JP2013107539A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決機構】本発明のハイブリッド車両の制御装置では、エンジン始動モータを兼用するモータ/ジェネレータ3を駆動源とするEVモードを選択中、スターターモータ6を用いて走行中のエンジン始動を行うスターターモータ再始動モード時のEVモードでの走行可能領域を、モータ/ジェネレータ3を用いて走行中のエンジン始動を行う通常モータ再始動モード時のEVモードでの走行可能領域よりも拡大する。
【選択図】図4
Description
前記スターターモータは、前記エンジンを始動させる。
前記駆動モータは、前記エンジンと駆動輪に対しモータトルクが伝達可能である。
前記再始動モード切替手段は、前記駆動モータを駆動源とする電気自動車走行モードを選択中、前記スターターモータを用いてエンジン始動を行うスターターモータ再始動モードと、前記駆動モータを用いてエンジン始動を行う通常モータ再始動モードと、を切り替える。
前記EV領域制御手段は、前記スターターモータ再始動モード時、前記電気自動車走行モードでの走行可能領域を、前記通常モータ再始動モード時よりも拡大する。
すなわち、走行中にスターターモータを用いてエンジン始動を行うときには、駆動モータをスターターモータとして機能させる必要がない。そのため、駆動モータをスターターモータとして機能させる際に確保するエンジン始動のための余力トルク(エンジン始動トルク)を駆動モータに残す必要がなくなる。これにより、駆動モータの持つ最大出力トルクを走行駆動のトルクとして利用することが可能となる。
この結果、駆動モータを走行駆動源とする電気自動車走行モードでの走行可能領域の拡大を図ることができる。
実施例1のFFハイブリッド車両(ハイブリッド車両の一例)の制御装置の構成を、「全体システム構成」、「EV領域制御構成」、「再始動モード切替構成」に分けて説明する。
図1は、実施例1の制御装置が適用されたFFハイブリッド車両を示す全体システム図である。図2は、EVモードとHEVモードとの遷移条件を示す説明図である。以下、図1に基づいて、FFハイブリッド車両の全体システム構成を説明する。
ここで、システム要求始動条件を列挙すると、路面勾配、エアコン条件、エンジンフード、エンジン水温、大気圧、ブレーキ負圧、変速機作動油温、第1クラッチフェーシング推定温度、高電圧バッテリSOC、高電圧バッテリ出力可能電圧、モータ発生可能トルク、駆動力以外の消費電力、フロントデフォッガースイッチ、リヤデフォッガースイッチ、三元触媒の酸素濃度、等がある。
図3は、実施例1の制御装置が適用されたFFハイブリッド車両の統合コントローラで実行されるEV領域制御処理の流れを示すフローチャートである(EV領域制御手段)。図4は、スターターモータをエンジン始動に用いるときのEV−HEV選択マップ(EVモード走行領域拡大マップ)を示すモード特性図である。図5は、駆動モータをエンジン始動に用いるときのEV−HEV選択マップ(EVモード走行領域通常マップ)を示すモード特性図である。
以下、EV領域制御構成をあらわす図3の各ステップについて説明する。
ここで、スターターモータ6によるエンジン始動の可否判断は、後述する再始動モード切替処理に基づいて行う。
ここで、上記「回転上昇アシスト分のトルク」とは、スターターモータ6によるクランキングトルクと初爆トルクでエンジン回転数を十分に上げられない場合を想定してモータ/ジェネレータ3に残しておく余裕トルクである。
また、上記「スターターモータ6を用いてエンジン始動が可能な車速域」とは、図4に示す下限閾値VSP1から上限閾値VSP2の間の車速域である。この下限閾値VSP1は、暗騒音(=環境騒音)によってスターターモータ6の飛び込み音や駆動音が乗員に聞こえなくなり、乗員に違和感を感じさせない車速閾値である。車速VSPが低くなると暗騒音が小さくなり、スターターモータ6によるエンジン始動ができない。また、上限閾値VSP2は、スターターモータ6によりエンジン1のクランキングに必要なエンジン回転数を出力できる車速閾値である。車速VSPが高くなるとクランキングに必要なエンジン回転数が高くなってしまい、スターターモータ6によるエンジン始動ができない。
なお、この「EVモード走行領域拡大マップ」において、スターターモータ6を用いてエンジン始動が可能な車速域以外の車速域では、EV⇒HEV切替線を、モータ/ジェネレータ3の最大出力トルクから、エンジン始動トルクを差し引いた値とする。
図6は、実施例1の制御装置が適用されたFFハイブリッド車両の統合コントローラで実行される再始動モード切替処理の流れを示すフローチャートである(再始動モード切替手段)。図7は、スターターモータ再始動モードと通常モータ再始動モードとの遷移条件を示す説明図である。
以下、再始動モード切替構成をあらわす図6の各ステップについて説明する。
ここで、エンジン停止の判断は、エンジン回転数センサ27からのエンジン回転数情報、又は、逆回転検知センサ29からのエンジン状態情報に基づいて行う。エンジン回転数が所定回転数以下になった場合や、エンジン回転状態が予め設定した停止状態となった場合には、エンジン停止と判断する。
なお、第1,第2低電圧バッテリ7,8が劣化していると、低電圧系回路の電圧低下が所定閾値以下になり、システムが瞬間停止するおそれがあるため、スターターモータ6の使用を制限する。
ここで、バッテリSOC状態(バッテリ充電状態)は、第1,第2低電圧バッテリ7,8の出力電圧やDC/DCコンバータ11の充電状態に基づいて判断する。
なお、長期間放置される等して第1,第2低電圧バッテリ7,8が放電している場合には、スターターモータ6への電力供給を十分に行うことができず、エンジン始動に時間がかかったり、システムが瞬間停止するおそれがあるため、スターターモータ6の使用を制限する。
なお、PCTヒータが駆動中等の第1,第2電装負荷14,15での消費電力が大きい場合では、システムが瞬間停止する閾値に対するマージンが小さくなり、低電圧系回路の電圧低下がこの閾値以下になりやすくなるため、スターターモータ6の使用を制限する。
なお、スターターモータ6によるエンジン始動直後はモータ温度が上がるため、次回始動不能や耐久性への影響を考慮して、スターターモータ6の使用を制限する。
なお、スターターモータ6によるエンジン始動の回数によって耐久性に影響が生じる部品等があるため、スターターモータ6の使用を制限する。
ここで、ドライバーによる駆動要求とは、アクセル開度APOに基づいて判断する。アクセルが踏み込まれれば(アクセル開度が大になれば)、駆動要求(加速要求)があったと判断する。また、モータ/ジェネレータ3によってエンジン始動した場合に、現在の駆動力が維持できれば、モータ/ジェネレータ3によるエンジン始動が可能と判断する。
なお、モータ/ジェネレータ3を用いてエンジン始動することで、スターターモータ6の劣化を防止し、運転性や騒音振動性能を優先することができるため、スターターモータ6の使用を制限する。
図8は、実施例1の制御装置が適用されたFFハイブリッド車両で、スターターモータによるエンジン始動が可能になるときのエンジン回転数・エンジン燃料噴射状態・スターターモータスタンバイ判定・ドライバー要求駆動力・EV⇒HEV切替線の各特性を示すタイムチャートである。
このとき、燃料供給が停止してもエンジン1は惰性により回転しエンジン回転数は変動しない。そのため、図6に示すフローチャートにおいてステップS10→ステップS18へと進み、通常モータ再始動モードが設定される。つまり、ドライバーの要求駆動力の低下によりエンジン1への燃料供給がOFFしても、スターターモータ6を用いてエンジン始動することはできず、スターターモータ6のスタンバイ判定はOFFのままである。
これにより、EV−HEV選択マップとして「EVモード走行領域通常マップ」が用いられ、EV⇒HEV切替線はモータ/ジェネレータ最大出力トルクからエンジン始動トルクを引いた値に設定される。これにより、モータ/ジェネレータ3の出力可能トルクがエンジン始動トルクによって制限された状態となり、EV⇒HEV切替線が要求駆動力に対して低い値となる。
このとき、エンジン1は惰性により回転し続けているためエンジン回転数は低下しておらず、図6に示すフローチャートにおいてステップS10→ステップS18へと進み、通常モータ再始動モードが設定され続ける。
また、上限閾値VSP2を、スターターモータ6によりエンジン1のクランキングに必要なエンジン回転数を出力できる車速閾値に設定している。このため、スターターモータ6によるエンジン始動時の車速VSPが制限され、スターターモータ6によるエンジン始動を確保して、エンジン始動性の悪化を防止できる。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
前記エンジン1を始動させるスターターモータ6と、
前記エンジン1と前輪16,16に対しモータトルクが伝達可能であるモータ/ジェネレータ3と、
前記モータ/ジェネレータ3を駆動源とする電気自動車走行モードを選択中、前記スターターモータ6を用いて走行中のエンジン始動を行うスターターモータ再始動モードと、前記モータ/ジェネレータ3を用いて走行中のエンジン始動を行う通常モータ再始動モードと、を切り替える再始動モード切替手段(図6)と、
前記スターターモータ再始動モード時、前記電気自動車走行モードでの走行可能領域を、前記通常モータ再始動モード時よりも拡大するEV領域制御手段(図3)と、
を備えた構成とした。
これにより、モータ/ジェネレータ3を走行駆動源とする電気自動車走行モードでの走行可能領域の拡大を図ることができる。
これにより、スターターモータを用いた走行中のエンジン始動が可能であると適切に判断した上で、EVモード走行可能領域の拡大を行うことができ、エンジン始動性が悪化することを防止できる。
前記再始動モード切替手段(図6)は、前記エンジンが停止したとき、前記スターターモータ再始動モードを設定する構成とした。
これにより、スターターモータ6を用いたエンジン始動をスムーズに行うことができ、エンジン始動遅れの発生を防止できる。
前記再始動モード切替手段(図6)は、前記第1低電圧バッテリ7が劣化している場合、前記第1低電圧バッテリ7の充電状態が低い場合、前記第1低電圧バッテリ7に接続された第1電装負荷14による消費電力が高い場合、のいずれかのとき、前記通常モータ再始動モードを設定する構成とした。
これにより、スターターモータ6を用いたエンジン始動時に第1低電圧バッテリ7からの出力電圧が低下し、第1電装負荷14の動作に影響を与えることを防止できる。
これにより、スターターモータ6の過熱により、スターターモータ6を用いたエンジン始動システムや、スターターモータ6の耐久性に影響を与えることを防止できる。
これにより、スターターモータ6を用いたエンジン始動システムの劣化により、スターターモータ6によるエンジン始動性能に影響を与えることを防止できる。
これにより、スターターモータ6を用いたエンジン始動システムの劣化を防止すると共に、運転性や騒音振動性能を優先することができる。
この場合であっても、スターターモータ6を用いたエンジン始動をスムーズに行うことができ、エンジン始動遅れの発生を防止できる。
なお、「回転同期式スターターモータ」とは、エンジン1の回転とスターターモータ6の回転が同期したときに、エンジン1とスターターモータ6が結合するスターターモータである。この場合、例えばクランク角センサ28からのクランク角情報に基づいてエンジン回転状態を判断する。
また、「クランキング可能な回転数」とは、スターターモータ6によりクランキングトルクを出力することができる回転数である。エンジン回転数が、この「クランキング可能な回転数」より大きい場合には、スターターモータ6はクランキングトルクを出力することはできない。
この場合であっても、スターターモータ6を用いたエンジン始動をスムーズに行うことができ、エンジン始動遅れの発生を防止できる。
なお、「常時噛み合い式スターターモータ」とは、エンジン1とスターターモータ6が常時結合しているスターターモータである。
これにより、モータ/ジェネレータ3によって出力可能なトルクをすべて走行駆動源として利用することができ、EVモードによる走行可能領域のさらなる拡大を図ることができる。
しかし、スターターモータ6に対して主に電力供給する第1低電圧バッテリ7の劣化状態やバッテリSOC、さらに、この第1低電圧バッテリ7から主に電力供給を受ける第1電装負荷14の消費電力についてのみ、スターターモータ6による再始動条件としてもよい。
2 第1クラッチ
3 モータ/ジェネレータ(駆動モータ)
4 第2クラッチ
5 ベルト式無断変速機
6 スターターモータ
7 第1低電圧バッテリ
8 第2低電圧バッテリ
9 回路遮断リレー
10 突入電流防止リレー
11 DC/DCコンバータ
12 高電圧バッテリ
13 インバータ
14 第1電装負荷
15 第2電装負荷
16 前輪(駆動輪)
17 後輪
20 エンジンコントローラ
21 CVTコントローラ
22 モータコントローラ
23 統合コントローラ
24 CAN通信線
Claims (9)
- エンジンと、
前記エンジンを始動させるスターターモータと、
前記エンジンと駆動輪に対しモータトルクが伝達可能である駆動モータと、
前記駆動モータを駆動源とする電気自動車走行モードを選択中、前記スターターモータを用いて走行中のエンジン始動を行うスターターモータ再始動モードと、前記駆動モータを用いて走行中のエンジン始動を行う通常モータ再始動モードと、を切り替える再始動モード切替手段と、
前記スターターモータ再始動モード時、前記電気自動車走行モードでの走行可能領域を、前記通常モータ再始動モード時よりも拡大するEV領域制御手段と、
を備えたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記EV領域制御手段は、前記スターターモータを用いてエンジン始動可能な車速域のとき、前記電気自動車走行モードでの走行可能領域を、前記通常モータ再始動モード時よりも拡大する
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記スターターモータは、飛び込み式スターターモータであり、
前記再始動モード切替手段は、前記エンジンが停止したとき、前記スターターモータ再始動モードを設定する
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記スターターモータは、回転同期式スターターモータであり、
前記再始動モード切替手段は、前記エンジンと前記スターターモータが結合すると共に、前記エンジンの回転数がクランキング可能な回転数となったとき、前記スターターモータ再始動モードを設定する
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記スターターモータは、常時噛み合い式スターターモータであり、
前記再始動モード切替手段は、前記エンジンの回転数がクランキング可能な回転数となったとき、前記スターターモータ再始動モードを設定する
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記スターターモータに電力供給を行うバッテリを備え、
前記再始動モード切替手段は、前記バッテリが劣化している場合、前記バッテリの充電状態が低い場合、前記バッテリに接続された電装負荷による消費電力が高い場合、のいずれかのとき、前記通常モータ再始動モードを設定する
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記再始動モード切替手段は、前記スターターモータの温度が所定閾値以上のとき、前記通常モータ再始動モードを設定する
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記再始動モード切替手段は、前記スターターモータの使用回数が所定閾値以上のとき、前記通常モータ再始動モードを設定する
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
前記再始動モード切替手段は、ドライバー加速要求がなく、且つ、前記駆動モータによる走行中のエンジン始動を行っても駆動力を維持できるとき、前記通常モータ再始動モードを設定する
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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