JP2013119169A - 吸音材 - Google Patents

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Masanori Ogawa
正則 小川
Shin Fujii
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Abstract

【課題】 好適な吸音性能を有しつつ、軽量化を図ることができる吸音材を提供する。
【解決手段】 吸音材10A〜10Dは、繊維シート12の表面に、JIS K 7127の試験片タイプ5の規定に準じて測定した引っ張り伸度が600%〜2000%である合成樹脂のエマルジョンにマイクロカプセル型の発泡剤を分散させてなるとともに、合成樹脂のエマルジョンとマイクロカプセル型の発泡剤との固形分換算による比率を、マイクロカプセル型の発泡剤/合成樹脂のエマルジョンで10/90〜40/60の範囲内とした塗工液を塗布し、加熱乾燥発泡せしめることにより、上記繊維シート12の表面上に発泡合成樹脂層13を積層して形成したシート材11の1枚あるいは2枚以上を積層して構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車、建築材料等に使用される吸音材に関するものである。
従来、自動車や建築材料等に使用される吸音材として、天然繊維や合成繊維やガラス繊維等といった繊維材料を用いて形成された不織布等の繊維シートからなる多孔質材が用いられている。こうした多孔質材において、特に自動車に使用されるものは、燃費向上等のために軽量化を要求されている。こうした軽量化の要求に応じるべく、嵩高にして単位面積あたりの質量を低減することを試みた多孔質材が提案されている。そして該多孔質材を嵩高にする方法として、内部にマイクロカプセル型の発泡剤を含ませておき、該内部で該発泡剤を発泡させる方法を採用したものがある(特許文献1〜4参照)。
特開2011−094248号公報 特開2010−059555号公報 特開2007−217841号公報 特開平6−071065号公報
ところが、上記従来の多孔質材にあって、特許文献1及び特許文献2では、発泡剤の周囲を取り囲むように混在している繊維が発泡に抗して該発泡を押さえ込んでしまうため、十分な発泡が抑制されてしまい、軽量化の要求を達成出来ず、さらには発泡によって押し寄せられることで繊維の密度が高まり、却って吸音性能が悪化してしまうという問題があった。
特許文献3及び特許文献4は、複数枚の繊維シートを接着剤で接着することで多孔質材を得ており、該接着剤中に発泡剤を含ませ、接着後に発泡させるものであるが、吸音性能を考慮したものではなく、自動車や建築材料等に使用される吸音材として使用することができないという問題があった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、好適な吸音性能を有しつつ、軽量化を図ることができる吸音材を提供することにある。
本発明は上記従来の問題点を解決することを課題とし、繊維シートの表面に、JIS K 7127の規定に準じて測定した引っ張り伸度が600%〜2000%である合成樹脂のエマルジョンにマイクロカプセル型の発泡剤を分散させてなるとともに、合成樹脂のエマルジョンとマイクロカプセル型の発泡剤との固形分換算による比率を、マイクロカプセル型の発泡剤/合成樹脂のエマルジョンで10/90〜40/60の範囲内とした塗工液を塗布し、加熱乾燥発泡せしめることにより、上記繊維シートの表面上に発泡合成樹脂層を積層して形成したシート材からなる吸音材を提供する。
さらに上記吸音材としては、上記シート材の複数枚を重ね合わせてなり、複数枚のうちの少なくとも2枚はシート材相互の発泡合成樹脂層を向かい合わせて重ね合わせたものが望ましい。
上記塗工液には、水溶性または水難溶性の難燃剤が添加されていることが望ましく、また上記繊維シートは、表面にケバを有するニードルパンチ不織布であり、上記塗工液は、スプレー塗装されることが望ましい。
また所望なれば、上記吸音材は、上記塗工液を表面に塗布した上記繊維シートを型内で加熱乾燥発泡せしめることによって、所定の形状に成形されたシート材からなるものとしてもよい。
〔作用〕
本発明の吸音材を構成するシート材にあっては、繊維シートの表面に、合成樹脂エマルジョンにマイクロカプセル型の発泡剤を分散させた塗工液を塗布し、加熱乾燥発泡せしめることによって、繊維シートの表面上に発泡合成樹脂層を積層して形成するから、発泡合成樹脂層の内部には繊維が存在しないため、マイクロカプセル型の発泡剤は繊維等に邪魔や影響されることなく発泡することができる。
さらに上記合成樹脂は、JIS K 7127の規定に準じて測定した引っ張り伸度が600%〜2000%であるから、加熱乾燥発泡時のマイクロカプセルタイプの発泡剤の膨張に追従して伸びるので、上記発泡剤が発泡した際の体積膨張が阻害されない。
加えて上記塗工液中における、合成樹脂のエマルジョンと、マイクロカプセル型の発泡剤と、の固形分換算による比率は、マイクロカプセル型の発泡剤/合成樹脂のエマルジョンで、10/90〜40/60の範囲内に調整されているので、耐久性や吸音性能を維持しつつも発泡合成樹脂層を嵩高にすることによる軽量化を達成することができる。
したがって上記シート材は、繊維シートからなる層に発泡合成樹脂層が積層された構成となり、該発泡合成樹脂層を設けた分だけ単位面積当たりの質量を軽減されており、音に対しては繊維シートによる通気性と、発泡合成樹脂層による膜振動とが相俟って、好適な緩衝吸音性能を発揮することができる。
また上記発泡合成樹脂層が相互に向かい合うように、上記シート材の複数枚を重ね合わせて吸音材を構成することで、該発泡合成樹脂層によって該シート材同士を容易かつ好適に接着できるとともに、上記繊維シートによる通気性と、発泡合成樹脂層による膜振動とによって好適に発揮される緩衝吸音性能を低下させることなく、該繊維シートが表皮材となって発泡合成樹脂層を保護することで、耐久性の向上を図ることができる。
自動車や建築材料の吸音材として使用される場合には、上記塗工液には難燃剤が添加されることが望ましいが、上記難燃剤として水不溶性または水難溶性のものを使用すると、耐久性のある難燃性が得られる。
また上記繊維シートとして表面にケバを有するニードルパンチ不織布を使用し、上記塗工液をスプレー塗布すると、上記塗工液が上記不織布のケバの部分に選択的に付着して上記不織布内に殆ど浸透しなくなるから、該塗工液が硬化した発泡合成樹脂層に通気性を付与することができる。
〔効果〕
本発明にあっては、好適な吸音性能を有しつつ、軽量化を図ることができる吸音材を得ることができる。
(a)〜(d)は吸音材の構造を示す断面図。
本発明を以下に詳細に説明する。
〔繊維シート〕
本発明における繊維シートの材料としては、例えばポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維等の合成繊維、とうもろこしやサトウキビ等の植物から抽出された澱粉からなる生分解繊維(ポリ乳酸繊維)、パルプ、木綿、ヤシ繊維、麻繊維、竹繊維、ケナフ繊維等の天然繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、石綿繊維等の無機繊維、あるいはこれらの繊維を使用した繊維製品のスクラップを解繊して得られた再生繊維の1種または2種以上の混合繊維や、融点180℃以下のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、ポリエステル繊維、ポリエステル共重合体繊維、ポリアミド繊維、ポリアミド共重合体繊維等の低融点繊維や、融点が190℃以上の熱可塑性樹脂を芯部分として融点80〜180℃の低融点熱可塑性樹脂を鞘とする芯鞘型複合繊維や、更にはこれら繊維の2種以上の混合繊維が挙げられる。
上記繊維シートとしては、不織布、繊維編織物等の繊維シートあるいは繊維マット等が使用されるが、望ましいものは不織布である。
上記不織布としては、上記繊維のウェブを作成し、該ウェブの繊維同士をニードルパンチ加工によって交絡させることによって製造されるニードルパンチ不織布、ポリプロピレンやポリエステル等の原料樹脂を熱溶融して紡糸ノズルから押し出したフィラメントを熱融着させるスパンボンド不織布、上記原料樹脂を熱溶融して紡糸ノズルから押し出すときに高速高温空気で吹き飛ばして繊維とし、該繊維を相互に熱接着してウェブとするメルトブローン不織布、上記ウェブ中の繊維相互をジェット水流によって交絡させたスパンレース不織布、上記ウェブ中の繊維の表面を加熱溶融して繊維同士を接着するか、あるいは上記ウェブに上記低融点繊維や低融点樹脂を混合して加熱溶融せしめて繊維を接着するサーマルボンド不織布、合成樹脂接着剤によって上記ウェブの繊維を接着するケミカルボンド不織布等の不織布が用いられている。
本発明の繊維シートとしては、表面にケバを有するために後述する塗工液が内部に染み込みにくいという観点から、ニードルパンチ不織布を使用することが望ましい。
上記繊維シートの単位面積当たりの質量(目付量)は、望ましくは30〜200g/m、より望ましくは50〜150g/mである。
上記繊維シートの通気抵抗は、望ましくは0.03〜5kPa・s/mである。
ここで、通気抵抗R(Pa・s/m)とは、通気性材料の通気の程度を表す尺度であり、その測定は定常流差圧測定方式により行われる。より詳しくは、シリンダー状の通気路内に試験片を圧入して配置し、該試験片を間に挟んで通気路の一端を始点、他端を終点として、該始点から終点に向かって一定の通気量で通気を行い、始点側の通気路内の圧力P1と、終点側の通気路内の圧力P2との圧力差を測定し、次式より通気抵抗Rを求める。
R=ΔP/V
ここで、ΔP(=P1−P2):圧力差(Pa)、V:単位面積当りの通気量(m/m・s)である。なお通気抵抗R(Pa・s/m)は通気度C(m/Pa・s)とC=1/Rの関係にある。
通気抵抗は、例えば、通気性試験機(製品名:KES−F8−AP1、カトーテック株式会社製、定常流差圧測定方式)によって測定することが出来る。
〔発泡合成樹脂層〕
(合成樹脂)
本発明における発泡合成樹脂層に使用する合成樹脂には、JIS K 7127の規定に準じて測定した引っ張り伸度が600%〜2000%のものが使用される。該引っ張り伸度が600%に満たない場合、加熱乾燥発泡時の発泡剤の膨張に発泡合成樹脂層が追従しにくくなって、該発泡剤の体積膨張が阻害されてしまう。引っ張り伸度が2000%を超える場合、吸音時に発泡合成樹脂層が好適に膜振動することができなくなり、吸音性能が低下してしまう。
そして、上記合成樹脂は、水溶液、あるいはメタノール、エタノール、イソプロパノール等の水溶性有機溶剤と水との混合溶液を使用したエマルジョンの形態で使用される。
上記合成樹脂としては、熱可塑性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂の具体例としては、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、メタクリル樹脂(PMMA)等のアクリル樹脂、非反応型ウレタン樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル(EEA)樹脂、アクリロニトリル・スチレン・アクリルゴム共重合(ASA)樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合(AS)樹脂、アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン共重合(ACS)樹脂エチレン酢酸ビニル共重合(EVA)樹脂、エチレンビニルアルコール共重合(EVOH)樹脂、ポリブタジエン(BDR)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合(ABS)樹脂、塩素化ポリエチレン(CPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等が挙げられる。
上に挙げた熱可塑性樹脂は、2種以上を混合して使用してもよい。
また上記引っ張り伸度を阻害しない程度であれば、所望に応じて若干量の熱硬化性樹脂を上記エマルジョンに混合して使用してもよい。
上記熱硬化性樹脂としては、例えばウレタン樹脂、メラミン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、特に加熱によりエステル結合を形成して硬化する熱硬化性アクリル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化型ポリエステル等が使用される。また樹脂を生成するウレタン樹脂プレポリマー、尿素樹脂プレポリマー(初期縮合体)、フェノール樹脂プレポリマー(初期縮合体)、ジアリルフタレートプレポリマー、アクリルオリゴマー、多価イソシアナート、メタクリルエステルモノマー、ジアリルフタレートモノマー等のプレポリマー、オリゴマー、モノマー等の樹脂前駆体が使用されてもよい。該熱硬化性樹脂も取り扱いが容易な点から、水溶液、水性エマルジョン、水性ディスパーションの形のものを使用することが好ましいが、有機溶剤溶液の形のものを使用してもよい。
上記熱硬化性樹脂あるいは合成樹脂前駆体は二種以上混合使用されてもよい。
上記熱硬化性樹脂の添加は、吸音材の成形形状保持性と剛性を共に向上せしめる。
本発明で使用される記熱硬化性樹脂として特に望ましいのは、フェノール系樹脂である。該フェノール系樹脂は、フェノール系化合物とホルムアルデヒドおよび/またはホルムアルデヒド供与体とを縮合させることによって得られる。
上記フェノール系樹脂に使用されるフェノール系化合物としては、一価フェノールであってもよいし、多価フェノールであってもよいし、一価フェノールと多価フェノールとの混合物であってもよいが、一価フェノールのみを使用した場合、硬化時および硬化後にホルムアルデヒドが放出され易いため、好ましくは多価フェノールまたは一価フェノールと多価フェノールとの混合物を使用する。
(発泡剤)
本発明における発泡合成樹脂層に使用する発泡剤にはマイクロカプセル型の発泡剤、即ち中空状の外殻内に発泡剤が封入されたものを使用する。
上記マイクロカプセル型の発泡剤の外殻は、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニル芳香族化合物類、酢酸ビニル等のビニル単量体を含有する重合性単量体または重合性単量体混合物を重合して得られる単独重合体若しくは共重合体からなるものが望ましい。
上記アクリル酸エステル類としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ジシクロペンテニルアクリレートが挙げられる。メタクリル酸エステル類としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、イソボルニルメタクリレートが挙げられる。ビニル芳香族化合物類としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレンが挙げられる。
ビニル単量体としては、上記モノビニル単量体以外に、例えば、α−クロロアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリルなどのニトリル単量体類;塩化ビニル;クロロプレン、イソプレン、ブタジエンなどの共役ジエン類;N−フェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、メチルマレイミドなどのN−置換マレイミド類;クロトン酸、無水マレイン酸などの不飽和酸類;などのその他のビニル単量体を必要に応じて使用することができる。
上記外殻はガスバリア性に優れたものであることが望ましく、ガスバリア性、耐熱性及び耐溶剤性に優れたものであることがより望ましい。これらの観点から、外殻を形成する重合体としては、塩化ビニリデン共重合体、(メタ)アクリロニトリル共重合体が望ましく、塩化ビニリデン共重合体、(メタ)アクリロニトリル共重合体がより望ましく、(メタ)アクリロニトリル共重合体が特に好ましい。
ここで、(メタ)アクリロニトリルとは、アクリロニトリル及び/またはメタクリロニトリルを意味する。
上記外殻内に封入される発泡剤としては、例えば、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソオクタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソドデカン、石油エーテル等の炭化水素や、クロロフルオロカーボンや、テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、トリメチルイソプロピルシラン、トリメチル−n−プロピルシラン等のテトラアルキルシラン、などが挙げられる。これらの発泡剤は、それぞれ単独で使用してもよく、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの発泡剤の中でも、イソブタン、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、イソドデカン、石油エーテル、及びこれらの2種以上の混合物が好ましい。また外殻内に封入される発泡剤として、加熱により熱分解してガス状になるものを使用してもよい。
上記マイクロカプセル型の発泡剤は、具体的に、松本油脂製薬社より商品名:マツモトマイクロスフェアーF,マツモトマイクロスフェアーFNとして上市され、ダウケミカル社より商品名:サランマイクロスフェアーとして上市され、大日精化工業社より商品名:マイクロスフェアーM520Dとして上市されており、何れを使用してもよい。
(塗工液)
本発明の塗工液は、上記合成樹脂のエマルジョンに、上記マイクロカプセル型の発泡剤を分散させてなるものである。
上記塗工液中における、合成樹脂のエマルジョンと、マイクロカプセル型の発泡剤と、の固形分換算による比率は、耐久性や吸音性能を維持しつつも発泡合成樹脂層を嵩高にすることによる軽量化を達成するという観点から、マイクロカプセル型の発泡剤/合成樹脂のエマルジョンで10/90〜40/60の範囲内とする。また該比率は、望ましくは15/85〜40/60の範囲内であり、より望ましくは15/85〜30/70の範囲内である。塗工液中におけるマイクロカプセル型の発泡剤の、合成樹脂のエマルジョンに対する比率が10/90よりも小さくなると、発泡合成樹脂層が発泡による十分な嵩を得ることが出来ずに通気性に劣るものになって吸音性能が低下し、また塗工液中におけるマイクロカプセル型の発泡剤の、合成樹脂のエマルジョンに対する比率が40/60よりも大きくなると、発泡合成樹脂層が嵩高く耐久性に劣るものになって吸音材から剥離しやすくなる。
また合成樹脂として上記の熱硬化性樹脂を添加する場合、該熱硬化性樹脂の添加量は、該熱硬化性樹脂による耐熱性や難燃性を付与しつつ、柔軟性や吸音性能を維持するという観点から、上記合成樹脂のエマルジョンの50質量%以下とすることが望ましい。熱硬化性樹脂の添加量が合成樹脂のエマルジョンの50質量%を超える場合、発泡合成樹脂層が柔軟性に劣るものになって膜振動による好適な吸音性を発揮することができなくなるおそれがある。
(難燃剤)
上記塗工液には、難燃剤が添加されてもよい。
上記難燃剤としては、例えば燐系難燃剤、窒素系難燃剤、硫黄系難燃剤、ホウ素系難燃剤、臭素系難燃剤、グアニジン系難燃剤、燐酸塩系難燃剤、燐酸エステル系難燃剤、アミノ樹脂系難燃剤、膨張黒鉛等がある。
本発明においては特に水に難溶または不溶の粉末状の固体難燃剤が使用されることが望ましい。水に難溶または不溶の粉末状の固体難燃剤は本発明の吸音材に耐水性、耐久性に優れた難燃性を付与する。
(その他)
本発明で使用する合成樹脂のエマルジョンの塗工液には、更に、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、雲母、珪藻土、ドロマイト、石膏、タルク、クレー、アスベスト、マイカ、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、ホワイトカーボン、カーボンブラック、鉄粉、アルミニウム粉、ガラス粉、石粉、高炉スラグ、フライアッシュ、セメント、ジルコニア粉等の無機充填材;天然ゴムまたはその誘導体;スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、イソプレンゴム、イソプレン−イソブチレンゴム等の合成ゴム;ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、澱粉、澱粉誘導体、ニカワ、ゼラチン、血粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子や天然ガム類;木粉、クルミ粉、ヤシガラ粉、小麦粉、米粉等の有機充填材;ステアリン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ブチリルステアレート、グリセリンモノステアレート等の脂肪酸のエステル類;脂肪酸アミド類;カルナバワックス等の天然ワックス類、合成ワックス類;パラフィン類、パラフィン油、シリコンオイル、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール、グリス等の離型剤;アゾジカーボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾビス−2,2’−(2−メチルグロピオニトリル)等の有機発泡剤;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム等の無機発泡剤;シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、発泡ガラス、中空セラミックス等の中空粒体;天然ワックス、合成ワックス、フッ素樹脂、シリコン系樹脂等の撥水剤や撥油剤;DBP、DOP、ジシクロヘキシルフタレートのようなフタル酸エステル系可塑剤やその他のトリクレジルホスフェート等の可塑剤;これらの他に顔料、染料、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶化促進剤、防炎剤、防虫剤、防腐剤、ワックス類、界面活性剤、滑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤;等を添加、混合してもよい。
〔吸音材〕
上記繊維シートの表面に、上記塗工液を塗布し、加熱乾燥発泡せしめることにより、該塗工液中の合成樹脂のエマルジョンが該繊維シートの表面上で硬化し、該繊維シートの表面上に発泡合成樹脂層が積層されてなるシート材が得られる。そして、該シート材を一枚のみ使用する、あるいは該シート材と多孔質基材とを積層する、あるいは該シート材の複数枚を積層することによって、自動車や建築材料に好適な吸音材が提供される。
上記繊維シートに上記塗工液を塗布するには、スプレー塗布や、ロールコーター、ナイフコーター、フローコーター等によって塗布する。これらの中でもスプレー塗布は、上記塗工液の粒子が上記繊維シートの表面上に留まりやすく、さらに該繊維シートが表面にケバを有するニードルパンチ不織布であれば、上記塗工液の粒子が上記ケバの部分に選択的に付着するので繊維シート内に殆ど浸透しなくなるから、上記塗工液を塗布する方法として望ましい。
また上記シート材からなる上記吸音材は、上記塗工液を表面に塗布した上記繊維シートを型内で加熱乾燥発泡せしめることによって、所定の形状に成形してもよい。またシート材からなる上記吸音材は、上記マイクロカプセル型の発泡剤の発泡温度以上でホットプレスを行なってもよい。
上記シート材に積層される多孔質基材としては、例えばポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維等の合成繊維、とうもろこしやサトウキビ等の植物から抽出された澱粉からなる生分解繊維(ポリ乳酸繊維)、パルプ、木綿、ヤシ繊維、麻繊維、竹繊維、ケナフ繊維等の天然繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、石綿繊維等の無機繊維、あるいはこれらの繊維を使用した繊維製品のスクラップを解繊して得られた再生繊維の1種または2種以上の混合繊維や、融点180℃以下のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、ポリエステル繊維、ポリエステル共重合体繊維、ポリアミド繊維、ポリアミド共重合体繊維、更には融点が190℃以上の熱可塑性樹脂を芯部分とし、該低融点熱可塑性樹脂繊維の材料樹脂である融点80〜180℃の低融点熱可塑性樹脂を鞘とする芯鞘型複合繊維、あるいはこれら繊維の2種以上の混合繊維を材料としたフェルト、不織布等の繊維マットやシート、あるいは通気性ポリウレタン発泡体、通気性ポリエチレン発泡体、通気性ポリプロピレン発泡体、通気性ポリスチレン発泡体、通気性フェノール樹脂発泡体、通気性メラミン樹脂発泡体等の通気性プラスチック発泡体からなるシートが例示される。
上記シート材からなる上記吸音材の構造としては、図1(a)〜(d)に示すものが例示される。
図1(a)に示す吸音材10Aは、シート材11を一枚のみ使用した構造である。該シート材11は、繊維シート12と、該繊維シート12の表面上に積層された発泡合成樹脂層13と、を備えている。該吸音材10Aにおいては、繊維シート12が騒音源側となるように、つまり騒音源からみて繊維シート12が表側で発泡合成樹脂層13が裏側となるように配されて使用される。
図1(b)に示す吸音材10Bは、シート材11と、多孔質基材14とを積層した構造である。該多孔質基材14は、発泡合成樹脂層13の表面を覆うように、上記シート材11に積層されている。該吸音材10Bにおいては、上記塗工液を表面に塗布した状態の上記繊維シート12の表面上に上記多孔質基材14を重ねたうえで加熱乾燥発泡せしめることにより、硬化した発泡合成樹脂層13を介してシート材11に多孔質基材14を接着している。また該吸音材10Bは、繊維シート12が表皮側となるように配されて使用される。
図1(c)に示す吸音材10Cは、2枚のシート材11を積層した構造である。これら2枚のシート材11は、発泡合成樹脂層13が相互に向かい合うように、重ね合わせられている。該吸音材10Cにおいては、上記塗工液を表面に塗布した状態の上記繊維シート12を、互いの表面同士が接触するように重ねたうえで加熱乾燥発泡せしめることにより、硬化した相互の発泡合成樹脂層13が繊維シート12同士を接着している。また該吸音材10Cは、表面、裏面の区別無く使用することができる。
図1(d)に示す吸音材10Dは、3枚のシート材11を積層した構造である。これら3枚のシート材11は、発泡合成樹脂層13が相互に向かい合うように2枚のシート材11を重ね合わせたうえで、重ね合わせた2枚のシート材11の上面に1枚のシート材11を重ね合わせることで積層されている。該吸音材10Dにおいては、上記塗工液を表面に塗布した状態の上記繊維シート12を、2枚は互いの表面同士が接触するように、1枚は塗工液を塗布した表面が他の繊維シート12に接触するように重ねたうえで加熱乾燥発泡せしめることにより、硬化した発泡合成樹脂層13が繊維シート12相互を接着している。また該吸音材10Dは、上記吸音材10Cと同様に表面、裏面の区別無く使用することができるとともに、厚いことを要求される吸音材を簡易に製造できるという利点を有している。
なお上記吸音材10Dよりさらに厚いことを要求される吸音材を製造する場合、4枚以上のシート材11を積層すればよく、4枚目以降のシート材11は、塗工液を塗布した表面が他の繊維シート12に接触するように重ねることで、硬化した発泡合成樹脂層13によって繊維シート12相互を簡易に接着することができる。また4枚以上のシート材11を積層した吸音材を製造する場合、接着剤を介して2枚の上記吸音材10C相互を接着してもよい。あるいは、3枚以上のシート材11を積層して吸音材を製造する場合、全てのシート材11を同じ向きで重ね合わせたうえで、最も外側に配されるシート材11の発泡合成樹脂層13の表面を上記多孔質基材14で覆ってもよい。
以下に本発明を更に具体的に説明するための実施例を記載するが、本発明は該実施例にのみ限定されるものではない。
〔実施例1〕
(使用材料)
繊維シート:ニードルパンチ不織布、ポリエステル繊維、単位面積当たりの質量が100g/m
合成樹脂のエマルジョン:アクリルエマルジョン、固形分が50質量%、引っ張り伸度が1500%。
マイクロカプセル型の発泡剤:マイクロスフェアーFN−180S(商品名、松本油脂製薬社製)。
(塗工液の調製)
マイクロカプセル型の発泡剤が5質量部と、合成樹脂のエマルジョンが50質量部と、水が45質量部と、を混合し、塗工液を得た。
(シート材の製造)
上記繊維シートの表面に上記塗工液を、塗布量が固形分で50g/mとなるようにスプレー塗布した後、100℃にて乾燥し、シート材を得た。
(吸音材の製造)
上記シート材の2枚を相互の発泡合成樹脂層が重なるように積層した後、熱プレス盤を使用して200℃で60秒間の熱圧プレスを行い、冷却することで、厚さが10mmで図1(c)に示した構造を有する吸音材10Cを得た。
〔実施例2〕
下記の(塗工液の調製)の他は、上記実施例1と同様にして、厚さが10mmで図1(c)に示した構造を有する吸音材10Cを得た。
(塗工液の調製)
マイクロカプセル型の発泡剤が10質量部と、合成樹脂のエマルジョンが50質量部と、水が40質量部と、を混合し、塗工液を得た。
〔実施例3〕
下記の(塗工液の調製)の他は、上記実施例1と同様にして、厚さが10mmで図1(c)に示した構造を有する吸音材10Cを得た。
(塗工液の調製)
マイクロカプセル型の発泡剤が15質量部と、合成樹脂のエマルジョンが50質量部と、水が35質量部と、を混合し、塗工液を得た。
〔比較例1〕
下記の(塗工液の調製)の他は、上記実施例1と同様にして、厚さが10mmで図1(c)に示した構造を有する吸音材10Cを得た。
(塗工液の調製)
マイクロカプセル型の発泡剤が2質量部と、合成樹脂のエマルジョンが50質量部と、水が48質量部と、を混合し、塗工液を得た。
〔比較例2〕
下記の(塗工液の調製)の他は、上記実施例1と同様にして、厚さが10mmで図1(c)に示した構造を有する吸音材10Cを得た。
(塗工液の調製)
マイクロカプセル型の発泡剤が20質量部と、合成樹脂のエマルジョンが50質量部と、水が30質量部と、を混合し、塗工液を得た。
〔比較例3〕
(使用材料)
繊維シート:サーマルボンド不織布、ポリエステル繊維と低融点ポリエステル繊維(融点120℃、30質量%の比率で混入)、単位面積当たりの質量が200g/m
合成樹脂のエマルジョン:上記実施例2と同様。
マイクロカプセル型の発泡剤:上記実施例2と同様。
(塗工液の調製)
上記実施例2と同様。
(シート材の製造)
上記繊維シート対して上記塗工液を、塗布量が固形分で50g/mとなるようにロールコーターで含浸した後、100℃にて乾燥し、シート材を得た。
(吸音材の製造)
上記シート材の2枚を積層した後、熱プレス盤を使用して200℃で60秒間の熱圧プレスを行い、冷却することで、厚さが10mmで図1(c)に示した構造を有する吸音材10Cを得た。
〔比較例4〕
上記比較例3の(使用材料)で繊維シートを下記のものとした以外は、比較例3と同様にして厚さが10mmで図1(c)に示した構造を有する吸音材10Cを得た。
(使用材料)
繊維シート:サーマルボンド不織布、ポリエステル繊維と低融点ポリエステル繊維(融点120℃、30質量%の比率で混入)、単位面積当たりの質量が1000g/m
〔比較例5〕
上記比較例4で得た繊維シートの両面に、上記実施例1で得た塗工液を、塗布量が固形分で400g/mとなるようにスプレー塗布した以外は、上記比較例3と同様にして厚さが10mmで図1(c)に示した構造を有する吸音材10Cを得た。
〔性能試験〕
上記実施例1〜3及び比較例1〜5で得られた吸音材について、通気抵抗、吸音率、成形性を測定した。その結果を表1に示す。
なお、各測定は以下のようにして行った。
(通気抵抗)
フラジール型通気度試験器に準じて、通気性試験機(製品名:KES−F8−AP1、カトーテック株式会社製、定常流差圧測定方式)を用い、単位面積当りの通気量を4mm/cm・s)、t=10mmとして測定した。
(吸音率)
JIS A 1405に準じて、厚さ10mmにおける垂直入射吸音率(%)を測定した。
(成形性)
上記吸音材を半球状に成形し、その成形性を以下のように評価した。
接着性 ○:良好、△:層が剥離しやすい、×:層が剥離落下する。
発泡性 ○:良好、△:層の嵩が劣る、×:殆ど体積膨張しない。
弾力性 ○:良好、△:弾力性が劣る、×:弾力性に劣り少しの力で変形してしまう。
Figure 2013119169
〔評価〕
表1の結果より、実施例1〜3は、全体にわたって優れた性能を示した。
発泡剤/合成樹脂の比率が7/93(<10/90)の比較例1は、実施例1〜3に比べ、通気抵抗が高いため通気性に劣り、周波数4000Hzにおける吸音率が低く、接着性は良好であるが、発泡性が劣り、弾力性が悪い。
発泡剤/合成樹脂の比率が44/56(>40/60)の比較例2は、実施例1〜3に比べ、通気抵抗や吸音率は遜色がないが、接着性が悪い。
塗工液を繊維シート中に含浸した比較例3は、実施例1〜3に比べ、周波数2000Hz以上における吸音率が低く、また接着性と発泡性が劣り、弾力性が悪い。
塗工液を繊維シート中に含浸し、かつ単位面積当たりの質量が1000g/mという重い繊維シートを使用した比較例4は、実施例1〜3(単位面積当たりの質量が100g/m)に比べ、性能的に遜色はないが、軽量化が達成出来ない。
単位面積当たりの質量が1000g/mという重い繊維シートに塗工液をスプレー塗布した比較例5は、塗工液が繊維シートの表層部分に含浸されており、実施例1〜3に比べ、周波数1250Hz以下の吸音率は高いが、周波数2000Hz以上における吸音率が低く、吸音材に所望する性能を有していない。
〔実施例4〕
(使用材料)
繊維シート:ニードルパンチ不織布、ポリエステル繊維、単位面積当たりの質量が80g/m
合成樹脂のエマルジョン:非反応型ウレタン樹脂エマルジョン、固形分が50質量%、引っ張り伸度が1250%。
マイクロカプセル型の発泡剤:マイクロスフェアーFN−180S(商品名、松本油脂製薬社製)。
(塗工液の調製)
マイクロカプセル型の発泡剤が15質量部と、合成樹脂のエマルジョンが45質量部と、さらにカーボンブラック(固形分:25質量%水分散液)が1質量部と、ポリリン酸メラミン粉末(粒子径:5〜10μm)が10質量部と、水が29質量部と、を混合し、塗工液を得た。発泡剤/合成樹脂の比率は、37.5/62.5であった。
(シート材の製造)
上記繊維シートの表面に上記塗工液を、塗布量が固形分で50g/mとなるようにスプレー塗布した後、100℃にて乾燥し、シート材を得た。
(吸音材の製造)
多孔質基材である厚さ5mmのフェルトと、上記シート材とを、シート材の発泡合成樹脂層がフェルトに接触するように、積層した後、熱プレス盤を使用して200℃で70秒間の熱圧プレスを行い、冷却することで、厚さが10mmで図1(b)に示した構造を有する吸音材10Bを得た。
(吸音材の性状)
吸音材10Bは、軽量でありながら吸音性に優れており、また耐熱性を有しているので、建築材料や自動車用の吸音材として有用であった。
〔実施例5〕
(使用材料)
繊維シート:ニードルパンチ不織布、ポリエステル繊維40質量部と炭素繊維60質量部を混合してなる混合繊維、単位面積当たりの質量が120g/m
合成樹脂のエマルジョン:アクリルエマルジョン、固形分が50質量%、引っ張り伸度が1250%。
マイクロカプセル型の発泡剤:マイクロスフェアーFN−180S(商品名、松本油脂製薬社製)。
(塗工液の調製)
マイクロカプセル型の発泡剤が10質量部と、合成樹脂のエマルジョンが44質量部と、さらにカーボンブラック(固形分:25質量%水分散液)が1質量部と、ポリリン酸メラミン粉末(粒子径:5〜10μm)が10質量部と、熱硬化性樹脂としてスルホメチル化フェノール−アルキルレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物(固形分40質量%水溶液)が5質量部と、水が4質量部と、を混合し、塗工液を得た。発泡剤/合成樹脂の比率は、31/69であった。
(シート材の製造)
上記繊維シートの表面に上記塗工液を、塗布量が固形分で60g/mとなるようにスプレー塗布した後、80℃にて乾燥し、シート材を得た。
(吸音材の製造)
多孔質基材であるグラスウール原綿(単位面積当たりの質量:200g/m)の一面にレゾール型フェノール樹脂を塗布し、該グラスウール原綿と、上記シート材とを、グラスウール原綿の樹脂塗布面にシート材の発泡合成樹脂層が接触するように、積層した後、熱プレス盤を使用して200℃で70秒間の熱圧プレスを行い、冷却することで、厚さが10mmで図1(b)に示した構造を有する吸音材10Bを得た。
(吸音材の性状)
吸音材10Bは、軽量でありながら吸音性に優れており、また難燃性を有しているので、自動車のエンジン周りの吸音材や難燃性を要求される建築材料として有用であった。
本発明の吸音材によれば、好適な吸音性能を有しつつ、軽量化を図ることができるから、産業上利用可能である。
10A,10B,10C,10D 吸音材
11 シート材
12 繊維シート
13 発泡合成樹脂層

Claims (5)

  1. 繊維シートの表面に、JIS K 7127の規定に準じて測定した引っ張り伸度が600%〜2000%である合成樹脂のエマルジョンにマイクロカプセル型の発泡剤を分散させてなるとともに、合成樹脂のエマルジョンとマイクロカプセル型の発泡剤との固形分換算による比率を、マイクロカプセル型の発泡剤/合成樹脂のエマルジョンで10/90〜40/60の範囲内とした塗工液を塗布し、加熱乾燥発泡せしめることにより、上記繊維シートの表面上に発泡合成樹脂層を積層して形成したシート材からなる
    ことを特徴とする吸音材。
  2. 上記シート材の複数枚を重ね合わせてなり、複数枚のうちの少なくとも2枚はシート材相互の発泡合成樹脂層を向かい合わせて重ね合わせた
    請求項1に記載の吸音材。
  3. 上記塗工液には、水溶性または水難溶性の難燃剤が添加されている
    請求項1または2に記載の吸音材。
  4. 上記繊維シートは、表面にケバを有するニードルパンチ不織布であり、上記塗工液は、スプレー塗装される
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の吸音材。
  5. 上記塗工液を表面に塗布した上記繊維シートを型内で加熱乾燥発泡せしめることによって、所定の形状に成形されたシート材からなる
    請求項1から請求項4の何れか一項に記載の吸音材。

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