JP2013107070A - 吸脱湿剤、デシカント空調用吸脱湿剤組成物、成形体およびデシカント空調システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
−SO3RXで表される基を1.5mmol/g以上有する重合体からなる吸脱湿剤。
【選択図】 なし
Description
そこで、この圧縮機を用いる方法の問題点を解決するものとして、デシカントを用いたデシカント空調が検討されている。
デシカント空調では、除湿したい空気をデシカントロータに通過させ、空気中の水分をデシカントロータに含まれるデシカントに吸着させ、空気から脱湿を行う。デシカントは、相対湿度を下げた空気をデシカントロータに通すことによって、デシカントロータから水分を取り出し、室外へ排気する。
このデシカント空調で用いられるデシカントとしては、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、五酸化リン等の吸湿剤が用いられてきたが、これらの吸湿剤は、吸湿量が多く、また吸湿速度も速いが、潮解性があるために、吸湿後液状化して他を汚染したり、成形し難く、再生が困難である等の欠点があった。また、シリカゲル、ゼオライト、硫酸ナトリウム、活性アルミナ、活性炭等の吸湿剤は、前記のような問題がないものの、吸湿量が少ないこと、吸湿速度が遅く、また再生に高温を要する、さらには吸脱湿の繰返しにより粉末化が起きるといった欠点があり、実用化の妨げとなっていた。
これに対し、有機系の吸湿剤として、カルボキシル基を有する高分子重合体が検討され、例えば、カルボキシル基のナトリウム塩やカリウム塩の構造を有する架橋アクリロニトリル系重合体粒子などが検討されている。しかしながら、このカルボキシル基のナトリウム塩やカリウム塩の構造を有する粒子は、粒子にこれらの構造を導入するために加水分解工程が必要であり、製造工程が煩雑である。
一般式(1)および一般式(2)において、R1〜R3である1〜3のアルキル基およびR5〜R12である1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基を、R4およびR5〜R12である−SO3RXで表される基のRXとしては、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基、アミノ基などが好ましい。前記アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどを、アミンとしてはメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミンジブチルアミン、トリブチルアミンなどのアルキルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのポリアミン、モルホリン、ピペリジンなどを、アルカリ土類金属としてはカルシウム、マグネシウムなどを例示することができる。また、これらのカチオン種は、種々のイオン交換技法により他種のカチオン種と相互に交換することが可能である。
本発明において特定重合体は、−SO3RXで表される基を1.5mmol/g以上、好ましくは2.0mmol/g以上含有する。−SO3RXで表される基の含有量が1.5mmol/g未満であると、十分な吸湿性能が得られず、空調用の脱吸湿剤としての使用に不適切である。なお、−SO3RXで表される基のRXは一般式(1)および一般式(2)と同様の基を示す。
本発明において、−SO3RXで表される基の測定方法としては、試料となる特定重合体を十分に乾燥後、1gを精秤し、100gのイオン交換水に分散後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて滴定する方法である。
このような−SO3RX表される基を1.5mmol/g以上含有する特定重合体は、例えば、以下の方法によって得ることができる。
本発明における特定重合体の製造方法としては以下の方法を挙げることができる。
(1)−SO3RXで表される基を有する単量体と架橋性単量体を共重合する方法
−SO3RXで表される基を有する単量体(以下、スルホン酸基含有単量体ともいう。)としては、−SO3RXで表される基を有し、かつ、重合性不飽和基を有する化合物が用いられる。具体的には、スチレンスルホン酸などのスルホン酸基含有芳香族ビニル系化合物;イソプレンスルホン酸(即ち、2−メチル−1,3−ブタジエン−1−スルホン酸)などのスルホン酸基含有脂肪族ジエン系化合物;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロパンスルホン酸、スルホエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロパンスルホン酸及びこれらの塩などが挙げられる。このうちでも単量体の反応性の観点からイソプレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸が好ましい。
−SO3RXで表される基を有する単量体は、重合する全単量体のモル比に対して、5〜95モル%、好ましくは10〜80モル%、架橋性単量体は重合する全単量体のモル比に対して3〜60モル%、好ましくは5〜50モル%、その他の単量体の共重合割合は、重合する単量体全量モル比に対して1〜90モル%、好ましくは、5〜80モル%、特に好ましくは5〜50モル%、さらに好ましくは5〜40モル%である。
このようにして得られる重合体の重量平均分子量範囲は、通常2000〜1000000、好ましくは5000〜500000である。
(2)−SO3RXで表される基を含まない単量体と架橋性単量体を共重合した後、共重合体をスルホン化する方法
−SO3RXで表される基を含まない単量体は、芳香族ビニル系単量体及び脂肪族ビニル系単量体のうち少なくとも一方、好ましくはガラス転移温度の調整の観点から両方を含むものであり、また、適宜、他の単量体を含むことができる。
ルム、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタンな
どのハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物;液体二酸
化イオウ、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水
素;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;水等が挙げられる。
ルコキシド;メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、アミルリチウム、プロピルナトリウム、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、プロピルマグネシウムアイオダイド、ジエチルマグネシウム、ジエチル亜鉛、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機金属化合物;アンモニア水、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリ
ブチルアミン、ピリジン、ピペラジンなどのアミン類;ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、亜鉛などの金属化合物を挙げることができる。これらの塩基性化合物は、1種単独で使用することも、また2種以上を併用することもできる。これらの塩基性化合物の中では、アルキル金属水酸化物、アンモニア水が好ましく、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムが好ましい。
(3)−SO3RXで表される基を有する単量体を重合する方法
−SO3RXで表される基を有する単量体(以下、スルホン酸基含有単量体ともいう。)としては、上記(1)の方法と同様に−SO3RXで表される基を有し、かつ、重合性不飽和基を有する化合物が用いられる。具体的には、スチレンスルホン酸などのスルホン酸基含有芳香族ビニル系化合物;イソプレンスルホン酸(即ち、2−メチル−1,3−ブタジエン−1−スルホン酸)などのスルホン酸基含有脂肪族ジエン系化合物;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロパンスルホン酸、スルホエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロパンスルホン酸及びこれらの塩などが挙げられる。このうちでも単量体の反応性の観点からイソプレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸が好ましい。
なお、−SO3RXで表される基含有単量体は、1種単独あるいは2種以上を併用して用いることができる。
−SO3RXで表される基を有する単量体はその他の単量体と共重合することができ、その他の単量体としては、芳香族ビニル系化合物、共役ジエン系化合物、不飽和カルボン酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアン化ビニル系化合物、アクリルアミドなどを挙げることができるが、特にアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸やヒドロキチエチルメタクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
−SO3RXで表される基を有する単量体は、重合する全単量体のモル比に対して、5〜95モル%、好ましくは10〜80モル%、架橋性単量体は重合する全単量体のモル比に対して3〜60モル%、好ましくは5〜50モル%、その他の単量体の共重合割合は、重合する単量体全量モル比に対して1〜90モル%、好ましくは、5〜80モル%、特に好ましくは5〜50モル%、さらに好ましくは5〜40モル%である。
重合方法は、(水)溶液重合、乳化重合、ミニエマルション重合、懸濁重合、沈殿重合などが挙げられる。
このようにして得られる重合体の重量平均分子量範囲は、通常2000〜1000000、好ましくは5000〜500000である。
上記(1)〜(3)の方法に示されるようにして得られた特定重合体には、必要に応じて架橋剤を添加して用いることができる。特に、上記(3)の方法に挙げられるように、架橋性重合体を用いずに得られた特定重合体には、架橋剤を添加することが好ましい。
添加する架橋剤としては、上記単量体の重合体と架橋構造を形成することができるものであれば特に限定されるものではないが、以下のようなものを使用することができる。このような架橋剤の好ましい例としては、メラミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、ジヒドラジド系架橋剤、(ブロック)イソシアネート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤などの架橋剤;珪素、亜鉛、チタン、ジルコニアなどの無機金属を有するアルコキシド系架橋剤、キレート系架橋剤を挙げることができる。
添加する架橋剤は、上記特定重合体100重量部に対して1〜100重量%、好ましくは1〜50重量%である。
なお、これら添加する架橋剤は、1種単独あるいは2種以上を併用して用いることができる。
本発明の吸脱湿剤は、通常、何らかの基材に担持させて使用される。基材としては特に制限は無く、不職布、メッシュ、紙、パルプ、樹脂、金属、ガラスなどが挙げられる。
また基材の形状は特に制限は無く、粒子状、繊維状、シート状、フィルム状、ハニカム状など適宜の形状に形成することができる。
ここで、基材に担持させる吸脱湿剤の量は、通常30〜1000g/m2程度である。
本発明の吸脱湿剤を基材に担持させる方法は特に制限されるものではないが、刷毛塗り、筆塗り、バーコーター、ナイフコーター、ドクターブレード、スクリーン印刷、スプレー塗布、スピンコーター、アプリケーター、ロールコーター、フローコーター、遠心コーター、超音波コーター、(マイクロ)グラビアコーター、ディップコート、フレキソ印刷、ポッティング、すきこみ処理等の手法を用いることができ、他の基材例えば転写基材上に塗布した後に転写してもよい。
本発明の吸脱湿剤を基材に担持させるためには、必要に応じてバインダーとなる樹脂と混合して添加し、吸脱湿剤組成物として用いてもよい。
バインダーとしては、例えばアクリル系樹脂、アクリルシリコン樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、カルボジイミド樹脂、(ブロック)イソシアネート樹脂などをあげることができる。
本発明の吸脱湿剤には、必要に応じて、レベリング剤、塗れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、顔料、無機充填剤等の任意添加成分を添加することができる。
(実施例1)
ビーカー中に、イオン交換水441部、ビニルスルホン酸ナトリウム25%水溶液(SVS)320部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBA)20部、過硫酸ナトリウム5%水溶液20部を投入し溶解し水溶性モノマー溶液を作製した。
上記で作製した水溶性モノマー溶液に乳化剤溶液を攪拌しながら滴下し、全量加えた。その後氷浴中で冷却しながら超音波分散機(「UH−600S」、SMT社製)を用いて120秒間の超音波照射を3回行い、逆相エマルションを得た。得られた逆相エマルションをセパラブルフラスコ中に全量移し、70℃で3時間加熱した後、減圧乾燥することによりビニルスルホン酸ナトリウム−メチレンビスアクリルアミド共重合体を得た。得られた共重合体は透過型電子顕微鏡(H−7650、日立ハイテク社製)にて観察したところ一次粒径0.2μmであった。
(実施例2) ビニルスルホン酸ナトリウム25%水溶液(SVS)360部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBA)10部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で作製した。
(実施例3)
ビーカー中に、イオン交換水681部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)80部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBA)20部、過硫酸ナトリウム5%水溶液20部を投入し溶解し水溶性モノマー溶液を作製した。
上記で作製した水溶性モノマー溶液に乳化剤溶液を攪拌しながらゆっくり滴下し、全量加えた。その後氷浴中で冷却しながら超音波分散機(「UH−600S」、SMT社製)を用いて120秒間の超音波照射を3回行い、逆相エマルションを得た。得られたエマルションをセパラブルフラスコ中に全量移し、70℃で3時間加熱した。その後、減圧乾燥することにより2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸−メチレンビスアクリルアミド共重合体を得た。得られた共重合体は透過型電子顕微鏡(H−7650、日立ハイテク社製)にて観察したところ一次粒子径0.2μmであった。
(実施例4)
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)90部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBA)10部に変更した以外は、実施例3と同様の方法で作製した。
(実施例5) セパラブルフラスコ中に、イオン交換水300部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10%水溶液15部を投入し75℃まで加熱した。その後、過硫酸ナトリウム5%水溶液6部を投入した。次にO/W型エマルション(イオン交換水37部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10%水溶液25部、スチレン75部、ジビニルベンゼン20部、メタクリル酸5部)を3時間かけて滴下した。その後80℃で2時間加熱した。冷却後、水酸化ナトリウム3.5%水溶液9部を添加し、スチレン−ジビニルベンゼンのエマルションを得た。得られたエマルションの固形分濃度は20.6%であり重合転化率が97%であった。透過型電子顕微鏡(H−7650、日立ハイテク社製)にて観察したところ、一次粒子径が47nmであった。
(実施例6)
ビニルスルホン酸ナトリウム25%水溶液(SVS)360部、アクリルアミド(AAM)9部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBA)1部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で作製した。
(実施例7)
イソプレンスルホン酸ナトリウム塩40%水溶液(IPS)326部、アクリル酸80%水溶液(AA)221部を混合して単量体水溶液を調製した。この単量体水溶液中のイソプレンスルホン酸ナトリウム塩、アクリル酸のモル比は、25/75である。攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、窒素ガス導入管を付設した容量1リットルの四ツ口セパラブルフラストに、水165部および35%過酸化水素水26部を入れ、フラスコ内温を100℃に保ち、上記単量体水溶液を2時間かけて滴下した。単量体水溶液を添加終了後さらに重合を1時間続けたのち、48%水酸化ナトリウム水溶液45部を添加して部分中和を行った。得られたイソプレンスルホン酸ナトリウム塩−アクリル酸共重合体の部分中和物の重量平均分子量は15,000であった。
続いて、得られた共重合体の部分中和物40%水溶液100部に架橋剤としてオキサゾリン系架橋剤25%水溶液(エポクロスWS−700、日本触媒製)32部を添加し硬化性組成物を得た。
(実施例8)
架橋剤としてオキサゾリン系架橋剤25%水溶液(エポクロスWS−700、日本触媒製)16部に変更した以外は、実施例7と同様の方法で作製した。
(実施例9)
イソプレンスルホン酸ナトリウム塩40%水溶液(IPS)487部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート95%水溶液(HEMA)146部を混合して単量体水溶液を調製した。この単量体水溶液中のイソプレンスルホン酸ナトリウム塩、2-ヒドロキシエチルメタクリレートのモル比は、50/50である。攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、窒素ガス導入管を付設した容量1リットルの四ツ口セパラブルフラストに、水122部および35%過酸化水素水27部を入れ、フラスコ内温を100℃に保ち、上記単量体水溶液を2時間かけて滴下した。単量体水溶液を添加終了後さらに重合を1時間行った。得られたイソプレンスルホン酸ナトリウム塩−2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体の部分中和物の重量平均分子量は10,000であった。
続いて、得られた共重合体40%水溶液100部に架橋剤としてカルボジイミド系架橋剤40%水溶液(カルボジライト V−02、日清紡ケミカル株式会社)20部を添加し硬化性組成物を得た。
(実施例10)
架橋剤としてカルボジイミド系架橋剤40%水溶液(カルボジライト V−02、日清紡ケミカル株式会社)5部に変更した以外は、実施例9と同様の方法で作製した。
(実施例11)
イソプレンスルホン酸ナトリウム塩40%水溶液(IPS)301部、アクリル酸80%水溶液(AA)141部、ジアセトンアクリルアミド20%水溶液(DAAM)102部を混合して単量体水溶液を調製した。この単量体水溶液中のイソプレンスルホン酸ナトリウム塩、アクリル酸、ジアセトンアクリルアミドのモル比は、30/65/5である。攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、窒素ガス導入管を付設した容量1リットルの四ツ口セパラブルフラストに、水224部および35%過酸化水素水4部を入れ、フラスコ内温を100℃に保ち、上記単量体水溶液を2時間かけて滴下した。単量体水溶液を添加終了後さらに重合を1時間続けたのち、48%水酸化ナトリウム水溶液29部を添加して部分中和を行った。得られたイソプレンスルホン酸ナトリウム塩−アクリル酸−ダイセトンアクリルアミド共重合体の部分中和物の重量平均分子量は 30,000であった。
続いて、得られた共重合体の部分中和物33%水溶液100部に架橋剤としてジヒドラジド系架橋剤40%水溶液(アジピン酸ジヒドラジド、ADH)3部を添加し硬化性組成物を得た。
(実施例12)
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸38%水溶液(AMPS)172部、アクリル酸80%水溶液(AA)101部、ジアセトンアクリルアミド20%水溶液(DAAM)67部を混合して単量体水溶液を調製した。この単量体水溶液中の、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸、ジアセトンアクリルアミドのモル比は、20/75/5である。攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、窒素ガス導入管を付設した容量1リットルの四ツ口セパラブルフラストに、水481部および35%過酸化水素水3部を入れ、フラスコ内温を100℃に保ち、上記単量体水溶液を2時間かけて滴下した。単量体水溶液を添加終了後さらに重合を1時間続けたのち、48%水酸化ナトリウム水溶液22部を添加して部分中和を行った。得られた2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩−アクリル酸−ダイセトンアクリルアミド共重合体の部分中和物の重量平均分子量は 300,000であった。
続いて、得られた共重合体の部分中和物20%水溶液100部に架橋剤としてジヒドラジド系架橋剤40%水溶液(アジピン酸ジヒドラジド、ADH)2部を添加し硬化性組成物を得た。
(参考例1)
ビーカー中に、イオン交換水441部、ビニルスルホン酸ナトリウム25%水溶液(SVS)56部、アクリルアミド(AAM)66部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBA)20部、過硫酸ナトリウム5%水溶液20部を投入し溶解し水溶性モノマー溶液を作製した。
上記で作製した水溶性モノマー溶液に乳化剤溶液を攪拌しながら滴下し、全量加えた。その後氷浴中で冷却しながら超音波分散機(「UH−600S」、SMT社製)を用いて120秒間の超音波照射を3回行い、逆相エマルションを得た。得られた逆相エマルションをセパラブルフラスコ中に全量移し、70℃で3時間加熱した後、減圧乾燥することによりビニルスルホン酸ナトリウム−アクリルアミド−メチレンビスアクリルアミド共重合体を得た。得られた共重合体は透過型電子顕微鏡(H−7650、日立ハイテク社製)にて観察したところ一次粒径0.2μmであった。
(参考例2)
架橋剤としてオキサゾリン系架橋剤25%水溶液(エポクロスWS−700、日本触媒製)を添加しないこと以外は、実施例7と同様の方法で作製した。
(比較例1)
比較材料としてポリアクリル酸ナトリウム塩架橋物である市販の高吸水性樹脂(アクアキープ SA60S、住友精化社製)を用いた。
(比較例2)
比較材料として市販の合成ゼオライト(HS−320 ナトリウムY、和光純薬社製)を用いた。
[評価]
上記のようにして得られた重合体の各々について、12時間吸湿量、12時間脱湿量、10分吸湿量、10分脱湿量、12時間吸湿後外観を評価した。なお、実施例7〜12および参考例2で得られた硬化性組成物に関しては、150℃のオーブンにて30分焼成後の硬化物を粉体状にした後、同様に評価した。評価方法は下記のとおりである。
(−SO3RXで表される基の測定)
実施例で得られた重合体を十分に乾燥後、1gを精秤し、100gのイオン交換水に分散後、5%NaOH水溶液を用いて滴定した。なお、実施例7〜12および比較例2で得られた硬化性組成物に関しては、重合体中の−SO3RXの量を実際の単量体の仕込みより計算して算出した。
(吸湿試験)
実施例で得られた重合体1gを熱風乾燥機により120℃で12時間乾燥して重量を測定する(W1)。次に温度30℃で相対湿度90%RHに調整した恒温恒湿槽に12時間または10分静置して重量を測定する(W2)。吸湿量は以下の式で求めた。
(脱湿試験)
前記吸湿試験後の重合体(W2)を50℃、相対湿度約10%RHに調整した恒温槽に12時間または10分静置して重量を測定する(W3)。脱湿量は以下の式で求めた。
(12時間吸湿試験後外観)
12時間吸湿試験後の各材料の外観(べたつき、変形など)を目視で確認した。
Claims (7)
- 下記一般式(1)で表される構造単位および下記一般式(2)で表される構造単位から選ばれる少なくとも1種を有する重合体からなることを特徴とする吸脱湿剤。
一般式(1)
(一般式(1)中R1〜R3は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、R4は−SO3RXで表される基、下記(a)で表される基、下記(b)で表される基または下記(c)で表される基である。なお、RXは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基またはアミノ基である。)
(a)
(b)
(c)
一般式(2)
(一般式(2)中、R5〜R12は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基および−SO3RXで表される基から選ばれ、R5〜R12の少なくとも1つは−SO3RXで表される基である。なお、RXは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基またはアミノ基である。) - 前記重合体が−SO3RXで表される基(ここでRXは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基またはアミノ基である。)を1.5mmol/g以上有することを特徴とする請求項1記載の吸脱湿剤。
- 前記重合体が架橋構造を有することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の吸脱湿剤。
- さらに架橋剤を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸脱湿剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の吸脱湿剤とバインダーを含むことを特徴とする吸脱湿剤組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の吸脱湿剤を含有する成形体。
- 請求項6に記載の成形体を有することを特徴とするデシカント空調システム。
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