JP2013120879A - 光検知素子及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 量子ドットの繰返し単位の数を増やすことなく、光検知素子の性能向上を図る。
【解決手段】 活性層が、半導体からなるバリア層、及びバリア層内に分布し、該バリア層よりもバンドギャップの狭い半導体からなる複数の量子ドットを含む。活性層を挟むように、活性層の不純物濃度よりも大きな不純物濃度を有する半導体からなる一対のスペーサ層が配置されている。活性層及び一対のスペーサ層からなる積層構造に、厚さ方向に電流を流すための電極が配置されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、量子ドットを用いた光検知素子及び撮像装置に関する。
近年、10μm帯の赤外線を検知する赤外線検知素子として、量子ドットを用いた光検知素子が注目されている。この光検知素子は、例えばAlGaAsからなるバリア層内に、複数のInAs量子ドットが分布する活性層を含む。この光検知素子に赤外線が入射すると、量子ドットの伝導帯側の量子準位に捕獲されていた電子が、バリア層の伝導帯まで励起され、光検知素子の電極まで輸送される。活性層内の負極性の平均空間電荷が減少するため、活性層の伝導帯下端の、電子に対するポテンシャルが低下する。これにより、多くの光電流が流れることになる。この光電流を電流計で検出することにより、赤外線が検知される。
一般に、活性層は、中間層とその表面に分布する量子ドットとを繰返し単位とし、複数の繰返し単位が積み重ねられた構造を有する。繰返し単位の数を増やすことにより、光電流を増大させることができる。
特開2008−198677号公報 特開2008−187003号公報
量子ドットは、成長用基板に格子整合しない半導体材料で形成されるため、繰返し単位の数を増やすと、歪が蓄積されやすくなる。歪の蓄積は、転位欠陥等の原因になる。転位欠陥が増加すると、暗電流が増大し、光検知素子の性能劣化につながる。
量子ドットの繰返し単位の数を増やすことなく、光検知素子の性能向上を図ることが望まれている。
本発明の一観点によると、
半導体からなるバリア層、及び該バリア層内に分布し、該バリア層よりもバンドギャップの狭い半導体からなる複数の量子ドットを含む活性層と、
前記活性層を挟むように配置され、前記活性層の不純物濃度よりも大きな不純物濃度を有する半導体からなる一対のスペーサ層と、
前記活性層及び前記一対のスペーサ層からなる積層構造に、厚さ方向に電流を流すための電極と
を有する光検知素子が提供される。
本発明の他の観点によると、
半導体基板の上に形成され、1次元または2次元的に配置された複数の光検知素子と、
前記光検知素子に対向するように配置され、前記光検知素子に対応する位置に電極が形成されている集積回路装置と、
前記光検知素子と前記電極とを接続する突起電極と
を有し、
前記光検知素子の各々は、
半導体からなるバリア層、及び該バリア層内に分布し、該バリア層よりもバンドギャップの狭い半導体からなる複数の量子ドットを含む活性層と、
前記活性層を挟むように配置され、前記活性層の不純物濃度よりも大きな不純物濃度を有する半導体からなる一対のスペーサ層と、
前記活性層及び前記一対のスペーサ層からなる積層構造に、厚さ方向に電流を流すための電極とを有する撮像装置が提供される。
スペーサ層の不純物濃度を、活性層の不純物濃度より高くすることにより、検出感度を高めることができる。
図1は、実施例1及び参考例による光検知素子の断面図である。 図2Aは、参考例による光検知素子の伝導帯下端のエネルギバンド図であり、図2Bは、赤外線が照射されたときのエネルギバンド図である。 図3は、参考例による光検知素子の活性層の厚さに対するスペーサ層の厚さの比と、規格化電流密度の測定値との関係を示すグラフである。 図4A〜図4Dは、実施例1による光検知素子の製造途中段階における断面図である。 図4E〜図4Gは、実施例1による光検知素子の製造途中段階における断面図である。 図5Aは、実施例1による光検知素子の伝導帯下端のエネルギバンド図であり、図5Bは、赤外線が照射されたときのエネルギバンド図である。 比較例及び実施例1による光検知素子の規格化感度の測定値を示すグラフである。 実施例2による撮像装置の断面図である。
実施例について説明する前に、本願発明者らが提案する参考例について説明する。
図1に、参考例による光検知素子の断面図を示す。なお、図1は、後述する実施例の説明においても参照される。
バリア層13、及びその内部に分布する複数の量子ドット14により、活性層15が構成されている。バリア層13は、積層された複数の中間層13Aにより構成される。量子ドット14は、積層方向に隣り合う中間層13Aの界面に分布している。
活性層15が、下部スペーサ層12と上部スペーサ層16とで挟まれている。下部スペーサ層12の外側に下部コンタクト層11が配置され、上部スペーサ層16の外側に上部コンタクト層17が配置されている。下部コンタクト層11は、半絶縁性の半導体基板10の上に形成されている。
下部コンタクト層11の上面の一部が露出しており、下部コンタクト層11の露出した領域に、下部電極20がオーミック接触している。上部コンタクト層17の上面に、上部電極21がオーミック接触している。直流電圧源22が、下部電極20と上部電極21とに直流電圧を印加する。これにより、下部スペーサ層12、活性層15、及び上部スペーサ層16に、厚さ方向の電流が流れる。電流計23が、下部電極20と上部電極21との間に流れる電流を計測する。
下部コンタクト層11及び上部コンタクト層17は、例えばn型GaAsで形成される。下部スペーサ層12、上部スペーサ層16、及びバリア層13は、例えばノンドープのAlGaAsで形成される。量子ドット14は、例えばノンドープのInAsまたはInGaAsで形成される。
次に、図2A及び図2Bを参照して、参考例による光検知素子の動作について説明する。
図2Aに、伝導帯下端のポテンシャル形状を示す。本明細書において「ポテンシャル」は、特に断らない限り、電子に対するポテンシャルを意味する。下部コンタクト層11、上部コンタクト層17から活性層15に電子が供給され、量子ドット14の伝導帯側の量子準位に電子30が捕獲される。活性層15内の平均空間電荷の極性が負となり、伝導帯下端の形状が上に凸になる。下部コンタクト層11の伝導帯下端のエネルギ準位と、活性層15の伝導帯下端の最高点のエネルギ準位との差が、ポテンシャル障壁Ebとなる。このポテンシャル障壁Ebよりも高いエネルギを持つ電子31は、下部コンタクト層11から、ポテンシャル障壁Ebを越えて上部コンタクト層17に達する。この電子31の移動が暗電流となる。
図2Bに示すように、活性層15に赤外光35が入射すると、量子ドット14に捕獲されていた電子が、バリア層13の伝導帯まで励起される。励起された電子32が上部コンタクト層17まで輸送されると、活性層15内の負極性の平均空間電荷が減少する。このため、活性層15の伝導帯下端のポテンシャルが低下する。ポテンシャルの低下量をΔEとする。ポテンシャル障壁の高さは、EbからEb−ΔEに低下する。このため、下部コンタクト層11から上部コンタクト層17に流れる電流が増加し、光電流として検出される。
下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16を配置することにより、ポテンシャルの低下量ΔEを大きくすることができる。これにより、検出感度が向上する。
下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16の厚さと、活性層15の厚さとの比が異なる複数の試料を作製し、光電流を測定した。下部スペーサ層12、上部スペーサ層16、及びバリア層13のAl組成比を0.2とした。
図3に、その測定結果を示す。横軸は、活性層15の厚さに対する下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16の各々の厚さの比を表し、縦軸は、規格化光電流密度を表す。スペーサ層を配置しない試料に比べて、下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16を配置した試料では、大きな光電流が計測されていることがわかる。下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16の各々の厚さが、活性層15の厚さの0.5倍〜1.4倍の範囲内である場合に、光電流増大の効果が確認された。この好適な範囲は、以下に説明する実施例1にも適用され得る。
下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16の各々の厚さと、活性層15の厚さとを等しくし、中間層13Aの厚さを20nmとした試料の規格化光電流密度は、1より小さかった。一般的な量子ドットの成長において、中間層13Aの厚さが30nmより薄くなると、量子ドット14を形成する際に、既に形成されている下層の量子ドット14の影響を受けてしまう。このため、所望の寸法及び組成の量子ドット14が形成されなくなり、光電流が低下したものと考えられる。従って、中間層13Aの厚さは、30nm以上にすることが好ましい。この好適な厚さは、以下に説明する実施例1にも適用され得る。
光検知素子の直流電圧源22の電圧は、他の電子回路等との関係で取り扱いに便利な値に設定される。検知対象の強度を持つ光が光検知素子に入射したときに流れる光電流が、電流計23の感度が高い電流域に収まるように、素子抵抗を設定することが好ましい。下部スペーサ層12、上部スペーサ層16、及びバリア層13をノンドープの半導体で形成する場合には、素子抵抗の選択の自由度が狭い。一般に、素子抵抗は、活性層15、下部スペーサ層12、及び上部スペーサ層16へのドーピング密度によって制御される。
図2Cに、活性層15、下部スペーサ層12、及び上部スペーサ層16へのドーピング密度を高くした場合の伝導帯下端のポテンシャル形状の一例を示す。ドーピング密度が高い場合には、活性層15、下部スペーサ層12、及び上部スペーサ層16から下部コンタクト層11及び上部コンタクト層17へのキャリアの拡散が生じる。これにより、伝導帯下端の形状が下に凸になる。
この場合、下部コンタクト層11から上部コンタクト層17に向かって移動する電子に対するポテンシャル障壁は、下部コンタクト層11と下部スペーサ層12との界面に位置することになる。このポテンシャル障壁の高さは、下部コンタクト層11と下部スペーサ層12との物性によってほぼ決定される。このため、赤外線が入射しても、ポテンシャル障壁の高さは、ほとんど変化しない。このように、伝導帯下端の形状が下に凸の場合には、赤外線の検出感度が低下してしまう。
素子抵抗を好ましい値に調節するために、活性層15、下部スペーサ層12、及び上部スペーサ層16へのドーピング密度を高くしなければならない場合が生じ得る。ドーピング密度を高くしたことにより、伝導帯下端のポテンシャル形状が図2Cのようになると、赤外線の検出感度が低下してしまう。
次に、実施例1による光検知素子について説明する。実施例1による光検知素子の断面構造は、図1に示した参考例による光検知素子の断面構造と同一である。
下部コンタクト層11及び上部コンタクト層17の各々は、n型GaAsで形成され、その厚さは1000nmである。n型ドーパントとしてSiが用いられ、その濃度は2×1018cm−3である。下部電極20及び上部電極21は、AuGe層とAu層との積層構造を有する。
下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16の各々は、n型AlGaAsで形成され、その厚さは400nmである。下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16のAl組成比は0.2である。n型ドーパントとしてSiが用いられ、その濃度は1×1016cm−3である。
中間層13Aの各々は、n型のAlGaAsで形成され、その厚さは30nmである。中間層13AのAl組成比は、下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16のAl組成比と同一である。n型ドーパントとしてSiが用いられ、その濃度は、下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16のSi濃度よりも低く、0.5×1016cm−3である。量子ドット14は、ノンドープのInAsで形成されている。中間層13Aの層数は11である。
次に、図4A〜図4Gを参照して、実施例1による光検知素子の製造方法について説明する。
図4Aに示すように、半絶縁性のGaAsからなる基板10の上に、n型GaAsからなる下部コンタクト層11を形成する。下部コンタクト層11の成膜には、分子線エピタキシ(MBE)が適用される。成長時の基板温度は600℃とする。以下の説明において、特に断らない限り、成膜方法としてMBEが適用される。
図4Bに示すように、下部コンタクト層11の上に、n型AlGaAsからなる下部スペーサ層12を、基板温度600℃で形成する。
図4Cに示すように、下部スペーサ層12の上に、n型AlGaAsからなる中間層13Aを、基板温度600℃で形成する。中間層13Aを形成した後、基板温度を600℃から470℃まで低下させる。
図4Dに示すように、基板温度を470℃に維持し、中間層13Aの上にInAsからなる量子ドット14を形成する。量子ドット14は、成長速度が0.2モノレイヤ/sとなるように原料の供給量を制御し、2.0モノレイヤ分のInAsを供給することにより形成される。ある程度の原料を供給すると、2次元成長から3次元成長に成長モードが遷移し、自己組織的に量子ドット14が形成される。量子ドット14を形成した後、基板温度を470℃から600℃まで再度上昇させる。
図4Eに示すように、量子ドット14の形成と、中間層13Aの形成とを、合計で10回、交互に繰り返すことにより、活性層15を形成する。
図4Fに示すように、活性層15の上に、上部スペーサ層16及び上部コンタクト層17を形成する。これらの層は、下部コンタクト層11及び下部スペーサ層12と同一の方法で形成される。
図4Gに示すように、標準的なフォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、一部の領域において、上部コンタクト層17の上面から下部スペーサ層12の底面までエッチングする。これにより、下部コンタクト層11の上面の一部が露出する。
図1に示すように、下部コンタクト層11の露出した上面に、下部電極20を形成し、上部コンタクト層17の上面に、上部電極21を形成する。下部電極20及び上部電極21の形成には、真空蒸着及びリフトオフが適用される。
図5Aに、実施例1による光検知素子の伝導帯下端のエネルギバンド図を示す。下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16のドナー密度が、活性層15のドナー密度より高い。このため、下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16内のドナー40から伝導帯に励起された伝導電子の一部が、拡散によって下部コンタクト層11及び上部コンタクト層17に移動するとともに、他の伝導電子は、活性層15内に拡散する。また、活性層15内の伝導帯の電子の一部は量子ドット14に捕獲される。これにより、活性層15内の負極性の空間電荷密度が、下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16内の負極性の空間電荷密度より高くなる。このため、活性層15内の伝導帯下端のポテンシャルが、下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16内の伝導帯下端のポテンシャルより高くなり、ポテンシャル形状が山型を示す。
下部コンタクト層11から上部コンタクト層17に移動する電子に対するポテンシャル障壁Ebは、下部コンタクト層11の伝導帯下端から、活性層15内の伝導帯下端の最高点までの高さに等しくなる。
図5Bに、赤外光35が入射した状態の伝導帯下端のエネルギバンド図を示す。なお、図5Aに示したエネルギバンド図を破線で示している。量子ドット14に捕獲されていた電子がバリア層13の伝導帯に励起され、正電圧が印加されている上部コンタクト層17まで移動する。活性層15内の負極性の空間電荷密度が低下するため、伝導帯下端のポテンシャルが低下する。活性層15内の伝導帯下端のポテンシャルの最高点におけるポテンシャルの低下量をΔEとする。ポテンシャル障壁は、EbからEb−ΔEに低下する。これにより、光電流が増加する。
実施例1のように、下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16の不純物濃度を、バリア層13の不純物濃度よりも高くすることにより、バリア層13をn型にしたことに起因する赤外光の検出感度の低下を防止することができる。
図6に、ドーピング条件の異なる2つの試料(以下、一方を比較例による試料、他方を実施例1による試料という)の感度の測定結果を示す。比較例による試料の積層構造は、図1に示した実施例1による試料の積層構造と同一である。比較例による試料においては、下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16をノンドープとし、バリア層13の不純物濃度を4×1016cm−3とした。実施例1による試料の下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16の不純物濃度は1.2×1016cm−3とし、バリア層13の不純物濃度は、0.7×1016cm−3とした。比較例の試料のドーピング条件では、下部スペーサ層12、活性層15、及び上部スペーサ層16の伝導帯下端のポテンシャル形状が、図2Cに示したように下に凸になる。実施例1による試料の感度が、比較例による試料の感度の約2倍であった。
上記実施例1では、バリア層13をn型とし、量子ドット14をノンドープ(i型)としたが、その他の構成により、活性層15をn型としてもよい。例えば、バリア層13をノンドープとし、量子ドット14をn型としてもよい。また、バリア層13と量子ドット14との両方をn型としてもよい。また、上記実施例1では、バリア層13の不純物濃度を均一としたが、厚さ方向に関して不純物濃度を変化させてもよい。例えば、バリア層13を構成する中間層13Aの各々を、n型層とノンドープ層との積層構造としてもよい。
バリア層13にのみ不純物が添加されている構成以外の構成が採用される場合には、活性層15の不純物濃度を、下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16の不純物濃度より低くすればよい。ここで、「活性層15の不純物濃度」は、バリア層15に添加された不純物と量子ドット14に添加された不純物との総量を、活性層15の体積で除することにより算出される。
下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16の不純物濃度を、活性層15の不純物濃度より高くすることにより、検出感度の低下を抑制することができる。なお、活性層15をノンドープとしてもよい。
動作電圧が印加された状態で、活性層15内の伝導帯下端のポテンシャルの最高値が、下部スペーサ層12と下部電極配置層11との界面における下部スペーサ層12の伝導帯下端のポテンシャルよりも高くなるように、下部スペーサ層12、活性層15、上部スペーサ層16の厚さ及び不純物濃度を調節することが好ましい。このような構成にすることにより、検出感度の低下を抑制する十分な効果が得られる。このためには、少なくとも外部電圧を印加していない状態(図5Aの状態)で、活性層15内の伝導帯下端のポテンシャルの最高値が、下部スペーサ層12と下部電極配置層11との界面における下部スペーサ層12の伝導帯下端のポテンシャルよりも高くなるように、下部スペーサ層12、活性層15、上部スペーサ層16の厚さ及び不純物濃度を調節することが好ましい。
上記実施例1では、下部コンタクト層11から上部コンタクト層17までの各層の導電型をn型としたが、その反対にp型としてもよい。導電型をp型にした場合には、赤外光が照射されると、量子ドット14の価電子帯側の量子準位に捕獲されている正孔が、バリア層13の価電子帯まで励起される。この場合にも、下部スペーサ層12及び上部スペーサ層16のp型不純物濃度を、活性層15のp型不純物濃度より高くすることが好ましい。
上記実施例1では、赤外光の光検知素子を示したが、実施例1の構成は、赤外光以外の波長域の光検知素子に適用することも可能である。
図7に、実施例2による撮像装置の断面図を示す。半導体基板10の表面に、下部コンタクト層11が形成されている。下部コンタクト層11の表面に、1次元または2次元的に、光検知素子45が分布している。光検知素子45の頂面に、上部電極21が形成されている。光検知素子45の各々は、図1に示した下部スペーサ層12から上部コンタクト層17までの積層構造と同一の構造を有する。下部コンタクト層11が、複数の光検知素子45で共有されている。
下部コンタクト層11の表面のうち、光検知素子45が形成されていない領域に、凸部46が形成されている。凸部46は、光検知素子45と同一の積層構造を有する。下部電極20が、下部コンタクト層11の表面から、凸部46の側面を経由して、凸部46の上面まで延在している。
上部電極21、及び凸部46の上面に配置された下部電極20の上に、突起電極(バンプ)43が形成されている。
半導体基板10の、光検知素子45が形成された面に対向するように、集積回路基板50が配置されている。集積回路基板50には、図1に示した直流電圧源22、電流計23に相当するCMOS回路が形成されている。集積回路基板50の表面のうち、突起電極43に対応する位置に、電極51が形成され、その上に突起電極52が形成されている。突起電極43、52は、例えばインジウム(In)で形成される。
光検知素子45に接続された突起電極43と、集積回路基板50に形成された突起電極52とが、相互に固着されている。集積回路基板50に形成された突起電極52の1つは、半導体基板10に形成された下部電極20上の突起電極43に固着される。
集積回路基板50の表面に、さらに、複数の電極端子53が形成されている。電極端子53を通して、集積回路基板50に形成されたCMOS回路に、制御信号が入力される。また、光検知素子45で検知された画像信号が、電極端子53を通して外部に出力される。
半導体基板10の前方(集積回路基板50が配置されていない方の空間)にレンズ55が配置されている。物点から放射された赤外線が、レンズ55により集光されることにより、光検知素子45が配列する直線または平面上に赤外線像が形成される。
光検知素子45に、上記実施例1による素子と同一の構造のものが用いられているため、赤外線撮像装置の感度の低下を抑制することができる。集積回路基板50に形成されている直流電圧源及び電流計の特性、すなわち電源電圧、及び電流計の感度の高い電流域に基づいて、光検知素子45の素子抵抗が好適な値になるように、活性層15、下部スペーサ層12、及び上部スペーサ層16の不純物濃度が設定されている。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
10 基板
11 下部コンタクト層
12 下部スペーサ層
13 バリア層
13A 中間層
14 量子ドット
15 活性層
16 上部スペーサ層
17 上部コンタクト層
20 下部電極
21 上部電極
22 直流電圧源
23 電流計
30 捕獲された電子
31 ポテンシャル障壁を越える電子
32 励起された電子
35 赤外光
40 ドナー
43 突起電極
45 光検知素子
46 凸部
50 集積回路基板
51 電極
52 突起電極
53 電極端子
55 レンズ

Claims (5)

  1. 半導体からなるバリア層、及び該バリア層内に分布し、該バリア層よりもバンドギャップの狭い半導体からなる複数の量子ドットを含む活性層と、
    前記活性層を挟むように配置され、前記活性層の不純物濃度よりも大きな不純物濃度を有する半導体からなる一対のスペーサ層と、
    前記活性層及び前記一対のスペーサ層からなる積層構造に、厚さ方向に電流を流すための電極と
    を有する光検知素子。
  2. 前記バリア層は、積層された複数の中間層を含み、前記量子ドットは、積層方向に隣り合う前記中間層の界面に分布している請求項1に記載の光検知素子。
  3. 前記スペーサ層は、前記バリア層と同一組成比の半導体で形成されている請求項1または2に記載の光検知素子。
  4. 前記スペーサ層の各々の厚さが、前記活性層の厚さの0.5倍〜1.4倍の範囲内である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光検知素子。
  5. 半導体基板の上に形成され、1次元または2次元的に配置された複数の光検知素子と、
    前記光検知素子に対向するように配置され、前記光検知素子に対応する位置に電極が形成されている集積回路装置と、
    前記光検知素子と前記電極とを接続する突起電極と
    を有し、
    前記光検知素子の各々は、
    半導体からなるバリア層、及び該バリア層内に分布し、該バリア層よりもバンドギャップの狭い半導体からなる複数の量子ドットを含む活性層と、
    前記活性層を挟むように配置され、前記活性層の不純物濃度よりも大きな不純物濃度を有する半導体からなる一対のスペーサ層と、
    前記活性層及び前記一対のスペーサ層からなる積層構造に、厚さ方向に電流を流すための電極とを有する撮像装置。
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