JP2013116847A - シリカ焼結体ルツボ及びシリカ焼結体ルツボの製造方法、並びに単結晶の引上げにおいて使用されるシリカ焼結体ルツボ - Google Patents

シリカ焼結体ルツボ及びシリカ焼結体ルツボの製造方法、並びに単結晶の引上げにおいて使用されるシリカ焼結体ルツボ Download PDF

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Abstract

【課題】単結晶の引上げにおいて使用され、結晶転位による有転位化(結晶欠陥)を抑制し、単結晶化率を向上させることができ、大量生産に好適なシリカ焼結体ルツボ及びそのシリカ焼結体ルツボの製造方法を提供する。
【解決手段】シリカ焼結体ルツボ1は、シリカ粉を成形し、焼成された外層1aと、外層1aの内周面に、球状シリカ粒子を含有する成形層を形成し、成形層を焼成して形成された内層1bと、を備えている。そして、シリカ焼結体ルツボ1は、シリカ粉を成形し、焼成する工程と、焼成によって得られた焼結体の内周面に、球状シリカ粒子を含有する内層1bを形成し、焼成し、焼結体の内層1bを形成することにより得られる。また、このシリカ焼結体ルツボ1は、シリカ粉を成形し、この成形体の内周面に、所定粒径の球状シリカ粒子を含有する成形層を形成し、成形層を形成した成形体を焼成することにより得られる。
【選択図】図3

Description

本発明は、シリカ焼結体ルツボ及びシリカ焼結体ルツボの製造方法、並びに単結晶の引上げにおいて使用されるシリカ焼結体ルツボに関し、特にポリシリコン等の溶融熱によってシリカ焼結体からシリカガラスに変化するシリカ焼結体ルツボ及びシリカ焼結体ルツボの製造方法、並びに単結晶の引上げにおいて使用されるシリカ焼結体ルツボに関する。
シリコン等の半導体単結晶は、主にチョクラルスキー(CZ)法により製造されている。このCZ法によるシリコン単結晶の製造は、シリコン単結晶の種結晶を、ポリシリコンを溶融したシリコン原料融液に着液させて、回転させながら徐々に引上げていき、シリコン単結晶インゴットを成長させることにより行われる。このようなシリコン単結晶の引上げにおいて、シリコン原料を加熱溶融する容器として、シリカガラスルツボが用いられている。
このシリカガラスルツボの製造方法について、図6に基づいて説明する。図6は、従来のシリカガラスルツボを製造する各工程を断面図によって順に示したものであり、図6(a)〜(e)における上半部は、垂直方向の中央断面状態で示し、また図6(a)〜(d)における下半部は、それぞれの水平方向の中央断面状態で示している。
図6(a)に示す符号103は、石英ガラス原料粉末を供給する原料粉末供給装置としてのホッパーであり、ホッパー103の内部には、ホッパー103内を2つに区画する仕切り板103aが設けられている。2つに区画されたホッパー内部には、それぞれ異なる原料粉末G1及びG2が収容され、ホッパー103の原料供給口103bから原料粉末G1及びG2が供給されるように構成されている。原料粉末G1としては純化処理した天然質シリカ原料粉が、また原料粉末G2として高純度の合成シリカ原料粉が用いられる。
前記ホッパー103の原料供給口103bは、図6(b)に示すように、共に回転状態とされている前記外枠101と内枠102とで形成される隙間のうち、狭い隙間部分の上部に位置され、この狭い隙間部分より原料粉末G1、G2が外枠101と内枠102との間に供給される。そして、外枠101と内枠102との間に供給された原料粉末G1、G2は、偏心状態の内枠102の外周面、特に外枠101の内周面に接近した部分により、外枠101の内周面に押しつけられ、且つ遠心力により、隙間の肉厚方向に異なった原料による複数の粉末層G1,G2を形成させる。
このようにして外枠101の内周面に原料粉末層G1、G2を形成させた状態で図6(c)に示すように、前記外枠101の軸心1aと内枠102の軸心2aとを一致させると共に、図6(d)に示すように内枠102を上部に移動させることにより、外枠101から内枠102が引き出される。
続いて、図6(e)に示すように回転状態の前記外枠101内に、加熱手段としての電極104a,104b,104cからなるアーク放電装置がその上部から挿入され、電極104a,104b,104cに発生するアーク放電熱により、原料粉末G1、G2がアーク溶融によってガラス化させる。
そして、図7に示すように、上記した製造方法によって外層が多数の気孔を含む見かけ上、不透明な天然質シリカガラス層F1であり、内層が透明な合成シリカガラス層F2からなるシリカガラスルツボ100が製造される。
特開2000−169164号公報
ところで、シリカガラスルツボ100の内層の透明な合成シリカガラス層F2は、大気中でアーク溶融によって形成されるため、前記合成シリカガラス層F2には、少なからず気泡が残存する。
このようなシリカガラスルツボを用いて、減圧下でシリコン単結晶引上げを行うと、気泡A内が大気圧であるため、図8(a)(b)に示すように、単結晶引上げ中に気泡Aが膨れる。そして、内面側の透明な合成シリカガラス層F2が、溶融したシリコン融液によって浸食されると、前記気泡Aがシリコン融液中に混入し、引上げられるシリコン単結晶中に気泡が取込まれる。
その結果、シリコン単結晶中に取り込まれた気泡が、結晶転位による有転位化(結晶欠陥)を招来し、単結晶化率を低下させるという技術的課題があった。
また、シリカガラスルツボの透明な合成シリカガラス層F2に、剥離あるいは欠け等が生じ、それら合成シリカガラス層F2の小片がシリコン融液中に混入することにより、単結晶化率を低下させるという技術的課題があった。
更に、アーク溶融によりシリカガラスルツボを製造するため、製造時にカーボン電極を大量に消費する。そのため、カーボン電極の費用が嵩むと共に、カーボン電極の交換作業の時間がかかり、大量生産向きでないという技術的課題があった。
本発明者らは、上記技術的課題を解決するために、内層内に存在する気泡を極力抑制し、結晶転位による有転位化(結晶欠陥)を抑制し、単結晶化率が向上し、更にコスト的に安価であり、大量生産に向いたルツボを鋭意研究した。その結果、ルツボの内周面をシリカ焼結体とし、ポリシリコン等の溶融熱によってシリカ焼結体からシリカガラスに変化させてシリカガラスルツボとすることに想到した。
しかし、ルツボがシリカガラスであると、ルツボ内周面のシリカ焼結体が緻密化もしくは結晶化する際に亀裂や剥離が生じてしまう課題があり、更に鋭意研究した。その結果、ルツボ本体もシリカ焼結体とし、シリカ焼結体からなるルツボ外層の内周面にシリカ焼結体からなる内層を設け、ポリシリコン等の溶融熱によってルツボ外層を結晶化し、内層をシリカ焼結体からシリカガラスに変化させてシリカガラスルツボとし、このシリカガラスルツボを用いて単結晶引上げを行うことを想到し、本発明を完成するに至った。
本発明は、コスト的に安価であり、大量生産に好適なシリカ焼結体ルツボ及びそのシリカ焼結体ルツボの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記シリカ焼結体ルツボの少なくとも内層を、内部に収容したポリシリコンを溶融する際の加熱によってシリカ焼結体からシリカガラスに変化させ、結晶転位による有転位化(結晶欠陥)を抑制し、単結晶化率を向上させることができる、単結晶の引上げにおいて使用されるシリカ焼結体ルツボを提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために、本発明にかかるシリカ焼結体ルツボは、シリカ粉を成形し、焼成された外層と、前記外層の内周面に、球状シリカ粒子を含有する成形層を形成し、前記成形層を焼成して形成された内層と、を備えることを特徴としている。
また、本発明にかかるシリカ焼結体ルツボは、シリカ粒子を堆積させて成形し、焼成された外層と、前記外層の内周面に、球状シリカ粒子を含有する内層用コーティング液を塗布し、焼成して形成された内層と、を備えることを特徴としている。
また、本発明にかかるシリカ焼結体ルツボは、多孔質の外層と、多孔質の内層からなることが望ましい。
尚、本発明にかかるシリカ焼結体ルツボは、少なくとも内部に収容したポリシリコンを溶融した後にシリコン融液に触れるルツボ内周面に形成することが望ましい。
また、本発明にかかるシリカ焼結体ルツボは、1400℃に加熱することにより、前記外層が一部結晶化し、前記内層が緻密化することが望ましい。
このように構成されたシリカ焼結体ルツボは、熱を加えることにより、少なくともシリカ焼結体ルツボの内層は緻密化し、シリカガラスに変化する。
したがって、例えば、前記シリカ焼結体ルツボの内部に収容したポリシリコンを溶融する際の熱により、少なくともシリカ焼結体ルツボの内層を緻密化させ、シリカガラスに変化させることができる。即ち、シリコン単結晶の引上げ行程において、シリコン融液に触れる部分がシリカガラス化したルツボを形成することができる。
そのため、従来のようなアーク放電等の手段を用いることなく、ルツボを形成することができるため、安価に、かつ効率的の製作することができる。
前記した課題を解決するために、本発明にかかるシリカ焼結体ルツボの製造方法は、所定粒径のシリカ粉を成形する工程と、前記成形体を焼成する工程と、前記焼成によって得られた焼結体の内周面に、所定粒径の球状シリカ粒子を含有する成形層を形成し、前記成形層を焼成し、前記焼結体の内周面に、焼結体の内層を形成し、シリカ焼結体ルツボを形成する工程と、を備えることを特徴としている。
また、前記した課題を解決するために、本発明にかかるシリカ焼結体ルツボの製造方法は、所定粒径のシリカ粉を成形する工程と、前記成形によって得られた成形体の内周面に、所定粒径の球状シリカ粒子を含有する成形層を形成する工程と、前記成形層を形成した成形体を焼成し、前記焼結体の内周面に、焼結体の内層を形成し、シリカ焼結体ルツボを形成する工程と、を備えることを特徴としている。
このようなシリカ焼結体ルツボの製造方法によれば、コスト的に安価であり、大量に効率的に生産することができる。
ここで、粒径0.1μm以上5.0mm以下のシリカ粉を成形する工程と、前記成形体を成形型から取り外し、焼成する工程と、前記焼成によって得られた焼結体の内周面に、平均粒径が10μm以下であって半値全幅が10μm以上の球状シリカ粒子を含有する内層用コーティング液を塗布し成形層を形成し、前記成形層を大気中で焼成し、前記焼結体の内周面に、焼結体からなる内層を形成し、シリカ焼結体ルツボを形成する工程と、を備えることが望ましい。
また、粒径0.1μm以上5.0mm以下のシリカ粉を分散させたスラリーを、鋳込み型へ供給し、前記型表面にシリカ粉を堆積させて成形する工程と、前記成形体を鋳込み型から取り外し、前記成形体を乾燥させた後、焼成する工程と、前記焼成によって得られた焼結体の内周面に、平均粒径が10μm以下であって半値全幅が10μm以上の球状シリカ粒子を含有する内層用コーティング液を塗布し成形層を形成し、前記成形層を大気中で焼成し、前記焼結体の内周面に、焼結体からなる内層を形成し、シリカ焼結体ルツボを形成する工程と、を備えることが望ましい。
また、粒径0.1μm以上5.0mm以下のシリカ粉を成形する工程と、前記成形によって得られた成形体の内周面に、平均粒径が10μm以下であって半値全幅が10μm以上の球状シリカ粒子を含有する内層用コーティング液を塗布し成形層を形成する工程と、前記成形層を形成した成形体を大気中で焼成し、前記焼結体の内周面に、焼結体の内層を形成し、焼結体からなる外層と焼結体からなる内層を有するシリカ焼結体ルツボを形成する工程と、を備えることが望ましい。
また、粒径0.1μm以上5.0mm以下のシリカ粉を分散させたスラリーを、鋳込み型へ供給し、前記型表面にシリカ粉を堆積させて成形する工程と、前記成形によって得られた成形体の内周面に、平均粒径が10μm以下であって半値全幅が10μm以上の球状シリカ粒子を含有する内層用コーティング液を塗布し成形層を形成する工程と、前記成形層を形成した成形体と大気中で焼成し、前記焼結体の内周面に、焼結体の内層を形成し、焼結体からなる外層と焼結体からなる内層を有するシリカ焼結体ルツボを形成する工程と、を備えることが望ましい。
また、前記した課題を解決するために、本発明にかかる単結晶の引上げにおいて使用されるシリカ焼結体ルツボは、前記シリカ焼結体ルツボに、原料のポリシリコン塊を充填し、減圧下で、シリカ焼結体ルツボの周囲に配置された、ヒータより加熱することにより、少なくともシリカ焼結体ルツボの内層が緻密化し、シリカガラスへ変化することを特徴としている。
このように、減圧下でなされるポリシリコン塊の溶融工程(加熱工程)下において、シリカ焼結体からシリカガラスに変化させるため、仮に緻密化した前記内層中に気泡が混入したとしても、シリコン単結晶引上げ行程において前記気泡が膨張することがなく、結晶転位による有転位化(結晶欠陥)を抑制し、単結晶化率を向上させることができる。
また、シリコン単結晶引上げ行程において、緻密化した前記内層中の気泡が膨張しないため、剥離あるいは欠け等が抑制され、内層の小片がシリコン融液中に混入することも抑制され、結晶転位による有転位化(結晶欠陥)を抑制し、単結晶化率を向上させることができる。
ここで、前記加熱により、前記ポリシリコン塊が溶融を開始する前に、シリカ焼結体の内層は少なくとも緻密化され、外層は一部結晶化することが望ましい。
また、前記加熱により、前記ポリシリコン塊が溶融を開始する前にシリカ焼結体の内層は少なくとも緻密化し、その後、結晶化することが望ましい。尚、内層の結晶化は外層の結晶化と、同時期に終了するのが好ましい。
本発明は、コスト的に安価であり、大量生産に好適なシリカ焼結体ルツボ及びそのシリカ焼結体ルツボの製造方法を得ることができる。
また、本発明は、前記シリカ焼結体ルツボの少なくとも内層を、内部に収容したポリシリコンを溶融時の加熱によってシリカ焼結体からシリカガラスに変化させ、結晶転位による有転位化(結晶欠陥)を抑制し、単結晶化率を向上させることができる、単結晶の引上げにおいて使用されるシリカ焼結体ルツボを得ることができる。
図1は、本発明に係るシリカ焼結体ルツボの製造工程を示すフローチャートシート図である。 図2は、本発明に係るシリカ焼結体ルツボの第2の製造工程を示すフローチャートシート図である。 図3は、本発明に係るシリカ焼結体ルツボを示す一部断面図である。 図4は、本発明に係るシリカ焼結体ルツボの口元部の内層形成を示す図である。 図5は、本発明に係るシリカ焼結体ルツボからシリカガラスルツボへの変化を示す模式図であって、図3のXの部分の模式図である。 図6は、従来のシリカガラスルツボの製造工程を示す図である。 図7は、従来のシリカガラスルツボを示す断面図である。 図8は、従来のシリカガラスルツボを示す模式図であって、図7のXの部分の模式図であり、(a)は単結晶引き上げ前の状態を示す模式図、(b)は減圧下でのシリコン単結晶引上げ状態を示す模式図である。
以下、本発明にかかるシリカ焼結体ルツボの製造方法について、図1乃至図5に基づいて説明する。本発明に係るシリカ焼結体ルツボの外層の製造方法は、CIP(冷間等方圧成形法)や、いわゆる鋳込み成形(加圧鋳込み法、ゲルキャスト法、スリップキャスト法など)などを製造方法が適応可能である。
まず、シリカ焼結体ルツボの外層(基体)を製造する方法について説明する。
CIP(冷間等方圧成形法)とは、金属製の内型(マンドレル)と外型であるゴム型との間に粉体を充填して、静水圧を印加して成形する方法であり、粒度配合を調製した原料粉末をゴム型に充填し、乾式成形で当方加圧するため得られた成形体の密度が均一となる成形方法である。
また、スリップキャスト法とは、原料粉末と分散媒、分散剤、バインダ等を混合・分散して調製したスリップ(泥漿又はスラリーともいう)を石膏等の多孔質体で作製された型に注型し、該型の毛細管現象によってスリップ中の液体を吸収させて、前記型表面に固体粒子を堆積させて着肉成形する方法である。
[外層製造方法1]
まず、シリカ焼結体ルツボの外層(基体)をCIP(冷間等方圧成形法)によって製造する方法を説明する。
図1に示すように、粒径0.1μm以上5.0mm以下のシリカ粉にバインダーとしてグリコール系可塑剤を混合し、スプレードライで造粒し、顆粒原料粉末を調製する(図1のS1)。
この顆粒原料粉末中のシリカ粉の粒径が0.1μm未満のものを含む場合、粉末粒子が微細すぎて、ルツボ成形体の強度を保持するための骨材として役割を十分に果たすことが困難となる。一方、前記粒径が5.0mmを超えるものを含む場合、粉末粒子が粗すぎて、粒子間に空隙が生じ、これに起因して、ルツボが破損しやすくなる。
この原料粉末をルツボ形状となる金属製内型とゴム型との間に充填し(図1のS2)、バイブレーターで充填する(図1のS3)。その後、このゴム型を冷間静水圧加圧装置にて150MPa以下の圧力で成形する(図1のS4)。この成形体を型から取り外し(図1のS5)、前記成形体を、電気炉にて1200℃以下、大気中で焼成する(図1のS6)。
このルツボの外層(基体)は、かさ比重1.6〜2.2、気孔率7〜15%の多孔質焼結体として形成される。このルツボの外層(基体)の厚さ(肉厚)は、5mm〜20mmに形成される。
[外層製造方法2]
次に、シリカ焼結体ルツボの外層(基体)をスリップキャスト法によって製造する方法を説明する。
図2に示すように、粒径0.1μm以上5.0mm以下のシリカ粉を分散させた溶液に加えスラリーを調整する(図2のS21)。
このスラリー中に添加されるシリカ粉の粒径が0.1μm未満のものを含む場合、粉末粒子が微細すぎて、ルツボ成形体の強度を保持するための骨材として役割を十分に果たすことが困難となる。一方、前記粒径が5.0mmを超えるものを含む場合、粉末粒子が粗すぎて、粒子間に空隙が生じ、これに起因して、ルツボが破損しやすくなる。
前記スラリーの調製は、ルツボの構成材料である前記シリカ粉を90重量%に、イオン交換水を10重量%添加し、撹拌・混合することにより行う。
なお、前記バインダや分散剤等のルツボの構成材料以外の添加剤には、焼成時に焼失し、溶融シリカ純度に影響を及ぼさないものを用いる。
前記スラリーを、鋳込み型(石膏型)へ供給し(図2のS22)、型の毛細管現象によってスラリー中の水分を吸収させ(図2のS23)、前記型表面に溶融シリカ粉を堆積させて着肉成形させる。
その後、成形体を型から取り外し(図2のS24)、乾燥させた後(図2のS25)、 温度1200℃以下、大気中で焼成する(図2のS26)。
このルツボの外層(基体)は、かさ比重1.6〜2.2、気孔率7〜15%の多孔質焼結体として形成される。このルツボの外層(基体)の厚さ(肉厚)は、5mm〜20mmに形成される。
なお、前記シリカ粉は、天然シリカ粉、合成シリカ粉、溶融シリカ粉などを用いることができる。
また、前記シリカ粉は、高純度シリカ粉を用いることが好ましい。このように高純度のシリカ粉を用いることにより、アルカリ金属等による不純物汚染を抑制することができる。
しかし、ルツボの外層(基体)を構成するシリカ粉は低純度のシリカであっても良い。後述する内層のシリカ粉を高純度のものを用いることによって、不純物汚染を抑制するようになしても良い。
次に、前記焼結体に内層を形成する方法について説明する。この焼結体(外層)の内層は、いわゆるコーティング法(排泥法)、スプレーコーティング法、スピンコート法などによって製造される。
コーティング法(排泥法)は、前記焼結体を内層用コーティング液内に浸漬し、焼結体の内周面に内層用コーティング液によって成形層を形成するものである。
スプレーコーティング法は、前記焼結体の内周面に内層用コーティング液を吹付け、焼結体の内周面に内層用コーティング液によって成形層を形成するものである。
スピンコート法は、前記焼結体の内周面に内層用コーティング液を投入し、焼結体を回転させることにより、焼結体の内周面に内層用コーティング液を塗り広げ、成形層を形成するものである。
[内層製造方法]
内層用コーティング液は、内層原料粉末(図1のS7、図2のS27)とバインダ(図1のS8、図2のS28)、分散媒、分散剤を混合・分散して調製した内層用コーティング液によって成形層を形成する(図1のS9、図2のS29)。
ここで、内層原料粉としては、球状シリカ粒子が用いられる。例えば、平均粒径が10μm以下であって半値全幅が10μm以上の球状シリカ粒子が用いられる。平均粒径が10μm以下であって半値全幅が10μm以上となるように平均粒径の異なる2以上の球状シリカ粒子を混合したものを用いても良い。
ここで、平均粒径が10μm以下であって半値全幅が10μm以上の球状シリカ粒子を用いるは、成形体の充填率を上げ、焼成収縮を減らし変形を防止するためである。
また、内層原料粉として用いられる球状シリカ粒子は、高純度のものを用いることが好ましい。このように高純度のものを用いることにより、引き上げられる単結晶の不純物汚染を抑制することができる。
また、前記バインダとしては、例えば、アクリル系バインダーが好適に用いられる。
このように調整された内層用コーティング液を撹拌し、均一に分散した状態になす(図1のS10、図2のS30)。
そして、この内層用コーティング液を、前記製造した焼結体の内面に塗布、スプレーコート、スピンコートにより、焼結体(外層)の内周面に前記内層用コーティング液による成形層を形成する(図1のS11、図2のS31)。この成形層は、厚さ0.5mm〜5mmに形成される。
この成形層を形成する際、図4に示すように、ルツボ1の口元部1cに成形層を形成し、前記内層1bを形成しても良い。このようにルツボ1の口元部1cに前記内層1bを形成することにより、ルツボ1の内周面に形成された内層1bの剥離を抑制することができる。口元部1cの内層1bの形成は、タンク10に貯留した内層用コーティング液Cに、前記口元部1cを漬けることにより形成することができる。
また、内周面がコーティングされた焼結体を乾燥させた後(図1のS12、図2のS32)、温度1200℃以下、大気中で焼成する(図1のS13、図2のS33)。これにより、前記成形層(内層)も焼結体として形成される。
この内周面(内層)は、かさ比重1.6〜2.0、気孔率19%の多孔質焼結体として形成される。この内周面(内層)の厚さ(肉厚)は、0.5mm〜5.0mmに形成される。
このようにして、図3に示すような外層(基体)1aと内層1bがシリカ焼結体で形成されたルツボ1が製造される。
このシリカ焼結体ルツボ1は、シリカ焼結体ルツボの外層(基体)1aを、CIP(冷間等方圧成形法)、またはスリップキャスト法によって製造し、内層1bをコーティング法で形成するため、コスト的に安価であり、大量生産に好適である。
尚、内層用コーティング液を、前記製造した焼結体の内面に塗布することにより、焼結体(外層)の内周面に成形層(内層)を形成する場合について説明したが、塗布の方法については特に限定されず、例えば、スプレーコート、刷毛塗り、浸漬する等の方法を用いることもでき、均一な厚さで内層を形成することができるものであれば良い。
尚、上記製造方法にあっては、所定粒径のシリカ粉を成形し、その成形体を焼成した後、前記焼結体の内周面に、所定粒径の球状シリカ粒子を含有する成形層を形成し、前記成形層を焼成し、前記焼結体の内周面に内層を形成した。
しかしながら、本発明に係る製造方法は、上記製造方法に限定されるものではなく、所定粒径のシリカ粉を成形し、その成形体の内周面に、所定粒径の球状シリカ粒子を含有する成形層を形成し、前記成形層を形成した成形体を焼成し、前記焼結体の内周面に内層を形成しても良い。この場合、焼成工程が1度で済み効率的にシリカ焼結体ルツボを製造することができる。
次に、前記シリカ焼結体ルツボの単結晶の引上げ工程における使用方法について説明する。単結晶引き上げ装置は一般的な引上げ装置を用いることができる。
シリカ焼結体ルツボ1を単結晶引上げ装置内に載置する。図5(a)に示すように、シリカ焼結体ルツボ1に原料のポリシリコン塊Pを充填し、焼結体ルツボの周囲に配置された、ヒータ(単結晶引き上げ装置)より加熱する。このとき、単結晶引き上げ装置内部は減圧状態になされており、ヒータによる加熱は減圧下でなされる。前記減圧状態は、単結晶引上げ時の圧力より低くすることが好ましい。
この加熱によりシリカ焼結体ルツボ1が昇温すると、シリカ焼結体ルツボ1の内層1bは緻密化し始める(図中の符号1b1は緻密化部分を示す)。また外層1aは結晶化し始める(図中の符号1a1は一部結晶化部分を示す)。
尚、減圧下でシリカ焼結体ルツボ1の昇温がなされているため、シリカ焼結体ルツボ1内部の気泡Aが存在しているとしても、前記気泡Aは膨張することなく、緻密化がなされる(図5(b)乃至(e)参照)。
そして、図5(b)に示すようにシリカ焼結体ルツボ1が1400℃に昇温する(ポリシリコン塊が溶融を開始する前)までに内層1bは緻密化を終了し、シリカ焼結体ルツボ1は、シリカガラスルツボとして形成される。
また、外層1aは一部結晶化する(図中の符号1a1は一部結晶化した部分を示す)。即ち、前記ポリシリコン塊が溶融を開始する前に、シリカ焼結体の内層は少なくとも緻密化し、外層の一部は結晶化する。
また、図5(c)に示すように、内層1bの結晶化(クリストバラスト化)が始まる。
そして、シリカ焼結体ルツボ1が1420℃を超えて昇温する(ポリシリコン塊が溶融を開始する)と、内層1b及び外層1aの結晶化(クリストバライト化)が進行すると共に、原料のポリシリコンPの溶融が始まる。尚、図中、PLは原料のポリシリコンPの融液を示している。
また、図中の符号1a2,1b2は結晶化部分を示す。そして、図5(d)に示すように、シリカ焼結体ルツボ1が1450℃で、原料のポリシリコンPの溶融が終了し、この1450℃の状態を2時間維持することにより、シリカ焼結体ルツボ1の内層1b及び外層1aの結晶化(クリストバラスト化)が終了する(図5(e)参照)。
この結晶化(クリストバラスト化)により、機械的強度が増し、坐折変形を抑制することができる。
シリカ焼結体ルツボ1がシリカガラスルツボとして形成された後、一般的な引上げ方法により、単結晶が引き上げられる。具体的には、ルツボ回転昇降機構により前記ルツボを回転させ、引上げ機構のワイヤに設けられたチャックに取付けられた種結晶を降下させて、原料シリコンの融液に浸漬した後、引上げ機構によりワイヤを徐々に巻取り、シリコン単結晶の育成を行う。
このように、シリカ焼結体ルツボ1の緻密化、透明化において、内層1b内に気泡Aが取り込まれたとしても、減圧下で焼結体ルツボ1の昇温がなされているため、焼結体ルツボ1内部の気泡は膨張することがなく、前記気泡Aがシリコン融液PL中に混入し、引上げられるシリコン単結晶中に気泡が取込まれることもない。
また、上記したような、いわゆる泡膨れが発生しないため内層1bに、剥離あるいは欠け等が生じ難く、それに伴う単結晶化率の低下を抑制することができる。しかも、アーク溶融によりシリカガラスルツボを製造するものでないため、製造時にカーボン電極を大量に消費することもなく、安価に、しかも効率的にルツボを製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
図1に示すように、粒径0.1μm以上5.0mm以下の溶融シリカ粉にバインダーとしてグリコール系可塑剤を混合し、原料粉末を調製する。この原料粉末をルツボ形状となる金属製内型とゴム型との間に充填し、バイブレーターで充填した。その後、このゴム型を冷間静水圧加圧装置にて150MPa以下の圧力で成形した。この成形体を型から取り外し、前記成形体を、電気炉にて1200℃以下、大気中で焼成した。
尚、この多孔質焼結体(外層)の厚さを、5mm〜20mmに形成した。
この焼成によって得た焼結体(外層)の内周面に、いわゆるコーティング法(排泥法)によって成形層を形成した。この成形層を形成するための内層用コーティング液は、平均粒径が10μm(半値全幅:15.5μm)の球状シリカ粉と、アクリル系バインダーとを添加しスラリーを調製した。そして、この内層用コーティング液を、前記製造した焼結体(外層)の内周面に塗布することにより、焼結体(外層)の内周面に厚さ0.5mm〜5.0mmの成形層を形成した。
この内周面がコーティングされた焼結体を100℃以上で乾燥させた後、1200℃以下、大気中で焼成した。このようにして、外層(基体)と内層が多孔質シリカ焼結体で形成されたルツボを形成した。
このシリカ焼結体ルツボを単結晶引上げ装置内に載置した。その後、シリカ焼結体ルツボに原料のポリシリコン塊を充填し、減圧下で、シリカ焼結体ルツボの周囲に配置された、ヒータ(単結晶引き上げ装置)より加熱した。シリカ焼結体ルツボを1450℃の状態を2時間維持し、シリカ焼結体ルツボの内層の緻密化及び外層の結晶化(クリストバラスト化)を行った。
引き続き、所定の条件下でシリコン単結晶の引上げを行った。このシリコン単結晶の引上げを同様に製造したルツボ10個それぞれを用いて行った。そして、それぞれのルツボについて、シリコン単結晶引上げ後の内層に含まれる泡の大きさを、光学顕微鏡により観察した。また、それぞれのルツボによりシリコン単結晶を引上げた際に、有転位化(結晶欠陥)の発生などにより結晶再溶融(メルトバック)した回数を記録した。それらの結果を表1に示す。
シリコン単結晶引上げ後の内層に含まれる泡の大きさは50μm以下であり、泡膨れしていないことが確認された。また、メルトバックが生じたのは10個中1個であり、良好であった。
[実施例2]
図2に示すように、粒径0.1μm以上5.0mm以下のシリカ粉を分散させたスラリーを調整する。このスラリーは、ルツボの構成材料である前記シリカ粉を90重量%、イオン交換水を10重量%、添加し撹拌・混合することにより調整する。
このスラリーを、鋳込み型(石膏型)へ供給した後、前記型表面にシリカ粉を堆積させて成形した。この成形体を型から取り外し、前記成形体を100℃以上で乾燥させた後、 電気炉にて温度1200℃以下、大気中で焼成した。
尚、この焼結体(外層)の厚さを、5mm〜20mmに形成した。
この焼成によって得た焼結体(外層)の内周面に、いわゆるコーティング法(排泥法)によって内層を形成した。この内層を形成するための内層用コーティング液は、平均粒径が10μm(半値全幅:15.5μm)の球状シリカ粒子と、アクリル系バインダーとを添加しスラリーを調製した。そして、この内層用コーティング液を、前記製造した焼結体(外層)の内周面に塗布することにより、焼結体(外層)の内周面に厚さ0.5mm〜5.0mmの成形層を形成した。
また、成形層が形成された焼結体を100℃以上で乾燥させた後、温度1200℃以下、大気中で焼成する。このようにして、外層(基体)と内層が多孔質シリカ焼結体で形成されたルツボを形成した。
このシリカ焼結体ルツボを実施例1と同様に、単結晶引上げ装置内に載置し、シリカ焼結体ルツボの内層の緻密化及び外層の結晶化(クリストバラスト化)し、引き続き、シリコン単結晶の引上げを行った。このシリコン単結晶の引上げを同様に製造したルツボ10個それぞれを用いて行った。そして、それぞれのルツボについて、シリコン単結晶引上げ後の内層に含まれる泡の大きさを、光学顕微鏡により観察した。また、それぞれのルツボによりシリコン単結晶を引上げた際に、有転位化(結晶欠陥)の発生などにより結晶再溶融(メルトバック)した回数を記録した。それらの結果を表1に示す。
シリコン単結晶引上げ後の内層に含まれる泡の大きさは50μm以下であり、泡膨れしていないことが確認された。また、メルトバックが生じたのは10個中0個であり、良好であった。
[実施例3]
実施例2と同様に形成した焼結体(外層)の内周面に、いわゆるスプレーコーティング法によって内層を形成した。この内層を形成するための内層用コーティング液は、平均粒径が10μm(半値全幅:15.5μm)の球状シリカ粉と、アクリル系バインダーとを添加しスラリーを調製した。またスラリー粘性は0.5ポイズ(poise)以下で調合した。そして、重力式エアスプレーガンにて、この内層用コーティング液を前記焼結体(外層)の内周面に塗布することにより、焼結体(外層)の内周面に厚さ0.5mm〜5.0mmの成形層を形成した。
成形層が形成された焼結体を100℃以上で乾燥させた後、1200℃以下、大気中で焼成した。このようにして、外層(基体)と内層が多孔質シリカ焼結体で形成されたルツボを形成した。
このシリカ焼結体ルツボを実施例1と同様に、単結晶引上げ装置内に載置し、シリカ焼結体ルツボの内層の緻密化及び外層の結晶化(クリストバラスト化)し、引き続き、シリコン単結晶の引上げを行った。このシリコン単結晶の引上げを同様に製造したルツボ10個それぞれを用いて行った。そして、それぞれのルツボについて、シリコン単結晶引上げ後の内層に含まれる泡の大きさを、光学顕微鏡により観察した。また、それぞれのルツボによりシリコン単結晶を引上げた際に、有転位化(結晶欠陥)の発生などにより結晶再溶融(メルトバック)した回数を記録した。それらの結果を表1に示す。
シリコン単結晶引上げ後の内層に含まれる泡の大きさは50μm以下であり、泡膨れしていないことが確認された。また、メルトバックが生じたのは10個中1個であり、良好であった。
[実施例4]
実施例2と同様に形成した焼結体(外層)の内周面に、いわゆるスピンコーティング法によって内層を形成した。この内層を形成するための内層用コーティング液は、平均粒径が10μm(半値全幅:15.5μm)の球状シリカ粉と、アクリル系バインダーとを添加しスラリーを調製した。またスラリー粘性は0.75ポイズ(poise)以下となるように調製した。
そして、前記焼結体(外層)を偏心旋回駆動をもつ自動スピンコーティング装置に挿入し、内層用コーティング液スラリーを投入した後、回転数200rpm以下にて焼結体(外層)を回転させ焼結体(外層)の内周面に塗布することにより、焼結体(外層)の内周面に厚さ0.5mm〜5.0mmの成形層を形成した。
成形層が形成された焼結体を100℃以上で乾燥させた後、1200℃以下、大気中で焼成した。このようにして、外層(基体)と内層が多孔質シリカ焼結体で形成されたルツボを形成した。
このシリカ焼結体ルツボを実施例1と同様に、単結晶引上げ装置内に載置し、シリカ焼結体ルツボの内層の緻密化及び外層の結晶化(クリストバラスト化)し、引き続き、シリコン単結晶の引上げを行った。このシリコン単結晶の引上げを同様に製造したルツボ10個それぞれを用いて行った。そして、それぞれのルツボについて、シリコン単結晶引上げ後の内層に含まれる泡の大きさを、光学顕微鏡により観察した。また、それぞれのルツボによりシリコン単結晶を引上げた際に、有転位化(結晶欠陥)の発生などにより結晶再溶融(メルトバック)した回数を記録した。それらの結果を表1に示す。
シリコン単結晶引上げ後の内層に含まれる泡の大きさは50μm以下であり、泡膨れしていないことが確認された。また、メルトバックが生じたのは10個中1個であり、良好であった。
[比較例1]
従来と同様に、モールド成形し、アーク溶融によって シリカガラスルツボを10個製造し、実施例1と同一条件でシリコン単結晶の引上げを行った。
そして、それぞれのルツボについて、シリコン単結晶引上げ後の内層に含まれる泡の大きさを、光学顕微鏡により観察した。また、それぞれのルツボによりシリコン単結晶を引上げた際に、有転位化(結晶欠陥)の発生などにより結晶再溶融(メルトバック)した回数を記録した。それらの結果を表1に示す。
シリコン単結晶引上げ後の内層に含まれる泡の大きさは500μm〜1mmであり、泡膨れしていることが確認された。また、メルトバックが生じたのは10個中3個であり、メルトバックによりシリコン単結晶の引上げ効率が低く、良好ではなかった。
Figure 2013116847
このように実施例1〜4にあっては、結晶転位による有転位化(結晶欠陥)が抑制され、単結晶化率を向上させることが認められた。
1 シリカ焼結体ルツボ
1a 外層
1a1 外層一部結晶化部分
1a2 外層結晶化部分
1b 内層
1b1 内層緻密化部分
1b2 内層結晶化部分
A 気泡
C 内層用コーティング液
P ポリシリコン塊
PL シリコン融液PL

Claims (13)

  1. シリカ粉を成形し、焼成された外層と、
    前記外層の内周面に、球状シリカ粒子を含有する成形層を形成し、前記成形層を焼成して形成された内層と、
    を備えることを特徴とするシリカ焼結体ルツボ。
  2. シリカ粒子を堆積させて成形し、焼成された外層と、
    前記外層の内周面に、球状シリカ粒子を含有する内層用コーティング液を塗布し、焼成して形成された内層と、
    を備えることを特徴とするシリカ焼結体ルツボ。
  3. 前記外層および前記内層が多孔質シリカ焼結体からなることを特徴とする請求項1または2に記載されたシリカ焼結体ルツボ。
  4. 1400℃に加熱することにより、前記外層が一部結晶化し、前記内層が緻密化することを特徴とする請求項1及至請求項3のいずれかに記載されたシリカ焼結体ルツボ。
  5. 前記請求項1または2に記載されたシリカ焼結体ルツボの製造法であって、
    所定粒径のシリカ粉を成形する工程と、
    前記成形体を焼成する工程と、
    前記焼成によって得られた焼結体の内周面に、所定粒径の球状シリカ粒子を含有する成形層を形成し、前記成形層を焼成し、前記焼結体の内周面に、焼結体の内層を形成し、シリカ焼結体ルツボを形成する工程と、
    を備えることを特徴するシリカ焼結体ルツボの製造方法。
  6. 前記請求項1または2に記載されたシリカ焼結体ルツボの製造法であって、
    所定粒径のシリカ粉を成形する工程と、
    前記成形によって得られた成形体の内周面に、所定粒径の球状シリカ粒子を含有する成形層を形成する工程と、
    前記成形層を形成した成形体を焼成し、前記焼結体の内周面に、焼結体の内層を形成し、シリカ焼結体ルツボを形成する工程と、
    を備えることを特徴するシリカ焼結体ルツボの製造方法。
  7. 粒径0.1μm以上5.0mm以下のシリカ粉を成形する工程と、
    前記成形体を成形型から取り外し、焼成する工程と、
    前記焼成によって得られた焼結体の内周面に、平均粒径が10μm以下であって半値全幅が10μm以上の球状シリカ粒子を含有する内層用コーティング液を塗布し成形層を形成し、前記成形層を大気中で焼成し、前記焼結体の内周面に、焼結体からなる内層を形成し、シリカ焼結体ルツボを形成する工程と、
    を備えることを特徴する請求項5に記載されたシリカ焼結体ルツボの製造方法。
  8. 粒径0.1μm以上5.0mm以下のシリカ粉を分散させたスラリーを、鋳込み型へ供給し、前記型表面にシリカ粉を堆積させて成形する工程と、
    前記成形体を鋳込み型から取り外し、前記成形体を乾燥させた後、焼成する工程と、
    前記焼成によって得られた焼結体の内周面に、平均粒径が10μm以下であって半値全幅が10μm以上の球状シリカ粒子を含有する内層用コーティング液を塗布し成形層を形成し、前記成形層を大気中で焼成し、前記焼結体の内周面に、焼結体からなる内層を形成し、シリカ焼結体ルツボを形成する工程と、
    を備えることを特徴する請求項5に記載されたシリカ焼結体ルツボの製造方法。
  9. 粒径0.1μm以上5.0mm以下のシリカ粉を成形する工程と、
    前記成形によって得られた成形体の内周面に、平均粒径が10μm以下であって半値全幅が10μm以上の球状シリカ粒子を含有する内層用コーティング液を塗布し成形層を形成する工程と、
    前記成形層を形成した成形体と大気中で焼成し、前記焼結体の内周面に、焼結体の内層を形成し、焼結体からなる外層と焼結体からなる内層を有するシリカ焼結体ルツボを形成する工程と、
    を備えることを特徴する請求項6に記載されたシリカ焼結体ルツボの製造方法。
  10. 粒径0.1μm以上5.0mm以下のシリカ粉を分散させたスラリーを、鋳込み型へ供給し、前記型表面にシリカ粉を堆積させて成形する工程と、
    前記成形によって得られた成形体の内周面に、平均粒径が10μm以下であって半値全幅が10μm以上の球状シリカ粒子を含有する内層用コーティング液を塗布し成形層を形成する工程と、
    前記成形層を形成した成形体と大気中で焼成し、前記焼結体の内周面に、焼結体の内層を形成し、焼結体からなる外層と焼結体からなる内層を有するシリカ焼結体ルツボを形成する工程と、
    を備えることを特徴する請求項6に記載されたシリカ焼結体ルツボの製造方法。
  11. 単結晶の引上げにおいて使用されるシリカ焼結体ルツボであって、
    前記シリカ焼結体ルツボに、原料のポリシリコン塊を充填し、減圧下で、シリカ焼結体ルツボの周囲に配置された、ヒータより加熱することにより、少なくともシリカ焼結体ルツボの内層が緻密化し、シリカガラスへ変化することを特徴とする前記請求項1または2に記載された、単結晶の引上げにおいて使用されるシリカ焼結体ルツボ。
  12. 前記加熱により、前記ポリシリコン塊が溶融を開始する前に、シリカ焼結体の内層は少なくとも緻密化され、外層は一部結晶化することを特徴とする請求項11に記載された単結晶の引上げにおいて使用されるシリカ焼結体ルツボ。
  13. 前記加熱により、前記ポリシリコン塊が溶融を開始する前にシリカ焼結体の内層は少なくとも緻密化し、その後、結晶化することを特徴とする請求項12に記載された単結晶の引上げにおいて使用されるシリカ焼結体ルツボ。
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