JP2013115249A - 多接合型太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】多接合型太陽電池におけるサブセルの短絡電流値を高め、よって、光電変換効率を向上させる。
【解決手段】基板を兼ねるボトムサブセル10と、複数のサブセルとを備える。複数のサブセルのうちの少なくとも1つは、基板10に格子整合されたp型半導体層21およびn型半導体層25と、p型半導体層21とn型半導体層25との間に挟まれ量子層23Aと障壁層23Bとが積層されて構成された超格子半導体層23とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、多接合型太陽電池に関する。
太陽電池については、光電変換効率を高めるために、より広い波長範囲の光を利用可能とするさまざまな研究開発が行われている。その中の一つに、バンドギャップエネルギーの異なるpn接合型太陽電池を複数積層して構成された多接合型太陽電池がある。このような多接合型太陽電池では、光の入射側に位置する太陽電池から順に短波長の光を利用し、より長波長の光はより下層(光の入射側とは反対側)の太陽電池で利用される。これにより、全体として太陽光スペクトルとの整合が高まるため、より広い波長範囲の光を効率良く利用でき、変換効率の向上が可能となる。たとえば3接合型太陽電池では、開放電圧は3つのサブセルの開放電圧の和で与えられ、短絡電流は3つのサブセルで発生する短絡電流の中で最も小さい値に律速される。
現在主流の多接合型太陽電池としては、InGaP/GaAs/Geの組み合わせの3接合型太陽電池が挙げられる。本構成の3接合型太陽電池では、GeボトムサブセルがInGaPトップサブセルおよびGaAsミドルサブセルの約1.5倍〜2倍の光を吸収するため、ボトムサブセルでの電流が最大となり、3接合型太陽電池全体の短絡電流値はトップサブセルまたはミドルサブセルで発生する電流のうちの小さい方に律速される(電流整合)。この電流バランスの観点から、トップサブセルの厚さを変化させることで、トップサブセルおよびミドルサブセルで発生する電流を調整し、3接合型太陽電池の短絡電流値を最大とすることができる。
また、ミドルサブセルに量子ドット超格子構造を用いることで短絡電流の増大を図ることも検討されている(たとえば特許文献1および非特許文献1)。特許文献1には、ミドルサブセルがGaAs層またはAlGaAs層と複数のInGaAs量子ドット層とを含むこと、ミドルサブセルの有効バンドギャップエネルギーが約1.16eVであること、およびミドルサブセルをこのような構成とすることにより短絡電流の増大を目的とすることが記載されている。非特許文献1には、GaAs基板上に、GaAsで構成されたp型半導体層およびn型半導体層の間に複数のInAs量子ドット層を含むセルが設けられていること、およびこのセルを3接合型太陽電池のミドルサブセルとして導入することで短絡電流の増大を目的とすることが記載されている。
特表2007−519237号公報
Hubbard, et al. ‘Short circuit current enhancement of GaAs solar cells using strain compensated InAs quantum dots’, 33 IEEE Photovoltaic Specialists Conference, 250, 2008
しかしながら、基板にGeを用いた3接合型太陽電池を構成するミドルサブセルとして非特許文献1に記載のセルを導入した場合、ミドルサブセルを構成するp型半導体層およびn型半導体層で転位が発生し、よって超格子半導体層の結晶性低下に繋がるため、短絡電流の増大は期待できない。特許文献1に記載の構造についても同じことが言え、ミドルサブセルを構成するp型半導体層およびn型半導体層で転位が発生し、よって超格子半導体層の結晶性低下に繋がるため、超格子半導体層で生成されたキャリアの取り出し効率が著しく低下し、高い光電変換効率を得ることができない。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、サブセルの短絡電流値を高めることができ、さらには光電変換効率を向上可能な多接合型太陽電池を提供することである。
本発明に係る多接合型太陽電池は、基板と、基板上に積層された複数のサブセルとを備えている。複数のサブセルのうちの少なくとも1つは、基板に格子整合されたp型半導体層およびn型半導体層と、p型半導体層とn型半導体層との間に設けられ、量子層と障壁層とが積層されて構成された超格子半導体層とを有する。
超格子半導体層は、量子層の伝導帯側の量子準位によりミニバンドが形成されるように量子層と障壁層とが積層されて構成されていることが好ましい。
障壁層を構成する化合物半導体材料とp型半導体層およびn型半導体層を構成する化合物半導体材料との伝導帯側のオフセットが、室温における熱エネルギーkT(ここで、kはボルツマン定数であり、Tは絶対温度である)の4倍以下であることが好ましい。
基板はGeからなることが好ましい。基板がGeからなるときには、p型半導体層およびn型半導体層を構成する化合物半導体材料は、InxGa1-xAs(0.001≦x≦0.019)であることが好ましい。
p型半導体層およびn型半導体層を構成する化合物半導体材料がInxGa1-xAs(0.001≦x≦0.019)であるときには、量子層を構成する化合物半導体材料はInxGa1-xAs(0.02≦x≦1)であることが好ましい。
基板がGeからなるときには、光入射側とは反対側に位置するサブセルはGeを含むことが好ましい。
量子層は、量子ドットからなる量子ドット層であることが好ましい。
障壁層を構成する化合物半導体材料は、GaNAsであることが好ましい。
光入射側に位置するサブセルを構成する化合物半導体材料は、InGaP、AlGaAs、およびAlGaInPの少なくとも1つであることが好ましい。
ここで、本明細書中で用いる以下の語句について簡単な説明を加える。
「格子整合」とは、二つの材料の格子定数が一致することを意味する。なお、一致には、完全一致のみならず、転位が発生しない程度に二つの材料の格子定数がずれる場合も含まれる。
「超格子半導体層」とは、共に化合物半導体材料からなる一方バンドギャップが互いに異なる量子層と障壁層とが複数回繰り返し積層されて構成された超格子構造を有する。ここで、超格子構造とは、複数の種類の結晶格子の重ね合わせにより、その周期構造が基本単位格子よりも長い結晶格子からなることを意味する。また、障壁層は、量子層よりもバンドギャップエネルギーが大きい層である。
「ミニバンド」とは、超格子半導体層を構成する量子層の電子の波動関数が当該量子層に隣接する量子層の電子の波動関数と相互作用して、量子層の量子準位間に共鳴トンネル効果が生じて形成されるバンドを言い、本ミニバンドの少なくとも一部は、障壁層の価電子帯上端と伝導帯下端との間に形成されている。量子準位とは、電子の離散的なエネルギー準位を言う。よって、「量子層の伝導帯側の量子準位によりミニバンドが形成されるように量子層と障壁層とが積層される」とは、上記相互作用を起こすように量子層と障壁層とが積層されることである。
「障壁層を構成する化合物半導体材料とp型半導体層およびn型半導体層を構成する化合物半導体材料との伝導帯側のオフセット」とは、障壁層を構成する化合物半導体材料の伝導帯のポテンシャルエネルギーとp型半導体層およびn型半導体層を構成する化合物半導体材料の伝導帯のポテンシャルエネルギーとの差(エネルギー差)を意味する。
「量子ドット」とは、100nm以下の粒子サイズを有する半導体微粒子であり、量子ドットを構成する半導体材料よりもバンドギャップの大きい半導体材料で囲まれた微粒子である。
「光入射側とは反対側に位置するサブセル」は多接合型太陽電池を構成する複数のサブセルのうち光が入射される側から最も遠い位置にあるサブセルであり、下記ボトムサブセルである。「光入射側に位置するサブセル」は多接合型太陽電池を構成する複数のサブセルのうち光が入射される側に最も近い位置にあるサブセルであり、下記トップサブセルである。
本発明に係る多接合型太陽電池によれば、サブセルの短絡電流値を高めることができるので、光電変換効率が向上する。
本発明に係る多接合型太陽電池の構成を示す概略図である。 実施例1における超格子半導体層の伝導帯のエネルギーの分散関係を示すグラフである。 実施例1において各サブセルが吸収する最大光子数から求めた短絡電流値(mA/cm2)を示す表である。 太陽光スペクトルと実施例1における各サブセルとの対応を示した概略図である。 実施例2における超格子半導体層の伝導帯のエネルギーの分散関係を示すグラフである。 実施例2における超格子半導体層の伝導帯のバンド構造を示す模式図である。 実施例2において各サブセルが吸収する最大光子数から求めた短絡電流値(mA/cm2)を示す表である。
以下、本発明に係る多接合型太陽電池について図面を用いて説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
<多接合型太陽電池の構成>
図1は、本発明に係る多接合型太陽電池の構成を示す概略断面図である。本発明に係る多接合型太陽電池では、ボトムサブセル10、第1トンネル接合層3、ミドルサブセル20、第2トンネル接合層5、およびトップサブセル30がこの順に設けられており、ボトムサブセル10の下には第1電極1が設けられており、トップサブセル30の上には第2電極7が設けられている。本発明に係る多接合型太陽電池では、ミドルサブセル20は第2のp型半導体層(特許請求の範囲における「p型半導体層」に相当)21および第2のn型半導体層25(特許請求の範囲における「n型半導体層」に相当)だけでなく超格子半導体層23を有し、よって、ミドルサブセル20では光電変換が行なわれる。一方、ボトムサブセル10は第1のp型半導体層11および第1のn型半導体層15を有し、多接合型太陽電池の基板を兼ねるとともに、ミドルサブセル20よりも長波長側の光を吸収する。また、トップサブセル30は第3のp型半導体層31および第3のn型半導体層35を有し、ミドルサブセル20よりも短波長側の光を吸収する。このように、本発明では、ミドルサブセル20が吸収する光だけでなく、ミドルサブセル20が吸収する光よりも短波長側の光およびミドルサブセル20が吸収する光よりも長波長側の光も、光電変換される。そのため、本発明では、幅広い波長領域の光を光電変換可能である。
本発明におけるミドルサブセル20では、第2のp型半導体層21および第2のn型半導体層25はボトムサブセル10に格子整合されている。よって、第2のp型半導体層21および第2のn型半導体層25における転位の発生が抑制される。したがって、第2のp型半導体層21と第2のn型半導体層25とで挟まれた超格子半導体層23に結晶欠陥が生じることを防止できる。これにより、ミドルサブセル20の短絡電流が向上するので、本発明に係る多接合型太陽電池の光電変換効率が向上する。好ましくは超格子半導体層23がひずみ補償(ひずみバランス)されていることであり、これにより、超格子半導体層23における転位の発生も抑制されるので、ミドルサブセル20の短絡電流がさらに向上し、よって、光電変換効率がさらに向上する。
<ボトムサブセル>
ボトムサブセル10は、第1電極1上に第1のp型半導体層11と第1のn型半導体層15とがこの順に積層されて構成されている。
第1のp型半導体層11および第1のn型半導体層15を構成する材料は特に限定されないが、第1のp型半導体層11および第1のn型半導体層15を構成する材料のバンドギャップエネルギーがミドルサブセル20の第2のp型半導体層21および第2のn型半導体層25を構成する材料のバンドギャップエネルギーおよびトップサブセル30の第3のp型半導体層31および第3のn型半導体層35を構成する材料のバンドギャップエネルギーよりも小さくなるように選択されることが好ましい。これにより、ボトムサブセル10が吸収する光の波長は、ミドルサブセル20およびトップサブセル30が吸収する光の波長よりも長くなる。たとえば、第1のp型半導体層11はp型不純物がGe層にドーピングされて構成されていることが好ましく、第1のn型半導体層15はn型不純物がGe層にドーピングされて構成されていることが好ましい。一般に、Ge層は、良質なものを入手し易い。そのため、導電型不純物がGe層にドーピングされて第1のp型半導体層11および第1のn型半導体層15が構成されていれば、多接合型太陽電池を工業的に作製しやすいという効果が得られる。
第1のp型半導体層11におけるp型不純物濃度は、特に限定されず、第1のp型半導体層11を構成する材料などに応じて適宜設定されることが好ましい。同じく、第1のn型半導体層15におけるn型不純物濃度は、特に限定されず、第1のn型半導体層15を構成する材料などに応じて適宜設定されることが好ましい。p型不純物は特に限定されず、たとえばBeであることが好ましい。n型不純物は特に限定されず、たとえばSiであることが好ましい。p型不純物およびn型不純物の各材料については、以下でも同様のことが言える。
第1のp型半導体層11および第1のn型半導体層15の各厚みは特に限定されず、ボトムサブセル10が光(具体的には、ボトムサブセル10のバンドギャップエネルギーよりも大きなエネルギーを有する光)を十分に吸収可能となるように適宜設定することが好ましい。
なお、本発明では、ボトムサブセル10と第1トンネル接合層3との間にバッファ層が設けられていても良い。また、ボトムサブセル10とは別に基板が設けられており、且つ基板材料とボトムサブセルを構成する材料とが異なる場合には、基板の上面とボトムサブセル10の第1のp型半導体層11との間にバッファ層が設けられていても良い。
<第1トンネル接合層>
第1トンネル接合層3は、高濃度n型半導体層および高濃度p型半導体層がこの順にボトムサブセル10の上に設けられて構成されている。このようなトンネル接合領域では、電流はn型半導体層からp型半導体層へ流れるため、第1電極1から第2電極7へ向かって流れることとなる。
高濃度n型半導体層および高濃度p型半導体層を構成する化合物半導体材料は特に限定されず、III−V族化合物半導体材料であることが好ましい。たとえば高濃度n型半導体層を構成する化合物半導体材料はInGaPであることが好ましく、高濃度p型半導体層を構成する化合物半導体材料はAlGaAsであることが好ましい。
ここで、高濃度n型半導体層におけるn型不純物濃度は、第1のn型半導体層15などにおけるn型不純物濃度よりも高いことが好ましく、適宜設定されることが好ましい。同じく、高濃度p型半導体層におけるp型不純物濃度は、第1のp型半導体層11などにおけるp型不純物濃度よりも高いことが好ましく、適宜設定されることが好ましい。
高濃度n型半導体層の厚みは特に限定されず、適宜設定されることが好ましい。高濃度p型半導体層の厚みについても同様のことが言える。
<ミドルサブセル>
ミドルサブセル20は、第1トンネル接合層3を介してボトムサブセル10の上に設けられており、第2のp型半導体層21と超格子半導体層23と第2のn型半導体層25とがこの順に積層されて構成されている。
第2のp型半導体層21および第2のn型半導体層25を構成する材料は特に限定されないが、次に示す2つの条件を満たしていることが好ましい。1つ目の条件は、第2のp型半導体層21および第2のn型半導体層25がボトムサブセル10に格子整合可能であることである。これにより、第2のp型半導体層21および第2のn型半導体層25に転位が発生することを防止できるので、超格子半導体層23の結晶性の低下を防止でき、よって、ミドルサブセル20において短絡電流が向上する。2つ目の条件は、ミドルサブセル20のpn接合またはpin接合を形成するp型半導体層およびn型半導体層を構成する材料のバンドギャップエネルギーがボトムサブセル10のpn接合を形成するp型半導体層およびn型半導体層を構成する材料のバンドギャップエネルギーよりも大きく、且つトップサブセル30のpn接合を形成するp型半導体層およびn型半導体層を構成する材料のバンドギャップエネルギーよりも小さいことである。ここで、pin接合とは、下記超格子半導体層23をi型半導体層と見なすことができるとき(超格子半導体層23が少量のn型不純物またはp型不純物を含む場合も含まれる)を意味する。これにより、ミドルサブセル20が吸収する光の波長は、ボトムサブセル10が吸収する光の波長よりも短く、トップサブセル30が吸収する光の波長よりも長くなる。なお、第2のp型半導体層21を構成する材料と第2のn型半導体層25を構成する材料とは同一であっても良いし、異なっても良い。
たとえばボトムサブセル10がGe基板からなる場合、第2のp型半導体層21はp型不純物がInxGa1-xAs(0.001≦x≦0.019)層にドーピングされて構成されていることが好ましく、第2のn型半導体層25はn型不純物がInxGa1-xAs(0.001≦x≦0.019)層にドーピングされて構成されていることが好ましい。これにより、上記2つの条件を満たすことが出来る。なお、第2のp型半導体層21におけるp型不純物濃度は、特に限定されず、適宜設定されることが好ましい。同じく、第2のn型半導体層25におけるn型不純物濃度は、特に限定されず、適宜設定されることが好ましい。また、第2のp型半導体層21および第2のn型半導体層25の各厚みは特に限定されず、ミドルサブセル20が光(具体的には、ミドルサブセル20のバンドギャップエネルギーよりも大きなエネルギーを有する光)を十分に吸収可能となるように適宜設定することが好ましい。
−超格子半導体層−
超格子半導体層23は、量子層23Aと障壁層23Bとが交互に繰り返し積層された超格子構造を有する。超格子半導体層23は、上述のように、i型半導体層であっても良く、受光により起電力が生じるのであればp型不純物またはn型不純物を含んでいても良い。ここで、量子層23Aは、量子井戸層であっても良いが、複数の量子ドット24を含む量子ドット層であることが好ましい。量子層23Aが量子ドット層であれば、下記ミニバンドの形成が容易となり、また超格子半導体層23で吸収される光の波長域を容易に調整できる。
このような超格子半導体層23は、ひずみ補償されていることが好ましい。よって、超格子半導体層23に転位が発生することを防止できるので、ミドルサブセル20において短絡電流が向上し、したがって光電変換効率が向上する。
障壁層23Bを構成する化合物半導体材料と第2のp型半導体層21および第2のn型半導体層25を構成する化合物半導体材料との伝導帯側のオフセットは、室温における熱エネルギーkTの4倍以下であることが好ましく、0であることがより好ましい。室温におけるフェルミ分布関数から、オフセットが室温における熱エネルギーkTの4倍を超えると、超格子半導体層23で生成された電子が第2のn型半導体層25の伝導帯に熱励起される確率は1%未満となるおそれがあり、よって、短絡電流の増加を図り難くなる。一方、室温におけるフェルミ分布関数から、オフセットが室温における熱エネルギーkTの4倍以下であれば、超格子半導体層23で生成されたキャリアを効率良く第2のn型半導体層25から取り出し可能であることが分かる。よって、ミドルサブセル20の短絡電流を増大させることができるので、高い光電変換効率を有する多接合型太陽電池を得ることが可能となる。このような効果を得るためには、第2のp型半導体層21および第2のn型半導体層25がIn0.01Ga0.99Asからなるときには、障壁層23BはInxGa1-xAs(0.01≦x≦0.11)またはGaAs1-xx(0.001≦x≦0.006)からなることが好ましい。
以上のことと、量子層23Aが障壁層23Bよりもバンドギャップエネルギーの小さな化合物半導体材料で構成されることとを考慮すれば、量子層23Aの材料にInxGa1-xAs(0.02≦x≦1)を用い障壁層23Bの材料にGaNAsを用いても良いし、量子層23Aの材料にInAsを用い障壁層23Bの材料にGaAsを用いても良い。
ここで、障壁層23BがGaNAsからなれば、Ge基板(ボトムサブセル10)に対する超格子半導体層23全体の歪が緩和されるので、超格子半導体層23における転位発生を抑制でき、よって、キャリアの取り出し効率が向上する。また、障壁層23Bを構成する化合物半導体材料の伝導帯下端のエネルギーを第2のp型半導体層21および第2のn型半導体層25を構成する化合物半導体材料の伝導帯下端のエネルギーよりも低くすることができるので、ミドルサブセル20で生成されたキャリアの移動を妨げることなく、取り出すことができる。
量子層23Aおよび障壁層23Bの厚みはそれぞれ特に限定されない。しかし、障壁層23Bの厚みが薄くなれば、障壁層23Bに隣接する2つの量子層23A,23A間の電子的結合が強くなり、ミニバンドが形成される。xy方向に閉じ込め状態であり、z方向にミニバンドを形成する量子ドット超格子構造は、z方向の1次元モデルで考えることができる。エネルギー値は、z方向のエネルギー値Ezに、x方向およびy方向の閉じ込めエネルギー値(Ex、Ey)を足し合わせた値と考えて差し支えない。なお、x方向およびy方向とは、多接合型太陽電池における積層面に対して平行な方向であり、互いに垂直である(図1参照)。z方向とは、積層面に対して垂直な方向である(図1参照)。
ミニバンドが形成されると、ミニバンドを介した二段階の光励起が発生する。これにより、ミニバンドが形成されていないときには未利用だった波長域の光吸収(母体半導体材料のバンドギャップエネルギーより小さいエネルギーのフォトンの吸収)が可能となり、光電流を増加させることができる。具体的には、超格子半導体層23で生成されたキャリアは、ミニバンド中を移動し、光励起または熱励起によって第2のp型半導体層21または第2のn型半導体層25へ移動し、外部へ取り出される。このようなミニバンドを形成するためには、障壁層23Bの膜厚を最適化することが好ましい。障壁層23Bの膜厚は、障壁層23Bの組成、量子層23Aの組成、量子ドットのサイズ、または材料の有効質量などに依存するため一概に言えないが、20nm以下であることが好ましい。
なお、ミドルサブセル20は、第2のp型半導体層21、超格子半導体層23、および第2のn型半導体層25とは異なる層をさらに有していても良い。たとえば、ミドルサブセル20は、第2のp型半導体層21の下に裏面電界層を有していても良く、第2のn型半導体層25の上に窓層を有していても良い。また、キャップ層を有していても良い。
<第2トンネル接合層>
第2トンネル接合層5は、第1トンネル接合層とほぼ同一の構成を有していることが好ましく、高濃度n型半導体層および高濃度p型半導体層がミドルサブセル20の上に順に設けられて構成されていることが好ましい。
高濃度n型半導体層および高濃度p型半導体層を構成する化合物半導体材料は特に限定されない。たとえば高濃度n型半導体層を構成する化合物半導体材料はInGaPであることが好ましく、高濃度p型半導体層を構成する化合物半導体材料はAlGaAsであることが好ましい。
ここで、高濃度n型半導体層におけるn型不純物濃度は、第2のn型半導体層25などにおけるn型不純物濃度よりも高いことが好ましく、適宜設定されることが好ましい。同じく、高濃度p型半導体層におけるp型不純物濃度は、第2のp型半導体層21などにおけるp型不純物濃度よりも高いことが好ましく、適宜設定されることが好ましい。
高濃度n型半導体層の厚みは特に限定されず、適宜設定されることが好ましい。高濃度p型半導体層の厚みについても同様のことが言える。
<トップサブセル>
トップサブセル30は、第2トンネル接合層5を介してミドルサブセル20の上に設けられており、第3のp型半導体層31と第3のn型半導体層35とがこの順に積層されて構成されている。
第3のp型半導体層31および第3のn型半導体層35を構成する材料は特に限定されないが、次に示す2つの条件を満たしていることが好ましい。1つ目の条件は、第3のp型半導体層31および第3のn型半導体層35がボトムサブセル10に格子整合可能であることである。これにより、第3のp型半導体層31および第3のn型半導体層35に転位が発生することを防止できるので、トップサブセル30での短絡電流の低下を防止できる。2つ目の条件は、第3のp型半導体層31および第3のn型半導体層35を構成する材料のバンドギャップエネルギーがボトムサブセル10のpn接合を形成するp型半導体層およびn型半導体層を構成する材料のバンドギャップエネルギーおよびミドルサブセル20のpn接合を形成するp型半導体層およびn型半導体層を構成する材料のバンドギャップエネルギーよりも大きいことである。これにより、トップサブセル30が吸収する光の波長は、ボトムサブセル10およびミドルサブセル20が吸収する光の波長よりも短くなる。たとえばボトムサブセル10がGe基板からなる場合、第3のp型半導体層31はp型不純物がInsGa1-sP(0≦s≦1)層、AltGa1-tAs(0≦t≦1)層、またはAluGavIn1-u-vP(0≦u≦1,0≦v≦1)層にドーピングされて構成されていることが好ましく、第3のn型半導体層35はn型不純物がInsGa1-sP(0≦s≦1)層、AltGa1-tAs(0≦t≦1)層、またはAluGavIn1-u-vP(0≦u≦1,0≦v≦1)層にドーピングされて構成されていることが好ましい。
第3のp型半導体層31におけるp型不純物濃度は、特に限定されず、適宜設定されることが好ましい。同じく、第3のn型半導体層35におけるn型不純物濃度は、特に限定されず、適宜設定されることが好ましい。
第3のp型半導体層31および第3のn型半導体層35の各厚みは特に限定されず、トップサブセル30が光(具体的には、トップサブセル30のバンドギャップエネルギーよりも大きなエネルギーを有する光)を十分に吸収可能となるように適宜設定することが好ましい。
なお、上記2つの条件を満たすのであれば、トップサブセル30は、第3のp型半導体層31および第3のn型半導体層35とは異なる層を有していても良い。たとえば、トップサブセル30は、第3のp型半導体層31の下に裏面電界層を有していても良く、第3のn型半導体層35の上に窓層を有していても良い。また、第3のn型半導体層35の上にキャップ層を有していても良い。
<第1電極、第2電極>
第1電極1および第2電極7の各材料は特に限定されず、導電性を有する材料であることが好ましい。たとえば第1電極1は、Ag層とTiO2膜とAl23膜とがこの順に積層されて構成されていても良い。ここで、TiO2膜およびAl23膜は、反射防止膜として機能する。第2電極7は、Au層とNi層とAu層とがこの順に積層されて構成されていても良い。第1電極1および第2電極7の形成方法は特に限定されないが、真空蒸着法、特に抵抗加熱蒸着法であることが好ましい。
以上本発明に係る多接合型太陽電池について示したが、本発明ではサブセルの個数は特に限定されない。サブセルの個数が4以上である場合には、本発明における超格子半導体層はボトムサブセル以外のサブセルのうちの少なくとも1つのサブセルにおけるn型半導体層とp型半導体層との間に設けられることが好ましい。
<多接合型太陽電池の作製方法>
本発明に係る多接合型太陽電池は、たとえばエピタキシャル成長にしたがって作製される。具体的には、第1のp型半導体層11の上に、第1のn型半導体層15、第1トンネル接合層3、第2のp型半導体層21、超格子半導体層23、第2のn型半導体層25、第2トンネル接合層5、第3のp型半導体層31、および第3のn型半導体層35を順にエピタキシャル成長させる。
成長温度は、たとえば700℃であることが好ましい。
化合物半導体材料としてGaAsを用いる場合には、原料としてトリメチルガリウム(TMG)およびアルシン(AsH3)を用いることができる。化合物半導体材料としてInGaPを用いる場合には、原料としてトリメチルインジウム(TMI)、TMG、およびホスフィン(PH3)を用いることができる。化合物半導体材料としてAlInPを用いる場合には、原料としてトリメチルアルミニウム(TMA)、TMI、およびホスフィン(PH3)を用いることができる。
n型不純物をドーピングするためには、モノシラン(SiH4)をドーパントとして用いることができる。p型不純物をドーピングするためには、DEZn(ジエチル亜鉛)をドーパントとして用いることができる。
超格子半導体層における量子層として量子ドット層を用いた場合には、Stranski―Krastanov(S―K)成長と呼ばれる方法で量子ドット層を成長させることができる。量子ドット24を構成する材料の組成比を変更すれば量子ドット24の混晶比を調整することができ、量子ドット24を構成する材料の種類、成長温度、圧力、および堆積時間などを変更すれば量子ドット24のサイズを調整することができる。
第1トンネル接合層3および第2トンネル接合層5を構成する化合物半導体材料としてAlGaAsを用いるときには、TMI、TMG、およびAsH3を原料として用いことができる。また、p型不純物をドーピングするためには、四臭化炭素(CBr4)をドーパントとして用いることができる。
上記エピタキシャル成長により積層体を作製した後、たとえばEB蒸着法により第1電極1を第1のp型半導体層11の下に形成し、たとえば抵抗加熱法により第2電極7を第3のn型半導体層35の上に形成する。そして、必要に応じて、個片化を行なう。これにより、本発明に係る多接合型太陽電池が得られる。
具体的には、Gaをドーピングしたp型Ge基板上に、バッファー層としてn型GaAs層を形成する。このとき、当該n型GaAs層中のAsがGe基板に拡散してn型Ge層を形成する。これにより、ボトムサブセルが形成される。その後、当該n型GaAs層上にn型InGaP層を形成し、当該n型InGaP層上にp型AlGaAs層を形成する。これらのn型InGaP層およびp型AlGaAs層はトンネル接合されて第1トンネル接合層となる。
次いで、上記p型AlGaAs層上に裏面電界層としてp型InGaP層を形成し、当該p型InGaP層上にベース層としてp型GaAs層を形成する。当該p型GaAs層上にInGaAsからなる量子層とInGaAsからなる障壁層(In組成比は量子層よりも低い)とを交互に形成して超格子半導体層を形成する。量子層として量子ドット層を用いる場合には、自己組織化機構を用いて量子層を形成可能である。当該超格子半導体層上にエミッタ層としてn型GaAs層を形成し、当該n型GaAs層上に窓層としてn型AlInP層を形成する。これにより、ミドルサブセルが形成される。その後、当該n型AlInP層上にn型InGaP層を形成し、当該n型InGaP層上にp型AlGaAs層を形成する。これらのn型InGaP層とp型AlGaAs層とはトンネル接合されて第2トンネル接合層となる。
次いで、当該p型AlGaAs層上に裏面電界層としてp型AlInP層を形成し、当該p型AlInP層上にベース層としてp型AlInGaP層を形成し、当該p型AlInGaP層上にエミッタ層としてn型AlInGaP層を形成し、当該n型AlInGaP層上に窓層としてn型AlInP層を形成し、当該n型AlInP層上にキャップ層としてn型GaAs層を形成する。これにより、トップサブセルが形成される。
上記エピタキシャル成長により積層体を形成した後、当該積層体の上面(上記キャップ層の上面)上のうち電極パターンを形成する領域を除いて、フォトリソグラフィー法によってレジストを形成する。次いで、真空蒸着装置に当該積層体を導入して、レジストを形成した積層体の上面上にGeを12%含むAuからなる層を抵抗加熱法により形成する。当該Au層の厚みは一例を挙げると約100nmであることが好ましい。次いで、上記Au層上に、Ni層およびAu層をそれぞれ厚さ約20nmおよび厚さ約5000nmとしてこの順番でEB蒸着法により形成する。その後、リフトオフ法により所望のパターンの表面電極を形成する。
次いで、上記によって形成した表面電極をマスクとして、当該表面電極が形成されていない部分のn型GaAa層(キャップ層)をアルカリ水溶液にてエッチングする。
次いで、フォトリソグラフィー法により、メサエッチングパターンの領域をあけたレジストをエピタキシャルウエハ表面に形成し、当該レジストが形成されていない領域のエピタキシャル層をアルカリ水溶液および酸水溶液にてエッチングしてn型GaAs層(キャップ層)を露出させる。
次いで、積層体の下面(p型Ge層)上に、裏面電極としてAg層を約1000nmの厚さでEB蒸着法により形成する。Ag層の表面上に反射防止膜としてTiO2膜およびA123膜をこの順番でそれぞれ約50nmおよび約85nmとしてEB蒸着法により形成する。
続いて、表面電極のシンタリング、裏面電極のアニーリングおよび反射防止膜のアニーリングを兼ねて、窒素中にて380℃で熱処理を行う。その後、メサエッチングされたライン中にダイシングラインが入るようにしてセルを切断する。たとえば、セルのサイズとして10mm×10mmとすることができる。
なお、本発明に係る多接合型太陽電池は、ボトムサブセル10とは別に多接合型太陽電池の基板を備えていても良い。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
実施例1では、以下に示す構成を有する3接合型太陽電池に対して超格子半導体層のバンド計算を行った。
本実施例に係る3接合型太陽電池では、ボトムサブセルとしてGe基板を用いた。ボトムサブセルの上にはn型InGaP層およびp型AlGaAs層が順に形成されており、n型InGaP層とp型AlGaAs層とで第1トンネル接合層が構成されていた。第1トンネル接合層におけるp型AlGaAs層の上には、p型InGaP層(裏面電界層)およびp型In0.01Ga0.99As層(ベース層)が順に形成されており、ベース層の上には、In0.4Ga0.6Asからなる量子ドット層と厚みが3.5nmであるIn0.01Ga0.99As層(障壁層)とが交互に積層されて超格子半導体層が形成されていた。超格子半導体層の上にはn型In0.01Ga0.99As層(エミッタ層)およびn型AlInP層(窓層)が順に形成されていた。そして、裏面電界層、ベース層、超格子半導体層、エミッタ層、および窓層でミドルサブセルが構成されていた。
ミドルサブセルの上にn型InGaP層およびp型AlGaAs層が順に形成されており、n型InGaP層とp型AlGaAs層とで第2トンネル接合層が構成されていた。
第2トンネル接合層におけるp型AlGaAs層の上には、p型AlInP層(裏面電界層)、p型AlInGaP層(ベース層)、n型AlInGaP層(エミッタ層)、n型AlInP層(窓層)、およびn型GaAs層(キャップ層)が順に形成されており、これらの層でトップサブセルが構成されていた。
ボトムサブセルの下には、Ag層、TiO2膜およびAl23膜が順に形成されて第1電極(裏面電極)が構成されていた。トップサブセルの上には、Au層、Ni層、およびAu層が順に形成されて第2電極(表面電極)が構成されていた。
このような3接合型太陽電池に対して超格子半導体層のバンド計算を行なった。シミュレーションは、MATLABソフトを用いて、一次元シュレディンガー方程式を解くことで行なった。シュレディンガー方程式を解くことで、伝導帯および価電子帯のバンド計算を行なうことができ、エネルギー固有値および波動関数が得られる。計算手法は、有効質量近似により、平面波展開法を用いて行なった。本計算に寄与するパラメータとして、主に、量子ドットのサイズ、障壁層の厚み、量子ドットを構成する化合物半導体材料の伝導帯または価電子帯(重い正孔、軽い正孔)の有効質量、障壁層を構成する化合物半導体材料の伝導帯または価電子帯(重い正孔、軽い正孔)の有効質量、伝導帯側のオフセット、および価電子帯側のオフセットがあり、これらの値を前述のシュレディンガー方程式に代入することによってバンド計算を行なうことができる。
量子ドットの形状は直方体であると仮定して、量子ドットの高さを3.5nmとし、量子ドットの面内方向の幅を30nmとした。また、障壁層の厚みを3.5nmとした。電子の有効質量については、インジウムガリウム砒素(In0.01Ga0.99As)を0.066mとし、インジウムガリウム砒素(In0.4Ga0.6As)を0.049mとした。伝導帯のオフセットを0.42eVとした。ここで、mは、電子の質量9.1×10-31kgである。
図2には、本実施例における超格子半導体層の伝導帯のエネルギー分散関係を示す。横軸は波数ベクトルであり、縦軸はエネルギーである。また、縦軸では、量子ドットを構成する化合物半導体材料のバルクにおける伝導帯の下端のエネルギー位置をゼロとしている。
図2では、0.2eV付近の実線が基底準位から形成されるミニバンドであり、0.5eV付近の実線が第一励起準位から形成されるミニバンドであり、破線が障壁層の伝導帯の下端のエネルギー位置を示している。このことから、障壁層の伝導帯の下端のエネルギー以下では、量子ドット層の伝導帯側の量子準位によりミニバンドは1つだけ形成されており、ミニバンドを介した二段階目の光学遷移は0.29eV以上の光で起きることが分かる。ミニバンドを介した一段階目の光学遷移は、二段階目の光学遷移よりも大きなエネルギーを有した光で起きることから、ミドルサブセルでは、p型半導体層およびn型半導体層によるIn0.01Ga0.99Asのバンドギャップエネルギー以上の光吸収に加えて、超格子半導体層で0.29eV以上のエネルギーを有した光を吸収することがわかる。
本実施例に係る3接合型太陽電池において、各サブセルが吸収する最大光子数から求めた短絡電流値(mA/cm2)を図3に示す。太陽光スペクトルとしてはAM1.5G(波長域280nm〜4000nm)を用いた。ミドルサブセルにおいては、p型半導体層およびn型半導体層を構成するIn0.01Ga0.99Asのバンドギャップを1.41eVとして、対応する光(1.41eV以上1.86eV未満)を超格子半導体層より上部のn型半導体層だけで十分吸収するとした。超格子半導体層では、太陽光スペクトルのうち1.41eV未満のエネルギーを有する光の30%を吸収し、生成したキャリアの40%が取り出されるとした。Geからなるボトムサブセルのバンドギャップを0.65eVとし、対応する光(0.65eV以上1.41eV未満)の70%をボトムサブセルが吸収するとした。InGaPからなるトップサブセルのバンドギャップを1.86eVとし、対応する光(1.86eV以上)をトップサブセルが十分吸収するとした。図4には、上記の太陽光スペクトルと各サブセルとの対応を示す。上記超格子半導体層の吸収率は、超格子半導体層を占める量子ドット密度または積層数に依存するため、超格子半導体層を占める量子ドット密度または積層数を調整すれば超格子半導体層での光の吸収率を調整することができる。上記の場合、電流整合の為にトップサブセルの厚みを薄くする必要がなく、トップサブセルの厚みを、対応する光(1.86eV以上)を十分に吸収できる厚みとすることができる。3接合型太陽電池全体の短絡電流値は図3に示すようにトップサブセルの短絡電流値に律速され、最大で18.0mA/cm2まで向上する。
本実施例に係る3接合型太陽電池では、ミニバンドを介した二段階目の光学遷移が起こるため、従来ではボトムサブセルが吸収していた長波長側の光の一部分(図4に示された破線矢印)もミドルサブセルで吸収される。つまり、本実施例では、ミドルサブセルの短絡電流が増大し、光電変換効率も向上する。
<実施例2>
実施例2では、以下に示す構成を有する3接合型太陽電池(モデル)に対して超格子半導体層のバンド計算を行った。
本実施例に係る3接合型太陽電池では、ボトムサブセルとしてGe基板を用いた。ボトムサブセルの上にp型AlGaAs層が形成されており、このp型AlGaAs層は第1トンネル接合層として機能する。この第1トンネル接合層の上には、p型InGaP層(裏面電界層)およびp型In0.01Ga0.99As層(ベース層)が順に設けられており、ベース層の上には、In0.4Ga0.6Asからなる量子ドット層と厚みが6nmであるGaAs0.9940.006層(障壁層)とが交互に積層されて超格子半導体層が構成されていた。ここで、量子ドット層は、自己組織化機構を用いて形成された。また、超格子半導体層の歪を補償するように障壁層の厚みと障壁層を構成する窒化ガリウム砒素の窒素含有量とを調整するため、上記窒素含有量は上記例に限定されない。超格子半導体層の上にはn型In0.01Ga0.99As層(エミッタ層)およびn型AlInP層(窓層)が順に形成されていた。そして、裏面電界層、ベース層、超格子半導体層、エミッタ層、および窓層でミドルサブセルが構成されていた。
ミドルサブセルの上には、n型InGaP層およびp型AlGaAs層が順に形成されており、n型InGaP層とp型AlGaAs層とで第2トンネル接合層が構成されていた。
第2トンネル接合層におけるp型AlGaAs層の上には、p型AlInP層(裏面電界層)、p型AlInGaP層(ベース層)、n型AlInGaP層(エミッタ層)、n型AlInP層(窓層)、およびn型GaAs層(キャップ層)が順に形成されており、これらの層でトップサブセルが構成されていた。トップサブセルの上およびボトムサブセルの下には、Au層を真空蒸着させて第1電極および第2電極を形成した。
このような3接合型太陽電池に対して超格子半導体層のバンド計算を行なった。計算手法は、上記実施例1と同じく、有効質量近似により、平面波展開法を用いて一次元シュレディンガー方程式を解くことで行なった。本計算に寄与するパラメータとして、主に、量子ドットのサイズ、量子ドット層の厚み、量子ドット層間に位置する障壁層の厚み、量子ドット層を構成する化合物半導体材料の伝導帯または価電子帯(重い正孔、軽い正孔)の有効質量、障壁層を構成する化合物半導体材料の伝導帯または価電子帯(重い正孔、軽い正孔)の有効質量、伝導帯のオフセット、および価電子帯のオフセットがあり、これらの値を前述のシュレディンガー方程式に代入することによってバンド計算を行なうことができる。
量子ドットの形状は直方体であると仮定して、量子ドットの高さを2nmとし、量子ドットの面内方向の幅を30nmとした。また、障壁層の厚みを6nmとした。電子の有効質量については、窒化ガリウム砒素(GaAs0.9940.006)を0.14mとし、インジウムガリウム砒素(In0.4Ga0.6As)を0.049mとした。伝導帯のオフセットを0.33eVとした。ここで、mは、電子の質量9.1×10-31kgである。
図5には、本実施例における超格子半導体層の伝導帯のエネルギーの分散関係を示す。
横軸は波数ベクトルであり、縦軸はエネルギーである。また、縦軸では、量子ドットを構成する化合物半導体材料のバルクにおける伝導帯の下端のエネルギー位置をゼロとしている。
図5では、0.2eV付近の実線が基底準位から形成されるミニバンドであり、0.4eV付近の実線が第一励起準位から形成されるミニバンドであり、破線は障壁層の伝導帯の下端のエネルギー位置を示している。このことから、障壁層の伝導帯の下端のエネルギー以下では、量子ドット層の伝導帯側の量子準位によりミニバンドは1つだけ形成されており、ミニバンドを介した二段階目の光学遷移は0.17eV以上の光で起きることが分かる。ミニバンドを介した一段階目の光学遷移は、二段階目の光学遷移よりも大きなエネルギーを有した光で起きることから、ミドルサブセルでは、p型半導体層およびn型半導体層によるIn0.01Ga0.99Asのバンドギャップエネルギー以上の光吸収に加えて、超格子半導体層で0.17eV以上のエネルギーを有した光を吸収することがわかる。
図6には、本実施例における超格子半導体層の伝導帯のバンド構造を示す。障壁層を構成する化合物半導体材料GaAs0.9940.006の伝導帯のエネルギーとn型半導体層を構成する化合物半導体材料In0.01Ga0.99Asの伝導帯のエネルギーとの差が0.100eVとなる(たとえばPHYSICAL REVIEW B 65 233210 (2002)を参照)。このエネルギー差は室温における熱エネルギーkTの4倍である0.104eV以下であり、よって、超格子半導体層で生成したキャリアを効率よくn型半導体層から取り出すことができ、ミドルサブセルの短絡電流を増大させることができる。
本実施例に係る3接合型太陽電池において、各サブセルが吸収する最大光子数から求めた短絡電流値(mA/cm2)を図7に示す。太陽光スペクトルとしてはAM1.5G(波長域280nm〜4000nm)を用いた。ミドルサブセルにおいては、p型半導体層およびn型半導体層を構成するIn0.01Ga0.99Asのバンドギャップを1.41eVとして、対応する光(1.41eV以上1.86eV未満)を超格子半導体層より上部のn型半導体層だけで十分吸収するとした。超格子半導体層では、太陽光スペクトルのうち1.41eV未満のエネルギーを有する光の20%を吸収し、生成したキャリアの50%が取り出されるとした。Geからなるボトムサブセルのバンドギャップを0.65eVとし、対応する光(0.65eV以上1.41eV未満)の80%をボトムサブセルが吸収するとした。InGaPからなるトップサブセルのバンドギャップを1.86eVとし、対応する光(1.86eV以上)をトップサブセルが十分吸収するとした。上記超格子半導体層の吸収率は、超格子半導体層を占める量子ドット密度または積層数に依存するため、超格子半導体層を占める量子ドット密度または積層数を調整すれば超格子半導体層での光の吸収率を調整することができる。上記の場合、電流整合の為にトップサブセルの厚みを薄くする必要がなく、トップサブセルの厚みを、対応する光(1.86eV以上)を十分に吸収できる厚みとすることができる。3接合型太陽電池全体の短絡電流値は図7に示すようにトップサブセルの短絡電流値に律速され、最大で18.0mA/cm2まで向上する。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 第1電極、3 第1トンネル接合層、5 第2トンネル接合層、7 第2電極、10 ボトムサブセル、11 第1のp型半導体層、15 第1のn型半導体層、20 ミドルサブセル、21 第2のp型半導体層、23 超格子半導体層、23A 量子層、23B 障壁層、24 量子ドット、25 第2のn型半導体層、30 トップサブセル、31 第3のp型半導体層、35 第3のn型半導体層。

Claims (10)

  1. 基板と、前記基板上に積層された複数のサブセルとを備えた多接合型太陽電池であって、
    前記複数のサブセルのうちの少なくとも1つは、
    前記基板に格子整合されたp型半導体層およびn型半導体層と、
    前記p型半導体層と前記n型半導体層との間に設けられ、量子層と障壁層とが積層されて構成された超格子半導体層とを有する多接合型太陽電池。
  2. 前記超格子半導体層は、前記量子層の伝導帯側の量子準位によりミニバンドが形成されるように前記量子層と前記障壁層とが積層されて構成されている請求項1に記載の多接合型太陽電池。
  3. 前記障壁層を構成する化合物半導体材料と前記p型半導体層および前記n型半導体層を構成する化合物半導体材料との伝導帯側のオフセットが、室温における熱エネルギーkT(ここで、kはボルツマン定数であり、Tは絶対温度である)の4倍以下である請求項1または2に記載の多接合型太陽電池。
  4. 前記基板は、Geからなる請求項1〜3のいずれかに記載の多接合型太陽電池。
  5. 前記p型半導体層および前記n型半導体層を構成する化合物半導体材料は、InxGa1-xAs(0.001≦x≦0.019)である請求項4に記載の多接合型太陽電池。
  6. 前記量子層を構成する化合物半導体材料は、InxGa1-xAs(0.02≦x≦1)である請求項5に記載の多接合型太陽電池。
  7. 光入射側とは反対側に位置するサブセルは、Geを含む請求項4〜6のいずれかに記載の多接合型太陽電池。
  8. 前記量子層は、量子ドットからなる量子ドット層である請求項1〜7のいずれかに記載の多接合型太陽電池。
  9. 前記障壁層を構成する化合物半導体材料は、GaNAsである請求項1〜8のいずれかに記載の多接合型太陽電池。
  10. 光入射側に位置するサブセルを構成する化合物半導体材料は、InGaP、AlGaAs、およびAlGaInPの少なくとも1つである請求項1〜9のいずれか1つに記載の多接合型太陽電池。
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