JP2020126955A - 赤外線検出器およびそれを用いたイメージセンサ - Google Patents

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Hirofumi Yoshikawa
弘文 吉川
貴洋 土江
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貴洋 土江
荒川 泰彦
Yasuhiko Arakawa
泰彦 荒川
泰友 太田
Yasutomo Ota
泰友 太田
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Abstract

【課題】表面再結合を抑制可能な赤外線検出器を提供する。【解決手段】赤外線検出器10は、第1の電極(電極1)と、複数の量子ドット素子2とを備える。複数の量子ドット素子2は、第1の電極(電極1)上に周期的に配置され、かつ、電気的に接続される。複数の量子ドット素子2の各々は、第1のコンタクト層と、光電変換層と、第2のコンタクト層と、第2の電極とを含む。第1のコンタクト層は、第1の電極(電極1)上に配置される。光電変換層22は、第1のコンタクト層上に配置され、量子ドット層を含む。第2のコンタクト層は、光電変換層上に配置される。第2の電極は、第2のコンタクト層上に配置される。【選択図】図1

Description

この発明は、赤外線検出器およびそれを用いたイメージセンサに関する。
従来、非特許文献1に記載の量子井戸型赤外線検出器が知られている。この量子井戸型赤外線検出器は、光電変換層が量子井戸層であり、ナノ金属共振器アレイを採用する。
また、特許文献1に記載の赤外線センサが知られている。この赤外線センサは、量子ドットまたは量子井戸を用い、正方格子状に配置された円形の孔を表面の電極に設けることによって電極に生じた表面プラズモンを量子ドットまたは量子井戸に結合させ、高感度化を実現している。
特開2012−083238号公報
しかし、非特許文献1に記載された量子井戸型赤外線検出器においては、活性層が量子井戸層であるため、生成されたキャリが面内に移動しやすく、表面再結合により失活しやすいという問題がある。ナノ金属共振器アレイの場合、典型的な量子ドット赤外線検出器よりも小さいメサ構造となるため、更に、表面再結合の影響が大きくなるという問題がある。
また、特許文献1に記載された赤外線センサにおいては、光電変換層が周期的にパターン化されていないので、微小共振器による光電場増強とアンテナ効果が得られないという問題がある。
そこで、この発明の実施の形態によれば、表面再結合を抑制可能な赤外線検出器を提供する。
(構成1)
この発明の実施の形態によれば、赤外線検出器は、第1の電極と、複数の量子ドット素子とを備える。複数の量子ドット素子は、第1の電極に電気的に接続される。そして、複数の量子ドット素子は、平面上に周期的に配置され、かつ、電気的に接続される。複数の量子ドット素子の各々は、第1のコンタクト層と、光電変換層と、第2のコンタクト層と、第2の電極とを含む。第1のコンタクト層は、第1の電極上に配置される。光電変換層は、第1のコンタクト層上に配置され、量子ドット層を含む。第2のコンタクト層は、光電変換層上に配置される。第2の電極は、第2のコンタクト層上に配置される。
(構成2)
構成1において、複数の量子ドット素子の共鳴波長は、量子ドット層の積層方向の偏光を吸収する積層偏光吸収帯域に含まれる。
(構成3)
構成2において、複数の量子ドット素子の配置パターンは、2×量子ドット素子のサイズ×屈折率が積層偏光吸収帯域に含まれる量子ドット素子のサイズを有するパターンである。
(構成4)
構成2または構成3において、積層偏光吸収帯域に含まれるメインピークに起因する遷移先準位は、量子ドット層における中間層の母体半導体の伝導帯下端よりも高いエネルギーレベルにある準束縛状態である。
(構成5)
構成1から構成4のいずれかにおいて、複数の量子ドット素子の共鳴波長は、3〜5.5μmまたは8〜14μmの範囲に含まれる。
(構成6)
また、この発明の実施の形態によるイメージセンサは、構成1から構成5のいずれかの赤外線検出器を備え、赤外線検出器を画素として用いる。
赤外線検出器において、表面再結合を抑制できる。
この発明の実施の形態による赤外線検出器の概略図である。 図1に示す線II−II間における赤外線検出器の断面図である。 図1に示す線III−III間における赤外線検出器の断面図である。 図2および図3に示す量子ドット層の別の構成を示す断面図である。 図1から図3に示す赤外線検出器の製造方法を示す第1の工程図である。 図1から図3に示す赤外線検出器の製造方法を示す第2の工程図である。 図1から図3に示す赤外線検出器の製造方法を示す第3の工程図である。 図1から図3に示す赤外線検出器の製造方法を示す第4の工程図である。 図1から図3に示す赤外線検出器の製造方法を示す第5の工程図である。 吸収係数とエネルギーとの関係を示す図である。 量子ドットの中心付近の面内方向のポテンシャル分布を示す図である。 吸収係数とエネルギーとの別の関係を示す図である。 量子ドットの中心付近の面内方向の別のポテンシャル分布を示す図である。 この発明の実施の形態によるイメージセンサの概略図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
この明細書において用いられる語句について説明する。
「量子ドット層」とは、量子ドット、濡れ層、中間層、量子ドットの下地層、量子ドットの部分キャップ層、および挿入層などを含む層である。
「量子ドット」とは、100nm以下の粒子サイズを有する半導体微粒子であり、量子ドットを構成する半導体材料よりもバンドギャップの大きい半導体材料で囲まれた微粒子である。Stranski―Krastanov(S−K)成長の場合、濡れ層を形成し、量子ドットの成長に移行する。
「量子ドットの下地層」とは、量子ドットおよび濡れ層を成長する下地となる層であり、バンドギャップが量子ドットを構成する半導体材料よりも大きい半導体材料からなる。
「量子ドットの部分キャップ層」とは、量子ドット上に成長する層であり、量子ドットを構成する半導体材料よりもバンドギャップの大きい半導体材料からなり、量子ドットの一部を少なくとも覆う層である。以下に示す図1では、部分キャップ層が平坦であるが、量子ドット形状に沿った形状となっていても良い。また、図1では、部分キャップ層の厚みが量子ドットの高さ以上の厚みとなっているが、厚みは、量子ドットの高さ以下であっても良い。
「中間層」とは、量子ドットを構成する半導体材料よりもバンドギャップの大きい半導体材料からなる層であり、量子ドット層の母体となる層である。また、量子ドットの下地層、量子ドットの部分キャップ層と同じ半導体材料であっても良い。
図1は、この発明の実施の形態による赤外線検出器の概略図である。図2は、図1に示す線II−II間における赤外線検出器の断面図である。図3は、図1に示す線III−III間における赤外線検出器の断面図である。図1から図3において、x−y平面を規定する。
図1から図3を参照して、この発明の実施の形態による赤外線検出器10は、支持基板20と、電極1と、複数の量子ドット素子2と、金属ワイヤ3とを備える。
量子ドット素子2は、コンタクト層21,23と、光電変換層22と、電極24とを含む。
電極1は、支持基板20上に配置され、電極1Aと電極1Bとをウェハーボンディングした構造からなる。複数の量子ドット素子2は、光電変換層22を構成する最下層の量子ドット層221に含まれる中間層2215と、コンタクト層23とを共通に有し、電極1上に周期的に配置される。
コンタクト層23は、電極1の一方の面に接して電極1上に配置される。光電変換層22は、コンタクト層23に接してコンタクト層23上に配置される。コンタクト層21は、光電変換層22に接して光電変換層22上に配置される。電極24は、金属ワイヤ3を覆うようにコンタクト層21に接してコンタクト層21上に配置される。
金属ワイヤ3は、量子ドット素子2の領域においては、y軸方向に沿ってコンタクト層21上にコンタクト層21および電極24に接して配置される。この場合、金属ワイヤ3は、電極24をy軸方向に貫通する。また、金属ワイヤ3は、量子ドット素子2のコンタクト層21および光電変換層22の側面に接するとともに、隣接する量子ドット素子2間においては、光電変換層22の一部の層(中間層2215)に接して配置される。金属ワイヤ3は、例えば、Ti,Auからなり、150nmの幅を有する。金属ワイヤ3がTi,Auからなる結果、金属ワイヤ3は、光電変換層22の一部の層(中間層2215)との間でショットキーバリアを形成するので、垂直方向の電流が抑制される。
電極1は、例えば、500nmの厚みを有する。コンタクト層21,23の各々は、例えば、n型GaAsからなる。そして、コンタクト層21は、例えば、50nmの厚さを有し、コンタクト層23は、例えば、100nmの厚さを有する。
電極24は、n型電極であり、例えば、Pd,Ge,Ti,Auからなる。そして、電極24は、例えば、10nm〜500nmの厚さを有する。
光電変換層22は、複数の量子ドット層221を積層した積層構造からなる。なお、図2および図3においては、5層の量子ドット層221を積層した場合を示しているが、赤外線検出器10においては、2層以上の量子ドット層221が積層されていればよい。
複数の量子ドット層221の各々は、量子ドット2211と、量子ドット2211の下地層2212と、量子ドット2211の濡れ層2213と、量子ドット2211の部分キャップ層2214と、中間層2215とを含む。
量子ドット2211は、電極1側へ突出した断面構造を有する。下地層2212は、量子ドット2211の上側に配置される。濡れ層2213は、下地層2212に接して下地層2212の下側に配置される。中間層2215は、量子ドット層221の積層方向において、量子ドット2211、下地層2212および濡れ層2213の両側に配置される。
なお、量子ドット層221は、量子ドット2211、量子ドットの下地層2212、濡れ層2213、量子ドット2211の部分キャップ層2214および中間層2215に加えて挿入層等を含んでいても良い。
一般的には、量子ドット層221は、量子ドット2211、量子ドット2211の下地層2212、量子ドット2211の部分キャップ層2214および中間層2215を少なくとも含んでいればよい。
量子ドット層221を構成する各材料は、特に限定されないが、III−V族化合物半導体であることが好ましい。
量子ドット2211は、バンドギャップエネルギーが中間層2215よりも小さい半導体材料からなることが好ましい。
量子ドット層221を構成する各材料は、例えば、GaAsSb1−x、AlSb、InAsSb1−x、GaIn1−xSb、AlSbAs1−x、AlAsSb1−z、InGa1−xAs、AlGa1−xAs、AlGa1−yAsSb1−z、InGa1−xP、(AlGa1−yIn1−zP、GaAs1−x、GaIn1−yAs1−z、およびInAl1−xAs(これらの材料において、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1である。以下、同じ。)のいずれかであることが好ましく、これらの混晶材料であっても良い。
なお、量子ドット層221を構成する各材料は、周期律表の第IV族半導体または第III族半導体材料と第V族半導体材料とからなる化合物半導体、または、第II族半導体材料と第VI族半導体材料とからなる化合物半導体であっても良く、これらの混晶材料であっても良い。また、量子ドット層221を構成する各材料は、カルコパイライト系材料であっても良いし、カルコパイライト系材料以外の半導体であっても良い。
この発明の実施の形態においては、光電変換層22は、量子ドット積層構造を有し、量子ドット積層構造は、量子ドット2211、量子ドット2211の下地層2212、量子ドット2211の部分キャップ層2214および中間層2215を少なくとも含み、量子ドット2211、下地層2212、部分キャップ層2214および中間層22G15は、例えば、次の材料からなる。
量子ドット2211は、InGa1−yAs(0≦y≦1)からなり、中間層2215は、AlGa1−xAs(0≦x≦1)からなる。
なお、部分キャップ層2214は、一般的には、AlGa1−xAs(0<x≦1)からなっていればよい。部分キャップ層2214(障壁層)がAlGaAsからなると、GaAsよりもバンドギャップが大きい部分キャップ層2214(障壁層)をGaAs基板上に作成し易くなる。
また、部分キャップ層2214(障壁層)は、InGaPまたはGaAsPからなっていてもよい。
図4は、図2および図3に示す量子ドット層221の別の構成を示す断面図である。この発明の実施の形態における量子ドット層221は、図4の(a)に示す量子ドット層221Aからなっていてもよく、図4の(b)に示す量子ドット層221Bからなっていてもよい。
図4の(a)を参照して、量子ドット層221Aは、図2および図3に示す量子ドット層221の部分キャップ層2214を部分キャップ層2214Aに変えたものであり、その他は、量子ドット層221と同じである。
部分キャップ層2214Aは、量子ドット2211の形状に沿って量子ドット2211および濡れ層2213上に配置される。
図4の(b)を参照して、量子ドット層221Bは、図2および図3に示す量子ドット層221の部分キャップ層2214を部分キャップ層2214Bに変えたものであり、その他は、量子ドット層221と同じである。
部分キャップ層2214Bは、量子ドット2211と同じ厚さを有し、量子ドット2211および濡れ層2213上に配置される。
この発明の実施の形態においては、部分キャップ層は、図2および図3に示す部分キャップ層2214および図4に示す部分キャップ層2214A,2214Bのいずれの構成からなっていてもよい。
図1においては、例えば、9個の量子ドット素子2が図示されている。そして、9個の量子ドット素子2は、電極1上においてx−y平面に沿って碁盤目状に配置される。この場合、隣接する2つの量子ドット素子2間の距離は、x軸方向およびy軸方向において同じであり、例えば、3.3μmである。また、y軸方向に沿って配置された3個の量子ドット素子2は、金属ワイヤ3によって並列に接続される。
なお、量子ドット素子2の個数が9個以外である場合も、複数の量子ドット素子2は、図1に示すように、電極1上に周期的に配置される。
また、上記構成では、複数の量子ドット素子2の電極1は、同一としているが、各量子ドット素子2ごとに別々の電極を設けてもよい。
以上より、複数の量子ドット素子2によって1つの検出素子として動作する。同じサイズで一般的な量子ドット素子を作製する場合と比較して、この発明の実施の形態による構造では、光電変換層のトータル面積を小さくでき、1つの検出素子としての暗電流を小さくできる。従って、高感度化が可能となる。これは、ナノ金属アレイ構造によるアンテナ効果(集光効果)に起因する。
図5から図9は、それぞれ、図1から図3に示す赤外線検出器10の製造方法を示す第1から第5の工程図である。
図5を参照して、赤外線検出器10の製造が開始されると、半絶縁性のGaAsからなる半導体基板30を分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)装置内に支持する(図5の工程(a))。
そして、MBE法によって、GaAsからなるバッファ層40と、AlGaAsからなる犠牲層41と、コンタクト層21とを半導体基板30上に順次形成する(図5の工程(b))。この場合、例えば、コンタクト層21として50nmの厚さのn型GaAs層を形成する。
工程(b)の後、MBE法によって、中間層2215と、量子ドット2211とを含む量子ドット層221をコンタクト層21上に形成する(図5の工程(c))。
この場合、量子ドット2211は、Stranski−Krastanov(S−K)成長と呼ばれる方法によって形成される。
より具体的には、中間層2215としてAlGaAs層を結晶成長させ、その後、量子ドット2211の下地層2212としてGaAs層を結晶成長させ、自己組織化機構によって、InAsからなる量子ドット2211を形成する。その後、部分キャップ層2214としてGaAs層を結晶成長させることによって量子ドット2211を埋め込む。更に、その後、中間層2215としてAlGaAs層を結晶成長させることにより量子ドット層221を形成する。
なお、量子ドット間の中間層2215の厚みは、例えば、40nmである。
そして、工程(c)を、例えば、5回繰り返すことによって、量子ドット層221を積層した構造を有する光電変換層22をコンタクト層21上に形成する(図5の工程(d))。
図5の工程(d)の後、MBE法によって、コンタクト層23を光電変換層22上に形成する(図6の工程(e))。この場合、例えば、コンタクト層23として100nmの厚さを有するn型GaAs層を結晶成長させる。これにより、n−i−n構造が形成される。なお、量子ドット層221へ不純物ドーピングしてもよい。不純物としては、例えば、シリコンである。量子ドット層221へドーピングした場合、工程(e)によって、n−n−n構造が形成される。
引き続いて、積層体をMBE装置から取り出し、コンタクト層23上に電極1Aを形成する(図6の工程(f))。
工程(f)の後、電極1Bを形成した支持基板20と、上記積層体とをウェハーボンディングする。具体的には、支持基板20の電極1Bと、積層体の電極1Aとをウェハーボンディングする。これによって、電極1Aおよび電極1Bは、電極1を形成する(図7の工程(g))。
工程(g)の後、犠牲層41まで選択エッチングすることにより、半導体基板30を剥離する(図7の工程(h))。その後、一般的な製造方法(フォトリソグラフィ等)によって支持基板20上に複数の量子ドット素子2を形成する(図8の工程(i))。この場合、量子ドット素子2以外の部分は、例えば、中間層2215だけが残るように光電変換層22の途中までエッチングする。また、複数の量子ドット素子2は、例えば、隣接する2つの量子ドット素子2間の距離が3.3μmになるように形成する。TiAuからなる金属ワイヤ3は、電子線リソグラフィにより形成し、y軸方向に配置された複数の量子ドット素子2のコンタクト層21間を電気的に接続する(図8の工程(j))。その際、金属ワイヤ3は、量子ドット素子2間の光電変換層22(量子ドット2215を含まない)上に形成されるが、金属ワイヤ3と光電変換層22(量子ドット2215を含まない)との間には、ショットキーバリアが形成されるため、金属ワイヤ3と電極1との間で、電流は、流れない。
工程(j)の後、コンタクト層21(一部、金属ワイヤ3を含む)上にのみ、PdGeを蒸着し、アニール処理を加えることによってオーミック接触を形成し、電極24を形成する(図9の工程(k))。その結果、電流は、電極1と電極24との間を、コンタクト層23、光電変換層22およびコンタクト層21を介して流れる。
電気的に接続された複数の量子ドット素子2と、外部回路(読み出し回路)との電気的接続は、Siからなる絶縁層を介して形成された外部電極を介して行う。外部電極は、各金属ワイヤと電気的に接続され、また、ワイヤボンディングにより外部回路と電気的に接続する。これによって、赤外線検出器10が完成する。
赤外線検出器10に赤外線が入射されると、光電変換層22における光吸収によって電子が励起され、励起された電子は、電界によって移動し、光電流として電極1および電極24によって取り出される。
この場合、赤外線検出器10は、複数の量子ドット素子2が周期的に配置された構成を備えているため、赤外線検出器10に垂直方向に入射する光に対して応答し、量子ドット層221の積層方向の偏光を吸収する。そして、赤外線検出器10は、量子ドット2211を光電変換層22に採用しているため、光励起されたキャリアは、量子ドット層221の面内方向(量子ドット層221の積層方向に垂直な方向)に流れにくくなる。従って、光励起されたキャリアの表面再結合を抑制できる。その結果、赤外線検出器10の感度を向上できる。
特に、量子ドット素子2のサイズが1.3μmと小さい場合には、キャリアの表面再結合の影響が大きくなるが、赤外線検出器10において、量子ドット2211を光電変換層22に採用しているため、量子ドット素子2のサイズが小さくなった場合にも、キャリアの表面再結合の影響を抑制してキャリアの長寿命化が一層発揮される。
なお、量子井戸構造を光電変換層に適用した赤外線検出器においては、光励起されたキャリアは、光電変換層の面内方向に流れ易いため、キャリアの表面再結合の影響が大きくなり、キャリアの長寿命化が困難である。従って、量子井戸構造を有する光電変換層を含む量子井戸素子を周期的に配置した赤外線検出器においては、この発明の実施の形態による赤外線検出器10のように、キャリアの表面再結合を抑制して感度を向上させることは困難である。
赤外線検出器10においては、量子ドット素子2のサイズは、1.3μm角であり、隣接する2つの量子ドット素子2間の距離は、3.3μmである。そして、量子ドット素子2は、電極1と電極24とによって挟まれた構造を有するので、ナノ金属共振器の効果が得られる。ナノ金属共振器における共鳴波長は、2×(量子ドット素子2のサイズ)×屈折率によって定義され、この場合、共鳴波長が8〜9μmであることが報告されている。その結果、赤外線検出器10においては、量子ドット素子2のサイズを変更することによって共鳴波長を任意に制御できる。また、共鳴できる波長帯域は、例えば、共鳴波長の前後数μmである。よって、赤外線検出器10の検出波長は、共鳴波長の前後数μmの範囲である必要がある。
従って、赤外線検出器10は、周期的に配置された複数の量子ドット素子2の共鳴波長が量子ドット層221の積層方向の偏光を吸収する積層偏光吸収帯域に含まれる構成を有する。この構成は、複数の量子ドット素子2の共鳴波長が積層偏光吸収帯域に含まれるように量子ドット素子2のサイズを決定することによって実現される。そして、赤外線検出器10は、この構成によって、感度を向上できる。
また、赤外線検出器10においては、複数の量子ドット素子2の配置パターンは、2×(量子ドット素子2のサイズ)×屈折率が積層偏光吸収帯域に含まれる量子ドット素子2のサイズを有するパターンであることを特徴とする。この特徴によって、赤外線検出器10の感度を向上できる。
赤外線検出器10は、更に、積層偏光吸収のメインピークの光によるキャリアの遷移先準位が準束縛状態である構成を備えていてもよい。
準束縛状態は、中間層2215の伝導帯下端よりも高いエネルギー位置にある閉じ込め準位である。
準束縛状態である遷移先準位は、結晶成長条件(温度等)によって量子ドット2211のサイズを制御することによって調整可能である。
また、量子ドット2211の高さは、インジウムフラッシュ法を用いることによって制御される。インジウムフラッシュ法は、量子ドットを成長させた後、量子ドット上にキャップ層を堆積し、基板温度を短時間で上昇および下降させることによって量子ドットの高さをキャップ層の厚さに制御する方法である。
積層偏光吸収のメインピークの光によるキャリアの遷移先準位が準束縛状態である構成によって、赤外線検出器10の比検出能を最大限に高めることができる。
図10は、吸収係数とエネルギーとの関係を示す図である。図10において、縦軸は、吸収係数を表し、横軸は、エネルギーを表す。また、実線は、積層偏光における伝導帯サブレベル間の吸収スペクトルを示し、点線は、面内偏光における伝導帯サブレベル間の吸収スペクトルを示す。更に、数値計算は、8−band(歪効果およびピエゾ電界効果を考慮)を用いた。GaAs中間層に埋め込まれた、濡れ層を含むレンズ型の量子ドットを想定し、量子ドットの高さを4nmとし、量子ドットの直径を20nmとして吸収スペクトルを計算した。なお、光吸収は、伝導帯基底準位からの遷移を示す。
図10を参照して、積層方向の光吸収のメインピークは、0.27eV(4.6μm)であることが分かる。この波長は、大気の窓の領域となる。また、上述したように、量子ドット素子2のサイズを変更することによって共鳴波長を任意に制御可能である。
量子ドット素子2のサイズを0.7μm角、隣接する2つの量子ドット素子2間の距離を3.3μmに設定することによって、積層方向の光吸収のメインピークが0.27eV(4.6μm)となる。
図11は、量子ドット2211の中心付近の面内方向のポテンシャル分布を示す図である。図11を参照して、伝導帯基底準位は、量子ドット層221の伝導帯下端から0.91eVの位置に存在し、中間層の伝導帯下端は、量子ドット層221の伝導帯下端から約1.17eVの位置に存在し、遷移先準位は、量子ドット層221の伝導帯下端から約1.18eVの位置に存在する。
その結果、遷移先準位は、伝導帯基底準位から0.27eVの位置に存在し、中間層の伝導帯下端よりも高いエネルギー位置に存在する準束縛状態である。
従って、4.6μmの波長は、複数の量子ドット素子2が周期的に配置された構成からなる共振器の共鳴波長であり、かつ、積層方向の偏光を吸収する遷移の感度を高める量子準位に制御された量子ドット構造を作製できることがわかる。よって、赤外線検出器10の比検出能を最大限に高めることができる。
この発明の実施の形態においては、共鳴波長が3〜5.5μmまたは8〜14μmの範囲に含まれるように、量子ドット素子2のサイズを設定する。
図12は、吸収係数とエネルギーとの別の関係を示す図である。図12において、縦軸は、吸収係数を表し、横軸は、エネルギーを表す。また、実線は、積層偏光における伝導帯サブレベル間の吸収スペクトルを示し、点線は、面内偏光における伝導帯サブレベル間の吸収スペクトルを示す。更に、数値計算は、8−band(歪効果およびピエゾ電界効果を考慮)を用いた。GaAs中間層に埋め込まれた、濡れ層を含むレンズ型の量子ドットを想定し、量子ドットの高さを7.5nmとし、量子ドットの直径を20nmとして吸収スペクトルを計算した。なお、光吸収は、伝導帯基底準位からの遷移を示す。
図12を参照して、積層方向の光吸収のメインピークは、0.14eVであることが分かる。
図13は、量子ドットの中心付近の面内方向の別のポテンシャル分布を示す図である。図13を参照して、伝導帯基底準位は、量子ドット層の伝導帯下端から0.87eVの位置に存在し、中間層の伝導帯下端は、量子ドット層の伝導帯下端から約1.15eVの位置に存在し、遷移先準位は、量子ドット層の伝導帯下端から約1.01eVの位置に存在する。
その結果、遷移先準位は、伝導帯基底準位から0.14eVの位置に存在し、中間層の伝導帯下端よりも低いエネルギー位置に存在する束縛準位である。従って、光励起されたキャリアの取り出し効率は、低くなる。
上述したように、量子ドット2211のサイズを制御することによって、光励起されたキャリアの遷移先準位を準束縛状態に制御でき、赤外線検出器10の比検出能を最大限に高めることができる。
図14は、この発明の実施の形態によるイメージセンサの概略図である。図13を参照して、この発明の実施の形態によるイメージセンサ100は、複数の赤外線検出器10を備え、複数の赤外線検出器10は、n行×n列(nは、正の整数)に配置される。赤外線検出器10の個数は、画素数と同じである。つまり、イメージセンサ100は、赤外線検出器10を画素として用いたイメージセンサである。
図14においては、3×3画素のイメージセンサが示されており、ピッチ間隔は、30μmであり、画素サイズは、25μm角である。そして、9個の赤外線検出器10が3行×3列に配列されている。
このように、この発明の実施の形態による赤外線検出器10を用いてイメージセンサ100を作製することができる。そして、赤外線検出器10を備えるイメージセンサ100は、高感度で各画素を撮像できる。
上述した実施の形態によれば、この発明の実施の形態による赤外線検出器は、次の構成を備えていればよい。
(構成1)
赤外線検出器は、第1の電極と、複数の量子ドット素子とを備える。複数の量子ドット素子は、第1の電極に電気的に接続される。そして、複数の量子ドット素子は、平面上に周期的に配置され、かつ、電気的に接続される。複数の量子ドット素子の各々は、第1のコンタクト層と、光電変換層と、第2のコンタクト層と、第2の電極とを含む。第1のコンタクト層は、第1の電極上に配置される。光電変換層は、第1のコンタクト層上に配置され、量子ドット層を含む。第2のコンタクト層は、光電変換層上に配置される。第2の電極は、第2のコンタクト層上に配置される。
(構成2)
構成1において、複数の量子ドット素子の共鳴波長は、量子ドット層の積層方向の偏光を吸収する積層偏光吸収帯域に含まれる。
(構成3)
構成2において、複数の量子ドット素子の配置パターンは、2×量子ドット素子のサイズ×屈折率が積層偏光吸収帯域に含まれる量子ドット素子のサイズを有するパターンである。
(構成4)
構成2または構成3において、積層偏光吸収帯域に含まれるメインピークに起因する遷移先準位は、量子ドット層における中間層の母体半導体の伝導帯下端よりも高いエネルギーレベルにある準束縛状態である。
(構成5)
構成1から構成4のいずれかにおいて、複数の量子ドット素子の共鳴波長は、3〜5.5μmまたは8〜14μmの範囲に含まれる。
(構成6)
イメージセンサは、構成1から構成5のいずれかの赤外線検出器を備え、赤外線検出器を画素として用いる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、赤外線検出器およびそれを用いたイメージセンサに適用される。
1,24 電極、2 量子ドット素子、10 赤外線検出器、20 支持基板、21,23 コンタクト層、22 光電変換層、30 半導体基板、221,221A,221B 量子ドット層、2211 量子ドット、2212 下地層、2213 濡れ層、2214,2214,2214B 部分キャップ層、2215 中間層。

Claims (6)

  1. 第1の電極と、
    前記第1の電極に電気的に接続された複数の量子ドット素子とを備え、
    前記複数の量子ドット素子は、平面上に周期的に配置され、かつ、電気的に接続され、
    前記複数の量子ドット素子の各々は、
    前記第1の電極上に配置された第1のコンタクト層と、
    前記第1のコンタクト層上に配置され、量子ドット層を含む光電変換層と、
    前記光電変換層上に配置された第2のコンタクト層と、
    前記第2のコンタクト層上に配置された第2の電極とを含む、赤外線検出器。
  2. 前記複数の量子ドット素子の共鳴波長は、前記量子ドット層の積層方向の偏光を吸収する積層偏光吸収帯域に含まれる、請求項1に記載の赤外線検出器。
  3. 前記複数の量子ドット素子の配置パターンは、2×前記量子ドット素子のサイズ×屈折率が前記積層偏光吸収帯域に含まれる前記量子ドット素子のサイズを有するパターンである、請求項2に記載の赤外線検出器。
  4. 前記積層偏光吸収帯域に含まれるメインピークに起因する遷移先準位は、前記量子ドット層における中間層の母体半導体の伝導帯下端よりも高いエネルギーレベルにある準束縛状態である、請求項2または請求項3に記載の赤外線検出器。
  5. 前記複数の量子ドット素子の共鳴波長は、3〜5.5μmまたは8〜14μmの範囲に含まれる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の赤外線検出器を備え、
    前記赤外線検出器を画素として用いる、イメージセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113566979A (zh) * 2021-06-11 2021-10-29 北京理工大学 压电谐振红外传感器、其阵列及其制造方法

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