JP2013117157A - ヒンジアッセンブリの摩擦制御 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両閉鎖部材を開状態で支持するヒンジアッセンブリの部品数を減らし、車両閉鎖部材の動きを制御するための摩擦抵抗が生じる車両用ヒンジアッセンブリを提供する。
【解決手段】車両閉鎖パネル12(車両閉鎖部材)を車体14に対して枢動させる車両用ヒンジアッセンブリ10は、車体14に連結し第1接触部材38を含む第1ヒンジ部材16と、車両閉鎖パネル12に連結し第2接触部材40を含む第2ヒンジ部材18を含む。第1接触部材38及び第2接触部材40は、それぞれ、相互に摩擦係合する第1面39及び第2面41を有する。第1接触部材38及び第2接触部材40は、第1ヒンジ部材16と第2ヒンジ部材18の間に配置され、車両閉鎖パネル12が開位置と閉位置の間を相対運動することにより、第1接触部材38と第2接触部材40の間の摩擦運動が生じ、車両閉鎖パネル12の動きを制御する抵抗が提供される構成とした。
【選択図】図1
【解決手段】車両閉鎖パネル12(車両閉鎖部材)を車体14に対して枢動させる車両用ヒンジアッセンブリ10は、車体14に連結し第1接触部材38を含む第1ヒンジ部材16と、車両閉鎖パネル12に連結し第2接触部材40を含む第2ヒンジ部材18を含む。第1接触部材38及び第2接触部材40は、それぞれ、相互に摩擦係合する第1面39及び第2面41を有する。第1接触部材38及び第2接触部材40は、第1ヒンジ部材16と第2ヒンジ部材18の間に配置され、車両閉鎖パネル12が開位置と閉位置の間を相対運動することにより、第1接触部材38と第2接触部材40の間の摩擦運動が生じ、車両閉鎖パネル12の動きを制御する抵抗が提供される構成とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、車体に対する車両閉鎖部材の枢動を制御するヒンジアッセンブリに関する。
トランクリッドのような、車両閉鎖部材は、ヒンジアッセンブリを介して、枢動可能に車体に連結される。ヒンジアッセンブリによって、車両閉鎖部材は、開位置と閉位置の間を枢動することができる。ヒンジアッセンブリは、閉位置と開位置とを枢動する間、車両閉鎖部材の動きを制御し、車両閉鎖部材を開状態で支持する。そのため、ヒンジアッセンブリは、典型的に様々な部品、例えば、リンク、ローラ、トルクロッド、バネ、弾力や摩擦を与えるその他の部品を備える。しかし、このようなヒンジアッセンブリは、多くの部品を必要とし、そのため、製造コストが大きく、欠陥、ストレス及び消耗が生じやすい。より部品が少ないその他のヒンジアッセンブリでは、車両閉鎖部材の動きの範囲において、閉位置と開位置との間で動く間の摩擦/トルクを提供できない。
本発明の単数又は複数の実施形態は、公知のヒンジアッセンブリを超える様々な改良を提供するものである。
本発明の単数又は複数の実施形態は、車体及び車両閉鎖パネルの一方に搭載されるように構成された第1ヒンジ部材と、車体及び車両閉鎖パネルの他方に搭載されるように構成された第2ヒンジ部材とを含む車両用ヒンジアッセンブリを提供する。第2ヒンジ部材は、第1ヒンジ部材に枢動可能に連結される。ヒンジアッセンブリは、第1ヒンジ部材に固定される第1接触部材と第2ヒンジ部材に固定される第2接触部材とをさらに含む。第1接触部材は、第1面を有する。第2接触部材は、第2面を有する。第1接触部材及び第2接触部材は、第1面及び第2面を摩擦係合させて配置される。車両閉鎖パネルの開位置と閉位置の間の相対運動により、第1接触部材と第2接触部材が相対運動し、車両閉鎖部材の動きを制御するための摩擦抵抗が提供される。
本発明の単数又は複数の実施形態は、車両用ヒンジアッセンブリの組み立て方法を提供する。この方法は、第1面を有する第1接触部材を第1ヒンジ部材に連結する工程を有する。第1ヒンジ部材は、車体及び車両閉鎖パネルの一方に搭載されるように構成及び配置される。この方法は、第2面を有する第2接触部材を第2ヒンジ部材に連結する工程をさらに有する。第2ヒンジ部材は、車体及び車両閉鎖パネルの他方に搭載されるように構成及び配置される。この方法は、また、第1ヒンジ部材及び第2ヒンジ部材を枢動可能に連結し、第2面が第1面に摩擦係合して、車両閉鎖パネルの開位置と閉位置の間の相対運動により第1接触部材及び第2接触部材が相対運動し、車両閉鎖部材の動きを制御するための摩擦抵抗を提供する工程を含む。
本発明の種々の実施形態の上記及び上記以外の目的、構造の関連エレメントの動作方法及び機能、各部分の組み合わせと経済性については、添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明と添付の特許請求の範囲を検討することによってさらに明らかになる。これらはいずれも本明細書の一部を構成する。ここで、同様の参照符号は種々の図における対応する部分を表している。本発明の一実施形態において、本明細書に記載された構造成分は、正寸で描かれた。添付図面は例示及び説明のためのものであり、本発明の発明特定事項の定義として用いることは意図されていない。さらに、本明細書の実施形態のいずれかで示され又は表された構造特徴は、その他の実施形態においても適用することができる。本明細書及び特許請求の範囲における用法によれば、単数形の「a」、「an」及び「the」には複数のものへの言及が含まれる。ただし、文脈によってそうでないことが明白である場合はこの限りではない。
図1は、本実施形態では、トランクリッドとして、車両閉鎖部材12を車体14に対して枢動させる車両用ヒンジアッセンブリ10の実施形態を示す。車両閉鎖部材12は、ヒンジアッセンブリ10のヒンジ軸に規定される水平軸の周りを枢動する。ヒンジアッセンブリ10は、例えば、エンジンリッドやドアのようなその他のタイプの閉鎖部材を枢動させるために使用できるということも理解される。
図1の実施形態において、ヒンジアッセンブリ10は、車体14に連結するように構成及び配置された第1ヒンジ部材16と車両閉鎖部材12に連結するように構成及び配置された第2ヒンジ部材18を含む。本実施形態において、第1ヒンジ部材16は、ブランケットの形をとる。第1ヒンジ部材16及び第2ヒンジ部材18は、相互に枢動可能に連結され、車両閉鎖部材12が、車両の内部空間24の内容物にアクセスが禁止される閉位置と、車両の内部空間24の内容物にアクセスできような開位置との間で枢動するものとしてもよい。
本実施形態において、ヒンジアッセンブリ10は、第1接触面39を有する第1接触部材38及び第2接触面41を有する第2接触部材40を含む。この接触面39及び41は、接触部材38及び40の軸方向面(axial face)に配置され、中央付近に枢動ピン30のための孔を有した円形状の部材である。第1接触部材38及び第2接触部材40は、第1ヒンジ部材16と第2ヒンジ部材18の間に配置することができる。第1接触部材38は、第1ヒンジ部材16に固定的に連結され、第2接触部材40は、第2ヒンジ部材18に連結される。一実施形態において、第1接触部材38は第1ヒンジ部材16に溶接され、第2接触部材40は、第2ヒンジ部材18に溶接される。一実施形態において、第1接触部材及び第2接触部材38及び40は、第1ヒンジ部材16及び第2ヒンジ部材18の間に配置され、接触面39及び41が相互に摩擦係合し、車両閉鎖パネル12の閉位置と開位置の間の相互動作により、第1接触部材38及び第2接触部材40が車両閉鎖部材12の動きを制御する抵抗を提供する。
図2は、図1のヒンジアッセンブリ10の実施形態の側面図である。図2に示されるように、第1ヒンジ部材16は、ネジ、ピン、ボルト、又はその他の取付機構のような取付構造27を受け付けるように構成及び配置され、開口19を有し、第1ヒンジ部材16を車体14に取り付ける取付部17を含む。第1ヒンジ部材16は、第2ヒンジ部材18が第2位置に向かって上方に回転するとき、第2ヒンジ部材18の一部を受け付け、接触するように構成又は配置された略U字状の接触部29を含む。接触部29は、ゴム材、プラスチック材、発泡材、及びその他の物質のような弾性材で製造される裏地を含む。
図3は、ヒンジアッセンブリ110のその他の実施形態を示す。アッセンブリ110は、上述のヒンジアッセンブリ10と同様に、車両閉鎖部材12及び車体14に取り付けられる。ヒンジアッセンブリ110のいくつかの部品は、上述のヒンジアッセンブリ10の部品と類似する。例えば、ヒンジアッセンブリ110は、車体14に連結されるように構成及び配置された第1ヒンジ部材116及び車両閉鎖部材12に連結されるように構成及び配置された第2ヒンジ部材118を含む。そして、車両閉鎖部材12が閉位置及び開位置の間を動くとき、車両閉鎖部材12に連結された第2ヒンジ部材118は、第1ヒンジ部材116に対して、第1位置(例えば、図5参照)と第2位置(例えば、図6参照)の間を、それぞれ枢動する。
本実施形態において、第2ヒンジ部材118は、管状「がん首」形状の引き延ばされた構造である(詳細は図5を参照)。第1ヒンジ部材116及び第2ヒンジ部材118は、その他の実施形態では他の形状としてもよい。第2ヒンジ部材118は、車両閉鎖部材112に連結する第1部分120(図5参照)及び第2ヒンジ部材118に連結する第2部分122を含む。図5に示されるように、第2ヒンジ部材118の第1部分120は、第2ヒンジ部材18を車両閉鎖部材12に取り付けるネジ、ピン、ボルト、又はその他の取付機構を受け付けるように構成及び配置された開口121を備えていてもよい。湾曲中間部123は、第1部分120と第2部分122の間に設けられ、車両閉鎖部材12が閉位置から開位置への動くのに空間的に関係して、車両閉鎖部材12の端部が車体14から離れるように動くようにしてもよい。
一実施形態において、例えば、図5に示されるように、湾曲中間部123は、ゴム、泡、その他の弾性材料でつくられた接触構造125を備えていてもよい。接触構造125は、ゴム材、発泡材、又はその他の弾性材であり、第2ヒンジ部材118が第2位置に完全に枢動したとき(すなわち、車両閉鎖部材12が開位置に完全に動いたとき)、車体14の一部に接触する。この接触構造125は、バンパーとして参照されてよい。接触構造125は、湾曲部123の内側(すなわち、凹面)に配置される。
第1ヒンジ部材116及び第2ヒンジ部材118は、金属製であって、スタンピング、ハイドロフォーミング、又はその他の方法で製造することができる。しかし、第1ヒンジ部材116及び第2ヒンジ部材118は、その他の実施形態において、その他の物質、又は物質の組み合わせで製造されてもよく、及び/又はその他の方法で製造されてもよいということも理解される。その他の実施形態において、第1ヒンジ部材116の配置及び第2ヒンジ部材118の配置は、置き換えられてもよいことも理解される。すなわち、第1ヒンジ部材116は、車両閉鎖部材12に連結されてもよく、第2ヒンジ部材118は、車体14に連結されてもよい。
図3に戻り、第2ヒンジ部材118は、中空内部126を有する管状構造であり、長方形、又は正方形の断面を有する。第2ヒンジ部材118の断面は、少なくとも第2ヒンジ部材118の長さ方向の一部で一様であってもよい。第2ヒンジ部材118は、その他の実施形態において、その他の断面形状を有し、異なる大きさであってもよいということも理解される。本実施形態において、第2ヒンジ部材118は、通常は、側部132及び134と直交する頂部128及び底部131を含む。頂部128、底部131、側部132及び134は、壁であってもよい。側壁132及び134は、開口137及び149(図4参照)を有し、それぞれ、枢動ピン130を受け付けるように構成及び配置される。第1ヒンジ部材116の側壁135及び136は、それらの間に、少なくとも第2ヒンジ部材118の一部を受け付けるように構成及び配置される受付空間133を規定することができる。開口155及び157(図4参照)は、それぞれ、第1ヒンジ部材16の側壁135及び136に形成されてもよく、枢動ピン130を受け付けるように構成及び配置されてもよい。一実施形態において、枢動ピン130は、鋼鉄製で、熱処理されたものでもよい。枢動ピン130は、その他の実施形態において、その他の物質で製造されてもよいということも理解される。枢動ピン130は、枢動軸を規定することができる。この枢動軸の周りを、第2ヒンジ部材118が、第1ヒンジ部材116に対して枢動する。
ヒンジアッセンブリ110は、車両閉鎖部材12の閉位置と開位置の間の動きを制御する抵抗を提供するように構成される。一実施形態において、その抵抗により、車両閉鎖部材12の閉位置から開位置への動きが遅くすることができる。一実施形態において、ヒンジアッセンブリ110により、車両閉鎖部材12は、閉位置から完全な開位置(全開位置)の間の任意の位置で支持されることができる。すなわち、そのような実施形態において、ヒンジアッセンブリ110は、その他の支持部材を用いることなく、車両閉鎖部材12を車体14に対して任意の角度で支持できるように構成される。
図3に戻り、ヒンジアッセンブリ110は、第1接触面139を有する第1接触部材138及び第2接触面141を有する第2接触部材140を含む。この接触面139及び141は、接触部材138及び140の軸方向面に配置され、中央付近に枢動ピン130のための孔を有する円形状の部材である。第1接触部材138及び第2接触部材140は、第1ヒンジ部材116と第2ヒンジ部材118の間に配置される。第1接触部材138は、第1ヒンジ部材116に固定的に連結され、第2接触部材140は、第2ヒンジ部材118に連結される。一実施形態において、第1接触部材138は、第1ヒンジ部材116に溶接され、第2接触部材140は、第2ヒンジ部材118に溶接される。その他の取り付け機構又は連結機構を用いて、第1接触部材138は、第1ヒンジ部材116に確実に固定され、第2接触部材140は、第2ヒンジ部材140に確実に固定されてもよいことも理解される。図4に示すように、開口145及び147は、それぞれ、第1接触部材138及び第2接触部材140に設けられる。第1接触部材138及び第2接触部材140の開口は、ヒンジアッセンブリ110が組み立てられるときに、枢動ピン130を受けるように構成及び配置されてもよい。一実施形態において、第1接触部材138及び第2接触部材140は、円形のワッシャー又はディスクを備える。一実施形態において、第1接触部材138及び第2接触部材140は、同じ大きさ及び同じ外周(すなわち、第1接触部材138の第1外周は、第2接触部材140の第2外周と同一)を有していてもよい。一実施形態において、第1接触部材138及び第2接触部材140は、それぞれ、約25mmの外径を有する。また、その他の実施形態において、第1接触部材138及び第2接触部材140は、異なる大きさとしてもよい。第1接触部材138及び第2接触部材140は、鋳鉄、真ちゅう、リン青銅、アルミニウム合金、銅鉛合金、ホワイトメタル、カドミウム合金、鉛銅、鉛青銅、鉄、その他の金属、プラスチック、ゴムのような圧縮弾性材料、その他の物質、又はそれらの物質の組み合わせで製造されてもよい。
上述の実施形態において、接触部材138及び140は、完全な円形のワッシャーを備える。しかし、他の実施形態で、接触部材138及び140が形成する弧(arc)は、完全な円形となる角度である360度より小さいものであってもよい。
一実施形態において、例えば、図3に示されるように、第1接触部材138及び第2接触部材140は、第1ヒンジ部材116と第2ヒンジ部材118の間に配置される。接触面139及び141が 相互に摩擦係合し、車両閉鎖パネル12の閉位置と開位置の間の相対運動によって、第1接触部材138と第2接触部材140の相対運動が起こり、車両閉鎖部材12の動きを制御する抵抗が提供される。したがって、第1ヒンジ部材116の第2ヒンジ部材118に対する枢動によって、第1接触部材138と第2接触部材140の間で摩擦が生じる。この摩擦により、車両閉鎖部材12の閉位置への下降を遅くすることができる。幾つかの実施形態において、この摩擦により、車両閉鎖部材12の下降を防ぎ、車両閉鎖部材12を車体14に対して様々な角度で支持することが可能となる。したがって、幾つかの実施形態において、第1接触部材138及び第2接触部材140はヒンジアッセンブリ110内で摩擦を生じることができ、ヒンジアッセンブリ110は摩擦ヒンジアッセンブリとして機能することができる。それにより、車両閉鎖部材12は、車体に対して任意の角度に配置されることができる。ヒンジアッセンブリ110の第1接触部材138及び第2接触部材140は、ヒンジアッセンブリ110の第1接触部材138及び第2接触部材140と同様の構成及び配置、及び同様の機能を有することができることも理解される。
第1接触部材138及び第2接触部材140はラウンドした円形状となっているので、接触面139及び141の間の接触領域を、ヒンジアッセンブリ110の枢動範囲(すなわち、ヒンジアッセンブリ110の開位置と閉位置の間の枢動範囲)に亘って、一様に維持することができる。したがって、第1接触部材138及び第2接触部材140の接触面は、車両閉鎖部材12が開位置と閉位置を枢動する間、一定及び一様である。第1接触部材138及び第2接触部材140の一様な接触面は、締め付け負荷を一様とすることができる。第1ヒンジ部材116と第2ヒンジ部材118の間の接触部材138及び140を用いなかった場合、第1ヒンジ部材116及び第2ヒンジ部材118の接触面は、回転に応じて変わり、締め付け負荷も変化することになる。しかし、第1接触部材138及び第2接触部材140を第1ヒンジ部材116及び第2ヒンジ部材118の間に配置することにより、第1接触面138及び第2接触面140は、一定の締め付け負荷を提供することができる。したがって、一定の摩擦力を提供することができる。この摩擦力は、以下の式で算出できる。
Ff=μ×Fn
ここで、Ffは摩擦力、μは物質の摩擦係数、及びFnはそれぞれの面が互いに及ぼす垂直抗力である。第1接触部材138及び第2接触部材140の接触面が一様であるため、垂直抗力(Fn)は一定となる。より具体的には、Fnが、領域により分割される圧力(P/A)として機能するため、一定の圧力のために表面領域の係数を一定に維持することによって、Fnも一定となる。
ここで、Ffは摩擦力、μは物質の摩擦係数、及びFnはそれぞれの面が互いに及ぼす垂直抗力である。第1接触部材138及び第2接触部材140の接触面が一様であるため、垂直抗力(Fn)は一定となる。より具体的には、Fnが、領域により分割される圧力(P/A)として機能するため、一定の圧力のために表面領域の係数を一定に維持することによって、Fnも一定となる。
接触面が一様なので、車両閉鎖部材12が開位置と閉位置の間を動くとき、ヒンジアッセンブリ110で生じる摩擦の大きさのばらつきを少なくすることができる。したがって、最小の力と最大の力の幅が小さくなる。摩擦の大きさ、すなわち、ヒンジアッセンブリ110によるトルク及び抵抗の大きさは、第1接触部材138及び第2接触部材140の接触面の大きさ、第1接触部材138及び第2接触部材140の大きさ、第1接触部材138及び第2接触部材140の厚み、第1接触部材138及び第2接触部材140圧力又は摩擦力の大きさ、その他の要因に基づいて、実施形態によって変化する。第1接触部材138及び第2接触部材140の間の押圧力の大きさを変化させるため、第1接触部材138及び第2接触部材140の厚みを変え、第2ヒンジ部材118の側部132及び134と第1ヒンジ部材116の側部135及び136の間の空間の大きさを変えることができる。
様々な実施形態で、接触面139及び141は、所望の摩擦抵抗を得るための構造及び/又は物質を備える。例えば、荒い表面構造を採用することにより、摩擦を増加させることができる。様々な実施形態において、ヒンジアッセンブリ110の枢動範囲で、各第1及び第2接触面139、141での静(止)摩擦及び/又は動摩擦が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、15%未満、10%未満、及び/又は5%未満の変化となるように、接触部材138及び140が配置される。
一実施形態において、第1接触部材138及び第2接触部材140の少なくとも一方は、車両閉鎖部材12が開位置と閉位置の間を動くとき、枢動ピン130による軸周りを、枢動ピン130自体に対して回転できる。したがって、枢動ピン130と第1接触部材138又は第2接触部材140の間の摩擦によっても、開位置及び閉位置を動く車両閉鎖部材12を制御するための抵抗を生じることになる。一実施形態において、枢動ピン130及び第1接触部材138又は第2接触部材140の接触により生じるトルクを利用して、車両閉鎖部材12を閉位置と全開位置の間の任意の位置に支持することができる。そのような実施形態において、枢動時に生じるトルクの大きさを変えるため、第1接触部材118又は第2接触部材130の厚みを変化させることができる。したがって、第1接触部材138及び第2接触部材140の接触、場合によっては枢動ピン130及び第1接触部材138又は第2接触部材140の接触によって、開位置と閉位置の間を動く車両閉鎖部材を制御するための抵抗を提供することができる。すなわち、幾つかの実施形態において、車両閉鎖部材12を開位置と閉位置の間で動かすために必要な力の大きさを制御するため、抵抗を発生させる。それにより、車両閉鎖部材12を、車体14に対して任意の角度に支持することができる。
図5は、第1位置でのヒンジアッセンブリ110を示す。ヒンジアッセンブリ110が第1位置にあるとき、車両閉鎖部材12は、典型的に、車体14に対して閉位置にある。車両閉鎖部材12を開位置に向かって動かすため、図6に示されるように、第2ヒンジ部材118を第1ヒンジ部材116に対して枢動することにより、ヒンジアッセンブリ14が第2位置に動かされる。車両閉鎖部材12が開位置に向かって動くとき、すなわち、第2ヒンジ部材118が第1ヒンジ部材116に対して枢動するとき、第1ヒンジ部材116に連結された第1接触部材138と第2ヒンジ部材18に連結された第2接触部材140とが、接触面139及び141を介して接触し、摩擦を生じる。一実施形態において、ヒンジアッセンブリ110が生じる一定の摩擦トルクは、少なくとも重力による反対のトルク(例えば、車両閉鎖部材12の重量)以上であり、車両閉鎖部材12を任意の位置に支持し、車両閉鎖部材12が閉位置に降下するのを防ぐ。車両閉鎖部材12を支持するとき必要とされる一定の摩擦トルクを決定するときに、その他の要因も考慮できる。例えば、エンジンがオンのときに車両が生じる振動、及び、風により車両閉鎖部材12にかかる力を考慮できる。
幾つかの実施形態において、例えば、図3に示されるように、ヒンジアッセンブリ110は、第3接触面151を有する第3接触部材150及び及び第4接触面153を有する第4接触部材152を含む。第3接触部材150及び第4接触部材152は、第1接触部材138及び第2接触部材140と同様の構造であり、接触部材152は、第2接触部材140と同様である。幾つかの実施形態において、第3接触部材及び第4接触部材は、それぞれ、第1接触部材138及び第2接触部材140と同じ又は異なる形状及び大きさを有していてもよい。部材138及び140がヒンジ部材116及び118に連結されるのと同様に、第3接触部材150が第1ヒンジ部材16に連結され、第4接触部材152が第2ヒンジ部材118に連結されてもよい。しかし、第3接触部材150及び第4接触部材152は、それぞれ、第1ヒンジ部材116の側壁135と、第2ヒンジ部材118の側部134(例えば、第1接触部材138及び第2接触部材140が連結されるように、ヒンジ部材118のその他の側に)に連結されてもよい。幾つかの実施形態において、ヒンジアッセンブリ110は、接触部材138及び140、及び接触部材150及び152のうち一対のみを含むことも理解される。すなわち、幾つかの実施形態において、ヒンジアッセンブリ10及び110は、第1接触部材138及び第2接触部材140、又は第3接触部材150及び第4接触部材152のどちらかを含む。また、幾つかの実施形態において、ヒンジアッセンブリ110は、接触部材138、140、150、及び152の両方の対を含んでもよい。
しかし、これらの性質は、本発明を限定するものではなく、ヒンジアッセンブリ110のその他の実施形態で変形することもできるということも理解される。
ヒンジアッセンブリ110を組み立てるため、第1接触部材38は、(例えば、溶接、リベット、ネジ、ボルト、接着剤等で)第1ヒンジ部材16に連結される。第2接触部材140は、同様に、第2ヒンジ部材118に連結される。第2ヒンジ部材118の第2部分122及び第2接触部材140は、第1ヒンジ部材116の側部132及び134に規定される受付空間133内に配置される。それにより、第1ヒンジ部材116、第2ヒンジ部材118、第1接触部材138、及び第2接触部材140の開口が、位置合わせされる。枢動ピン130は、第1ヒンジ部材116、第2ヒンジ部材118、第1接触部材138、及び第2接触部材140の位置合わせされた開口に挿入され、第1ヒンジ部材116及び第2ヒンジ部材118を枢動可能に連結する。そして、第1接触部材38及び第2接触部材140が、接触面139と接触面141の間に接触領域を生じる。この接触領域は、第2ヒンジ部材118が第1ヒンジ部材116に対して枢動するとき、抵抗を生じる。
第3接触部材150及び第4接触部材152を有する実施形態において、第3接触部材150及び第4接触部材152は、同様に、第1ヒンジ部材116及び第2ヒンジ部材118にそれぞれ連結され、上述の第1接触部材138及び第2接触部材140と同様に組み立てられる。第4接触部材を有する実施形態において、第1接触部材138及び第2接触部材140は、(1)第1ヒンジ部材116の側壁136と第2ヒンジ部材118の側部132との間又は(2)第1ヒンジ部材116の側壁135と第2ヒンジ部材118の側部134との間のどちらかに配置される。そして、第3接触部材及び第4接触部材は、(1)第1ヒンジ部材116の側壁136と第2ヒンジ部材118の側部132との間又は(2)第1ヒンジ部材116の側壁135と第2ヒンジ部材118の側部134との間の他方に配置される。
図7は、ヒンジアッセンブリ210の他の実施形態を示す。本実施形態において、第1ヒンジ部材116及び第2ヒンジ部材118は、上述のヒンジアッセンブリ110の第1ヒンジ部材116及び第2ヒンジ部材118と同様に構成さるため、同じ符号を付す。したがって、ヒンジアッセンブリ210の第1ヒンジ部材116及び第2ヒンジ部材118の部品も、ヒンジアッセンブリ110の第1ヒンジ部材116及び第2ヒンジ部材118の同様の部品と同じ符号を付す。本実施形態において、ヒンジアッセンブリ210は、車両閉鎖部材の動きを制御する摩擦抵抗を提供するように構成及び配置された第1接触部材238及び第2接触部材240を含む。第1接触部材238は、第1ヒンジ部材116に連結されるように構成及び配置され、第2接触部材240は、第2ヒンジ部材118に連結されるように構成及び配置される。
第1接触部材238及び第2接触部材240は、同様の構成である。図8は、第2接触部材240の詳細を示す。本実施形態において、第2接触部材240は、本体288、第1凸部284、及び第2凸部286を含む。凸部284及び286は、本体288から所定の角度(例えば、90度又はその他任意の角度)で延びるように構成及び配置されたタブの形をとる。凸部284及び286は、本体288の様々な箇所から延びるものとすることができる。例えば、本体288は、円形で、凸部284及び296は、本体288の外周に沿って、相互に90度の角度で配置されることができる。しかし、凸部284及び286の配置は、その他の実施形態では変わってもよいということも理解される。
図9は、第2ヒンジ部材118に連結された第2接触部材240を示す。本実施形態において、第1凸部284は、第2ヒンジ部材118の断面によってによって規定される平面と平行になるように構成及び配置される。第2凸部286は、第2ヒンジ部材118の底部132によって規定される平面と平行になるように構成及び配置される。したがって、第1及び第2凸部284及び286は、第2接触部材240が第2ヒンジ部材118に対して回転するのを防止するように構成及び配置される。第2接触面241は、本体288側に設けられ、第1接触部材238の少なくとも一部と接触するように構成及び配置される。
図10は、第1ヒンジ部材116に連結された第1接触部材238を示す。上述のとおり、第1接触部材238は、第2接触部材240と同様の構造である。したがって、第1接触部材238は、第1凸部280及び第2凸部282を含む。凸部280及び282は、第1接触部材238の本体278から延びるように構成及び配置される。凸部280及び282は、第1ヒンジ部材116の側壁136の端部に当接又は接触するように構成及び配置され、第1接触部材238が第1ヒンジ部材116に対して回転するのを防止する。第1接触部材238の本体278は、第2接触部材240の第2接触面241と接触するように構成及び配置された第1接触面239を含む。
図7に戻り、ヒンジアッセンブリ210が配置され、第1接触部材238の第1接触面239が、第2接触部材240の第2接触面241と接触するように構成及び配置される。すなわち、第1接触部材238及び第2接触部材240は、第1ヒンジ部材116と第2ヒンジ部材118の間に配置され、接触面239及び241が 相互に摩擦係合する。そして、車両閉鎖パネル12の閉位置と開位置の間の相対運動により、第1接触部材238及び第2接触部材240が相対運動し、車両閉鎖部材12の動きを制御する抵抗を提供する。したがって、ヒンジアッセンブリ210の第1接触部材238及び第2接触部材240が提供する摩擦抵抗は、ヒンジアッセンブリ110の第1接触部材138及び第2接触部材140が提供する摩擦抵抗と同様である。接触部材(例えば、第3接触部材及び第4接触部材)を追加することできるということも理解される。さらに、ヒンジアッセンブリ210は、上述のヒンジアッセンブリ110と同様の態様で動作することができる。
幾つかの実施形態において、ヒンジアッセンブリ10、110及び210は、バネ又弾性構造を任意に含み、又は、バネ又はその他の弾性構造に連結され、車両閉鎖部材12を閉位置から開位置へ動かすことができる。その他の実施形態において、車両閉鎖部材12は、車体14に対して所定の角度まで車両閉鎖部材12が閉位置から離れるように動くとき、最初に車両閉鎖部材12を「起動(pop)」又は動かすバネ又はその他の弾性構造を有することができる。したがって、ユーザは、その後、ヒンジアッセンブリ10、110及び210による抵抗及び車両閉鎖部材12の重量に対して車両閉鎖部材12を押すことにより、閉位置と全開位置の間の任意の位置に動かすことができる。他の実施形態では、そのようなバネは、車両閉鎖部材12への重力による力に対抗して作用する。接触部材38、40、138、140、238及び240により、ユーザは、ヒンジアッセンブリ10、110及び210及び車両閉鎖部材12をあるべき位置に支持することができる。
上述の実施形態は、本発明の構造的及び機能的な原理を説明することのみを目的としたものであり、本発明を限定するものではない。むしろ添付された特許請求の範囲の趣旨及び範囲に入る変形や均等な配置も本発明に含められることが意図されている。
Claims (17)
- 車体及び車両閉鎖パネルの一方に搭載するように構成された第1ヒンジ部材と、
前記車体及び前記車両閉鎖パネルの他方に搭載されるように構成され、前記第1ヒンジ部材と枢動可能に連結された第2ヒンジ部材と、
前記第1ヒンジ部材に固定され、第1面を有する第1接触部材と、
前記第2ヒンジ部材に固定され、第2面を有する第2接触部材と、を備え、
前記第1接触部材及び前記第2接触部材は、前記第1面及び前記第2面を摩擦係合させて配置される、
前記車両閉鎖パネルが開位置と閉位置の間を相対運動することにより、前記第1接触部材と前記第2接触部材が相対運動し、車両閉鎖部材の動きを制御する摩擦抵抗が提供される、
車両用ヒンジアッセンブリ。 - 前記第1接触部材及び前記第2接触部材は、前記第1面と前記第2面の間の静摩擦が、前記ヒンジアッセンブリの枢動範囲において、20%未満しか変わらないように配置される、
請求項1記載の車両用ヒンジアッセンブリ。 - 前記静摩擦が、前記ヒンジアッセンブリの枢動範囲において、10%未満しか変わらない、
請求項2記載の車両用ヒンジアッセンブリ。 - 前記第1接触部材及び前記第2接触部材は、前記ヒンジアッセンブリの枢動範囲において、前記第1面と前記第2面の間で一様の接触面を生じるように配置される、
請求項1記載の車両用ヒンジアッセンブリ。 - 前記第1面が形成する弧の外周は、前記第2面が形成する弧の外周と同じである、
請求項1記載の車両用ヒンジアッセンブリ。 - 前記第1ヒンジ部材に固定され、第3面を有する第3接触部材をさらに備える、
請求項1記載の車両用ヒンジアッセンブリ。 - 前記第2ヒンジ部材に固定され、前記第3面に摩擦係合する第4面を有する第4接触部材をさらに備える、
請求項6記載の車両用ヒンジアッセンブリ。 - 前記第3接触部材及び前記第4接触部材は、前記ヒンジアッセンブリの枢動範囲において、前記第3面及び前記第4面の間の静摩擦が20%未満しか変わらないように配置される、
請求項7記載の車両用ヒンジアッセンブリ。 - 前記第2ヒンジ部材は管状である、
請求項1記載の車両用ヒンジアッセンブリ。 - 前記第1接触部材及び第2接触部材は、円形のワッシャ−を備える、
請求項1記載の車両用ヒンジアッセンブリ。 - 車両との組み合わされる車両用ヒンジアッセンブリであり、
車体と、
車両閉鎖部材と、を備え、
前記第1ヒンジ部材は、前記車体及び前記車両閉鎖パネルの前記一方に搭載され、
前記第2ヒンジ部材は、前記車体及び前記車両閉鎖パネルの前記他方に搭載される、
請求項1記載の車両用ヒンジアッセンブリ。 - 第1面を有する第1接触部材と車体及び車両閉鎖パネルの一方に搭載されるように構成及び配置された第1ヒンジ部材とを連結する工程と、
第2面を有する第2接触部材と前記車体及び前記車両閉鎖パネルの他方に搭載されるように構成及び配置された第2ヒンジ部材とを連結する工程と、
前記第1ヒンジ部材と前記第2ヒンジ部材とを枢動可能に連結し、前記第2面が前記第1面と摩擦係合させ、前記車両閉鎖パネルが開位置と閉位置の間を相対運動することにより、前記第1接触部材と前記第2接触部材が相対運動し、車両閉鎖部材の動きを制御する摩擦抵抗を提供する工程と、を有する、
車両用ヒンジアッセンブリの組み立て方法。 - 前記第1面が形成する弧の外周は、前記第2面が形成する弧の外周と同じである、
請求項12記載の車両用ヒンジアッセンブリの組み立て方法。 - 第3面を有する第3接触部材と前記第1ヒンジ部材とを連結する工程と、
第4面を有する第4接触部材と前記第2ヒンジ部材とを連結する工程と、をさらに有し、
前記枢動可能に連結する工程の後、前記第3面が前記第4面に摩擦係合する、
請求項12記載の車両用ヒンジアッセンブリの組み立て方法。 - 前記第1接触部材及び第2接触部材は、円形のワッシャ−を備える、
請求項12記載の車両用ヒンジアッセンブリの組み立て方法。 - 前記枢動可能に連結する工程の後、前記第1接触部材及び前記第2接触部材は、前記第1面と前記第2面の間の静摩擦が、前記ヒンジアッセンブリの枢動範囲において、20%未満しか変わらないように配置される、
請求項12記載の車両用ヒンジアッセンブリの組み立て方法。 - 前記枢動可能に連結する工程の後、前記第1接触部材及び前記第2接触部材は、前記ヒンジアッセンブリの枢動範囲において、前記第1面と前記第2面の間で一様の接触面を生じるように配置される、
請求項12記載の車両用ヒンジアッセンブリの組み立て方法。
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