JP2013121042A - 衛星受信用コンバータおよびその製造方法、ならびに性能測定治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】性能測定治具によって高い精度で安定して性能を測定されることが可能な衛星受信用コンバータを得る。
【解決手段】性能測定治具60を使用して性能が測定される衛星受信用コンバータ101であって、導波管10と、導波管10に連結されるフィードホーン20とを備え、導波管10は、性能測定治具60がフィードホーン20の内部に差し込まれた状態において性能測定治具60に当接する当接部11を含み、性能測定治具60がフィードホーン20の内部に差し込まれた状態においては、導波管10の当接部11と性能測定治具60の当接部62とが互いに当接することによって測定用導波空間70が形成され、導波管10とフィードホーン20との間の連結部は測定用導波空間70の外部に位置している。
【選択図】図18
【解決手段】性能測定治具60を使用して性能が測定される衛星受信用コンバータ101であって、導波管10と、導波管10に連結されるフィードホーン20とを備え、導波管10は、性能測定治具60がフィードホーン20の内部に差し込まれた状態において性能測定治具60に当接する当接部11を含み、性能測定治具60がフィードホーン20の内部に差し込まれた状態においては、導波管10の当接部11と性能測定治具60の当接部62とが互いに当接することによって測定用導波空間70が形成され、導波管10とフィードホーン20との間の連結部は測定用導波空間70の外部に位置している。
【選択図】図18
Description
本発明は、衛星受信用コンバータおよびその製造方法、ならびに性能測定治具に関し、特に、衛星から送信された電波を受信する衛星受信用コンバータおよびその製造方法、ならびにその衛星受信用コンバータを製造する際に使用される性能測定治具に関する。
特開2004−120348号公報(特許文献1)に開示されるように、衛星から送信された電波を受信するために、衛星受信用コンバータ(LNB:Low Noise Block down Converterとも称される)が使用される。衛星受信用コンバータは、パラボラアンテナの一次放射器として使用される。
衛星受信用コンバータは、本体部(シャーシ)と、導波管と、フィードホーンとを備える。衛星受信用コンバータが作製される際、一般的には、本体部、導波管、およびフィードホーンのすべてが一体的に成型される。この他にも、本体部と導波管とが互いに一体的に成型され、その導波管にフィードホーンが取り付けられる場合もある。さらに、導波管とフィードホーンとが互いに一体的に成型され、その導波管が本体部に対して取り付けられる場合もある。
特開2002−243429号公報(特許文献2)に開示されるように、作製された衛星受信用コンバータの性能を測定するためには、試験用の性能測定治具を備えた導波管測定装置が使用される。性能測定治具を用いて導波管の寸法精度が測定されることによって、衛星受信用コンバータの性能を測定することが可能となる。
本発明は、性能測定治具によって高い精度で安定して性能を測定されることが可能な衛星受信用コンバータおよびその製造方法、ならびにその衛星受信用コンバータの性能を測定する際に使用される性能測定治具を提供することを目的とする。
本発明に基づく衛星受信用コンバータは、性能測定治具を使用して性能が測定される衛星受信用コンバータであって、導波管と、上記導波管に連結されるフィードホーンと、を備え、上記導波管は、上記性能測定治具が上記フィードホーンの内部に差し込まれた状態において上記性能測定治具に当接する第1当接部を含み、上記性能測定治具が上記フィードホーンの上記内部に差し込まれた状態においては、上記導波管の上記第1当接部と上記性能測定治具の第2当接部とが互いに当接することによって測定用導波空間が形成され、上記導波管と上記フィードホーンとの間の連結部は上記測定用導波空間の外部に位置している。好ましくは、上記導波管の上記第1当接部は、上記フィードホーンが上記導波管に連結された状態においては上記連結部よりも上記フィードホーンの上記内部寄りに位置する。
本発明に基づく性能測定治具は、本発明に基づく上記の衛星受信用コンバータの上記導波管の性能を測定する上記性能測定治具であって、上記第1当接部に当接する上記第2当接部を備える。本発明に基づく衛星受信用コンバータの製造方法は、本発明に基づく上記の性能測定治具を使用し、上記第1当接部と上記第2当接部とを互いに当接させた状態で、上記導波管を検査する工程を備える。
本発明によれば、性能測定治具によって高い精度で安定して性能を測定されることが可能な衛星受信用コンバータおよびその製造方法、ならびにその衛星受信用コンバータの性能を測定する際に使用される性能測定治具を得ることができる。
[比較例]
本発明に基づいた実施の形態について説明する前に、本発明に関する比較例について、以下、図面を参照しながら説明する。比較例の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
本発明に基づいた実施の形態について説明する前に、本発明に関する比較例について、以下、図面を参照しながら説明する。比較例の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
図1〜図3を参照して、比較例における衛星受信用コンバータユニット200について説明する。図1は、衛星受信用コンバータユニット200を示す正面図である。図2は、衛星受信用コンバータユニット200を示す平面図であり、図1中の矢印II方向から見た図である。図3は、衛星受信用コンバータユニット200(衛星受信用コンバータ201)を示す断面図であり、図1中のIII−III線に沿った矢視断面図である。
図1および図2に示すように、衛星受信用コンバータユニット200は、衛星受信用コンバータ201〜203およびシャーシ240(本体部)を備える。衛星受信用コンバータ201〜203は、シャーシ240の表面から所定の角度で起立するように設けられる。
衛星受信用コンバータ201〜203は、導波管210、フィードホーン220(一次放射器)、およびフィードホーンキャップ230をそれぞれ含む。導波管210は、シャーシ240と一体的に成型される。換言すると、導波管210は、シャーシ240の一部として構成されている。導波管210は、シャーシ240とは別体的に成型され、その後導波管210およびシャーシ240が互いに一体化されてもよい。比較例のフィードホーン220は、シャーシ240と一体的に成型された導波管210に連結される。
フィードホーンキャップ230は、フィードホーン220をその先端側から覆うように設けられる。フィードホーン220の外周面とフィードホーンキャップ230の内周面との間には、防水用のOリングが設けられる。
シャーシ240の裏面側には、シャーシカバー250が設けられる。シャーシ240の下部には、複数のコネクター254が設けられる。シャーシ240の内部には、回路基板等が設けられる。コネクター254は、シャーシ240の内部に設けられた回路基板に接続された状態で、外部に露出している。フィードホーン220から入力された電波は、導波管210の内部を経由してシャーシ240内部の回路基板に入力され、コネクター254から出力される。
図3に示すように、導波管210は、略直管状に形成される。導波管210は、内周面212を有している。導波管210の先端部寄りの外表面には、雄ネジ部214が形成される。雄ネジ部214は、フィードホーン220に形成された雌ネジ部224に対応している。
図4は、図1に示す衛星受信用コンバータユニット200からフィードホーンキャップ230(図4において図示せず)を取り外した状態の正面図である。図5は、図2に示す衛星受信用コンバータユニット200からフィードホーンキャップ230(図5において図示せず)およびシャーシカバー250(図5において図示せず)をそれぞれ取り外した状態の平面図である。
図3〜図5に示すように、フィードホーン220が導波管210に連結された状態において、フィードホーン220の内部は、導波管210の内部に連通している。フィードホーン220は、同心円状に配置された複数の環状リブ223を有する。フィードホーン220は、導波管210との連結部に連続する内周面222を有する。内周面222は、導波管210との連結部から遠ざかるにつれて外側に広がるようにテーパー状に形成される。
図6は、フィードホーン220が導波管210に連結される際の様子を示す平面図である。図7は、フィードホーン220が導波管210に連結される際の様子を示す断面図であり、図6中のVII−VII線に沿った矢視断面図である。図6および図7に示すように、フィードホーン220は、雌ネジ部224が雄ネジ部214に螺合することによって、導波管210の先端部215に連結される(矢印AR11参照)。
図8は、互いに連結されたフィードホーン220と導波管210とを拡大して示す断面図である。フィードホーン220と導波管210とが互いに連結された状態においては、フィードホーン220の内周面222に隣接するように設けられた段部225と導波管210の先端部215とが互いに当接する。フィードホーン220の段部225と導波管210の先端部215との相互の当接によって、この当接した部分には境界280(連結部)が形成される。
図9を参照して、衛星受信用コンバータ201においては、導波管210の寸法精度(加工精度)によって、導波管210としての性能(偏波特性等)が決定される。衛星受信用コンバータ202,203(図1等参照)においても同様である。導波管210の寸法精度を測定するためには、導波管測定装置(図示せず)が使用される。導波管210の寸法精度が測定される際には、フィードホーンキャップ230(図3等参照)がフィードホーン220から取り外された状態で、次述する性能測定治具260が使用される。
図9に示すように、導波管210の寸法精度(性能)を測定する際に使用される性能測定治具260は、外周面262、段部263、および導波部264を備える。導波部264は、後端部266から先端部265に向かって貫設される。後端部266には、ネジ止めに用いられる複数の雌ネジ267が設けられる。雌ネジ267を利用して、導波管測定装置を構成する所定の部材が固定される。
性能測定治具260先端部265側の外周面262は、先端部265に近づくにつれて縮径するようにテーパー状に形成される。外周面262の形状は、フィードホーン220の内周面222の形状に対応している。段部263は、外周面262の後端に連続している。段部263は、フィードホーン220の環状リブ223の形状に対応している。
衛星受信用コンバータ201(導波管210)の性能が測定される際には、性能測定治具260が衛星受信用コンバータ201(フィードホーン220)に取り付けられる(矢印AR21参照)。性能測定治具260がフィードホーン220に取り付けられた状態(性能測定治具260がフィードホーン220の内部に差し込まれた状態)においては、性能測定治具260の導波部264と、フィードホーン220の内周面226と、導波管210の内周面212とによって、測定用導波空間270が形成される。
この状態で、導波管測定装置(図示せず)が、性能測定治具260の導波部264に試験用電波を入力する。試験用電波は、測定用導波空間270を経由してシャーシ240(図3等参照)内部の回路基板に入力され、コネクター254から出力される。コネクター254から出力された信号は、所定の測定装置(図示せず)に入力される。当該測定装置に入力された値に基づいて、導波管210の寸法精度が測定されるとともに、衛星受信用コンバータ201としての性能(偏波特性等)が測定される。衛星受信用コンバータ202,203(図1等参照)についても同様である。
図9に示すように、性能測定治具260がフィードホーン220に差し込まれた際、導波管210とフィードホーン220との間に形成される境界280(連結部)は、測定用導波空間270の内部に露出している。境界280の存在によって、測定用導波空間270を通過する試験用電波にノイズが発生する。したがって、比較例における衛星受信用コンバータ201〜203(図1参照)を備える衛星受信用コンバータユニット200(図1参照)においては、境界280の存在が起因となって、性能測定治具によって高い精度で安定して性能を測定されることは困難である。
境界280に生じる間隙を限りなくゼロにしようとした場合(導波管210とフィードホーン220とを互いに密着させようとした場合)であっても、フィードホーン220を導波管210に対して高精度で取り付ける必要があり、境界280は、寸法公差または製作誤差などの関係からも、実質的にゼロにすることは困難である。
[実施の形態]
本発明に基づいた実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
本発明に基づいた実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
図10〜図12を参照して、実施の形態における衛星受信用コンバータユニット100について説明する。図10は、衛星受信用コンバータユニット100を示す正面図である。図11は、衛星受信用コンバータユニット100を示す平面図であり、図10中の矢印XI方向から見た図である。図12は、衛星受信用コンバータユニット100(衛星受信用コンバータ101)を示す断面図であり、図10中のXII−XII線に沿った矢視断面図である。
図10および図11に示すように、衛星受信用コンバータユニット100は、衛星受信用コンバータ101,102およびシャーシ40(本体部)を備える。衛星受信用コンバータ101,102は、シャーシ40の表面から所定の角度で起立するように設けられる。
衛星受信用コンバータ101,102は、導波管10、フィードホーン20(一次放射器)、およびフィードホーンキャップ30をそれぞれ含む。導波管10は、シャーシ40と一体的に成型される。換言すると、導波管10は、シャーシ40の一部として構成されている。導波管10は、シャーシ40とは別体的に成型され、その後導波管10およびシャーシ40が互いに一体化されてもよい。実施の形態のフィードホーン20は、シャーシ40と一体的に成型された導波管10に連結される。
フィードホーンキャップ30は、フィードホーン20をその先端側から覆うように設けられる。フィードホーン20の外周面とフィードホーンキャップ30の内周面との間には、防水用のOリングが設けられる。
シャーシ40の裏面側には、シャーシカバー50が設けられる。シャーシ40の下部には、複数のコネクター54が設けられる。シャーシ40の内部には、回路基板等が設けられる。コネクター54は、シャーシ40の内部に設けられた回路基板に接続された状態で、外部に露出している。フィードホーン20から入力された電波は、導波管10の内部を経由してシャーシ40内部の回路基板に入力され、コネクター54から出力される。
図12に示すように、導波管10は、略直管状に形成される。導波管10は、内周面12を有している。導波管10の先端部寄りの外表面には、雄ネジ部14が形成される。雄ネジ部14は、フィードホーン20に形成された雌ネジ部24に対応している。
図13は、図10に示す衛星受信用コンバータユニット100からフィードホーンキャップ30(図13において図示せず)を取り外した状態の正面図である。図14は、図11に示す衛星受信用コンバータユニット100からフィードホーンキャップ30(図14において図示せず)およびシャーシカバー50(図14において図示せず)をそれぞれ取り外した状態の平面図である。
図12〜図14に示すように、フィードホーン20が導波管10に連結された状態において、フィードホーン20の内部は、導波管10の内部に連通している。フィードホーン20は、同心円状に配置された複数の環状リブ23を有する。
詳細は後述されるが、導波管10は、当接部11(第1当接部)を含む。導波管10の当接部11は、フィードホーン20が導波管10に連結された状態においては境界80(図17を参照して後述する)よりもフィードホーン20の内部寄りに位置する。当接部11は、性能測定治具60(図18を参照して後述する)がフィードホーン20の内部に差し込まれた状態においては、性能測定治具60(当接部62)に当接する。
図15は、フィードホーン20が導波管10に連結される際の様子を示す平面図である。図16は、フィードホーン20が導波管10に連結される際の様子を示す断面図であり、図15中のXVI−XVI線に沿った矢視断面図である。図15および図16に示すように、フィードホーン20は、雌ネジ部24が雄ネジ部14に螺合することによって、導波管10の先端に連結される(矢印AR1参照)。
図17は、互いに連結されたフィードホーン20と導波管10とを拡大して示す断面図である。フィードホーン20と導波管10とが互いに連結された状態においては、フィードホーン20の内周に設けられた段部25と、導波管10の外周(特に、雄ネジ部14と当接部11との間)に設けられた段部15とが互いに当接する。フィードホーン20の段部25と導波管10の段部15との相互の当接によって、この当接した部分には境界80(連結部)が形成される。
導波管10の先端の環状壁部13は、フィードホーン20が連結される側に向かって延在(突出)するように設けられている。境界80は、導波管10の環状壁部13の外側に位置しており、内周面12側には露出していない。環状壁部13の先端に形成された当接部11は、フィードホーン20が導波管10に連結された状態においては、境界80(連結部)よりもフィードホーン20の内部寄りに位置する。当接部11は、性能測定治具60(図18を参照して後述する)がフィードホーン20の内部に差し込まれた状態においては、性能測定治具60(当接部62)に当接する。
図18を参照して、衛星受信用コンバータ101においては、導波管10の寸法精度(加工精度)によって、導波管10としての性能(偏波特性等)が決定される。衛星受信用コンバータ102(図10等参照)においても同様である。導波管10の寸法精度を測定するためには、導波管測定装置(図示せず)が使用される。導波管10の寸法精度が測定される際には、フィードホーンキャップ30(図12等参照)がフィードホーン20から取り外された状態で、次述する性能測定治具60が使用される。
図18に示すように、導波管10の寸法精度(性能)を測定する際に使用される性能測定治具60は、当接部62(第2当接部)、段部63、および導波部64を備える。導波部64は、後端部66から先端部65に向かって貫設される。後端部66には、ネジ止めに用いられる複数の雌ネジ67が設けられる。雌ネジ67を利用して、導波管測定装置を構成する所定の部材が固定される。
当接部62は、性能測定治具60の先端部65の表面において環状に凹設される。当接部62の形状は、導波管10の当接部11の形状に対応している。段部63は、性能測定治具60の外周面における先端部65と後端部66との間に設けられる。段部63は、フィードホーン20の環状リブ23の形状に対応している。
衛星受信用コンバータ101(導波管10)の性能が測定される際には、性能測定治具60が衛星受信用コンバータ101(フィードホーン20)に取り付けられる(矢印AR2参照)。性能測定治具60がフィードホーン20に取り付けられた状態(性能測定治具60がフィードホーン20の内部に差し込まれた状態)においては、性能測定治具60の当接部62と導波管10の当接部11とが互いに当接する。性能測定治具60の導波部64と、導波管10の内周面12とによって、測定用導波空間70が形成される。フィードホーン20の内周面26は、測定用導波空間70の外部に位置している。
この状態で、導波管測定装置(図示せず)が、性能測定治具60の導波部64に試験用電波を入力する。試験用電波は、測定用導波空間70を経由してシャーシ40(図12等参照)内部の回路基板に入力され、コネクター54から出力される。コネクター54から出力された信号は、所定の測定装置(図示せず)に入力される。当該測定装置に入力された値に基づいて、導波管10の寸法精度が測定されるとともに、衛星受信用コンバータ101としての性能(偏波特性等)が測定される。衛星受信用コンバータ102(図10等参照)についても同様である。
図18に示すように、性能測定治具60がフィードホーン20に差し込まれた際、フィードホーン20の内周面26、および、導波管10とフィードホーン20との間に形成された境界80(連結部)(図17参照)は、測定用導波空間70の内部には露出しておらず、測定用導波空間70の外部に位置している。境界80によって、測定用導波空間70を通過する試験用電波にノイズが発生することはない。したがって、実施の形態における衛星受信用コンバータ101,102(図10参照)を備える衛星受信用コンバータユニット100(図10参照)においては、性能測定治具によって高い精度で安定して性能を測定されることが可能となる。
また、衛星受信用コンバータ101,102においては、導波管10とフィードホーン20とを互いに所定の強度で密着させればよいため、比較例における衛星受信用コンバータ201〜203に比べて容易に組み立てることができる。また、衛星受信用コンバータ101,102においては、比較例における衛星受信用コンバータ201〜203に比べてフィードホーン20を導波管10に対して高精度で取り付ける必要もないため、製造上の都合もよい。
(衛星受信用コンバータの製造方法)
実施の形態における衛星受信用コンバータ101,102の製造方法は、導波管10(図12等参照)を構成する部材を製造する工程を備える。上述のとおり、導波管10は、必要に応じてシャーシ40(図12等参照)の一部として製造される。図19は、導波管10を含むシャーシ40を製造する工程を示すフロー図である。以下、図19を参照して、導波管10を含むシャーシ40を製造する各工程について説明する。
実施の形態における衛星受信用コンバータ101,102の製造方法は、導波管10(図12等参照)を構成する部材を製造する工程を備える。上述のとおり、導波管10は、必要に応じてシャーシ40(図12等参照)の一部として製造される。図19は、導波管10を含むシャーシ40を製造する工程を示すフロー図である。以下、図19を参照して、導波管10を含むシャーシ40を製造する各工程について説明する。
シャーシ40(図12等参照)を製造するため、まず鋳造工程(S110)が実施される。鋳造工程(S110)においては、シャーシ40を製造するための鋳型(金型)が準備される。この鋳型に、溶融した金属(アルミニウムなど)が流し込まれる。溶融した金属が凝固することによって、シャーシ40となる部材が作製される。作製されたシャーシ40となる部材には、導波管10(図12等参照)を含む基本的な構造が形成される。導波管10には、別途準備されたフィードホーン20が連結される。
鋳造工程(S110)の後、第1検査工程(S120)が実施される。具体的には、図18に示す性能測定治具60が、図18を参照して上述したように、フィードホーン20に取り付け固定される。導波管10の当接部11と性能測定治具60の当接部62とを互いに当接させた状態で、試験用電波が性能測定治具60からシャーシ40となる部材の導波管10へと入力される。導波管10の変形および歪みの有無が検査される。当該検査は、鋳造工程(S110)によって製造された部材の全数について行なわれる。
導波管10において変形などが発生した部材(不良品)が見つかった場合、その不良品は分別され、製造工程から外される。良品(導波管10に変形の発生していない部材)と判断された部材のみが、次述するプレス工程(S130)に送られる。
プレス工程(S130)においては、第1検査工程(S120)において良品と判断された部材に対してプレス加工が行なわれる。プレス工程(S130)においては、たとえばゲートカット工程が実施される。この際、鋳造工程(S110)によっては作り込みが困難な複雑な形状、または、高い寸法精度が求められるような形状が、シャーシ40となる部材に合わせて形成されてもよい。
プレス工程(S130)の後、第2検査工程(S140)が実施される。第2検査工程(S140)は、プレス工程(S130)が実施された部材の全数に対して実施される。第1検査工程(S120)と同様に、第2検査工程(S140)においても、図18に示す性能測定治具60が使用される。不良品と判断された部材は分別され、良品と判断された部材のみが、次述するバリ取り工程(S150)に送られる。
バリ取り工程(S150)においては、鋳造工程(S110)またはプレス工程(S130)においてシャーシ40(図12等参照)となるべき部材に形成されたバリが切断される。バリ取り工程(S150)の後、第3検査工程(S160)が実施される。第3検査工程(S160)も、バリ取り工程(S150)が実施された部材の全数に対して実施される。第1検査工程(S120)と同様に、第3検査工程(S160)においても、図18に示す性能測定治具60が使用される。不良品と判断された部材は分別され、良品と判断された部材のみが、次述する機械加工工程(S170)に送られる。
機械加工工程(S170)においては、シャーシ40となるべき部材が、必要に応じて部分的に切削される。機械加工工程(S170)の後、第4検査工程(S180)が実施される。第4検査工程(S180)も、機械加工工程(S170)が実施された部材の全数に対して実施される。第1検査工程(S120)と同様に、第4検査工程(S180)においても、図18に示す性能測定治具60が使用される。不良品と判断された部材は分別され、良品と判断された部材のみが、次述するアロジン工程(S190)に送られる。
アロジン工程(S190)においては、シャーシ40の表面に、表面処理としてのアロジン加工が実施される。アロジン工程(S190)の後、第5検査工程(S200)が実施される。第5検査工程(S200)も、アロジン工程(S190)が実施された部材の全数に対して実施される。第1検査工程(S120)と同様に、第5検査工程(S200)においても、図18に示す性能測定治具60が使用される。不良品と判断された部材は分別され、良品と判断された部材のみが、次述する組立工程(S210)に送られる。
組立工程(S210)においては、シャーシ40を構成する部材に、シャーシ40を構成するために必要な所定の部品が組み付けられる。組立工程(S210)の後、第6検査工程(S220)が実施される。第6検査工程(S220)も、組立工程(S210)が実施された部材の全数に対して実施される。第1検査工程(S120)と同様に、第6検査工程(S220)においても、図18に示す性能測定治具60が使用される。不良品と判断されたシャーシ40は分別される。良品と判断されたシャーシ40のみが、衛星受信用コンバータ101,102の構成部材として利用される。
シャーシ40に回路基板が内蔵された状態で、Oリング、フィードホーンキャップ30、コネクター54、およびシャーシカバー50などの各部品がシャーシ40にそれぞれ組み付けられることによって、衛星受信用コンバータ101,102を備える衛星受信用コンバータユニット100が得られる。
シャーシ40(図12等参照)の製造工程において、各工程が終了した後にそれぞれ第1〜第6検査工程(S120、S140、S160、S180、S200、S220)をそれぞれ行なうことにより、次工程へと不良品が送り込まれることを確実に防止できる。
たとえば、鋳造工程(S110)においては、金型などから鋳造後の部材が取り出される。この際、シャーシ40となるべき部材の導波管10(図12等参照)が金型と接触することにより、導波管10においてかじりまたは変形などの不良が発生することがある。この場合、第1検査工程(S120)において、不良が発生した導波管10を有する部材は検出および分別される。
プレス工程(S130)においては、鋳造された部材(部品)に対してゲートカットまたはその他のプレス工程が行なわれる。この際、導波管10(図12等参照)に変形歪みが生じる場合がある。この場合にも、第2検査工程(S140)において、不良が発生した導波管10を有する部材は検出および分別される。
バリ取り工程(S150)およびアロジン工程(S190)においては、加工対象であるシャーシ40となるべき部材が他の部材と接触し、当該接触によってシャーシ40となるべき部材の導波管10が変形することがある。この場合にも、第3検査工程(S160)または第5検査工程(S200)において、不良が発生した導波管10を有する部材は検出および分別される。
図19に示す各工程の実施場所へとシャーシ40となるべき部材(半製品)を搬送する場合、またはこの部材を仮置きする場合にも、部材の導波管10に何らかの応力が加わって導波管10が歪むことがある。この場合であっても、衛星受信用コンバータ101,102となるべき部材を加工する各工程の後に、加工対象である部材の全数について、その部材の導波管10についての検査工程が実施されることによって、導波管10が変形したような衛星受信用コンバータ101,102が製造されることを確実に防止できる。導波管10が歪んだような不良品が最終的な製品として流出することを確実に防止できる。
以上、本発明に基づいた実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,210 導波管、11 当接部(第1当接部)、12,26,212,222,226 内周面、13 環状壁部、14,214 雄ネジ部、15,25,63,225,263 段部、20,220 フィードホーン、23,223 環状リブ、24,224 雌ネジ部、30,230 フィードホーンキャップ、40,240 シャーシ、50,250 シャーシカバー、54,254 コネクター、60,260 性能測定治具、62 当接部(第2当接部)、64,264 導波部、65,215,265 先端部、66,266 後端部、67,267 雌ネジ、70,270 測定用導波空間、80,280 境界(連結部)、100,200 衛星受信用コンバータユニット、101,102,201,202,203 衛星受信用コンバータ、262 外周面、AR1,AR2,AR11,AR21 矢印。
Claims (4)
- 性能測定治具を使用して性能が測定される衛星受信用コンバータであって、
導波管と、
前記導波管に連結されるフィードホーンと、を備え、
前記導波管は、前記性能測定治具が前記フィードホーンの内部に差し込まれた状態において前記性能測定治具に当接する第1当接部を含み、
前記性能測定治具が前記フィードホーンの前記内部に差し込まれた状態においては、前記導波管の前記第1当接部と前記性能測定治具の第2当接部とが互いに当接することによって測定用導波空間が形成され、前記導波管と前記フィードホーンとの間の連結部は前記測定用導波空間の外部に位置している、
衛星受信用コンバータ。 - 前記導波管の前記第1当接部は、前記フィードホーンが前記導波管に連結された状態においては前記連結部よりも前記フィードホーンの前記内部寄りに位置する、
請求項1に記載の衛星受信用コンバータ。 - 請求項1または2に記載の前記衛星受信用コンバータの前記導波管の性能を測定する前記性能測定治具であって、
前記第1当接部に当接する前記第2当接部を備える、
性能測定治具。 - 請求項3に記載の前記性能測定治具を使用し、前記第1当接部と前記第2当接部とを互いに当接させた状態で、前記導波管を検査する工程を備える、
衛星受信用コンバータの製造方法。
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JP2011267627A JP2013121042A (ja) | 2011-12-07 | 2011-12-07 | 衛星受信用コンバータおよびその製造方法、ならびに性能測定治具 |
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2011
- 2011-12-07 JP JP2011267627A patent/JP2013121042A/ja active Pending
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