JP2008205128A - 量子井戸型光検知器及びその製造方法 - Google Patents

量子井戸型光検知器及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008205128A
JP2008205128A JP2007038437A JP2007038437A JP2008205128A JP 2008205128 A JP2008205128 A JP 2008205128A JP 2007038437 A JP2007038437 A JP 2007038437A JP 2007038437 A JP2007038437 A JP 2007038437A JP 2008205128 A JP2008205128 A JP 2008205128A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
quantum well
layer
layers
superlattice barrier
photodetector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007038437A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5282361B2 (ja
Inventor
Hiroshi Nishino
弘師 西野
Hiroyasu Yamashita
裕泰 山下
Yasuhito Uchiyama
靖仁 内山
Yusuke Matsukura
祐輔 松倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2007038437A priority Critical patent/JP5282361B2/ja
Publication of JP2008205128A publication Critical patent/JP2008205128A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5282361B2 publication Critical patent/JP5282361B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Light Receiving Elements (AREA)

Abstract

【課題】S/N比をより向上させることができる量子井戸型光検出器及びその製造方法を提供する。
【解決手段】コンタクト層2上に、超格子バリア層11、量子井戸層12、超格子バリア層13及び量子井戸層14が、この順で、例えば10組積層されている。超格子バリア層11は、真性Al0.25Ga0.75As層と真性GaAs層とが交互に積層されて構成されている。例えば、真性Al0.25Ga0.75As層の厚さは4nmであり、真性GaAs層の厚さは2nmであり、いずれも、1つの超格子バリア層11内に10層程度設けられている。超格子バリア層13は、真性Al0.2Ga0.8As層と真性GaAs層とが交互に積層されて構成されている。例えば、真性Al0.2Ga0.8As層の厚さは3.5nmであり、真性GaAs層の厚さは3nmであり、いずれも、1つの超格子バリア層13内に10層程度設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線センサ等に好適な量子井戸型光検知器及びその製造方法に関する。
従来、光検知器の一種として、超格子バリアを有するミニバンド型量子井戸型光検知器が知られている。図5は、従来のミニバンド型量子井戸型光検知器の構造を示す断面図である。
従来のミニバンド型量子井戸型光検知器では、n型GaAsからなるコンタクト層102上に、超格子バリア層111と量子井戸層112とが交互に積層されている。超格子バリア層111は、図6に示すように、真性AlGaAs層121と真性GaAs層122とが交互に積層されて構成されている。真性AlGaAs層121の厚さは40Å(4nm)程度であり、真性GaAs層122の厚さは20Å(2nm)程度であり、いずれも、1つの超格子バリア層111内に10層程度設けられている。また、量子井戸層112は、n型GaAsから構成されており、その厚さは70Å(7nm)程度である。真性AlGaAs層121と真性GaAs層122との組は、40程度設けられている。そして、最上層の超格子バリア層111上に、n型GaAsからなるコンタクト層106が形成されている。そして、コンタクト層102上に電極108が形成され、コンタクト層106上に電極109が形成され、電極108及び電極109間に直流電圧が印加される。
また、図7に示すように、量子井戸層112内の励起準位エネルギー位置が超格子バリア層111に形成されるミニバンド141のエネルギー位置と等しくなるように構成されている。従って、赤外線110の入射に伴って励起準位へと光励起されたキャリア(電子140)がミニバンド141との共鳴により量子井戸層112からミニバンド141へと脱出し、ミニバンド141中を走行して光電流が発生する。
但し、従来の技術では、図7に示すように、光励起キャリア(電子140)が一旦ミニバンド141へと放出され、電子140がミニバンド141を走行するようになると、超格子バリア層111から次の超格子バリア層111へと量子井戸層112を通過して流れる電子140が多くなりやすい(矢印153)。このことは、量子井戸層112から光励起放出された電子140が他の量子井戸層112に再捕獲(矢印151)されにくいことを意味しており、光励起された電子140の数と最終的に外部へと取り出される電子140の数(出力電流に比例)との比率を現す「伝導ゲイン」は大きくなる。
しかしながら、走行中の電子140の量子井戸層112への再捕獲(矢印151)が少ないことは、光励起によって量子井戸層112から電子140が放出された後に、電子140の補充(矢印154)が少なくなることにつながる。この結果、量子井戸層112での吸収内部効率が低下してしまう。そして、吸収内部効率の低下は、S/N比の低下及び感度の低下につながる。
量子井戸型光検知器では、光電流の信号絶対量は伝導ゲインと吸収内部効率との積に依存する。また、光電流が発生している場合の量子井戸型光検知器の光電流Ip及び雑音電流inは次のように示される。ここでは、吸収内部効率をηと表し、伝導ゲインをgと表す。
光電流:Ip=A・ηg (Aは係数)
雑音電流:in=(4eIpgB)0.5 (Bは雑音帯域)
そして、図8に示すように、光電流を発生させる量子井戸型光検知器を電荷積分(積分容量への蓄積)して電圧信号に変換して使用する場合、信号S及び雑音Nは次のように表される。
信号S:V[Ip]=Ipint/Cint
雑音N:Vnoise=inint/Cint
(積分時間Tint=Cint0/Ip、このときの帯域B=1/(2Tint))
この結果、S/N比は、次のようになる。
(1)光電流の絶対量に応じ積分時間を可変とする場合
S/N=Ip/in=Ip/(2eIpg/Tint0.5=(Cint0/2eg)0.5
(2)積分時間を一定とする場合
S/N=Ip/in=ηg/(2eηg2/Tint0.5=(ηTint/2e)0.5
光電流の信号強度自体に着目すると、伝導ゲインgが大きいことは信号増大に寄与する。しかしながら、電荷積分して使用する際にS/N比を低く抑えるためには、伝導ゲインgを小さくするか、又は吸収内部効率ηを大きくすることが必要とされる。
上述のように、従来のミニバンド型量子井戸型光検知器では、伝導ゲインgが大きく、吸収内部効率ηが小さいため、S/N比が低く、赤外線センサに応用した場合には十分な温度分解能が得られない。
特表平6−502743号公報 特開平10−341028号公報
本発明の目的は、S/N比をより向上させることができる量子井戸型光検出器及びその製造方法を提供することにある。
本願発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明に想到した。
本発明に係る量子井戸型光検出器は、量子井戸層と、前記量子井戸層を挟む第1及び第2の超格子バリア層と、を有し、前記量子井戸層内のサブバンド間遷移を利用して光吸収を行い、光電流信号を発生させる。そして、前記量子井戸層の基底準位を基準にしたとき、前記第1の超格子バリア層中に形成されるミニバンドのエネルギー位置と前記第2の超格子バリア層中に形成されるミニバンドのエネルギー位置とが相違している。
本発明によれば、量子井戸層を挟む第1及び第2の超格子バリア層間でミニバンドのエネルギー位置が相違しているため、電子が量子井戸層を通過しにくくなり、電子を高い効率で量子井戸に捕獲することができる。このため、内部効率及びS/N比を向上させることができる。そして、赤外線センサに応用した場合には、高い温度分解能を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る量子井戸型光検知器(赤外線センサ)の構造を示す断面図である。
本実施形態においては、例えばGaAsからなる基板1上に、例えばn型GaAsからなるコンタクト層2が形成されている。例えば、コンタクト層2の厚さは1μmであり、n型不純物の濃度は1×1018cm-3である。そして、コンタクト層2上に、超格子バリア層11、量子井戸層12、超格子バリア層13及び量子井戸層14が、この順で、例えば10組積層されている。そして、最上層の量子井戸層14の上に、超格子バリア層11が形成されている。つまり、例えば、超格子バリア層11が11層、量子井戸層12、超格子バリア層13及び量子井戸層14が夫々10層設けられている。また、最上層の超格子バリア層11上に、コンタクト層6が光結合器層として形成されている。コンタクト層6は、超格子バリア層11上に形成されたn型GaAs層3、その上のn型Al0.3Ga0.7As層4及びその上のn型GaAs層5から構成されている。例えば、n型GaAs層3及び5の厚さは0.5μmであり、n型不純物の濃度は1×1018cm-3である。また、例えば、n型Al0.3Ga0.7As層4の厚さは50Å(5nm)であり、n型不純物の濃度は1×1018cm-3である。
また、図2Aに示すように、超格子バリア層11は、真性Al0.25Ga0.75As層21と真性GaAs層22とが交互に積層されて構成されている。例えば、真性Al0.25Ga0.75As層21の厚さは40Å(4nm)であり、真性GaAs層22の厚さは20Å(2nm)であり、いずれも、1つの超格子バリア層11内に10層程度設けられている。
また、図2Bに示すように、超格子バリア層13は、真性Al0.2Ga0.8As層31と真性GaAs層32とが交互に積層されて構成されている。例えば、真性Al0.2Ga0.8As層31の厚さは35Å(3.5nm)であり、真性GaAs層32の厚さは30Å(3nm)であり、いずれも、1つの超格子バリア層13内に10層程度設けられている。
また、例えば、量子井戸層12はn型In0.1Ga0.9Asからなり、その厚さは70Å(7nm)であり、n型不純物の濃度は3×1017cm-3である。また、例えば、量子井戸層14はn型GaAsからなり、その厚さは70Å(7nm)であり、n型不純物の濃度は3×1017cm-3である。
そして、コンタクト層2上に電極8が形成され、コンタクト層6上に電極9が形成され、電極8及び電極9間に直流電圧が印加される。
このように構成された実施形態におけるバンドダイアグラムは、図3に示すもののようになる。つまり、量子井戸層12及び14のいずれにおいても、それを挟む超格子バリア層11及び13の間で、それらの中に形成されるミニバンド41及び42のエネルギー位置が相違する。このため、赤外線10の入射に伴って、超格子バリア層11中のミニバンド41から量子井戸層12に流入してきた電子40は、エネルギー障壁により超格子バリア層13中のミニバンド42へとそのまま流れることが困難である(矢印53)。同様に、ミニバンド42から量子井戸層14に流入してきた電子40も、エネルギー障壁によりミニバンド41へとそのまま流れることが困難である。このように、一方のミニバンドから量子井戸層へ流入してきた電子は、他方の超格子バリア層側ではエネルギー障壁にせき止められることになり、量子井戸層を通過して流出側のミニバンドへと直接出て行くことが少なくなる。そして、エネルギー障壁によりせき止められた電子40は量子井戸層内へと捕獲されることになる(矢印51)。このため、本実施形態によれば、ミニバンドを利用しつつも、伝導ゲインを小さくしながら、吸収内部効率を向上させることができる。従って、高いS/N比及び感度を得ることができる。
また、本実施形態では、量子井戸層12及び14の組成が適切に規定されているため、図3に示すように、流出側にあたる超格子バリア層のミニバンド準位位置と量子井戸層の量子準位(励起準位)とがほぼ一致している。このため、光励起エネルギー(応答波長)及び脱出時の確率の低下を回避することができる。つまり、量子井戸層12又は14内で光励起した電子40がミニバンド13又は11と共鳴して脱出しやすくなっている(矢印52及び54)。例えば、量子井戸層14については、流出側の超格子バリア層11のミニバンド位置が流入側の超格子バリア層13のものよりも高いため、量子井戸層14の組成を適切に規定することにより、この箇所の量子井戸層−伝導帯底のエネルギーを上昇してある(矢印54)。
このように、相異なる構成の超格子バリア層11及び13の繰返しに応じて、相異なる量子井戸層12及び14が交互に繰返されているため、ある波長の感度(光電流の信号絶対強度)は同程度としながら、伝導ゲインを小さく、かつ吸収内部効率を高くすることが可能である。
次に、上述のような量子井戸型光検知器を製造する方法について説明する。図4A乃至図4Hは、本発明の実施形態に係る量子井戸型光検知装置を製造する方法を工程順に示す断面図である。ここでは、量子井戸型光検知装置として、波長が10μmの赤外線に光応答する複数の光検知素子がアレイ状に並んだ撮像装置を製造する方法について説明する。
先ず、図4Aに示すように、基板1上にコンタクト層2を形成する。次に、コンタクト層2上に、超格子バリア層11、量子井戸層12、超格子バリア層13及び量子井戸層14をこの順に繰り返して形成することにより、これらの層からなる光吸収部7を形成する。次いで、光吸収部7上に、n型GaAs層、n型Al0.3Ga0.7As層4及びn型GaAs層5からなるコンタクト層6を形成する。これらの各半導体層は、例えば分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法又は有機金属気相成長(MOVPE:(Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy)法により形成することができる。
その後、図4Bに示すように、形成しようとする光検知素子毎に、コンタクト層6に回折格子61を形成する。回折格子61は、例えば、n型Al0.3Ga0.7As層4をエッチングストッパとして用いながらn型GaAs層5を選択的にエッチングすることにより形成することができる。
続いて、図4Cに示すように、コンタクト層6及び光吸収部7を選択的にウェットエッチングすることにより、コンタクト層2の一部を露出させる。
次に、図4Dに示すように、表面全体に、例えばSiONからなる保護膜62を形成し、この保護膜62に、形成しようとする光検知素子毎にコンタクト層6まで到達する第1の開口部を形成する。また、コンタクト層2まで到達する第2の開口部も保護膜62に形成する。これらの開口部は、例えばドライエッチングにより形成することができる。次いで、各開口部内にオーミック電極63を形成する。オーミック電極63の形成に当たっては、例えば、コンタクト層2及び6上にAuGe膜を形成した後、その上にAu膜を形成する。AuGe膜及びAu膜は、例えばリフトオフ法により形成することができる。
その後、図4Eに示すように、保護膜62に、形成しようとする光検知素子毎にコンタクト層6まで到達する第3の開口部を第1の開口部よりも大きく形成する。また、コンタクト層2まで到達する第4の開口部も保護膜62に第2の開口部よりも大きく形成する。これらの開口部は、例えばドライエッチングにより形成することができる。続いて、各開口部内にミラー電極64を形成する。ミラー電極64の形成に当たっては、例えば、コンタクト層2及び6並びにオーミック電極63上にTiW膜を形成した後、その上にAu膜を形成する。TiW膜及びAu膜は、例えばリフトオフ法により形成することができる。
次に、図4Fに示すように、形成しようとする光検知素子を互いに分離する分離溝65を形成する。分離溝65は、光吸収部7の底面よりも深くするが、コンタクト層2の底面よりも浅くする。分離溝65は、例えば保護膜62に対するドライエッチング及び半導体層に対するドライエッチングにより形成することができる。
次いで、図4Gに示すように、表面全体に、例えばSiONからなる保護膜66を形成し、この保護膜66に、形成しようとする光検知素子毎にミラー電極64まで到達する第5の開口部を形成する。また、コンタクト層2上のミラー電極64まで到達する第6の開口部も保護膜66に形成する。その後、各開口部内に下地電極67を形成する。下地電極67の形成に当たっては、例えば、ミラー電極64上にTi膜を形成した後、その上にPt膜を形成する。Ti膜及びPt膜は、例えばリフトオフ法により形成することができる。
続いて、図4Hに示すように、下地電極67上に、例えばInからなるバンプ電極68を形成する。バンプ電極は、例えばリフトオフ法により形成することができる。
このようにして形成された量子井戸型光検知装置では、コンタクト層6上の電極は光検知素子毎のものとして使用され、コンタクト層2上の電極は各光検知素子に共通のものとして使用される。このとき、例えば、各電極には、CMOS回路を含む読み出し回路(積分容量含む)が接続される。
そして、各光検知素子にバイアスを印加して電流を流したときにミニバンドから流入した電子の量子井戸層への再捕獲の割合が従来のものよりも高くなり、その際の伝導ゲインが0.1程度となる。この伝導ゲインの値は、従来の量子井戸型光検知器における値(0.3程度)よりも小さい。なお、従来の量子井戸型光検知器では、電子の15%程度が再捕獲され、85%程度が量子井戸層を通過していたのに対し、本実施形態では、捕獲率が60%程度となる。
赤外線センサでは、対象物体の温度に応じて放射される赤外線の量の変化に対応して光電流が流れ、この光電流が検出されるので、光検知器のS/N比が向上するほど高い温度分解能(NETD:Noise Equivalent Temperature Difference)が得られる。
実際に本願発明者等が温度分解能を測定したところ、図9に示す結果が得られた。なお、この測定では、読み出し回路の積分容量を0.5pFとし、電荷積分して得られる出力から温度分解能を求めた。図9に示すように、積分時間を可変として使用した場合には、即ち光検知器から発生する光電流に応じて積分時間を調整した場合には、0.02K〜0.03Kの温度分解能が得られた。従来の光検知器の温度分解能は0.04Kであるため、本実施形態により、温度分解能が著しく向上したといえる。つまり、著しくS/N比が向上したといえる。
前述のように、量子井戸型光検知器での光電流量自体は伝導ゲインと吸収内部効率との積に影響を受け、伝導ゲインが1/3になると、吸収内部効率が増大する。従来技術での吸収内部効率は4%程度であるため、本実施形態によれば、12%程度まで吸収内部効率を向上させることが可能であると考えられる。
なお、積分時間を固定する場合には、積分時間を固定した場合よりも温度分解能が低くなるが、図9に示すように、改善の割合が0.2程度以上あれば、従来のものよりも高い温度分解能及び良好なS/N比を得ることが可能である。
なお、上記の実施形態では、超格子バリア層11及び13をAlGaAs層とGaAs層との積層体としているが、これらの材料に限定されるものではない。例えば、超格子バリア層として、互いにAl含有量が異なるAlGaAs層とAlGaAs層との積層体を用いてもよく、AlGaAs層とInGaAs層と積層体を用いてもよい。また、InAlAs層とGaAs層との積層体、InGaAlP層とGaAs層との積層体、及びInAlP層とInGaP層との積層体等を用いてもよい。
また、量子井戸層についても、量子井戸層12及び14をGaAs層又はInGaAs層としているが、これらの材料に限定されるものではない。例えば、量子井戸層として、AlGaAs層等を用いてもよい。
また、GaAs基板の代わりにInP基板を用い、超格子バリア層として、InAlAs層とInGaAs層との積層体又はInP層とInGaAlAs層との積層体を用い、量子井戸層として、InGaAs層、InGaAlAs層又はInGaAsP層を用いてもよい。
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
量子井戸層と、
前記量子井戸層を挟む第1及び第2の超格子バリア層と、
を有し、前記量子井戸層内のサブバンド間遷移を利用して光吸収を行い、光電流信号を発生させる量子井戸型光検知器において、
前記量子井戸層の基底準位を基準にしたとき、前記第1の超格子バリア層中に形成されるミニバンドのエネルギー位置と前記第2の超格子バリア層中に形成されるミニバンドのエネルギー位置とが相違していることを特徴とする量子井戸型光検知器。
(付記2)
前記第1の超格子バリア層は、
第1の半導体層と、
前記第1の半導体層よりも禁制帯幅が小さい第2の半導体層と、
を積層して構成されており、
前記第2の超格子バリア層は、
第3の半導体層と、
前記第3の半導体層よりも禁制帯幅が小さい第4の半導体層と、
を積層して構成されており、
少なくとも、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との間で、それらの材料の組成若しくは厚さが相違しているか、又は前記第3の半導体層と前記第4の半導体層との間で、それらの材料の組成若しくは厚さが相違していることを特徴とする付記1に記載の量子井戸型光検知器。
(付記3)
前記量子井戸層が複数設けられており、隣り合う量子井戸層間で、量子井戸の基底準位が相違していることを特徴とする付記1又は2に記載の量子井戸型光検知器。
(付記4)
前記量子井戸層として、量子井戸の基底準位が相違する2種類のものが複数ずつ設けられ、
これらの2種類の量子井戸層間に前記第1及び第2の超格子バリア層のいずれかが交互に挟まれていることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の量子井戸型光検知器。
(付記5)
前記量子井戸層及び前記超格子バリア層は、GaAs系の材料、InAs系の材料、AlAs系の材料、InP系の材料、GaP系の材料及びAlP系の材料からなる群から選択された1種から構成されていることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の量子井戸型光検知器。
(付記6)
前記量子井戸層及び前記超格子バリア層は、GaAs系の材料、InAs系の材料、AlAs系の材料、InP系の材料、GaP系の材料及びAlP系の材料からなる群から選択された2種以上の混晶から構成されていることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の量子井戸型光検知器。
(付記7)
量子井戸層と、前記量子井戸層を挟む第1及び第2の超格子バリア層と、を有し、前記量子井戸層内のサブバンド間遷移を利用して光吸収を行い、光電流信号を発生させる量子井戸型光検知器を製造する方法において、
前記量子井戸層の基底準位を基準にしたとき、前記第1の超格子バリア層中に形成されるミニバンドのエネルギー位置と前記第2の超格子バリア層中に形成されるミニバンドのエネルギー位置とを相違させることを特徴とする量子井戸型光検知器の製造方法。
(付記8)
前記第1の超格子バリア層として、第1の半導体層と、前記第1の半導体層よりも禁制帯幅が小さい第2の半導体層と、を積層して構成されるものを形成し、
前記第2の超格子バリア層として、第3の半導体層と、前記第3の半導体層よりも禁制帯幅が小さい第4の半導体層と、を積層して構成されるものを形成し、
少なくとも、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との間で、それらの材料の組成若しくは厚さを相違させるか、又は前記第3の半導体層と前記第4の半導体層との間で、それらの材料の組成若しくは厚さを相違させることを特徴とする付記7に記載の量子井戸型光検知器の製造方法。
(付記9)
前記量子井戸層を複数形成し、隣り合う量子井戸層間で、量子井戸の基底準位を相違させることを特徴とする付記7又は8に記載の量子井戸型光検知器の製造方法。
(付記10)
前記量子井戸層として、量子井戸の基底準位が相違する2種類のものを複数ずつ形成し、
これらの2種類の量子井戸層間に前記第1及び第2の超格子バリア層のいずれかを交互に挟むことを特徴とする付記7乃至9のいずれか1項に記載の量子井戸型光検知器の製造方法。
本発明の実施形態に係る量子井戸型光検知器(赤外線センサ)の構造を示す断面図である。 超格子バリア層11の構造を示す断面図である。 超格子バリア層13の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態のエネルギー構造を示すバンドダイアグラムである。 本発明の実施形態に係る量子井戸型光検知器を製造する方法を示す断面図である。 図4Aに引き続き、量子井戸型光検知器を製造する方法を示す断面図である。 図4Bに引き続き、量子井戸型光検知器を製造する方法を示す断面図である。 図4Cに引き続き、量子井戸型光検知器を製造する方法を示す断面図である。 図4Dに引き続き、量子井戸型光検知器を製造する方法を示す断面図である。 図4Eに引き続き、量子井戸型光検知器を製造する方法を示す断面図である。 図4Fに引き続き、量子井戸型光検知器を製造する方法を示す断面図である。 図4Gに引き続き、量子井戸型光検知器を製造する方法を示す断面図である。 従来のミニバンド型量子井戸型光検知器の構造を示す断面図である。 超格子バリア層111の構造を示す断面図である。 従来の量子井戸型光検出器のエネルギー構造を示すバンドダイアグラムである。 量子井戸型光検知器の使用態様を示す図である。 温度分解能の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
11、13:超格子バリア層
12、14:量子井戸層
21、31:真性AlGaAs層
22、32:真性GaAs層
41、42:ミニバンド

Claims (6)

  1. 量子井戸層と、
    前記量子井戸層を挟む第1及び第2の超格子バリア層と、
    を有し、前記量子井戸層内のサブバンド間遷移を利用して光吸収を行い、光電流信号を発生させる量子井戸型光検知器において、
    前記量子井戸層の基底準位を基準にしたとき、前記第1の超格子バリア層中に形成されるミニバンドのエネルギー位置と前記第2の超格子バリア層中に形成されるミニバンドのエネルギー位置とが相違していることを特徴とする量子井戸型光検知器。
  2. 前記量子井戸層が複数設けられており、隣り合う量子井戸層間で、量子井戸の基底準位が相違していることを特徴とする請求項1に記載の量子井戸型光検知器。
  3. 前記量子井戸層として、量子井戸の基底準位が相違する2種類のものが複数ずつ設けられ、
    これらの2種類の量子井戸層間に前記第1及び第2の超格子バリア層のいずれかが交互に挟まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の量子井戸型光検知器。
  4. 量子井戸層と、前記量子井戸層を挟む第1及び第2の超格子バリア層と、を有し、前記量子井戸層内のサブバンド間遷移を利用して光吸収を行い、光電流信号を発生させる量子井戸型光検知器を製造する方法において、
    前記量子井戸層の基底準位を基準にしたとき、前記第1の超格子バリア層中に形成されるミニバンドのエネルギー位置と前記第2の超格子バリア層中に形成されるミニバンドのエネルギー位置とを相違させることを特徴とする量子井戸型光検知器の製造方法。
  5. 前記量子井戸層を複数形成し、隣り合う量子井戸層間で、量子井戸の基底準位を相違させることを特徴とする請求項4に記載の量子井戸型光検知器の製造方法。
  6. 前記量子井戸層として、量子井戸の基底準位が相違する2種類のものを複数ずつ形成し、
    これらの2種類の量子井戸層間に前記第1及び第2の超格子バリア層のいずれかを交互に挟むことを特徴とする請求項4又は5に記載の量子井戸型光検知器の製造方法。
JP2007038437A 2007-02-19 2007-02-19 量子井戸型光検知器及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5282361B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007038437A JP5282361B2 (ja) 2007-02-19 2007-02-19 量子井戸型光検知器及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007038437A JP5282361B2 (ja) 2007-02-19 2007-02-19 量子井戸型光検知器及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008205128A true JP2008205128A (ja) 2008-09-04
JP5282361B2 JP5282361B2 (ja) 2013-09-04

Family

ID=39782331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007038437A Expired - Fee Related JP5282361B2 (ja) 2007-02-19 2007-02-19 量子井戸型光検知器及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5282361B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2589759C1 (ru) * 2015-03-10 2016-07-10 Открытое акционерное общество "Центральный научно-исследовательский институт "ЦИКЛОН" Фотоприемник на основе структуры с квантовыми ямами
JP2016143864A (ja) * 2015-02-05 2016-08-08 日本電気株式会社 赤外線検出素子、その製造方法及び赤外線検出器
JP2017034208A (ja) * 2015-08-06 2017-02-09 富士通株式会社 光検出器及び光検出器の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06502743A (ja) * 1990-10-31 1994-03-24 マーチン・マリエッタ・コーポレーション ミニバンド移送量子ウェル赤外線検知器
JPH06260672A (ja) * 1992-02-18 1994-09-16 Fr Telecom 光電デテクタ
JP2001044453A (ja) * 1999-07-30 2001-02-16 Fujitsu Ltd 光検出素子
JP2001523392A (ja) * 1996-08-27 2001-11-20 カリフォルニア インスティチュート オブ テクノロジー 赤外線放射検出デバイス
WO2002056392A1 (fr) * 2001-01-05 2002-07-18 Japan Science And Technology Corporation Element a semi-conducteur optique utilisant une transition optique entre des sous-bandes a heterostructure zno

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06502743A (ja) * 1990-10-31 1994-03-24 マーチン・マリエッタ・コーポレーション ミニバンド移送量子ウェル赤外線検知器
JPH06260672A (ja) * 1992-02-18 1994-09-16 Fr Telecom 光電デテクタ
JP2001523392A (ja) * 1996-08-27 2001-11-20 カリフォルニア インスティチュート オブ テクノロジー 赤外線放射検出デバイス
JP2001044453A (ja) * 1999-07-30 2001-02-16 Fujitsu Ltd 光検出素子
WO2002056392A1 (fr) * 2001-01-05 2002-07-18 Japan Science And Technology Corporation Element a semi-conducteur optique utilisant une transition optique entre des sous-bandes a heterostructure zno

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016143864A (ja) * 2015-02-05 2016-08-08 日本電気株式会社 赤外線検出素子、その製造方法及び赤外線検出器
RU2589759C1 (ru) * 2015-03-10 2016-07-10 Открытое акционерное общество "Центральный научно-исследовательский институт "ЦИКЛОН" Фотоприемник на основе структуры с квантовыми ямами
JP2017034208A (ja) * 2015-08-06 2017-02-09 富士通株式会社 光検出器及び光検出器の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5282361B2 (ja) 2013-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10062794B2 (en) Resonant-cavity infrared photodetectors with fully-depleted absorbers
US10559704B2 (en) In-plane resonant-cavity infrared photodetectors with fully-depleted absorbers
JP4571920B2 (ja) 光検知器
JP2716364B2 (ja) 電圧調節可能な光検出器
US5510627A (en) Infrared-to-visible converter
JP2009065141A (ja) 赤外線検知器
Kim et al. Room temperature far infrared (8/spl sim/10 μm) photodetectors using self-assembled InAs quantum dots with high detectivity
WO2009107568A1 (ja) 光電界効果トランジスタ,及びその製造方法
US10128386B2 (en) Semiconductor structure comprising an absorbing area placed in a focusing cavity
JPH10326906A (ja) 光検出素子及び撮像素子
US5567955A (en) Method for infrared thermal imaging using integrated gasa quantum well mid-infrared detector and near-infrared light emitter and SI charge coupled device
JP5282361B2 (ja) 量子井戸型光検知器及びその製造方法
WO2004095830A2 (en) Voltage tunable integrated infrared imager
JP2009147193A (ja) 量子ドット型赤外線検知器
JP4812656B2 (ja) 量子ドット型光検知器及びその製造方法
JP5815772B2 (ja) 量子ドット型赤外線検知素子、量子ドット型赤外線検知器及び量子ドット型赤外線撮像装置
JP2015142110A (ja) イメージセンサ及びその製造方法
JP2006012974A (ja) 光検知装置
JP4927911B2 (ja) 量子ドット型光検知器
US9728577B2 (en) Infrared image sensor
JP2000188407A (ja) 赤外線検知素子
US10396222B2 (en) Infrared light-receiving device
JP4331428B2 (ja) サブバンド間遷移量子井戸型光検知装置
JP5522639B2 (ja) 光検知素子及び撮像装置
JP2000183319A (ja) 量子井戸型光センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091110

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130319

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130430

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130513

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees