JP2013119645A - 薄膜製造方法及び薄膜製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板への成膜の際にマスク上に付着した膜を綺麗にクリーニングし、マスクを基板の成膜に繰り返し使用する成膜方法とクリーニング方法とその装置とを提供することにある。
【解決手段】基板への成膜の前に予めマスク本体11に剥離可能な犠牲層12を形成し、犠牲層12が形成されたマスク本体11を用いて基板13表面に蒸気を到達させて薄膜15を形成する。このとき、蒸気は犠牲層12表面にも到達して犠牲層12表面にも付着膜14が形成されるが、付着膜14の微小な隙間から犠牲層12表面の一部が露出しており、露出した犠牲層12と、プラズマ中のイオンやラジカルとを接触させ、犠牲層12を反応させてガス化し、犠牲層12をマスク本体11から除去する。これにより、犠牲層12表面に形成された付着膜14をマスク本体11上から綺麗に除去することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機ELディスプレイ、有機EL照明デバイス、有機太陽電池、蒸着重合膜など有機膜があるデバイスの作製に関する。
図10(a)、(b)を参照し、従来の有機膜の成膜では、マスク110を用いて基板表面にパターニングされた有機膜を形成する際に、有機膜の有機材料がマスク110に付着して、マスク110に有機材料からなる付着膜114が形成されてしまい、クリーニングしても、図10(c)に示すように、マスク110に付着した有機材料の付着膜114の一部は除去できなかった。
プラズマを発生させてマスクをクリーニングする際に、投入する電力を大きくしてマスクに付着した付着膜を除去しようとすると、発生させたプラズマに曝されたマスクの温度が高くなってマスクが変形し、形成される有機膜のパターンの精度が悪くなる。
逆に、投入電力を上げずに付着膜を除去しようとすると、クリーニングするのに時間がかかり、生産性が悪い。
また、金属を含む有機材料などで行う従来の有機膜の成膜では、マスクに直接付着した有機材料の付着膜を、プラズマなどの高エネルギー粒子によりクリーニングを行うとき、マスクに付着した付着膜を構成する有機材料が、この高エネルギー粒子によって分解されたり、この高エネルギー粒子との反応などが生じ生成された金属や金属酸化物などの生成物がマスクに残ったため、次の基板に成膜するとき、これらの生成物が不純物として基板に形成する膜であるデバイス膜に混入し、形成されたデバイス膜の膜質に影響し、作製するデバイスの品質に影響する。
さらに、従来の有機デバイス成膜を行う工程中に、無機物を成膜する工程があり、この工程で無機物からなる膜を基板に形成する際、無機物からなる膜がマスクに直接付着し、付着した膜を除去しようとしても一部がマスクに残ってしまい、除去しきれなかった。
また、無機物からなる無機層を基板に成膜する工程と、有機材料からなる有機層を基板に成膜する工程とを有する従来のデバイス成膜では、無機層成膜用マスクが有機層成膜用マスクと同様なプロセスや装置でクリーニングし難いため、他のプロセスや装置を設けないといけないことや真空槽の外部に搬出してウェート洗浄することがあり、時間がかかり、コストが高く、生産性が悪い。
特開2003−313654号公報 特開2008−88483号公報 特開平7−145472号公報
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、基板成膜の際にマスク上に付着した付着膜を綺麗にクリーニングし、マスクを基板の成膜に繰り返し使用できる成膜方法とクリーニング方法とその装置とを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、マスク本体の前面に有機薄膜から成る第一の犠牲層が形成された第一のマスクの背面に第一の基板を配置し、真空雰囲気中で、薄膜を形成するための第一の粒子に前記第一のマスクの貫通孔を通過させ、前記第一の基板の表面に到着させて前記第一の基板の表面にパターニングされた第一の薄膜を形成し、前記第一のマスクに付着した前記第一の粒子によって形成された付着膜は、前記第一の犠牲層をクリーニングガスのプラズマによってエッチング除去して前記マスク本体から剥離させ、前記マスク本体の前記前面を露出させ、前記マスク本体に犠牲層用粒子を到達させ、前記マスク本体の前記前面に第二の犠牲層を形成して第二のマスクを構成させ、前記第二のマスクの前記背面に第二の基板を配置して、第二の粒子に前記第二のマスクの貫通孔を通過させ、パターニングされた第二の薄膜を前記第二の基板の表面に形成する薄膜製造方法である。
本発明は薄膜製造方法であって、前記第一、第二の粒子と前記犠牲層用粒子とを、同じ放出装置から放出させて、前記基板と前記マスク本体に、前記第一、第二の薄膜と、前記第二の犠牲層とをそれぞれ形成する薄膜製造方法である。
本発明は薄膜製造方法であって、前記第二の犠牲層は、前記マスク本体の裏面に冷却板を配置し、前記マスク本体に前記冷却板を密着させた状態で形成する薄膜製造方法である。
本発明は薄膜製造方法であって、前記クリーニングガスの前記プラズマは、前記第一のマスクの裏面に前記冷却板を配置し、前記第一のマスクに前記冷却板を密着させた状態で形成する薄膜製造方法である。
本発明は、真空槽と、前記真空槽内に配置された放出装置と、前記真空槽内でマスク本体を保持するマスクホルダと、前記真空槽内で基板を保持する基板ホルダと、基板表面に形成する薄膜の原料の粒子を前記放出装置に供給する薄膜蒸気供給装置と、前記マスク本体の表面に形成する犠牲層の原料の粒子を前記放出装置に供給する犠牲層蒸気供給装置と、前記真空槽内に前記犠牲層と反応可能なクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給装置と、前記放出装置に電圧を印加し、前記クリーニングガスのプラズマを形成するプラズマ電源と、を有し、前記放出装置と前記基板は、前記マスク本体を間にして対面できるようにされた薄膜製造装置である。
本発明によれば、基板を成膜する際に、マスク上に付着した付着膜を綺麗にクリーニングし、マスクを繰り返し使用でき、生産効率を高めることができる。
(a)〜(e):本発明の成膜方法を説明するための図 (a)、(b):第一例の成膜装置の構造を説明するための図 (a)、(b):第一例の成膜装置で犠牲層を形成する工程を説明するための図 (a)、(b):第一例の成膜装置で基板を成膜する工程を説明するための図 第一例の成膜装置で犠牲層を形成しているときの図 第一例の成膜装置で基板に薄膜を形成しているときの図 (a)、(b):第二例の成膜装置の構造を説明するための図 (a)、(b):第二例の成膜装置で犠牲層、薄膜を形成する工程を説明するための図 マルチチャンバー式の成膜装置を用いて本発明の成膜方法を説明するための図 (a)〜(c):従来の有機膜の成膜を説明するための図
本発明の成膜方法は、後述する犠牲層が形成され、パターニングされた薄膜を形成するマスクを用いて基板表面を成膜する方法であり、図2(a)、(b)の成膜装置2aは、本発明の成膜方法に用いる成膜装置の一例である第一例の成膜装置である。この第一例の成膜装置2aは、犠牲層が形成されたマスクを用いて基板表面に成膜する装置であり、マスクに犠牲層を形成する装置でもある。図2(a)は第一例の成膜装置2aの上面図であり、図2(b)は第一例の成膜装置2aの側面図である。
この第一例の成膜装置2aの構造を説明すると、第一例の成膜装置2aは真空槽21aを有している。
真空槽21aの壁面には、基板と後述する冷却板を搬出入できる搬出入口18aが設けられている。
真空槽21a内の天井側には、マスクホルダ20aが配置されている。このマスクホルダ20aは、基板表面にパターニングされた薄膜を形成するマスクを配置できるように構成されている。
マスクホルダ20a上には、基板ホルダ19aが配置されている。この基板ホルダ19aは、マスクホルダ20a上にマスクを配置したときに、マスクが位置する場所の上方で、基板を保持できるように構成されている。
真空槽21a内の底面側には、放出装置24aが配置されている。放出装置24aは、容器本体42aを有している。容器本体42aは、マスクをマスクホルダ20a上に配置したときに、マスクが位置する場所の高さより低い位置に配置されている。
真空槽21aの外部には、真空排気装置22aと、蒸発装置23aとが配置されている。
真空排気装置22aは真空槽21aに接続されており、真空槽21a内を真空排気し、真空槽21a内に真空雰囲気を形成できるように構成されている。
蒸発装置23aは、基板に形成する薄膜の蒸気を供給する薄膜蒸気供給装置31aを有している。薄膜蒸気供給装置31aの内部には、基板表面に形成される薄膜の材料が配置されており、薄膜蒸気供給装置31aはこの材料を加熱し、この材料の蒸気を生成するように構成されている。
容器本体42aはその内部が中空にされている。容器本体42aの内部は、真空槽21aの壁面に気密に挿通された配管によって薄膜蒸気供給装置31aに接続されており、薄膜蒸気供給装置31aから容器本体42aの内部に生成された材料蒸気が供給されるように構成されている。容器本体42aの内部に生成した材料蒸気を供給すると、容器本体42aの内部で供給された材料蒸気が充満するようになっている。
真空槽21a内には、移動装置16が配置されている。放出装置24a(容器本体42a)は移動装置16に取り付けられており、移動装置16を起動させると、移動装置16は、放出装置24a(容器本体42a)に、マスクが位置する場所の下方を移動させるように構成されている。
放出装置24aは複数の放出孔41aを有している。各放出孔41aは真空槽21aの天井に向けられた容器本体42aの一面である放出面に設けられ、各放出孔41aによって、容器本体42aの内部と真空槽21aの内部とは連通している。
薄膜蒸気供給装置31aは、放出装置24a(容器本体42a)が移動しているときに、生成した材料蒸気を供給できるように構成されており、容器本体42aの内部に生成した蒸気を供給しながら、マスクが位置する場所の下方を容器本体42aに移動させると、容器本体42aの内部に充満した蒸気が、各放出孔41aからマスクが位置する場所に向かって放出される。
マスクの上には基板が配置されており、放出装置24aから放出された蒸気は、マスクの貫通孔の底面に露出する基板表面に到達し、薄膜が形成される。放出孔41aは、放出される蒸気が、放出装置24aの移動方向とは垂直な方向の一定範囲に帯状に到達するように配置されている。
放出装置24aから放出された蒸気は、マスクの放出装置24aに向く前面と、貫通孔の内周側面とを含む表面に到達する。マスクは、マスク本体と、マスク本体の前面と貫通孔内周側面に形成された犠牲層とを有しており、マスクに到達した蒸気は犠牲層の表面に付着し、犠牲層の表面には付着膜が形成される。
この犠牲層を形成する工程を説明する。
図1(a)は犠牲層を形成するマスク本体11の断面図であり、マスク本体11は金属で構成されていて、マスク本体11には一乃至複数の貫通孔9が形成されている。
このマスク本体11を、真空槽21a内の真空雰囲気を維持しながら、真空槽21aに接続されたマスクストッカー室(不図示)から搬入し、図3(a)、(b)に示すように、成膜装置2a内のマスクホルダ20aに保持させ、次いで、搬出入口18aから真空槽21a内に、蒸気の進行を遮る冷却板17を搬入し、冷却板17をマスク本体11上に密着して配置し、冷却板17の表面を貫通孔9の底面に露出させておく。
マスク本体11の搬入前から少なくともマスク本体11への犠牲層形成終了までの間は、真空排気装置22aによる真空排気を継続し、真空槽21a内の真空雰囲気を維持する。
蒸発装置23aは、犠牲層蒸気供給装置32aを有している。犠牲層蒸気供給装置32aの内部には、有機薄膜から成る犠牲層の蒸着材料が配置されており、犠牲層蒸気供給装置32aはこの蒸着材料を加熱し、蒸着材料の蒸気を生成するように構成されている。犠牲層の蒸着材料は、C、HあるいはC、H、N元素で形成した化合物で構成され、この化合物は、例えば、NPB、CPB、ペンタセン、ペンゾ[b]アントラセン、アントラセン、ナフタリン、ルブレンである。
蒸発装置23aは、切替装置33aを有している。切替装置33aは真空槽21aの外部に配置されている。
薄膜蒸気供給装置31aと、犠牲層蒸気供給装置32aと、容器本体42aとは、それぞれ切替装置33aに接続されており、切替装置33aは、容器本体42aを薄膜蒸気供給装置31aと犠牲層蒸気供給装置32aの両方から遮断させるか、又は、容器本体42aを、薄膜蒸気供給装置31aと犠牲層蒸気供給装置32aのうちの少なくともいずれか一方に接続し、材料蒸気を容器本体42に供給できるようになっている。
切替装置33aによって、薄膜蒸気供給装置31aが容器本体42aに接続されているときは、上述したように、薄膜蒸気供給装置31aから容器本体42aの内部に生成された材料蒸気が供給され、切替装置33aによって、犠牲層蒸気供給装置32aが容器本体42aの内部に接続されているときは、犠牲層蒸気供給装置32aから容器本体42aの内部に生成された材料蒸気が供給される。
また、切替装置33aによって、薄膜蒸気供給装置31aと犠牲層蒸気供給装置32aの両方が容器本体42aの内部から遮断されているときは、薄膜蒸気供給装置31aや犠牲層蒸気供給装置32aから容器本体42aの内部に生成された材料蒸気は供給されない。
切替装置33aによって、薄膜蒸気供給装置31aを容器本体42aの内部から遮断し、犠牲層蒸気供給装置32aを容器本体42aの内部に接続し、犠牲層蒸気供給装置32aによって犠牲層の材料の蒸気を生成し、生成した材料蒸気を容器本体42aの内部に供給する。なお、犠牲層蒸気供給装置32aや薄膜蒸気供給装置31aと、容器本体42aとを接続する配管には、加熱装置29aが密着して取り付けられており、加熱装置29aによって配管が温められ、配管の内部を通過する蒸気が析出することはない。
内部に材料蒸気が供給された容器本体42aを、蒸気を放出してもマスク本体11に到達しない位置に移動させる。
犠牲層蒸気供給装置32aは容器本体42aが移動しているときでも容器本体42aの内部に犠牲層蒸気供給装置32aによって生成した材料蒸気を供給できるように構成されており、容器本体42aの内部に犠牲層蒸気供給装置32aによって生成した材料蒸気を供給しながら、上記位置を起点として容器本体42aにマスク本体11の下方を移動させると、容器本体42aの内部に供給されて充満した材料蒸気が、各放出孔41aからマスク本体11に向けて放出される。
ここで、マスク本体11の一乃至複数の貫通孔9について、同一の貫通孔9の二個の開口について説明すると、冷却板17側に面した開口は、マスク本体11の位置する平面の法線に沿った方向の、放出装置24a側に面した開口の真上に位置しており、放出装置24a側に面した開口の大きさは、冷却板17側に面した開口の大きさより大きくされている。冷却板17側に面した開口と放出装置24a側に面した開口とが、マスク本体11の位置する平面の法線に沿った方向と平行に移動させて同一平面内に位置したときに、冷却板17側に面した開口の縁は、放出装置24a側に面した開口の縁よりも内側に位置するようになっており、冷却板17側に面した開口の縁と、放出装置24a側に面した開口の縁との間に位置する貫通孔9の側面は、冷却板17側よりも放出装置24a側に向くように傾いていることになる。
このため、各放出孔41aからマスク本体11に向けて放出された材料蒸気のうち、一部は、放出装置24aに向いた前面と貫通孔9の内周側面とから成るマスク本体11の表面に到達して、図1(b)に示すように、マスク本体11の前面に所定の厚みの犠牲層12(第一の犠牲層)が形成され、他の一部は貫通孔9に進入し、貫通孔9の底面に露出した冷却板17の表面に到達し、マスク本体11の裏面や真空槽21aの天井内壁面には到達しない。冷却板17の大きさは、貫通孔9が配置された範囲よりも大きくなっており、蒸気は貫通孔9を通過して、冷却板17の裏面側に進行しないようになっている。なお、貫通孔9は犠牲層12によって閉塞されない。
なお、図5は、マスク本体11の前面と貫通孔の内周側面とに犠牲層12を形成しているときの第一例の成膜装置2aを示している。
このようにして、マスク本体11と、マスク本体11に形成された犠牲層12とを有するマスク10(第一のマスク)が得られる。
所定の厚みの犠牲層12が形成されたマスク10が得られたら、犠牲層蒸気供給装置32aの蒸気生成を停止し、冷却板17を搬出入口18aから真空槽21aの外部に搬出する。
次に、所定の厚みの犠牲層12が形成されて得られたマスク10を用いて基板表面に成膜する工程を説明する。
図4(a)、(b)を参照し、真空排気装置22aによって継続して真空排気しながら搬出入口18aから真空槽21a内に基板13(第一の基板)を搬入し、基板13を基板ホルダ19aに保持させ、基板13とマスク10との位置合わせをする。このとき、マスク10はマスクホルダ20aに対して移動しない。
図1(c)はこの位置合わせ後の、基板13とマスク10の断面図であり、基板13表面がマスク10の貫通孔9の底面に露出している。
次に、切替装置33aによって、薄膜蒸気供給装置31aを容器本体42aの内部に接続し、薄膜蒸気供給装置31aによって基板13表面に形成する薄膜の原料の蒸気を生成し、容器本体42aの内部に生成した材料蒸気を供給する。
供給された材料蒸気を各放出孔41aから放出させながら容器本体42aにマスク10の下方を通過させると、放出された材料蒸気(第一の粒子)が貫通孔9を通過して貫通孔9の底面に露出した基板13の表面に到達し、その表面に所定の厚みの薄膜(第一の薄膜)が形成される。
このとき、マスク10に材料蒸気が付着する位置には犠牲層12が予め形成されているから、放出された材料蒸気は犠牲層12表面に到達する。マスク本体11の前面と貫通孔の内周側面とに犠牲層12を形成した後、マスク10はマスクホルダ20aに対して移動されていないので、マスク本体11の表面のうち、マスクホルダ20aなどの真空槽21a内の部材によって隠蔽されていて、犠牲層12が形成されずにマスク本体11表面が露出する部分は、基板13への成膜の際に真空槽21aの内部に露出することはなく、従って、基板13の成膜の際に、マスク本体11の表面に接触して薄膜が形成されることはない。
図1(d)は、基板13表面に薄膜を形成したときの、基板13とマスク10の断面図であり、同図の符号15は、貫通孔9底面に露出した基板13表面に放出された材料蒸気が到達して形成された薄膜を示し、同図の符号14は、犠牲層12表面に放出された材料蒸気が付着して形成された付着膜を示している。なお、図6は基板13表面に成膜しているときの第一例の成膜装置2aを示している。
基板13表面に所定の厚みで薄膜15が形成されたら、薄膜15が形成された基板13を搬出入口18aから真空槽21a外に搬出し、未成膜の基板を搬出入口18aから真空槽21a内に搬入し、上記薄膜15を形成したのと同じ手順でこの未成膜の基板に薄膜を形成する。
このように、複数の基板に薄膜を形成すると、マスク10(犠牲層12)に形成された付着膜14が厚くなる。
薄膜が形成された基板が所定枚数に達したら、マスク10の付着膜14を除去するクリーニングを行う。
このマスク10は、マスク本体11に犠牲層12を形成し、基板13の表面に薄膜を形成した第一例の成膜装置2aの内部でクリーニングされる。
真空槽21aに接続されたガス供給装置25aには、犠牲層12をエッチングするクリーニングガスが配置されたクリーニングガス供給装置52aと、クリーニングの際のプラズマ生成の補助となる補助ガスが配置された補助ガス供給装置51aとが設けられている。
そのクリーニング工程を説明すると、真空排気装置22aによる真空排気をしながら、先ず、搬出入口18aから真空槽21a内に基板に替えて冷却板17を搬入し、付着膜14が付着したマスク10上に冷却板17を配置し、補助ガス供給装置51aとクリーニングガス供給装置52aとから真空槽21a内に、補助ガスとクリーニングガスとを供給する。
真空槽21aは接地電位に接続されており、真空槽21aの外部には、高電圧を出力する電源26aが配置されている。
ここでは、電源26aには容器本体42aが接続され、マスク10が真空槽21aと同電位に接続されており、真空槽21a内にクリーニングガスと補助ガスの混合ガス雰囲気が形成された状態で、電源26aが、マスク10と容器本体42aの間に電圧を印加すると、マスク10と容器本体42aとが、それぞれ一つの電極となって放電し、マスク10と容器本体42aとの間の混合ガスのプラズマを形成する。
マスク10を電源26aに接続し、容器本体42aを接地電位に接続してマスク10と容器本体42aの間に電圧を印加して、混合ガスのプラズマを形成してもよい。
マスク10の表面は形成されたプラズマに曝され、プラズマ中で生成されたクリーニングガスのイオンとクリーニングガスのラジカルから成るクリーニングガスの活性種は、付着膜14の微小な隙間から付着膜14の内部に侵入し、犠牲層12に到達すると、犠牲層12は活性種と反応し反応生成物が生成される。
プラズマは、冷却板17によってマスク10の裏面に回り込まないようになっている。
クリーニングガスには、生成される反応生成物が気体であるような物質が選択されており、気体の反応生成物は真空槽21a内に拡散し、真空排気された真空槽21aの内部から除去される。
そして、犠牲層12がクリーニングガスとの反応によって気体化し、除去されると犠牲層12に付着している付着膜14はマスク本体11から剥離され、真空槽21aの底面に向けて落下し、マスク10から除去される。
ここでは、マスク10の下方の、真空槽21aの底面には図示しないトレイが予め配置されており、トレイ上に落下した付着膜14をこのトレイを回収することによって回収することができる。
このように、本発明は、犠牲層12をクリーニングによって除去することで、付着膜14を落下させて除去しており、基板に薄膜を形成したときと、クリーニングガスで犠牲層12を除去する時には、マスク10は、真空槽21a内で移動されておらず、一旦犠牲層12の表面上に付着した付着膜14は、マスクホルダ20a等の部材によってプラズマから隠蔽されることが無く、付着膜14の下層の犠牲層12には、クリーニングガスの活性種が到達できるようになっており、クリーニングガスのプラズマを形成したときに、付着膜14が落下せずに残ることはない。
従って、マスク本体11の犠牲層12が形成された部分は真空槽21a内に露出する。
この状態になるとマスク本体11は犠牲層12が形成される前の状態に戻っており、プラズマ形成電圧の印加と、クリーニングガスと補助ガスの導入とを停止させ、クリーニング工程を終了させる。
次に、図3(a)、(b)に記載した第一例の成膜装置2aでマスク本体11に犠牲層12を形成したのと同じ工程で、付着膜14を除去したマスク本体11に犠牲層(第二の犠牲層)を形成し、マスク本体11と犠牲層を有するマスク(第二のマスク)を形成し、図4(a)、(b)に記載した第一例の成膜装置2aで基板13表面に薄膜15を形成したのと同じ工程で、このマスク上に基板(第二の基板)を配置して、放出された材料蒸気(第二の粒子)にこのマスクの貫通孔9を通過させて基板表面に薄膜(第二の薄膜)を形成する。このようにして、マスク本体11を真空槽21aの外部に搬出することなく、マスク本体11への犠牲層の形成と、犠牲層を有するマスクを用いた基板表面への薄膜の形成と、マスクに付着した付着膜の除去とを繰り返し行うことができる。
なお、マスク10がプラズマに曝されると、マスク10はプラズマから熱を受けるが、冷却板17はその熱容量が大きくされていて、冷却板17はマスク10と密着している。このため、形成したプラズマに曝されたことによるマスク10の熱は冷却板17に吸収されるようになっており、形成したプラズマに曝されたことによる熱でマスク10が変形することはない。また、犠牲層を形成する際にも、蒸気がマスク10に加える熱は、マスク10に密着した冷却板17によって吸収される。
なお、上記例では、放出装置24aを移動させていたが、図8(a)、(b)に示す成膜装置2bのように、静止した状態で、マスク本体11や基板13よりも広範囲に蒸気を放出させる放出装置24bを真空槽21b内に配置し、犠牲層12と薄膜15とを形成するようにしてもよい。成膜装置2bの、第一例の成膜装置2aと同じ部材には、第一例の成膜装置2aの部材に付した符号と同じ符号を付している。
この成膜装置2bでも、放出装置24bとマスク10との間に電圧を印加して、真空槽21b内に導入したクリーニングガスと補助ガスのプラズマを形成してクリーニングを行うことができる。
また、図9に示した成膜装置60のように、搬送ロボット67が配置された搬送室68に、一乃至複数台の成膜用真空槽62、63と、マスク用真空槽64とを接続し、マスク用真空槽64内で、マスク本体11に犠牲層12を形成した後、搬送ロボット67によって成膜用真空槽62、63内に搬入し、搬送室68に接続された搬入室61から搬入した基板を成膜用真空槽62、63内に移動させて、犠牲層12を有するマスク10を用いた薄膜形成を行っても良い。図9の符号65は、内部にマスク本体11が配置されたマスクストッカー室を示し、同図の符号66は、基板を搬出する搬出室を示している。
また、犠牲層12に付着した付着膜14は、マスク用真空槽64内にマスク10を移動させ、マスク用真空槽64内でクリーニングを行って、犠牲層12と共に、付着膜14を除去させてもよい。
この成膜装置2bでは、各室61、65、66、68と各槽62〜64とは、真空雰囲気にされており、犠牲層12を形成してから基板表面に成膜し、マスク10をクリーニングするまでの間、マスク10は真空雰囲気に置かれている。
なお、上記実施例では、犠牲層12の表面に有機薄膜15を形成したが、犠牲層12の表面に無機薄膜を形成する場合でも、犠牲層12をクリーニングガスで消滅させることができるから、マスク10に付着した無機膜を剥落させることができる。
また、上記実施例では蒸着装置であったが、本発明は、薄膜を形成するための粒子を放出させ、マスクを介して、マスク底面に露出する成膜対象物の表面に薄膜を形成する装置であれば、本発明の成膜装置に含まれる。粒子は、分子、原子等である。
薄膜を形成するための粒子が蒸気の場合、放出装置とは異なる場所で、蒸気を発生させ、蒸気を放出装置まで移動させてもよいし、一の放出装置の中で成膜対象物表面に薄膜を形成する蒸気を発生させ、他の放出装置の中でマスクに犠牲層を形成する蒸気を発生させ、二個の放出装置を別々に移動させて、基板とマスクに、それぞれ薄膜と犠牲層を形成するようにしてもよい。
2a、2b……成膜装置
9……貫通孔
10……マスク
11……マスク本体
12……犠牲層
13……基板
14……付着膜
15……薄膜
17……冷却板
19a、19b……基板ホルダ
20a、20b……マスクホルダ
24a、24b……放出装置
26a、26b……電源
31a、31b……薄膜蒸気供給装置
32a、32b……犠牲層蒸気供給装置
52a、52b……クリーニングガス供給装置

Claims (5)

  1. マスク本体の前面に有機薄膜から成る第一の犠牲層が形成された第一のマスクの背面に第一の基板を配置し、真空雰囲気中で、薄膜を形成するための第一の粒子に前記第一のマスクの貫通孔を通過させ、前記第一の基板の表面に到着させて前記第一の基板の表面にパターニングされた第一の薄膜を形成し、
    前記第一のマスクに付着した前記第一の粒子によって形成された付着膜は、前記第一の犠牲層をクリーニングガスのプラズマによってエッチング除去して前記マスク本体から剥離させ、前記マスク本体の前記前面を露出させ、
    前記マスク本体に犠牲層用粒子を到達させ、前記マスク本体の前記前面に第二の犠牲層を形成して第二のマスクを構成させ、前記第二のマスクの前記背面に第二の基板を配置して、第二の粒子に前記第二のマスクの貫通孔を通過させ、パターニングされた第二の薄膜を前記第二の基板の表面に形成する薄膜製造方法。
  2. 前記第一、第二の粒子と前記犠牲層用粒子とを、同じ放出装置から放出させて、前記基板と前記マスク本体に、前記第一、第二の薄膜と、前記第二の犠牲層とをそれぞれ形成する請求項1記載の薄膜製造方法。
  3. 前記第二の犠牲層は、前記マスク本体の裏面に冷却板を配置し、前記マスク本体に前記冷却板を密着させた状態で形成する請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の薄膜製造方法。
  4. 前記クリーニングガスの前記プラズマは、前記第一のマスクの裏面に前記冷却板を配置し、前記第一のマスクに前記冷却板を密着させた状態で形成する請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の薄膜製造方法。
  5. 真空槽と、
    前記真空槽内に配置された放出装置と、
    前記真空槽内でマスク本体を保持するマスクホルダと、
    前記真空槽内で基板を保持する基板ホルダと、
    基板表面に形成する薄膜の原料の粒子を前記放出装置に供給する薄膜蒸気供給装置と、
    前記マスク本体の表面に形成する犠牲層の原料の粒子を前記放出装置に供給する犠牲層蒸気供給装置と、
    前記真空槽内に前記犠牲層と反応可能なクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給装置と、
    前記放出装置に電圧を印加し、前記クリーニングガスのプラズマを形成するプラズマ電源と、
    を有し、
    前記放出装置と前記基板は、前記マスク本体を間にして対面できるようにされた薄膜製造装置。
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