JP2013110862A - H型ブリッジ回路およびモータ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この発明は、MOSトランジスタTr1〜Tr4からなるH型ブリッジ1と、電流モニタ回路2、3と、制御回路4とを備える。電流モニタ回路2、3のそれぞれは、コイル5に流れる電流を検出し、この検出に応じた信号を電流判定信号MONI1、電流判定信号MONI2として出力する。制御回路4は、コイル5の通電方向を切り換える切換信号HALLと、電流モニタ回路2、3から出力される電流判定信号MONI1、MONI2とを基に、制御信号PG1、PG2、NG1、NG2を生成し、MOSトランジスタTr1、Tr2をオンオフ制御する。
【選択図】 図1
Description
このH型ブリッジ回路は、例えば図19に示すように、P型のMOSトランジスタTr1、Tr2と、N型のMOSトランジスタTr3、Tr4とを備え、電源VDDと電源VSSとに接続される。そして、MOSトランジスタTr1、Tr3のドレイン同士の接続部と、MOSトランジスタTr2、Tr4のドレイン同士の接続部との間に、負荷としてコイル5が接続される。
図23は、この動作例の場合の各部の信号の波形例を示す。図23において、OUT1、OUT2はモータのコイル5の両端の電圧、IDDは電源VDDからH型ブリッジ回路に供給される電流、ILはモータのコイル5に流れる電流を示す。
図19〜図23を参照して、モータが正転動作から逆転動作に移行する時の電流経路について説明する。
その後、図23の時刻t1において、モータが正転動作から逆転動作に切り換わるときには、MOSトランジスタTr1、Tr3の各ゲートの制御信号PG1、NG1はLレベルからHレベルに変化し、MOSトランジスタTr2、Tr4の各ゲートの制御信号PG2、NG2はHレベルからLレベルに変化する。このときには、MOSトランジスタTr1、Tr4はオンからオフに切り換わり、MOSトランジスタTr2、Tr3はオフからオンに切り換わる。
図23の時刻t2において、コイル5の電荷が無くなると、図21に示すように、電源VDDからの電流が、MOSトランジスタTr2、コイル5、およびMOSトランジスタTr3を経由して電源VSSに至るようになる。
この従来方法では、図24に示すH型ブリッジ回路のMOSトランジスタTr1〜Tr4の駆動制御は、図25に示すような制御信号PG1、PG2、NG1、NG2が使用される。また、その駆動制御には、モータの正転動作と逆転動作の切り換えを行う正逆制御信号HALLが使用される。
また、第1動作モード期間T1は、図25に示すように、PWM制御期間T11、ノンオーバーラップ期間T12、PWM制御期間T13、および正転動作期間T14からなる。第2動作モード期間T2は、図25に示すように、PWM制御期間T21、ノンオーバーラップ期間T22、PWM制御期間T23、および逆転動作期間T24からなる。
第2動作モード期間T2のうち、最初のPWM制御期間T21では、制御信号PG1がPWM信号となり(図25(B)参照)、これによりMOSトランジスタTr1がPWM制御される。PWM制御期間T21が終了すると、ノンオーバーラップ期間T22に移行するが、このノンオーバーラップ期間T22は予め設定された任意の時間である。
図25の時刻t2において、コイル5の電流ILがほぼ0〔mA〕になったときに(図25(I)参照)、制御信号NG1をLレベルからHレベルに切り換え、制御信号NG2をHレベルからLレベルに切り換え、H型ブリッジ回路のローサイド側のMOSトランジスタTr3、Tr4のオンオフが切り換える。この場合には、ローサイド側のMOSトランジスタTr3、Tr4のオンオフが切り換わっても、電源VDDへの逆転電流は発生しない。また、H型ブリッジ回路の出力端子のキックバック電圧も発生しない。
すなわち、図26(I)に示すように、コイル5の電流ILが流れている時刻t2において、制御信号NG1、NG2の切り換えが起こり(図26(D)(E)参照)、H型ブリッジ回路のローサイド側のMOSトランジスタTr3、Tr4のオンオフの切り換えが発生する。このため、ノンオーバーラップ期間T22内において、電源VSSからMOSトランジスタTr3の寄生ダイオードD3、コイル5、MOSトランジスタTr2の寄生ダイオードD2、および電源VDDの電流経路で逆流電流が流れる。
上記方法のように、逆流電流が発生した瞬間、電源VDDの電位が上昇する。H型ブリッジ回路とその制御回路を同じ電源で駆動させる方法をとった場合、電源VDDの上昇により電流経路を指定するための制御回路を故障させるおそれがある。
従って、使用するコイルに応じてノーオーバーラップ期間を設定する必要がある。さらに、動作電圧や動作温度によってもコイルに蓄積される電荷量が異なるので、最適なノーオーバーラップ期間の設定は困難である。
本発明は、第1の電源と第2の電源との間に直列に接続される第1及び第2のトランジスタと、前記第1の電源と前記第2の電源との間に直列に接続される第3及び第4のトランジスタと、前記第1及び第2のトランジスタの接続点と前記第3及び第4のトランジスタの接続点との間に接続される負荷に流れる電流を検出し、当該検出に応じた信号を出力する電流モニタ回路と、前記電流モニタ回路の出力信号と前記負荷の通電方向を切り換える切換信号とを入力し、当該入力にしたがって前記第1、第2、第3及び第4のトランジスタの駆動をそれぞれ制御する制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記第1及び第4のトランジスタをオンにし、前記第2及び前記第3のトランジスタをオフにして、前記負荷に対して第1の通電を行う第1の通電制御と、前記第1のMOSトランジスタをオンからオフに切り換え、前記第2のトランジスタをオフからオンに切り換え、前記第3のトランジスタのオフを維持し、前記第4のMOSトランジスタをオンからオフに切り換える第1のノンオーバーラップ制御と、前記第1のMOSトランジスタのオフを維持し、前記第2のトランジスタのオンを維持し、前記第3のトランジスタをオフからオンに切り換え、前記第4のトランジスタのオフを維持して、前記負荷に対して前記第1の通電とは逆の第2の通電を行う第2の通電制御と、前記第1のトランジスタのオフを維持し、前記第2のトランジスタをオンからオフに切り換え、前記第3のトランジスタをオンからオフに切り換え、前記第4のトランジスタをオフからオンに切り換える第2のノンオーバーラップ制御と、を行い、前記第1および前記第2のノンオーバーラップ制御における前記第2及び第4のトランジスタのそれぞれのオンオフの切り換えを、前記電流モニタ回路の出力信号にしたがって行う。
さらに、本発明において、前記第2のトランジスタは、第5のトランジスタと、前記第5のトランジスタに比べてトランジスタサイズが小さな電流測定用の第6のトランジスタとから構成され、前記第4のトランジスタは、第7のトランジスタと、前記第7のトランジスタに比べてトランジスタサイズが小さな電流測定用の第8のトランジスタとから構成される。
さらに、本発明において、前記電流モニタ回路は、前記第1のトランジスタのソースとドレイン間の電圧を検出し、当該検出に基づいて前記負荷に流れる電流を検出する第1の電流モニタ回路と、前記第3のトランジスタのソースとドレイン間の電圧を検出し、当該検出に基づいて前記負荷に流れる電流を検出する第2の電流モニタ回路と、を備える。
このため、本発明では、ノンオーバーラップ制御において、負荷の電流がほぼ0〔mA〕になったときに、ローサイド側のトランジスタのオンオフを切り換えることが可能となり、高電位の電源側に対して逆流電流が流れるのを防止が可能となり、負荷の両端にキックバック電圧が発生することを防止することが可能となる。
(第1実施形態の構成)
図1は、本発明のH型ブリッジ回路の第1実施形態の構成を概要を示す図である。
この第1実施形態に係るH型ブリッジ回路は、図1に示すように、H型ブリッジ1と、電流モニタ回路2、3と、制御回路4とを備えている。
MOSトランジスタTr1とMOSトランジスタTr3とは直列接続され、この直列回路が高電位側の電源VDDと低電位側の電源VSSとの間に接続される。また、MOSトランジスタTr2とMOSトランジスタTr4とは直列接続され、この直列回路が高電位側の電源VDDと低電位側の電源VSSとの間に接続される。
電流モニタ回路2は、コイル5に流れる電流を検出(測定)し、この検出に応じた信号を電流判定信号MONI2として出力する。電流モニタ回路3は、コイル5に流れる電流を検出し、この検出に応じた電流判定信号MONI2として出力する。
図2は、第1実施形態のH型ブリッジ1および電流モニタ回路2、3の具体的な構成を示す図である。
MOSトランジスタTr3は、MOSトランジスタTr31と、MOSトランジスタTr31に比べてトランジスタサイズが小さな電流測定用のMOSトランジスタTr32とからなり、これらが並列に接続されている。MOSトランジスタTr31、Tr32は、寄生ダイオードD31、D32を有する。また、MOSトランジスタTr31のゲートと電源VSSとの間にプルダウン抵抗R31が接続されている。
スイッチ部21は、制御信号NG1が入力される入力端子210と、制御回路4によってオンオフ制御される4つのスイッチSW1〜SW4とを備えている。
スイッチSW1は、入力端子210とMOSトランジスタTr31のゲートとの間に接続され、オンすることにより制御信号NG1をMOSトランジスタTr31のゲートに印加できるようになっている。スイッチSW2は、入力端子210とMOSトランジスタTr32のゲートとの間に接続され、オンすることにより制御信号NG1をMOSトランジスタTr32のゲートに印加できるようになっている。
スイッチ部31は、制御信号NG2が入力される入力端子310と、制御回路4によってオンオフ制御される4つのスイッチSW5〜SW8とを備えている。
スイッチSW5は、入力端子310とMOSトランジスタTr41のゲートとの間に接続され、オンすることにより制御信号NG2をMOSトランジスタTr41のゲートに印加できるようになっている。スイッチSW6は、入力端子310とMOSトランジスタTr42のゲートとの間に接続され、オンすることにより制御信号NG2をMOSトランジスタTr42のゲートに印加できるようになっている。
電流判定部22は、図2に示すように、N型のMOSトランジスタTr8とP型のMOSトランジスタTr9とが直列に接続され、この直列回路が電源VDDと電源VSSとの間に接続される。また、P型のMOSトランジスタTr10と抵抗Rと直列に接続され、この直列回路が電源VDDと電源VSSとの間に接続される。
MOSトランジスタTr10と抵抗Rとの共通接続部がシュミットトリガ回路SH2の入力端子に接続され、シュミットトリガ回路SH2の出力端子から電流判定信号MONI2を出力するようになっている。シュミットトリガ回路SH2の出力端子と電源VSSとの間にプルダウンスイッチSW22が接続されている。
MOSトランジスタTr6とMOSトランジスタTr7とは、カレンミラーを構成するようになっている。このため、MOSトランジスタTr6、Tr7の各ゲートは共通接続され、この共通接続部がMOSトランジスタTr6のドレインに接続されている。
次に、第1実施形態の動作例について、図面を参照して説明する。
この動作例は、H型ブリッジ1の負荷であるコイル5としてモータのコイルを接続し、モータを駆動制御する場合について説明する。
このモータの駆動制御のために、制御回路4にはモータの正転と逆転の動作を切り換える切換信号HALLと、電流モニタ回路2、3から出力される電流判定信号MONI1、MONI2とが入力される。
この動作例では、図3に示すように、第1動作モード期間T1と第2動作モード期間T2とがあり、切換信号HALLがLレベルのときに第1動作モード期間T1となり、切換信号HALLがHレベルのときに第2動作モード期間T2となる。
図3の時刻t1以前であって、第1動作モード期間T1内の正転動作期間T14には、図3(B)(D)のように制御信号PG1、NG1はLレベルになり、図3(C)(E)のように制御信号PG2、NG2はHレベルになる。このときには、制御回路4が、スイッチ部21のスイッチSW1、SW2をオンにし、スイッチSW3、SW4をオフにし、スイッチ部31のスイッチSW5、SW6をオンにし、スイッチSW7、SW8をオフにする。
図3の時刻t1において、切換信号HALLがLレベルからHレベルに変化すると、第1動作モード期間T1から第2動作モード期間T2に変化する。
このため、PWM制御期間T21では、MOSトランジスタTr1がオンのときには電源VDDからの電流IDDが流れ、MOSトランジスタTr1がオフのときにはその電流IDDが0〔mA〕となる(図3(J)参照)。これに伴い、コイル5の両端の電圧OUT1が図3(F)のように変化し、その電圧OUT2はLレベルを維持する(図3(G)参照)。
このため、制御信号PG1がHレベルであってMOSトランジスタTr1がオフのときには、電源VDDから電流IDDの供給がないが、コイル5は電源VDDからの電流供給が断たれてから放電を開始する。したがって、MOSトランジスタTr1がオフのときには、図5に示すように、電源VSS、MOSトランジスタ31の寄生ダイオードD31およびMOSトランジスタ32の寄生ダイオードD32、コイル5、MOSトランジスタ41、42、および電源VSSの経路で電流ILが回生電流として流れる。
EL=(VF×IL)+IL2 ×〔R41×R42/(R41+R42)〕
このため、コイル5に蓄積されたエネルギーは上記のエネルギー損失ELによって消失するので、コイル5の電流ILは時間の経過とともに減少する(図3(K)参照)。
また、PWM制御期間T21内であって、電源VDDからの最後の電流IDDの供給中に、スイッチ部31のスイッチSW5をオンからオフに切り換える。これにより、MOSトランジスタTr41は、制御信号NG2の供給が停止されるので、オンからオフに切り換わる。
このときには、図10に示すように、H型ブリッジ1には、電源VDD、MOSトランジスタTr1、コイル5、MOSトランジスタTr42、および電源VSSの経路で電流が流れている。また、H型ブリッジ1のMOSトランジスタTr42のゲートは、MOSトランジスタTr42のドレインと電流判定部32のMOSトランジスタTr5のゲートに接続された状態である。このとき、MOSトランジスタTr42は、飽和領域で動作している。飽和ドレイン電圧をVdsat、MOSトランジスタTr42の閾値をVtとすると、OUT2からVdsat+Vt〔V〕が出力される。
ノンオーバーラップ期間T22に移行すると、図8に示すように、電源VSS、MOSトランジスタTr31、Tr32の寄生ダイオードD31、D32、コイル5、MOSトランジスタTr42、および電源VSSの電流経路で電流ILが回生電流として流れる。この回生電流ILは、時間の経過に伴い減少し、図3(K)に示すようにほぼ0〔mA〕となる。
このときには、図11に示すように、H型ブリッジ1には、電源VSS、寄生ダイオードD31、D32、コイル5、MOSトランジスタTr42、および電源VSSの経路で電流が流れている。また、H型ブリッジ1のMOSトランジスタTr42のゲートは、MOSトランジスタTr42のドレインと電流判定部32のMOSトランジスタTr5のゲートに接続された状態である。
このときには、スイッチ部21では、スイッチSW1、SW2をオフからオンに切り換え、スイッチSW3、SW4をオフのままとする。また、スイッチ部31では、スイッチSW5、SW6をオフからオンに切り換え、スイッチSW7、SW8をオンからオフに切り換える。これにより、MOSトランジスタTr31、Tr32はオフからオンになり、MOSトランジスタTr41、Tr42はオンからオフになる。また、電流判定部22のスイッチSW22はオンのままとし、電流判定部32のスイッチSW32はオフからオンにする。
このため、モータの電気的時定数、モータの動作電圧や温度などの動作環境にかかわらず、最適なタイミングでローサイド側のMOSトランジスタのオンオフの切り換えを行うことができる。
そこで、制御回路4は、時刻t3においてH型ブリッジ1のローサイド側のMOSトランジスタのオンオフを切り換えたのち、貫通電流が発生しない程度の遅延時間tdを持たせ、時刻t4において、制御信号PG2をHレベルからLレベルに切り換え(図3(C)参照)、MOSトランジスタTr2をオンさせている。
図3の時刻t4において、ノンオーバーラップ期間T22が終了すると、PWM制御期間T23に移行する。
このため、PWM制御期間T23では、MOSトランジスタTr2がオンのときには電源VDDからの電流IDDが流れ、MOSトランジスタTr2がオフのときにはその電流IDDが0〔mA〕となる(図3(J)参照)。これに伴い、コイル5の両端の電圧のうち電圧OUT1が図3(F)はLレベルを維持し、その電圧OUT2は変化する(図3(G)参照)。
このため、PWM制御信号PG2がHレベルであってMOSトランジスタTr2がオフのときには、図7に示すように、電源VSS、寄生ダイオードD41、D42、コイル5、MOSトランジスタTr41、Tr42、および電源VSSの経路で電流ILが回生電流として流れる。このコイル5の電流ILは時間の経過とともに減少する(図3(K)参照)。
そして、図3の時刻t5になると、PWM制御期間T23を終了し、逆転動作期間T24に移行する。
このため、逆転動作期間T24には、MOSトランジスタTr1、Tr41、Tr42はオフになり、MOSトランジスタTr2、Tr31、Tr32はオンになる。したがって、モータの逆転動作時の電流経路は、図6に示すように、電源VDDからの電流IDDが、MOSトランジスタTr2、コイル5、およびMOSトランジスタTr31、Tr32を経由して電源VSSに至る。
図3の時刻t6において、切換信号HALLがHレベルからLレベルに変化すると、第2動作モード期間T2から第1動作モード期間T1に移行する。
さらに、この時には、スイッチ部21のスイッチSW2をオンからオフ、スイッチSW3をオフからオンにそれぞれ切り換える。これにより、MOSトランジスタTr32は、制御信号NG1の供給が停止されるので、オンからダイオード接続に変更される。また、スイッチSW4はオフからオンになり、スイッチSW22はオンからオフに切り換えるので、電流モニタ回路2はコイル5に流れる電流ILのモニタができるようになる。
ノンオーバーラップ期間T12に移行すると、図9に示すように、電源VSS、MOSトランジスタTr41、Tr42の寄生ダイオードD41、D42、コイル5、MOSトランジスタTr32、および電源VSSの電流経路で電流ILが回生電流として流れる。この回生電流ILは、時間の経過に伴い減少し、図3(K)に示すようにほぼ0〔mA〕となる。
PWM制御期間T13では、制御信号PG2、NG2はHレベルであり(図3(C)(E)参照)、制御信号PG1がPWM信号となり(図3(B)参照)、制御信号NG2はHレベルである(図3(E)参照)。このため、MOSトランジスタTr1はPWM駆動され、MOSトランジスタTr2、Tr31、Tr32はオフを維持し、MOSトランジスタTr41、Tr42はオンを維持する。
以上のように、第1実施形態では、ノンオーバーラップ期間T22、T12において、電流モニタ回路2、3がコイル5に流れる電流をそれぞれ検出し、コイル5に電流が流れなくなったときに電流判定信号MONI1、MONI2を出力するようにした。
したがって、第1実施形態によれば、モータの電気的時定数、モータの動作電圧や温度などの動作環境にかかわらず、最適なノンオーバーラップ期間を設定することができ、モータの回転効率の低下を防止することができる。
図12は、本発明のH型ブリッジ回路の第2実施形態の構成を概要を示す図である。
この第2実施形態に係るH型ブリッジ回路は、図12に示すように、H型ブリッジ1と、電流モニタ回路2A、3Aと、制御回路4Aとを備えている。
H型ブリッジ1は、図1に示すH型ブリッジ1と構成が同一であるので、同一構成要素には同一符号を付してその説明は省略する。
電流モニタ回路2Aは、コイル5に流れる電流を検出(測定)し、その検出に応じた信号を電流判定信号MONI1として出力する。電流モニタ回路3Aは、コイル5に流れる電流を検出し、その検出に応じた電流判定信号MONI2として出力する。
電流モニタ回路2Aは、図12に示すように、抵抗R1と、抵抗R2と、スイッチSW11と、基準電圧発生回路25と、比較回路(コンパレータ)26と、プルダウン用のスイッチSW27を備えている。
電流モニタ回路3Aは、図12に示すように、抵抗R3と、抵抗R4と、スイッチSW12と、基準電圧発生回路35と、比較回路36と、プルダウン用のスイッチSW37を備えている。
次に、第2実施形態の動作例について、図面を参照して説明する。
この動作例は、H型ブリッジ1の負荷であるコイル5としてモータのコイルを接続し、モータを駆動制御する場合について説明する。
このモータの駆動制御のために、制御回路4Aにはモータの正転と逆転の動作を切り換える切換信号HALLと、電流モニタ回路2A、3Aから出力される電流判定信号MONI1、MONI2とが入力される。
この動作例では、図13に示すように、第1動作モード期間T3と第2動作モード期間T4とがあり、切換信号HALLがLレベルのときに第1動作モード期間T3となり、切換信号HALLがHレベルのときに第2動作モード期間T4となる。
図13の時刻t1以前であって、第1動作モード期間T3内の正転動作期間T32には、図13(B)(D)のように制御信号PG1、NG1はLレベルになり、図13(C)(E)のように制御信号PG2、NG2はHレベルになる。このため、正転動作期間T32には、MOSトランジスタTr1、Tr4はオンになり、MOSトランジスタTr2、Tr3はオフになる。
また、このときには、スイッチSW11、SW12はオフ、スイッチSW27、SW37はオンしており、電流モニタ回路2A、3Aはコイル5に流れる電流ILをモニタしていないので、比較回路26、36から出力される電流判定信号MONI1、MONI2はLレベルとなる(図13(H)(I)参照)。
第2動作モード期間T4のノンオーバーラップ期間T41に移行しても、制御信号PG2、NG1、NG2に変化はなく(図13(C)〜(E)参照)、時刻t1において制御信号PG1だけがLレベルからHレベルに変化する(図13(B)参照)。これにより、コイル5の一端の電圧OUT1はLレベルよりもダイオード電圧分だけ低いレベルとなり、その他端の電圧OUT2はLレベルのままである(図13(G)(H)参照)。
また、ノンオーバーラップ期間T41が開始されると、制御回路4Aは電流モニタ2AのスイッチSW11をオンし、スイッチSW27をオフする。電流モニタ回路2Aはコイル5に流れる電流(回生電流)のモニタリングを開始する。このモニタリングが開始されると、比較回路26は、MOSトランジスタTr1のソース−ドレイン間の電圧を抵抗R1、R2で分圧した電圧と基準電圧REF1との比較を開始する。
ここで、図13の時刻t2において、上記のようにH型ブリッジ1のローサイド側のMOSトランジスタTr3、Tr4のオンオフを切り換え、これと同時にMOSトランジスタTr2をオンにすると、MOSトランジスタTr2とMOSトランジスタTr4に貫通電流が流れ、H型ブリッジ1が故障するおそれがある。
このため、制御回路4Aは、電流モニタ回路2Aから出力される電流判定信号NONI1と予め定めてある遅延時間tdとに応じて、ノンオーバーラップ期間T41を決定することになる。このため、ノンオーバーラップ期間T41の最適化を図ることができる。
逆転動作期間T42には、図13(B)〜(E)に示すように、制御信号PG1、NG1はHレベル、制御信号PG2、NG2はLレベルである。このため、MOSトランジスタTr2、Tr3はオンとなり、MOSトランジスタTr1、Tr4はオフとなる。したがって、モータの正転動作時の電流経路は、図16に示すように、電源VDDからの電流IDDが、MOSトランジスタTr2、コイル5、およびMOSトランジスタTr3を経由して電源VSSに至る。このときには、出力端子6、7の電圧OUT1、OUT2は、LレベルとHレベルになる(図13(F)(G)参照)。
また、時刻t4には逆転動作期間T42が終了し、第2動作モード期間T4から第1動作モード期間T3に移行する。
また、ノンオーバーラップ期間T31が開始されると、制御回路4Aは電流モニタ3AのスイッチSW12をオンし、スイッチSW37をオフする。電流モニタ回路3Aはコイル5に流れる電流のモニタリングを開始する。このモニタリングが開始されると、比較回路36は、MOSトランジスタTr2のソース−ドレイン間の電圧を抵抗R3、R4で分圧した電圧と基準電圧REF2との比較を開始する。
このため、モータの電気的時定数、モータの動作電圧や温度などの動作環境にかかわらず、最適なタイミングでローサイド側のMOSトランジスタのオンオフの切り換えを行うことができる。
このため、第2実施形態では、ノンオーバーラップ期間T41、T31において、コイルの電流がほぼ0〔mA〕になったときに、ローサイド側のトランジスタTr3、Tr4のオンオフを切り換えることができるので、電源VDD側に対して逆流電流が流れるのを防止ができ、コイルの両端にキックバック電圧が発生することを防止できる。
(1)上記の実施形態では、H型ブリッジ1のハイサイド側のトランジスタをP型のMOSトランジスタTr1、Tr2とし、そのローサイド側のトランジスタをN型のMOSトランジスタTr3、Tr4とした。この場合には、電源VDDは正の電源となり、電源VSSは負の電源またはグランドとなる。
(2)上記の実施形態の変形例として、H型ブリッジ1のハイサイド側のトランジスタをP型のMOSトランジスタTr1、Tr2からN型のMOSトランジスタに置き換えても良い。
(3)本発明の第2実施形態の変形例について、図18を参照して説明する。
この変形例は、図12に示す第2実施形態の構成を基本にし、以下の構成を追加したものである。すなわち、図18に示すように、抵抗R2と出力端子6との間にスイッチSW28を接続し、抵抗R4と出力端子7との間にスイッチSW38を接続し、スイッチSW28はスイッチSW11と、スイッチSW38はスイッチSW22と同期させてスイッチングさせるようにした。
H型ブリッジ回路1の各トランジスタとコイル5の抵抗成分よりも電流モニタ回路2A、3Aの抵抗R1、R2、R3、R4の抵抗値がが十分に大きい場合は、図12の第2実施形態2の構成で良いが、チップ面積の制約上、抵抗R1、R2、R3、R4を大きくできない場合、リーク電流が発生し、H型ブリッジ回路1の動作に影響を及ぼすおそれがある。その場合は、図18の変形例のように、スイッチSW28、スイッチ38を追加することにより、リーク電流を抑制することが可能となる。
Tr31、Tr32、Tr41、Tr42・・・MOSトランジスタ
SW1〜SW8・・・スイッチ
1・・・H型ブリッジ
2、3、2A、3A・・・電流モニタ回路
4、4A・・・制御回路
5・・・コイル(負荷)
21、31・・・スイッチ部
22、32・・・電流判定部
25、35・・・基準電圧発生回路
26、36・・・比較回路
Claims (9)
- 第1の電源と第2の電源との間に直列に接続される第1及び第2のトランジスタと、
前記第1の電源と前記第2の電源との間に直列に接続される第3及び第4のトランジスタと、
前記第1及び第2のトランジスタの接続点と前記第3及び第4のトランジスタの接続点との間に接続される負荷に流れる電流を検出し、当該検出に応じた信号を出力する電流モニタ回路と、
前記電流モニタ回路の出力信号と前記負荷の通電方向を切り換える切換信号とを入力し、当該入力にしたがって前記第1、第2、第3及び第4のトランジスタの駆動をそれぞれ制御する制御回路と、を備え、
前記制御回路は、
前記第1及び第4のトランジスタをオンにし、前記第2及び前記第3のトランジスタをオフにして、前記負荷に対して第1の通電を行う第1の通電制御と、
前記第1のMOSトランジスタをオンからオフに切り換え、前記第2のトランジスタをオフからオンに切り換え、前記第3のトランジスタのオフを維持し、前記第4のMOSトランジスタをオンからオフに切り換える第1のノンオーバーラップ制御と、
前記第1のMOSトランジスタのオフを維持し、前記第2のトランジスタのオンを維持し、前記第3のトランジスタをオフからオンに切り換え、前記第4のトランジスタのオフを維持して、前記負荷に対して前記第1の通電とは逆の第2の通電を行う第2の通電制御と、
前記第1のトランジスタのオフを維持し、前記第2のトランジスタをオンからオフに切り換え、前記第3のトランジスタをオンからオフに切り換え、前記第4のトランジスタをオフからオンに切り換える第2のノンオーバーラップ制御と、を行い、
前記第1および前記第2のノンオーバーラップ制御における前記第2及び第4のトランジスタのそれぞれのオンオフの切り換えを、前記電流モニタ回路の出力信号にしたがって行うことを特徴とするH型ブリッジ回路。 - 前記電流モニタ回路は、前記第1および第2のノンオーバーラップ制御の期間において前記負荷に流れる電流をそれぞれ検出することを特徴とする請求項1に記載のH型ブリッジ回路。
- 前記第2のトランジスタは、第5のトランジスタと、前記第5のトランジスタに比べてトランジスタサイズが小さな電流測定用の第6のトランジスタとから構成され、
前記第4のトランジスタは、第7のトランジスタと、前記第7のトランジスタに比べてトランジスタサイズが小さな電流測定用の第8のトランジスタとから構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のH型ブリッジ回路。 - 前記電流モニタ回路は、
前記第5のトランジスタをオフにし、前記第6のトランジスタをオンにして、前記負荷に流れる電流を検出する第1の電流モニタ回路と、
前記第7のトランジスタをオフにし、前記第8のトランジスタをオンにして、前記負荷に流れる電流を検出する第2の電流モニタ回路と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のH型ブリッジ回路。 - 前記電流モニタ回路は、
前記第1のトランジスタのソースとドレイン間の電圧を検出し、当該検出に基づいて前記負荷に流れる電流を検出する第1の電流モニタ回路と、
前記第3のトランジスタのソースとドレイン間の電圧を検出し、当該検出に基づいて前記負荷に流れる電流を検出する第2の電流モニタ回路と、
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のH型ブリッジ回路。 - 前記第1および第2のノンオーバーラップ制御の期間は、前記電流モニタ回路の出力信号と予め定めてある遅延時間とに応じて決定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちの何れか1項に記載のH型ブリッジ回路。
- 前記第1及び第3のトランジスタはPMOSトランジスタであり、前記第2及び第4のトランジスタはNMOSトランジスタであり、前記第1の電源は正電源であり、前記第2の電源は負電源又はグランドであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちの何れか1項に記載のH型ブリッジ回路。
- 前記第2及び第4のトランジスタはNMOSトランジスタであり、前記第1及び第3のトランジスタはNMOSトランジスタであり、前記第1の電源は正電源であり、前記第2の電源は負電源又はグランドであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちの何れか1項に記載のH型ブリッジ回路。
- 請求項1乃至請求項8のうちの何れか1項に記載のH型ブリッジ回路を備え、前記H型ブリッジ回路がモータのコイルを駆動することを特徴とするモータ駆動装置。
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