JP5479168B2 - 鉄筋コンクリート床版の補強構造およびその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、橋梁、水路、ボックスカルバート等の構造物を形成する鉄筋コンクリート床版を補強する補強構造およびその補強方法に関する。
標準的な鉄筋コンクリート(RC)床版の補強方法としては、従来、RC増厚工法や、鋼板接着工法、炭素繊維シート接着工法などが知られている。これらのうちRC増厚工法とは、既存のRC床版上面のアスファルトを剥ぎ取ってから、格子状鉄筋を敷いて、その上からコンクリートを打込んで断面積を増加させ、RC床版の断面2次モーメントを大きくして、RC床版の補強を図る工法である。
鋼板接着工法とは、既存のRC床版下面に、厚み4.5mmの鋼板をアンカーボルトで定着させ、RC床版と鋼板の隙間にはエポキシ樹脂を流し込んで、RC床版と一体化を図って補強する工法である(非特許文献1)。
また、炭素繊維シート接着工法とは、既存のRC床版下面に、一方向炭素繊維シートを橋軸および橋軸直角方向にエポキシ樹脂で硬化・接着させてRC床版の補強を図る工法であり、炭素繊維シートを全面に接着する方法と格子状に接着する方法とがある(非特許文献2)。
上記RC増厚工法においては、床版上面を増厚するためハンチ部の補強は不要である。これに対し、鋼板接着工法および炭素繊維シート接着工法においては、床版隅角部に形成されるハンチ部までを含めたRC床版を補強する必要がある。
上記のような標準的なRC床版の補強方法のほかに、工場で炭素繊維を含浸・硬化させたCFRP(炭素繊維強化プラスチック:Carbon Fiber Reinforced Plastic)からなる帯板をエポキシ接着剤で接着補強させる特殊な工法として、CFRP帯板接着工法が知られている。この工法は主に、床版等に急な起伏のない平面状のRC床版の補強のために用いられ、CFRP帯板を格子状に貼り付ける補強構造も知られている。
このようなCFRP帯板接着工法の具体例としては、CFRP帯板とレジンコンクリート補強材を使ったボックスカルバートの補強工法が知られている(特許文献1)。これは、平板部をCFRPで補強しつつ、ハンチ部については、レジンコンクリートからなるブロックをアンカーボルトと接着剤によって補強する工法である。
特開2006−028889号公報
コンクリート構造物補修・補強施工マニュアル 平成15年3月 道路保全技術センター コンクリート部材の補修・補強に関する共同研究報告書(III)−炭素繊維シート接着工法による道路橋コンクリート部材の補修・補強に関する設計・施工指針(案) 平成11年12月 建設省土木研究所
RC増厚工法は、死荷重が増加するだけでなく、施工中は交通規制が伴い、施工が大変である。鋼板接着工法は、アンカーボルトを施工するため、床版に損傷を与えることになり、クラックの起点になるなど劣化を促進する危険もある。
また、上記の標準的な補強方法を用いる場合には、CFRP帯板をハンチ部の角度に沿わせて現場で精度良く曲げる加工が困難であるため、各ハンチ部の角度のばらつきが接着性を低下させる恐れがある。これを回避しようとしてCFRP帯板に曲率をつけて貼り付けた場合には、CFRP帯板がまっすぐに伸びようとする復元力が働き、接着剥離を起こす恐れがある。復元力を小さくする為に、なるべく大きな曲率をつけることによって対応できるが、曲率線とコンクリート床版およびハンチ部との隙間をパテ材等で埋める為、パテの消費量が大きくなり、不経済である。しかも曲率で面取りを行うので施工性が悪くなる。
さらに、ハンチ部を炭素繊維シートのような材料によって形成することも考えられるが、シートを積層する手間や時間が工期の長期化やコストアップにつながる恐れがある。
本発明は、このような従来技術の背景に鑑み、低コストかつ短工期にて現場の施工状況に柔軟に対応可能な、鉄筋コンクリート床版の補強構造およびその補強方法を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、本発明に係る鉄筋コンクリート床版の補強構造は、床版下面の平面部を形成する床版平面部と該床版平面部の端部から斜め下方に延びる斜面を形成するハンチ部とを有する鉄筋コンクリート床版の補強構造であって、前記床版平面部に貼付される第一のCFRP製帯板と、前記ハンチ部に貼付され前記床版平面部と前記斜面にまたがり屈曲して延びる金属製の補強金具とを有し、対応する前記第一のCFRP製帯板と前記補強金具が互いに連結されていることを特徴とするものからなる。
このような本発明の鉄筋コンクリート床版の補強構造によれば、床版平面部に貼付される第一のCFRP製帯板と、ハンチ部に貼付され床版平面部と上記斜面にまたがり屈曲して延びる金属製の補強金具とを有し、対応する第一のCFRP製帯板と補強金具が互いに連結されているので、CFRP製帯板によって十分な補強強度を確保すると同時に、金属製の補強金具によって加工の容易性をも十分に確保することが可能となる。
本発明の鉄筋コンクリート床版の補強構造においては、前記斜面に第二のCFRP製帯板が貼付され、該第二のCFRP製帯板が対応する前記補強金具に連結されていることが好ましい。ハンチ部が形成する上記斜面には、床版平面部とは異なり、必ずしもCFRP製帯板が貼付されている必要はないが、第二のCFRP製帯板を貼付すれば、ハンチ部をより強固に補強することが可能となる。
また、前記CFRP製帯板や前記補強金具が、接着剤により貼付されていることが好ましい。接着剤を用いた貼付方法を採用することにより、予め接着面に接着剤を塗布し、接着剤が硬化する前にCFRP製帯板や補強金具を圧着させることで、貼付工程の容易化、高速化が図られる。しかも、接着なので、アンカーボルトのように躯体を痛めることも無い。
さらに、前記CFRP製帯板と前記補強金具が接着剤を介して互いに連結されていることが好ましい。このようにしてCFRP製帯板と補強金具が連結されることにより、予めハンチ部に貼付した補強金具を、CFRP製帯板の設置位置を案内するガイドとしても利用する場合に、CFRP製帯板の固定作業が容易化される。
本発明の鉄筋コンクリート床版の補強構造においては、前記補強金具が、前記CFRP製帯板との連結部において平板形状に形成されていてもよい。補強金具がこのような平板形状であることにより、CFRP製帯板と補強金具の連結作業を容易に実施することができる。また、前記補強金具が、前記CFRP製帯板との連結部においてCFRP製帯板の幅方向両側に立片部を有する横断面コ字状またはC字状の形状に形成されていてもよい。補強金具がこのようなコ字状に形成されることにより、CFRP製帯板と補強金具の間の幅方向における位置ずれが防止可能となる。さらに、補強金具が上記のようなC字状に形成されることにより、補強金具の下方からCFRP製帯板を連結させる作業等において、上記立片部によってCFRP製帯板の幅方向端部が保持され落下が防止されるので、CFRP製帯板と補強金具の連結状態を確保することが容易となる。
また、前記補強金具が、前記CFRP製帯板と同等以上の剛性を有することが好ましい。具体的には、補強金具の断面がCFRP製帯板と同等の引張り剛性を有することにより、補強金具に応力が集中して破断すること等を効果的に防止することが可能となる。
さらに、上記課題を解決するために、本発明に係る鉄筋コンクリート床版の補強方法は、床版下面の平面部を形成する床版平面部と該床版平面部の端部から斜め下方に延びる斜面を形成するハンチ部とを有する鉄筋コンクリート床版の補強方法であって、前記ハンチ部に前記床版平面部と前記斜面にまたがり屈曲して延びる金属製の補強金具を貼付し、該補強金具に、前記床版平面部に沿って延び前記補強金具に対応する第一のCFRP製帯板を連結するとともに、該第一のCFRP製帯板を前記床版平面部に貼付することを特徴とする方法からなる。
このような本発明の鉄筋コンクリート床版の補強方法によれば、ハンチ部に金属製の補強金具を貼付し、該補強金具に、床版平面部に沿って延び補強金具に対応する第一のCFRP製帯板を連結するとともに、該第一のCFRP製帯板を床版平面部に貼付するので、CFRP帯板によって十分な補強強度を確保しつつ、金属製の補強金具を加工して鉄筋コンクリート床版を比較的容易に補強することが可能となる。
本発明の鉄筋コンクリート床版の補強方法においては、前記斜面に第二のCFRP製帯板を貼付するとともに、前記第二のCFRP製帯板を対応する前記補強金具に連結することが好ましい。ハンチ部が形成する上記斜面には、床版平面部とは異なり、必ずしもCFRP製帯板が貼付されている必要はないが、第二のCFRP製帯板を上記斜面に貼付することにより、ハンチ部をより強固に補強することが可能となる。
本発明の鉄筋コンクリート床版の補強方法においては、前記CFRP製帯板と前記補強金具とを接着剤を介して互いに連結することが好ましい。このようにしてCFRP製帯板と補強金具を連結することにより、予めハンチ部に補強金具を貼付しておき、CFRP製帯板の設置位置を案内するガイドとしても利用しながらCFRP製帯板の固定作業を容易に行うことが可能となる。
また、前記補強金具として、前記CFRP製帯板との連結部が平板形状に形成されている補強金具を用いてもよい。CFRP製帯板との連結部が平板形状に形成された補強金具を用いることにより、CFRP製帯板と補強金具の連結作業を容易に実施することができる。また、前記補強金具として、前記CFRP製帯板との連結部がCFRP製帯板の幅方向両側に立片部を有する横断面コ字状またはC字状の形状に形成されている補強金具を用いてもよい。補強金具がこのようなコ字状に形成されることにより、CFRP製帯板と補強金具の間の幅方向における位置ずれが防止可能となる。さらに、補強金具が上記のようなC字状に形成されることにより、補強金具の下方からCFRP製帯板を連結させる作業等において、上記立片部によってCFRP製帯板の幅方向端部が保持され落下が防止されるので、CFRP製帯板と補強金具の連結状態を確保することが容易となる。とくに、前記補強金具の立片部の一部を、該補強金具に連結されたCFRP製帯板に向けてかしめることによって、CFRP製帯板と補強金具との間の位置ずれを防止することが可能である。
また、本発明の鉄筋コンクリート床版の補強方法においては、前記補強金具として、前記CFRP製帯板と同等以上の剛性を有する補強金具を用いることが好ましい。具体的には、補強金具の断面がCFRP製帯板と同等の引張り剛性を有することにより、補強金具に応力が集中して破断すること等を効果的に防止することが可能となる。
本発明に係る鉄筋コンクリート床版の補強構造およびその補強方法によれば、ハンチ部を有する鉄筋コンクリート床版に対して、現場ごと、あるいは施工箇所ごとに異なるハンチ部の角度に柔軟に対応しつつ、CFRP製帯板を使った補強構造を低コストかつ短工期にて実現することができる。
本発明の一実施態様に係る鉄筋コンクリート床版を示す斜視図である。 図1の床版補強構造の一例を示しており、(A)は最終形態、(B)は加工途中の形態を示す斜視図である。 図1の床版補強構造の他の例を示しており、それぞれ、(A)はハンチ部が短めの場合に適した補強金具、(B)は平板形状の補強金具を示す斜視図である。 図1の補強金具の例を示しており、(A)および(B)は図2の補強構造に用いられる補強金具、(C)は図3(B)の補強構造に用いられる補強金具、(D)は他の補強金具の例をそれぞれ示す斜視図である。
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る鉄筋コンクリート床版の補強構造を備える鉄筋コンクリート床版を斜め下方から見た斜視図である。鉄筋コンクリート製の床版1は、橋等の構造物において、自動車等の荷重を直接受ける部材であり、安全性の観点から非常に高い強度が必要とされるものである。床版1の左右両端の隅角部には、平面部2の端部から斜めに延びる斜面を形成するようにハンチ部3が設けられている。
平面部2の下表面には床版の補強のために、複数のCFRP製の帯板4が平面部2の下表面全体にわたって格子状をなすように、エポキシ系接着剤を用いて貼付されている。また、ハンチ部3の表面には、別のCFRP製の帯板5がエポキシ系接着剤を用いて貼付されている。帯板4と帯板5とは、鋼材、ステンレス鋼、アルミ合金、チタン合金等の金属からなり長手方向中央部に屈曲部位を有する補強金具6を介して互いに連結されている。補強金具6が鋼材からなる場合には、必要に応じメッキなどの防錆処置を行う。
補強金具6の長手方向長さは、屈曲部を境に左右に分かれた片側あたり100〜200mm程度である。補強金具6の幅(短幅方向長さ)は、帯板4、5の幅とほぼ同じ長さであるが、片側あたり1〜5mm程度大きめの幅に形成されていてもよい。また、補強金具6の厚みは、帯板4、5とほぼ同じ補強剛性が備わるように設定することが好ましい。具体的には、帯板4、5と補強金具6の間に下記関係式が成立するように、補強金具6の厚みを設定することが好ましい。
〔式1〕
=(E×A)/(E×w
:補強金具の厚み[mm]
:補強金具の弾性率[N/m
:補強金具の幅[mm]
:帯板の弾性率[N/m
:帯板の断面積[mm
図2は、図1の床版1の補強構造の一例を示しており、(A)は最終形態、(B)は加工途中の形態を、それぞれ示す斜視図である。
図2(A)の補強金具16は、横断面がC字状の形状に形成され、帯板4、5を把持、固定するための立片部としての爪16a、16bが短幅方向両端辺に沿って形成された補強金具の例である。床版1の平面部2に貼付された帯板4は、補強金具16のC字状横断面内部に向けて挿入されている。
帯板4は、最終的には補強金具16と接着されることで完全な連結状態を作出するが、帯板4と補強金具16との間の接着面に接着剤を塗布する前、または当該接着面に塗布した接着剤が硬化する前の状態においては、爪16aを利用して補強金具16と仮に連結することができる。床版1のハンチ部3の斜面に貼付された帯板5についても、上述の帯板4と同様に、補強金具16のC字状横断面内部に挿入されており、補強金具16と接着される前には爪16bを利用して補強金具との仮連結状態を作出することができる。
補強金具16と帯板4、5との接着面には、高圧で砂を吹き付けるサンドブラストの方法等で目粗し加工がされていることが好ましい。このような目粗し加工を施すことにより接着面において摩擦力が得られるので、補強金具16と帯板4、5の間にずれが生じにくくなり、補強金具16と帯板4、5を連結する作業の容易化が図られる。
補強金具16は、平板形状の金属材料に折り曲げ加工が施されることにより、図2(A)に示されるような形状に形成することが可能である。この補強金具16の加工手順の例について以下に説明する。
まず、補強金具16のもとになる平板形状の金属材料の短幅方向両端を立ち上げて、金属材料の横断面がC字状の形状となるように曲げ加工することにより、爪16a、16bを形成させる。このように加工した補強金具16に、長手方向に約40度の開き角度が生じるように予め工場等で曲げ加工を施し、施工現場に運搬する。補強金具16の開き角度は、施工現場にて床版1のハンチ部3の角度に合わせ調整し、補強金具16を床版1の平面部2とハンチ部3にまたがって密着するように接着する。その後、帯板4、5の長手方向端部のうち補強金具16と反対側を、それぞれ床版1の平面部2とハンチ部3の斜面に接着する。
上記接着作業の際には、床版1に接着固定された補強金具16を、帯板4、5の接着位置を案内するガイドとして利用することが可能である。すなわち、帯板4、5を、補強金具16のC字状横断面内に挿入することによって適切な位置に配置しつつ、接着作業を行うことができる。以上のような手順で補強金具16を加工することによって、帯板4、5を床版1に容易に固定することができる。
また、図2(A)に示すような補強金具16のC字状横断面を形成した後に帯板4、5を補強金具16に挿入するのではなく、一旦、図2(B)に示すようなコ字状横断面を補強金具56に形成し帯板4、5を挿入した後に、最後の折り曲げ工程にて補強金具56の横断面をC字状に形成してもよい。すなわち、図2(B)に示すような加工途中の形態から、爪部56a、56bをそれぞれ帯板4、5に向けてかしめることにより、図2(A)に示す補強構造と同様の最終形態へと移行させ、補強構造の施工作業を効率的に行うことが可能となる。
図3は、図1の床版1の補強構造の他の例を示しており、それぞれ、(A)はハンチ部が短めの場合に適した補強金具26、(B)は平板形状の補強金具36を示す斜視図である。図3(A)の補強金具26は、帯板4側の端部横断面がC字状の形状に形成され、帯板4を把持、固定するための立片部としての爪16aが短幅方向両端辺に沿って形成された補強金具の例である。図2の例とは異なり、爪16bが省略されているが、これはハンチ部3の斜面の長さが比較的短いために、補強金具26自体が図2における帯板5の役割を兼ねることができることを示している。その他の点については、図2の例と同様であるので説明を省略する。
図3(B)の補強金具36は、図3(A)の例とは異なり、帯板4との連結部において平板形状に形成されており、図3(A)の爪26aに相当する立片部を備えていない。このような補強金具36が用いられる場合には、補強金具36と帯板4との連結には接着剤やボルト等の連結手段が必要となるが、連結作業の容易性の観点から、好ましくは接着剤が用いられる。その他の点については図3(A)の例と同様であるので、説明を省略する。
図4は、図1の補強金具のバリエーション例を示す斜視図である。図4(A)、(B)は、図2に示した床版1の補強構造において使用される補強金具16、56をそれぞれ示している。図4(A)の補強金具16には、帯板4、5の幅方向両側に立片部としての爪16a、16bがそれぞれ設けられている。補強金具16の横断面はC字状に形成されているので、補強金具16の内部に帯板4、5を挿入することができる。
一方、図4(B)の補強金具56には、帯板4、5の幅方向両側に立片部としての爪56a、56bが形成されている。前述したように、爪56a、56bを破線で示した折り曲げ位置17で折り曲げ、帯板4、5に向けてかしめることにより、図2(A)のかしめ加工後と同様の最終形態が作出され、補強金具56が横断面C字状に形成される。この状態にて補強金具56と帯板4、5を接着することにより、床版1の補強構造が実現される。なお、折り曲げ位置17にわずかな角度をつけて曲げ加工をあらかじめ施しておくことにより、爪56a、56bのかしめ加工をより簡便に実施することができる。
図4(C)は、図3(B)に示した床版1の補強構造において使用される平板形状の補強金具36を示している。補強金具36には、図4(A)の爪16a、16bに相当する立片部が設けられておらず、単に平板が長手方向中央付近の1箇所で屈曲した形状に形成されているため、容易な加工のみで補強金具36を形成できる。
図4(D)は、横断面コ字状に形成された補強金具46の例である。補強金具46は、帯板と連結された際に帯板の幅方向両側に配置される立片部46a、46bを備えている。このような立片部46a、46bによって、帯板の幅方向における位置ずれを防止することができる。
本発明に係る鉄筋コンクリート床版の補強構造およびその補強方法は、橋梁、水路、ボックスカルバート等の構造物において、ハンチ部を有する鉄筋コンクリート床版を補強するために広く使用される。
1 床版
2 平面部
3 ハンチ部
4、5 帯板
6、16、26、36、46、56 補強金具
16a、16b、26a、56a、56b 爪
17 折り曲げ位置
46a、46b 立片部

Claims (12)

  1. 床版下面の平面部を形成する床版平面部と該床版平面部の端部から斜め下方に延びる斜面を形成するハンチ部とを有する鉄筋コンクリート床版の補強構造であって、前記床版平面部に貼付される第一のCFRP製帯板と、前記ハンチ部に貼付され前記床版平面部と前記斜面にまたがり屈曲して延びる金属製の補強金具とを有し、対応する前記第一のCFRP製帯板と前記補強金具が互いに連結されていることを特徴とする鉄筋コンクリート床版の補強構造。
  2. 前記斜面に第二のCFRP製帯板が貼付され、該第二のCFRP製帯板が対応する前記補強金具に連結されている、請求項1に記載の鉄筋コンクリート床版の補強構造。
  3. 前記CFRP製帯板と前記補強金具が接着剤を介して互いに連結されている、請求項1または2に記載の鉄筋コンクリート床版の補強構造。
  4. 前記補強金具が、前記CFRP製帯板との連結部において平板形状に形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の鉄筋コンクリート床版の補強構造。
  5. 前記補強金具が、前記CFRP製帯板との連結部においてCFRP製帯板の幅方向両側に立片部を有する横断面コ字状またはC字状の形状に形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の鉄筋コンクリート床版の補強構造。
  6. 前記補強金具が、前記CFRP製帯板と同等以上の剛性を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の鉄筋コンクリート床版の補強構造。
  7. 床版下面の平面部を形成する床版平面部と該床版平面部の端部から斜め下方に延びる斜面を形成するハンチ部とを有する鉄筋コンクリート床版の補強方法であって、前記ハンチ部に前記床版平面部と前記斜面にまたがり屈曲して延びる金属製の補強金具を貼付し、該補強金具に、前記床版平面部に沿って延び前記補強金具に対応する第一のCFRP製帯板を連結するとともに、該第一のCFRP製帯板を前記床版平面部に貼付することを特徴とする、鉄筋コンクリート床版の補強方法。
  8. 前記斜面に第二のCFRP製帯板を貼付するとともに、前記第二のCFRP製帯板を対応する前記補強金具に連結する、請求項7に記載の鉄筋コンクリート床版の補強方法。
  9. 前記補強金具として、前記CFRP製帯板との連結部が平板形状に形成されている補強金具を用いる、請求項7または8に記載の鉄筋コンクリート床版の補強方法。
  10. 前記補強金具として、前記CFRP製帯板との連結部がCFRP製帯板の幅方向両側に立片部を有する横断面コ字状またはC字状の形状に形成されている補強金具を用いる、請求項7〜9のいずれかに記載の鉄筋コンクリート床版の補強方法。
  11. 前記補強金具の立片部の一部を、該補強金具に連結されたCFRP製帯板に向けてかしめる、請求項10に記載の鉄筋コンクリート床版の補強方法。
  12. 前記補強金具として、前記CFRP製帯板と同等以上の剛性を有する補強金具を用いる、請求項7〜11のいずれかに記載の鉄筋コンクリート床版の補強方法。
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