センサ221を用いて観察距離を測定し、前回の測定時の観察距離から変化があった場合には、後述の視野補正部216に対して、観察距離が変化した旨を通知する(観察距離変化通知)。ここで、距離算出部213は、前回測定時の観察距離に対して、今回測定時の観察距離が、予め用意した閾値以上近くなった場合又は遠くなった場合に、観察距離に変化があったと判断する。すなわち、距離算出部213は、実施例1の距離算出部112と同様の機能を持つ。
視野角算出部214は、後述の視野補正部216からの観察視野角算出指示により、表示画素数保持部209から画像又は注目領域の画素数を取得するとともに、距離算出部213から観察距離を取得し、これらの値から観察視野角Θを算出する。視野角算出部214は、観察視野角Θを算出後、求めた観察視野角Θの値を視野補正部216へ返答する。すなわち、視野角算出部214は、実施例1の視野角算出部113と同様の機能を持つ。
視野補正テーブル保持部215は、画像表示装置200の視野補正機能でサポートする
全視野角の各々に対応する視野補正テーブルを保持する。各視野角に対応する視野補正テーブルは、表示部211の色調整テーブル212と同様、入力値を出力値へ一意に変換する色変換テーブルを想定している。視野補正テーブル保持部215に保持される視野補正テーブル群は、後述のキャリブレーション部220によって書きこまれ、後述の視野補正部216によって読み出されて使用される。すなわち、視野補正テーブル保持部215は、実施例1の視野補正テーブル保持部114と同様の機能を持つ。
視野補正部216は、表示制御部210からの視野補正オン又は視野補正オフの指示を受け、表示部211の色調整(視野補正)のオン/オフを切り換え、切り換え後の視野補正状態(オン状態又はオフ状態)の情報を保持する。視野補正がオンの場合、視野補正部216は視野角算出部214を使用して観察視野角Θを取得し、視野補正テーブル保持部215から、観察視野角Θに対応する視野補正テーブルを読み出し、表示部211の色調整テーブル212に書き込む。視野補正がオフの場合、視野補正部216は、リニアテーブルを表示部211の色調整テーブル212に書き込む。従って、視野補正オンの場合には、入力画像データに対し現在の観察視野角に対応する視野補正が行われた上で表示部110に表示され、視野補正オフの場合には、視野補正が行われず、入力画像データがそのままの値で表示部110に表示される。
更に、視野補正部216は、距離算出部213からの観察距離変化通知を受け取り、観察距離が変化したか否かに応じて上述の視野補正オン又はオフの処理を再度実行する。このとき、視野補正オン/オフのいずれの処理を実行するかは、観察距離変化通知を受け取った時に視野補正部216が保持している視野補正状態の情報に基づき決定する。すなわち、視野補正部216は、実施例1の視野補正部115と同様の機能を持つ。
測色部217は、後述のキャリブレーション部220からの測色指示を受け、外部の分光型測色器4から分光データs(λ)を取得し、取得した分光データs(λ)を返答する。すなわち、測色部217は、実施例1の測色部116と同様の機能を持つ。
等色関数保持部218は、画像表示装置200の視野補正機能でサポートする視野角の各々に対応する目の等色関数テーブル(分光感度テーブル)を保持する。すなわち、等色関数保持部218は、実施例1の等色関数保持部117と同様の機能を持つ。
色値算出部219は、後述のキャリブレーション部220から、測色対象の分光データと視野角Θと共に色値算出指示を受け、指定された視野角Θに対応する等色関数テーブルを等色関数保持部218から取得する。そして色値算出部219は、キャリブレーション部220から受け取った分光データと等色関数保持部218から取得した等色関数テーブルを用いて、視野角Θにおける色値(X[Θ],Y[Θ],Z[Θ])を算出する。その後、色値算出部219は、求めた視野角Θにおける色値(X[Θ],Y[Θ],Z[Θ])を、キャリブレーション部220に返答する。すなわち、色値算出部219は、実施例1の色値算出部118と同様の機能を持つ。
キャリブレーション部220は、制御部203からキャリブレーション目標値と共にキャリブレーション実行指示を受け、測色部217と視野角算出部214を使用して、画像表示装置200がサポートする視野角の各々に対応する視野補正テーブルを作成する。そして、作成した視野補正テーブルを視野補正テーブル保持部215に格納する。すなわち、キャリブレーション部220は、実施例1のキャリブレーション部119と同様の機能を持つ。
画像表示装置としての基本機能を実行する為のブロックは、上記構成で説明したブロック以外にも存在するが、本実施例の説明に用いないものに関しては、説明を割愛する。
続いて、本実施例の画像表示装置200における、注目領域指定時の視野補正を実現するための動作を説明する。
本実施例における画像表示装置200のキャリブレーション処理及び画像表示処理は、実施例1と同様であるため説明を割愛する。以降、キャリブレーション処理が完了し、画像が指定の表示サイズで表示されている状態で、ユーザ操作により注目領域が指定された時の画像表示装置200の処理である「注目領域表示処理」について説明する。
(注目領域表示処理)
ユーザ操作により、表示中の画像に注目領域が指定された時に実行される処理を、図10のフローを用いて説明する。図10のフローは、制御部203が、ユーザ操作により画像の注目領域の表示指示を受けた時点から開始するものである。
ステップS601において、制御部203は、操作入力部201から入力された、注目領域を指定するユーザ操作を解釈し、注目領域の始点Sの座標(xs,ys)と終点Eの座標(xe,ye)を取得する。その後、制御部203は、取得した注目領域の始点Sと終点Eの座標情報を、注目領域保持部204に書き込み、保存する。
ステップS602において、制御部203は表示制御部210に対して注目領域表示指示を出す。すなわち、制御部203は、表示制御部210に対し、注目領域の枠を表示し、注目領域が正確な色に見えるよう視野補正を行う指示を出す。表示制御部210は、制御部203からの注目領域表示指示を受け、注目領域保持部204から注目領域の位置情報(始点Sと終点Eの位置)を取得する。その後、表示制御部210は、取得した注目領域の位置情報を表示サイズ調整部207に渡し、該位置情報に従って注目枠を描画するよう指示する。表示サイズ調整部207は、表示制御部210から注目領域の位置情報と共に注目枠の描画指示を受けて、バッファ208から現在表示中の画像データを読み出す。表示サイズ調整部207は、読み出した画像データ上に、注目領域の位置情報に従って注目枠を描画したのちに、再びバッファ208に書き込む。
ステップS603で、表示サイズ調整部207は、注目領域の位置情報から注目領域のサイズ(画素数)(横のピクセル数と縦のピクセル数)を算出し、表示画素数保持部209に格納する。その後、表示サイズ調整部207は、表示制御部210に対して、注目枠描画処理が終了した旨を返答する。
ステップS604で、表示制御部210は、視野補正部216に対して、視野補正処理(オン)の実行を指示する。視野補正部216の視野補正処理内容は、実施例1の図5のフローと同様であるため、説明を割愛する。この時、視野補正処理のステップS303で算出する表示サイズは、表示画素数保持部209に格納された画素数を元に算出されるため、結果として注目領域の表示サイズと観察距離に基づいて視野補正が行われることになる。
ステップS605で、表示制御部210は、表示部211に対してバッファ208に格納された、画像データの表示指示を行う。ここでの画像データは、ステップS602の処理により、注目枠が描画された画像データである。表示部211は、表示制御部210の画像表示指示を受け、バッファ208に格納された注目枠付きの画像データを、表示部211内の色調整テーブル212で補正した後、パネル(不図示)に表示する。その後、表示制御部210は、制御部203に対して表示完了の返答を行う。
以上の処理により、ユーザ操作により注目領域が指定された場合に、注目領域を枠で明示し、注目領域が正確な色に見えるよう色調整を行うことができる。
本実施例では、ユーザが画像の一部分を注目領域として観察する際、ユーザ操作によって指定された注目領域の画像が、正確な色に見えるよう色調整を行う画像表示装置について説明した。本実施例の画像表示装置は、予めキャリブレーション処理時に、画像表示装置がサポートする全視野角分の視野補正テーブルを作成しておく。更に、ユーザ操作によって注目領域が指定された場合には、注目領域の表示サイズと観察距離から観察視野角を算出し、その観察視野角に対応する視野補正テーブルを使用して視野補正を行う。これらの処理により、本実施例の画像表示装置では、画像の一部分を注目して観察する場合でも、その注目領域の表示サイズと観察距離に対応する色調整が行われるので、観察者が注目領域の画像を正確な色で見ることができるような画像表示を行うことが可能となる。
(実施例3)
本実施例では、実施例1と同様に、観察距離と画像の表示サイズから視野角を算出し、算出した視野角に応じた色調整を行う画像表示装置及びその制御方法の一例の説明を行う。
以下、本実施例について図面を用いて説明する。本実施例は、図11,図12に示すように、表示装置300と制御装置400からなる画像表示システムである。表示装置300と制御装置400は、画像信号線5と通信信号線6の2本の信号線で接続されている。本実施例では、画像信号線5はDVI(Digital Visual Interface)ケーブル、通信信号線6はUSB(Universal Serial Bus)ケーブルであるとする。画像信号線5及び通信信号線6はこの限りではない。また、画像信号線5及び通信信号線6が一体となった1本の信号線であっても良い。
表示装置300は、カラーマネジメントモニタやマスターモニタのような、キャリブレーション機能を持ち、表示色の調整が可能な画像表示装置であり、制御装置400が出力した画像データをDVIケーブルを通して受信し画面に表示する。また、制御装置400からの制御命令をUSBケーブルを通して受信し、制御命令の内容通りに表示装置300の各機能ブロックを動作させる。
制御装置400は、表示装置300を制御する専用の制御装置であり、制御ソフトウェアが動作するPC(Personal Computer)や、制御ボードが組み込まれたPC等である。制御装置400を操作することにより、表示装置300のキャリブレーション機能や視野補正機能を制御装置400上から制御することができる。当機能等を利用して、視野補正機能を実現する。詳しい実現手段については、後述のフローで説明する。
次に図11を用いて、表示装置300の各機能ブロックを説明する。
画像受信部301は、制御装置400からの画像データを画像信号線5を介して受信し、その画像データをビデオメモリ書き込み部302に送信する。
ビデオメモリ書き込み部302は、画像受信部301から受信した画像データをビデオメモリ303に書き込む。またビデオメモリ書き込み部302は、1フレーム分の画像データの書き込みが終了したタイミングで、書き込みが完了した旨を後述の表示制御部304に通知する。
表示制御部304は、ビデオメモリ書き込み部302からの、画像データの書き込み完了通知を受け、後述の表示部305に対してビデオメモリ303に書き込まれている画像データを表示するよう指示する。これにより、表示装置300のパネル(不図示)上に制御装置400から送信された画像データに基づく画像が表示される。また、表示制御部304は、後述の表示装置制御部314からの視野補正処理のオン/オフ命令を受け、後述の視野補正部312に対して、視野補正処理のオン/オフを指示する。表示制御部304は、視野補正処理のオン/オフ指示が完了後、表示装置制御部314に処理が終了した旨
を通知する。
表示部305は、表示制御部304からの画像表示指示を受け、ビデオメモリ303から読み出した画像データを、表示部305の色調整テーブル306を用いて色調整を行い、調整後の画像データをパネル(非図示)に表示する。ここで色調整テーブル306は、実施例1と同様、色Ciの入力値(Ri,Gi,Bi)を出力値(Roi,Goi,Boi)に一意に変換する色変換テーブルであるとする。
距離算出部307は、後述の視野角算出部310からの観察距離算出指示により、表示装置300に内蔵された距離センサ308を用いて、観察距離を測定し返答する。また、距離算出部307は、定期的に距離センサ308を用いて観察距離を測定し、前回の測定時の観察距離から変化があった場合には、後述の視野補正部312に対して、観察距離が変化した旨を通知する(観察距離変化通知)。ここで、距離算出部307は、今回測定された観察距離が、前回の測定時の観察距離から、予め用意した閾値以上近くなった場合又は遠くなった場合に、観察距離に変化があったと判断する。
表示画素数保持部309は、後述の表示装置制御部314から通知された、表示画像の画素数(横のピクセル数と縦のピクセル数)を一時的に保持する。また、表示画素数保持部309は、後述の視野角算出部310からの表示画像の画素数の問い合わせに応じて、保持する表示画像の画素数を返答する。
視野角算出部310は、後述の視野補正部312からの観察視野角算出指示により、表示画素数保持部309から画像の表示画素数を、距離算出部307から観察距離を取得し、これらの値から観察視野角Θを算出する。視野角算出部310は、観察視野角Θ算出後、算出した観察視野角Θの値を視野補正部312に返答する。
視野補正テーブル保持部311は、表示装置300の視野補正機能でサポートする全視野角の各々に対応する視野補正テーブルを保持する。各視野角に対応する視野補正テーブルは、表示部305の色調整テーブル306と同様の、入力画素値を出力画素値へ一意に変換する色変換テーブルである。視野補正テーブル保持部311の保持する視野補正テーブル群は、後述の表示装置制御部314によって書きこまれ、後述の視野補正部312によって読み出されて使用される。
視野補正部312は、表示制御部304からの視野補正オン又は視野補正オフの指示を受け、表示部305の色調整(視野補正)のオン/オフを切り換え、切り換え後の視野補正状態(オン状態又はオフ状態)の情報を保持する。視野補正がオンの場合、視野補正部312は視野角算出部310を使用して観察視野角Θを取得し、視野補正テーブル保持部311から、観察視野角Θに対応する視野補正テーブルを読み出し、表示部305の色調整テーブル306に書き込む。視野補正がオフの場合、視野補正部312は、リニアテーブルを表示部305の色調整テーブル306に書き込む。従って、視野補正オンの場合には、現在の観察視野角に対応する視野補正が行われ、視野補正オフの場合には、視野補正が行われず、入力画像データそのままの値で表示される。
更に、視野補正部312は、距離算出部307からの観察距離変化通知を受け取り、上述の視野補正オン又はオフの処理を再度実行する。視野補正オン又はオフのいずれの処理を実行するかは、視野補正部312が観察距離変化通知を受理した時点で保持している視野補正状態の情報に基づく。すなわち、視野補正部312は、保持している視野補正状態が“オン状態”の場合、視野補正オンの処理を実行し、保持している視野補正状態が“オフ状態”の場合、視野補正オフの処理を再び実行する。
通信部313は、通信信号線6を介して制御装置400からの視野補正制御に関する通信コマンドを受信し、コマンド内容の解析を行う。解析結果は、後述の表示装置制御部314に送信する。また通信部313は、表示装置制御部314からのコマンド送信指示に従って、通信コマンドの作成及び制御装置400への通信コマンドの送信を行う。詳細なコマンド内容は、後述のフローで説明する。
表示装置制御部314は、通信部313からのコマンド解析結果を受信し、そのコマンド内容に従って、表示制御部304、表示画素数保持部309、視野補正テーブル保持部311の制御を行う。表示装置制御部314は、受け取ったコマンドが表示画像データの画素数更新命令である場合、該コマンドと共に送られてきた表示画像データの画素数(横のピクセル数と縦のピクセル数)を、表示画素数保持部309に書き込む。そして、通信部313に対して、画素数更新完了を返答するよう指示を出す。また、受け取ったコマンドが、視野補正データ保存命令である場合、該コマンドと共に送られてきた視野補正データを、視野補正テーブル保持部311に書き込んだのち、通信部313に対して、視野補正データ保存完了を返答するよう指示を出す。また、受け取ったコマンドが視野補正オフ命令又は視野補正オン命令である場合、表示制御部304に対して、視野補正オフ又は視野補正オンを指示したのち、通信部313に対して、視野補正オフ完了又は視野補正オン完了を返答するよう指示を出す。詳細な視野補正の方法は、後述のフローで説明する。
表示装置としての基本機能を実行する為のブロックは、上記構成で説明したブロック以外にも存在するが、本実施例の説明に用いないものに関しては、説明を割愛する。
続いて図12を用いて、制御装置400の各機能ブロックを説明する。
操作入力部401は、マウス7を介して行われたユーザ操作を認識し、後述する制御装置制御部403に供給する。
外部I/F部402は、記録メディア3とのインターフェースであり、後述の制御装置制御部403の指示により、記録メディア3に記憶された画像データの読み込みを行う。
制御装置制御部403は、ユーザ操作に応じた動作を含む、制御装置400の動作全般を制御する。制御装置制御部403は、ユーザによる画像表示指示を受け取った場合、外部I/F部402を介して記録メディア3内の画像データを読み込み、読み込んだ画像データの表示を後述の出力制御部409に指示することで、表示装置300に画像データを送信させる。また、制御装置制御部403は、ユーザから表示画像のサイズ変更指示を受け取った場合、後述の出力制御部409に対して、変更後の表示サイズを指定して表示サイズ変更を指示する。これにより、制御装置制御部403は、外部I/F部402から読み込んだ画像データをユーザが指定した表示サイズの画像データに変更(リサイズ、スケーリング)する。更に、制御装置制御部403は、後述のキャリブレーション部415にキャリブレーション実行を指示し、キャリブレーション(視野補正テーブルの更新処理)を行わせる。
デコード部404は、後述の出力制御部409から画像データと共にデコード指示を受け、その画像データのデコードを行い、デコード処理後の画像データをメモリ405に書き込む。デコード部404は、一連の処理終了後、出力制御部409に対し、処理が完了した旨を返答する。
表示サイズ調整部406は、後述の出力制御部409から表示サイズ変更指示を受け、メモリ405に格納されたデコード後の画像データの表示サイズ変更処理を行う。ここで、表示サイズ変更処理としては、例えば、全画面表示、50%縮小表示、横及び縦のピクセル数を指定した画素数変換といったスケーリング処理などである。そして、表示サイズ調整部406は、表示サイズ変更処理後の画像データをバッファ407に書き込み、出力制御部409に対して、表示サイズ変更後の画像データの画素数(横のピクセル数と縦の
ピクセル数)と共に処理が終了した旨を返答する。
出力制御部409は、制御装置制御部403や後述のキャリブレーション部415から、画像データや色票データとそれらの表示サイズ情報を受け取る。そして、指定の画像データや色票データが表示サイズ情報に従って表示装置300へ出力されるよう、制御装置400の各機能ブロックを制御する。出力制御部409は、受け取った画像データをデコード部404を使用して展開し、デコード部404からデコード完了通知を受け取った後、表示サイズ調整部406に対して表示サイズ情報に従った表示サイズ変更処理を行うよう指示する。その後、出力制御部409は、後述の通信部411を通じて表示装置300に対し、視野補正のオン/オフを指示したのち、後述の画像出力部410に対し画像データを出力するよう指示する。また、出力制御部409は、画像出力制御が完了した旨を、指示元のブロック(制御装置制御部403又はキャリブレーション部415)に返答する。
画像出力部410は、表示サイズ調整部406がバッファ407に格納した、表示サイズ変更処理後の画像データを画像データストリームとして、画像信号線5を通して表示装置300へ送信する。
通信部411は、出力制御部409や後述のキャリブレーション部415からの視野補正制御に関するコマンド送信指示に従って、コマンドの作成及び表示装置300へのコマンドの送信を行う。また通信部411は、表示装置300からのコマンドを受信し、コマンド内容の解析を行う。通信部411は、解析結果を、送信先として指定されたブロック(出力制御部409やキャリブレーション部415)に送信する。詳細なコマンド内容は、後述のフローで説明する。
測色部412は、後述のキャリブレーション部415からの測色指示を受け、外部の分光型測色器4から分光データs(λ)を取得し、取得した分光データs(λ)をキャリブレーション部415に対し返答する。ここで、分光データs(λ)は、実施例1と同様、360nm〜830nmまでの1nm刻みの分光反射率のデータとする。ここで分光型測色器4は、表示装置300のパネル(不図示)上の色を測色するよう設置されているものとする。
等色関数保持部413は、表示装置300の視野補正機能でサポートする視野角の各々に対応する等色関数テーブル(目の分光感度テーブル)を保持する。等色関数テーブルは、実施例1と同様、360nm〜830nmの波長における3錐体それぞれの分光感度x(λ)、y(λ)、z(λ)が格納されたテーブルとする。等色関数テーブル群の各データは、予め複数の被験者による等色実験により求め、出荷前の工場調整時に格納しておく。
色値算出部414は、後述のキャリブレーション部415から、測色対象の分光データと観察視野角Θと共に色値算出指示を受け、指定された観察視野角Θに対応する等色関数テーブルを等色関数保持部413から取得する。そして色値算出部414は、キャリブレーション部415から受け取った分光データと観察視野角Θに対応する等色関数テーブルを用いて、観察視野角Θに対応する色値(X[Θ],Y[Θ],Z[Θ])を算出する。算出方法は、実施例1と同様、式1に分光データs(λ)と等色関数テーブルの視野角Θに対応する分光感度x(λ),y(λ),z(λ)を代入することで求める。その後、色値算出部414は、算出した、視野角Θに対応する色値(X[Θ],Y[Θ],Z[Θ])を、キャリブレーション部415に返答する。
キャリブレーション部415は、制御装置制御部403からキャリブレーション目標値
と共にキャリブレーション実行指示を受け、測色部412と色値算出部414を使用して、表示装置300がサポートする全視野角の各々に対応する視野補正テーブルを作成する。その後、キャリブレーション部415は、算出した視野補正テーブルを、通信部411を介して表示装置300内の視野補正テーブル保持部311に格納する。キャリブレーション処理の詳細は後述のフローで説明する。
表示装置の制御装置としての基本機能を実行する為のブロックは、上記構成で説明したブロック以外にも存在するが、本実施例の説明で用いないものに関しては、説明を割愛する。
続いて、本実施例の画像表示システムにおける、キャリブレーション処理と画像表示時の視野補正処理を実現するための動作を、個別に説明する。その後、画像表示状態において、ユーザ操作によって表示画像の表示サイズが変更された場合と、ユーザが移動するなどして、観察距離が変更された場合における、視野補正処理の再実行を実現するための動作を説明する。
(キャリブレーション処理の動作)
表示装置300のサポートする視野角の各々に対応する視野補正テーブルを作成するためのキャリブレーション処理について、図13のフローを用いて説明する。図13のフローは、制御装置400のキャリブレーション部415が制御装置制御部403からキャリブレーション目標値と共にキャリブレーション実行指示を受けた時点から開始するものである。
ステップS701で、キャリブレーション部415は、視野補正テーブルを作成する準備として、表示装置300の視野補正機能をオフするため、通信部411を使用して表示装置300に、視野補正オフ命令を発する。
ステップS702で、表示装置300の通信部313は、受け取った視野補正オフ命令を、表示装置制御部314に送信する。
ステップS703で、表示装置制御部314は、表示制御部304に対して、視野補正オフを指示する。表示制御部304は、受け取った視野補正オフ指示により、視野補正部312に対して、視野補正オフを指示する。視野補正部312は視野補正オフ指示を受け、表示部305の色調整テーブル306にリニアテーブルを書き込むことで、視野補正機能をオフする。視野補正処理の詳細は、実施例1の図5のフローと同様であるため、説明は割愛する。
表示装置の表示制御部304は、視野補正部312に視野補正オフを指示したのち、表示装置制御部314に対して、視野補正オフ完了を返答する。
ステップS704で、表示装置制御部314は、視野補正オフ完了通知を受け、通信部313を使用して制御装置400に対して、視野補正オフ完了の返答を行う。
ステップS705で、制御装置400の通信部411は、制御装置400からの視野補正オフ完了通知を受信し、当返答コマンドの送信元であるキャリブレーション部415に返答を送信する。
ステップS706で、キャリブレーション部415は、補正対象の色Ci(Ri,Gi,Bi)の現在(補正前)の出力値を得るため、色Ci(Ri,Gi,Bi)の色票データを作成し、出力制御部409に該色票データを出力するよう指示を出す。出力制御部409は、色票表示指示を受け、表示サイズ調整部406と画像出力部410を使用して、
表示装置300へ色票データを送信することで、表示装置300のパネル(不図示)上に色票を表示させる。
ステップS707で、制御装置400のキャリブレーション部415は、制御装置制御部403から受け取ったキャリブレーション目標値から、色Ci(Ri,Gi,Bi)に対応する目標色値(Xmi,Ymi,Zmi)を算出する。ここで目標色値(Xmi,Ymi,Zmi)は、デバイス非依存の色値であり、本実施例ではCIE−XYZ値を用いる。
ステップS708で、制御装置400のキャリブレーション部415は、測色部412を用いて、現在、表示装置300のパネル(不図示)に表示されている色票の色Ci(Ri,Gi,Bi)の分光データを取得する。
ステップS709で、制御装置400のキャリブレーション部415は、どの視野角Θに対応する視野補正テーブルを作成するかを決定する。
ステップS710で、制御装置400のキャリブレーション部415は、色値算出部414に対して、ステップS708で取得した分光データと、ステップS709で決定した視野角Θの情報を渡す。そして、視野角Θに対応するデバイス非依存の色値(Xi[Θ],Yi[Θ],Zi[Θ])を算出するよう指示する。色値算出部414は、キャリブレーション部415からの色値算出指示を受け、指示された視野角に対応する等色関数テーブルを等色関数保持部413から読み出す。
ステップS711で、制御装置400の色値算出部414は、等色関数保持部413から読み出した等色関数テーブルと、キャリブレーション部415から受け取った分光データから、式1を使用して、色値(Xi[Θ],Yi[Θ],Zi[Θ])を算出する。ここで、色値(Xi[Θ],Yi[Θ],Zi[Θ])は、CIE−XYZ値で表現されるものとする。色値算出部414は、算出した色値をキャリブレーション部415に返答する。
ステップS712で、制御装置400のキャリブレーション部415は、ステップS707で求めた目標色値(Xmi,Ymi,Zmi)と、ステップS711で取得した表示色値(Xi[Θ],Yi[Θ],Zi[Θ])から、視野補正データを算出する。すなわち、キャリブレーション部415は、色Ci(Ri,Gi,Bi)と測定された表示色値(Xi[Θ],Yi[Θ],Zi[Θ])との関係から、表示色値が目標色値(Xmi,Ymi,Zmi)と等しくなるために入力すべき値(Roi[Θ],Goi[Θ],Boi[Θ])を算出する。そして、これを色Ci(Ri,Gi,Bi)に対応する視野補正データとする。
ステップS713で、制御装置400のキャリブレーション部415は、作成した色Ci(Ri,Gi,Bi)の視野角Θに対応する視野補正データを表示装置300に保存するため、通信部411から該視野補正データと共に視野補正データ保存命令を送信する。
ステップS714で、表示装置300の通信部313は、受け取った視野補正データ保存命令を、表示装置制御部314に送信する。
ステップS715で、表示装置制御部314は、視野補正テーブル保持部311に受け取った視野補正データを書き込み保存する。
ステップS716で、表示装置制御部314は、通信部313を使用して、制御装置4
00に対し、視野補正データ保存完了の返答を行う。
ステップS717で、制御装置400の通信部411は、表示装置300からの視野補正データ保存完了通知を受信し、視野補正データ保存命令の送信元であるキャリブレーション部415に返答を送信する。
ステップS718で、制御装置400のキャリブレーション部415は、色Ci(Ri,Gi,Bi)の視野補正データを、表示装置300がサポートする全視野角について算出し保存したか否かを判断する。視野補正データを未だ算出していない視野角がある場合には、未算出の視野角に対応する視野補正データの算出を行うため、ステップS709の処理に進む。一方、全視野角について視野補正データを算出し保存した場合には、ステップS719の処理に進む。
ステップS719で、制御装置400のキャリブレーション部415は、視野補正データを、表示装置300の出力可能な全色について算出し保存したか否かを判断する。視野補正データを未だ算出していない色がある場合には、その色の視野補正データの算出を行うため、ステップS706の処理に進む。一方、全色について視野補正データを算出し保存した場合には、本フローの処理を終了する。本実施例では、表示装置300の出力可能な全色に対する視野補正データを、色票を表示させた場合の測色結果を用いて算出し、それに基づき視野補正テーブルを作成している。しかし、主要な数色の視野補正データのみ上述の方法で算出し、他の色はその視野補正データから補間することで全色の視野補正テーブルを完成させても良い。
以上のキャリブレーション処理により、表示装置300のサポートする全視野角・全色の視野補正テーブルが作成される。
(画像表示時の視野補正処理の動作)
次に、キャリブレーション処理によって作成して表示装置300の視野補正テーブル保持部311に保存した視野補正テーブルを使用して視野補正を行い、画像を表示する時の処理を、図14のフローを用いて説明する。
図14のフローは、制御装置400の制御装置制御部403が、操作入力部401から入力されたユーザの操作内容を解釈した結果、画像表示指示であると判断した時点から開始するものである。
ステップS801において、制御装置制御部403は、表示画像データのファイルパスと画像表示時の表示サイズ情報を取得する。ここで、画像表示時の表示サイズ情報については、デフォルト値を予め制御装置制御部403が保持しているものとする。
ステップS802で、制御装置制御部403は、外部I/F部402を使用して、取得したファイルパスの位置に存在する画像データを読み込む。
ステップS803で、制御装置制御部403は、出力制御部409に対して、読み込んだ画像データと表示サイズ情報を渡し、表示サイズ情報に従って画像データに基づく画像を表示するよう指示する。出力制御部409は、制御装置制御部403からの表示指示を受け、デコード部404に受け取った画像データを送り、デコードするよう指示する。デコード部404は、出力制御部409からのデコード指示を受け、上記画像データをデコードし、メモリ405に格納する。
ステップS804で、制御装置400の出力制御部409は、表示サイズ調整部406に対して表示サイズ情報(例えば、「画面フィット」等)と共に表示サイズ変更指示を出
す。表示サイズ調整部406は、出力制御部409からの表示サイズ変更指示を受け、受け取った表示サイズ情報に従って、メモリ405に格納された画像データの表示サイズ変更を行い、変更後の画像データをバッファ407に格納する。その後、表示サイズ調整部406は、表示サイズ変更後の画像データの画素数(横のピクセル数と縦のピクセル数)の情報と共に、表示サイズ変更が完了したことを出力制御部409に返答する。
ステップS805で、制御装置400の出力制御部409は、受け取った表示サイズ変更後の画像データの画素数(横のピクセル数と縦のピクセル数)の情報を表示装置300に保存するため、通信部411から該画素数の情報と共に表示画素数更新命令を送信する。
ステップS806で、表示装置300の通信部313は、受け取った表示画素数更新命令を、表示装置制御部314に送信する。
ステップS807で、表示装置制御部314は、表示画素数保持部309に受け取った表示画素数(横のピクセル数と縦のピクセル数)の情報を書込み保存する。
ステップS808で、表示装置制御部314は、通信部313を使用して、制御装置400に対し、表示画素数の更新完了の返答を行う。
ステップS809で、制御装置400の通信部411は、制御装置400からの表示画素数更新完了通知を受信し、表示画素数更新命令の送信元である出力制御部409に返答を送信する。
ステップS810で、制御装置400の出力制御部409は、表示画素数更新完了通知を受け、表示装置300の視野補正処理の更新を行うため、通信部411を使用して視野補正更新命令を、表示装置300へ送信する。
ステップS811で、表示装置300の通信部313は、受け取った視野補正更新命令を、表示装置制御部314に送信する。
ステップS812で、表示装置制御部314は表示制御部304に対して、視野補正更新を指示する。表示制御部304は、受け取った視野補正更新指示により、視野補正部312に対して、視野補正オンを指示する。視野補正部312は、視野補正オン指示を受け、視野角算出部310、視野補正テーブル保持部311、表示部305の色調整テーブル306を制御して、視野補正機能をオンする。視野補正処理の詳細は、実施例1の図5のフローと同様であるため、説明は割愛する。表示装置の表示制御部304は、視野補正部312に視野補正オンを指示したのち、表示装置制御部314に対して、視野補正更新完了を返答する。
ステップS813で、表示装置制御部314は、視野補正更新完了通知を受け、通信部313を使用して制御装置400に対して、視野補正更新完了の返答を行う。
ステップS814で、制御装置400の通信部411は、制御装置400からの視野補正更新完了通知を受信し、視野補正更新命令の送信元である出力制御部409に返答を送信する。
ステップS815で、制御装置400の出力制御部409は、視野補正更新完了通知を受けたのち、画像出力部410に対して画像データを出力するよう指示する。画像出力部410は、バッファ407に格納した画像データを、画像データストリームとして表示装
置300へ送信することで、表示装置300のパネル(不図示)上に画像を表示させる。出力制御部409は、画像出力指示を出したのち、制御装置制御部403に対し画像の表示が完了したことを通知し、当処理を終了する。
以上の処理により、画像表示時に、観察距離と画像の表示サイズから観察視野角が算出され、その観察視野角に対応する視野補正テーブルが表示部の色調整テーブルに適用され、画像が表示される。これにより、画像表示時の観察視野角において画像の色が観察者に正確な色に知覚されるよう色調整が行われる。
(表示サイズ変更時の視野補正処理の動作)
更に、表示装置に画像が表示されているときに、ユーザにより表示画像の表示サイズ変更操作がなされた場合に行われる、画像表示システムの視野補正処理について、図15のフローを用いて説明する。
図15のフローは、制御装置400の制御装置制御部403が、操作入力部401から入力されたユーザの操作内容を解釈した結果、現在表示されている画像の表示サイズの変更指示であると判断した時点から開始するものである。
ステップS901において、制御装置制御部403は、変更後の表示サイズを取得する。ここで、表示サイズは、表示サイズ変更後の画像データの画素数(横のピクセル数と縦のピクセル数)とする。
ステップS902で、制御装置制御部403は、出力制御部409に対して、表示サイズ(表示画素数)の情報と共に表示サイズ変更指示を出す。出力制御部409は、表示サイズ変更指示を受け、受け取った表示サイズ(表示画素数)を表示サイズ情報とし、その表示サイズ情報と共に表示サイズ変更指示を表示サイズ調整部406に出す。表示サイズ調整部406は、出力制御部409からの表示サイズ変更指示を受け、受け取った表示サイズ情報に従って、メモリ405から取得した画像データに対し表示サイズ変更処理を行い、変更後の画像データをバッファ407に格納する。その後、表示サイズ調整部406は、表示サイズ変更後の画像データの画素数(横ピクセル数と縦ピクセル数)の情報と共に表示サイズ変更完了を出力制御部409へ返答する。
以下、ステップS903〜ステップS913の処理は、図14の画像表示時の視野補正処理の動作におけるステップS805〜ステップS815の処理と同様であるため、説明を割愛する。
最後に、制御装置400の出力制御部409は、制御装置制御部403に対して、表示サイズ変更完了を通知し、本フローチャートの処理を完了する。
以上の処理により、画像表示時に、ユーザにより表示画像の表示サイズ変更がなされ、観察視野角が変化した場合でも、変更後の表示サイズと観察距離から、改めて観察視野角が算出される。そして、算出された最新の観察視野角に対応する視野補正テーブルで色調整が行われ、画像表示が行われる。そのため、表示サイズを変更した場合でも観察者が正確な色で表示画像を見ることができる画像表示を行うことが可能となる。
(観察距離変更時の視野補正処理の動作)
表示画像を観察中、観察者が移動する等により観察距離が変化した場合に行われる、画像表示システムの視野補正処理について説明する。距離算出部307は、距離センサ308を使用して定期的に観察距離を取得し、観察距離の変動量が距離算出部307が予め保持している閾値を超えた場合に、観察距離が変化したと判断する。これら、観察距離変化の検出及び観察距離変化時の視野補正処理は、表示装置300の機能ブロックのみで実現
可能であり、その処理の流れは実施例1の図8のフローと同等の動作であるため、説明を割愛する。
以上の処理により、観察者が移動する等により観察距離が変化した場合でも、変化後の観察距離と表示サイズから、改めて観察視野角を算出し、当該観察視野角に対応する視野補正テーブルで色調整を行って画像表示が行われる。そのため、観察距離が変化した場合でも観察者が正確な色で表示画像を見ることができる画像表示を行うことが可能となる。
本実施例では、ユーザが画像を観察する際に、観察距離や画像の表示サイズを変更した場合においても、観察者が正確な色で表示画像を見ることができるよう色調整を行う画像表示システムについて説明した。本実施例の画像表示システムは、予め、キャリブレーション処理時に、表示装置がサポートする全視野角分の視野補正テーブルを作成する。そして、画像表示時や表示サイズの変更時、観察距離の変化時に画像の表示サイズと観察距離から観察視野角を算出して、その観察視野角に対応する視野補正テーブルを使用して視野補正を行う。これらの処理により、本実施例の画像表示システムでは、画像の表示サイズや観察距離が変更された場合にも適切な色調整を行い、観察者が表示画像を正確な色で見ることができるような画像表示を行うことが可能となる。
100 画像表示装置
113 視野角算出部
114 視野補正テーブル保持部
115 視野補正部

Claims (7)

  1. 画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
    所定の複数の視野角のいずれにおいても表示手段に表示される画像の色がその色に対応する目標の色で観察者に知覚されるように視野角に応じて画像データを補正するための補正データを、複数の視野角の各々について記憶する記憶手段と、
    前記表示手段から観察者までの距離と、前記表示手段に表示される画像のサイズと、に基づき、観察者が前記画像を観察する際の視野角を算出する視野角算出手段と、
    前記記憶手段に記憶されている補正データのうち、前記視野角算出手段により算出される視野角に対応する補正データを用いて、入力される画像データを補正する補正手段と、を備える画像表示装置。
  2. 前記表示手段に表示される画像の色を測定する測定手段と、
    視野角に応じた人間の目の分光感度特性を表す等色関数と、前記表示手段に色票を表示させたときに前記測定手段により測定される色と、前記色票に対応する目標の色と、に基づき、その視野角で観察者に知覚される前記色票の色が前記目標の色と等しくなるように、前記複数の視野角の各々について前記補正データを作成するキャリブレーション手段と、
    を備える請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記画像表示装置へ指示を入力するためのユーザによる操作を受け付ける操作手段を備え、
    前記表示手段における画像の表示サイズを変更する指示が入力された場合、前記視野角算出手段は、変更後の表示サイズに基づき前記視野角を更新し、前記補正手段は、前記更新された視野角に対応する補正データを用いて前記補正を行う請求項1又は2に記載の画像表示装置。
  4. 前記画像表示装置へ指示を入力するためのユーザによる操作を受け付ける操作手段を備え、
    前記表示手段に表示された画像の一部を注目領域として指定する指示が入力された場合、前記視野角算出手段は、指定された注目領域の前記表示手段における表示サイズに基づき前記視野角を更新し、前記補正手段は、前記更新された視野角に対応する補正データを用いて前記補正を行う請求項1から3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  5. 前記表示手段から観察者までの距離を検出する検出手段を備え、
    前記検出手段により前回検出された距離と今回検出された距離との差が所定の閾値以上である場合、前記視野角算出手段は、今回検出された距離に基づき前記視野角を更新し、前記補正手段は、前記更新された視野角に対応する補正データを用いて前記補正を行う請求項1から4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  6. 画像データに基づく画像を表示する表示手段を備えた画像表示装置の制御方法であって、
    前記表示手段から観察者までの距離と、前記表示手段に表示される画像のサイズと、に基づき、観察者が前記画像を観察する際の視野角を算出する視野角算出工程と、
    所定の複数の視野角のいずれにおいても表示手段に表示される画像の色がその色に対応する目標の色で観察者に知覚されるように視野角に応じて画像データを補正するための補正データを、複数の視野角の各々について記憶する記憶手段から、前記視野角算出工程で算出される視野角に対応する補正データを読み出し、前記補正データを用いて、入力される画像データを補正する補正工程と、
    を有する画像表示装置の制御方法。
  7. 表示装置と、制御装置と、からなる画像表示システムであって、
    前記表示装置は、
    画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
    所定の複数の視野角のいずれにおいても表示手段に表示される画像の色がその色に対応する目標の色で観察者に知覚されるように視野角に応じて画像データを補正するための補正データを、複数の視野角の各々について記憶する記憶手段と、
    前記表示手段から観察者までの距離と、前記表示手段に表示される画像のサイズと、に基づき、観察者が前記画像を観察する際の視野角を算出する視野角算出手段と、
    前記記憶手段に記憶されている補正データのうち、前記視野角算出手段により算出される視野角に対応する補正データを用いて、入力される画像データを補正する補正手段と、
    前記制御装置から画像データ、画像データの表示サイズに関する情報、及び補正データを入力する入力手段と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記表示手段に表示される画像の色を測定する測定手段と、
    視野角に応じた人間の目の分光感度特性を表す等色関数と、前記表示手段に色票を表示させたときに前記測定手段により測定される色と、前記色票に対応する目標の色と、に基づき、その視野角で観察者に知覚される前記色票の色が前記目標の色と等しくなるように、前記複数の視野角の各々について前記補正データを作成するキャリブレーション手段と、
    前記表示手段へ画像データ、画像データの表示サイズに関する情報、及び補正データを出力する出力手段と、
    を備える画像表示システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015195029A (ja) * 2014-03-28 2015-11-05 キヤノン株式会社 画像処理装置及びその制御方法
JP2015222328A (ja) * 2014-05-22 2015-12-10 シャープ株式会社 液晶表示装置およびその制御方法
JP2017146525A (ja) * 2016-02-19 2017-08-24 コニカミノルタ株式会社 表示装置、該方法および該システムならびに2次元測色計および該方法
WO2018011884A1 (ja) * 2016-07-12 2018-01-18 三菱電機株式会社 表示制御装置及び表示制御方法

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