JP2000336620A - 橋梁の補強方法 - Google Patents

橋梁の補強方法

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JP2000336620A JP11297787A JP29778799A JP2000336620A JP 2000336620 A JP2000336620 A JP 2000336620A JP 11297787 A JP11297787 A JP 11297787A JP 29778799 A JP29778799 A JP 29778799A JP 2000336620 A JP2000336620 A JP 2000336620A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のポストテンション工法とは異なる方法
で橋桁にプレストレスを導入し、橋桁の剛性を増して疲
労強度を改善し、更に配管などの添架スペースを容易に
確保し得る橋梁の補強方法を提供することである。 【解決手段】 被補強桁1の下部フランジ1cに、ポス
トテンション補強板3と引張補強板4とを添えて直列に
配設し、添接板5,6Aおよびボルト7A,…とナット
7B,…とを用いて両補強板3,4を連結すると同時に
下部フランジ1cに取り付け、その後、引張補強板4の
端部にジャッキ10を用いて引張荷重を加え、この引張
荷重を引張補強板4から添接板5を通してポストテンシ
ョン補強板3に伝達させて、所定のジャッキ荷重に達し
た後にポストテンション補強板3の端部3bを下部フラ
ンジ1cに締結し、被補強桁1にポストテンションを導
入することを特徴とする橋梁の補強方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポストテンション
工法を用いて、橋梁などを構成する桁にプレストレスを
導入する橋梁の補強方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の交通量や通過車両重量の増加など
により、従来よりも厳しい安全・耐久基準が橋梁に求め
られており、新しい安全・耐久基準を満たさない古い橋
梁などに補強を施す必要がある。そのため既存の橋梁な
どにプレストレスを導入して補強を施す手段として、ポ
ストテンション工法が広く用いられている。例えば、図
11に示すように、H形断面形状の橋桁70に死荷重や
活荷重が加わると、橋桁70は弓なりに変形し、その上
部フランジ70aには圧縮応力71が作用し、下部フラ
ンジ70cには引張応力72が作用するため、橋桁70
の耐荷能力は、前記圧縮応力71あるいは引張応力72
が許容される応力の限界に達する時の荷重に依存する。
ポストテンション補強工法は、耐荷能力を上げるために
下部フランジ70cに桁行方向の圧縮応力(圧縮予応
力、プレストレス)を導入し前記引張応力を緩和する工
法である。
【0003】従来のポストテンション工法としては、図
12に例示するように、橋桁80の下部フランジ80c
に固定したサドル81,82間に、締付具83,84で
緊張状態にした外ケーブル85を張設して下部フランジ
80cにプレストレスを導入するエクスターナルポスト
テンション工法が主流である。この工法の有効性は、例
えば、「主桁の外ケーブル補強におけるケーブル定着部
近傍の応力解析」(平成9年9月土木学会第52回年次
学術講演会)において報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
外ケーブルを用いたエクスターナルポストテンション工
法では、以下の(1)、(2)の問題があった。(1)
上記の外ケーブルはPC鋼材などからなるが、このよう
な外ケーブルでは、橋桁の剛性を増やすことができない
ため橋桁の疲労強度が改善されず、(2)また、橋梁に
は配管などが添架されることが多いが、上記の外ケーブ
ルを用いた工法では、外ケーブルやサドルなどを取り付
けるためにその添架スペースが犠牲になることである。
【0005】本発明がこれら問題に鑑みて解決しようと
するところは、従来のポストテンション工法とは異なる
方法で橋桁にプレストレスを導入し、橋桁の剛性を増し
て疲労強度を改善し、更に配管などの添架スペースを容
易に確保し得る橋梁の補強方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に、本発明の橋梁の補強方法は、橋梁の被補強桁の下部
表面上にポストテンション補強板を配置し、該ポストテ
ンション補強板の一端部を被補強桁に固着し、前記ポス
トテンション補強板の他端部と近接するように引張補強
板を被補強桁の下部表面上適所に桁行方向に直列配置
し、前記ポストテンション補強板の他端部と前記引張補
強板の一端部とを添接板を介しボルトとナットを用いて
連結すると同時に被補強桁に取り付け、この後、前記引
張補強板の他端部に引張荷重を加え、前記ボルトを介し
て前記引張補強板およびポストテンション補強板と前記
添接板との間に作用するせん断力により、前記ポストテ
ンション補強板に前記引張荷重を伝達させ、所定の引張
荷重に達した後に、前記ポストテンション補強板の他端
部を被補強桁に固着して、被補強桁にポストテンション
を導入することにより、被補強桁を補強することを特徴
とするものである。
【0007】ここで、当該被補強桁にポストテンション
を導入した後、引張補強板を新たなポストテンション補
強板となして前記手順を繰り返し適用し、複数のポスト
テンション補強板を用いて被補強桁を連続的に補強する
ことも好ましい。
【0008】また、前記ポストテンション補強板に引張
荷重を伝達させる工程においては、(1)前記ポストテ
ンション補強板の他端部と前記引張補強板の一端部とを
連結するのに用いたボルト、ナットもしくは添接板に衝
撃荷重を作用させたり、(2)このとき、前記ポストテ
ンション補強板の他端部と前記引張補強板の一端部とを
連結するのに用いたボルトの締付トルクを緩めることが
望ましい。これにより、引張補強板およびポストテンシ
ョン補強板と被補強桁および添接板との間の接触面にお
いて作用する摩擦抵抗力を解放し、上記引張荷重をスム
ーズに上昇させてポストテンション補強板に所望の引張
荷重を加えることが可能となる。
【0009】また、上記引張補強板の他端部に引張荷重
を加える具体的手段としては、ジャッキ、好ましくはセ
ンターホールジャッキを用いることができる。この場
合、前記ジャッキのテンションロッドと前記引張補強板
の他端部とを継手板を介して連結することが望ましい。
【0010】また、前記ポストテンション補強板に引張
荷重を伝達させる工程において、前記ポストテンション
補強板の他端部と前記引張補強板の一端部とを連結する
ボルトとして被補強桁のボルト孔と比較して小径のボル
トを用い、この状態でポストテンション補強板に引張荷
重を伝達し、次いで、前記小径のボルトをドリフトピン
に差し替えた後に、前記ドリフトピンを前記小径のボル
トよりも大径のボルトに差し替え、この状態でポストテ
ンション補強板に引張荷重を伝達することが望ましい。
これにより、前記小径のボルトを用いるとき、被補強桁
のボルト孔壁面に前記小径のボルトの軸部が当たること
無くポストテンション補強板に引張荷重をスムーズに付
与することが可能となり、また、前記小径のボルトをド
リフトピンに差し替えるとき、被補強桁のボルト孔と補
強板のボルト孔とのズレが補正され、その後前記ドリフ
トピンが大径のボルトに差し替えられるので、前記大径
のボルト軸部が被補強桁のボルト孔壁面に当たることが
確実に防止される。
【0011】また、長支間の被補強桁では補強範囲も長
くなるが、このような場合に引張荷重を付与したポスト
テンション補強板の両端部のみを被補強桁に固着する
と、補強板の中間において補強板と被補強桁との間にせ
ん断力の伝達が円滑に行われず、補強効果が相対的に減
少することがある。また、被補強桁にキャンバ(圧縮荷
重による反り)が生じた場合には、被補強桁と補強板と
の間に隙間が生じて防食上不利になり易い。そこで、前
記ポストテンション補強板に所定の引張荷重を伝達させ
た後、このポストテンション補強板を被補強桁に桁行方
向の全長に亘って或いは部分的に、アーク溶接などで溶
接固定したり、高力ボルトで固定することが望ましい。
もしくは、前記ポストテンション補強板に所定の引張荷
重を伝達させた後に、前記ポストテンション補強板を被
補強桁に接着し、その後に、前記ポストテンション補強
板の他端部を被補強桁に固着して、被補強桁にポストテ
ンションを導入することも望ましい。
【0012】そして、被補強桁の下部表面を桁行直角方
向において複数の補強領域に分割設定し、補強領域毎に
被補強桁にポストテンションを導入してもよい。これに
より、一つのポストテンション補強板を用いて被補強桁
の当該領域全体を補強する場合と比べると、複数のポス
トテンション補強板を用いてこの領域全体を補強できる
ため、1回当たりのポストテンション付与に必要な引張
荷重(以下、ポストテンション荷重と呼ぶ。)が小さく
済み、また、各ポストテンション補強板の重量が小さく
済むことから施工が容易になる。特に幅広な被補強桁を
補強する場合には、各補強領域におけるポストテンショ
ン荷重を調整することにより偏心荷重を低減せしめるこ
とが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しつつ本発明
に係る橋梁の補強方法の種々の実施形態を説明する。図
1は、本発明に係る橋梁の補強方法の一実施例を示す概
略図であり、図2は、図1の底面図である。本実施例に
おいては、上部フランジ1a、ウェブ1bおよび下部フ
ランジ1cからなるH形断面形状を有する橋桁(主桁)
1が被補強桁である。尚、本発明は、被補強桁として、
本実施例のH形断面形状の橋桁に制限されず、箱桁、床
桁、縦桁、床版、鋼桁、コンクリート桁、鋼とコンクリ
ートの合成桁などに適用できる。
【0014】先ず、被補強桁である橋桁(主桁)1の下
部フランジ1cの下表面上に、ポストテンション補強板
3を桁行方向に沿って配置し、このポストテンション補
強板3の右方一端部3aを、高力ボルト4A,4A,…
とナット4B,4B,…とを用いて下部フランジ1cに
締結する。尚、前記ポストテンション補強板3の一端部
3aを下部フランジ1cにボルト接合する代わりに、エ
ポキシ樹脂などの接着剤を用いて接着したり溶接したり
して固着しても構わない。次いで、下部フランジ1cの
下表面上であって前記ポストテンション補強板3の隣り
に引張補強板4を直列に配置して、この引張補強板4の
一端部4aと前記ポストテンション補強板3の他端部3
bとを近接配置させる。そして、前記引張補強板4の一
端部4aと前記ポストテンション補強板3の他端部3b
との下表面に添接板5を添接すると同時に、下部フラン
ジ1cの上表面にウェブ1bを挟んで2枚の添接板6
A,6B(符号6Bを示す添接板は図示せず)を添接
し、高力ボルト7A,7A,…とナット7B,7B,…
とを用いて添接板5、ポストテンション補強板3の他端
部3bおよび引張補強板4の一端部4aを下部フランジ
1cにボルト接合する。ここで、前記高力ボルト7A,
7A,…は本締めしない状態で締められる。尚、以下、
引張補強板4による補強区間を区間1と呼び、ポストテ
ンション補強板3による補強区間を区間2と呼ぶ。
【0015】区間1における引張補強板4の他端部4b
は、継手板9に溶接固定されているボルト8,8,8,
8を用いて継手板9に連結されている。尚、この代わり
に、継手板9や前記引張補強板他端部4bに凸部や凹部
を設け、継手板9と前記引張補強板他端部4bとを凹凸
係合することで相互に固定してもよい。
【0016】また、前記継手板9の桁行直角方向の両端
部には、油圧式センターホールジャッキ10,11に差
し込まれたテンションロッド10a,11aが溶接固定
されている。また、ジャッキ固定ジグ12が高力ボルト
13A,13A…を用いて下部フランジ1cにボルト接
合されており、センターホールジャッキ10,11の端
面はこれらジャッキ固定ジグ12の固定部12a,12
bと当接し、この状態でジャッキ推力を働かせてテンシ
ョンロッド10a,11aを引っ張ることにより、セン
ターホールジャッキ10,11の端面が固定部12a,
12bに圧接固定される。ここで、継手板9と引張補強
板4とを接合するボルト8,8,…の取り付け位置は、
引張荷重の伝達を良好にする観点から、引張補強板4の
一端部4aを下部フランジ1cに接合するのに用いた高
力ボルト7A,7A,…の取り付け位置と橋軸方向(桁
行方向)に略等しくすることが好ましい。
【0017】以上の構成の下で、先ず、センターホール
ジャッキ10,11を作動し、テンションロッド10
a,11aを橋軸方向左方へ引張り、継手板9に引張荷
重を伝達することにより、引張補強板4に引張荷重を作
用させる。同時に、テンションロッド10a,11aを
引っ張ることによりセンターホールジャッキ10,11
に作用する反力が、ジャッキ固定ジグ12を介して下部
フランジ1cに伝達し、橋桁1に偏心した圧縮荷重を作
用させて下部フランジ1cに圧縮応力を付与せしめる。
また、引張補強板4に作用する引張荷重は、引張補強板
4の一端部4aと添接板5との間のボルトを介したせん
断力を通じて添接板5に伝達し、次いで、この添接板5
とポストテンション補強板3との間のボルトを介したせ
ん断力を通じてポストテンション補強板3に伝達する。
【0018】このようにしてセンターホールジャッキ1
0,11の推力を徐々に高め、次第にジャッキ荷重を上
げて、区間2におけるポストテンション補強板3に加え
る引張荷重を高めていくが、ジャッキ荷重が或る値に達
するとそれ以上に上昇し難くなる。すなわち、ジャッキ
荷重の上昇に応じて、下部フランジ1cとポストテンシ
ョン補強板3および引張補強板4との接触面、並びに添
接板5とポストテンション補強板3および引張補強板4
との接触面における点摩擦抵抗力や面摩擦抵抗力が強く
なり、これら摩擦抵抗力がジャッキ荷重にまさり、ポス
トテンション補強板3の引張荷重はそれ以上に高くなら
ないのである。この状態の一例を模式的に示したのが図
3(a),(b)である。図3において、符号1cは下
部フランジ、7Aは添接ボルト、7Bはナット、5は添
接板、3はポストテンション補強板を示している。図3
(a)に示すように、前記の摩擦抵抗が強く作用するた
め、ポストテンション補強板3は僅かに曲げ変形を起こ
す。特に、点摩擦抵抗力は、A1、A2およびB点にお
いてとりわけ高く作用し、面摩擦抵抗力を上回ることが
ある。
【0019】そこで、これら作用点における摩擦抵抗や
面摩擦抵抗を解放させるため、第1の操作として添接ボ
ルト7Aの締付トルクを低減させ、第2の操作として、
同図(a)の矢印14,15に示すように、ナット7
B,7Bの端部に橋軸方向左方の衝撃荷重を加える。こ
れら操作を挿入することにより、前記の摩擦抵抗力が解
放されて、ポストテンション補強板3は微少距離移動し
て曲げ変形が無くなり、同図(b)のような状態にな
る。同時にポストテンション補強板3が微少距離移動す
るためジャッキ荷重が若干低下するので、その後、低下
するジャッキ荷重を所定のポストテンション荷重にまで
再上昇させる。このような手順を繰り返すことにより、
ジャッキ荷重は前記摩擦抵抗力に負けることなく区間2
のポストテンション補強板3に伝達され、ポストテンシ
ョン補強板3に作用する引張荷重を更に高めることが可
能となる。尚、前記の衝撃荷重は、人力や機械力による
ハンマーなどを用いて1回または複数回作用させればよ
い。また、以上の手順は、区間1における引張補強板4
の一端部4aにおいても同様に行うことが好ましい。こ
の場合は、図1に示すように、ナット7B,7Bの端部
に矢印16,17の方向へ衝撃荷重を加えればよい。
尚、衝撃荷重の方向は矢印の方向が効果的であるが、こ
の方向に限定するものではない。これは、任意の方向に
作用させた衝撃荷重により発生する振動も上記接触面の
摩擦抵抗力を解放し得るからである。
【0020】このようにボルトの締付トルクを緩める操
作や衝撃荷重を与える操作を挿入しつつ、ジャッキ荷重
を上昇する手順を実行し、ジャッキ荷重が変化しなくな
るまでこの手順を繰り返し実行する。ジャッキ荷重が変
化しなくなった後には、ナット7B,7B,…を更に締
め付けてポストテンション補強板3の端部3bを下部フ
ランジ1cに締結し、区間2における橋桁1へのポスト
テンションの導入は完了する。
【0021】尚、被補強桁のスパンが長くなると補強範
囲も長くなるが、上述したように補強板の両端だけを固
定してポストテンション補強を施すと、当該補強板の中
間においてせん断力が円滑に伝達されず、活荷重に対す
る応答応力度は補強板の固定点間の平均変位に依存する
こととなり、曲げモーメントが極大となる位置のポスト
テンション補強板の補強効果がその両端部と比べて相対
的に減少することとなる。また、通常橋桁にはキャンバ
(camber;上げ越し、またはそり)があるため、ポスト
テンション補強板と下部フランジとの間に隙間が生じ、
防食上不利になることもある。
【0022】そこで、被補強桁とポストテンション補強
板との間を固定することが有利となることがある。具体
的には前記ポストテンション補強板に所定の引張荷重を
伝達させた後、このポストテンション補強板を被補強桁
に桁行方向の全長に亘って或いは部分的に、アーク溶接
で溶接固定したり、高力ボルト接合で固定することが望
ましい。アーク溶接の形態としては、ポストテンション
補強板の板幅を被補強桁の幅と不同として、橋桁桁行方
向にすみ肉溶接するのが好ましい。すみ肉溶接は連続溶
接もしくは断続溶接とし、せん断力の伝達に必要な強度
を確保することが肝要である。他方で、高力ボルトを用
いて固定する場合、前記ポストテンション補強板を被補
強桁に、せん断力の伝達に必要な強度を確保し得るピッ
チ以内の間隔で配置した高力ボルトにて固定することが
望ましい。
【0023】また、前記のように被補強桁とポストテン
ション補強板とを溶接したり高力ボルト接合する固定方
法の他に、接着による固定方法も好ましい。すなわち、
ポストテンション補強板に所定の引張荷重を付与した後
に、図4に示すように当該ポストテンション補強板21
と下部フランジ1cとを接着剤22を用いて接着し、こ
の後、当該ポストテンション補強板21と下部フランジ
1cとをばねクリップ23で挟むことにより相互に圧着
固定する。ここで、接着剤としては特にエポキシ系接着
剤がせん断力を伝達させるのに有効であり、また、ばね
クリップの複数個を用いて、連続的あるいは断続的にポ
ストテンション補強板21と下部フランジ1cとを固定
すればよい。尚、接着剤の硬化後の接着力が大きい場合
は、ばねクリップではなく万力などを仮固定に用いるこ
とができる。
【0024】尚、下部フランジ1cのボルト孔は、ポス
トテンション補強板3に引張荷重を伝達させる際に添接
ボルト7Aの軸部と接触しないように、これら添接ボル
ト軸部の外径よりも大きな径を有するように加工され、
また、ポストテンション補強板3、引張補強板4および
添接板5,6A,6Bのボルト孔は、せん断力が円滑に
伝達するように、前記添接ボルト軸部の外径と略同じ大
きさの径を有するように加工されるのが好ましい。下部
フランジ1cのボルト孔径については、添接ボルト軸部
の外径より大きい孔径とすることが示方書に定められて
おり、削孔位置精度を高めることで、下部フランジ1c
のボルト孔が添接ボルト軸部と接触しないように加工す
ることは十分に実現可能である。
【0025】それでも、ポストテンション補強板3に引
張荷重を伝達する過程で、上記した引張補強板4やポス
トテンション補強板3の移動量が大きく、添接ボルト軸
部が下部フランジ1cのボルト孔に接触する恐れがある
場合は、そのボルト孔を橋軸方向に長円形に加工する手
段があるが、この手段は費用と時間とを要するので経済
的に不利である。
【0026】そこで、このような場合は、ドリフトピン
(先細形状の先端部を有する棒)を用いた施工方法が好
ましい。この施工方法は、以下の通りである。先ず、図
1に示したように、ポストテンション補強板3と引張補
強板4とを下部フランジ1cに取り付けるのに用いた添
接ボルト7A,7A,…として、ねじ呼び寸法がM20
などの小径のボルトを用いる。そして、センターホール
ジャッキ10,11を作動して引張補強板4に引張荷重
を作用させ、この引張荷重を予定量の1/3乃至1/5
程度導入することにより、ポストテンション補強板3お
よび引張補強板4のボルト孔と下部フランジ1cのボル
ト孔とのズレ量を低く抑える。次に、前記添接ボルト7
A,7A,…を直径22φなどの大径のドリフトピンに
順次差し替えていくが、この際、ドリフトピンの直径が
大きいので、下部フランジ1cに偏心荷重が発生しない
ように橋軸に対して対称位置のボルトを同時に差し替え
るのが好ましい。このようにして下部フランジ1cのボ
ルト孔に対する、ポストテンション補強板3、引張補強
板4および添接板5,6A,6Bのボルト孔の相対位置
のズレ量が補正される。尚、全ての添接ボルト7A,7
A,…がドリフトピンに差し替えられた後に、これらド
リフトピンが下部フランジ1cのボルト孔の壁面に接触
しないことを確認しておく。次いで、前記ドリフトピン
を同径の添接ボルトに差し替えるが、この際も下部フラ
ンジ1cに偏心荷重が発生しないように橋軸に対して対
称位置のドリフトピンを同時に差し替えるのが好まし
い。そして、全てのドリフトピンを差し替えた後は、引
張補強板4に加える引張荷重を予定量のポストテンショ
ン荷重にまで上げて作業は完了する。
【0027】ところで、上記実施例では、ジャッキ荷重
をポストテンション補強板3に伝達し易くするため、油
圧式センターホールジャッキ10,11のテンションロ
ッド10a,11aと引張補強板4とは継手板9を介し
て連結されているが、本発明では、これに限らず、例え
ばPC鋼材などからなるワイヤを用いて引張補強板4に
引張荷重を加えても良い。また、ジャッキ荷重は、橋桁
も含めた構造物全体の負荷応答を構造計算し、活荷重負
荷に対して橋桁の安全性を維持できるように適宜設定さ
れる。
【0028】また、上記実施例の補強工程に続いて、複
数のポストテンション補強板を被補強桁の下部表面上に
桁行方向に直列配置することにより、被補強桁を連続的
に補強することが可能である。すなわち、上述したよう
に所定の引張荷重を付与したポストテンション補強板3
を下部フランジ1cに締結した後、ジャッキ固定ジグ1
2を下部フランジ1cから取り外し、継手板9を引張補
強板4から取り外し、次いで、この引張補強板4を第2
のポストテンション補強板とする。
【0029】次に、第2のポストテンション補強板4に
隣接する第2の引張補強板を直列配置し、上記継手板を
取り付ける際に用いた下部フランジ1cのボルト孔を利
用して、第2のポストテンション補強板と第2の引張補
強板との端部同士を、上記と同様に添接板を介して連結
する。そして、センターホールジャッキを用いて第2の
引張補強板の他端部にジャッキ荷重を加え、第2のポス
トテンション補強板に所定のポストテンション荷重を付
与した後にこれを被補強桁に締結する。このような補強
手順を繰り返すことにより、複数のポストテンション補
強板を桁行方向に連続的に設けて被補強桁(主桁)を連
続的に補強することが可能となる。
【0030】このように主桁を連続的に補強した一例を
図5に示す。同図によれば、主桁1には、所定の引張荷
重を付与された複数のポストテンション補強板30,3
1,32が添接板33,34A,34B,35,36
A,36Bによって相互に連結されると同時に、下部フ
ランジ1cにボルト接合されている。尚、添接板34
B,36Bはウェブ1bを挟んで裏側の下部フランジ1
c上に配設されるので図示しない。また、符号37A,
38A,39Aはボルト、37B,38B,39Bはナ
ットを示している。終端にあるポストテンション補強板
32は、隣接するポストテンション補強板31に引張荷
重を伝達するための引張補強板でもあり、その端部32
aのボルト孔46,46,…にはこの端部32aに継手
板を連結するためのボルトが差し込まれていた。また、
ポストテンション補強板32に所定の引張荷重を付与し
た後、このポストテンション補強板32のボルト孔4
0,40,…と下部フランジ1cのボルト孔41,4
1,…にボルト39A,39A,…を差し込み、ナット
39B,39B,…を用いて、前記ポストテンション補
強板端部32aを下部フランジ1cに締結固定する。
尚、継手板とジャッキ固定ジグを取り外した後に残った
ボルト孔46,46,…,47,47,…にも高力ボル
トを入れて締結し、橋桁の強度低下を防ぐ措置を講じて
もよい。
【0031】ところで、このように被補強桁を連続的に
補強していくと、終端に位置するポストテンション補強
板32の端部32aには、継手板を連結するのに用いた
ボルト孔46,46,…が最終的に残ってしまう。この
ポストテンション補強板32を下部フランジ1cに締結
するのに用いたボルト孔40,40,…は、継手板を締
結するのに用いたボルト孔46,46,…よりもやや中
央寄りに形成されているので、補強板端部32aにおけ
る補強効果が他のポストテンション補強板30,32と
比べて低下する。そこで、このような補強板端部32a
における補強効果の低下を防ぐ工法を以下に説明する。
【0032】図6は、図2と略同様の底面図であるが、
図2に示した構成と異なるのは、図2に示した位置より
もやや中央寄りに継手板9を配設し、この継手板9を、
引張補強板端部4bのやや中央寄りに設けたボルト孔を
用いて当該端部4bに連結し、長いテンションロッド1
0a',11a'を用意してこれを前記継手板9に固着し
た点である。尚、図6において図2と同じ符号を付した
部材は同じ構成を有するものとして詳細な説明を省略す
る。このような構成により、引張補強板端部4bにおい
て継手板9とジャッキ固定ジグ12との間にボルト孔4
2,42,42,42が残り、これらボルト孔を、引張
補強板端部4bを下部フランジ1cに締結するためのボ
ルト孔とすることができる。最終的に引張補強板端部4
bを下部フランジ1cに締結した状態を示したのが図7
である。但し、継手板9とジャッキ固定ジグ12との間
の引張補強板端部4bには引張荷重が作用しないため、
引張補強板4に予定量のポストテンション荷重を付与し
た後に、ボルト孔42,42,42,42を用いて引張
補強板端部4bを下部フランジ1cにボルト接合し、継
手板9を引張補強板4から取り外し除荷したとき、下部
フランジ1cの当該補強範囲に付与するプレストレス
は、予定量よりも若干低下することとなる。そこで、引
張補強板4に付与する引張荷重は予定量よりも高く設定
する必要がある。尚、引張補強板端部4bを締結するの
に用いる高力ボルトの数は、引張補強板4に付与したポ
ストテンション荷重を支持し得る最小限の数とし、継手
板9を引張補強板4に取り付けるための高力ボルトも含
めて、全荷重に対応し得る数に設定すれば効果的であ
る。
【0033】上記したように、引張補強板4に付与する
引張荷重は予定量よりも高く設定する必要がある。今、
引張補強板4にポストテンション荷重Pを付与すること
により、引張補強板4に発生した変形量をΔLで表す。
また、図6に示すように、継手板9の中心位置(高力ボ
ルト8,8,8,8の重心位置)と、引張補強板一端部
4aを締結する添接ボルト7A,7A,7A,7Aの重
心位置との間の距離をLで表し、前記継手板9の中心位
置と引張補強板端部4bを締結する高力ボルト45A,
45A,…の重心位置との間の距離をDで表すと、以下
の式(1)が成立する。ここで、Eは引張補強板4の弾
性係数、Aはその断面積である。
【0034】 P=E・A・ΔL/L (1)
【0035】引張補強板端部4bを下部フランジ1cに
締結した後に当該端部4bから継手板9を取り外すと、
ポストテンション荷重が値P'に低下して均衡したとす
る。引張補強板9の総変形量が不変であったと考えて大
きな誤差は生じない。このとき、低下したポストテンシ
ョン荷重P'は、以下の式(2)で表現される。
【0036】 P'=E・A・ΔL/(L+D) (2)
【0037】上記式(1)および(2)から、以下の関
係式(3)が成立する。
【0038】 P'=P・L/(L+D) (3)
【0039】上式(3)と同様の関係式が圧縮変形を受
ける下部フランジにも適用できる。したがって、終端に
位置する引張補強板には、予定量のポストテンション荷
重の(L+D)/L倍の引張荷重を付与すればよい。
【0040】次に、箱桁などの幅広の被補強桁を補強す
る場合には補強領域が大きくなり、これに伴い幅広のポ
ストテンション補強板や大きなポストテンション荷重が
必要となる。また、比較的小さなジャッキ容量を有する
ジャッキを用いたりより施工を簡易にしたい場合もあ
る。そこで、このような場合は、被補強桁の下部表面を
桁行直角方向において複数の補強領域に分割設定し、各
補強領域毎に被補強桁にポストテンションを導入するこ
とが好ましい。
【0041】具体例を挙げると、図8(a)に示すよう
にH形桁の下部フランジ50の下面に、ウェブを挟んだ
両側において2つの補強領域を並列に設定し、各補強領
域においてポストテンション補強板51A,52A,5
3Aとポストテンション補強板51B,52B,53B
とをそれぞれ並列配設したものがある。尚、各補強領域
において直列配列するポストテンション補強板、例えば
補強板51A,52A,53Aなどは、添接板54A,
55Aなどを介して添接ボルト56,58などを用いて
連結され且つ下部フランジ50に締結されている。ま
た、他の具体例を挙げると、図8(b)に示すように幅
広の下部フランジ60の下面に、桁行直角方向に亘り多
数の分割した補強領域を並列に設けて、各補強領域毎に
ポストテンション補強板61A〜61F,62A〜62
F,63A〜63Fをそれぞれ並列配設したものがあ
る。尚、図8(a)と同様に各補強領域において直列配
列するポストテンション補強板、例えば補強板61A,
62A,63Aなどは、添接板64A,65Aなどを介
して添接ボルト66,67などを用いて連結され且つ下
部フランジ60に締結されている。
【0042】このような工法を採用することにより、各
補強領域毎にポストテンション荷重を調整し、被補強桁
に加わる偏心荷重を低減させることが簡易に可能とな
る。また、複数のポストテンション補強板を用いるため
一枚のポストテンション補強板の重量が軽くなり且つ比
較的小さなジャッキ容量のジャッキにより引張荷重を付
与することが可能なため施工を極めて簡単に実行でき
る。
【0043】尚、このように補強領域を並列に分割設定
する工法では、最初の補強領域においてポストテンショ
ンを導入した補強板のポストテンション荷重は、その後
の他の補強領域におけるポストテンション導入の際に桁
が圧縮および曲げ変形するために低下する。第1回目
に、全補強領域のポストテンション補強板に所定のポス
トテンション荷重を導入した後に、第2回目以降に低下
したポストテンション荷重を所定値まで上昇させるとい
う操作を実行すると、厳密に所定値に達するまでに無限
回の操作を行う必要があることになるから、このような
操作は実用的では無い。そこで、最初の補強領域にポス
トテンション補強板に導入する荷重をやや高めに設定し
ておき、数回程度の操作で全補強領域のポストテンショ
ン補強板への荷重導入を完了させるのが実際的である。
この場合、導入荷重量の計算はやや複雑になるので施工
前に設定値を計算しておくことが好ましい。
【0044】ところで、上記添接ボルトには、高力ボル
トを用いるのが一般的である。添接ボルトは上記のポス
トテンション導入過程で曲げ荷重を受けるが、この曲げ
荷重が過大であると、ポストテンション導入後、摩擦接
合による大きな軸力のため、降伏点を超え、過剰な塑性
変形を起こして破壊される恐れがある。実際に、添接ボ
ルトに歪みゲージを貼付して実験した結果、前記曲げ荷
重が添接ボルトの弾性変形の範囲内であれば、過剰な塑
性変形が起こらないことが確認された。この過剰な塑性
変形は、被補強フランジや添接板、補強板の厚みが大き
い程に生じ易いので、添接ボルトには、降伏点を超えな
いように強度やボルト長さなどを適宜選択したものを用
いる。このような添接ボルトとしては、摩擦接合するの
に適した高力六角ボルトやトルシア形高力ボルトが挙げ
られ、そのねじの呼び寸法がM16,M20,M22,
M24のものが好適であり、その等級は、高力六角ボル
トの場合、F8T,F10Tのもの,トルシア形高力ボ
ルトの場合、S10Tのものが好適である。尚、添接ボ
ルトの締付けには、トルクレンチや電動式、油圧式の締
付け機を用い、また、1次締付け用に電動式のインパク
トレンチを用いてもよい。
【0045】また、上記ポストテンション補強板や引張
補強板としては、被補強フランジの形状や所望のポスト
テンション荷重に相応した断面形状や剛性を有するもの
が適宜選択される。これにより、橋桁の所望の箇所を所
望のポストテンション荷重で補強し、橋桁の剛性を高め
て疲労強度を高めることが可能となる。このような補強
板としては、具体的には、入手のし易さという点では鋼
材が好ましく、軽量かつ高強度という点では炭素繊維や
アラミド繊維を樹脂バインダーで担持した板材が好まし
い。前記鋼材には、鉄や炭素を含む合金、たとえば引張
強度が50kgf/mm2以上の高張力鋼、引張強度が
60kgf/mm2以上の調質鋼もしくは溶接性が低い
ため橋梁に用いることが少ない更に高い引張強度を有す
る鋼材、銅やクロムなどの金属元素を添加した耐候性鋼
材などを用いることができる。また、補強板として炭素
繊維やアラミド繊維を樹脂バインダーで担持した板材を
用いる場合は、この補強板をボルト接合する前にエポキ
シ樹脂などで被補強桁に接着しておくことが、添接ボル
トとナットで摩擦接合し易いために好ましい。
【0046】
【実施例】以下、本発明に係るより具体的な実施例につ
いて説明するが、以下の実施例は本発明を何ら限定する
ものではない。
【0047】図1および図2に示したような構成で、一
般構造用圧延鋼材のH形鋼(形状寸法:H400×20
0×8×13;材質:SS400材)に引張補強板4お
よびポストテンション補強板3(形状寸法:幅200m
m,厚み9mm;材質:SS400材)を取り付け、セ
ンターホールジャッキ10,11を用い、継手板9を通
して区間1の引張補強板4にジャッキ荷重を作用させた
とき、区間1の引張補強板4に作用する引張応力(「区
間1補強板応力」)と、区間2のポストテンション補強
板3に作用する引張応力(「区間2補強板応力」)とを
測定した。その結果を、図9(実施例1)と図10(実
施例2)に示す。尚、図9,図10中の各測定点に付し
た数字は、測定番号を示す。
【0048】(実施例1)図9に示すように、添接ボル
ト7A,7A,…を軽く締めた状態(締付トルク370
kgf・cm)からジャッキ荷重を次第に上げて得た測
定点1〜11までの過程では、ポストテンション補強板
3に導入した引張応力(区間2補強板応力)は、引張補
強板4に導入した引張応力(区間1補強板応力)をかな
り下回っており、測定点11では区間1補強板応力の3
8%に過ぎない。次に、前記添接ボルトを緩めた状態
(締付トルクなし)にしたのが、測定点12である。測
定点12では、図3(a)の説明で上述したような摩擦
抵抗力が解放され、ポストテンション補強板3に作用す
る引張応力(区間2補強板応力)が区間1補強板応力の
値に飛躍的に近づいていることが分かる。更にジャッキ
荷重を上げて得た測定点13では、区間2補強板応力
は、区間1補強板応力の96%であった。
【0049】(実施例2)図10に示すように、添接ボ
ルト7A,7A,…を軽く締めた状態(締付トルク37
0kgf・cm)からジャッキ荷重を次第に上げて得た
測定点1〜11までの過程では、ポストテンション補強
板3に導入した引張応力(区間2補強板応力)は、引張
補強板4に導入した引張応力(区間1補強板応力)をか
なり下回っている。次に、前記添接ボルトを緩めた状態
(締付トルクなし)にしたのが、測定点12であり、次
いで、ナット7B,7B,…に矢印方向14〜16の1
回のハンマー打撃を与えたのが、測定点13である。測
定点13では、図3(a)の説明で上述したような摩擦
抵抗力が解放され、ポストテンション補強板3に作用す
る引張応力(区間2補強板応力)が区間1補強板応力に
略等しくなっていることが分かる。更にジャッキ荷重を
上げて得た測定点14,15では、区間2補強板応力
は、区間1補強板応力に略等しかった。
【0050】以上の結果から、補強板を用いて橋桁にポ
ストテンションを導入でき、添接ボルトの締付トルクを
緩め、ハンマー打撃を与える操作を加えることにより、
ジャッキ荷重に略等しいポストテンション荷重を橋桁に
付与できることが示された。更に、橋桁に導入したポス
トテンション荷重の経時変化(1ヶ月間にわたる変化)
を調べたところ、橋桁に活荷重を繰り返し与えてもほと
んど変化しないことが確認された。
【0051】
【発明の効果】以上の如く、請求項1に係る橋梁の補強
方法によれば、被補強桁の下部表面上にポストテンショ
ン補強板を配置し、該ポストテンション補強板の一端部
を被補強桁に固着し、前記ポストテンション補強板の他
端部と近接するように引張補強板を被補強桁の下部表面
上適所に桁行方向に直列配置し、前記ポストテンション
補強板の他端部と前記引張補強板の一端部とを添接板を
介しボルトとナットを用いて連結すると同時に被補強桁
に取り付け、この後、前記引張補強板の他端部に引張荷
重を加え、前記引張補強板およびポストテンション補強
板と前記添接板との間に作用するせん断力により、前記
ポストテンション補強板に前記引張荷重を伝達させ、所
定の引張荷重に達した後に、前記ポストテンション補強
板の他端部を被補強桁に固着するから、前記引張荷重の
大きさを調整することで引張補強板および添接板を通じ
てポストテンション補強板に所望の引張荷重を伝達さ
せ、被補強桁にポストテンションを導入することがで
き、橋梁の剛性を増して疲労強度を改善し、配管などの
添加スペースを犠牲にすることのない補強を施すことが
可能であり、また、被補強桁のうち活荷重や死荷重など
が最も大きく作用する部位を選択的に所望のプレストレ
スで補強することが可能である。更には、ボルトとナッ
トとを用いてポストテンション補強板と引張補給板とを
連結し且つ下部フランジに取り付けるので、高度な溶接
作業が不要なため溶接による強度低下を防ぐことができ
る。
【0052】また、請求項2に係る補強方法によれば、
当該被補強桁にポストテンションを導入した後、引張補
強板を新たなポストテンション補強板となして請求項1
記載の手順を繰り返し適用することにより、被補強桁の
下部表面上に複数のポストテンション補強板を直列配設
し、被補強桁を桁行方向に連続的に補強することが可能
となる。
【0053】また、請求項3および4に係る補強方法に
よれば、前記ポストテンション補強板に引張荷重を伝達
させる工程において、(1)前記ポストテンション補強
板の他端部と前記引張補強板の一端部とを連結するのに
用いたボルト、ナットもしくは添接板に衝撃荷重を作用
させたり、(2)前記ボルトの締付トルクを緩めたりす
ることにより、引張補強板およびポストテンション補強
板と被補強桁および添接板との間の接触面において作用
する摩擦抵抗力を解放し、上記引張荷重をスムーズに上
昇させてポストテンション補強板に所望の引張荷重を加
えることが可能となる。
【0054】また、請求項5に係る補強方法により、ジ
ャッキを用いて前記引張補強板の他端部に引張荷重を加
えることができ、請求項6に係る補強方法によれば、こ
のジャッキのテンションロッドと前記引張補強板の一端
部とを継手板を介して連結することにより、ジャッキ荷
重をポストテンション補強板にスムーズに伝達させるこ
とが可能となる。
【0055】また、請求項7に係る補強方法によれば、
前記ポストテンション補強板に引張荷重を伝達させる工
程において、前記ポストテンション補強板の他端部と前
記引張補強板の一端部とを連結するボルトとして被補強
桁のボルト孔と比較して小径のボルトを用い、この状態
でポストテンション補強板に引張荷重を加えるから、被
補強桁のボルト孔壁面に前記小径のボルトの軸部が当た
ること無くポストテンション補強板に引張荷重をスムー
ズに伝達させ、次いで、前記ボルトをドリフトピンに差
し替えるから、被補強桁のボルト孔と補強板のボルト孔
とのズレが補正され、そして、前記ドリフトピンを前記
小径のボルトよりも大径のボルトに差し替え、この状態
でポストテンション補強板に引張荷重を加えるので、前
記大径のボルト軸部が被補強桁のボルト孔壁面に当たる
ことが確実に防止される。
【0056】また、請求項8および請求項9に係る補強
方法によれば、前記ポストテンション補強板に所定の引
張荷重を伝達させた後に、前記ポストテンション補強板
を被補強桁に溶接もしくは高力ボルトを用いて固定した
り、接着固定したりするので、ポストテンション補強板
と被補強桁との間のせん断力の伝達が円滑に行われ、特
に被補強区間における作用曲げモーメントが大きく変化
する桁橋において補強効果を高めることが可能となる。
また、接着固定の場合、被補強桁にキャンバがあっても
被補強桁とポストテンション補強板との間に隙間が生じ
ることが防止され防食上有利となる。
【0057】そして、請求項10に係る補強方法によれ
ば、被補強桁の下部表面を桁行直角方向において複数の
補強領域に分割設定し、各補強領域毎に被補強桁にポス
トテンションを導入するから、1回当たりの引張荷重が
小さく済むためジャッキ容量の小さいジャッキなどを使
用することが可能となり、1枚のポストテンション補強
板の重量が小さく済むことから施工が極めて容易とな
る。特に幅広な被補強桁を補強する場合に、各補強範囲
におけるポストテンション荷重を調整することにより偏
心荷重を低減せしめることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る橋梁の補強方法の一実施例を示す
概略図である。
【図2】図1の底面図である。
【図3】(a)は、ポストテンション補強板と下部フラ
ンジとの接触面、およびポストテンション補強板と添接
板との接触面に作用する摩擦抵抗力により曲げ変形を起
こしたポストテンション補強板を示す概略断面図であ
り、(b)は、ナットに衝撃荷重を作用した後に前記曲
げ変形が解消された状態を示す概略断面図である。
【図4】ポストテンション補強板と下部フランジとを接
着剤で接着しばねクリップで圧着した状態を示す概略図
である。
【図5】複数のポストテンション補強板を用いて連続補
強した下部フランジを示す概略図である。
【図6】ポストテンション補強板が引張荷重を受けた状
態を示す概略図である。
【図7】引張補強板の端部を下部フランジに締結した状
態を示す概略図である。
【図8】複数のポストテンション補強板を並列配置して
補強を受けた下部フランジを示す概略図である。
【図9】区間1と区間2の各補強板に加わる引張応力の
対応関係を示すグラフである。
【図10】区間1と区間2の各補強板に加わる引張応力
の対応関係を示すグラフである。
【図11】橋桁に加わる応力を説明するための模式図で
ある。
【図12】従来の外ケーブルを用いたポストテンション
工法を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1 橋桁(主桁) 1a 上部フランジ 1b ウェブ 1c 下部フランジ 3 ポストテンション補強板 3a ポストテンション補強板の一端部 3b ポストテンション補強板の他端部 4 引張補強板 4a 引張補強板の一端部 4b 引張補強板の他端部 4A 高力ボルト 4B ナット 5 添接板 6A,6B 添接板 7A 添接ボルト 7B ナット 8 ボルト 9 継手板 10,11 油圧センターホールジャッキ 10a,11a テンションロッド 10a',11a' テンションロッド 12 ジャッキ固定ジグ 12a,12b ジャッキ固定ジグの固定部 13A 高力ボルト 14,15 衝撃荷重を加える方向 16,17 衝撃荷重を加える方向 21 ポストテンション補強板 22 接着剤 23 ばねクリップ 30,31,32 ポストテンション補強板 32a ポストテンション補強板の端部 33,34A,34B,35,36A,36B 添接板 37A,38A,39A ボルト 37B,38B,39B ナット 40 ポストテンション補強板のボルト孔 41 下部フランジのボルト孔 42 引張補強板のボルト孔 43 下部フランジのボルト孔 44 引張補強板のボルト孔 45A ボルト 45B ナット 46 ポストテンション補強板のボルト孔 47 下部フランジのボルト孔 50 下部フランジ 51A,52A,53A ポストテンション補強板 51B,52B,53B ポストテンション補強板 54A,54B 添接板 55A,55B 添接板 56,57,58,59 添接ボルト 60 下部フランジ 61A〜61F ポストテンション補強板 62A〜62F ポストテンション補強板 63A〜63F ポストテンション補強板 64A〜64F,65A〜65F 添接板 66,67 添接ボルト 70 橋桁 70a 上部フランジ 70b ウェブ 70c 下部フランジ 71 圧縮応力 72 引張応力 80 橋桁 80b ウェブ 80c 下部フランジ 81,82 サドル 83,84 締付具 85 外ケーブル

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 橋梁の被補強桁の下部表面上にポストテ
    ンション補強板を配置し、該ポストテンション補強板の
    一端部を被補強桁に固着し、前記ポストテンション補強
    板の他端部と近接するように引張補強板を被補強桁の下
    部表面上適所に桁行方向に直列配置し、前記ポストテン
    ション補強板の他端部と前記引張補強板の一端部とを添
    接板を介しボルトとナットを用いて連結すると同時に被
    補強桁に取り付け、この後、前記引張補強板の他端部に
    引張荷重を加えて、前記ボルトを介して前記引張補強板
    およびポストテンション補強板と前記添接板との間に作
    用するせん断力により、前記ポストテンション補強板に
    前記引張荷重を伝達させ、所定の引張荷重に達した後
    に、前記ポストテンション補強板の他端部を被補強桁に
    固着して、被補強桁にポストテンションを導入すること
    を特徴とする橋梁の補強方法。
  2. 【請求項2】 当該被補強桁にポストテンションを導入
    した後、引張補強板を新たなポストテンション補強板と
    なして請求項1記載の手順を繰り返し適用し、複数のポ
    ストテンション補強板を用いて被補強桁を連続的に補強
    してなる請求項1記載の橋梁の補強方法。
  3. 【請求項3】 前記ポストテンション補強板に引張荷重
    を伝達させる工程において、前記ポストテンション補強
    板の他端部と前記引張補強板の一端部とを連結するのに
    用いたボルト、ナットもしくは添接板に衝撃荷重を作用
    させてなる請求項1または2記載の橋梁の補強方法。
  4. 【請求項4】 前記ポストテンション補強板に引張荷重
    を伝達させる工程において、前記ポストテンション補強
    板の他端部と前記引張補強板の一端部とを連結するのに
    用いたボルトの締付トルクを緩めてなる請求項3記載の
    橋梁の補強方法。
  5. 【請求項5】 ジャッキを用いて前記引張補強板の他端
    部に引張荷重を加えてなる請求項1〜4の何れか1項に
    記載の橋梁の補強方法。
  6. 【請求項6】 被補強桁に固定したジャッキのテンショ
    ンロッドと前記引張補強板の他端部とを継手板を介して
    連結してなる請求項5記載の橋梁の補強方法。
  7. 【請求項7】 前記ポストテンション補強板に引張荷重
    を伝達させる工程において、前記ポストテンション補強
    板の他端部と前記引張補強板の一端部とを連結するボル
    トとして被補強桁のボルト孔と比較して小径のボルトを
    用い、この状態でポストテンション補強板に引張荷重を
    伝達し、次いで、前記小径のボルトをドリフトピンに差
    し替えた後に、前記ドリフトピンを前記小径のボルトよ
    りも大径のボルトに差し替え、この状態でポストテンシ
    ョン補強板に引張荷重を伝達してなる請求項1〜6の何
    れか1項に記載の橋梁の補強方法。
  8. 【請求項8】 前記ポストテンション補強板に所定の引
    張荷重を伝達させた後に、前記ポストテンション補強板
    を桁行方向の全長に亘ってもしくは部分的に、溶接もし
    くは高力ボルトを用いて固定して被補強桁にポストテン
    ションを導入してなる請求項1〜7の何れか1項に記載
    の橋梁の補強方法。
  9. 【請求項9】 前記ポストテンション補強板に所定の引
    張荷重を伝達させた後に、前記ポストテンション補強板
    を被補強桁に接着し、その後、前記ポストテンション補
    強板の他端部を被補強桁に固着して、被補強桁にポスト
    テンションを導入してなる請求項1〜7の何れか1項に
    記載の橋梁の補強方法。
  10. 【請求項10】 被補強桁の下部表面を桁行直角方向に
    おいて複数の補強領域に分割設定し、各補強領域毎に被
    補強桁にポストテンションを導入してなる請求項1〜9
    の何れか1項に記載の橋梁の補強方法。
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