JP2021192983A - 積層体及び吸音材 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2:特開2002−161565号公報
特許文献3:特開2003−49351号公報
特許文献4:特開2014−232281号公報
特許文献5:特開2013−139188号公報
また、特許文献5で提案されている積層体は、広い周波数領域において吸音性が示されているものの、いまだ充分とは言えないのが現状である。
<1> 通気度が1cc/cm2/sec以上30cc/cm2/sec未満の第1の層と、通気度が30cc/cm2/sec以上1000cc/cm2/sec以下の第2の層と、通気度が1cc/cm2/sec以上30cc/cm2/sec未満の第3の層と、通気度が30cc/cm2/sec以上1000cc/cm2/sec以下の第4の層と、がこの順に積層した積層体。
<2> 前記第1の層及び前記第3の層の少なくとも1層は、不織布、多孔フィルム、織布、又は発泡体である<1>に記載の積層体。
<3> 前記第2の層及び前記第4の層の少なくとも1層は、不織布、織布、又は発泡体である<1>又は<2>に記載の積層体。
<4> 前記第1の層の厚み及び前記第3の層の厚みは、それぞれ0.1mm以上2mm以下である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の積層体。
<5> 前記第2の層の厚み及び前記第4の層の厚みは、それぞれ10mm以上50mm以下である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の積層体。
以下、本開示に係る積層体の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る積層体は、通気度が1cc/cm2/sec以上30cc/cm2/sec未満の第1の層(以下「低通気A層」ともいう)と、通気度が30cc/cm2/sec以上1000cc/cm2/sec以下の第2の層(以下「高通気B層」ともいう)と、通気度が1cc/cm2/sec以上30cc/cm2/sec未満の第3の層(以下「低通気C層」ともいう)と、通気度が30cc/cm2/sec以上1000cc/cm2/sec以下の第4の層(以下「高通気D層」ともいう)と、がこの順に積層した積層体である。
なお、通気度が1cc/cm2/sec以上30cc/cm2/sec未満の層を総称して「低通気層」ともいい、通気度が30cc/cm2/sec以上1000cc/cm2/sec以下の層を総称して「高通気層」ともいう。
なお、積層体における各層の通気度を測定する場合は、測定対象の層を積層体から剥離して測定する。ただし、測定対象の層全体を積層体から剥離することが困難な場合は、測定対象の層の厚みを測定した上で、厚み方向の一部を切り出した試料の通気量を測定し、層厚みを考慮した値に換算することで、測定対象の層全体の通気度を求めてもよい。
図1に示す積層体10は、低通気A層12と、高通気B層14と、低通気C層16と、高通気D層18と、がこの順に積層されている。
積層体10は、上記構成であることにより、広い周波数領域にわたって優れた吸音性を示す。その理由は、以下のように推測される。
しかしながら、積層体110では、前記特定の周波数以外の音、その中でも特に、定常波の節が低通気層112の位置となる周波数近辺の音(例えば、波長が高通気層114の厚みの2倍である音)に対しては、高い吸音率が得られにくい。
そして、積層体110と同様に、低通気A層12が吸音層として機能することで、高通気D層18における低通気C層16と反対側の面19を定常波の固定端としたとき、定常波の腹が低通気A層12の位置となる周波数近辺の音に対して高い吸音率が得られる。加えて、低通気C層16も吸音層として機能することで、定常波の節が低通気A層12の位置となり、かつ、定常波の腹が低通気C層16の位置となる周波数近辺の音(つまり、積層体110では高い吸音率が得られにくい音)に対しても、高い吸音率が得られる。
このようにして、積層体10では、広い周波数領域にわたって優れた吸音性を示す。
その他の層は、層間(すなわち低通気A層12−高通気B層14間、高通気B層14−低通気C層16間、低通気C層16−高通気D層18間)に有してもよく、外側の面(すなわち低通気A層12における高通気B層14と反対側の面、面19)に有してもよい。
また、吸音率の入射方向依存性をなくすため、積層体10の面19に、通気度の低い層をさらに設けてもよい。
さらに、積層体10は、低通気A層12、高通気B層14、低通気C層16、及び高通気D層18の他に、低通気層及び高通気層をさらに有してもよい。具体的には、例えば、高通気D層18の面19側に、さらに低通気層と高通気層との組み合わせを追加した6層構成の積層体、8層構成の積層体等が挙げられる。これらの中でも、特に、低通気A層、高通気B層、低通気C層、高通気D層、低通気E層、及び高通気F層がこの順に積層した6層構成の積層体(不図示)が好ましい。
なお、低通気E層としては、低通気A層同様に、通気度が1cc/cm2/sec以上30cc/cm2/sec未満の層が好ましい。低通気E層の目付及び厚みについても低通気A層に準ずる。また、高通気F層としては、高通気B層同様に、通気度が30cc/cm2/sec以上1000cc/cm2/sec以下の層が好ましい。高通気F層の目付及び厚みについても高通気B層に準ずる。
すなわち、低通気層及び高通気層をさらに有する積層体の中でも、低通気層である第1の層と、高通気層である第2の層と、低通気層である第3の層と、高通気層である第4の層と、低通気層である第5の層と、高通気層である第6の層と、がこの順に積層した積層体が好ましい。
また、積層体10においては、高通気B層14と高通気D層18とが、同じ材質、同じ特性、及び同じ厚みを有する層であるが、各層の通気度が前記範囲であればこれに限られない。高通気層同士(すなわち、高通気B層14及び高通気D層18)における材質、特性、及び厚みは、それぞれ同じでもよく、異なっていてもよい。
また、各層の通気度が前記範囲であれば、低通気層及び高通気層の両方を同じ材質(例えば不織布等)としてもよい。
以上のように、本開示の積層体は、広い周波数領域にわたって優れた吸音性を示す。そして、本開示の積層体を含む吸音材は、自動車用途に好適に用いることができる。特に、電気自動車では低音のロードノイズから高音のモーター音まで広い範囲の吸音特性が要求されるため、広い周波数領域にわたって優れた吸音性を有する本開示の積層体は特に有用である。
低通気A層12及び低通気C層16の通気度は、それぞれ1cc/cm2/sec以上30cc/cm2/sec未満であり、3cc/cm2/sec以上20cc/cm2/sec以下が好ましく、5cc/cm2/sec以上10cc/cm2/sec以下がより好ましい。
低通気A層12及び低通気C層16の通気度が上記範囲であることにより、上記範囲より高い場合に比べ積層体全体の通気度を低く抑えることができ、上記範囲よりも低い場合に比べ吸音層としての機能が発揮されやすくなる。
高通気B層14及び高通気D層18の通気度が上記範囲であることにより、上記範囲より低い場合に比べ吸音材の途中で反射する音波が少なくなり上記範囲よりも高い場合に比べ背後空気層としての機能が発揮されやすくなる。
低通気C層16の通気度は、低通気A層12の通気度の0.5倍以上2倍以下が好ましく、0.7倍以上1.5倍以下がより好ましく、0.9倍以上1.1倍以下がさらに好ましい。
高通気D層18の通気度は、低通気C層16の通気度の2倍以上100倍以下が好ましく、5倍以上50倍以下がより好ましく、10倍以上20倍以下がさらに好ましい。
各層間における通気度の比が上記範囲であることにより、低通気層及び高通気層それぞれの役割が発揮され、積層体の吸音率が高くなる。
低通気A層12及び低通気C層16の厚みは、積層体全体の通気度を前記範囲に調整する観点から、それぞれ0.1mm以上2mm以下が好ましく、0.1mm以上1mm以下がより好ましく、0.1mm以上0.5mm以下がさらに好ましい。
高通気B層14及び高通気D層18の厚みは、吸音率を高めたい音の周波数に応じて設定され限定されるものではないが、例えばそれぞれ10mm以上50mm以下、好ましくは10mm以上40mm以下、より好ましくは10mm以上30mm以下が挙げられる。
高通気B層14の厚みと高通気D層18の厚みとの比は特に限定されず、目的の周波数領域における吸音率が向上する位置に低通気C層16を設ければよい。なお、低通気A層が吸音しにくい周波数の音を低通気C層で吸音させやすくする観点からは、高通気D層18の厚みが高通気B層14の厚みの0.7倍以上1.3倍以下であることが好ましく、0.9倍以上1.1倍以下であることがより好ましい。
積層体全体の厚みは、吸音率を高めたい音の周波数及び積層体を設置する環境等に応じて設定され、限定されるものではないが、例えば、20mm以上100mm以下が挙げられ、25mm以上80mm以下が好ましく、30mm以上60mm以下がより好ましい。
低通気層及び高通気層の材質は、各層における通気度が前記範囲内であれば特に限定されず、例えば、不織布、発泡体、多孔フィルム、紙、織物、編物、フェルト、無機繊維等のシート状のものが挙げられる。
なお、不織布の通気度は、例えば、厚み、目付、繊維径等を調整することでも制御でき、またカレンダー加工等の後加工により空隙率等を調整することでも制御できる。
なお、発泡体の通気度は、例えば、厚み、密度、独立気泡率等を調整することで制御できる。
なお、多孔フィルムの通気度は、例えば、厚み、密度、孔径等を調整することで制御できる。
無機繊維としては、例えばガラス繊維、カーボンファイバー等が挙げられる。
低通気層の材質は、これらの中でも、不織布、多孔フィルム、織布、又は発泡体が好ましく、その中でも、メルトブローン不織布、スパンボンド不織布、ガラス繊維不織布、微多孔膜がより好ましく、メルトブローン不織布が特に好ましい。
メルトブローン不織布は、例えば、溶融した熱可塑性樹脂組成物(すなわち、熱可塑性樹脂を含む組成物)をノズルより吐出するとともにガスを吹き付けて繊維化し、捕集して得られる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、及び1−オクテン等のα−オレフィンの単独重合体若しくは共重合体であるポリオレフィン系重合体が挙げられる。
その他の繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル製の短繊維が挙げられる。
なお、その他の繊維の含量としては、例えば、メルトブローン不織布全体に対し、20質量%以下、好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下が挙げられる。
高通気層の材質は、これらの中でも、不織布、発泡体が好ましく、その中でも、メルトブローン不織布、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、ガラス繊維不織布、ポリウレタン発泡体、ポリオレフィン発泡体がより好ましく、ポリウレタン発泡体、メルトブローン不織布がさらに好ましく、ポリウレタン発泡体が特に好ましい。
なお、高通気層に用いられるメルトブローン不織布に含まれる成分等については、前述の低通気層に用いられるメルトブローン不織布と同様である。
また、高通気層に用いられる発泡体におけるASTM D2856のC法に準拠して測定される独立気泡率としては、例えば0%以上60%未満、好ましくは0〜55%、より好ましくは0〜50%が挙げられる。つまり、高通気層に用いられる発泡体は、連続気泡構造を有することが、高通気層の通気度を高める観点及び積層体の吸音率を高める観点で、好ましい。
また、高空気層に用いられる発泡体におけるセルの平均直径(平均セル径)としては、例えば10μm以上2000μm以下、好ましくは300μm以上2000μm以下、より好ましくは600μm以上2000μm以下が挙げられる。
ポリウレタン発泡体は、例えば、ポリイソシアネートと、ポリオールと、発泡剤と、必要に応じてその他の成分と、を含む組成物を反応させることで得られる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、これらの誘導体等が挙げられ、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
高分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量1000以上の化合物であり、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、及びビニルモノマー変性ポリオール等が挙げられる。
また、低分子量ポリオールとしては、例えば、低分子量(数平均分子量1000未満)のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等も挙げられる。
発泡剤は、単独使用又は2種以上併用することができる。
触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサハイドロ−S−トリアジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の3級アミン類;テトラエチルヒドロキシルアンモニウム等の4級アンモニウム塩;イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;等のアミン系触媒が挙げられる。また、触媒として、上記アミン系触媒のほかに、例えば、酢酸スズ、オクチル酸スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズクロライド等の有機スズ系化合物;オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛等の有機鉛系化合物;ナフテン酸ニッケル等の有機ニッケル系化合物;等の有機金属系触媒も挙げられる。
触媒は、単独使用又は2種以上併用することができる。
積層体の製造は、各層を別々に形成してから積層してもよく、積層しながら順次各層を形成してもよい。
例えば積層体10を製造する場合、低通気A層12、高通気B層14、低通気C層16、及び高通気D層18をそれぞれ形成した後に、得られた各層を積層してもよい。また、例えば、低通気A層12を形成した後、低通気A層12上において高通気B層14の形成を行い、同様に低通気C層16及び高通気D層18を順次形成してもよい。
また、積層体は、本開示の目的を損なわない範囲で、例えば、印刷、塗布、熱処理、賦型加工等の二次加工を施してもよい。
積層体10は、前述したように、広い周波数領域にわたって優れた吸音性を示すため、特に吸音材用途に適しているが、これに限られず、断熱材、フィルター等の他の用途に用いてもよい。
本実施形態に係る吸音材は、上述した積層体を含む。具体的には、例えば、図1に示す積層体10を含む吸音材は、積層体10から構成された吸音材であってもよく、基材等に積層体10の面19側を貼り付けた吸音材であってもよい。積層体10を含む吸音材では、積層体10の低通気A層12側が音の入射側に来るように設置することで、広い周波数領域にわたってすぐれた吸音性が得られる。
(1)目付(g/m2)
機械方向(MD)100mm×横方向(CD)100mmの目付測定用試料を10枚切り出し、これら10枚の目付測定用試料から平均値を算出した。
上記10枚の目付測定用試料について、中央及び四隅の計5箇所の厚みをそれぞれ測定し、計50箇所の平均値を算出した。厚みの測定には、荷重が7gf/cm2(測定子直径50mmφ)の厚み計を使用した。
測定用試料(100mm×100mm)の中央及び四隅の計5箇所について、フラジール形試験機を用い、JIS L1096に準拠して圧力差125Paでの通気量を測定し、平均値を求めた。
得られた積層体から29mmφの円形の試験片を採取し、垂直入射吸音率測定装置〔ブリュエル&ケアー社製TYPE4206〕を用い、ASTM E 1050に準拠して、周波数1000〜6400Hzにおける試験片に平面音波が垂直に入射するときの垂直入射吸音率を測定した。得られた1000〜6400Hzの吸音率カーブから、1000Hz及び5000Hzの吸音率を求めた。なお、表1に示す吸音率は、入射した音がすべて吸音された場合を「1」とした値である。
得られた不織布について、(株)日立製作所製電子顕微鏡「S−3500N」を用いて、倍率1000倍の写真を撮影し、撮影された写真から任意に繊維100本を選び、その繊維の幅(直径)を測定し、数平均に基づき平均繊維径を算出した。
発泡体の密度は、ASTM D792のA法(水中置換法)に準拠して測定した。
<各層の準備>
積層体10の高通気B層14(第2層)及び高通気D層18(第4層)として、発泡成形されたウレタン製シート(イノアック製、品名:ECS10、密度:22kg/m3)をそれぞれ準備した。ウレタン製シート(表1中の「第2層」及び「第4層」)における目付(表1中の「目付」、単位:g/m2)、通気度(表1中の「通気」、単位:cc/cm2/sec)、及び厚み(表1中の「厚み」、単位:mm)を表1に示す。
積層体10の低通気A層12(第1層)及び低通気C層16(第3層)として、以下のようにしてメルトブローン不織布(平均繊維径:1μm)を作製した。得られたメルトブローン不織布(表1中の「第1層」及び「第3層」)における目付(表1中の「目付」、単位:g/m2)、通気度(表1中の「通気」、単位:cc/cm2/sec)、及び厚み(表1中の「厚み」、単位:mm)を表1に示す。
ノズルとしてノズル孔径0.20mmであるメルトブローン用紡糸ノズルを装着したメルトブローン不織布製造装置を用いてメルトブローン不織布を得た。具体的には、このメルトブローン不織布製造装置を用いて、300℃で熱可塑性樹脂組成物を押出し、紡糸ノズルの両側から吹き出す加熱エアー(300℃、350Nm3/m/時)で押出しにより得た繊維を細化及び固化した後、この繊維を紡糸ノズルからの距離20cmで捕集して、メルトブローン不織布を得た。
準備した各層の接着にはスプレー型接着剤(3M社製、品名:スプレーのり55)を用いた。
具体的には、まず、高通気D層18(第4層)となるウレタン製シートの表面に接着剤を散布して低通気C層16(第3層)となるメルトブローン不織布を重ねた。同様に、低通気C層16(第3層)となるメルトブローン不織布の表面に接着剤を散布して高通気B層14(第2層)となるウレタン製シートを重ねた。さらに、高通気B層14(第2層)となるウレタン製シートの表面に接着剤を散布して低通気A層12(第1層)となるメルトブローン不織布を重ねた。
得られた積層体全体(表1中の「合計」)における目付(表1中の「目付」、単位:g/m2)、通気度(表1中の「通気」、単位:cc/cm2/sec)、及び厚み(表1中の「厚み」、単位:mm)を表1に示す。
また、得られた積層体における吸音性能を表1(表1中の「吸音率」)に示す。
さらに、実施例1の積層体における吸音率の周波数依存性を図2に示す。なお、図2に示すグラフの縦軸は吸音率、横軸は周波数(Hz)である。
積層体10の高通気B層14(第2層)及び高通気D層18(第4層)として、ウレタン製シートの代わりに、下記方法により得られたニードルパンチ不織布(平均繊維径:30μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。得られたニードルパンチ不織布(表1中の「第2層」及び「第4層」)における目付(表1中の「目付」、単位:g/m2)、通気度(表1中の「通気」、単位:cc/cm2/sec)、及び厚み(表1中の「厚み」、単位:mm)を表1に示す。
得られた積層体全体(表1中の「合計」)における目付(表1中の「目付」、単位:g/m2)、通気度(表1中の「通気」、単位:cc/cm2/sec)、及び厚み(表1中の「厚み」、単位:mm)を表1に示す。
また、得られた積層体における吸音性能を表1(表1中の「吸音率」)に示す。
なお、上記ニードルパンチ不織布は、以下のようにして製造した。
平均繊維径20μm、平均繊維長50mmのポリエチレンテレフタレート繊維(以下「PET短繊維」ともいう)を、ニードルパンチ機にて不織布シート状にすることで、ニードルパンチ不織布を得た。
前記6層構成の積層体における高通気B層(第2層)、高通気D層(第4層)、及び高通気F層(第6層)として、厚みを13mm、目付けを286g/m2、通気度を166cc/cm2/secとしたウレタン製シート(イノアック製、品名:ECS)をそれぞれ準備した。
前記6層構成の積層体における低通気A層(第1層)、低通気C層(第3層)、及び低通気E層(第5層)として、厚みを0.1mm、目付けを10g/m2、通気度を7cc/cm2/secとしたメルトブローン不織布を準備した。このメルトブローン不織布は、実施例1の第1層及び第3層と同じ物である。
実施例1と同様にして、第1層〜第6層の順に接着剤を介して積層し、全6層からなる積層体を得た。得られた実施例3の積層体における吸音性能を表1(表1中の「吸音率」)に示す。
図3に示す積層体110の高通気層114(第2層)として、厚み及び目付以外は実施例1の高通気層と同様のウレタン製シート(イノアック製、品名:ECS)を準備した。ウレタン製シート(表1中の「第2層」)における目付(表1中の「目付」、単位:g/m2)、通気度(表1中の「通気」、単位:cc/cm2/sec)、及び厚み(表1中の「厚み」、単位:mm)を表1に示す。
また、図3に示す積層体110の低通気層112(第1層)として、実施例1の低通気層と同様のメルトブローン不織布を作製した。得られたメルトブローン不織布(表1中の「第1層」)における目付(表1中の「目付」、単位:g/m2)、通気度(表1中の「通気」、単位:cc/cm2/sec)、及び厚み(表1中の「厚み」、単位:mm)を表1に示す。
得られた積層体全体(表1中の「合計」)における目付(表1中の「目付」、単位:g/m2)、通気度(表1中の「通気」、単位:cc/cm2/sec)、及び厚み(表1中の「厚み」、単位:mm)を表1に示す。なお、表1中の斜線は、該当する層を有していないことを示し、以下同様である。
また、得られた積層体における吸音性能を表1(表1中の「吸音率」)に示す。
さらに、比較例1の積層体における吸音率の周波数依存性を図2に示す。
図3に示す積層体110の低通気層112(第1層)として、厚み及び目付以外は実施例1の低通気層と同様のメルトブローン不織布を作製した以外は、比較例1と同様にして積層体を得た。
得られたメルトブローン不織布(表1中の「第1層」)における目付(表1中の「目付」、単位:g/m2)、通気度(表1中の「通気」、単位:cc/cm2/sec)、及び厚み(表1中の「厚み」、単位:mm)を表1に示す。
また、得られた積層体全体(表1中の「合計」)における目付(表1中の「目付」、単位:g/m2)、通気度(表1中の「通気」、単位:cc/cm2/sec)、及び厚み(表1中の「厚み」、単位:mm)を表1に示す。
さらに、得られた積層体における吸音性能を表1(表1中の「吸音率」)に示す。
図3に示す積層体110の高通気層114(第2層)として、厚み及び目付以外は実施例2の高通気層と同様のニードルパンチ不織布を作製した以外は、比較例1と同様にして積層体を得た。
得られたニードルパンチ不織布(表1中の「第2層」)における目付(表1中の「目付」、単位:g/m2)、通気度(表1中の「通気」、単位:cc/cm2/sec)、及び厚み(表1中の「厚み」、単位:mm)を表1に示す。
また、得られた積層体全体(表1中の「合計」)における目付(表1中の「目付」、単位:g/m2)、通気度(表1中の「通気」、単位:cc/cm2/sec)、及び厚み(表1中の「厚み」、単位:mm)を表1に示す。
さらに、得られた積層体における吸音性能を表1(表1中の「吸音率」)に示す。
単層不織布吸音材(3M製、品名:TAI4027)を単層で用いた。
単層不織布吸音材全体(表1中の「合計」)における目付(表1中の「目付」、単位:g/m2)、通気度(表1中の「通気」、単位:cc/cm2/sec)、及び厚み(表1中の「厚み」、単位:mm)を表1に示す。
さらに、得られた積層体における吸音性能を表1(表1中の「吸音率」)に示す。
単層不織布吸音材(3M製、品名:TAI4027)を2層用い、実施例1と同様にして2層の接着を行って、積層体を得た。
得られた積層体全体(表1中の「合計」)における目付(表1中の「目付」、単位:g/m2)、通気度(表1中の「通気」、単位:cc/cm2/sec)、及び厚み(表1中の「厚み」、単位:mm)を表1に示す。
また、得られた積層体における吸音性能を表1(表1中の「吸音率」)に示す。
さらに、比較例5の積層体における吸音率の周波数依存性を図2に示す。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
Claims (4)
- 不織布からなり、通気度が1cc/cm2/sec以上30cc/cm2/sec未満の第1の層と、
通気度が30cc/cm2/sec以上1000cc/cm2/sec以下であり、かつ、通気度が前記第1の層における通気度の5倍以上である第2の層と、
不織布からなり、通気度が1cc/cm2/sec以上30cc/cm2/sec未満であり、かつ、通気度が前記第1の層における通気度の0.5倍以上2倍以下である第3の層と、
通気度が30cc/cm2/sec以上1000cc/cm2/sec以下であり、かつ、通気度が前記第3の層における通気度の5倍以上である第4の層と、
がこの順に積層し、
前記第2の層及び前記第4の層は、ポリウレタン発泡体である積層体。 - 前記第1の層の厚み及び前記第3の層の厚みは、それぞれ0.1mm以上2mm以下である請求項1に記載の積層体。
- 前記第2の層の厚み及び前記第4の層の厚みは、それぞれ10mm以上50mm以下である請求項1又は請求項2に記載の積層体。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の積層体を含む吸音材。
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