JP6811678B2 - 連続繊維補強材を適用したコンクリート構造物およびコンクリート部材の接合方法 - Google Patents

連続繊維補強材を適用したコンクリート構造物およびコンクリート部材の接合方法 Download PDF

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Description

この発明は,連続繊維補強材を適用したコンクリート構造物,および連続繊維補強材を用いたコンクリート部材の接合方法に関する。
従来,高速道路や一般道路の高架橋梁には,車両が走行本線から逸脱したり,車両が高架橋梁から転落したりするのを防止するために,壁高欄が設けられている。壁高欄の多くに,構造が単純で,特別の建設技術を必要とせず,また比較的に安価に建設が可能である場所打ち鉄筋コンクリート構造が採用されている。
近年,壁高欄の下端部や床版水切り部など,壁高欄と床版との接合部またはその近傍における鉄筋の腐食に起因するリスクが増大している。鉄筋の腐食はコンクリート片の剥落や壁高欄と床版との接合部における設計耐力の低下を生じさせる。壁高欄と床版との接合部は,雨水による浸潤状態と乾燥状態の繰り返しが頻繁に発生する場所であり,他の部位よりも鉄筋の腐食が進みやすい。
壁高欄と床版との接合部には一般に接合鉄筋が配筋され,接合部には現場においてコンクリートによる打継ぎ(硬化したコンクリートに接して新たにコンクリートを打つこと)が行われる。そのために,壁高欄と床版との間にコンクリートの連続性はない。したがって,接合部は使用限界状態の荷重が作用したときであってもひび割れが発生することがあり,ひび割れから浸透する雨水によって接合鉄筋が早々に腐食することがある。
鉄筋の腐食を防止するために,最近,鉄筋の表面にエポキシ樹脂を塗装したエポキシ塗装鉄筋が開発され,壁高欄と床版との接合部に用いられる接合鉄筋にもエポキシ塗装鉄筋が採用されることがある。しかし,エポキシ塗装鉄筋に用いられるエポキシ塗装膜厚は非常に薄く,わずかな衝撃であっても塗装膜がはげ落ち,塗装膜がはげ落ちた箇所からエポキシ塗装をしない通常の鉄筋以上の早い速度で錆び損傷が進行することがある。米国フロリダ州やニュージャージー州ではエポキシ塗装鉄筋の腐食が多大に出現し,これらの州ではエポキシ塗装鉄筋の使用が禁じられている。
近年,凍結防止剤の散布による腐食環境の増大や過積載の車両による過酷な疲労荷重のために,高速道路などの床版の損傷が著しく進展して,床版の架け替えを余儀なくされている。床板の架け替え工事は活線下の道路上で実施する必要があり,片側通行などの措置により実施されている。このような場合,施工工期の短縮のために床版にはプレキャスト部材が用いられることが多い。当然,壁高欄に関してもプレキャスト部材を適用することが要求され,その現場における施工工期の短縮が要求される。
特許文献1は鉄筋の代替品として連続繊維補強材を用いた壁高欄を開示する。しかしながら,壁高欄と床版との接合部におけるコンクリートの不連続性に関する課題を克服していない。連続繊維補強材の引張破断強度は通常の異形鉄筋の引張破断強度の4.5〜5.0倍程度である。しかしながら,連続繊維補強材の弾性係数は異形鉄筋の弾性係数よりも22%〜40%程度低く,たわみを生じやすいので,単に鉄筋に代えて連続繊維補強材を用いるだけでは,壁高欄のひび割れ発生荷重が減少することになる。
プレキャスト部材の壁高欄を用いる場合,壁高欄と床版との接合部におけるコンクリートの不連続性に起因する強度低下を考慮しなければならない。この接合部は,現状の道路橋壁高欄において鉄筋の腐食に起因する劣化損傷の激しい箇所である。特許文献1〜特許文献6は,いずれも前述したコンクリートの不連続性に対する課題を克服していない。
特許文献2,3,4,5の接合構造は床板同士の接合構造として多用されているループ継手を,床版と壁高欄との接合に用いることを開示するにとどまる。
特許文献6は,PC鋼線を用いてプレキャスト高欄ブロック,プレキャスト地覆ブロックおよび床版を連結するものを開示する。PC鋼線がむき出しの状態では,通常の自然環境下において腐食のリスクがある。特に特許文献6の場合は,もっとも厳しい腐食環境下である床版の水切り部においてPC鋼線の定着部がむき出しにされているので,耐久性に乏しい。
特開2016−160690号公報 特開2013−36205号公報 特開2013−36206号公報 特開2015−169031号公報 特開2017−008671号公報 特開2002−146721号公報
この発明は,異なる2つのコンクリート部材の接合部のひび割れ耐力および耐腐食性能を大幅に向上することを目的とする。
この発明はまた,異なる2つのコンクリート部材の接合時の現地施工期間の短縮を実現することを目的とする。
この発明は,第1のコンクリート部材と上記第1のコンクリート部材に接合された第2のプレキャスト・コンクリート部材とを備えるコンクリート構造物であって,両端部に大径の定着構造を備え,緊張させた連続繊維補強材の一端部が,上記定着構造を含めて上記第1のコンクリート部材に埋設されており,上記連続繊維補強材の他端部が,上記定着構造を含めて上記第2のプレキャスト・コンクリート部材に埋設されており,緊張させた連続繊維補強材の緊張力が,プレストレス(圧縮応力)として上記第1のコンクリート部材,第2のプレキャスト・コンクリート部材およびこれらの接合部に導入されていることを特徴とする。
プレキャスト部材は,型枠の設置,配筋,コンクリートの打設,養生,型枠の脱型などの一連の作業が,現場ではなく,工場において行われて製造されるものをいう。この発明において,第2のプレキャスト・コンクリート部材はプレキャスト部材であり,工場においてあらかじめ製造され,現場に運搬され,現場において第1のコンクリート部材と接合される。第1のコンクリート部材は,現場打ち工法(現場において型枠を設置し,コンクリートを打設する工法)によってつくられるものであっても,プレキャスト部材であってもよい。
この発明によると,第1のコンクリート部材および第2のプレキャスト・コンクリート部材の内部に,鉄筋ではなく,連続繊維補強材が設けられている。連続繊維補強材はどのような環境下においても腐食することがなく,腐食によって生じるコンクリート剥落のおそれがない。また,腐食しないので,腐食防止のための接合部におけるコンクリート被りを少なくすることができる。さらに連続繊維補強材は引張破断応力が高いために,引張補強材としてコンクリート部材に適用した場合には,その曲げ耐力は通常の鉄筋補強のコンクリート部材よりも大幅に向上し,さらに連続繊維補強材は軽量であるので,配筋作業が格段に容易である。
また,この発明によると,上述した連続繊維補強材が緊張材として用いられ,連続繊維補強材の緊張力が,プレストレスとして上記第1のコンクリート部材,第2のプレキャスト・コンクリート部材およびこれらの接合部に導入されている。連続繊維補強材はその両端部に大径の定着構造を備えているので,緊張させた連続繊維補強材の緊張力を第1のコンクリート部材,第2のプレキャスト・コンクリート部材およびこれらの接合部に効率よく伝達することができ,接合部におけるひび割れ耐力(ひび割れ抵抗性能)を著しく向上させることができる。また,第2のプレキャスト・コンクリート部材の面外せん断耐力が向上し,さらに接合部における曲げひび割れ耐力,およびせん断耐力が向上する。
さらにこの発明によると,両端部の定着構造を含めて連続繊維補強材が第1のコンクリート部材および第2のプレキャスト・コンクリート部材に埋設されているので,定着構造を含め,連続繊維補強材が風雨や紫外線に晒されることがない。
好ましくは,上記連続繊維補強材が複数本の連続繊維束を撚り合わせたものであり,上記連続繊維補強材の両端部の上記定着構造が,所定長さにわたって上記連続繊維束の撚り合わせが解かれることで形成される空間に樹脂モルタルまたはセメントモルタルを充填した解撚型定着構造を備えている。
複数本の連続繊維束の撚り合わせを解撚し(撚りを解き),そこに樹脂モルタルまたはセメントモルタルを充填することによって定着構造を大径のものにすることできる。連続繊維補強材に別部材の定着具を固定したものに比べて高い定着剛性を発揮させることができ,さらに定着構造がコンパクトで経済的に製作することができる。また,撚り線を解撚して樹脂モルタルまたはセメントモルタルを充填した解撚型定着構造は,その表面に顕著に凹凸形状が形成されるので,コンクリートやグラウト材との付着性能が向上し,効率的な定着効果を期待することができる。解撚型定着構造はコンパクトでありつつも定着性能に優れている。定着性能の向上は,上述したように,緊張させた連続繊維補強材からの第1のコンクリート部材,第2のプレキャスト・コンクリート部材およびこれらの接合部への効率のよい緊張力の伝達に寄与する。
解撚型定着構造の直径(横断面における最大幅)は,たとえば連続繊維補強材の直径の1.1〜2.0倍,望ましくは1.3〜1.8倍とされ,長さは連続繊維補強材の直径の8〜15倍,望ましくは9〜12倍とされる。このような寸法を持つ解撚型定着構造を形成することによって,連続繊維補強材の緊張力の導入効率を向上させることができる。また,解撚型定着構造を連続繊維補強材の中間部に配置した状態で緊張作業を実施しても所定の緊張力を導入でき,さらに中間部に配置した解撚型定着構造の定着機能が損なわれることはない。
一実施態様では,上記第1のコンクリート部材の接合面と上記第2のプレキャスト・コンクリート部材の接合面との間に樹脂モルタルまたは無収縮セメントモルタルが挟まれている。たとえば,第1のコンクリート部材の接合面と第2のプレキャスト・コンクリート部材の接合面との間に10〜20mm程度の厚さの樹脂モルタルまたは無収縮セメントモルタルが設けられる。樹脂モルタルまたは無収縮セメントモルタルによって第1のコンクリート部材の接合面と第2のプレキャスト・コンクリート部材の接合面との曲げひび割れ耐力,およびせん断耐力を向上させることができる。
第1のコンクリート部材の接合面と第2のプレキャスト・コンクリート部材の接合面との間にあらかじめスペーサーを配置しておくとよい。所定厚さの樹脂モルタルまたは無収縮セメントモルタルを,上記第1のコンクリート部材の接合面と上記第2のプレキャスト・コンクリート部材の接合面との間に敷設するまたは充填することができる。また,樹脂モルタルの表面はコテ仕上げによって平滑にするのが好ましい。樹脂モルタルの敷設には型枠が必要とされず,したがって樹脂モルタルの敷設のための型枠設置およびその撤去の手間が不要である。また,樹脂モルタルの養生は数時間で完了するので施工時間は短い。無収縮セメントモルタルについても型枠設置およびその撤去は不要であり,さらにコテ仕上げも不要である。
一実施態様では,上記第1のコンクリート部材の接合面に凹部が形成され,かつ上記第2のプレキャスト・コンクリート部材の接合面に上記凹部に係合する凸部(せん断キー)が形成されている。接合部におけるせん断耐力をさらに高めることができる。
第1の発明によるコンクリート部材の接合方法は,両端部に大径の定着構造が設けられた連続繊維補強材の一端部が,上記定着構造を含めて埋め込まれた第1のコンクリート部材を準備し,上記大径の定着構造を含む上記連続繊維補強材の通過を許す大きさの貫通孔が形成された第2のプレキャスト・コンクリート部材を準備し,第2のプレキャスト・コンクリート部材が接合される範囲の上記第1のコンクリート部材上に樹脂モルタルを敷設し,上記第1のコンクリート部材から外に出ている上記連続繊維補強材を上記第2のプレキャスト・コンクリート部材にあけられた上記貫通孔に通しながら,上記第1のコンクリート部材上に敷設された樹脂モルタル上に上記第2のプレキャスト・コンクリート部材を配置し,樹脂モルタルが所定強度に達した後,上記第2のプレキャスト・コンクリート部材の上記貫通孔から外に出ている上記連続繊維補強材の先端部に設けた定着具と,ジャッキ・システムとを利用して上記連続繊維補強材を緊張し,上記貫通孔内にグラウト材を注入し,グラウト材が所定強度に達した後,上記ジャッキ・システムを取り外し,上記第2のプレキャスト・コンクリート部材から外に出ている連続繊維補強材の余長部分を切断する。
第2の発明によるコンクリート部材の接合方法は,両端部に大径の定着構造が設けられた連続繊維補強材の一端部が,上記定着構造を含めて埋設された第1のコンクリート部材を準備し,上記大径の定着構造を含む上記連続繊維補強材の通過を許す大きさの貫通孔が形成された第2のプレキャスト・コンクリート部材を準備し,第2のプレキャスト・コンクリート部材が接合される範囲の上記第1のコンクリート部材上にスペーサーを配置し,上記第2のプレキャスト・コンクリート部材を吊り上げ,上記第1のコンクリート部材上から外に出ている上記連続繊維補強材を上記第2のプレキャスト・コンクリート部材にあけられた上記貫通孔に通しながら,上記第2のプレキャスト・コンクリート部材を降下させ,上記第1のコンクリート部材上に配置されたスペーサー上に配置する。さらに上記第1のコンクリート部材上の無収縮セメントモルタルを充填する範囲を囲むように止水テープをはるとよい。上記スペーサーと止水テープによって形成される上記第2プレキャスト・コンクリート部材と上記第1のコンクリート部材との間の隙間(空間)に無収縮セメントモルタルを充填し,無収縮セメントモルタルが所定強度に達した後,上記第2のプレキャスト・コンクリート部材の上記貫通孔から外に出ている上記連続繊維補強材の先端に設けられた定着具と,上記第2のプレキャスト・コンクリート部材の上面に設置されるジャッキ・システムとを利用して上記連続繊維補強材を緊張し,上記貫通孔内にグラウト材を注入し,グラウト材が所定強度に達した後,上記ジャッキ・システムを取り外し,上記第2のプレキャスト・コンクリート部材の上面から外に出ている連続繊維補強材の余長部分を切断する。
連続繊維補強材は,鉄筋に比べて軽量かつフレキシブルであるので,第2のプレキャスト・コンクリート部材の貫通孔に連続繊維補強材を通す作業が容易であり,このため第2のプレキャスト・コンクリート部材の接合施工時間の短縮を図ることができる。第2のプレキャスト・コンクリート部材に複数の貫通孔が形成されており,たとえば鉛直に形成された貫通孔と鉛直方向から傾斜している貫通孔とが混在しているとしても,そのいずれの貫通孔にも連続繊維補強材を容易に通すことができる。
連続繊維補強材は,たとえばセンターホール・ジャッキを用いて緊張される。第2のプレキャスト・コンクリート部材に複数の貫通孔があけられており,複数本の連続繊維補強材のそれぞれが第2のプレキャスト・コンクリート部材にあけられた複数の貫通孔のそれぞれに通される場合には,連続繊維補強材の本数分のジャッキを準備し,すべてのジャッキの油圧ホースを連結することで,複数本の連続繊維補強材を一度に緊張することができ,緊張の施工時間を短縮することができる。
プレキャスト壁高欄および床版の構造,ならびにプレキャスト壁高欄と床版との接合部を示す断面図である。 連続繊維補強材に設けられる解撚型定着構造の正面図である。 プレキャスト壁高欄を設置する前の床版を示す斜視図である。 ジャッキ・システムおよびジャッキ・システムによって緊張された連続繊維補強材を示す拡大断面図である。 変形例のプレキャスト壁高欄および床版の構造,ならびにプレキャスト壁高欄と床版の接合部を示す断面図である。
図1は高架橋梁を構成する壁高欄(防護柵)と床版との接合部を示している。
コンクリート製の床版1の幅員方向の両側部のそれぞれに,複数のプレキャスト壁高欄3が橋軸方向に並べられて立設される(図1には一方側のみが図示されている)。プレキャスト壁高欄3はコンクリート製で,あらかじめ工場において作られて架設現場に運搬される,いわゆるプレキャスト・コンクリートである。プレキャスト壁高欄3は,たとえば上面3cにおける厚さが 250mm,高さが1000mm,橋軸方向の長さが4m〜5mの寸法を持つ。もっともプレキャスト壁高欄3の寸法は,要求される強度,設置場所等に応じて適宜選択することができる。図1に示すプレキャスト壁高欄3は,前面(道路側)に勾配(傾斜面)が形成され,下部が厚くされたフロリダ型と呼ばれるものである。フロリダ型に代えて,単スロープ型,直壁型,その他の形状を採用してもよい。
プレキャスト壁高欄3の内部に,上面3cから底面(接合面)3dにかけて,プレキャスト壁高欄3の立設方向(高さ方向,縦方向)にのびる貫通孔3aが形成されている。たとえばプレキャスト壁高欄3の厚さ方向に間隔をあけて2つの貫通孔3aが形成される。プレキャスト壁高欄3の長さ方向(橋軸方向)にも間隔をあけて複数の貫通孔3aが形成される。好ましくは貫通孔3aには管状シース(図示略)が埋設され,管状シース内に空洞が確保される。後述する緊張力をプレキャスト壁高欄3に伝達しやすくするために,管状シースには,その内面に凹凸を有するスパイラル・シースを用いるのが好ましい。
床版1の両側部に複数本の連続繊維補強材2の一端部(下端部)が埋設されて固定されており,複数本の連続繊維補強材2が床版1から鉛直方向にのびている。床版1上にプレキャスト壁高欄3を立設するときに,鉛直方向にのびる複数本の連続繊維補強材2のそれぞれが,プレキャスト壁高欄3にあけられた複数の貫通孔3aのそれぞれに通され,プレキャスト壁高欄3の立設方向(高さ方向)の全体にわたって連続繊維補強材2が配置される。床版1に固定される複数本の連続繊維補強材2の数および位置は,プレキャスト壁高欄3にあけられる貫通孔3aの数および位置に合わせられる。連続繊維補強材2が通された貫通孔3aに充填されるグラウト材3bによって連続繊維補強材2は貫通孔3a内に定着され,プレキャスト壁高欄3と一体化される。
プレキャスト壁高欄3の接合面(底面)と床版1の接合面(上面)との間には高さ調整のためのスペーサー4が設置され,スペーサー4によって確保される接合面同士の隙間に樹脂モルタルまたは無収縮セメントモルタル5が敷設される。
連続繊維補強材2の両端部に,以下に詳述する解撚型定着構造2aが設けられている。連続繊維補強材2の一端部(下端部)に設けられた解撚型定着構造2aは,床版1中に埋設されている。連続繊維補強材2の他端部(上端部)に設けられた解撚型定着構造2aは,プレキャスト壁高欄3にあけられた貫通孔3a内に位置する。
図2は連続繊維補強材2の解撚型定着機構を拡大して示している。
連続繊維補強材2は,1本の心線2eと,その周囲に撚り合わされた複数本の側線2dとから構成されている。断面で見ると(図示略),連続繊維補強材2,心線2eおよび側線2dはいずれもほぼ円形の形状を持つ。また,断面で見て,連続繊維補強材2はその中心に心線2eが配置され,心線2eを取り囲むように複数本の側線2dが位置する。連続繊維補強材2はたとえば5mm〜30mm程度の直径を持つ。
心線2eおよび側線2dは,いずれも熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させた多数本たとえば数万本の長尺の連続する炭素繊維を断面円形に束ねた樹脂含有繊維束であり,連続繊維補強材2の全体には数十万本の炭素繊維が含まれる。炭素繊維のそれぞれは非常に細く,たとえば5μm〜7μmの直径を持つ。連続繊維補強材2は炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics)製のものと言うこともできる。炭素繊維に代えてアラミド繊維またはガラス繊維を用いてもよい。熱硬化性樹脂には,例えばエポキシ樹脂やビニルエステル樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂には,例えばポリカーボネートやポリ塩化ビニルが用いられる。
解撚型定着構造2aは,連続繊維補強材2を構成する撚り合わされた側線2dを所定長さ(解撚区間L)にわたって解撚し(側線2dの撚り合わせを解き),解撚によって形成される隙間(空間)に樹脂モルタルまたはセメントモルタル2cを充填したものである。解撚に先立ち,解撚区間Lの両端部が結束バンド2bによって縛られる。結束バンド2bによって挟まれた解撚区間Lにおける連続繊維補強材2が解撚され,解撚された側線2dのそれぞれが外向きに引っ張り出され,これによって解撚区間Lにおいて連続繊維補強材2を構成する心線2eおよび側線2dの間に隙間が形成される。この隙間に注入器具を用いて樹脂モルタルまたはセメントモルタル2cが注入される。解撚する際,心線2eに触れないように注意する。樹脂モルタルまたはセメントモルタル2cは所定時間を経ることで硬化する。樹脂モルタルまたはセメントモルタル2cの圧縮強度は 30〜60N/mm2程度で所定の定着性能を発揮することができる。連続繊維補強材2が緊張されても,解撚型定着構造2aはたとえば減径することはない。
解撚区間Lの長さは連続繊維補強材2の直径D1の8〜11倍程度が,望ましくは9〜12倍が望ましい。また,解撚部分の直径(解撚型定着構造2aの最も太い箇所の横断面の幅)D2は,連続繊維補強材2の直径D1の1.1〜2.0倍程度,望ましくは1.3〜1.8倍が望ましい。このような大径の寸法を有する解撚型定着構造2aを両端部に備える連続繊維補強材2を用いることで,連続繊維補強材2を床版1(コンクリート)およびプレキャスト壁高欄3(グラウト材3b)にしっかりと定着させることができる。
解撚型定着構造2aの定着メカニズムは2つの要素から構成される。1つは,解撚型定着構造2aの直径D2が連続繊維補強材2の直径D1の1.1〜2.0倍大きく,これによって解撚型定着構造2aが周囲から支圧抵抗力を受け,これによって連続繊維補強材2が埋設されたコンクリートおよびグラウト材3bに,後述する連続繊維補強材2に加えられる緊張力の反力である圧縮力(プレストレス)を,効率よく導入できることである。2つ目は,解撚型定着構造2aの表面は,側線2dが拡げられているために凹凸が著しく,表面におけるコンクリートまたはグラウト材3bの付着力が向上し,これによって,連続繊維補強材2が埋設されたコンクリートおよびグラウト材3bに,連続繊維補強材2に加えられる緊張力を効率よく伝達できることである。
もっとも,上述した解撚型定着構造2aに代えて,たとえば大径の円筒形のスリーブを圧着によって連続繊維補強材2に固定した定着構造を使用してもよい。
図3はプレキャスト壁高欄3を立設する前の床版1を示している。
上述したように,床版1には複数本の連続繊維補強材2の一端部(下端部)が,解撚型定着構造2aを含めて埋設されている。連続繊維補強材2の一端部は現場において床版1に埋設することもできるし,連続繊維補強材2の一端部が埋設された床版1を工場においてあらかじめ製造し,それを現場に搬送することもできる。
立設されるプレキャスト壁高欄3の高さを調整し,その自重をサポートするための複数のスペーサー4が,床版1の上面におけるプレキャスト壁高欄3の設置範囲に配置される。スペーサー4はセメントモルタルなどセメント系材料からつくられる直方体部材である。接着剤を用いてスペーサー4を床版1に簡易に接着してもよい。
床版1の上面のプレキャスト壁高欄3の設置範囲に樹脂モルタル5が敷設される。樹脂モルタル5は,スペーサー4の高さよりも若干高めにまで敷設され,これによってスペーサー4の全体が樹脂モルタル5によって覆われる。プレキャスト壁高欄3の底面(接合面)と樹脂モルタル5との間に隙間ができないようにするためである。好ましくは敷設された樹脂モルタル5の表面はコテ仕上げ(左官仕上げ)され,平滑にされる。
床版1から鉛直方向にのびる連続繊維補強材2の他端部の先端(上述した解撚型定着構造2aよりもさらに先端側)に緊張用定着具(ソケット)7が固定される。緊張用定着具7は金属製の筒状体であり,たとえば円筒形のスリーブ内に膨張性セメントグラウト材を充填・硬化させる,あるいは円筒形のスリーブを連続繊維補強材2に圧着させることにより連続繊維補強材2の他端部の先端にしっかりと固定される。
プレキャスト壁高欄3がクレーンによって連続繊維補強材2の高さを超える高さにまで吊りあげられる。プレキャスト壁高欄3にあけられた貫通孔3aに連続繊維補強材2を通しながら,プレキャスト壁高欄3はゆっくりと降ろされる。連続繊維補強材2の他端部の先端に固定される緊張用定着具7および解撚型定着構造2aは貫通孔3aを通過することができる大きさであるのは言うまでもない。降ろされたプレキャスト壁高欄3は,その底面(接合面)3dがスペーサー4によって支えられる。プレキャスト壁高欄3が完全に降ろされたとき,連続繊維補強材2の他端部に設けられた解撚型定着構造2aは,貫通孔3a内に位置する。上述した緊張用定着具7は,プレキャスト壁高欄3の上面から外に出る。
樹脂モルタル5の硬化が進み,所定の強度に達した後,連続繊維補強材2が緊張される。
図4は連続繊維補強材2を緊張するためのジャッキ・システム6を示している。分かりやすくするために,図4には,ジャッキ・システム6を用いて連続繊維補強材2を緊張させている様子が左側に,緊張された連続繊維補強材2がグラウト材3bによってプレキャスト壁高欄3に一体化されている様子が右側に,それぞれ示されている。
はじめにラムチェアー6aをプレキャスト壁高欄3の上面3cに設置し,その上に緊張用センターホール・ジャッキ6b,6cを設置し,さらにその上に緊張用定着具7からの支圧反力を受けるための支圧板6dを設置する。ラムチェアー6aおよびセンターホール・ジャッキ6b,6cは,その中心に連続繊維補強材2が通る貫通孔を備えており,この貫通孔に連続繊維補強材2が通される。支圧板6dは半割のもので,連続繊維補強材2を周囲から挟むようにして2つの半割の支圧板が組み合わされる。
緊張用センターホール・ジャッキ6b,6cはシリンダー6bとラム6cとから構成されるもので,油圧によってラム6cが上昇および下降する。ラム6cが上昇すると,支圧板6dを介して緊張用定着具7の下面が上向きに押され,これによって連続繊維補強材2が緊張される。所定の緊張力(引張応力)が連続繊維補強材2に加えられた後,緊張用センターホール・ジャッキ6b,6cをホールド状態に保持する。連続繊維補強材2が緊張された状態を維持しつつ,プレキャスト壁高欄3にあけられた貫通孔3aの上面開口から貫通孔3aにグラウト材3bを充填する。グラウト材3bが硬化し,所定の強度が得られた後に,ジャッキ・システム6が取り外される。最後に,プレキャスト壁高欄3の上面から突出している連続繊維補強材2の余長部分を切断し,必要に応じて切断端面に端部処理を行う。
上述したように,プレキャスト壁高欄3には複数の貫通孔3aが形成され,複数の貫通孔3aのそれぞれに連続繊維補強材2が通される。複数台のジャッキ・システム6を設置し,複数のシリンダー6bに油圧ホースを連結すれば,複数本の連続繊維補強材2を一度に緊張することができ,施工時間を短縮することができる。
連続繊維補強材2は,プレキャスト壁高欄3の立設方向の全長にわたって埋め込まれてプレキャスト壁高欄3と一体化されており,さらにプレキャスト壁高欄3と床版1との接合部を介して床版1にも埋め込まれているので,連続繊維補強材2に作用する緊張力がプレキャスト壁高欄3と床版1との接合部を含めて,プレキャスト壁高欄3および床版1に伝達され,これによってプレキャスト壁高欄3の立設方向のプレストレスが導入される。上述したように,連続繊維補強材2の両端部には大径の解撚型定着構造2aが設けられているので,連続繊維補強材2から伝達される緊張力を,プレキャスト壁高欄3,床版1およびこれらの接合部に効率よく伝達することができる。このため,プレキャスト壁高欄3と床版1の接合部に設計断面力が作用しても接合部にひび割れが発生しにくい。プレキャスト壁高欄3,床版1およびこれらの接合部には,たとえば8〜16N/mm2の緊張圧縮応力が加えることが可能である。
また,プレキャスト壁高欄3と床版1との接合部に金属材料が一切用いられてないので,金属腐食に起因するひび割れも接合部に生じることはない。
一般的なポストテンション工法ではコンクリート構造物の外側端面に金属製のアンカープレートやアンカーヘッドといった定着部が設けられる。上述した工法はこれとは全く異なるもので,(i)定着部(解撚型定着構造2a)がコンクリート構造物の内部にあるので風雨に晒されることがなく,(ii)定着部(解撚型定着構造2a)が非常にコンパクトであり, (iii)緊張作業を従来よりも簡易にかつ短時間にできる,などのメリットを有する。
また,プレキャスト壁高欄3と床版1との接合部に接合鉄筋を用いる従来工法では,錆の発生を防止するために,プレキャスト壁高欄3と床版1の接合部において,被りコンクリート厚を厚くとることが行われているが,本発明工法では,接合部に鉄筋が一切用いられていないので錆の発生を考慮する必要がなく,被りコンクリート厚さを薄くすることが可能である。プレキャスト壁高欄3と床版1の接合作業において最も時間を要しているのは接合部の打ち継ぎ作業であり,上述した工法はこの時間を短縮することができ,したがって現地作業時間を大幅に短縮することができる。さらに,錆の発生防止のためのメインテナンスも当然に不要であるので,経済的である。
図5は別の実施例を示すもので,図1に相当する断面図を示している。
床版1の上面(接合面)に凹部9bが形成され,かつプレキャスト壁高欄3の底面(接合面)3dに凸部(せん断キー)9aが形成され,凹部9bに凸部9aが嵌め込まれている。床版1の接合面とプレキャスト壁高欄3の接合面の間には,凹部9bおよび凸部9aを含めて樹脂モルタル5が敷設される。車両衝突時においてプレキャスト壁高欄3と床版1との接合部に働く応力(断面力)は曲げモーメントが主要であるが,同時にせん断力も作用する。上述したように,プレキャスト壁高欄3から床版1にかけてプレキャスト壁高欄3の立設方向のプレストレス(圧縮応力)が導入されているので,接合部にせん断力が作用した場合,接合部には上記圧縮応力による摩擦抵抗が発生し,この摩擦抵抗がせん断抵抗力として作用する。さらに,上述したようにせん断キーを設けておくことによって,接合部にせん断力が作用したときのせん断耐力をより高めることができる。
連続繊維補強材2の両端部には,上述したように大径の解撚型定着構造2aが設けられているので,連続繊維補強材2に緊張による引張力が作用すると,解撚型定着構造2aの近傍のコンクリートにおいてフープテンションの応力が発生し,解撚型定着構造2aの近傍のコンクリートにひび割れが生じることがある。図5に示すように,解撚型定着構造2aの近傍におけるコンクリート中に,連続繊維補強材製のスパイラル筋8を埋め込んでおくとよい。フープテンションに起因するプレキャスト壁高欄3および床版1のひび割れを防止することができる。
上述した実施例においてプレキャスト壁高欄3に形成されている貫通孔3aは鉛直方向を向いている。フロリダ型のプレキャスト壁高欄3は,その前面(車道側)が傾斜しているので,車道側に形成される貫通孔3aについては,プレキャスト壁高欄3の前面の傾斜に沿って斜めに形成してもよい。このように貫通孔3aを斜めに形成し,そこに連続繊維補強材2を通すことによって,(i)接合部に作用する曲げモーメントに対する抵抗モーメントが増大する,(ii)橋軸方向に並ぶ複数のプレキャスト壁高欄3同士を連結するために橋軸方向に設けられる配力筋(図示略)が配置しやすくなる,などのメリットがある。
上述した実施例では,プレキャスト壁高欄3と床版1との接合部に樹脂モルタル5が敷設されているが,樹脂モルタル5に代えて無収縮セメントモルタルを使用することもできる。無収縮セメントモルタルは,流動性が高く,硬化収縮がないので,プレキャスト壁高欄3と床版1との間に設けられる接合材として適している。施工方法は次のとおりである。(1)床版1の上面のプレキャスト壁高欄3の設置範囲の周辺に止水テープを貼る。(2)上記設置範囲内にスペーサー4を設置し,その後プレキャスト壁高欄3を吊り降ろす。(3)無収縮セメントモルタルを,プレキャスト壁高欄3の貫通孔3aに通される注入ホースを介して,接合部の空間に充填する。無収縮セメントモルタルをプレキャスト壁高欄3と床版1との接合部に用いるメリットは,(i)接合部に隙間なく均一に充填できること,(ii)樹脂モルタル5のように技能を要するコテ仕上げをする必要がない,等がある。
上述した接合構造は,プレキャスト壁高欄3と床版1との接合に限定されることなく,一般的なプレキャスト部材の桁部材相互,床版部材相互,また柱部材相互など,あらゆるコンクリート部材の接合に応用することができる。
1 床版
2 連続繊維補強材
2a 解撚型定着構造
2c 樹脂モルタルまたはセメントモルタル
2d 側線
2e 心線
3 プレキャスト壁高欄
3a 貫通孔
3b グラウト材
4 スペーサー
5 樹脂モルタル
6 ジャッキ・システム

Claims (9)

  1. 第1のコンクリート部材と上記第1のコンクリート部材に接合された第2のプレキャスト・コンクリート部材とを備えるコンクリート構造物であって,
    両端部に大径の定着構造を備え,緊張させた連続繊維補強材の一端部が,上記定着構造を含めて上記第1のコンクリート部材に埋設されており,上記連続繊維補強材の他端部が,上記定着構造を含めて上記第2のプレキャスト・コンクリート部材に埋設されており,
    緊張させた連続繊維補強材の緊張力が,プレストレスとして上記第1のコンクリート部材,第2のプレキャスト・コンクリート部材およびこれらの接合部に導入されている,
    コンクリート構造物。
  2. 上記連続繊維補強材が複数本の連続繊維束を撚り合わせたものであり,
    上記連続繊維補強材の両端部の上記定着構造が,所定長さにわたって上記連続繊維束の撚り合わせが解かれることで形成される空間に樹脂モルタルまたはセメントモルタルを充填した解撚型定着構造を備えている,
    請求項1に記載のコンクリート構造物。
  3. 上記第2のプレキャスト・コンクリート部材の内部に貫通孔が形成されており,
    上記貫通孔に上記連続繊維補強材が通され,かつグラウト材が充填されている,
    請求項1または2に記載のコンクリート構造物。
  4. 上記第1のコンクリート部材の接合面と上記第2のプレキャスト・コンクリート部材の接合面との間に樹脂モルタルまたは無収縮セメントモルタルが挟まれている,
    請求項1から3のいずれか一項に記載のコンクリート構造物。
  5. 上記第1のコンクリート部材の接合面に凹部が形成され,かつ上記第2のプレキャスト・コンクリート部材の接合面に上記凹部に係合する凸部が形成されている,
    請求項1から4のいずれか一項に記載のコンクリート構造物。
  6. 上記解撚型定着構造の近傍において,上記連続繊維補強材の周囲に連続繊維補強材製のスパイラル筋が設けられている,
    請求項2に記載のコンクリート構造物。
  7. 両端部に大径の定着構造が設けられた連続繊維補強材の一端部が,上記定着構造を含めて埋設された第1のコンクリート部材を準備し,
    上記大径の定着構造を含む上記連続繊維補強材の通過を許す大きさの貫通孔が形成された第2のプレキャスト・コンクリート部材を準備し,
    第2のプレキャスト・コンクリート部材が接合される範囲の上記第1のコンクリート部材上に樹脂モルタルを敷設し,
    上記第1のコンクリート部材から外に出ている上記連続繊維補強材を上記第2のプレキャスト・コンクリート部材にあけられた上記貫通孔に通しながら,上記第1のコンクリート部材上に敷設された樹脂モルタル上に上記第2のプレキャスト・コンクリート部材を配置し,
    樹脂モルタルが所定強度に達した後,上記第2のプレキャスト・コンクリート部材の上記貫通孔から外に出ている上記連続繊維補強材の先端部に設けられた定着具と,ジャッキ・システムとを利用して上記連続繊維補強材を緊張し,
    上記貫通孔内にグラウト材を注入し,
    グラウト材が所定強度に達した後,上記ジャッキ・システムを取り外し,上記第2のプレキャスト・コンクリート部材から外に出ている連続繊維補強材の余長部分を切断する,
    コンクリート部材の接合方法。
  8. 両端部に大径の定着構造が設けられた連続繊維補強材の一端部が,上記定着構造を含めて埋設された第1のコンクリート部材を準備し,
    上記大径の定着構造を含む上記連続繊維補強材の通過を許す大きさの貫通孔が形成された第2のプレキャスト・コンクリート部材を準備し,
    第2のプレキャスト・コンクリート部材が接合される範囲の上記第1のコンクリート部材上にスペーサーを配置し,
    上記第2のプレキャスト・コンクリート部材を吊り上げ,上記第1のコンクリート部材上から外に出ている上記連続繊維補強材を上記第2のプレキャスト・コンクリート部材にあけられた上記貫通孔に通しながら,上記第2のプレキャスト・コンクリート部材を降下させ,上記第1のコンクリート部材上に配置されたスペーサー上に配置し,
    上記スペーサーによって形成される上記第2プレキャスト・コンクリート部材と上記第1のコンクリート部材との間の隙間に無収縮コンクリートモルタルを充填し,
    無収縮コンクリートモルタルが所定強度に達した後,上記第2のプレキャスト・コンクリート部材の上面から外に出ている上記連続繊維補強材の先端に設けられた定着具と,上記第2のプレキャスト・コンクリート部材の上面に設置されるジャッキ・システムとを利用して上記連続繊維補強材を緊張し,
    上記貫通孔内にグラウト材を注入し,
    グラウト材が所定強度に達した後,上記ジャッキ・システムを取り外し,上記第2のプレキャスト・コンクリート部材の上面から外に出ている連続繊維補強材の余長部分を切断する,
    コンクリート部材の接合方法。
  9. 上記連続繊維補強材が複数本の連続繊維束を撚り合わせたものであり,
    上記連続繊維補強材の両端部の上記定着構造が,所定長さにわたって上記連続繊維束の撚り合わせが解かれることで形成される空間に樹脂モルタルまたはセメントモルタルを充填した解撚型定着構造を備えている,
    請求項7または8に記載のコンクリート部材の接合方法。
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