JP2013127197A - 橋梁の構造物取付装置とその設置工法 - Google Patents

橋梁の構造物取付装置とその設置工法 Download PDF

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Abstract

【課題】橋桁に大きな追加工事を行うことなく、橋梁の構造物を、容易に、かつ、確実に、橋桁に取り付けられる橋梁の構造物取付装置とその設置工法の提供。
【解決手段】本発明の橋梁の構造物取付装置は、橋脚又は橋台上に設置されている橋桁に構造物を取り付けるための部位を備えた橋梁の構造物取付装置であって、橋桁の橋桁側面、又は、フランジ面に対して所定の間隔の空間18を有するように、断面視略凵字状をして、橋桁の下部側に設けられ、構造物を取り付けるための部位が形成されている構造物取付部材11,12と、一方の端部側の厚さが薄く、他方の端部側に向かって厚さが漸増するくさび形状に形成されたくさび部材13とを有している。くさび部材は、一方の面13cが橋桁に接着剤で接合され、他方の面13dがくさび角の作用力で構造物取付部材を押圧する。空間には、一対の構成で、対称形状を形成する一対のくさび部材が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、橋梁の橋桁に、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物を取り付けるための橋梁の構造物取付装置とその設置工法に関する。さらに詳しくは、既設の橋梁において、橋桁等に大きな追加工事を行うことなく、橋梁の構造物を、橋梁に、容易に、かつ、確実に取り付けることができる橋梁の構造物取付装置とその設置工法に関するものである。
従来、既設のPC(プリストレス・コンクリート)桁等コンクリート構造物に、ソールプレートや補強板等の部材を固定するためには、コンクリート構造物(PC桁)にアンカーを定着し、部材を取り付けることが多く行われていた。しかしながら、コンクリート構造物にアンカーを定着しようとすると、コンクリート構造物内に設けられている棒状の鋼材(例えば、節のある異形鉄筋)と干渉するおそれがあった。
そこで、支承を追加設置する際に、橋桁内に既に設けられている配筋(鋼材の配置)等と干渉して、支承が所望の位置に取り付けられないことを防止するために、アンカーの位置を偏芯孔ピースで調整可能にする支承取付構造に関する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この特許文献1に記載された技術は、アンカーが配筋(鋼材の配置)と干渉しない位置に偏芯孔ピースを調整して、アンカー貫通孔の位置を移動させるものであり、配筋の位置を確実に確認できないと干渉を防止できないおそれがあった。また、配筋の位置を確認することについての記載はない。
また、既設の橋梁のコンクリート桁に横孔に挿通される棒状部材と、コンクリート製桁と係合金具との間に充填される硬化性充填材とを有し、コンクリート製桁に確実に連結することが可能な落橋防止装置に関する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかし、特許文献2に記載された技術では、コンクリート製桁に、アンカー定着用孔、横孔、溝等を形成する際に、内部主筋、スターラップ筋などの鉄筋に損傷を与えたり、破断させたりするおそれがあり、そのことを避けるためには、鉄筋位置(鋼材の配置位置)を確認するために鉄筋(鋼材)の探査を行う必要があり、施工性がよくないという問題点が生じた。
さらに、アンカー定着用孔、横孔、溝を形成しない技術として、橋桁に落橋防止装置をボルトや溶接によらず取り付けるための技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2006−063581号公報 特開2011−038392号公報 特開2008−150885号公報
しかしながら、特許文献3に記載された技術は、落橋防止装置の固定具の構造が複雑であり、可動部を有するため、常にメンテナンスをしていないと橋桁に強固に固着されないおそれがあるという問題点がある。一方、全国津々浦々にある橋梁のメンテナンスを行うことは現実的でなく、設置状態によっては信頼性の低下が生じる。すなわち、橋桁、落橋防止装置等は、太陽光、雨、風、雪、温度変化、塵埃、振動などにいつもさらされている劣悪な環境下に設置されているものであり、複雑の構成のもの、可動部を有する落橋防止装置の固定具は落橋を防止しなければならない時に確実に固定されないおそれがある。
本発明は、これら従来技術の問題点を解決するためになされたもので、次の目的を達成する。
本発明の目的は、橋桁に対する穿孔工事等大きな追加工事を行うことなく、橋梁の構造物を、容易に、かつ、確実に、橋桁に取り付けることができる橋梁の構造物取付装置とその設置工法を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の橋梁の構造物取付装置は、
橋脚又は橋台上に設置されている橋桁に、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物を取り付けるための部位を備えた橋梁の構造物取付装置であって、断面視略凵字状をし、前記橋桁の橋桁側面、又は、前記橋桁のフランジ面に対して所定の間隔の空間を有するように、前記橋桁の下部側に設けられ、前記構造物を取り付けるための部位が形成されている構造物取付部材と、一方の端部側の厚さが薄く、他方の端部側に向かって厚さが漸増するくさび形状に形成された部材であって、一方のくさび面が前記橋桁の前記橋桁側面、又は、前記フランジ面に接着剤で接合され、他方のくさび面がくさび角の作用による押圧力で前記構造物取付部材を押圧するためのくさび部材とを有し、前記空間には、前記一方の端部側が対向する一対の構成にすることで、対称形状を形成する一対の前記くさび部材が設けられていることを特徴とする。
本発明2の橋梁の構造物取付装置は、本発明1において、
前記構造物取付部材には、前記橋桁側面に対して垂直な方向の前記橋桁側面に対する間隔が、前記橋軸方向の端部側に対して中央側が小さくなるように傾斜している第1傾斜角と、前記橋桁の上部側に対して下部側が大きくなるように傾斜している第2傾斜角とに傾斜した傾斜面が形成されており、前記くさび部材は、前記他方のくさび面が、前記第1傾斜角及び前記第2傾斜角を有するように傾斜した傾斜面に形成されているものであることを特徴とする。
本発明3の橋梁の構造物取付装置は、本発明2において、
前記くさび部材の素材は、防錆処理された金属、硬質ゴム、炭素繊維成形材から選択される1種であることを特徴とする。本発明1〜3の橋梁の構造物取付装置は、くさび部材を使用して、橋桁に対する追加工事を行うことなく、橋梁の構造物を、容易に、かつ、確実に、橋桁に取り付けることができる。
本発明4の橋梁の構造物取付装置は、
橋脚又は橋台上に設置される橋桁に、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物を取り付けるための部位を備えた橋梁の構造物取付装置であって、前記橋桁の橋桁側面部の両側の所定の位置に、各々、四角錐台状に形成された凹部と、前記橋桁の下面側に設けられ、前記構造物を取り付けるための部位が形成されているブラケット取付部材と、前記ブラケット取付部材に、前記橋桁側面と平行に立設される連結用立設部材と、前記連結用立設部材に締結固定され、前記凹部に係合して前記橋桁と前記連結用立設部材とが相対移動することを抑止するための抑止突起部材とからなり、前記橋桁側面と、前記連結用立設部材及び前記抑止突起部材とは、接着剤によって、一体に接合されていることを特徴とする。本発明4の橋梁の構造物取付装置は、橋桁に凹部を形成する以外、橋桁に対する穿孔工事等大きな追加工事を行うことなく、接着剤を使用して、橋梁の構造物を、容易に、かつ、確実に、橋桁に取り付けることができる。
本発明5の橋梁の構造物取付装置は、
橋脚又は橋台上に設置される橋桁に、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物を取り付けるための部位を備えた橋梁の構造物取付装置であって、前記橋桁に挿入されるとともに前記橋桁の下面及び橋桁側面の下部に接合され、断面視凵字状をし、前記構造物を取り付けるための部位が形成されているブラケット取付部材と、前記橋桁側面の下方側の部位の断面形状に近似するように形成され、前記ブラケット取付部材の側面に締着固定されて前記橋桁の側面と平行に立設される連結用立設部材とからなり、前記橋桁側面と前記連結用立設部材とは、接着剤によって、一体に接合されていることを特徴とする。本発明5の橋梁の構造物取付装置は、接着剤を使用して、橋桁に対する追加工事を行うことなく、橋梁の構造物を、容易に、かつ、確実に、橋桁に取り付けることができる。
本発明6の橋梁の構造物取付装置は、本発明1、4、5において、
前記連結用立設部材の上部には、前記橋桁に対して、前記連結用立設部材の上面側が開くように弾性変形させる荷重を付与するための荷重付与部材が設けられていることを特徴とする。
本発明7の橋梁の構造物取付装置は、本発明4又は5において、
前記連結用立設部材の上部には、前記連結用立設部材の水平方向の剛性を向上させるための強化補強部材が設けられていることを特徴とする。
本発明8の橋梁の構造物取付装置は、本発明1から7において、
前記構造物は、落橋防止装置、変位制限構造、桁補強部材、桁連結装置、及び、支承装置から選択される1つであることを特徴とする。
本発明9の橋梁の構造物取付装置の設置工法は、
橋脚又は橋台上に設置される橋桁に、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物を取り付けるための構造物取付装置を設置する設置工法であって、断面視略凵字状をし、前記構造物を取り付けるための部位が形成されている構造物取付部材を、前記橋桁の下部側に設けるとともに、前記橋桁の橋桁側面、又は、前記橋桁のフランジ面と、前記構造物取付部材との間に、一方の端部側の厚さが薄く、他方の端部側に向かって厚さが漸増するくさび形状に形成されたくさび部材が、前記橋桁側面又は前記フランジ面と平行な方向に、前記一方の端部側が対向する一対の構成で挿入されるための空間を形成し、前記くさび部材の一方のくさび面に接着剤を塗布するとともに、前記くさび部材を前記空間に挿入し、前記くさび部材の前記一方のくさび面と、前記橋桁側面又は前記フランジ面とを接着剤で一体に接合し、前記構造物取付部材と前記橋桁とが、相対的に、移動しようとしたとき、前記くさび部材の他方のくさび面がくさび角の作用で前記構造物取付部材を押圧することを特徴とする。
本発明10の橋梁の構造物取付装置の設置工法は、本発明9において、
前記空間を形成する工程は、前記構造物取付部材を、前記橋桁の下部側に設けた後、前記構造物取付部材を仮受けし、前記橋桁の橋桁側面、又は、前記橋桁のフランジ面と、前記構造物取付部材との間に、一方の端部側の厚さが薄く、他方の端部側に向かって厚さが漸増するくさび形状に形成されたくさび部材が、前記橋桁側面又は前記フランジ面と平行な方向に、前記一方の端部側が対向する一対の構成で挿入されるための空間を形成する工程であることを特徴とする。
本発明11の橋梁の構造物取付装置の設置工法は、本発明9または10において、
前記構造物取付部材は、前記橋桁側面に対して垂直な方向の前記橋桁側面に対する間隔が、前記橋軸方向の端部側に対して中央側が小さくなるように傾斜している第1傾斜角と、前記橋桁の上部側に対して下部側が大きくなるように傾斜している第2傾斜角とに傾斜した傾斜面を前記橋軸方向に対称な一対の構成で有し、前記くさび部材は、前記他方のくさび面が、前記第1傾斜角及び前記第2傾斜角を有するように傾斜した傾斜面に形成されているものであり、前記くさび部材を前記空間に挿入する工程は、前記橋桁側面と前記構造物取付部材の前記傾斜面との間の空間に前記くさび部材を挿入する工程であることを特徴とする。
本発明12の橋梁の構造物取付装置の設置工法は、本発明11において、
前記くさび部材を挿入する工程は、前記構造物取付部材の上部側に、前記構造物取付部材を前記橋桁側面に対して離れる方向に強制的に弾性変形させるための荷重付与部材を設け、前記荷重付与部材を介して荷重を付与して、前記構造物取付部材を前記離れる方向に弾性変位させた状態で、前記くさび部材を挿入する工程であることを特徴とする。
本発明9〜12の橋梁の構造物取付装置の設置工法は、くさび部材を使用して、橋桁に対する追加工事を行うことなく、橋梁の構造物を、容易に、かつ、確実に、橋桁に取り付けることができる。
本発明13の橋梁の構造物取付装置の設置工法は、
橋脚又は橋台上に設置される橋桁に、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物を取り付けるための構造物取付装置を設置する設置工法であって、前記橋桁の橋桁側面の両側の所定の位置に、各々、四角錐台状の凹部を形成し、前記橋桁の下面部に、前記構造物を取り付けるための部位が形成されているブラケット取付部材を設け、前記凹部内に係合される抑止突起部材を連結用立設部材に締結固定し、前記凹部と前記抑止突起部材とを係合させた状態で、一対の前記連結用立設部材を前記ブラケット取付部材に、前記橋桁を挟むように締結固定し、前記桁連結部材の上部側に設けられた荷重付与部材で前記連結用立設部材に荷重を付与し、前記橋桁側面に対して前記連結用立設部材の上面側が開くように弾性変形させ、開いた前記上面側から、前記橋桁側面と前記連結用立設部材との間に接着剤を注入し、前記荷重付与部材による荷重付与を解除した後、前記接着剤を硬化させることで、前記橋桁側面と、前記連結用立設部材及び記抑止突起部材とを一体に接合する。
本発明14の橋梁の構造物取付装置の設置工法は、
橋脚又は橋台上に設置される橋桁に、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物を取り付けるための構造物取付装置を設置する設置工法であって、前記橋桁の橋桁側面の両側の所定の位置に、各々、四角錐台状の凹部を形成し、前記橋桁の下面に、前記構造物を取り付けるための部位が形成されているブラケット取付部材を取り付け、前記凹部内に係合される抑止突起部材を連結用立設部材の一方の面に締結固定し、前記連結用立設部材の前記一方の面及び前記抑止突起部材に接着剤を塗布し、前記凹部と前記抑止突起部材とを係合させるとともに、前記橋桁側面に対して一対の前記連結用立設部材を所定の位置に調整し、一対の前記連結用立設部材が前記橋桁を挟む込むようにしている状態で、一対の前記連結用立設部材を前記ブラケット取付部材に締結固定し、前記接着剤を硬化させることで、前記橋桁側面と、前記連結用立設部材及び前記抑止突起部材とを一体に接合する。
本発明15の橋梁の構造物取付装置の設置工法は、本発明13または14において、
前記橋桁の下面に、前記構造物を取り付けるための部位が形成されている前記ブラケット取付部材を取り付ける工程の後に、前記橋桁の下面に取り付けた前記ブラケット取付部材を仮受けする工程を有していることを特徴とする。
本発明13から15の橋梁の構造物取付装置の設置工法は、橋桁に凹部を形成する以外、橋桁に対する穿孔工事等大きな追加工事を行うことなく、接着剤を使用して、橋梁の構造物を、容易に、かつ、確実に、橋桁に取り付けることができる。
本発明16の橋梁の構造物取付装置の設置工法は、
橋脚又は橋台上に設置される橋桁に、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物を取り付けるための構造物取付装置を設置する設置工法であって、断面視凵字状をし、前記構造物を取り付けるための部位が形成されているブラケット取付部材を、前記橋桁の下部側に挿入するとともに、前記橋桁と前記ブラケット取付部材とを接着剤で接合し、前記ブラケット取付部材の側面に、前記橋桁の下部側の断面形状に近似するように形成された連結用立設部材の下部側を締着固定し、前記連結用立設部材の上部に設けられた荷重付与部材で前記連結用立設部材に荷重を付与し、前記橋桁側面に対して前記連結用立設部材の上面側が開くように弾性変形させ、開いた前記上部側から、前記連結用立設部材と前記橋桁側面との間に接着剤を注入し、前記荷重付与部材による荷重付与を解除した後、前記接着剤を硬化させることで、前記橋桁と前記連結用立設部材とを一体に接合する。
本発明17の橋梁の構造物取付装置の設置工法は、
橋脚又は橋台上に設置される橋桁に、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物を取り付けるための構造物取付装置の設置工法であって、断面視凵字状をし、前記構造物を取り付けるための部位が形成されているブラケット取付部材を、前記橋桁の下部側に挿入するとともに、前記橋桁と前記ブラケット取付部材とを接着剤で接合し、前記ブラケット取付部材の側面に、前記橋桁の下部側の断面形状に近似するように形成された連結用立設部材の前記橋桁側面側の面に接着剤を塗布し、前記桁連結部材の側面に前記接着剤が塗布された前記連結用立設部材を押し付けた状態で、前記連結用立設部材の下部側を前記桁連結部材に締着固定し、前記接着剤を硬化させることで、前記橋桁と前記連結用立設部材とを一体に接合する。
本発明18の橋梁の構造物取付装置の設置工法は、本発明16または17において、
前記橋桁と前記ブラケット取付部材とを接着剤で接合する工程は、前記ブラケット取付部材を前記橋桁の下部側に挿入した後、前記ブラケット取付部材を仮受けし、前記橋桁と前記ブラケット取付部材とを前記接着剤で接合する工程であることを特徴とする。
本発明16から18の橋梁の構造物取付装置の設置工法は、接着剤を使用して、橋桁に対する追加工事を行うことなく、橋梁の構造物を、容易に、かつ、確実に、橋桁に取り付けることができる。
本発明の橋梁の構造物取付装置は、橋桁に対する穿孔工事等大きな追加工事を行うことなく、橋梁の構造物を、容易に、かつ、確実に、橋桁に取り付けることができる。すなわち、既設の橋桁においても、橋桁に大きな工事を行うことなく、橋桁にくさび部材、接着剤等を使用して設置することができる。また、構成が簡素であり、可動部がないので、確実に橋桁に構造物を取り付けることができる。各部材は、耐候性、耐久性に優れているので、構造物取付装置の設置場所がたいへん厳しい設置環境下にあっても、メンテナンスを行う必要がない。例えば、落橋防止装置の取付装置に採用した場合、地震等が発生して橋桁が落下しようとしたとき確実に橋桁に固定され、落下防止を図ることができる。
橋梁の構造物取付装置の設置工法は、橋桁に対する穿孔工事等大きな追加工事を行うことなく、橋梁の構造物をくさび部材、接着剤を使用して取り付けることができる設置方法であり、既設の橋梁にも、容易に、かつ、確実に、取り付けることができる。また、各部材は、工場で製作可能であり、設置現場での設置作業が容易で、実質的な設置作業時間は短く、設置費用を抑えることができる。この設置工法は、接着剤を養生する時間は必要であるが、作業者はこの時間の間に他の作業を行うことも可能であり、作業者の実質的な設置作業時間の短縮が図れている。また、既設の橋桁に構造物取付装置を設置する際に、鋼材の位置を探査する必要が生じない。
図1は、本発明の実施の形態1の橋梁の構造物取付装置を取り付けた橋桁の側面図である。 図2は、図1をA−A線で切断した断面図であり、実施の形態1の橋梁の構造物取付装置を示す断面図である。 図3は、図2をB−B線で切断した断面図である。 図4は、実施の形態2の橋梁の構造物取付装置の断面図である。 図5は、図4をC−C線で切断した断面図である。 図6は、実施の形態3の橋梁の構造物取付装置を取り付けた橋桁の側面図である。 図7は、図6をD−D線で切断した断面図である。 図8は、実施の形態3の橋梁の構造物取付装置を一部断面にして示した平面図である。 図9は、図8をE−E線で切断した断面図である。 図10は、実施の形態4の橋梁の構造物取付装置を取り付けた橋桁の側面図である。 図11は、図10をF−F線で切断した断面図である。 図12は、図11をG−G線で切断した断面図である。 図13は、図12をH−H線で切断した断面図である。 図14は、実施の形態5の橋梁の構造物取付装置を取り付けた橋桁の側面図である。 図15は、橋桁及び実施の形態5の橋梁の構造物取付装置の断面図である。 図16は、図15をJ−J線で切断した断面図である。 図17は、荷重付与部材の他の実施の形態を示す断面図である。 図18は、吊り上げ手段、ジャッキ等仮受け手段による仮受け状態を模式的に示した説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態でいう構造物とは、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物であり、さらに詳しくは、落橋防止装置、変位制限構造、桁補強部材、桁連結装置、及び、支承装置等である。また、この実施の形態2から5の説明では、実施の形態1と同一の部位には同一の符号を付与して詳細な説明を省略している。
〔実施の形態1〕
図1から3、図18に基づいて、実施の形態1の橋梁の構造物取付装置10の説明を行う。
図1は、実施の形態1の橋梁の構造物取付装置を示す図であって、支承装置を橋梁に取り付けた状態を示す側面図である。図2は、図1をA−A線で切断した断面図、図3は、図2をB−B線で切断した断面図である。図18は、吊り上げ手段、ジャッキ等仮受け手段による仮受け状態を模式的に示した説明図である。
この実施の形態1では、耐震性の向上等のため、橋桁を支承する支承装置を追加設置する際に好適な橋梁の構造物取付装置を例にして説明する。橋台3、橋脚(図示せず)の上部には、コンクリート製の橋桁2が、図示しない支承装置を介して支承されている。橋台3(又は、橋脚)の側面には、アンカーボルト8が埋め込まれており、アンカーボルト8、ナット8a等を介してブラケット6が橋台3の前面3aに固定されている。ブラケット6には、耐震性向上等のために追加設置される支承装置7の下沓7bがボルト等締結部材(図示せず)で固定されている。橋桁2の主桁下面2b側に設けられている構造物取付装置10には、支承装置7の上沓7aがボルト等締結手段で締結固定されている。言い換えると、この構造物取付装置10は、橋桁2と支承装置7との間に設けられている。
橋梁の構造物取付装置10(以下、構造物取付装置10と記載する)は、橋桁2の主桁下面2bに設けられる板状のブラケット取付部材11と、L字状に形成されブラケット取付部材11の上部に立設される連結用立設部材12,12と、連結用立設部材12と橋桁2の主桁側面2aとの間に形成される図3における左右の空間18に、各々、挿入される一対のくさび部材13,13、弾性板部材14とから構成されている。また、ブラケット取付部材11と連結用立設部材12とで断面視凵字状又は略凵字状の構造物取付部材が構成されている。くさび部材13は、所定のくさび角と所定の長さを有するくさび状の部材であって、防錆処理された鋼材製のものである。くさび部材13は、図2に示すように、一端(一方の端部)13a側の厚さ寸法(図2におけるくさび部材13の上下方向の寸法)が薄く、他端(他方の端部)13b側の厚さ寸法が厚いくさび形状に形成されている。くさび部材13は、一端13a側が薄く、他端13b側に向かって厚さが漸増するようなくさび形状に形成されている。言い換えると、くさび部材13は、連結用立設部材12の中央側の厚さ寸法が薄く、連結用立設部材12の端部12a側の厚さ寸法が厚いくさび形状に形成されている。くさび部材13の勾配の角度は15度以下であるとよく、この形態1では約10度としている。なお、くさび部材の素材は、防錆処理された金属、硬質ゴム、炭素繊維成形材等であってもよい。
また、くさび部材13,13は、一方の端部13a側が対向する一対の構成にすることで、対称形状を形成するように設けられている。この一対のくさび部材13が、連結用立設部材12と主桁側面2aとの間の空間18に、主桁側面2aと平行な方向に挿入されることでくさび状固定手段を構成している。くさび部材13,13は、橋軸方向と直交する平面に対して対称な位置に一対の構成で配置されている。くさび状固定手段は、くさび角(勾配の角度)の作用による押圧力で橋桁2の主桁側面2aに対して連結用立設部材12を固定している。連結用立設部材12は、図2に示すように、くさび部材13のくさび角に相当する角度分、中央部側より端部12a側が主桁側面2aから大きく離間するように傾斜している。言い換えると、主桁側面2aに対して垂直な方向における連結用立設部材12と主桁側面2aとの間隔が、橋軸方向の端部12a側に対して中央側が小さくなっている。弾性板部材14は、硬質ゴム製の部材であって、橋軸直角方向(面外方向)の衝撃力等を緩衝するためのものである。
くさび部材13の一方のくさび面13cは、橋桁2の主桁側面2aに接着剤〔エポキシ樹脂系接着剤、汎用型高性能合成ゴム系接着剤(例えば、ボンドG17Z(商品名),コニシ株式会社製)等〕19を介して接合されている。接着剤19は、硬化等して主桁側面2aの被接合面とくさび部材13の一方のくさび面13cとを所定の接着強度(例えば、1.5N/mm以上)で接合する。くさび部材13の他方のくさび面13dは連結用立設部材12の側面(当接面)12bと当接するように設けられている。弾性板部材14は、一方の面14aが橋桁2の主桁側面2aに接着剤19を介して接合されている。接着剤19は、硬化等して主桁側面2aと弾性板部材14の一方の面14aとを所定の接着強度(例えば、1.5N/mm以上)で接合する。他方の面14bは、連結用立設部材12の側面12bに当接している。ブラケット取付部材11と連結用立設部材12とは、ボルト15、ナット16等で締結固定されている。締結固定されたブラケット取付部材11と連結用立設部材12とが構造物取付部材を構成する。
この構造物取付装置10は、一方のくさび面13cが接着剤19で強固に接合され、橋軸方向に対向するように設けられた一対のくさび部材13,13等を使用して固定している。そのため、橋桁2と構造物取付装置10とが、少しでも相対移動すると、くさび部材13の他方のくさび面13dが、くさび角の作用で、橋桁2の主桁側面2aと直交する方向に、大きな荷重で連結用立設部材12を押圧し、橋桁2と構造物取付装置10とが固定される。従って、支承装置7の上沓7aは、構造物取付装置10を介して、橋桁2に確実に固定される。言い換えると、橋梁の構造物は、どんな状況下においても、橋桁2に対して強固に固定されている。また、この構造物取付装置10は、構成が簡素であり、可動部がなく、確実に取り付けることができる。ブラケット取付部材11、連結用立設部材12、くさび部材13、弾性板部材14、接着剤19が硬化した接着剤層等は、耐候性、耐久性に優れているのでメンテナンス等が不要である。
〔実施の形態1の設置工法〕
構造物取付装置10の設置工法について、説明を行う。なお、この形態1の説明では、橋桁2に構造物取付装置10を設置する工法について説明を行い、ブラケット6、支承装置7を設置する工法についての詳細な説明は省略する。
接着剤19による接着強度が所定の接着強度以上となるように、橋桁2の構造物取付装置10を設置する位置に、洗浄、接着面のチッピング、ケレン及び不陸の修正等表面処理を行う。
橋桁2の床版下面に吊り治具用のアンカー孔を穿孔し、アンカー孔を清掃後、アンカー孔に金属拡張アンカー355を打ち込む。金属拡張アンカー355のねじ穴部に、吊り治具357のねじ部をねじ込む。吊り治具357にチェーンブロック354の上フック354aを吊り下げる。ブラケット取付部材11に仮受け用金具351をボルト352等締結部材で取り付ける。仮受け用金具351に設けられた、吊上穴351bに吊り上げチェーン356を挿通後、吊り上げチェーン356の端部をチェーンブロック354の下フック354bに引っ掛ける。なお、チェーンブロック354、吊り上げチェーン356、吊り治具357等が吊り上げ手段353を構成する。また、吊り治具は、いわゆる「アイボルト」であってもよい。
チェーンブロック354の操作により、仮受け用金具351を介してブラケット取付部材11を吊り上げ、橋桁2の下端側に、吊り上げチェーン356等吊り上げ手段353で吊り上げたブラケット取付部材11を橋桁2の主桁下面2b側に下設する。ブラケット6又は橋台3、橋脚と仮受け用金具351との間であって、仮受け用金具351の下面351aをジャッキアップ可能な位置に、ジャッキ350(例えば、ジャーナルジャッキ)を設け、ジャッキ350をジャッキアップしブラケット取付部材11を仮受けする(図18参照)。なお、ブラケット取付部材は、ジャッキ350のみで、ジャッキアップ、仮受けを行うようにしてもよい。この形態1では、吊り上げ手段、及び/または、ジャッキ等が仮受け手段を構成している。ブラケット6の上部に、支承装置7を設置する。ブラケット取付部材11は、支承装置7の上に載置された状態になる。ブラケット部材11は、主桁側面2aから突き出している両方の突出量がほぼ同一になるように位置決めされている。弾性板部材14の一方の面(主桁側面2a側の面)14aに接着剤19を塗布し、塗布した一方の面14aを主桁側面2aの所定の位置に接合するとともに、ブラケット取付部材11の主桁側面2aから突き出している上面に連結用立設部材12を載置し、弾性板部材14を主桁側面2aとの間に、弾性内圧力を加えるようにして挟持する。
ブラケット取付部材11と連結用立設部材12とをボルト15とナット16で締着固定する。くさび部材13の一方のくさび面(主桁側面2a側の面)13cに接着剤19を塗布するとともに、くさび部材13を、主桁側面2aと連結用立設部材12の側面12bとの間に、橋軸方向のP1方向、P2方向(図2参照)から挿入する。この作業を主桁側面2aの両側で行い、4個のくさび部材13が挿入される。接着剤19が、所定の接着強度を発揮するようになるまで、所定時間養生する。所定時間養生後、吊り上げ手段353等による仮受けを解除する。
この構造物取付装置により構造物を取り付ける変形例について、説明を行う。例えば、既設の支承装置と新設の支承装置とを交換するときには、次のような作業を行う。所定時間養生後、複数のジャッキ350により、橋桁2及び構造物取付装置10を所定量扛上させる。この扛上による変位量は、ダイアルゲージ等で確認する。この状態で既設の支承装置(図示せず)撤去し、新設の支承装置7を設置する。ジャッキ350のジャッキダウンを行い、新設の支承装置7に橋桁2を支承させる。仮受け用金具351をブラケット取付部材11から取り外す。
この構造物取付装置10は、支承装置のように、構造物取付装置、構造物等の自重等が、構造物取付装置と主桁側面との間に作用しない場合に好適なものである。なお、構造物が、支承装置ではなく落橋防止装置などである場合には、橋桁2の主桁下面2bとブラケット取付部材11とを接着剤19で接合する構成にしてもよい。
〔実施の形態2〕
図4、5に基いて、実施の形態2の橋梁の構造物取付装置20について説明を行う。
図4は、実施の形態2の橋梁の構造物取付装置の断面図、図5は、図4をC−C線で切断した断面図である。
この実施の形態2の橋桁2はコンクリート製の橋桁である。また、実施の形態2の橋梁の構造物取付装置20(以下、構造物取付装置20と記載する)は、構造物取付部材21と、くさび部材23とから構成されている。構造物取付部材21は、ブラケット取付部21a、ブラケット取付部21aから所定の角度傾斜するように立設されている連結用立設部21b,21bと、連結用立設部21bを補強するための連結補強部21c,21cが一体に溶接等で構成され、上部が開口している防錆処理がされた鋼製の部材である。構造物取付部材21は、断面視略凵字状をした部材でもある。連結用立設部21bは、図4に示すように、左右に対向するように一対の構成で設けられたものであり、鉛直面内において、ブラケット取付部21a側より上部の開口側が狭くなるような第2傾斜角θ2に傾斜している。また、連結用立設部21bには、図5に示すように、橋桁2に構造物取付部材21を取り付けた状態を平面視すると、中央部の間隔より端部側の間隔が開くような第1傾斜角θ1に傾斜している傾斜面が形成されている。くさび部材23の第1傾斜角θ1は15度以下であるとよく、この形態2では約10度としている。
くさび部材23の他方のくさび面23dは、鉛直面内において、下部寸法より上部寸法が小さい第2傾斜角θ2を有するように形成されたくさび面になっている。また、くさび部材23は、水平面内において、一端23a側より他端23b側に向かって徐々に広がるような第1傾斜角θ1を有するように形成されたくさび面になっている。言い換えると、くさび部材23は、一方のくさび面23cに対して、他方のくさび面23dが、鉛直方向及び水平面内の長手方向(橋桁2の橋軸方向)の2方向において第2傾斜角θ2、第1傾斜角θ1分傾斜した傾斜面に形成されている。くさび部材23は、一端23a側が薄く、他端23b側に向かって厚さ寸法(図5におけるくさび部材23の左右方向の寸法)が漸増するようなくさび形状に形成されている。くさび部材23は、硬質ゴム製の部材であるが、防錆処理された金属製、炭素繊維成形材製等のものであってもよい。くさび部材23の一方のくさび面23cと橋桁2の主桁側面2aとの間は、接着剤(例えば、エポキシ樹脂系接着剤、汎用型高性能合成ゴム系接着剤)29等により一体に接合されている。すなわち、くさび部材23の一方のくさび面23cと橋桁2の主桁側面2aの被接合面は所定の接着強度(例えば、1.5N/mm以上)を有するように接着剤29で接合されている。また、他方のくさび面23dは、連結立設部21bの傾斜面と当接可能に構成されている。くさび部材23,23は、図5に示すように、一方の端部23a側が対向する一対の構成にすることで、対称形状を形成するように設けられている。一対のくさび部材23,23は、橋軸方向と直交する平面に対して対称な位置に一対の構成で配置されている。
このような構成になっているため、橋桁2に対して構造物取付装置20が橋軸方向に移動しようとしたときには、一対に設けられたくさび部材23のどちらか一方を介して、構造物取付部材21の連結用立設部21bが、橋桁2の主桁側面2aと直交する方向に大きな荷重で押圧され、橋桁2と構造物取付装置20とが強固に固定される。すなわち、くさび部材23の第1傾斜角(勾配の角度)θ1の作用による押圧力で連結用立設部21bが押圧され、橋桁2と構造物取付装置20とが強固に固定される。
また、この構造物取付装置20は、橋桁2に対して構造物取付装置20が、自重又は鉛直方向への荷重の作用により鉛直方向に移動しようとしたときには、くさび部材23を介して、構造物取付部材21の連結用立設部21bが、橋桁2の主桁側面2aと直交する方向に大きな荷重で押圧され、橋桁2と構造物取付装置20とが強固に固定される。この構造物取付装置20は、構成が簡素であり、可動部がなく、確実に取り付けることができる。構造物取付部材21、くさび部材23、接着剤29が硬化した接着剤層等は、耐候性、耐久性に優れているのでメンテナンス等が不要である。
〔実施の形態2の設置工法〕
この構造物取付装置20の設置工法について説明を行う。
接着剤による接着強度を所定の接着強度以上にするために、橋桁2の構造物取付装置20を設置する位置に、洗浄、接着面のチッピング、ケレン及び不陸の修正等表面処理を行う。
構造物取付部材21に前述した仮受け用金具351(図18参照)を取り付ける。構造物取付部材21を、仮受け用金具351を介して、前述した吊りチェーン356等吊り上げ手段353(図18参照)で吊り上げ、橋桁2の主桁下面2bに下設する。吊り上げた構造物取付部材21をジャッキ350(図18参照)等で支持して仮受けする。なお、構造物取付部材は、ジャッキ350で持ち上げられ仮受けされてもよい。例えば、ブラケット6又は橋台3、橋脚と、仮受け用金具351との間に、ジャッキ350(例えば、ジャーナルジャッキ)を設け、仮受けしてもよい。くさび部材23の一方のくさび面23cに接着剤29を塗布し、主桁側面2aと側板部21bとの間の空間28に橋軸方向のP1方向、P2方向(図5参照)から挿入する。図5に示すように、4つのくさび部材23を挿入したら、この状態を維持して所定時間養生し、接着剤29を硬化等させる。接着剤29が硬化等して所定の接着強度を有する接着剤層が形成されたら、吊り上げ手段353による吊り上げを緩め、仮受けを解除する。この作業を行うことにより、橋桁2に構造物取付装置20が取り付けられる。なお、この形態2では、吊り上げ手段、及び/または、ジャッキ等が仮受け手段を構成している。
〔実施の形態3〕
図6〜9に従って、実施の形態3の橋梁の構造物取付装置30の説明を行う。なお、この形態3の橋桁102は、鋼製の橋桁である。
図6は、実施の形態3の橋梁の構造物取付装置を取り付けた橋桁の側面図、図7は、図6をD−D線で切断した断面図、図8は、実施の形態3の橋梁の構造物取付装置の一部を断面にした平面図、図9は、図8をE−E線で切断した断面図である。
橋梁の構造物取付装置30(以下、構造物取付装置30と記載する)は、ブラケット取付部材31、押さえ板部材32、下ゴム板部材36、くさび部材37a,37a、上ゴム板部材38、接着剤40等から構成されている。構造物取付装置30は、橋桁102の主桁の下フランジ102aに取り付けられている。下フランジ102aの下面側には、板状のブラケット取付部材31が設けられている。下フランジ102aの上面には、一対の垂直補強部材33が、橋軸方向に所定の間隔を有するように立設されている。垂直補強部材33は、断面L字状をした部材であって、L字の一方の辺が橋桁102のウェブ102bに接着剤33aで接合され、L字の他方の辺が対向するように立設されている。一対の垂直補強部材33,33の間の下フランジ102aの上面には、防錆処理された鋼材製のくさび部材37a,37a、硬質ゴム製の上ゴム板部材38が接着剤(例えば、エポキシ樹脂系接着剤、汎用型高性能合成ゴム系接着剤)40で接合されている。
くさび部材37aは、一端側が薄く、他端側に向かって厚さ寸法(図9におけるくさび部材37aの上下方向の寸法)が漸増するような傾斜角θ3を有するくさび形状に形成されている。くさび部材37aは、一端側の厚さ寸法より他端側の厚さ寸法が大きい傾斜角θ3を有するくさび状の部材である。くさび部材37aの傾斜角(勾配の角度)は15度以下であるとよく、この形態3では約10度としている。また、くさび部材37a,37aは、図9に示すように、厚さ寸法の薄い一端側が対向する一対の構成にすることで、対称形状を形成するように設けられている。くさび部材37a,37aは、一端側が対向して、橋軸方向(矢印Qで示す方向)と直交する平面に対して対称する形状に構成されるように設けられている。なお、くさび部材は、硬質ゴム製、防錆処理された金属製、炭素繊維成形材製等のものであってもよい。くさび部材37a,37aの一方のくさび面37c,37cが下フランジ102aの被接合面に接着剤40で接合されている。下フランジ102aのくさび部材37a,37a、上ゴム板部材38が接合している位置の反対側の下面には、硬質ゴム製の下ゴム板部材36が設けられている。
ブラケット取付部材31には、押さえ板部材32がボルト39、ナット39a等で締結固定されている。このブラケット取付部材31と押さえ板部材32とが、断面視略凵字状の構造物取付部材を構成する。ブラケット取付部材31と押さえ板部材32とが形成する空間には、下ゴム板部材36、下フランジ102a、一対のくさび部材37a,37a、上ゴム板部材38が挟まれている。ボルト39にナット39aを締め込んで締結することにより、下ゴム板部材36、下フランジ102a、くさび部材37a,37a、上ゴム板部材38は、ブラケット取付部材31と押さえ板部材32に挟持される。言い換えると、下フランジ102aと押さえ板部材32との間の空間に、くさび部材37a,37aが設けられている。押さえ板部材32は、くさび部材37a,37aの他方のくさび面37d,37dと当接する部位は、図9に示すように、くさび部材37a,37aの他方のくさび面37d,37dの形状に一致するように中央側が低くなる傾斜面形状に形成されている。すなわち、押さえ板部材32のくさび部材37a,37aの他方のくさび面37d,37dと当接する部位は両端側より中央側が低くなるような傾斜角θ3に傾斜した面を有するように形成されている。
押さえ板部材32の上面には、断面L字状の側方取付部材34が接着剤34aで接合されている。垂直補強部材33と側方取付部材34との間には、硬質ゴム製の側方ゴム部材35が接着剤35a,35aで接合されている。言い換えると、垂直補強部材33と側方取付部材34とは、側方ゴム部材35を介して接着剤35a,35aで一体に接合されている。垂直補強部材33は、押さえ板部材32が垂直方向に変形しないように補強している部材である。
ブラケット取付部材31と押さえ板部材32を介して、下ゴム板部材36、下フランジ102a、くさび部材37a,37a、上ゴム板部材38を挟持して固定する構造は、図7、8に示すように、下フランジ102aのフランジ面の両側に対称に設けられている。
ブラケット取付板31の下面には、補強部位107が設けられている。この補強部位107は、例えば、PC鋼より線型落橋防止装置、PC鋼型落橋防止装置のブラケットなどである。なお、補強部位107は、ブラケット取付部材31と一体に構成されているものであってもよい。また、くさび部材は、硬質ゴム製のものであってもよい。
この構造物取付装置30は、橋桁102への取り付けが接着剤で接合する構成になっているため、取り付け位置の自由度が高く調整も容易である。また、橋桁102断面に対して衝撃力を緩衝しやすい構成となっている。また、この構造物取付装置30は、構成が簡素であり、可動部がなく、確実に取り付けることができる。ブラケット取付部材31、押さえ板部材32、下ゴム板部材36、くさび部材37a,37a、上ゴム板部材38、接着剤40、接着剤34a、接着剤35aが硬化した接着剤層等は、耐候性、耐久性に優れているのでメンテナンス等が不要である。
〔実施の形態3の設置工法〕
この構造物取付装置30の設置工法について説明を行う。
接着剤40による接着強度を所定の接着強度以上にするために、橋桁102の構造物取付装置30を設置する位置に、洗浄、ケレン等表面処理を行う。
橋桁102のウェブ102bに一対の垂直補強部材33,33を所定の間隔を有する位置に接着剤33aで接合する。くさび部材37a,37aの一方のくさび面37c,37c、上ゴム板部材38を下フランジ102aの上面に接着剤40で接合する。下ゴム板部材36、ブラケット取付部材31を下フランジ102aの下面側に位置させる。押さえ板部材32を下フランジ102aの上面側に位置させ、ブラケット取付部材31と押さえ板部材32とをボルト39、ナット39aで締着固定する。ブラケット取付部材31に下フランジ102aの両側から押さえ板部材32,32を締着固定する。押さえ板部材32の上面、垂直補強部材33に、側方ゴム部材35、側方取付部材34を接着剤34a、接着剤35aで接合する。
接着剤33a、接着剤40、接着剤34a、接着剤35a等が硬化等して所定の接着強度(例えば、1.5N/mm以上)を発揮するようになるまで、所定時間養生する。この状態になると、橋桁102と構造物取付装置30とが、橋軸方向(図9の矢印Q方向)に相対移動しようとすると、くさび部材37a,37aの他方のくさび面37d,37dのどちらが、下フランジ102aの面と直交する方向に大きな荷重を発生させ、押さえ板部材32を押圧し、橋桁102と構造物取付装置30とが固定される。くさび部材37aの傾斜角(勾配の角度)θ3の作用による押圧力で押さえ板部材32が押圧され、橋桁102と構造物取付装置30とが強固に固定される。このとき、垂直補強部材33、側方取付部材34等は、押さえ板部材32が、荷重を受けたときに、下フランジ102aの面と直交する方向に変形しないように補強している。
〔実施の形態4〕
図10〜14に従って、実施の形態4の橋梁の構造物取付装置50について説明を行う。なお、この形態4の橋桁は、コンクリート製の橋桁2(例えば、T桁橋)である。
図10は、実施の形態4の橋梁の構造物取付装置を取り付けた橋桁の側面図、図11は、図10をF−F線で切断した断面図、図12は、図11をG−G線で切断した断面図、図13は、図12をH−H線で切断した断面図である。
この橋梁の構造物取付装置50(以下、構造物取付装置50と記載する)は、ブラケット取付部材51、連結用立設部材52、抑止突起部材53、接着剤60、強化補強部材54等から構成されている。この構造物取付装置50では、橋桁2の主桁側面2aに純かぶり範囲内で、四角錐台状の凹部2cがハツリ表面処理されている。このハツリ表面処理は、ブレーカ、ウォータジェット等で行うとよい。主桁下面2bには、板状のブラケット取付部材51が設けられている。ブラケット取付部材51には、主桁側面2aに接着剤(例えば、エポキシ系接着剤、汎用型高性能合成ゴム系接着剤)60で所定の接着強度(例えば、1.5N/mm以上)に接合されて、主桁側面2aに連結される連結用立設部材52が立設されている。
連結用立設部材52には、凹部2cに係合して橋桁2と連結用立設部材52とが、橋軸方向及び鉛直方向に、相対移動することを抑止するための抑止突起部材53がボルト55で固定されている。すなわち、主桁側面2aと連結用立設部材52とは、凹部2cと抑止突起部材53とが係合して両者がずれることを抑止しているとともに、接着剤60で接合されている。連結用立設部材52の上部には、押しボルト59がねじ込まれるナット52aが、溶接等で固定されている。この押しボルト59は、ブラケット取付部材51に連結用立設部材52が取り付けられた状態において主桁側面2aを押圧することで、主桁側面2aに対して連結用立設部材52の上部側を開いて接着剤60の注入を容易にするためのものである。
連結用立設部材52には、連結用立設部材52を補強して剛性を向上させるための強化補強部材54が設けられている。強化補強部材54は、連結用立設部材52の水平方向の剛性を向上させて、連結用立設部材52が荷重を受けたとき連結用立設部材52が変形することを防止する。強化補強部材54は、下部側を、連結用立設部材52、ブラケット取付部材51にボルト58、ナット58aで固定されている。また、強化補強部材54は、上部側を、連結用立設部材52にボルト56で固定されている。さらに、強化補強部材54は、リブ54aが設けられており、剛性の高い部材である。強化補強部材54は、図10、11に示すように一対の連結用立設部材52,52の両端に、各々、設けられている。この構造物取付装置50は、ブラケット取付部材51、一対の連結用立設部材52,52、一対の抑止突起部材53,53等から構成されている。すなわち、図12に示すように、主桁を断面視したとき、左右対称に設けられている。
この構造物取付装置50は、橋桁に凹部2cのハツリ表面処理が必要であるが、凹部2cと抑止突起部材53との係合、主桁側面2aと連結用立設部材52等が接着剤60で接合されている構成であり、強固に取り付けることができる。また、この構造物取付装置50は、構成が簡素であり、可動部がなく、確実に取り付けることができる。ブラケット取付部材51、連結用立設部材52、抑止突起部材53、接着剤60が硬化した接着剤層等は、耐候性、耐久性に優れているのでメンテナンス等が不要である。
〔実施の形態4の設置工法1〕
この構造物取付装置50の設置工法1について説明を行う。
橋桁2の両側の主桁側面2aに、各々、四角錐台状の凹部2cをハツリ表面処理して形成する。接着剤60による接着強度を所定の接着強度以上にするために、橋桁2の構造物取付装置50を設置する位置に、洗浄、接着面のチッピング、ケレン及び不陸の修正等表面処理を行う。ブラケット取付部材51に仮受け用金具351(図18参照)を取り付ける。仮受け用金具351を介して前述した吊りチェーン356等吊り上げ手段353(図18参照)で吊り上げたブラケット取付部材51を、橋桁2の主桁の所定の位置に設置する。なお、ブラケット取付部材51は、ジャッキ350(図18参照)で持ち上げられ仮受けされてもよい。例えば、橋台3又は橋脚と、ブラケット取付部材51又は仮受け用金具301との間にジャッキ350(例えば、ジャーナルジャッキ)を設け、吊り上げたブラケット取付部材51又は仮受け用金具351をジャッキ350等で支持して仮受けしてもよい。この形態4では、吊り上げ手段、及び/または、ジャッキ等が仮受け手段を構成している。
連結用立設部材52の所定の位置に抑止突起部材53をボルト55で固定する。ボルト55は、連結用立設部材52に形成されたボルト穴に挿通されるとともに、抑止突起部材53に形成されたねじ穴にねじ込まれ、連結用立設部材52に抑止突起部材53を固定する。抑止突起部材53が固定された連結用立設部材52をブラケット取付部材51の上面に載置し、凹部2cに抑止突起部材53が嵌め込まれ、凹部2cと抑止突起部材53とが係合するように位置調整する。さらに、連結用立設部材52は、主桁側面2aに平行になるように、かつ、所定の間隔を有するように位置調整される。ブラケット取付部材51上の所定の位置に調整された連結用立設部材52は、ブラケット取付部材51にボルト57、ナット57aで締結固定される。ボルト57は、ブラケット取付部材51、連結用立設部材52に形成されたボルト穴に挿通され、ナット57aはボルト57のねじ部にねじ込まれる。ボルト57とナット57aとを締め付けることにより、ブラケット取付部材51に連結用立設部材52が締結固定される。
連結用立設部材52の上部に溶接等で固定されているナット52aに押しボルト59をねじ込み、主桁側面2aを押圧することにより、主桁側面2aに対して連結用立設部材52の上面側を強制的に開くように弾性変形させる。この上面側から接着剤60を注入し、注入後、押しボルト59を緩め、連結用立設部材52を弾性変形前の状態に戻し、連結用立設部材52の上面側が開いた状態から閉じた状態に戻す。接着剤60が硬化等して所定の接着強度(例えば、1.5N/mm以上)を発揮するようになるまで、所定時間養生する。押しボルト59を連結用立設部材52から離脱させる。このことにより、連結用立設部材52と主桁側面2a、及び、抑止突起部材53と凹部2cとが強固に接合される。
連結用立設部材52の橋軸方向の両端側の連結用立設部材52の上面に、強化補強部材54を設けボルト58、ナット58aで固定する。すなわち、強化補強部材54、連結用立設部材52、ブラケット取付部材51の各々に形成されているボルト穴に、ボルト58のねじ軸部を挿通し、ねじ部にナット58aをねじ込んで締め付け締結固定する。また、連結用立設部材52のねじ穴にボルト56をねじ込んで、連結用立設部材53と強化補強部材54とを一体に固定する。
吊り上げ手段353等による仮受け用金具351の吊り上げを緩め、吊りチェーン356を取り外し、ジャッキ350の仮受けを解除する。
ブラケット取付部材51に、構造物(例えば、落橋防止装置)のブラケット207を取り付ける。
〔実施の形態4の設置工法2〕
この構造物取付装置50の設置工法2について説明を行う。
橋桁2の両側に主桁側面2aに、各々、四角錐台状の凹部2cをハツリ表面処理して形成する。接着剤60による接着強度を所定の接着強度以上にするために、橋桁2の構造物取付装置50を設置する位置に、洗浄、接着面のチッピング、ケレン及び不陸の修正等表面処理を行う。
ブラケット取付部材51に仮受け用金具351(図18参照)を取り付ける。仮受け用金具351を介して前述した吊りチェーン356等吊り上げ手段353(図18参照)で吊り上げられたブラケット取付部材51を、橋桁2の主桁の所定の位置に設置する。吊り上げたブラケット取付部材51又は仮受け用金具351をジャッキ350(図18参照)等で支持して仮受けする。なお、ブラケット取付部材51は、ジャッキ350で持ち上げられ仮受けされてもよい。例えば、橋台3又は橋脚と、ブラケット取付部材51又は仮受け用金具301との間にジャッキ350(例えば、ジャーナルジャッキ)を設け、仮受けしてもよい。
連結用立設部材52の所定の位置に抑止突起部材53をボルト55で固定する。ボルト55は、連結用立設部材52に形成されたボルト穴に挿通されるとともに、抑止突起部材53に形成されたねじ穴にねじ込まれ、連結用立設部材52に抑止突起部材53を固定する。
連結用立設部材52の主桁側面2aと対向する面、及び、抑止突起部材53の連結用立設部材52から突出している四角円錐台状の面に接着剤60を塗布する。抑止突起部材53が固定された連結用立設部材52をブラケット取付部材51の上面に載置し、凹部2cに抑止突起部材53が嵌め込まれ、凹部2cと抑止突起部材53とが係合するように位置調整する。さらに、連結用立設部材52は、主桁側面2aと平行になるように、かつ、接着剤60が接着強度を発揮するのに好適な位置に調整される。ブラケット取付部材51上の所定の位置に調整された連結用立設部材52は、ブラケット取付部材51にボルト57、ナット57aで締結固定される。ボルト57は、ブラケット取付部材51、連結用立設部材52に形成されたボルト穴に挿通され、ナット57aはボルト57のねじ部にねじ込まれる。ボルト57とナット57aとを締め付けることにより、ブラケット取付部材51に連結用立設部材52が締結固定される。
連結用立設部材52の橋軸方向の両端側の連結用立設部材52の上面に、強化補強部材54を設けボルト58、ナット58aで固定する。すなわち、強化補強部材54、連結用立設部材52、ブラケット取付部材51の各々に形成されているボルト穴に、ボルト58のねじ軸部を挿通し、ねじ部にナット58aをねじ込んで締め付け締結固定する。また、連結用立設部材52のねじ穴にボルト56をねじ込んで、連結用立設部材52と強化補強部材54とを一体に固定する。接着剤60が硬化等して所定の接着強度(例えば、1.5N/mm以上)を発揮するようになるまで、所定時間養生する。このことにより、連結用立設部材52と主桁側面2a、及び、抑止突起部材53と凹部2cとが、強固に接合される。吊り上げ手段353等による仮受け用金具351の吊り上げを緩め、吊りチェーン356を取り外し、ジャッキ350の仮受けを解除する。
ブラケット取付部材51に、構造物(例えば、落橋防止装置)のブラケット207を取り付ける。
〔実施の形態5〕
図14〜16に従って、実施の形態5の橋梁の構造物取付装置70について説明を行う。なお、この形態5の橋桁は、コンクリート製の橋桁202(例えば、バルブT桁橋)として説明を行う。
図14は、実施の形態5の橋梁の構造物取付装置を取り付けた橋桁の側面図、図15は、橋桁及び実施の形態5の橋梁の構造物取付装置の断面図、図16は、図15をJ−J線で切断した断面図である。
この橋桁202の主桁は、断面視したとき、主桁中間部Aより主桁下部Bのほうが幅が広い形状に形成されている。主桁中間部Aの第1主桁側面202aと主桁下部Bの第2主桁側面202cとの間には主桁斜面部202dが形成されて、第1主桁側面202aと第2主桁側面202cとを繋ぐようになっている(図15参照)。
この橋梁の構造物取付装置70(以下、構造物取付装置70と記載する)は、ブラケット取付部材71、連結用立設部材72、接着剤79、強化補強部材73等から構成されている。橋桁2の主桁下部Bには、断面視凵字状又は略凵字状のブラケット取付部材71が接着剤(例えば、エポキシ系接着剤、汎用型高性能合成ゴム系接着剤)79で一体に接合されている。ブラケット取付部材71は、構造物(例えば、落橋防止装置)のブラケット207を取り付けるための部材である。ブラケット取付部材71の側面71aには、連結用立設部材72がボルト74を締め付けることで固定されている。連結用立設部材72は、ブラケット取付部材71の側面71aに固定されたとき、第1主桁側面202a、主桁斜面部202d、側面71aに当接する形状に、折り曲げて形成された部材である。すなわち、橋桁202の主桁の下方側部位の断面形状に近似するように形成された部材である。連結用立設部材72と、第1主桁側面202a、主桁斜面部202dとは、接着剤79で接合されている。
連結用立設部材72の上部側には、連結用立設部材72の水平方向の面内の剛性向上、補強を行うための断面L字状の強化補強部材73が、連結用立設部材72のねじ穴にねじ込まれたボルト75を締め付けることで固定されている。連結用立設部材72の上部側には、押しボルト76のねじ部を挿通するためのボルト穴が形成されているとともに、押しボルト76のねじ部がねじ込まれるナット77が溶接等で一体に固定されている。押しボルト76は、ナット77の雌ねじ部にねじ込まれ、第1主桁側面202aを押圧したとき、ブラケット取付部材71の側面71aに下部側がボルト74で固定された連結用立設部材72の上部側を所定量開くための部材である。
この構造物取付装置70は、橋桁202の面を接着剤79で接合可能なように、洗浄等表面処理を行うのみでよいので、作業が容易である。また、連結用立設部材72によって、ブラケット取付部材71に取り付けられる構造物の自重等鉛直方向にかかる荷重、衝撃力等を受けることが可能である。この構造物取付装置70は、構成が簡素であり、可動部がなく、確実に取り付けることができる。ブラケット取付部材71、連結用立設部材72、接着剤79が硬化した接着剤層、強化補強部材73等は、耐候性、耐久性に優れているのでメンテナンス等が不要である。
〔実施の形態5の設置工法1〕
この構造物取付装置70の設置工法1について説明を行う。
接着剤79による接着強度を所定の接着強度以上にするために、橋桁202の構造物取付装置70を設置する位置に、洗浄、接着面のチッピング、ケレン及び不陸の修正等表面処理を行う。
ブラケット取付部材71に仮受け用金具351(図18参照)を取り付ける。仮受け用金具351を介して前述した吊りチェーン356等吊り上げ手段353(図18参照)で吊り上げたブラケット取付部材71を、橋桁202の主桁の所定の位置に設置する。なお、ブラケット取付部材71は、ジャッキ350(図18参照)で持ち上げられ仮受けされてもよい。例えば、橋台3又は橋脚と、ブラケット取付部材71又は仮受け用金具351との間にジャッキ350(例えば、ジャーナルジャッキ)を設け、仮受けしてもよい。この形態5では、吊り上げ手段、及び/または、ジャッキ等が仮受け手段を構成している。ブラケット取付部材71の橋桁202の主桁側の面に接着剤79を注入又は塗布した後、主桁下面202bとブラケット取付部材71とを接着させる。接着剤79が硬化等して所定の接着強度(例えば、接着強度1.5N/mm以上)を発揮するようになるまで、所定時間養生する。養生後、吊り上げ手段353等による仮受け用金具301の吊り上げを緩め、吊りチェーン356を取り外す。
連結用立設部材72を、ブラケット取付部材71の側部71aにボルト74で固定する。連結用立設部材72のナット77の雌ねじ部に押しボルト76をねじ込み、第1主桁側面202aに対して、連結用立設部材72の上部側が開くように弾性変形させる。開いた部分から接着剤79を、連結用立設部材72と第1主桁側面202a、主桁斜面部202dに注入し、注入後、押しボルト76を緩めて連結用立設部材72を弾性変形前の状態に戻す。接着剤79が所定の接着強度を発揮するようになるまで養生する。強化補強部材73を連結用立設部材72にボルト75で固定する。ジャッキ350によるブラケット取付部材71の仮受けを解除する。
ブラケット取付板部材71に、構造物(例えば、落橋防止装置)のブラケット207を取り付ける。
〔実施の形態5の設置工法2〕
この構造物取付装置70の設置工法2について説明を行う。
接着剤79による接着強度を所定の接着強度以上にするために、橋桁202の構造物取付装置70を設置する位置に、洗浄、接着面のチッピング、ケレン及び不陸の修正等表面処理を行う。
ブラケット取付部材71に仮受け用金具351(図18参照)を取り付ける。仮受け用金具351を介して前述した吊りチェーン356等吊り上げ手段303(図18参照)で吊り上げたブラケット取付部材71を、橋桁202の主桁の所定の位置に設置する。なお、ブラケット取付部材71は、ジャッキ350(図18参照)で持ち上げられ仮受けされてもよい。例えば、橋台3又は橋脚と、ブラケット取付部材71又は仮受け用金具351との間にジャッキ350(例えば、ジャーナルジャッキ)を設け、仮受けしてもよい。
ブラケット取付部材71の橋桁202の主桁側の面に接着剤79を注入又は塗布した後、主桁下面202bとブラケット取付部材71とを接着させる。接着剤79が硬化して所定の接着強度(例えば、接着強度1.5N/mm以上)を発揮するようになるまで、所定時間養生する。養生後、吊り上げ手段353等による仮受け用金具351の吊り上げを緩め、吊りチェーン356を取り外す。
連結用立設部材72の主桁の側面と対向する側の面に接着剤79を塗布する。接着剤79が塗布された連結用立設部材72を、ブラケット取付部材71の側部71aにボルト74で固定する。このとき、第1主桁側面202a及び主桁斜面部202dと、連結用立設部材72とが接着剤79により接着される。接着剤79が所定の接着強度を発揮するようになるまで養生する。強化補強部材73を連結用立設部材72にボルト75で固定する。ジャッキ350によるブラケット取付部材71の仮受けを解除する。
ブラケット取付部材71に、構造物(例えば、落橋防止装置)のブラケット207を取り付ける。
以上、本発明の実施の形態の説明を行ったが、本発明はこの形態に限定されることはない。本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内での変更が可能なことはいうまでもない。例えば、構造物取付装置は、ブラケット取付部材と連結用立設部材とが溶接等で一体に構成されたものであってもよい。また、荷重付与部材は押しボルトでなく、棒状の荷重付与部材109であってもよい(図17参照)。荷重付与部材109は、くさび部材113を空間に挿入するために、橋桁302に対して構造物取付部材121の連結用立設部の上面側が開くように弾性変形させるものである。さらに、荷重付与部材109で荷重を付与して上部側を開きながら、押しボルト109aを回転させてもよい。また、構造物取付装置は、橋桁の縦桁等他の部位に取り付けられるものであってもよい。
1 … 橋梁
2,102,202 … 橋桁
3 … 橋台
6 … ブラケット
7 … 支承装置
8 … アンカーボルト
10,20,30,50,70 … 橋梁の構造物取付装置
11,31,51,71 … ブラケット取付部材
12,52,72 … 連結用立設部材
13,23,37a … くさび部材
14 … 弾性板部材
18,28 … 空間
19,29,40,60,79 … 接着剤
21 … 構造物取付部材
53 … 抑止突起部材
54,73 … 強化補強部材
59,76 … 荷重付与部材

Claims (18)

  1. 橋脚又は橋台上に設置されている橋桁に、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物を取り付けるための部位を備えた橋梁の構造物取付装置(10,20,30)であって、
    断面視略凵字状をし、前記橋桁の橋桁側面、又は、前記橋桁のフランジ面に対して所定の間隔の空間を有するように、前記橋桁の下部側に設けられ、前記構造物を取り付けるための部位が形成されている構造物取付部材と、
    一方の端部側の厚さが薄く、他方の端部側に向かって厚さが漸増するくさび形状に形成された部材であって、一方のくさび面が前記橋桁の前記橋桁側面、又は、前記フランジ面に接着剤で接合され、他方のくさび面がくさび角の作用による押圧力で前記構造物取付部材を押圧するためのくさび部材とを有し、
    前記空間には、前記一方の端部側が対向する一対の構成にすることで、対称形状を形成する一対の前記くさび部材が設けられている
    ことを特徴とする橋梁の構造物取付装置。
  2. 請求項1に記載された橋梁の構造物取付装置において、
    前記構造物取付部材には、前記橋桁側面に対して垂直な方向の前記橋桁側面に対する間隔が、前記橋軸方向の端部側に対して中央側が小さくなるように傾斜している第1傾斜角と、前記橋桁の上部側に対して下部側が大きくなるように傾斜している第2傾斜角とに傾斜した傾斜面が形成されており、
    前記くさび部材は、前記他方のくさび面が、前記第1傾斜角及び前記第2傾斜角を有するように傾斜した傾斜面に形成されているものである
    ことを特徴とする橋梁の構造物取付装置。
  3. 請求項1又は2に記載された橋梁の構造物取付装置において、
    前記くさび部材の素材は、防錆処理された金属、硬質ゴム、炭素繊維成形材から選択される1種である
    ことを特徴とする橋梁の構造物取付装置。
  4. 橋脚又は橋台上に設置される橋桁に、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物を取り付けるための部位を備えた橋梁の構造物取付装置(50)であって、
    前記橋桁の橋桁側面部の両側の所定の位置に、各々、四角錐台状に形成された凹部と、
    前記橋桁の下面側に設けられ、前記構造物を取り付けるための部位が形成されているブラケット取付部材と、
    前記ブラケット取付部材に、前記橋桁側面と平行に立設される連結用立設部材と、
    前記連結用立設部材に締結固定され、前記凹部に係合して前記橋桁と前記連結用立設部材とが相対移動することを抑止するための抑止突起部材とからなり、
    前記橋桁側面と、前記連結用立設部材及び前記抑止突起部材とは、接着剤によって、一体に接合されている
    ことを特徴とする橋梁の構造物取付装置。
  5. 橋脚又は橋台上に設置される橋桁に、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物を取り付けるための部位を備えた橋梁の構造物取付装置(70)であって、
    前記橋桁に挿入されるとともに前記橋桁の下面及び橋桁側面の下部に接合され、断面視凵字状をし、前記構造物を取り付けるための部位が形成されているブラケット取付部材と、
    前記橋桁側面の下方側の部位の断面形状に近似するように形成され、前記ブラケット取付部材の側面に締着固定されて前記橋桁の側面と平行に立設される連結用立設部材とからなり、
    前記橋桁側面と前記連結用立設部材とは、接着剤によって、一体に接合されている
    ことを特徴とする橋梁の構造物取付装置。
  6. 請求項1、4、5のいずれか1項に記載された橋梁の構造物取付装置において、
    前記連結用立設部材の上部には、前記橋桁に対して、前記連結用立設部材の上面側が開くように弾性変形させる荷重を付与するための荷重付与部材が設けられている
    ことを特徴とする橋梁の構造物取付装置。
  7. 請求項4又は5に記載された橋梁の構造物取付装置において、
    前記連結用立設部材の上部には、前記連結用立設部材の水平方向の剛性を向上させるための強化補強部材が設けられている
    ことを特徴とする橋梁の構造物取付装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載された橋梁の構造物取付装置において、
    前記構造物は、落橋防止装置、変位制限構造、桁補強部材、桁連結装置、及び、支承装置から選択される1つである
    ことを特徴とする橋梁の構造物取付装置。
  9. 橋脚又は橋台上に設置される橋桁に、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物を取り付けるための構造物取付装置を設置する設置工法であって、
    断面視略凵字状をし、前記構造物を取り付けるための部位が形成されている構造物取付部材を、前記橋桁の下部側に設けるとともに、前記橋桁の橋桁側面、又は、前記橋桁のフランジ面と、前記構造物取付部材との間に、一方の端部側の厚さが薄く、他方の端部側に向かって厚さが漸増するくさび形状に形成されたくさび部材が、前記橋桁側面又は前記フランジ面と平行な方向に、前記一方の端部側が対向する一対の構成で挿入されるための空間を形成し、
    前記くさび部材の一方のくさび面に接着剤を塗布するとともに、前記くさび部材を前記空間に挿入し、
    前記くさび部材の前記一方のくさび面と、前記橋桁側面又は前記フランジ面とを接着剤で一体に接合し、
    前記構造物取付部材と前記橋桁とが、相対的に、移動しようとしたとき、前記くさび部材の他方のくさび面がくさび角の作用で前記構造物取付部材を押圧する
    ことを特徴とする橋梁の構造物取付装置の設置工法。
  10. 請求項9に記載された橋梁の構造物取付装置の設置工法において、
    前記空間を形成する工程は、前記構造物取付部材を、前記橋桁の下部側に設けた後、前記構造物取付部材を仮受けし、前記橋桁の橋桁側面、又は、前記橋桁のフランジ面と、前記構造物取付部材との間に、一方の端部側の厚さが薄く、他方の端部側に向かって厚さが漸増するくさび形状に形成されたくさび部材が、前記橋桁側面又は前記フランジ面と平行な方向に、前記一方の端部側が対向する一対の構成で挿入されるための空間を形成する工程である
    ことを特徴とする橋梁の構造物取付装置の設置工法。
  11. 請求項9または10に記載された橋梁の構造物取付装置の設置工法において、
    前記構造物取付部材は、前記橋桁側面に対して垂直な方向の前記橋桁側面に対する間隔が、前記橋軸方向の端部側に対して中央側が小さくなるように傾斜している第1傾斜角と、前記橋桁の上部側に対して下部側が大きくなるように傾斜している第2傾斜角とに傾斜した傾斜面を前記橋軸方向に対称な一対の構成で有し、
    前記くさび部材は、前記他方のくさび面が、前記第1傾斜角及び前記第2傾斜角を有するように傾斜した傾斜面に形成されているものであり、
    前記くさび部材を前記空間に挿入する工程は、前記橋桁側面と前記構造物取付部材の前記傾斜面との間の空間に前記くさび部材を挿入する工程である
    ことを特徴とする橋梁の構造物取付装置の設置工法。
  12. 請求項11に記載された橋梁の構造物取付装置の設置工法において、
    前記くさび部材を挿入する工程は、前記構造物取付部材の上部側に、前記構造物取付部材を前記橋桁側面に対して離れる方向に強制的に弾性変形させるための荷重付与部材を設け、前記荷重付与部材を介して荷重を付与して、前記構造物取付部材を前記離れる方向に弾性変位させた状態で、前記くさび部材を挿入する工程である
    ことを特徴とする橋梁の構造物取付装置の設置工法。
  13. 橋脚又は橋台上に設置される橋桁に、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物を取り付けるための構造物取付装置を設置する設置工法であって、
    前記橋桁の橋桁側面の両側の所定の位置に、各々、四角錐台状の凹部を形成し、
    前記橋桁の下面部に、前記構造物を取り付けるための部位が形成されているブラケット取付部材を設け、
    前記凹部内に係合される抑止突起部材を連結用立設部材に締結固定し、
    前記凹部と前記抑止突起部材とを係合させた状態で、一対の前記連結用立設部材を前記ブラケット取付部材に、前記橋桁を挟むように締結固定し、
    前記桁連結部材の上部側に設けられた荷重付与部材で前記連結用立設部材に荷重を付与し、前記橋桁側面に対して前記連結用立設部材の上面側が開くように弾性変形させ、
    開いた前記上面側から、前記橋桁側面と前記連結用立設部材との間に接着剤を注入し、
    前記荷重付与部材による荷重付与を解除した後、前記接着剤を硬化させることで、前記橋桁側面と、前記連結用立設部材及び記抑止突起部材とを一体に接合する
    橋梁の構造物取付装置の設置工法。
  14. 橋脚又は橋台上に設置される橋桁に、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物を取り付けるための構造物取付装置を設置する設置工法であって、
    前記橋桁の橋桁側面の両側の所定の位置に、各々、四角錐台状の凹部を形成し、
    前記橋桁の下面に、前記構造物を取り付けるための部位が形成されているブラケット取付部材を取り付け、
    前記凹部内に係合される抑止突起部材を連結用立設部材の一方の面に締結固定し、
    前記連結用立設部材の前記一方の面及び前記抑止突起部材に接着剤を塗布し、
    前記凹部と前記抑止突起部材とを係合させるとともに、前記橋桁側面に対して一対の前記連結用立設部材を所定の位置に調整し、
    一対の前記連結用立設部材が前記橋桁を挟む込むようにしている状態で、一対の前記連結用立設部材を前記ブラケット取付部材に締結固定し、
    前記接着剤を硬化させることで、前記橋桁側面と、前記連結用立設部材及び前記抑止突起部材とを一体に接合する
    橋梁の構造物取付装置の設置工法。
  15. 請求項13または14に記載された橋梁の構造物取付装置の設置工法において、
    前記橋桁の下面に、前記構造物を取り付けるための部位が形成されている前記ブラケット取付部材を取り付ける工程の後に、前記橋桁の下面に取り付けた前記ブラケット取付部材を仮受けする工程を有している
    ことを特徴とする橋梁の構造物取付装置の設置工法。
  16. 橋脚又は橋台上に設置される橋桁に、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物を取り付けるための構造物取付装置を設置する設置工法であって、
    断面視凵字状をし、前記構造物を取り付けるための部位が形成されているブラケット取付部材を、前記橋桁の下部側に挿入するとともに、前記橋桁と前記ブラケット取付部材とを接着剤で接合し、
    前記ブラケット取付部材の側面に、前記橋桁の下部側の断面形状に近似するように形成された連結用立設部材の下部側を締着固定し、
    前記連結用立設部材の上部に設けられた荷重付与部材で前記連結用立設部材に荷重を付与し、前記橋桁側面に対して前記連結用立設部材の上面側が開くように弾性変形させ、
    開いた前記上部側から、前記連結用立設部材と前記橋桁側面との間に接着剤を注入し、
    前記荷重付与部材による荷重付与を解除した後、前記接着剤を硬化させることで、前記橋桁と前記連結用立設部材とを一体に接合する
    橋梁の構造物取付装置の設置工法。
  17. 橋脚又は橋台上に設置される橋桁に、橋梁の一部を構成する構造物、又は、橋梁に付設される構造物を取り付けるための構造物取付装置の設置工法であって、
    断面視凵字状をし、前記構造物を取り付けるための部位が形成されているブラケット取付部材を、前記橋桁の下部側に挿入するとともに、前記橋桁と前記ブラケット取付部材とを接着剤で接合し、
    前記ブラケット取付部材の側面に、前記橋桁の下部側の断面形状に近似するように形成された連結用立設部材の前記橋桁側面側の面に接着剤を塗布し、
    前記桁連結部材の側面に前記接着剤が塗布された前記連結用立設部材を押し付けた状態で、前記連結用立設部材の下部側を前記桁連結部材に締着固定し、
    前記接着剤を硬化させることで、前記橋桁と前記連結用立設部材とを一体に接合する
    橋梁の構造物取付装置の設置工法。
  18. 請求項16または17に記載された橋梁の構造物取付装置の設置工法において、
    前記橋桁と前記ブラケット取付部材とを接着剤で接合する工程は、前記ブラケット取付部材を前記橋桁の下部側に挿入した後、前記ブラケット取付部材を仮受けし、前記橋桁と前記ブラケット取付部材とを前記接着剤で接合する工程である
    ことを特徴とする橋梁の構造物取付装置の設置工法。
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