まず、構成を説明する。実施例1の制御装置が適用されたFFプラグインハイブリッド車両(ハイブリッド車両の一例)の構成を、「駆動システム構成」、「電源システム構成」、「制御システム構成」、に分けて説明する。
[駆動システム構成]
図1はFFプラグインハイブリッド車両の全体を示す。以下、図1に基づいて、FFプラグインハイブリッド車両の駆動システム構成を説明する。
前記駆動システムとして、図1に示すように、スタータモータ1(略称「M」)と、横置きエンジン2(エンジン、略称「ICE」)と、第1クラッチ3(クラッチ、略称「CL1」)と、モータ/ジェネレータ4(走行用モータ、略称「M/G」)と、第2クラッチ5(略称「CL2」)と、ベルト式無段変速機6(変速機、略称「CVT」)と、を備えている。ベルト式無段変速機6の出力軸は、終減速ギヤトレイン7と差動ギヤ8と左右のドライブシャフト9R,9Lを介し、左右の前輪10R,10L(駆動輪)に駆動連結される。なお、左右の後輪11R,11Lは、従動輪としている。
前記スタータモータ1は、横置きエンジン2のクランク軸に設けられたエンジン始動用ギヤに噛み合うギヤを持ち、後述するキャパシタ23を電源とし、エンジン始動時にクランク軸を回転駆動するクランキングモータである。
前記横置きエンジン2は、クランク軸方向を車幅方向としてフロントルームに配置したエンジンであり、電動ウォータポンプ12と、横置きエンジン2の逆転を検知するクランク軸回転センサ13と、を有する。
前記第1クラッチ3は、横置きエンジン2とモータ/ジェネレータ4との間に介装された油圧作動によるノーマルオープンの乾式多板摩擦クラッチであり、第1クラッチ油圧により完全締結/スリップ締結(スリップ状態)/開放が制御される。
前記モータ/ジェネレータ4は、第1クラッチ3を介して横置きエンジン2に連結された三相交流の永久磁石型同期モータである。このモータ/ジェネレータ4は、後述する強電バッテリ21を電源とし、ステータコイルには、力行時に直流を三相交流に変換し、回生時に三相交流を直流に変換するインバータ26が、ACハーネス27を介して接続される。
前記第2クラッチ5は、モータ/ジェネレータ4と駆動輪である左右の前輪10R,10Lとの間に介装された油圧作動による湿式の多板摩擦クラッチであり、第2クラッチ油圧により完全締結/スリップ締結(スリップ状態)/開放が制御される。実施例1の第2クラッチ5は、遊星ギヤによるベルト式無段変速機6の前後進切替機構に設けられた前進クラッチ5aと後退ブレーキ5bを流用している。つまり、前進走行時には、前進クラッチ5aが第2クラッチ5とされ、後退走行時には、後退ブレーキ5bが第2クラッチ5とされる。
前記ベルト式無段変速機6は、変速機入力軸inputに接続したプライマリプーリPrPと、変速機出力軸outputに接続したセカンダリプーリSePと、プライマリプーリPrPとセカンダリプーリSePとの間に架け渡されたプーリベルトBEと、を有する無段変速機である。
プライマリプーリPrPは、変速機入力軸inputに固定された固定シーブと、変速機入力軸inputに摺動自在に支持された可動シーブと、を有している。セカンダリプーリSePは、変速機出力軸outputに固定された固定シーブと、変速機出力軸outputに摺動自在に支持された可動シーブと、を有している。
プーリベルトBEは、プライマリプーリPrPとセカンダリプーリSePとの間に巻き掛けられた金属ベルトであり、それぞれの固定シーブと可動シーブとの間に挟持される。ここでは、固定シーブと可動シーブとのそれぞれに接する傾斜面を両側にもった多数のエレメントを重ね、薄板を層状に重ねると共に円環状に形成したリング2組を、エレメントの両側に挟み込ませることで構成された、いわゆるVDT型ベルトを使用している。
このベルト式無段変速機6は、プライマリ油室とセカンダリ油室への変速油圧によりベルトの巻き付き径を変えることで無段階の変速比を得る変速機である。すなわち、変速油圧により、プライマリプーリPrPの可動シーブ及びセカンダリプーリSePの可動シーブの各可動シーブを摺動させることにより両プーリPrP,SePのプーリ幅を変更し、プーリベルトBEの挟持面の径を変更して変速比(プーリ比)を自在に制御する。
このベルト式無段変速機6には、メインオイルポンプ14(メカ駆動、第1クラッチ3等の油圧源となるオイルポンプ)と、サブオイルポンプ15(モータ駆動)と、ポンプ吐出圧を調圧することで生成したライン圧を元圧として第1,第2クラッチ油圧及び変速油圧を作り出す図外のコントロールバルブユニットと、を有する。なお、メインオイルポンプ14は、モータ/ジェネレータ4のモータ軸(=変速機入力軸)により回転駆動される。サブオイルポンプ15は、主に潤滑冷却用油を作り出す補助ポンプとして用いられる。
ここで、プライマリプーリPrPのプーリ幅が広くなると共に、セカンダリプーリSePのプーリ幅が狭くなると変速比がLow側に変化する。また、プライマリプーリPrPのプーリ幅が狭くなると共に、セカンダリプーリSePのプーリ幅が広くなると変速比がHigh側に変化する。
前記第1クラッチ3とモータ/ジェネレータ4と第2クラッチ5により1モータ・2クラッチの駆動システムが構成され、この駆動システムによる主な駆動態様として、「EVモード」と「HEVモード」と「WSCモード」を有する。
前記「EVモード」は、第1クラッチ3を開放し、第2クラッチ5を締結してモータ/ジェネレータ4のみを駆動源に有する電気自動車モードであり、「EVモード」による走行を「EV走行」という。
前記「HEVモード」は、両クラッチ3,5を締結して横置きエンジン2とモータ/ジェネレータ4を駆動源に有するハイブリッド車モードであり、「HEVモード」による走行を「HEV走行」という。また、「HEVモード」は、モータアシストモード(モータ力行)・エンジン発電モード(ジェネレータ回生)・減速回生発電モード(ジェネレータ回生)を有する。
前記「WSCモード」は、モータ/ジェネレータ4をモータ回転数制御とし、第2クラッチ5を要求駆動力相当の伝達トルク容量にてスリップ締結するCL2スリップ締結モードである。この「WSCモード」は、駆動系にトルクコンバータのような回転差吸収継手を持たないことで、「HEVモード」での停車からの発進域等において、横置きエンジン2(アイドル回転数以上)と左右前輪10L,10Rの回転差をCL2スリップ締結により吸収するために選択される。
前記モータ/ジェネレータ4は、基本的にブレーキ操作時において回生動作を行うことに伴い、ブレーキ操作時にトータル制動トルクをコントロールする回生協調ブレーキユニット16を有する。この回生協調ブレーキユニット16は、ブレーキペダルと電動ブースタとマスタシリンダを備え、電動ブースタは、ブレーキ操作時、ペダル操作量にあらわれる要求制動力から回生制動力を差し引いた分を液圧制動力で分担するというように、回生分/液圧分の協調制御を行う。
[電源システム構成]
図1はFFプラグインハイブリッド車両の全体システムを示す。以下、図1に基づいて、FFプラグインハイブリッド車両の電源システム構成を説明する。
前記電源システムとしては、図1に示すように、モータ/ジェネレータ電源としての強電バッテリ21と、12V系負荷電源としての12Vバッテリ22と、スタータ電源としてのキャパシタ23と、を備えている。
前記強電バッテリ21は、モータ/ジェネレータ4の電源として搭載された二次電池であり、例えば、多数のセルを積層したセルモジュールを、バッテリパックケース内に設定したリチウムイオンバッテリ(略称「LB」)が用いられる。この強電バッテリ21には、強電の供給/遮断/分配を行うリレー回路を集約させたジャンクションボックスが内蔵され、さらに、エアコン機能を持つバッテリ温度調整ユニット24と、バッテリ充電容量(バッテリSOC)やバッテリ温度を監視するリチウムバッテリコントローラ86と、が付設される。
前記強電バッテリ21とモータ/ジェネレータ4は、DCハーネス25とインバータ26とACハーネス27を介して接続される。インバータ26には、強電の供給/遮断/分配を行うリレー回路を集約させたジャンクションボックス28が内蔵され、さらに、暖房回路29と電動エアコン30と、力行/回生制御を行うモータコントローラ83と、が付設される。つまり、インバータ26は、強電バッテリ21の放電によりモータ/ジェネレータ4を駆動する力行時、DCハーネス25からの直流をACハーネス27への三相交流に変換する。また、モータ/ジェネレータ4での発電により強電バッテリ21を充電する回生時、ACハーネス27からの三相交流をDCハーネス25への直流に変換する。また、モータコントローラ83は、モータ/ジェネレータ温度(モータ温度、M/G温度)やモータ印加電流値等を監視する。ここで、モータ印加電流値とは、力行時、強電バッテリ21から放電される電力を、インバータ26により三相交流電力に変換して印加する電流値である。
前記強電バッテリ21には、DCハーネス31を介して急速外部充電ポート32が接続されるとともに、DC分岐ハーネス25’と充電器33とACハーネス34とを介して普通外部充電ポート35が接続される。充電器33は、AC/DC変換や電圧変換を行う。急速外部充電時には、例えば、外出先等に設置されている充電スタンドのコネクタプラグを、急速外部充電ポート32に接続することで外部充電される(急速外部充電)。普通外部充電時には、例えば、家庭用電源からのコネクタプラグを、普通外部充電ポート35に接続することで外部充電される(普通外部充電)。
前記12Vバッテリ22は、スタータモータ1を除いた他の補機類である図外の12V系負荷の電源として搭載された二次電池であり、例えば、エンジン車等で一般的に搭載されている鉛バッテリが用いられる。強電バッテリ21と12Vバッテリ22は、DC分岐ハーネス25”とDC/DCコンバータ37とバッテリハーネス38を介して接続される。DC/DCコンバータ37は、強電バッテリ21からの数百ボルト電圧を12Vに変換するものであり、このDC/DCコンバータ37を、ハイブリッドコントロールモジュール81により制御することで、12Vバッテリ22の充電量を管理する構成としている。
前記キャパシタ23は、スタータモータ1の専用電源として搭載された蓄電デバイスであり、大きな静電容量を有し、急速充放電性能に優れた特徴を持つ電気二重層キャパシタ(eDLC:electric Double Layer Capacitor)と呼ばれるものが用いられる。12Vバッテリ22及びDC/DCコンバータ37等を含む補機負荷電源系とキャパシタ23は、バッテリ分岐ハーネス38’とキャパシタ充電回路41を介して接続される。また、キャパシタ23とスタータモータ1は、キャパシタハーネス42及びリレースイッチ44等を介して接続される。なお、キャパシタ23とキャパシタ充電回路41等によりDLCユニット45を構成する。また、リレースイッチ44の通電(オン)/遮断(オフ)は、ハイブリッドコントロールモジュール81により行われる。このリレースイッチ44が通電(オン)されている間、キャパシタ23の電力を用いてスタータモータ1が駆動する。
前記キャパシタ充電回路41は、スイッチング方式による半導体リレー内蔵のDC/DCコンバータ回路(スイッチング素子とチョークコイルとコンデンサとダイオードの組み合わせ回路)により構成される。このキャパシタ充電回路41は、ハイブリッドコントロールモジュール81により制御される半導体リレー51とDC/DCコンバータ52を有する。半導体リレー51は、半導体スイッチング素子を使用した無接点リレーであり、例えば、絶縁された入出力の空間を光の信号で伝達するフォトカプラと呼ばれる光半導体を用いた構成としている。この半導体リレー51は、12Vバッテリ22及びDC/DCコンバータ37等を含む補機負荷電源系からキャパシタ23を切り離したり接続したりするスイッチ機能を持つ。DC/DCコンバータ52は、入力された直流をスイッチング素子によってパルス電流に細分し、それらを繋ぎ合わせて必要な電圧の直流出力を得ることで、12V直流を13.5V直流に変換する機能とキャパシタ充電電流を切り替える機能を持つ。
[制御システム構成]
図1はFFプラグインハイブリッド車両の全体システムを示す。以下、図1に基づいて、FFプラグインハイブリッド車両の制御システム構成を説明する。
前記制御システムとしては、図1に示すように、車両全体の消費エネルギを適切に管理する機能を担う統合制御手段として、ハイブリッドコントロールモジュール81(略称:「HCM」)を備えている。このハイブリッドコントロールモジュール81に接続される制御手段として、エンジンコントロールモジュール82(略称:「ECM」)と、モータコントローラ83(略称:「MC」)と、CVTコントロールユニット84(略称:「CVTCU」)と、を有する。そして、データ通信モジュール85(略称:「DCM」)と、リチウムバッテリコントローラ86(略称:「LBC」)と、を有する。これらの制御手段は、ハイブリッドコントロールモジュール81とDLCユニット45を接続するLIN通信線89(LIN:「Local Interconnect Network」の略称)を除き、CAN通信線90(CANは「Controller Area Network」の略称)により双方向情報交換可能に接続される。
前記ハイブリッドコントロールモジュール81は、各制御手段、イグニッションスイッチ91、アクセル開度センサ92、車速センサ93、アクセルペダルセンサ95等からの入力情報に基づき、様々な制御を行う。このうち、外部充電が可能なFFプラグインハイブリッド車両を高い燃費効率で走らせることを目的として行われる制御が、強電バッテリ21のバッテリSOCに基づく走行モード(「CDモード」、「CSモード」)の選択制御である。
前記「CDモード(Charge Depleting mode)」は、原則として、強電バッテリ21の電力を消費するEV走行を優先するモードであり、例えば、強電バッテリ21のバッテリSOCがフルSOCから設定SOCまで低下する間にて選択される。但し、EV走行では駆動力が不足する高負荷走行等において、例外的にHEV走行が行われる。この「CDモード」の選択中における横置きエンジン2の始動は、スタータモータ1による始動(スタータ始動)を基本とし、モータ/ジェネレータ4による始動(強電始動、M/G始動)を例外とする。
前記「CSモード(Charge Sustain mode)」は、原則として、強電バッテリ21の電力を維持するHEV走行を優先するモードであり、強電バッテリ21のバッテリSOCが設定SOC以下になると選択される。つまり、強電バッテリ21のバッテリSOCを所定範囲に維持する必要があるとき、横置きエンジン2の駆動によりモータ/ジェネレータ4を発電させるエンジン発電によるHEV走行を行う。この「CSモード」の選択中における横置きエンジン2の始動は、モータ/ジェネレータ4による始動(強電始動、M/G始動)を基本とし、スタータモータ1による始動(スタータ始動)を例外とする。なお、モード切り替え閾値である「設定SOC」は、CDモード→CSモードのときの値と、CSモード→CDモードのときの値とでヒステリシスを持たせている。
前記ハイブリッドコントロールモジュール81は、エンジン始動制御を行う。エンジン始動制御は、モータ/ジェネレータ4を駆動源とするEVモードにてエンジン始動要求があると、モータ/ジェネレータ4を用いた強電始動と、スタータモータ1を用いたスタータ始動と、のいずれかを用いてエンジンを始動する制御である。
ここで、エンジンの始動が要求される場合とは、例えば、駆動力要求による場合とシステム要求による場合等である。
駆動力要求による場合とは、例えば、ドライバが要求する要求駆動力(ドライバのアクセルペダル操作によるアクセル開度APO等)がモータ/ジェネレータ4が出力可能な上限の駆動力を超えている場合等である。また、アクセル開度APOが一定であっても、車速VSPが上昇することにより、駆動力要求になる。
システム要求による場合とは、例えば、バッテリSOCの低下による強電バッテリ21への充電要求による場合や、冷却水の温度が低下したことによる場合等がある。
前記ハイブリッドコントロールモジュール81は、入力された情報に基づき、モータコントローラ83へモータ/ジェネレータ4のモータ回転数指令等を出力する。ハイブリッドコントロールモジュール81は、リレースイッチ44の通電(オン)/遮断(オフ)制御を行う。
前記ハイブリッドコントロールモジュール81では、上記の制御以外に、キャパシタ23への充電制御、キャパシタ23からの放電制御を行う。
前記エンジンコントロールモジュール82は、横置きエンジン2の燃料噴射制御や点火制御や燃料カット制御等を行う。モータコントローラ83は、インバータ26によるモータ/ジェネレータ4の力行制御や回生制御等を行うとともに、モータ/ジェネレータ温度やモータ印加電流値等を管理する。このモータコントローラ83は、ハイブリッドコントロールモジュール81からのモータ回転数指令に従って、モータ/ジェネレータ4を回転駆動させるモータ回転数制御を行う。
前記CVTコントロールユニット84は、第1クラッチ3の締結油圧制御、第2クラッチ5の締結油圧制御、ベルト式無段変速機6の変速油圧制御等を行う。データ通信モジュール85は、携帯リモコンキーのスイッチを遠隔操作したとき、携帯リモコンキーとの間で通信が成立すると、例えば、充電ポートリッドやコネクタロック機構のロック/アンロックの制御を行う。リチウムバッテリコントローラ86(充電容量検出手段)は、強電バッテリ21のバッテリSOCやバッテリ温度等を管理する。
図2はハイブリッドコントロールモジュール81にて実行されるエンジン始動制御処理流れを示す(エンジン始動制御手段)。以下、エンジン始動制御処理構成をあらわす図2の各ステップについて説明する。なお、このエンジン始動制御処理は、モータ/ジェネレータ4を駆動源とするEVモードが選択されているときに、「START」する。
ステップS1では、エンジン始動要求が有るか否かを判断する。YES(エンジン始動要求有り)の場合はステップS10へ進み、NO(エンジン始動要求無し)の場合はステップS1を繰り返す。
ステップS10では、ステップS1でのエンジン始動要求有りの判断に続き、車速センサ93からの入力情報に基づき、車速VSPがゼロか否かを判断する。YES(VSP=0)の場合はステップS20へ進み、NO(VSP>0)の場合はステップS30へ進む。
ステップS20では、ステップS10での「VSP=0」の判断に続き、急加速判定、すなわち、ドライバのアクセル踏み込み操作速度により加速意図(以下、「ドライバの加速意図」という。)の有無を判定する(加速意図判定手段)。YES(ドライバの加速意図有り)の場合はステップS24へ進み、NO(ドライバの加速意図無し)の場合はステップS25へ進む。この加速意図判定処理流れを、図3のフローチャートに示す(加速意図判定手段)。以下、ステップS20における加速意図判定処理構成をあらわす図3の各ステップ(ステップS21〜ステップS23)について説明する。
ステップS21では、アクセル開度センサ92からの入力情報に基づき、アクセル開度APOが所定のアクセル開度より大きいか否かを判定する(アクセル開度判定部)。例えば、アクセル開度を8段階とした場合に、アクセル開度センサ92からの入力情報が4段階(所定のアクセル開度)よりも大きいか否かを判定する。YES(APO>4/8)の場合はステップS22へ進み、NO(APO≦4/8)の場合は「ドライバの加速意図無し」すなわち図2のステップS25へ進む。
ここで、所定のアクセル開度は、アクセル踏み込み操作により、「EVモード」から「HEVモード」へ切り替わるときの車速VSPに応じたアクセル開度APOに設定される。
ステップS22では、ステップS21での「APO>4/8」の判断に続き、アクセルペダルセンサからの入力情報(アクセルペダルの踏込量)に基づき、図外のアクセルペダルの踏込速度(以下、「踏込速度」という。)が所定の踏込速度より大きいか否かを判定する(アクセルペダル踏込速度判定部)。すなわち、アクセルペダルの踏込量の単位時間(例えば10ms)当たりの増加量(踏込速度)を算出し、この踏込速度(アクセル踏み込み操作速度相当値)が所定の踏込速度(所定値)より大きいか否かを判定する。YES(踏込速度>所定の踏込速度)の場合は「ドライバの加速意図有り」すなわち図2のステップS24へ進み、NO(踏込速度≦所定の踏込速度)の場合はステップS23へ進む。
ここで、所定の踏込速度は、予め感応試験等によって設定される。すなわち、それを越えてアクセル踏み込み操作速度が変化することで、ドライバの要求駆動力が高く、速やかなエンジン始動が望まれるという下限値を推定して設定する。
ステップS23では、ステップS22での「踏込速度≦所定の踏込速度」の判断に続き、アクセル開度センサ92からの入力情報から、単位時間(例えば10ms)当たりのアクセル開度変化量が所定の変化量より大きいか否かを判定する(アクセル開度変化量判定部)。すなわち、アクセル開度の単位時間当たりのアクセル開度変化量(増加量)ΔAPOを算出し、このアクセル開度変化量ΔAPO(アクセル踏み込み操作速度相当値)が所定の変化量(所定値)より大きいか否かを判定する。YES(ΔAPO>所定の変化量)の場合は「ドライバの加速意図有り」すなわち図2のステップS24へ進み、NO(ΔAPO≦所定の変化量)の場合は「ドライバの加速意図無し」すなわち図2のステップS25へ進む。
ここで、所定の変化量は、予め感応試験等によって設定される。すなわち、それを越えてアクセル踏み込み操作速度が変化することで、ドライバの要求駆動力が高く、速やかなエンジン始動が望まれるという下限値を推定して設定する。
ステップS24では、ステップS20でのドライバの加速意図有りの判断に続き、横置きエンジン2の始動としてスタータモータ1を用いたスタータ始動を実行し、エンドへ進む。このステップS24では、ベルト式無段変速機6の変速比は変速しない。
また、モータ/ジェネレータ4のモータ回転数を、第1クラッチ3の締結油圧を発生させるモータ回転数まで高めるモータ回転数指令を、ハイブリッドコントロールモジュール81からモータコントローラ83へ出力する。さらに、CVTコントロールユニット84は、スリップ状態にある第2クラッチ5の伝達トルク容量を徐々に高める第2クラッチ5の締結油圧制御を行う。
ステップS25では、ステップS20でのドライバの加速意図無しの判断に続き、横置きエンジン2の始動としてモータ/ジェネレータ4を用いた強電始動を実行し、エンドへ進む。
ステップS30では、ステップS10での「VSP>0」の判断に続き、エンジン始動要求時の第1クラッチ3を挟んだ横置きエンジン2とモータ/ジェネレータ4との差回転が所定の差回転より大きいか否かを判定する。すなわち、横置きエンジン2及びモータ/ジェネレータ4の回転数から、第1クラッチ3を挟んだ横置きエンジン2とモータ/ジェネレータ4との差回転(以下、単に「差回転」という。)を演算する(差回転演算手段)。なお、エンジン始動要求時、横置きエンジン2の回転数はゼロであるから、その差回転はモータ/ジェネレータ4のモータ回転数に等しい(差回転=モータ回転数)。この差回転が所定の差回転より大きいか否かを判定する。YES(差回転>所定の差回転)の場合はステップS40へ進み、NO(差回転≦所定の差回転)の場合はステップS70へ進む。
ここで、所定の差回転は、変速時間を考慮したエンジン始動時間に応じて設定される。エンジン始動時間は、エンジン始動から第1クラッチ3のロックアップが完了するまでの時間である。
ステップS40では、ステップS30での「差回転>所定の差回転」の判断に続き、急加速判定、すなわち、ドライバの加速意図の有無を判定する(加速意図判定手段)。YES(ドライバの加速意図有り)の場合はステップS60へ進み、NO(ドライバの加速意図無し)の場合はステップS50へ進む。この加速意図判定処理流れを、図3のフローチャートに示す(加速意図判定手段)。以下、ステップS40における加速意図判定処理構成をあらわす図3の各ステップ(ステップS41〜ステップS43)について説明する。
ステップS41では、YES(APO>4/8)の場合はステップS42へ進み、NO(APO≦4/8)の場合は「ドライバの加速意図無し」すなわち図2のステップS50へ進む以外は、ステップS21と同一であるから説明を省略する。
ステップS42では、YES(踏込速度>所定の踏込速度)の場合は「ドライバの加速意図有り」すなわち図2のステップS60へ進み、NO(踏込速度≦所定の踏込速度)の場合はステップS43へ進む以外は、ステップS22と同一であるから説明を省略する。
ステップS43では、YES(ΔAPO>所定の変化量)の場合は「ドライバの加速意図有り」すなわち図2のステップS60へ進み、NO(ΔAPO≦所定の変化量)の場合は「ドライバの加速意図無し」すなわち図2のステップS50へ進む以外は、ステップS23と同一であるから説明を省略する。
ステップS50では、ステップS40でのドライバの加速意図無しの判断に続き、始動後アシスト余裕判定を行う。すなわち、始動後アシスト余裕判定として、強電バッテリ21の状態に基づき、横置きエンジン2が始動後に、モータ/ジェネレータ4により横置きエンジン2をトルクアシストするアシスト余裕の有無を判定する(始動後アシスト余裕判定手段)。YES(アシスト余裕有り)の場合はステップS60へ進み、NO(アシスト余裕無し)の場合はステップS80へ進む。この始動後アシスト余裕判定処理流れを、図4のフローチャートに示す(始動後アシスト余裕判定手段)。以下、始動後アシスト余裕判定処理構成をあらわす図4の各ステップ(ステップS51〜ステップS53)について説明する。
ステップS51では、リチウムバッテリコントローラ86が監視するバッテリ充電容量(バッテリSOC)が、所定のバッテリSOCより大きいか否かを判定する。YES(バッテリSOC>所定のバッテリSOC)の場合はステップS52へ進み、NO(バッテリSOC≦所定のバッテリSOC)の場合は「アシスト余裕無し」すなわち図2のステップS80へ進む。
ステップS52では、ステップS51での「バッテリSOC>所定のバッテリSOC」の判断に続き、リチウムバッテリコントローラ86が監視するバッテリ温度が、所定のバッテリ温度範囲内か否かを判定する。YES(所定のバッテリ温度範囲内)の場合はステップS53へ進み、NO(所定のバッテリ温度範囲外)の場合は「アシスト余裕無し」すなわち図2のステップS80へ進む。
ステップS53では、ステップS52での所定のバッテリ温度範囲内の判断に続き、モータコントローラ83が監視するモータ/ジェネレータ温度(M/G温度)が、所定のM/G温度未満か否かを判定する。YES(M/G温度<所定のM/G温度)の場合は「アシスト余裕有り」すなわちステップS60へ進み、NO(M/G温度≧所定のM/G温度)の場合は「アシスト余裕無し」すなわち図2のステップS80へ進む。
ステップS60では、ステップS40でのドライバの加速意図有りの判断、または、ステップS50での「アシスト余裕有り」の判断に続き、ベルト式無段変速機6の変速比のアップシフトを実行すると共に、横置きエンジン2の始動としてスタータモータ1を用いたスタータ始動を実行し、エンドへ進む。
ステップS70では、ステップS30での「差回転≦所定の差回転」の判断に続き、モータ/ジェネレータ4が出力可能な上限トルクと実トルクとから演算されたモータ/ジェネレータ4が出力可能な余裕トルクが、所定の余裕トルク未満か否かを判定する(余裕トルク判定手段)。すなわち、モータ/ジェネレータ4が出力可能な上限トルク及びモータ印加電流値から推定される実トルクから、モータ/ジェネレータ4が出力可能な余裕トルクを演算する。この演算した余裕トルクが、所定の余裕トルク未満か否かを判定する。YES(余裕トルク<所定の余裕トルク、余裕トルク無し)の場合はステップS80へ進み、NO(余裕トルク≧所定の余裕トルク、余裕トルク有り)の場合はステップS90へ進む。
ここで、所定の余裕トルクとは、横置きエンジン2の始動としてモータ/ジェネレータ4を用いた強電始動を実行するために、モータ/ジェネレータ4が出力することができるトルクである。
ステップS80では、ステップS50での「アシスト余裕無し」の判断、または、ステップS70での「余裕トルク無し」の判断に続き、横置きエンジン2の始動としてスタータモータ1を用いたスタータ始動を実行し、エンドへ進む。このステップS80では、ベルト式無段変速機6の変速比は変速しない。
ステップS90では、ステップS70での「余裕トルク有り」の判断に続き、横置きエンジン2の始動としてモータ/ジェネレータ4を用いた強電始動を実行し、エンドへ進む。
次に、作用を説明する。
実施例1のFFプラグインハイブリッド車両の制御装置における作用を、「EV走行中のエンジン始動制御処理動作」、「車速ゼロ発進時のエンジン始動制御処理動作」「車速ゼロ発進時のエンジン始動制御作用」に分けて説明する。
[EV走行中のエンジン始動制御処理動作]
エンジン始動制御は、EVモードにてエンジン始動要求があると、スタータモータ1を用いたスタータ始動と、モータ/ジェネレータ4を用いた強電始動と、のいずれかを用いてエンジンを始動する。
スタータ始動は、ハイブリッドコントロールモジュール81からのスタータ始動指令の出力に基づき、リレースイッチ44をオン(通電)にする。これにより、キャパシタ23を電源とするスタータモータ1が横置きエンジン2のクランク軸を回転させることでスタータ始動が行われ、通電から所定時間後にリレースイッチ44をオフ(遮断)にする。すなわち、スタータモータ1によるエンジン始動制御は、スタータ始動指令によりリレースイッチ44がオン(通電)されている間、キャパシタ23の電力を用いてスタータモータ1が駆動し、横置きエンジン2を始動させる。
強電始動(M/G始動)は、横置きエンジン2の始動には、強電バッテリ21を電源とするモータ/ジェネレータ4を用い、横置きエンジン2をクランキングしてM/G始動する。このM/G始動制御では、第2クラッチ5をスリップ状態とし、第1クラッチ3を徐々に締結していくことで、モータ/ジェネレータ4をスタータモータとし、横置きエンジン2をクランキングする。
まず、エンジン始動制御のうち、EV走行中にエンジン始動要求があるときの基本的なエンジン始動制御処理動作について、図2及び図5のエンジン始動領域マップにより説明する。この基本的なエンジン始動制御は、差回転と余裕トルクから判定される。なお、図5の縦軸をモータ/ジェネレータ4のモータ実トルクとし、横軸をモータ/ジェネレータ4のモータ実回転数とする。
EV走行中にエンジン始動要求があるとき、差回転が所定の差回転未満と判定され、余裕トルク有りと判定された場合、図5の強電始動領域となる。すなわち、強電始動を実行する制御は、図2のフローチャートにおいて、START→ステップS1→ステップS10→ステップS30→ステップS70→ステップS90→ENDへと進む流れである。また、一般に、EV走行中にエンジン始動要求があるとき、強電始動される。
EV走行中にエンジン始動要求があるとき、差回転が所定の差回転未満と判定され、余裕トルク無しと判定された場合、図5のスタータ始動(変速しない)領域となる。すなわち、スタータ始動(変速しない)を実行する制御は、図2のフローチャートにおいて、START→ステップS1→ステップS10→ステップS30→ステップS70→ステップS80→ENDへと進む流れである。つまり、EV走行中にエンジン始動要求があるとき、モータ/ジェネレータ4に強電始動するための出力可能な余裕トルクが無ければ、スタータ始動される。
EV走行中にエンジン始動要求があるとき、差回転が所定の差回転より大きいと判定された場合、図5のスタータ始動(アップシフトする)領域となる。すなわち、スタータ始動(アップシフトする)を実行する制御は、図2のフローチャートにおいて、START→ステップS1→ステップS10→ステップS30→(ステップS40→)ステップS60→ENDへと進む流れである。
このような、スタータ始動の実行と共に、アップシフトを実行する理由を、図6を用いて説明する。図6は、エンジン始動要求時からの第1クラッチ3を挟んだモータ/ジェネレータ4のモータ回転数とエンジン回転数とを示している(一例)。時間ゼロがエンジン始動要求時とする。また、MRn(nは数字)は、モータ回転数を示している。MRnの左下がりの一定の勾配(実線)は無段変速機CVTの変速速度を示し、破線は変速しない場合を示している。ERn(nは数字)は、MRnを変速することにより、最速で第1クラッチ3のロックアップを開始することができる目標回転数である。図6において、所定の時間(time)までに、第1クラッチ3のロックアップを開始することを条件とする。
この場合、MR1及びMR2は、変速しなくても(破線)、この条件を満たす。すなわち、モータ回転数が、所定のモータ回転数(ここでは、時間ゼロのMR2のモータ回転数)より低い場合には、変速しなくても、所定の時間までにそのロックアップを開始することができる。これに対し、MR3〜MR5は、変速しなければ(実線)、その条件を満たすことができない。すなわち、所定の時間までにそのロックアップを開始することができないので、モータ回転数が高い場合には、変速(アップシフト)して、モータ回転数を下げる必要がある。このため、モータ回転数が、所定のモータ回転数より高い場合には、所定の時間までにロックアップを開始することができるように、アップシフトを実行する。つまり、所定の差回転(=所定のモータ回転数)を設定し、スタータ始動の実行と共に、アップシフトを実行する必要がある(図5のスタータ始動(アップシフトする)領域)。
また、所定のモータ回転数を小さくすると、所定の時間(time)を早くすることができるが、図6の所定のモータ回転数をER5より小さくすると、MR5は変速しても、所定の時間までにそのロックアップを開始することができない。このため、所定の差回転は、変速時間を考慮したエンジン始動時間に応じて設定される。
そして、EV走行中にエンジン始動要求があるときの基本的なエンジン始動制御は、急加速判定(ステップS30)及び始動後アシスト余裕判定(ステップS40)により、エンジン始動が制御される。すなわち、図2のフローチャートにおいて、START→ステップS1→ステップS10→ステップS30→ステップS40→ステップS60→ENDへと進む流れ、START→ステップS1→ステップS10→ステップS30→ステップS40→ステップS50→ステップS60→ENDへと進む流れ、START→ステップS1→ステップS10→ステップS30→ステップS40→ステップS50→ステップS80→ENDへと進む流れである。
[車速ゼロ発進時のエンジン始動制御処理動作]
次に、エンジン始動制御のうち、車速VSPがゼロのときのエンジン始動制御処理動作について、説明する。
エンジン始動要求があり車速VSPがゼロのときスタータ始動を実行する制御は、図2のフローチャートにおいて、START→ステップS1→ステップS10→ステップS20→ステップS24→ENDへと進む流れである。すなわち、EVモードにて、エンジン始動要求が有り、車速VSPがゼロすなわち車速ゼロからの発進時、ドライバの加速意図有りと判定された場合、スタータ始動が実行される。
また、ドライバの加速意図有りと判定される場合は、図3のフローチャートにおいて、2つの流れがある。
1つは、ステップS20→ステップS21→ステップS22→「ドライバの加速意図有り」へと進む流れである。すなわち、図3のフローチャートにて、アクセル開度が所定のアクセル開度より大きいと判定され、かつ、踏込速度が所定の踏込速度より大きいと判定された場合である。
もう1つは、ステップS20→ステップS21→ステップS22→ステップS23→「ドライバの加速意図有り」へと進む流れである。すなわち、アクセル開度が所定のアクセル開度より大きいと判定され、かつ、アクセル開度変化量が所定の変化量より大きいと判定された場合である。
つまり、上記いずれかの判定により、ドライバの加速意図有りと判定される。
さらに、エンジン始動要求があり車速VSPがゼロのときスタータ始動を実行する制御では、第1クラッチ3及び第2クラッチ5の締結油圧制御が行われる。
すなわち、モータ/ジェネレータ4の回転数(モータ回転数)を、第1クラッチ3の締結油圧を発生させるモータ回転数(締結油圧発生回転数)まで高めるモータ回転数指令が、ハイブリッドコントロールモジュール81からモータコントローラ83へ出力される。モータコントローラ83は、このモータ回転数指令に従って、モータ/ジェネレータ4を回転駆動させるモータ回転数制御を行う。このモータ回転数制御により、第1クラッチ3等の油圧源としてのメインオイルポンプ14から吐出される油圧が制御される。そして、コントロールバルブユニットにより、第1,第2クラッチ油圧及び変速油圧が作り出される。この作り出された油圧は、CVTコントロールユニット84により、第1クラッチ3の締結油圧制御等が行われる。また、CVTコントロールユニット84により、スリップ状態にある第2クラッチ5の伝達トルク容量を徐々に高める第2クラッチ5の締結油圧制御が行われる。
エンジン始動要求があり車速VSPがゼロのとき強電始動を実行する制御は、図2のフローチャートにおいて、START→ステップS1→ステップS10→ステップS20→ステップS25→ENDへと進む流れである。すなわち、EVモードにて、エンジン始動要求が有り、車速VSPがゼロすなわち車速ゼロからの発進時、ドライバの加速意図無しと判定された場合、強電始動が実行される。
また、ドライバの加速意図無しと判定される場合は、図3のフローチャートにおいて、2つの流れがある。
1つは、ステップS20→ステップS21→「ドライバの加速意図無し」へと進む流れである。すなわち、図3のフローチャートにて、アクセル開度が所定のアクセル開度以下と判定された場合である。
もう1つは、ステップS20→ステップS21→ステップS22→ステップS23→「ドライバの加速意図無し」へと進む流れである。すなわち、前記アクセル開度が前記所定のアクセル開度より大きいと判定され、踏込速度が所定の踏込速度以下と判定され、アクセル開度変化量が所定の変化量以下と判定された場合である。
つまり、上記いずれかの判定により、ドライバの加速意図無しと判定される。
次に、エンジン始動要求があり車速VSPがゼロのときスタータ始動を実行するエンジン始動制御処理動作を、図7のタイムチャートに示す動作例に基づき、各時刻について説明する。なお、図7の縦軸は、上から順に、アクセル開度APO及び車速VSPと、横置きエンジン2のエンジン回転数(ICE、実線)、モータ/ジェネレータ4のモータ回転数(MOT、破線)及びプライマリプーリPrPのプライマリ回転数(PrP、一点鎖線)と、横置きエンジン2のエンジントルク(ICE、実線)、モータ/ジェネレータ4のモータトルク(MOT、破線)、プライマリプーリPrPのプライマリトルク(PrP、一点鎖線)及びスタータモータのスタータモータトルク(starter、二点鎖線)と、第1クラッチ3の伝達トルク容量(CL1容量)と、第2クラッチ5の伝達トルク容量(CL2容量)と、車両の前後加速度Gと、が示されている。図7の横軸は、時間を表していて、「t」はその時刻を表している。なお、トルクは、プラス側が駆動トルクで、0未満は駆動トルクに対する負荷となっている。
時刻t0では、イグニッションスイッチ91をONとされていて、モータ回転数がアイドル回転数となっている。車速VSPがゼロであり、エンジン回転数がゼロであるから、車両はEVモードの停止状態にある。この時刻が、図2のフローチャートにおいて、「START」に相当する。また、第2クラッチ5は、車両が停止状態にあるので、締結開始直前状態のスタンバイになっている。
時刻t0〜時刻t1では、時刻t1の直前にて運転者によりアクセルペダルが踏まれ、アクセル開度がゼロから8まで急上昇している。
時刻t1では、アクセル開度が最大の8に達したことにより、駆動力要求によるエンジン始動要求となる(START→ステップS1)。このとき、車速VSPがゼロである(ステップS10)。また、アクセル開度が8であるから「APO>4/8」である(ステップS21)と共に、このとき「踏込速度>所定の踏込速度」と判定される(ステップS22)ので、ドライバの加速意図有りと判定される(ステップS20)。つまり、エンジン始動としてスタータ始動(ステップS24)が用いられる。これにより、上記のステップS24の制御が開始される。これが、図2のSTART→ステップS1→ステップS10→ステップS20→ステップS24→ENDへと進む流れに相当する。
時刻t1〜時刻t2では、第1クラッチ3の伝達トルク容量において、プリチャージにより、開放状態の多板摩擦クラッチ(第1クラッチ3)が有するプレート隙間を詰める、いわゆるガタ詰めが行われる。このプリチャージからスタンバイにすることにより、第1クラッチ3の締結開始直前状態にする。このとき、モータ回転数を、アイドル回転数から締結油圧発生回転数までに上昇させるため、モータコントローラ83によりモータ/ジェネレータ4を回転駆動させる制御が行われる。また、モータトルクが徐々に出力されている。そして、スタータモータ1の回転駆動(スタータモータトルク)により、横置きエンジン2がクランキングされる。また、「EV走行モード」で発進するときに「HEV走行モード」への移行が判断された場合の車両発進時、「WSCモード」が選択される。すなわち、第2クラッチ5を要求駆動力相当の伝達トルク容量にてスリップ締結する。つまり、スリップ状態にある第2クラッチ5の伝達トルク容量が、要求駆動力相当になるように第2クラッチ5の締結油圧制御が行われる。すなわち、第2クラッチ5の伝達トルク容量を徐々に高める制御が行われている。
時刻t2では、モータ回転数が締結油圧発生回転数に達している。このとき、時刻t0〜時刻t2までに徐々に上昇していた前後加速度Gの出力により、車両が走行を開始している。また、エンジンは、クランキング中である。
時刻t2〜時刻t3では、前後加速度Gの上昇により、車速VSPも徐々に上昇している。このとき、モータトルク及びプライマリトルクは、モータ/ジェネレータ4が出力可能な上限トルク(MOT出力可能上限トルク)に達している。また、横置きエンジン2はクランキング中である。
時刻t3では、クランキングによりエンジン回転数が初爆可能な回転数(ICE初爆可能回転数)に達し、燃料噴射と点火により横置きエンジン2を初爆させる。
時刻t3〜時刻t4では、横置きエンジン2の初爆により、エンジン回転数は上昇している。なお、スタータモータトルクがゼロになったとき、完爆により横置きエンジン2が自立運転状態になる。
時刻t4では、横置きエンジン2の完爆に遅れて、「WSCモード」が終了する。
時刻t4〜時刻t5では、時間経過と共にエンジン回転数が大きくなり、第1クラッチ3を挟んだエンジン回転数とモータ回転数との差回転がほぼ無くなる。
時刻t5では、第1クラッチ3を挟んだエンジン回転数とモータ回転数との差回転が無くなり、第1クラッチ3のロックアップが開始される。すなわち、モータ回転数制御により発生した第1クラッチ3の締結油圧により、第1クラッチ3の伝達トルク容量を徐々に高める第1クラッチ3の締結油圧制御が開始される。
時刻t5〜時刻t6では、第1クラッチ3の伝達トルク容量を徐々に高めている。そして、時刻t6の直前に、第1クラッチ3を挟んだエンジン回転数とモータ回転数との差回転が、徐々に無くなっていく。
時刻t6では、第1クラッチ3を挟んだエンジン回転数とモータ回転数との差回転が無くなる同期回転数になり、第1クラッチ3のロックアップ(完全締結)が完了する。このとき、スリップアウトの制御が開始される。
時刻t6〜時刻t7では、スリップアウトの制御が行われている。
時刻t7では、スリップアウトの制御が終了し、第2クラッチ5のロックアップが開始される。すなわち、第2クラッチ5の伝達トルク容量を徐々に高める第2クラッチ5の締結油圧制御が開始される。
時刻t7〜時刻t8では、第2クラッチ5の伝達トルク容量を徐々に高めている。
時刻t8では、全ての回転数が同期し、第2クラッチ5のロックアップ(完全締結)が完了する。
時刻t8〜時刻t9では、全ての回転数及び車速VSPが上昇している。
時刻t9では、全ての回転数及び車速VSPが上昇している。
なお、時刻t1までが「EVモード」であり、時刻t1〜時刻t8が「EVモード」から「HEVモード」への遷移であり、時刻t8から「HEVモード」である。
[車速ゼロ発進時のエンジン始動制御作用]
例えば、スタータと、エンジンと、モータジェネレータと、備え、エンジンの始動要求が有ったとき、スタータまたはモータジェネレータのみを選択してエンジンを始動するハイブリッド車両のエンジン始動制御装置を比較例とする。この比較例のハイブリッド車両のエンジン始動制御装置によれば、走行中にエンジンの始動要求が有るとき、実車速と要求トルクから、スタータまたはモータジェネレータを選択して、エンジンを始動している。
しかし、比較例のハイブリッド車両のエンジン始動制御装置において、車速ゼロからの踏み込み発進時、ドライバの加速意図が有る場合でも、発進タイミングにて要求トルクが低いと、エンジンの始動要求に対しモータジェネレータを選択して、エンジンを始動してしまう。このため、車速ゼロからの発進時、モータジェネレータのトルクを発進時の駆動トルクとして使えず、ドライバの要求を車両の発進に反映することができない。
このように、車速ゼロからの発進時、モータジェネレータのトルクを発進時の駆動トルクとして使えず、ドライバの要求を車両の発進に反映することができない、という課題があった。
これに対し、実施例1では、ハイブリッドコントロールモジュール81(エンジン始動制御手段、図2)により、車速ゼロからの発進時(図2、ステップS10)、ドライバのアクセル踏み込み操作速度により加速意図有りと判定された場合(図3、「ドライバの加速意図有り」)、スタータ始動が実行される(図2のステップS24、図7の時刻t1〜時刻t3)構成を採用した。
すなわち、車速ゼロからの発進時、例えば、アクセル開度の大きさに代表される要求トルクのみを監視するのではなく、ドライバのアクセル踏み込み操作速度により加速意図の有無を判定し、加速意図有りと判定されると、スタータ始動が実行されること(図2、START→ステップS1→ステップS10→ステップS20→ステップS24→END)により、モータ/ジェネレータ4による駆動力を全て車両発進に充てることができる。
この結果、車速ゼロからの発進時、ドライバが要求する車両の発進性能を確保することができる。
実施例1では、ハイブリッドコントロールモジュール81(エンジン始動制御手段、図2)により、車速ゼロからの発進時(図2、ステップS10)、スタータ始動を実行するとき、モータ/ジェネレータ4の回転数(モータ回転数)を、第1クラッチ3の締結油圧を発生させる回転数まで高める指令が出力される構成を採用した。
例えば、車速ゼロからの発進時、スタータ始動すると、強電始動よりも、エンジン始動までの時間及び第1クラッチの締結に要する時間(締結時間)が遅い。このとき、締結時間を短くするために、モータジェネレータの回転数が下げられる。しかし、この回転数を下げすぎると、モータジェネレータにより駆動されるオイルポンプが十分に作動せず、第1クラッチの締結油圧を発生させることができない。
これに対し、実施例1では、車速ゼロからの発進時(図2、ステップS10)、スタータ始動を実行するとき(図2、ステップS24)、ハイブリッドコントロールモジュール81(エンジン始動制御手段、図2)が出力した第1クラッチ3の締結油圧を発生させる回転数(締結油圧発生回転数)まで高める指令に従って、モータコントローラ83は、モータ回転数が締結油圧発生回転数に上昇させる(図7、時刻t1〜時刻t2及び時刻t2)。このため、第1クラッチ3の締結油圧が発生する。これにより、最短の締結時間によって、第1クラッチ3を確実に締結することができる。
この結果、車速ゼロからの発進時、スタータ始動を実行するとき、確実に「EVモード」から「HEVモード」へ移行することができる。
実施例1では、ハイブリッドコントロールモジュール81(エンジン始動制御手段、図2)により、車速ゼロからの発進時(図2、ステップS10)、スタータ始動を実行するとき(図2、ステップS24)、スリップ状態の第2クラッチ5の伝達トルク容量を徐々に高める構成を採用した。
例えば、車速ゼロからの発進時、スタータ始動するとき、すなわち、「EV走行モード」で発進するときに「HEV走行モード」への移行が判断された場合の車両発進時、トルクコンバータのような回転差吸収継手を持たない場合、駆動源回転数が変速機入力回転数を上回り第2クラッチに差回転が発生する。このため、トルク変動が発生する。
これに対し、実施例1では、「EV走行モード」で発進するときに「HEV走行モード」への移行が判断された場合の車両発進時(車速ゼロからの発進時、スタータ始動を実行するとき)、スリップ状態の第2クラッチ5の伝達トルク容量を徐々に高めた(WSCモード)。これにより、回転差吸収機能を確保することができる。
この結果、車速ゼロからの発進時、スタータ始動を実行するとき、トルク変動を抑制しながら、徐々に高まる発進駆動トルクを出力することができる。
実施例1では、ハイブリッドコントロールモジュール81(エンジン始動制御手段、図2)により、車速ゼロからの発進時(図2、ステップS10)、ドライバのアクセル踏み込み操作速度により加速意図無しと判定された場合(図3、「ドライバの加速意図無し」)、強電始動が実行される(図2、ステップS25)構成を採用した。
一般に、スタータ始動は、強電始動と比較すると、騒音の発生が大きい。
これに対し、実施例1では、車速ゼロからの発進時、ドライバのアクセル踏み込み操作速度により加速意図無しの場合、強電始動が実行されること(図2、START→ステップS1→ステップS10→ステップS20→ステップS25→END)により、騒音の発生を抑制することができる。
この結果、車速ゼロからの発進時、ドライバのアクセル踏み込み操作速度により加速意図無しの場合、乗員要求に応じた車室内の静寂性を得ることができる。
実施例1では、ハイブリッドコントロールモジュール81(加速意図判定手段、図3)により、アクセル開度が所定のアクセル開度より大きいと判定され(図3、ステップS21)、かつ、アクセル踏み込み操作速度相当値(踏込速度、アクセル開度変化量ΔAPO)が所定値(所定の踏込速度、所定の変化量)より大きいと判定された場合(図3、ステップS22、ステップS23)、加速意図有りと判定する(図3、「ドライバの加速意図有り」)構成を採用した。
すなわち、アクセル開度が所定のアクセル開度より大きく、アクセル踏み込み操作速度相当値が所定値よりも大きければ、加速意図有りと判定される。具体的には、アクセル開度が、所定のアクセル開度である4よりも大きいとき、つまり、8段階中、最大の8に達していなくても、加速意図有りと判定される1条件を満たす。このため、アクセル開度及びアクセル踏み込み操作速度相当値が、最大の値に達していなくても、加速意図有りと判定される。
この結果、車速ゼロからの発進時、応答良く加速意図の有無を判定することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のFFプラグインハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 駆動系にスタータモータ1とエンジン(横置きエンジン2)と走行用モータ(モータ/ジェネレータ4)を備えたハイブリッド車両の制御装置において、前記走行用モータ(モータ/ジェネレータ4)を駆動源とするEVモードにてエンジン始動要求があると、前記走行用モータ(モータ/ジェネレータ4)を用いた強電始動と、前記スタータモータ1を用いたスタータ始動と、のいずれかを用いて前記エンジン(横置きエンジン2)を始動するエンジン始動制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81、図2)と、ドライバのアクセル踏み込み操作速度により加速意図の有無を判定する加速意図判定手段(ハイブリッドコントロールモジュール81、図2のステップS20)と、を設け、前記エンジン始動制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81、図2)は、車速ゼロからの発進時(図2のステップS10)、ドライバのアクセル踏み込み操作速度により加速意図有りと判定された場合(図2のステップS20)、前記スタータ始動を実行する(図2のステップS24)。
このため、車速ゼロからの発進時、ドライバが要求する車両の発進性能を確保することができる。
(2) 前記エンジン(横置きエンジン2)と前記走行用モータ(モータ/ジェネレータ4)との間に設けられた油圧作動の第1クラッチ3と、前記走行用モータ(モータ/ジェネレータ4)により駆動される前記第1クラッチ4の油圧源になるオイルポンプ(メインオイルポンプ14)と、を設け、前記エンジン始動制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、車速ゼロからの発進時(図2のステップS10)、前記スタータ始動を実行するとき(図2のステップS24)、前記走行用モータ(モータ/ジェネレータ4)の回転数を、前記第1クラッチの締結油圧を発生させる回転数まで高める指令を出力する(図7)。
このため、(1)の効果に加え、車速ゼロからの発進時、スタータ始動を実行するとき、確実に「EVモード」から「HEVモード」へ移行することができる。
(3) 前記走行用モータ(モータ/ジェネレータ4)と駆動輪との間に第2クラッチ5を有し、前記エンジン始動制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、車速ゼロからの発進時(図2のステップS10)、前記スタータ始動を実行するとき(図2のステップS24)、スリップ状態の前記第2クラッチ5の伝達トルク容量を徐々に高める(図7)。
このため、(1)〜(2)の効果に加え、車速ゼロからの発進時、スタータ始動を実行するとき、トルク変動を抑制しながら、徐々に高まる発進駆動トルクを出力することができる。
(4) 前記エンジン始動制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81、図2)は、車速ゼロからの発進時(図2のステップS10)、ドライバのアクセル踏み込み操作速度により加速意図無しと判定された場合(図2のステップS20)、前記強電始動を実行する(図2のステップS25)。
このため、(1)〜(3)の効果に加え、車速ゼロからの発進時、ドライバのアクセル踏み込み操作速度により加速意図無しの場合、乗員要求に応じた車室内の静寂性を得ることができる。
(5) 前記加速意図判定手段(ハイブリッドコントロールモジュール81、図3)は、アクセル開度が所定のアクセル開度より大きいと判定され(図3のステップS21)、かつ、アクセル踏み込み操作速度相当値(踏込速度、アクセル開度変化量ΔAPO)が所定値(所定の踏込速度、所定の変化量)より大きいと判定された場合(図3、ステップS22、ステップS23)、加速意図有りと判定する(図3の「ドライバの加速意図有り」)。
このため、(1)〜(4)の効果に加え、車速ゼロからの発進時、応答良く加速意図の有無を判定することができる。
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、スタータモータ1の電源としてキャパシタ23とする例を示した。しかしながら、実施例1に示した構成に限られるものではない。例えば、スタータモータ1の電源として12Vバッテリ22にしてもよい。
実施例1では、変速機として無段変速機CVTであるベルト式無段変速機6とする例を示した。しかしながら、実施例1に示した構成に限られるものではない。例えば、ベルト式無段変速機6をその他の無段変速機CVTにしてもよいし、無段変速機CVTを自動変速機ATまたはMT変速機等にしてもよい。
実施例1では、ドライバの加速意図の有無を、アクセル開度(図3、ステップS21)、踏込速度(図3、ステップS22)及びアクセル開度変化量(図3、ステップS23)から判定する例を示した。しかしながら、実施例1に示した構成に限られるものではない。例えば、図3のステップS20の急加速判定では、少なくとも踏込速度(図3、ステップS22)及びアクセル開度変化量(図3、ステップS23)のいずれか一方のみから、加速意図の有無を判定してもよい。要するに、図2のステップS20の急加速判定では、少なくともドライバのアクセル踏み込み操作速度により加速意図の有無を判定することができればよい。また、図3のステップS40の急加速判定では、アクセル開度(図3、ステップS41)、踏込速度(図3、ステップS42)及びアクセル開度変化量(図3、ステップS43)のうち、1つ以上からドライバの加速意図の有無を判定してもよい。要するに、ドライバの加速意図の有無を判定することができればよい。
実施例1では、横置きエンジン2が始動後に、モータ/ジェネレータ4により横置きエンジン2をトルクアシストするアシスト余裕の有無を判定(始動後アシスト余裕判定、ステップS50、図2及び図4)するために、図4の3つのステップにより判定する例を示した。しかしながら、実施例1に示した構成に限られるものではない。例えば、3つのステップのうち、1つ以上のステップからアシスト余裕の有無を判定してもよい。
実施例1では、エンジン始動としてのスタータ始動を実行する例として、図2のフローチャートにおいて、START→ステップS1→ステップS10→ステップS30→(ステップS40→)ステップS60→ENDへと進む流れ、START→ステップS1→ステップS10→ステップS30→ステップS40→ステップS60→ENDへと進む流れ、START→ステップS1→ステップS10→ステップS30→ステップS40→ステップS50→ステップS60→ENDへと進む流れ、を示した。しかしながら、これらの場合、エンジン始動としてのスタータ始動を実行する構成に限られるものではない。すなわち、エンジン始動として強電始動を実行してもよい。
ただし、強電始動を実行しても、各ステップSに設定された条件を満たす場合(スタータ始動の条件を除く。)に限り、強電始動を実行することができる。例えば、図2のフローチャートにおいて、START→ステップS1→ステップS10→ステップS30→ステップS40→ステップS50→ステップS60→ENDへと進む流れについては、強電始動を実行しても、ステップS50に設定された条件を満たす場合、強電始動を実行してもよい。
実施例1では、本発明の制御装置をFFプラグインハイブリッド車両に適用する例を示した。しかしながら、実施例1に示した構成に限られるものではない。例えば、FRプラグインハイブリッド車両や4WDプラグインハイブリッド車両に対して適用してもよい。また、プラグインハイブリッド車両に限らず、FRハイブリッド車両やFFハイブリッド車両等に対しても本発明の制御装置を適用することができる。