JP2020026652A - 鉄筋補強構造及び鉄筋補強方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の目的は、孔を開けることなく、鉄筋コンクリート部の内側鉄筋の隅角部側を補強することが可能な技術を提供することにある。
なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものではない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
この実施形態1では、鉄筋コンクリート構造物としてのボックスカルバートに本発明を適用した一例として、隅角部で連結された側壁及び底版のうちの側壁の内面側に隅角部に亘って埋設された内側鉄筋(主筋)を補強する補強構造及び補強方法について説明する。
まず、鉄筋補強構造及び鉄筋補強方法を説明する前に、ボックスカルバートの構造について説明する。
図1に示すように、ボックスカルバート1は、例えば地中に埋設されて車両通行用の地下トンネルを構築している。そして、地中に埋設されたボックスカルバート1上には、車両通行用道路が構築されている。
図1に示すように、ボックスカルバート1は、鉄筋コンクリート部として、頂版2a、底版2b及び2つの側壁2c,2dを有する。頂版2a及び底版2bは、第1の方向としてのX方向(高さ方向)において各々の壁面が互いに向かい合って離間する状態で配置されている。2つの側壁2c,2dの各々は、第2の方向としてのY方向(幅方向)において各々の壁面が互いに向かい合って離間する状態で配置されている。
2つの側壁2c,2dにおいて、図1から図3に示すように、内側鉄筋5a及び外側鉄筋6aの各々は、X方向に延伸し、かつ第1の方向及び第2の方向と直交する第3の方向としてのZ方向(奥行き方向)に所定の配列ピッチで複数本配置されている。また、内側鉄筋5b及び外側鉄筋6bは、Z方向に延伸し、かつX方向に所定の配列ピッチで複数本配置されている。そして、内側鉄筋5aと内側鉄筋5bとは、各々の一部が互いに重なり合い、かつ立体交差するように組まれている。また、外側鉄筋6aと外側鉄筋6bとは、各々の一部が互いに重なり合い、かつ立体交差するようにして組まれている。これらの鉄筋が立体交差する交差部では、細い結束筋や溶接によって固定されている。
内側鉄筋5a及び外側鉄筋6aの各々は、コンクリート層4に作用する曲げモーメントによって生じる引張応力に抵抗する役割を担う。ボックスカルバート1の各コンクリート部(頂版2a、底版2b、2つの側壁2c,2d)では、スパンの短い短辺方向での負荷が大きいため、短辺方向が主筋、長辺方向が配力筋(副筋)となる。この実施形態1では、一例として、X方向及びY方向に延伸する内側鉄筋5a及び外側鉄筋6aの各々が主筋をなし、Z方向に延伸する内側鉄筋5b及び外側鉄筋6bの各々が配力筋をなす。
図3に示すように、側壁2cの内側鉄筋5a及び外側鉄筋6aの各々は、隅角部3cに亘って延伸している。また、底版2bの内側鉄筋5a及び外側鉄筋6aの各々においても、隅角部3cに亘って延伸している。
側壁2c及び底版2bの各々の内側鉄筋5aの隅角部3c側は、各々の一部が互いに重なり合って立体交差するように組まれており、各々の一部が立体交差する交差部では細い結束筋や溶接によって固定されている。また、側壁2c及び底版2bの各々の外側鉄筋6aの隅角部3c側は、一体に形成されている。
また、隅角部3cには、Z方向に延伸する内側鉄筋5b及び外側鉄筋6bが配置されている。また、隅角部3cには、コンクリート層4の内面4a側に、底版2bの内側鉄筋5a及び側壁2cの内側鉄筋5aに対して傾斜し、かつ側壁2c及び底版2bに亘って延伸するハンチ鉄筋7が埋設されている。
なお、隅角部3a,3b,3dにおいても、隅角部3cと同様に、隅角部で連結された2つの鉄筋コンクリート部(頂版2a及び側壁2c,頂版2a及び側壁2d,底版2b及び側壁2d)の各々の内側鉄筋5a,5b及び外側鉄筋6a,6bが配置され、更にハンチ鉄筋7が配置された構造になっている。したがって、隅角部3a,3b,3dについての説明は省略する。
図3に示すように、ボックスカルバート1の隅角部3cの内側には、鉄筋補強構造10が張り付くようにして設けられている。鉄筋補強構造10は、隅角部3cで連結された側壁2c及び底版2b(2つの鉄筋コンクリート部)の少なくとも何れか一方の内面4a側に隅角部3cに亘って埋設された内側鉄筋5aの隅角部3c側を補強する補強材としての補強鉄筋11を備えている。この実施形態1では、側壁2cの内面4a側に埋設された内側鉄筋5aの隅角部3c側を補強し、内側鉄筋5aの隅角部3c側に作用する引張力を補強鉄筋11で低減している。また、鉄筋補強構造10は、これに限定されないが、Z方向に延伸する配力筋12を備えている。
次に、ボックスカルバート1の隅角部に作用する曲げモーメントについて、図5を用いて説明する。
地中に埋設されたボックスカルバート1では、地震が発生したときに、図5に示すように、地震の揺れに起因した側方土圧P1が側壁2dに加わる。そして、この側方土圧P1が側壁2dに加わることにより、側壁2dと底版2bとの隅角部3dに、側壁2dの外面4b側から内面4a側に向かう方向の曲モーメント(以下、外内方向曲げモーメントBM1と呼ぶ)が生じると共に、側壁2cと底版2bとの隅角部3cに、側壁2cの内面4a側から外面4b側に向かう方向の曲げモーメント(以下、内外方向曲げモーメントBM2と呼ぶ)が生じる。そして、隅角部3dに外内方向曲げモーメントBM1が生じた場合は、側壁2dの外側鉄筋6aの隅角部3d側に引張力(引張応力)が作用する。また、隅角部3cに内外方向曲げモーメントBM2が生じた場合は、側壁2cの内側鉄筋5aの隅角部3c側に引張力(引張応力)が作用する。
また、隅角部3aに内外方向曲げモーメントBM2が生じた場合も、側壁2c及び底版2bの各々の内側鉄筋5aの隅角部3a側に引張力が作用する。
また、隅角部3bに内外方向曲げモーメントBM2が生じた場合も、側壁2d及び頂版2aの各々の内側鉄筋5aの隅角部3b側に引張力が作用する。
次に、鉄筋補強構造10で補強する前のボックスカルバート1において、側壁2cの内側鉄筋5aの隅角部3c側に作用する引張力について、図6を用いて具体的に説明する。図6中、Tirは内側鉄筋5aに作用する引張応力度、Atsは内側鉄筋5aの許容引張応力度、Szsは内側鉄筋5aの応力ゼロ基準(正側が引張応力,負側が圧縮応力)、Oveは引張応力度Tirが許容引張応力度を超過した超過範囲である。
ところで、この実施形態1の鉄筋補強構造10のように、既存のコンクリート層4の内面4aに固定材13を介して補強鉄筋11を固定する場合は、コンクリート層4と固定材13との界面に作用する剥離応力度Pをコンクリート層4の許容剥離応力度Pa内に収める必要がある(P≦Pa)。これは、コンクリート層4と固定材13との界面に作用する剥離応力度Pがコンクリートの許容剥離応力度Paを超過(P>Pa)すると、コンクリート層4から固定材13が剥離し、補強鉄筋11による補強効果が得られなくなるためである。
補強鉄筋21をD10(長手方向と直交する断面積Aが78.5mm2)とし、
補強鉄筋21の配列ピッチBをB=100mmとし、
許容応力度を140N/mm2とし、
発生応力度を140N/mm2とし、
引張力TをT=A×140=78.5×140=10990Nとし、
剥離力NをN=0.76×T=0.76×10990=8353Nとする。
そして、剥離力Nが幅100mm×長さ10mmの範囲に作用すると仮定すると、
剥離応力度PはP=8353/(100×10)=8.4N/mm2
となる。
P(8.4N/mm2)>Pa(1.0N/mm2)となり、
既存のコンクリート層4から固定材13が剥離する。
よって、側壁2cの内側鉄筋5aは補強鉄筋21で補強できない。
P=2×T×cos45°/(B×W)
=2×10990×cos45°/(100×450)
=0.37となり、
P(0.37N/mm2)<Pa(1.0N/mm2)
となる。
また、この実施形態1の鉄筋補強構造10は、既存のコンクリート層4に孔を削孔して補強鉄筋11を定着せず、既存のコンクリート層4の表面に固定材13を介して補強鉄筋11を定着させる方式であることから、コンクリート層4に埋設された内側鉄筋5a,5b、外側鉄筋6a,6bなどの既存鉄筋を損傷することがない。
また、補強鉄筋11を適正に配置することができ、1本の補強鉄筋11よる補強効果を高めることができるので、補強鉄筋11の本数を削減でき、経済的である。
また、コンクリート層4に埋設された内側鉄筋5a,5b、外側鉄筋6a,6bなどの既存鉄筋の探査の費用や、補強筋、アンカーボルトなどを挿入するための削孔の費用が不要で経済的ある。
また、第1定着部11cや第2定着部11dの長さをコンクリート層4(側壁2c及び底版2b)の表面方向に延長することができるので、補強鉄筋11に作用する引張力Tが大きい場合にも補強鉄筋11の確実な定着が可能となる。
なお、図8中、Fは補強鉄筋11の定着力であり、補強鉄筋11に作用する引張力Tに相当する。
ここで、固定材13が剥離しない非剥離条件「P(剥離応力度)≦Pa(許容剥離応力度)」では、許容剥離応力度Paが小さいほど曲部11aの曲率半径Rを大きくする必要がある。そして、側壁2cの内側鉄筋5aの隅角部3c側で補強しなければならない引張力が大きいほど曲部11aの曲率半径Rを大きくする必要がある。
したがって、固定材13の非隔離条件「P(剥離応力度)≦Pa(許容剥離応力度)」を曲部11aの曲率半径Rから求めることができる。以下に固定材13の非剥離条件1及び2について説明する。
まず、固定材13が既存のコンクリート層4から剥離しない非剥離条件1について、図9を用いて説明する。
補強鉄筋11の曲部11aの曲率半径をR、曲率半径Rの原点をE1、曲部11aと補強部11bとの境界点をE2、曲部11aと第2定着部11dとの境界点をE3、原点E1と境界点E2とを直線で結ぶ仮想線をF1とする。そして、原点E1と境界点E3とを直線で結ぶ仮想線をF2、境界点E2と境界点E3とを直線で結ぶ仮想線をF3、仮想線F1と仮想線F3とがなす角度をθ、隅角部3cで側壁2cと底版2bとがなす角度を2・θとする。
P=N/(W×B)
=2×T×cosθ/(2×R×sinθ×B)
=T/(R×B×tanθ)
=σ・A/(R×B×tanθ) ……(1)
σ・A/(R×B×tanθ)≦Pa
R≧σ・A/(Pa×B×tanθ)
と表せる。
R=σ・A/(Pa×B×tanθ) ……(2)
したがって、コンクリート層4からの固定材13の剥離を回避するための曲部11aの曲率半径Rは、上記(2)式より求まる。
R=140×78.5/(0.4×100×1.0)
=274.75mm
となる。
一般に、隅角部3cの角度2・θ=90°、tanθ=tan45°=1のとき、上記の(2)式は、次の(3)式となる。
R=σ・A/(P×B) ……(3)
よって、一般の最大許容応力度σmaxは、520N級の基準強度から、
σmax=355N/mm2
となる。
σmin=100N/mm2 ……(4)
100≦σ≦355(N/mm2) ……(5)
Pk=1.5N/mm2 ……(6)
1.0(Pk/1.5)≦Pa≦1.5(Pk)(N/mm2)……(7)
上記の(5)式及び(7)式より、次の(8)式が求まる。
67≦σ/Pa≦355 ……(8)
67・A/B≦R≦355・A/B(mm) ……(9)
したがって、補強鉄筋11の曲部11aを曲率半径Rの円弧形状とするとき、既存のコンクリート層4と固定材13との剥離を回避することができる最小の曲率半径Rは、上記の(9)式を満たしている。
400N級の場合:R≧156/1.0・A/B=156・A/B……(3a)
490N級の場合:R≧216/1.0・A/B=216・A/B……(3b)
520N級の場合:R≧236/1.0・A/B=236・A/B……(3c)
SD295A及びSD295Bの場合:R≧196/1.0・A/B=196・A/B……(3d)
SD345の場合:R≧230/1.0・A/B=230・A/B……(3e)
SD390の場合:R≧260/1.0・A/B=260・A/B……(3f)
T≦Sa×B×L
L≧T/(Sa×B)
L=σ×A/(As×B) ……(10)
L=140×78.5/(0.3×100)
=366.3mm
となる。
次に、固定材13が既存のコンクリート層4から剥離しない非剥離条件2について、図10を用いて説明する。
側壁2c(コンクリート層4)の厚さをH、補強鉄筋11の曲部11aの曲率半径をR、曲率半径Rの原点をE1、側壁2cの内面4aに沿う仮想線F4と底版2bの内面4aに沿う仮想線F5とが交わる点をE4とする。そして、側壁2cの内面4aと隅角部3cの内面4aとが交わる第1角部4a1を点E5、底版2bの内面4aと隅角部3cの内面4aとが交わる第2角部4b2を点E6、曲率半径Rの原点E1と点E4とを直線で結ぶ仮想線をF6とする。そして、仮想線F6と隅角部3cの内面4aとが交差する点をE7、点E4と点E5とを直線で結ぶハンチ高さ及び点E4と点E6とを直線で結ぶハンチ高さをD、原点E1と点E5とを直線で結ぶ仮想線をF7、仮想線F6と仮想線F7とがなす角度θ1を22.5°としたとき、点E5と点E7とを直線で結ぶ距離Cは、次の(11)式で求まる。
C=D/√2=R・tan22.5 ……(11)
R=C/tan22.5
=D/(√2×tan22.5)
=D/(1.14×0.4142)
=D/0.586
=1.71×D
に変換する。
よって、
R=1.71×Dを、
1.71×0.3×H≦R≦1.71×1.3×Dに変換することで、次の(12)式となる。
0.5H≦R≦2.3H ……(12)
次に、この実施形態1の鉄筋補強方法について、図11から図14を用いて説明する。
上述の実施形態1では、曲部11a、補強部11b、第1定着部11c及び第2定着部11dを有する補強鉄筋11について説明したが、本発明はこの実施形態1の補強鉄筋11に限定されない。以下、図15から図18を用いて実施形態1の変形例を説明する。なお、図15から図18では、図面を見易くするため、図3に示す配力筋12の図示を省略している。
図15に示すように、変形例1の補強鉄筋11は、曲部11aの補強部11b側とは反対側で終端し、実施形態1の第2定着部11dを設けない構成となっている。この変形例1においても、曲部11aは、第1角部4a1及び第2角部4a2を横切って側壁2c、隅角部3c及び底版2bの各々の内側に固定材(図示せず)を介して固定され、かつ側壁2c及び底版2bに亘って側壁2c側とは反対側に曲線状に曲がっている。補強部11b及び第1定着部11cも側壁2cの内側に固定材を介して固定されている。この変形例1においても、上述の実施形態1と同様の効果が得られる。
図16に示すように、変形例2の補強鉄筋11は、上述の変形例1において、補強部11bと第1定着部11cとの間に屈曲部11bcを設けた構成となっている。この変形例2においても、上述の実施形態1と同様の効果が得られる。
図17に示すように、変形例3の補強鉄筋11は、上述の実施形態1の曲部11aに換えて、第1曲部11a1と、この第1曲部11a1の側壁2c側とは反対側に設けられた直線部11a2と、この直線部11a2の第1曲部11a1側とは反対側に設けられた第2曲部11a3とを有する構成となっている。第1曲部11a1は、第1角部4a1を横切るようにして側壁2c及び隅角部3cの各々の内側に固定材を介して固定され、かつ側壁2c及び隅角部3cに亘って側壁2cとは反対側に曲線状に曲がっている。直線部11a2は、隅角部3cの内側に固定材を介して固定されている。第2曲部11a3は、第2角部4a2を横切って隅角部3c及び底版2bの各々の内側に固定材を介して固定され、かつ隅角部3c及び底版2bの各々の内側に亘って隅角部3c側及び底版2b側に凸となるように曲線状に曲がっている。この変形例3においても、上述の実施形態1と同様の効果が得られる。
図18に示すように、変形例4の補強鉄筋11は、実施形態1の曲部11a及び第2定着部11dに換えて、曲部11eと、この曲部11eの補強部11b側とは反対側に設けられた第2定着部11fを有する構成になっている。曲部11eは、第1角部4a1を横切って側壁2c及び隅角部3cの各々の内側に固定材を介して固定され、かつ側壁2c及び隅角部3cに亘って側壁2c側とは反対側に曲線状に曲がっている。第2定着部2fは、曲部11e側とは反対側が隅角部3cで終端し、隅角部3cの内側に固定材を介して固定されている。補強部11b及び第1定着部11cは、実施形態1と同様に側壁2cの内側に固定材を介して固定されている。この変形例4においても、上述の実施形態1と同様の効果が得られる。
この実施形態2に係る鉄筋補強構造10Aは、上述の実施形態1の鉄筋補強構造10と基本的にほぼ同様の構成になっており、以下の構成が異なっている。すなわち、図19に示すように、この実施形態2の鉄筋補強構造10Aは、側壁2c、隅角部3c及び底版2bの各々の内面4aに亘って設けられた凹部15に配置されている。凹部15は、固定材13が凹部15の中に収まる程度の深さで形成することが好ましい。
この実施形態3は、図20に示すように、補強材としての補強鉄筋11に換えて補強板16を用いたものである。すなわち、この実施形態3の鉄筋補強構造10Bは、側壁2c、隅角部3c及び底版2bの各々の内側に固定材13を介して固定され、かつ側壁2c及び底版2bに亘って側壁2c側とは反対側に曲線状に曲がる補強板16を備えている。補強板16は、X方向及びY方向に延伸し、かつZ方向に延伸している。補強板16は、これに限定されないが、表面が固定材13から露出するように固定材13を介して側壁2c、隅角部3c及び底版2bの各々の内側(内面4a)に固定されている。
上述の実施形態では、地中に埋設されたボックスカルバート1の内側鉄筋5aの補強について説明した。しかしながら、本発明は、このボックスカルバート1の内側鉄筋5aの補強に限定されるものではない。例えば、本発明は、鉄筋コンクリート構造物として、図21に示す水槽17にも適用することができる。
側壁18cの内側鉄筋5a及び外側鉄筋の各々は、隅角部19cに亘って延伸している。また、図示していないが、底版18bの内側鉄筋及び外側鉄筋の各々においても、隅角部19cに亘って延伸している。また、側壁18dの内側鉄筋5a及び外側鉄筋の各々は、隅角部19dに亘って延伸している。また、図示していないが、底版18bの内側鉄筋及び外側鉄筋の各々においても、隅角部19dに亘って延伸している。
2a…頂版(鉄筋コンクリート部)
2b…底板(鉄筋コンクリート部)
2c,2d…側壁(鉄筋コンクリート部)
3a,3b,3c,3d…隅角部
4…コンクリート層
4a…内面
4b…外面
5a,5b…内側鉄筋
6a,6b…外側鉄筋
7…ハンチ鉄筋
10…鉄筋補強構造
11…補強鉄筋(補強材)
12…配力筋
13…固定材
14…鉄筋補強ユニット
15…凹部
16…補強板
17…水槽
18b…底版
18c,18d…側壁
19c,19d…隅角部
20…鉄筋補強構造
21…補強鉄筋
Claims (15)
- 隅角部で連結された2つの鉄筋コンクリート部の少なくとも何れか一方の鉄筋コンクリート部の内面側に埋設された内側鉄筋の前記隅角部側を補強する補強材を備えた鉄筋補強構造であって、
前記補強材は、前記一方の鉄筋コンクリート部及び前記隅角部の各々の内側に各々に亘って固定材を介して固定され、かつ前記隅角部において前記一方の鉄筋コンクリート部とは反対側に曲線状に曲がっていることを特徴とする鉄筋補強構造。 - 前記補強材は、前記一方の鉄筋コンクリート部及び前記隅角部に亘って前記一方の鉄筋コンクリート部とは反対側に曲線状に曲がる曲部と、前記曲部の前記一方の鉄筋コンクリート部側に設けられた補強部と、前記補強部の前記曲部側とは反対側に設けられた定着部とを有することを特徴とする請求項1に記載の鉄筋補強構造。
- 前記補強材は、前記2つの鉄筋コンクリート部に亘って前記一方の鉄筋コンクリート部側に曲線状に曲がる曲部と、前記曲部の前記一方の鉄筋コンクリート部側に設けられた補強部と、前記補強部の前記曲部側とは反対側に設けられた定着部とを有することを特徴とする請求項1に記載の鉄筋補強構造。
- 前記補強材は、前記2つの鉄筋コンクリート部に亘って前記一方の鉄筋コンクリート部側とは反対側に曲線状に曲がる曲部と、前記曲部の前記一方の鉄筋コンクリート部側に設けられた補強部と、前記補強部の前記曲部側とは反対側に設けられた第1定着部と、前記曲部の前記補強部側とは反対側に設けられた第2定着部とを有することを特徴とする請求項1に記載の鉄筋補強構造。
- 前記隅角部は、前記2つの鉄筋コンクリート部の各々の内面に対して傾斜した内面を有し、
前記曲部は、前記一方の鉄筋コンクリート部の内面と前記隅角部の内面とが交わる角部を横切っていることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の鉄筋補強構造。 - 前記隅角部は、前記2つの鉄筋コンクリート部の各々の内面に対して傾斜した内面を有し、
前記曲部は、前記2つの鉄筋コンクリート部の各々の内面と前記隅角部の内面とが交わる2つの角部を横切っていることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の鉄筋補強構造。 - 前記曲部は、円弧形状、二次曲線形状、懸垂曲線形状、これらを複合した曲線形状の何れかで形成されていることを特徴とする請求項2から請求項6の何れか一項に記載の鉄筋補強構造。
- 前記曲部は、曲率半径をRとし、補強する前記内側鉄筋が埋設された前記一方の鉄筋コンクリート部の厚さをHとしたとき、0.5H≦R≦2.3Hを満たす円弧形状になっていることを特徴とする請求項2から請求項6の何れか一項に記載の鉄筋補強構造。
- 前記補強材は、鋼材からなる補強鉄筋であり、
前記曲部は、曲率半径をRとし、前記補強鉄筋の長手方向と直交する断面積をAとし、前記補強鉄筋の配列ピッチをBとしたとき、67・A/B≦R≦355・A/B(mm)を満たす円弧形状になっていることを特徴とする請求項2から請求項6の何れか一項に記載の鉄筋補強構造。 - 前記補強材は、前記2つの鉄筋コンクリート部及び前記隅角部の各々の内側に亘って形成された凹部に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項9の何れか一項に記載の鉄筋補強構造。
- 前記補強材の素材は、鋼、ステンレス、銅、アルミニウム、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、バサルト繊維、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、高強度繊維補強コンクリート、高強度繊維補強モルタルの何れかであり、
前記補強材の形態は、棒状、より線、組紬、格子、板状の何れかであることを特徴とする請求項1から請求項10の何れか一項に記載の鉄筋補強構造。 - 隅角部で連結された2つの鉄筋コンクリート部の少なくとも何れか一方の鉄筋コンクリート部の内面側に埋設された内側鉄筋の前記隅角部側を補強する鉄筋補強方法であって、
前記一方の鉄筋コンクリート部及び前記隅角部の各々の内側に亘って延伸し、かつ前記隅角部において内方に曲線状に曲がる補強材を、前記一方の鉄筋コンクリート部及び前記隅角部の各々の内側に固定材を介して固定することを特徴とする鉄筋補強方法。 - 前記補強材は、前記一方の鉄筋コンクリート部及び前記隅角部に亘って内方側に曲線状に曲がる曲部と、前記曲部の前記一方の鉄筋コンクリート部側に設けられた補強部と、前記補強部の前記曲部側とは反対側に設けられた定着部とを有することを特徴とする請求項12記載の鉄筋補強方法。
- 前記補強材は、前記2つの鉄筋コンクリート部に亘って内方側に曲線状に曲がる曲部と、前記曲部の前記一方の鉄筋コンクリート部側に設けられた補強部と、前記補強部の前記曲部側とは反対側に設けられた定着部とを有することを特徴とする請求項12に記載の鉄筋補強方法。
- 前記補強材は、前記2つの鉄筋コンクリート部に亘って内方側に曲線状に曲がる曲部と、前記曲部の前記一方の鉄筋コンクリート部側に設けられた補強部と、前記補強部の前記曲部側とは反対側に設けられた第1定着部と、前記曲部の前記補強部側とは反対側に設けられた第2定着部とを有することを特徴とする請求項12に記載の鉄筋補強方法。
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