JP4823937B2 - 落橋防止構造 - Google Patents

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Description

本発明は、上部桁の落下を防止するための落橋防止構造に関するものである。
従来より、下部構造に跨って上部桁が設置されている橋梁構造物に対して、上部桁の落下を防止するための落橋防止構造が知られている。落橋防止構造は、平成7年の阪神・淡路大震災を契機に設置されるケースが増加している。従来の落橋防止構造としては、様々な構造のものが存在している。
具体的には、例えばPCケーブルやチェーンによって上部桁の両端側をそれぞれ下部構造に連結する落橋防止構造が知られている。PCケーブルを用いる落橋防止構造としては、上部桁の端面を下部構造のパラペットと連結するものや、上部桁の側面を下部構造の側面と連結するものがある。また、チェーンを用いる落橋防止構造では、例えば特許文献1のように、チェーンによって上部桁の下面と下部構造の前面とを連結するものがある。
また、従来の落橋防止構造としては、コンクリートブロック等により下部構造の桁設置面を拡幅するものがある。この落橋防止構造は、上部桁や下部構造の変位を拘束するものではない。このため、上述したような上部桁と下部構造とを連結する落橋防止構造に比べて信頼性の面で劣り、上述した落橋防止構造を採用することができない場合にだけ用いられる特例の構造である。
特開平11−93117号公報
ところで、従来の落下防止構造は、上記特例の構造を除いては何れも上部桁と下部構造とを連結するものであった。そして、各落下防止構造において様々な問題点があった。
PCケーブルによって上部桁の端面と下部構造のパラペットとを連結する従来の落橋防止構造では、既設構造物に対して設ける場合に、施工時に上部桁上の舗装等の全面的な撤去が必要になる。このため、上部桁上の交通に大きな支障をという問題があった。また、設置後は舗装に埋もれてしまうので、メンテナンスをすることができなかった。
また、PCケーブルによって上部桁の側面と下部構造の側面とを連結する従来の落橋防止構造では、PCケーブルを保持するブラケットを上部桁に取り付けるのに、通常アンカーを使用する。そして、上部桁がPC床版桁の場合に、アンカーによってPC床版桁のPCケーブルが損傷するおそれがあるので、この落橋防止構造を適用することが困難であった。
また、チェーンによって上部桁と下部構造とを連結する従来の落橋防止構造では、チェーンやチェーンを固定するための部材が、上部桁の下方の空間を侵してしまう。このため、例えば跨線橋のように上部桁下の建築限界の制約が厳しい条件では使用することができない場合があった。また、建築限界を侵さずに設置できたとしても、施工時の制約が大きく、施工効率が低下するので、施工費が高くなるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上部桁の落下を防止するための落橋防止構造において、上部桁と下部構造とを連結することなく上部桁の落下を防止可能に構成することにある。
第1の発明は、所定の間隔を隔てて立設された下部構造(12)に跨って上部桁(14)が設置されている橋梁構造物(10)において、上記上部桁(14)の落下を防止するための落橋防止構造(20)を対象とする。そして、この落橋防止構造(20)は、上記下部構造(12)が互いに離れることを防止するために該下部構造(12)同士を連結する連結部材(24)を備え、上記連結部材(24)は、上記上部桁(14)の側面の側方に沿って配置されている
第1の発明では、下部構造である下部構造(12)が互いに離れることを防止するための連結部材(24)が設けられている。この連結部材(24)は、上部桁(14)の側面の側方に沿って設置される。そして、連結部材(24)によって下部構造(12)同士が連結されているので、地震などによって下部構造(12)間の距離が広がることが阻止される。
第2の発明は、所定の間隔を隔てて立設された下部構造(11,12)に跨って上部桁(14)が設置されている径間部が複数の橋梁構造物(10)において、上記上部桁(14)の落下を防止するための落橋防止構造(20)を対象とする。そして、この落橋防止構造(20)は、上記下部構造(11,12)が互いに離れることを防止するために、隣り合う下部構造(11,12)同士を連結する連結部材(24)を備え、上記連結部材(24)は、上記下部構造(11,12)の桁設置面以上の高さに設置されている。
第2の発明では、落橋防止構造(20)が、下部構造(11,12)が互いに離れることを防止するための連結部材(24)を備えている。連結部材(24)は下部構造(11,12)同士を連結しているので、地震などによって下部構造(11,12)間の距離が広がることが妨げられる。
また、第2の発明では、連結部材(24)が下部構造(11,12)の桁設置面以上の高さに設置されている。従って、連結部材(24)が上部桁(14)下にはみ出ないので、落橋防止構造(20)によって上部桁(14)下の空間が侵されない。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記連結部材(24)が、上部桁(14)の側面の側方に沿って配置されている。
第3の発明では、連結部材(24)が上部桁(14)の側面の側方を通っている。連結部材(24)は、下部構造(11,12)の桁設置面以上の高さに位置して、上部桁(14)の側面の側方の位置に露出している。
第4の発明は、上記第1乃至第3の何れか1つ発明において、上記下部構造(11,12)の同じ側の側面に取り付けられる一対のブラケット(23)を備え、上記連結部材(24)は、上記一対のブラケット(23)によって保持されている。
第4の発明では、上部桁(14)の両側の下部構造(11,12)の同じ側の側面にブラケット(23)がそれぞれ取り付けられている。連結部材(24)は、両側の下部構造(11,12)のブラケット(23)によって保持されている。
本発明では、連結部材(24)が下部構造(11,12)同士を連結しているので、地震などによって下部構造(11,12)間の距離が広がることが阻止される。そして、下部構造(11,12)間の距離が上部桁(14)の長さ未満に保持されるので、上部桁(14)の落下が確実に防止される。このように、本発明によれば、上部桁(14)と下部構造(11,12)とを連結することなく上部桁(14)の落下を防止することが可能である。
また、本発明によれば、上部桁(14)の落下を防止するために、上部桁(14)にブラケット等の部材を取り付ける必要がない。従って、上部桁(14)が例えばPC床版桁の場合でも、当該落橋防止構造(20)を適用することが可能である。
また、第1発明によれば、連結部材(24)によって、下部構造(12)の側面同士をどの高さ位置で連結してもよいし、下部構造(12)の上側で連結してもよい。つまり、連結部材(24)の設置位置がそれほど限定されない。このため、上部桁(14)下の建築限界等の橋梁構造物(10)の周辺状況によっては、連結部材(24)の高さを下部構造(12)の桁設置面よりも下に設定することもできるし、下部構造(12)の桁設置面よりも上に設定することもできる。よって、橋梁構造物(10)の周辺状況に応じてフレキシブルに連結部材(24)の設置位置の設定することで、橋梁構造物(10)の周辺に与える影響を軽減させることができる。
また、上記第2の発明では、連結部材(24)を下部構造(11,12)の桁設置面以上の高さに設置することで、落橋防止構造(20)によって上部桁(14)下の空間を侵さないようにしている。従って、上部桁(14)下の建築限界の制約が厳しい条件でも、当該落橋防止構造(20)を適用することができる。また、施工時に上部桁(14)下の空間に与える影響を軽減させることができる。
また、上記第1及び第3の各発明では、連結部材(24)が上部桁(14)の側面の側方において露出している。ここで、連結部材(24)が下部構造(11,12)上に設置される場合は、上部桁(14)下の空間を侵す問題は生じないが、連結部材(24)が舗装の下に位置することになる。従って、既設の橋梁構造物(10)に対して落橋防止構造(20)を設置する場合には舗装の全面的な撤去が必要となる。また、連結部材(24)の状態を視認することができないので、例えば地震後に連結部材(24)の状態を確認することができない。
これに対して、第1及び第3の各発明では、連結部材(24)が上部桁(14)の側面の側方に位置しているので、既設の橋梁構造物(10)に対する施工時に、舗装の撤去が必要となるにしても、路肩などの狭い範囲の撤去だけで済む。また、連結部材(24)が露出しているので、連結部材(24)のメンテナンスを行うことができ、さらに地震後に連結部材(24)の状態を確認することができる。落橋防止構造(20)の信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態は、橋梁構造物(10)に対して適用される、本発明に係る落橋防止構造(20)を有する落橋防止システムである。この落橋防止システムは、主に、本発明に係る落橋防止構造(20)と、後述する所定の桁掛かり長とにより構成されている。
以下では、先ず橋梁構造物(10)について説明し、次に本発明に係る落橋防止構造(20)と、その落橋防止構造(20)を用いる落橋防止方法について説明する。
〈橋梁構造物〉
本発明に係る橋梁構造物(10)は、単径間の跨線橋であり、既設の構造物である。この橋梁構造物(10)は、図1及び図2に示すように、一対の橋台(12)と、橋台(12,12)間に跨る橋桁(14)とを備えている。橋台(12)は下部構造を構成し、橋桁(14)は上部桁を構成している。橋台(12)は、所定の距離を隔てて設置されている。橋台(12,12)間における橋桁(14)の下方には、橋軸直角方向に延びる線路が敷設されており、鉄道建築限界(6)が設定されている。また、跨線橋の橋桁(14)の上側には、舗装が設けられている(図示省略)。
各橋台(12)は、鉄筋コンクリート構造の逆T字擁壁であり、本体部(15)とフーチング部(16)とパラペット部(17)とを備えている。各橋台(12)は、採石等の基礎構造物によってフーチング部(16)の下面で地盤に支持されている。本体部(15)は、フーチング部(16)の前寄りの位置から上方へ立ち上がっている。パラペット部(17)は、本体部(15)よりも厚みが薄くなっており、本体部(15)の上面から突出している。パラペット部(17)の背面は、本体部(15)の背面と面一になっている。各橋台(12)では、本体部(15)の上面におけるパラペット部(17)の前面側が桁設置面になっている。
橋桁(14)は、PC(プレストレストコンクリート)床版桁として構成されている。橋桁(14)は、その両端部が各橋台(12)の桁設置面にそれぞれ載せられた状態で橋台(12)によって支持されている。橋桁(14)の橋軸方向の長さは、各橋台(12)において所定の桁掛かり長が確保できるように、且つ、橋桁(14)の端面と橋台(12)のパラペット部(17)の前面との間に所定の隙間が形成されるように設定されている。なお、橋桁(14)は、RC床版桁等のPC床版桁以外のものであってもよい。
〈落橋防止構造〉
落橋防止構造(20)は、図3及び図4に示すように、新設パラペット部(22)と鋼製ブラケット(23)とPCケーブル(24)と取付金具(25)と緩衝部材(27)とを備えている。落橋防止構造(20)は、橋梁構造物(10)の橋軸直角方向の両側にそれぞれ設けられている。
新設パラペット部(22)は、鋼製ブラケット(23)を各橋台(12)に固定するためのものであり、各橋台(12)に対してそれぞれ設けられている。各新設パラペット部(22)は、既設のパラペット部(17)の橋軸直角方向の両端部を撤去した後に、そのパラペット部(17)を撤去した範囲に設けられている。
新設パラペット部(22)は、橋軸方向における前面の位置が既設のパラペット部(17)と同じ位置になっている。また、新設パラペット部(22)は、既設のパラペット部(17)よりも橋軸方向の厚みが大きくなるように形成され、本体部(15)の上面から背面に亘って形成されている。新設パラペット部(22)の断面形状は、PCケーブル(24)の引っ張りによって作用するせん断力等に対して十分な強度を有するように設定されている。新設パラペット部(22)は、橋台(12)の本体部(15)の上面や背面を削孔した後にその削孔した穴に棒鋼を樹脂モルタルによって固定した状態で、型枠内にコンクリート(例えば早強コンクリート)を打設することによって形成されている。新設パラペット部(22)は、棒鋼によって橋台(12)と一体化されている。
鋼製ブラケット(23)は、PCケーブル(24)を張り渡らせた状態に保持するためのものであり、各橋台(12)に対してそれぞれ取付られている。各鋼製ブラケット(23)は、新設パラペット部(22)に固定される固定プレート(23a)と、PCケーブル(24)を保持するための保持プレート(23b)と、保持プレート(23b)を補強する2枚の補強プレート(23c,23c)とを備えている。これらのプレートは溶接によって接合されている。
保持プレート(23b)は、固定プレート(23a)の一端から垂直に立ち上がっている。保持プレート(23b)には、PCケーブル(24)を挿通させる挿通孔(23d)が形成されている。補強プレート(23c)は、固定プレート(23a)の上端と下端とから垂直に立ち上がっており、保持プレート(23b)の背面と固定プレート(23a)の表面とにそれぞれ接合されている。
各鋼製ブラケット(23)は、ナットによって固定プレート(23a)を新設パラペット部(22)の側面のうち橋台(12)の桁設置面よりも上側の部分に固定することによって、橋台(12)に取り付けられている。この状態では、保持プレート(23b)の挿通孔(23d)が、橋台(12)の桁設置面よりも上側に位置している。
なお、橋梁構造物(10)によっては、パラペット部(17)の撤去及び新設パラペット部(22)の設置を行わなくてもよい。この場合は、鋼製ブラケット(23)を橋台(12)の本体部(15)に固定してもよいし、鋼製ブラケット(23)を橋台(12)のパラペット部(17)に固定してもよい。このようにすると、橋桁(14)上が舗装されている場合に、その舗装を撤去する必要がないので、低コスト化を図ると共に、施工時における当該橋梁構造物(10)上の交通に与える影響を軽減させることができる。なお、鋼製ブラケット(23)を本体部(15)に固定する場合は、図5に示すように、保持プレート(23b)の挿通孔(23d)が桁設置面よりも上側に位置するように固定プレート(23a)を設ける。
PCケーブル(24)は、連結部材を構成しており、橋台(12)同士が互いに離れることを防止するための部材である。PCケーブル(24)は、橋台(12,12)間に張り渡された状態で新設パラペット部(22)及び鋼製ブラケット(23)を介して橋台(12)同士を連結している。PCケーブル(24)は、ネジ切りされたネジ切り部が両端部にそれぞれ形成されている。PCケーブル(24)は、取付金具(25)である取付ナット(25a)と取付プレート(25b)とによって、各端部が保持プレート(23b)の挿通孔(23d)から抜けないように保持されている。取付ナット(25a)は、PCケーブル(24)のネジ切り部に嵌め込まれている。
取付ナット(25a)と取付プレート(25b)との間には、ばね部材として構成された緩衝部材(27)が設けられている。取付ナット(25a)と取付プレート(25b)との間の距離は、両側の緩衝部材(27)が共に縮みきった状態でも橋桁(14)が落下しないように、上記所定の桁掛かり長よりも所定の長さだけ短く設定されている。また、保持プレート(23b)と取付プレート(25b)との間にも、緩衝用のゴム板が設けられている。取付ナット(25a)を嵌め込んでから取付ナット(25a)を締め込むと、取付ナット(25a)が緩衝部材(27)を介して取付プレート(25b)を保持プレート(23b)に押し付ける状態になり、PCケーブル(24)に張力が作用する。
なお、PCケーブル(24)に張力を作用させることなく弛ませた状態にしてもよい。この場合は、上記桁掛かり長や、取付ナット(25a)と取付プレート(25b)との間の距離を設定する際に、弛ませた場合と弛ませない場合とのPCケーブル(24)の長さの差を考慮する必要がある。また、緩衝部材(27)は1箇所だけでもよい。また、緩衝部材(27)を設けずにPCケーブル(24)を弛ませるだけでもよい。
PCケーブル(24)は、橋台(12)の桁設置面よりも上側において橋桁(14)の側方の位置を通っており、橋桁(14)を側面から見た場合に橋桁(14)のシルエット内に収まっている。すなわち、PCケーブル(24)は、橋桁(14)の下面の空間を侵すことなく設置されている。
なお、橋桁(14)の下方の建築限界の設定状況によっては、PCケーブル(24)を橋台(12)の桁設置面よりも下の高さに設置してもよい。
〈落橋防止方法〉
落橋防止方法として、落橋防止構造(20)を橋台(12)に設ける工程について説明する。落橋防止方法では、舗装撤去工程と橋台改良工程とブラケット取付工程とケーブル設置工程とが順次行われる。
舗装撤去工程は、上部桁の上側の舗装を撤去する工程である。舗装撤去工程が終了すると、橋台改良工程が行われる。
橋台改良工程では、橋台(12)の既設のパラペット部(17)のうち橋軸直角方向の両端部を撤去する作業と、そのパラペット部(17)を撤去した範囲に新設パラペット部(22)を設ける作業とが行われる。なお、新設パラペット部(22)を設ける作業では、コンクリートを打設する前に、鋼製ブラケット(23)を固定するための棒鋼を設置する。棒鋼は、ネジ切りされたものを使用し、コンクリートの打設後にネジ切り部が新設パラペット部(22)の側面から突出するように設置される。橋台改良工程が終了すると、ブラケット取付工程が行われる。
ブラケット取付工程では、鋼製ブラケット(23)が新設パラペット部(22)に取り付けられる。鋼製ブラケット(23)は、ナットによって固定プレート(23a)を新設パラペット部(22)に固定することによって取り付けられる。ブラケット取付工程が終了すると、ケーブル設置工程が行われる。
ケーブル設置工程では、PCケーブル(24)を設置する連結工程である。PCケーブル(24)の設置では、その各端部を保持プレート(23b)の挿通孔(23d)に挿通させた状態で、その各端部に緩衝用のゴム板、取付プレート(25b)、緩衝部材(27)を挿通させてから取付ナット(25a)を嵌め込む。そして、両鋼製ブラケット(23)によってPCケーブル(24)が引っ張られた状態になるまで、取付ナット(25a)を締め付ける。
以上の工程により、PCケーブル(24)は、新設パラペット部(22)及び鋼製ブラケット(23)を介して橋台(12)同士を連結する状態になる。この状態では、PCケーブル(24)によって、橋台(12)が互いに離れないように保持されている。
−実施形態の効果−
本実施形態では、PCケーブル(24)が橋台(12)同士を連結しているので、地震などによって橋台(12)間の距離が広がることが阻止される。そして、橋台(12)間の距離が橋桁(14)の長さ未満に保持されるので、橋桁(14)の落下が確実に防止される。このように、本実施形態によれば、橋桁(14)と橋台(12)とを連結することなく橋桁(14)の落下を防止することが可能である。
なお、単径間の橋梁構造物(10)の場合は、各橋台(12)の地盤条件が比較的似ている場合が多い。このため、PCケーブル(24)によって橋台(12)間を連結しても、双方の橋台(12)の沈下量の差がそれほど大きくならない場合が多い。従って、ほとんどの場合に一方の橋台(12)が他方へ及ぼす影響がそれほど大きくならないので、本発明は係る落橋防止構造(20)は特に単径間の橋梁構造物(10)に適している。
また、本実施形態によれば、橋桁(14)の落下を防止するために、橋桁(14)にブラケット等の部材を取り付ける必要がない。従って、橋桁(14)がPC床版桁の場合でも、当該落橋防止構造(20)を適用することが可能である。
また、本実施形態では、PCケーブル(24)を橋台(12)の桁設置面以上の高さに設置することで、落橋防止構造(20)によって橋桁(14)下の空間を侵さないようにしている。従って、橋桁(14)下の建築限界の制約が厳しい条件でも、当該落橋防止構造(20)を適用することができる。また、施工時に橋桁(14)下の空間に与える影響を軽減させることができる。
また、本実施形態では、PCケーブル(24)が橋桁(14)の側面の側方において露出している。このため、PCケーブルによって上部桁の端面と下部構造の上部工とを連結する従来の落橋防止構造のように、橋桁(14)上の舗装を全面的に撤去する必要がなく、舗装の撤去が路肩などの狭い範囲だけで済む。従って、施工時に当該橋梁構造物(10)上の交通に与える影響が軽減される。また、PCケーブル(24)が露出しているので、PCケーブル(24)のメンテナンスを行うことができ、さらに地震後にPCケーブル(24)の状態を確認することができる。よって、落橋防止構造(20)の信頼性を向上させることができる。
参考技術
参考技術について説明する。この参考技術では、図6に示すように、PCケーブル(24)が橋桁(14)の上方に設けられている。
この参考技術では、新設パラペット部(22)の上部に挿通孔が形成されている。新設パラペット部(22)の挿通孔には、PCケーブル(24)が挿通している。PCケーブル(24)は、新設パラペット部(22)の背面側に取り付けられた取付金具によって保持される。なお、上記実施形態と同様に、PCケーブル(24)の保持に鋼製ブラケット(23)を使用してもよい。
−実施形態の変形例
実施形態の変形例について説明する。この変形例では、図7に示すように、橋梁構造物(10)が、橋台(12,12)間に橋脚(11)が設けられた2径間の橋梁構造物である。橋台(12)及び橋脚(11)は下部構造を構成し、橋桁(14)は上部桁を構成している。この橋梁構造物(10)では、下部構造(12,12)に橋桁(14)が跨る径間部が2つ存在している。
この変形例では、固定プレート(23a)が、例えば図5に示すように、橋台(12)や橋脚(11)の桁設置面よりも突出するように設けられている。また、保持プレート(23b)は、挿通孔(23d)が桁設置面よりも上側になるように設けられている。PCケーブル(24)は、上記実施形態と同様に、橋台(12)の桁設置面よりも上側において橋桁(14)の側方の位置を通るように設置される。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態について、本発明に係る落橋防止構造(20)を新設の橋梁構造物(10)に適用してもよい。
また、上記実施形態について、連結部材として、PCケーブル(24)の代わりにPC鋼棒や炭素繊維強化プラスチックのケーブルを用いてもよい。
また、上記実施形態について、PCケーブル(24)の高さを橋台(12)の桁設置面の高さと一致させてもよい。この場合、地震時に橋台(12)が傾く場合でも、両橋台(12)の桁設置面の前端間の距離が全く変化しない。また、PCケーブル(24)の高さを橋桁(14)の下面の高さと一致させてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、上部桁の落下を防止するための落橋防止構造について有用である。
本発明の実施形態に係る橋梁構造物の側面図である。 本発明の実施形態に係る橋梁構造物の平面図である。 本発明の実施形態に係る橋梁構造物の上部の拡大側面図である。 (A)は本発明の実施形態に係る落橋防止構造の鋼製ブラケットの正面図であり、(B)は上側の補強プレートを省略した鋼製ブラケットの上面図である。 本発明の実施形態に係る落橋防止構造の鋼製ブラケットの他の例を示す橋梁構造物の上部の拡大側面図である。 参考技術に係る橋梁構造物の側面図である。 本発明の実施形態の変形例に係る橋梁構造物の側面図である。
10 橋梁構造物
11 橋脚(下部構造)
12 橋台(下部構造)
14 橋桁(上部桁)
20 落橋防止構造
24 PCケーブル(連結部材)

Claims (4)

  1. 所定の間隔を隔てて立設された下部構造(12)に跨って上部桁(14)が設置されている単径間の橋梁構造物(10)において、上記上部桁(14)の落下を防止するための落橋防止構造であって、
    上記下部構造(12)が互いに離れることを防止するために該下部構造(12)同士を連結する連結部材(24)を備え
    上記連結部材(24)は、上記上部桁(14)の側面の側方に沿って配置されていることを特徴とする落橋防止構造。
  2. 所定の間隔を隔てて立設された下部構造(11,12)に跨って上部桁(14)が設置されている径間部が複数の橋梁構造物(10)において、上記上部桁(14)の落下を防止するための落橋防止構造であって、
    上記下部構造(11,12)が互いに離れることを防止するために、隣り合う下部構造(11,12)同士を連結する連結部材(24)を備え、
    上記連結部材(24)は、上記下部構造(11,12)の桁設置面以上の高さに設置されていることを特徴とする落橋防止構造。
  3. 請求項2において、
    上記連結部材(24)は、上記上部桁(14)の側面の側方に沿って配置されていることを特徴とする落橋防止構造。
  4. 請求項1乃至3の何れか1つにおいて、
    上記下部構造(11,12)の同じ側の側面に取り付けられる一対のブラケット(23)を備え、
    上記連結部材(24)は、上記一対のブラケット(23)によって保持されていることを特徴とする落橋防止構造。
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