JP2009189900A - 抗菌、防黴性に優れた全熱交換素子 - Google Patents

抗菌、防黴性に優れた全熱交換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】無機系吸着剤に防黴・抗菌剤を担持、あるいはコーティングすると、吸湿性を発現する細孔表面への水分子の吸着を封鎖するために吸湿性能を低下させたり、また、100℃以上で放湿させるために防黴・抗菌剤が変質し性能が低下するという問題がある。本発明は、吸湿性能を低下させることなく、かつ充分な抗菌、防黴性能を兼ね備えた全熱交換素子を提供することを目的とする。
【解決手段】分子中に親水性の極性基および架橋構造を有する有機高分子中に、銀、銅、亜鉛でなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を0.1重量%以上1.5重量%以下含有せしめた有機高分子系収着剤を必須成分とする吸湿層で形成されたシート状物がハニカム状に形成されており、該シート状物の20℃、65%RHおよび90%RHにおける飽和吸湿率がそれぞれ20重量%以上および40重量%以上であり、かつその差が20重量%以上である抗菌、防黴性に優れた全熱交換素子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、抗菌、防黴性を有し、かつ吸放湿性を有する吸湿層で形成されたシート状物がハニカム状に形成され、空調機等に用いられる全熱交換素子に関する。
デシカント式空調機等に用いられている全熱交換素子は、シリカゲル、ゼオライト、活性炭等の吸放湿性を有する素材を付着させたシートをハニカム状に形成させているが、長時間使用するとシートの表面に塵(汚れ)が付着し、その塵に細菌や黴が繁殖する可能性があり、健康上の問題や臭いの発生源や空気質の悪化といった問題を起こすことが懸念される。
このような問題を解決するため、特許文献1に開示される様な防黴・抗菌剤をシリカゲル微粒子に担持させる方法や、特許文献2に開示されるような防黴・抗菌剤を含有するコーティング膜により被覆させる方法が開示されている。
特開平11−304383 特開平11−300147
シリカゲル、ゼオライトといった無機系吸着剤に防黴・抗菌剤を担持させたり、コーティングしたりすると、本来の特性である吸湿性を発現する細孔表面への水分子の吸着を封鎖するために吸湿性能を低下させたり、またこれら無機系吸着剤は、100℃以上の高温で放湿させるために防黴・抗菌剤が変質し防黴・抗菌性能が低下するという問題がある。本発明の目的は、上記問題点を解消するものであり、本来の性能である吸湿性能を低下させることなく、かつ充分な抗菌、防黴性能を兼ね備えた全熱交換素子を提供するものである。
本発明の上記目的は、以下の手段により達成される。すなわち、
[1]分子中に親水性の極性基および架橋構造を有する有機高分子中に、銀、銅、亜鉛でなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を0.1重量%以上1.5重量%以下含有せしめた有機高分子系収着剤を必須成分とする吸湿層で形成されたシート状物がハニカム状に形成されており、該シート状物の20℃、65%RHおよび90%RHにおける飽和吸湿率がそれぞれ20重量%以上および40重量%以上であり、かつその差が20重量%以上であることを特徴とする抗菌、防黴性に優れた全熱交換素子。
[2]有機高分子中の金属が、該有機高分子中の親水性の極性基にイオン配位していることを特徴とする[1]記載の抗菌、防黴性に優れた全熱交換素子。
[3]有機高分子中の金属が、該金属の金属錯体超微粒子及び/または金属超微粒子として含有されていることを特徴とする[1]記載の抗菌、防黴性に優れた全熱交換素子。
本発明の全熱交換素子は、優れた吸放湿性を維持したまま、細菌や黴の発生を抑制でき、細菌や黴による臭いや空気質の悪化による不快感を抑止することができる。
本発明の全熱交換素子は、20℃、65%RHおよび90%RHにおける飽和吸湿率がそれぞれ20重量%以上および40重量%以上であり、かかる条件での飽和吸湿率の差が20重量%以上である吸湿層で形成されたシート状物を有し、該シート状物はハニカム状に形成され、その必須成分として、分子中に親水性の極性基および架橋構造を有する有機高分子中に、銀、銅、亜塩でなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を0.1重量%以上1.5%重量以下含有した該有機高分子系収着剤を採用する。
本発明の採用する有機高分子系収着剤における有機高分子(以下、単に有機高分子とも言う)とは、分子中に親水性の極性基を有する有機高分子主鎖を架橋構造により三次元構造化したものであり、収着現象に基づき水蒸気を多量に収着する材料である。収着現象とは、気体と固体との系において、両者の界面で固相中の気体濃度が気相中よりも高くなる現象が吸着と呼ばれ、一方、吸着した気体分子が固体表面層を通り固体内部へ入り込んでいく現象が吸収と呼ばれるが、この吸着と吸収とが同時に起こる現象である。即ち、気体状水分子(水蒸気)が有機高分子に作用した場合、該収着剤の有する高い親水性極性基により水は吸着され、さらに収着剤分子に入り込んで吸収されてゆく。この際、本発明の採用する有機高分子の有する三次元構造には、適度の柔軟さがあるため、水分子が吸収されるに従い膨らむことができ、多量の水分子を該収着剤の中に取り込むことができ、また水分子が放出されるに従い収縮し元の構造に戻ることができ、優れた長期使用耐久性を与えるのである。
本発明の採用する有機高分子系収着剤における有機高分子中に有する親水性の極性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、硫酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アミノ基、およびそれらの塩化合物、あるいはニトロ基、アルデヒド基、アミド基、ニトリル基、メルカプト基、水酸基等をあげることができる。なかでも、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、硫酸基が好ましく、特に塩型のカルボキシル基の場合、吸湿性能が極めて高いため優れた性能の全熱交換素子を得ることができる。
ここで上記カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、硫酸基等のアニオン性基の塩化合物を構成する塩としては、各アニオン性基と塩構造を形成するものであれば特に限定はなく、例えばLi、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属、Be、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、Cu、Zn、Al、Mn、Ag、Fe、Co、Ni等のその他の金属、NH、アミン等の有機の陽イオン等を挙げることか出来る。なかでも塩型カルボキシル基の場合、吸放湿速度の向上に特に効果のあるKであればより好ましい。また、上記の塩を2種以上同時に用いることもできる。
ここで特に好ましい結果を与える塩型カルボキシル基の場合についてさらに詳しく説明する。塩型カルボキシル基は、吸湿性を発現させるために好適な親水性の高い極性基であり、高い吸湿性能を得ようとする場合、できるだけ多くの塩型カルボキシル基を含有することが好ましい。しかし、吸湿量と同時に、長期使用耐久性あるいは吸湿速度の速いものとするためには、本発明の有機高分子の有する架橋構造との割合において適当なバランスをとることが必要である。具体的には塩型カルボキシル基量があまり多すぎる場合、即ち10.0meq/gを超える場合、導入できる架橋構造の割合が少なくなりすぎ、いわゆる高吸水性樹脂に近いものとなってしまい、吸湿性能が低くなる、形態安定性が劣ったものとなり十分な長期使用耐久性が得られない、粘着性を帯びてくるといった問題が生じる場合がある。以上のような観点からより好ましい結果を与える塩型カルボキシル基量は、9.0meq/g以下である。
一方、塩型カルボキシル基量が少ない場合、吸湿性能は低下してゆき、特に1.0meq/gより低い場合では、得られる吸湿性は前述の無機系収着剤にも劣るため全熱交換素子としての利用分野が限られてしまう。塩型カルボキシル基量が3.0meq/g以上の場合、現存する他の吸湿性の素材に比べてその吸湿性能の優位性が顕著となり、より好ましい結果を与える。
塩型カルボキシル基を導入する方法としては、特に限定は無く、例えば、塩型カルボキシル基を有する単量体を単独重合又は共重合可能な他の単量体と共重合することによって重合体を得る方法(第1法)、カルボキシル基を有する重合体を得た後に塩型に変える方法(第2法)、カルボキシル基に誘導することが可能である官能基を有した単量体を重合し、得られた重合体の該官能基を化学変性によりカルボキシル基に変換しさらに塩型に変える方法(第3法)、あるいはグラフト重合により前記3法を実施する方法等が挙げられる。
上記第1法の塩型カルボキシル基を有する単量体を重合する方法としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルプロピオン酸等のカルボキシル基を含有する単量体の対応する塩型単量体を単独で、又はこれらの単量体の2種以上を、あるいは同一種であるがカルボン酸型と対応する塩型との混合物を重合する、さらにはこれらの単量体と共重合可能な他の単量体とを共重合する等の方法が挙げられる。
また、第2法に言うカルボキシル基を有する重合体を得た後に塩型に変える方法とは、例えば、先に述べたようなカルボキシル基を含有する酸型単量体の単独重合体、あるいは該単量体の2種以上からなる共重合体、または、共重合可能な他の単量体との共重合体を重合により得た後、塩型に変える方法である。カルボキシル基を塩型に変換する方法としては特に限定はなく、得られた前記酸型重合体にLi、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属イオン、Be、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属イオン、Cu、Zn、Al、Mn、Ag、Fe、Co、Ni等の他の金属イオン、NH、アミン化合物等の有機の陽イオンを含む溶液を作用させてイオン交換を行う等の方法により変換することができる。
第3法の化学変性法によリカルボキシル基を導入する方法としては、例えば化学変性処理によりカルボキシル基に変性可能な官能基を有する単量体の単独重合体、あるいは2種以上からなる共重合体、または、共重合可能な他の単量体との共重合体を重合し、得られた重合体を加水分解によってカルボキシル基に変性する方法があり、得られた状態が塩型でない場合は、変性されたカルボキシル基を上記の方法で塩型にする方法が適用される。このような方法をとることのできる単量体としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基を有する単量体;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルプロピオン酸等のカルボン酸基を有する単量体の無水物やエステル誘導体、アミド誘導体、架橋性を有するエステル誘導体等を挙げることができる。
カルボン酸基を有する単量体の無水物としては、無水マレイン酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、N−フェニルマレイミド、N−シクロマレイミド等をあげることができる。
カルボン酸基を有する単量体のエステル誘導体としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ラウリル、ペンタデシル、セチル、ステアリル、ベヘニル、2−エチルヘキシル、イソデシル、イソアミル等のアルキルエステル誘導体;メトキシエチレングリコール、エトキシエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、エトキシポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、メトキシプロピレングリコール、プロピレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、メトキシポリテトラエチレングリコール、ポリテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコールーポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールーポリテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコールーポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールーポリテトラエチレングリコール、ブトキシエチル等のアルキルエーテルエステル誘導体;シクロヘキシル、テトラヒドロフルフリル、ベンジル、フェノキシエチル、フェノキシポリエチレングリコール、イソボニル、ネオペンチルグリコールペンゾエート等の環状化合物エステル誘導体;ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシフェノキシプロピル、ヒドロキシプロピルフタロイルエチル、クロローヒドロキシプロピル等のヒドロキシアルキルエステル誘導体;ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、トリメチルアミノエチル等のアミノアルキルエステル誘導体;(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボン酸アルキルエステル誘導体;(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホフフェート等のリン酸基またはリン酸エステル基を含むアルキルエステル誘導体;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジメタクリレート、2−ヒドロキシー3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリル、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の架橋性アルキルエステル類;トリフロロエチル、テトラフロロプロピル、ヘキサフロロブチル、パーフロロオクチルエチル等のフッ化アルキルエステル誘導体をあげることができる。
カルボン酸基を有する単量体のアミド誘導体としては、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、モノエチル(メタ)アクリルアミド、ノルマルーt一ブチル(メタ)アクリルアミド等のアミド化合物等が例示できる。化学変性によりカルボキシル基を導入する他の方法として、アルケン、ハロゲン化アルキル、アルコール、アルデヒド等の酸化等も挙げることができる。
上記第3法における重合体の加水分解反応により塩型カルボキシル基を導入する方法についても特に限定はなく、既知の加水分解条件を利用することができる。例えば、上記単量体を重合し架橋された重合体にアルカリ金属水酸化物例えば、水酸化ナトリウム,水酸化リチウム,水酸化カリウムやアンモニア等の塩基性水溶液を用い塩型カルボキシル基を導入する方法、或いは硝酸、硫酸、塩酸等の鉱酸または、蟻酸、酢酸等の有機酸と反応させ、カルボン酸基とした後、アルカリ金属塩類と混合することにより、イオン交換により塩型カルボキシル基を導入する方法が挙げられる。なかでも吸湿速度に優れるカリウム塩型カルボキシル基が簡単に得られる水酸化カリウムによる加水分解法が好ましい。なお、塩型カルボキシル基の量が1.0〜10.0meq/gとなる条件については、反応の温度、濃度、時間等の反応因子と導入される塩型カルボキシル基量の関係を実験で明らかにすることにより、決定することができる。
本発明において、高い吸湿性能を発現させるため,および吸湿時の形状安定性を維持し長期使用耐久性を発現させるため、有機高分子は架橋構造を有することが必須である。この架橋構造は、本発明の目的とする吸放湿性能および該性能を生かした製品の性能に影響を及ぼさない限りにおいては特に限定はなく、共有結合による架橋、イオン架橋、ポリマー分子間相互作用または結晶構造による架橋等いずれの構造のものでもよい。また、架橋を導入する方法においても特に限定はなく、使用する既述単量体の重合段階において,架橋性単量体を共重合させることによる架橋導入方法、あるいは既述単量体をまず重合し,その後、化学的反応による、あるいは物理的なエネルギーによる架橋構造の導入といった後架橋法等を挙げることができる。中でも特に、単量体の重合段階で架橋性単量体を用いる方法、あるいは重合体を得たあとの化学的な後架橋による方法では、共有結合による強固な架橋を導入することが可能であり、吸湿、放湿に伴う物理的、化学的変性を受け難いという点で好ましい。
単量体の重合段階で架橋性単量体を用いる方法では、特に塩型カルボキシル基を有する有機高分子の場合、既述のカルボキシル基を有する、あるいはカルボキシル基に変性できる単量体と共重合することのできる架橋性単量体を用い、共重合を行なうことにより共有結合に基づく架橋構造を有する架橋重合体を得ることができる。しかし、この場合、単量体であるアクリル酸などが示す酸性条件、あるいは重合体でのカルボキシル基への変性を行う際の化学的な影響(例えば加水分解など)を受けない、あるいは受けにくい架橋性単量体である必要がある。
単量体の重合段階で架橋性単量体を用いる方法に使用できる架橋性単量体としては特に限定はなく、例えばグリシジルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジビニルベンゼン、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド等の架橋性ビニル化合物を挙げることができ、なかでもトリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミドによる架橋構造は、それらを含有してなる架橋重合体に施すカルボキシル基を導入するための加水分解等の際にも化学的に安定であるので望ましい。
また、後架橋による方法としても特に限定はなく、例えば、ニトリル基を有するビニルモノマーの含有量が50重量%以上よりなるニトリル系重合体の含有するニトリル基と、ヒドラジン系化合物またはホルムアルデヒドを反応させる後架橋法を挙げることができる。なかでもヒドラジン系化合物により導入された架橋構造は、酸、アルカリに対しても安定で、しかも形成される架橋構造自体が親水性であるので吸湿性の向上に寄与でき、また、重合体に付与した多孔質等の形態を保持することができる強固な架橋を導入できるといった点で極めて優れている。なお、該反応により得られる架橋構造に関しては、その詳細は同定されていないが、トリアゾール環あるいはテトラゾール環構造に基づくものと推定されている。
ここでいうニトリル基を有するビニルモノマーとしては、ニトリル基を有する限りにおいては特に限定はなく、具体的には、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等が挙げられる。なかでも、コスト的に有利であり、また、単位重量あたりのニトリル基量が多いアクリロニトリルが最も好ましい。
ヒドラジン系化合物との反応により架橋を導入する方法としては、目的とする架橋構造が得られる限りにおいては特に制限はなく、反応時のアクリロニトリル系重合体とヒドラジン系化合物の濃度、使用する溶媒、反応時間、反応温度など必要に応じて適宜選定することができる。このうち反応温度については、あまり低温である場合は反応速度が遅くなり反応時間が長くなりすぎること、また、あまり高温である場合は原料アクリロニトリル系重合体の可塑化が起り、重合体に付与されていた形態が破壊されるという問題が生じる場合がある。従って、好ましい反応温度としては、50〜150℃、さらに好ましくは80℃〜120℃である。また、ヒドラジン系化合物と反応させるアクリロニトリル系重合体の部分についても特に限定はなく、その用途、該重合体の形態に応じて適宜選択することができる。具体的には、該重合体の表面のみに反応させる、または、全体にわたり芯部まで反応させる、特定の部分を限定して反応させる等適宜選択できる。なお、ここに使用するヒドラジン系化合物としては、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、硝酸ヒドラジン、臭素酸ヒドラジン、ヒドラジンカーボネイト等のヒドラジンの塩類、およびエチレンジアミン、硫酸グアニジン、塩酸グアニジン、硝酸グアニジン、リン酸グアニジン、メラミン等のヒドラジン誘導体である。
本発明に用いられる有機高分子は、自身が抗菌性および/または抗黴性を有しているケースがあるが、病院、食品加工場等ではより優れた抗菌、防黴性を求められる。本発明者らは、分子中に親水性の極性基および架橋構造を有する有機高分子に、銀、銅、亜鉛でなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を0.1重量%以上1.5%以下含有することで非常に優れた抗菌、防黴性を有していることを明らかにした。
本発明における抗菌・抗黴性を有する金属としては、銀、銅、亜鉛でなる群から選ばれた少なくとも1種である必要がある。なお、これらの金属のうち2種類以上を同時に用いることは本発明の範囲をなんら逸脱するものではない。なお含有される金属の量としては、その機能が要求されるレベルにおいて任意に設定することができ特に限定はないが、少量の有機高分子系収着剤の添加で十分な抗菌・抗黴性を発現させる必要があるため、少なくとも1種の金属を0.1重量%以上含有してなる必要がある。また全熱交換素子本来の吸湿性を維持するためには1.5%以下であることが必要である。
本発明において、銀、銅、亜鉛でなる群から選ばれた少なくとも1種である金属を含有させる方法については、特に制限はなく使用される用途に応じて適宜選択できる。例えば、含有される金属を金属イオンとして、有機高分子中の極性基にイオン交換またはイオン配位せしめる方法が挙げられる。この方法は、耐熱、耐候性に難があるものの、製造が容易で、金属の利用効率が高く、また、金属イオンがイオン状で含有されているため、抗菌・抗黴性能の発現能に優れている。また別の方法としては、含有される金属を金属錯体超微粒子として、有機高分子中に析出させ含有せしめる方法が例示される。この方法は、前者よりも耐熱、耐候性が良く、また、非常に小さな微粒子であることより、抗菌・抗黴性能の発現能も良好で、特にその配位子を自由に選択することができ、このため金属イオンの解離速度を任意に設定できるという利点を有する。さらなる方法としては、含有される金属を金属超微粒子として、有機高分子中に含有せしめる方法である。この方法は、上記2法に比べて、耐熱、耐候性に優れ、また、抗菌・抗黴性能の持続性が良好であるという特徴を有する。
本発明における金属錯体超微粒子および金属超微粒子の大きさは、利用される用途に応じて任意に選択できるものであり特に限定はないが、抗菌・抗黴性を効率よく発現させるためには、できるだけ小さな粒子のほうが機能を発現できる表面積を大きくすることができるという点で好ましく、1.0μm以下、特に100nm以下のものが好ましい。
極性基に金属イオンをイオン交換またはイオン配位せしめる方法については特に限定はなく、金属イオンを含んだ化合物を極性基を有する有機高分子に接触せしめることによりなされる。また、金属イオンを含んだ該化合物は、無機系でも有機系でもよいが、イオン交換あるいはイオン配位のし易さから無機系の化合物を用いた場合良好な結果が得られる。また、有機高分子との接触の方法としても特に限定はなく、例えば有機あるいは水等の溶剤へ金属イオンを溶解させ、これを有機高分子と接触させる方法によりなされる。
また、金属錯体化合物を有機高分子中に析出・含有させる方法としては、イオン交換またはイオン配位可能な極性基を含有する有機高分子中の極性基がアニオン交換能を有する場合、銀、銅、亜鉛でなる群から選ばれた少なくとも1種の金属イオンを直接該極性基にイオン交換またはイオン配位せしめ、次いで該金属イオンを金属錯体化合物として析出沈殿させることのできる配位子化合物で処理する方法が例示できる。この方法では粒子径が100nm以下の金属錯体超微粒子をポリマー粒子中に析出・含有させることができ、良好な抗菌・抗黴性を発現することができる。
金属イオンを金属錯体化合物として析出させることができる配位子化合物としては特に限定はなく、例えばピロ燐酸、ポリ燐酸、珪酸、アルミン酸、タングステン酸、バナジン酸、モリブデン酸、アンチモン酸、臭素、塩素、沃素、フッ素、アンモニア、アセチルアセトン、アデニン、アデノシン3リン酸、2ーアミノエタノール、2ーアミノエタンチオール、イミダゾール、エチルアミン、エチレンジアミン、カテコール、グリシルグリシン、グリシン、酢酸、ジベンゾー18ークラウンー6、ヒスチジン、2、2‘ービピリジン、ピリジン、1、10ーフェナントロリン、フェノール、o−ベンゼンジカルボン酸、硫黄、塩素酸、臭素酸、沃素酸、硫酸、亜硫酸、チオ硫酸、チオシアン酸、炭酸、修酸、安息香酸、フタル酸、石炭酸、青酸等およびそれらより誘導されるイオンを用いることができる。
また、イオン交換またはイオン配位可能な極性基が、アニオン交換能を有する極性基である場合、金属イオンを金属錯体化合物として析出沈殿させることのできる配位子イオンをイオン交換又はイオン配位せしめ、極性基に固定化された配位子イオン部分に、銀、銅、亜鉛でなる群から選ばれた少なくとも1種の金属イオンを配位させる方法を採用することができる。本方法においても粒子径が100nm以下の金属錯体化合物の超微粒子を有機高分子中に析出・含有させることができる。カチオン交換能を有する極性基でなる有機高分子の場合、イオン解離平衡の関係より、金属イオンが有機高分子の極性基から解離しにくくなるといった問題が生じる場合があるが、アニオン交換能を有する極性基でなる有機高分子を用いた方法では、解離平衡を変化させることができるためこのような問題をなくすことができる。また、有機高分子中のアニオン交換能を有する極性基自身が抗菌・抗黴性を助長するといった、相乗効果も得ることができる。
含有される金属を、金属超微粒子として有機高分子に含有せしめる方法としては、有機高分子中の極性基がカチオン交換能を有する極性基である場合は、金属イオンを該極性基に直接イオン交換あるいはイオン配位せしめた後に還元することによりに金属超微粒子を析出させる方法が例示できる。この場合、金属イオンをイオン交換せしめ、有機高分子中の極性基に金属イオンが固定された状態で、直ちに還元反応を行うという方法により、より良好な結果を得ることが出来る。一般に、イオン交換した金属イオンを一度金属化合物として有機高分子中へ析出させ、その後に還元反応により金属超微粒子に変換せしめる方法もあるが、この方法の場合、金属化合物として有機高分子中へ析出させる際に、金属化合物が有機高分子外で析出し易いこと、また還元反応時にも同様な傾向が認められ、金属が有機高分子外へ出て行くためコスト的にも不利である。この現象は、反応に伴う析出化合物の大きさが変化し、有機高分子の微細孔からはずれてゆくために起こるのではないかと考えられる。このような点から、特に好ましくは、熱処理による還元法を用いた場合であり、この場合イオン交換した金属イオンの全量を金属超微粒子として完全に有機高分子中に含有することができ、良好な結果を得ることができる。
また、アニオン交換能を有する極性基でなる有機高分子の場合、該粒子中の極性基に、上述した方法により金属錯体化合物を有機高分子中に析出させた後、還元反応により、有機高分子中に金属超微粒子を含有せしめる方法により良好な結果を得ることが出来る。カチオン交換能を有する極性基でなる有機高分子の場合、イオン解離平衡の関係より、金属イオンが有機高分子の極性基から解離しにくくなるといった問題が生じる場合があるが、アニオン交換能を有する極性基でなる有機高分子を用いた方法では、解離平衡を変化させることができるためこのような問題をなくすことができる。さらには、有機高分子中のアニオン交換能を有する極性基自身が防黴・抗菌性を助長するといった、相乗効果も得ることができる。
上述したように、熱処理による還元が好ましいが、還元剤による方法も採用し得る。かかる還元剤としては、金属イオンを金属に還元できる方法であれば特に限定はない。例えば、金属イオンに電子を与える化合物である、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、ホルマリン、アルデヒド基を含む化合物、硫酸ヒドラジン、青酸およびその塩、次亜硫酸およびその塩、チオ硫酸塩、過酸化水素、ロッシェル塩、ブドウ糖、アルコール基を含む化合物、次亜リン酸とその塩等の還元剤を用い溶液中で還元させる方法、また、水素、一酸化炭素、硫化水素などの還元性雰囲気中での熱処理による方法、光照射による方法、あるいはこれらを組み合わせた方法などをあげることができる。
なお、溶液中での還元反応を行う際、
反応系中へ水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム等の塩基性化合物、無機酸、有機酸等のpH調整剤、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等のオキシカルボン酸系統のものあるいはホウ素、炭酸等の無機酸、有機酸、無機酸のアルカリ塩等の緩衝剤、硫化物、フッ化物等の促進剤、塩化物、硫化物、硝化物等の安定剤、界面活性剤等の改良剤等を加えることは本発明をなんら逸脱するものではない。また還元性雰囲気中での熱処理による方法の際、不活性ガスとして窒素、アルゴン、ヘリウム等を併用することについても同様である。
本発明に用いられる有機高分子系収着剤は、高い吸湿・放湿性能を有しており、かかる有機高分子系収着剤を必須成分とする吸湿層は、高い形態安定性を有していることが特徴である。この形態安定性に関して、その1つの指標として吸水した際の吸水倍率が10倍以下であるものが好ましく、特に5倍以下の場合はさらに好ましい。この吸水倍率とは、絶乾状態の試料を水に浸漬し、飽和状態まで吸水させその前後における重量変化により水の吸水量を求め、試料の乾燥状態の重量で除したものである。この吸水倍率が10倍を超える場合、吸湿に伴う膨潤が大きくなる、あるいは結露等の水が作用した場合大きく膨潤するといった問題が発生するため好ましくない。
本発明に用いられる有機高分子系収着剤の形態としては、特に限定はなく使用される用途に応じたものを適宜選定することができるが、微粒子状のものであるとき特に好ましい結果を得ることができる。微粒子状の有機高分子系収着剤は、微粒子であるためその比表面積が大きく吸湿・放湿の速度を向上することができる。また微粒子の積層した吸湿層においては、粒子積層部位にわずかなすき間が発生するが、吸湿・放湿に伴う収着剤の膨潤・収縮という体積変化をそのすき間で吸収することができるため、長期使用耐久性の向上に寄与する。また、このすき間があることにより、水蒸気の移動が起こり易くなり、吸湿・放湿速度を向上することができるとともに、水蒸気を吸湿層の深い部分まで到達させることができ、吸湿層をムダなく使用することができるといったメリットがある。
微粒子状の有機高分子系収着剤の場合の粒子径については、全熱交換素子として加工することが可能で、目的とする性能が得られる限りにおいては、特に限定が無い。ただ、吸湿・放湿の速度を高くするため、および吸湿層としての長期使用耐久性を高めるといった観点から該微粒子の平均1次粒子径は5μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは比表面積が極めて大きくなり、吸湿・放湿速度が著しく向上する0.2μm以下の場合である。ここで言う平均1次粒子径とは、微粒子が、会合または凝集が起こっていない状態(1次粒子)での粒子径を平均したものを言う。該微粒子が水等の溶媒中に微分散、あるいはエマルジョン状で存在する場合は、水等の溶媒中に完全に分散させその平均粒子径として測定した値を用いる。また、1次粒子が凝集したものである場合、電子顕微鏡等で拡大観察し、塊となっている個々の1次粒子の大きさを測定したものである。
この粒子径が、5μmより大きい場合、(1)比表面積が小さくなり、最も吸湿速度の向上に寄与する表面吸着量が低下する、(2)半径が大きくなるため、粒子の中心部までの水分子の移動時間が長くなる。このため極短時間では、水分子が粒子の中心部まで移動することができず、中心部は吸湿速度には寄与せず、本来持っている吸湿能力が十分発現できない場合がある。
粒子の形状についても特に限定はなく、球状、不定形、平板状、サイコロ状、紡錘型、円柱上等いずれの形のものも使用することができる。また、その形態についても特に限定はなく、表面が平滑なもの、表面に凹凸があるもの、多孔質のもの、1次粒子の凝集体状のもの等を適宜選定して使用することができる。
本発明の全熱交換素子を形成させる方法としては、上述のごとくして得られた有機高分子系収着剤を必須成分とする吸湿層を紙、不織布、布帛、金属箔、金属メッシュ等から選択される基材の少なくとも片面に固定化せしめたシートを作り、該シートをハニカム状に加工して形成する方法、紙、不織布、布帛、金属箔、金属メッシュ等から選択される基材をハニカム状に形成して後、有機高分子系収着剤に銀、銅、亜塩でなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を0.1重量%以上1.5重量%以下含有した吸湿層を固定化する方法を例示することができる。
本発明の優れた吸湿性・放湿性を有する全熱交換素子を得るためには、有機高分子系収着剤を必須成分とする吸湿層で形成されたシート状物の飽和吸湿率は、20℃、65%RH(相対湿度)および90%RHの条件下で、それぞれ20重量%および40重量%以上であり、かかる条件での飽和吸湿率の差が20重量%以上である必要があり、好ましくは30重量%以上である。この飽和吸湿率の値がそれぞれの相対湿度で20重量%および40重量%に満たない場合、基本的性能として吸湿性能が低いものとなり、また飽和吸湿率の差が20重量%未満の場合、放湿性能が劣ったものとなり、本発明の目的を達成することができない。なおここで言う飽和吸湿率とは、試料を絶乾後、一定温湿度下に該材料を飽和状態となるまで放置しておき、その前後の重量変化より吸湿量を求め、もとの試料の絶乾重量で除したものである。
本発明の採用する有機高分子系収着剤を用いた全熱交換素子の1つの特徴としては、該有機高分子系収着剤の特徴から吸着した水を100℃未満の温度で脱着・再生することが可能となったという点である。これは、従来の無機系の吸着剤が水分子との結合が非常に強いため、脱着・再生に高温を必要とするのに対し、本全熱交換素子のほうが少ないエネルギーで同様な操作を行なうことができることから、省エネルギー型の装置、システムとして応用が可能となる。さらに、本発明の全熱交換素子では収着時の相対湿度より低い条件であれば、70℃よりも低い温度、40℃あるいは50℃といった極めて低いレベルの再生温度でも十分再生することが可能とすることが出来る。このような特性を生かすことにより、工場の排熱、太陽光熱、ヒートポンプ排熱、燃料電池排熱、給湯排熱等のこれまでは捨てられていた低温の排熱を、再生熱源として利用することができるため、エネルギーの利用の効率を上げることができる。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部及び百分率は、断りのない限り重量基準で示す。まず、各特性の評価方法および評価結果の表記方法について説明する。
まず、シート状物の飽和吸湿率とは、次の方法により得られた値をいう。あらかじめ重量を測定した基材(Wa)gに、実施例で示される方法で吸湿層を形成せしめたシート状物を測定試料とする。該シート状物は熱風乾燥機で105℃、16時間乾燥し重量を測定する(Wb)g、次に試料を温度20℃で相対湿度65%RHまたは90%RHに調整された恒温恒湿器に24時間放置し、吸湿したシート状物の重量を測定する(Wc)g。以上の結果をもとに、飽和吸湿率を次式により算出する。
飽和吸湿率(重量%)={(Wc−Wb)/(Wb−Wa)}×100
抗菌性は、JIS L1902定量試験(菌液吸収法)に準じ、黄色ぶどう球菌を混釈平板培養法にて生菌数を測定することで評価する。実施例で示される方法で吸湿層を形成せしめたシート状物を測定試料とする。ブランクとして無加工布(標準綿布)を用い、植菌数(A)個に対し培養試験後の、無加工布菌数(B)個、試料の生菌数(C)個について、
log A−log Bが1.5を超える場合に試験が成立する。評価結果は下式を用いて算出する。
殺菌活性値=log A−log C
静菌活性値=log B−log C
殺菌活性値、静菌活性値共に、数値が大きいほど抗菌性が高い。
なお、社団法人繊維評価技術協会が定める基準として、静菌加工の認証基準は、「殺菌活性値が0以上であること」である。また、抗菌防臭加工の認証基準は、「静菌活性値が2.2以上であること」である。
防カビ性は、JIS Z2911 繊維製品の試験・湿式法に準じて評価する。実施例で示される方法で吸湿層を形成せしめたシート状物を測定試料とする。無機寒天培地上に試料を貼付し、下記4種類の混合胞子懸濁液を噴霧する。28±2℃で14日間培養後、試料上のかびの生育を観察し、下記のように評価する。
(試験菌株)
Aspergillus
niger ATCC 6275
Penicillium
citrinum ATCC 9849
Chaetomium
globosum ATCC 6205
Myrothecium
verrucaria ATCC 9095
(試験結果の表示)
かび抵抗性表示0: 菌糸の発育が認められない
かび抵抗性表示1: かびの生育は試料面積の1/3以内
かび抵抗性表示2: かびの生育は試料面積の1/3以上
かび抵抗性表示の数字が小さいほど防カビ性が高い。
[実施例1]
反応槽にラウリル硫酸ナトリウム1部、過硫酸アンモニウム3部およびイオン交換水350部を仕込み、温度70℃まで昇温し、70℃に保ち攪拌しながら反応槽内にメチルアクリレート35部、ブチルアクリレート40部、ジビニルベンゼン15部、メタクリル酸5部、p−スチレンスルホン酸ナトリウム5部、ポリエチレングリコール(23モル)モノアクリレート3部および脱イオン水50部を滴下して重合を開始する。これら単量体類の滴下は30分間で終了する様に滴下速度を調整する。滴下終了後2時間70℃に保って重合を行ない、重合体エマルジョンを得た。得られた重合体エマルジョンは、固形分21%、平均粒子径は0.03μmの極めて微細なものであった。
得られた重合体エマルジョン480部に、水酸化カリウム45部を水475部に溶解した溶液を添加し、95℃で48時間さらにリフラックス条件で8時間加水分解反応を行なった。加水分解後の混合溶液は、セルロース半透膜に入れ、水中に浸し脱塩を行なうことにより、エマルジョン状の有機高分子を得た。得られたエマルジョンの固形分は12%であり、平均粒子径は0.04μmと非常に小さなものであった。
得られたエマルジョン100部に、1%硝酸銀水溶液1.9部を添加し、80℃で2時間処理することにより、銀が有機高分子の極性基にイオン配位したエマルジョン状の有機高分子系収着剤を得た。このエマルジョンにおいて、有機高分子系収着剤に対する銀の含有量は、0.1重量%である。この銀イオンを導入したエマルジョン300部に、アクリル酸10部、架橋性のジアジリジン化合物であるケミタイトDZ((株)日本触媒製)5部、開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部を加えた混合液を得た。この混合液を基材(30g/mの紙、ガラス繊維70%、ビニロン20%、アクリルバインダー10%を抄紙したもの)に塗布し、105℃で15分間乾燥させた。基材上に50g/mの有機高分子系収着剤からなる吸湿層を有するシート状物を得た。該シート状物を片段コルゲート加工することによってハニカム状の全熱交換素子を得た。この全熱交換素子を構成するシート状物を一定の大きさに切り取り、飽和吸湿率、抗菌性、防カビ性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2009189900
[実施例2]
実施例1において、1%硝酸銀水溶液1.9部を添加していたところを、10%硝酸銀水溶液1.9部に変更してシート状物を作製した。得られたシート状物は、基材上に51g/mの吸湿層が存在するものであった。また、銀が有機高分子の極性基にイオン配位したエマルジョンにおいて、有機高分子系収着剤に対する銀の含有量は、1.0重量%である。得られたシート状物の飽和吸湿率、抗菌性、防カビ性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、1%硝酸銀水溶液1.9部を添加していたところを、10%硝酸銀水溶液2.9部に変更してシート状物を作製した。得られたシート状物は、基材上に51g/mの吸湿層が存在するものであった。また、銀が有機高分子の極性基にイオン配位したエマルジョンにおいて、有機高分子系収着剤に対する銀の含有量は、1.5重量%である。得られたシート状物の飽和吸湿率、抗菌性、防カビ性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、1%硝酸銀水溶液1.9部を添加していたところを、10%硝酸銀水溶液3.8部に変更してシート状物を作製した。得られたシート状物は、基材上に48g/mの吸湿層が存在するものであった。また、銀が有機高分子の極性基にイオン配位したエマルジョンにおいて、有機高分子系収着剤に対する銀の含有量は、2.0重量%である。得られたシート状物の飽和吸湿率、抗菌性、防カビ性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1において、1%硝酸銀水溶液1.9部を添加していたところを、10%硝酸銅水溶液3.6部に変更してシート状物を作製した。得られたシート状物は、基材上に50g/mの吸湿層が存在するものであった。また、銅が有機高分子の極性基にイオン配位したエマルジョンにおいて、有機高分子系収着剤に対する銅の含有量は、1.0重量%である。得られたシート状物の飽和吸湿率、抗菌性、防カビ性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例1において、1%硝酸銀水溶液1.9部を添加していたところを、10%硝酸亜鉛水溶液3.5部に変更してシート状物を作製した。得られたシート状物は、基材上に52g/mの吸湿層が存在するものであった。また、亜鉛が有機高分子の極性基にイオン配位したエマルジョンにおいて、有機高分子系収着剤に対する亜鉛の含有量は、1.0重量%である。得られたシート状物の飽和吸湿率、抗菌性、防カビ性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例2において、銀を有機高分子の極性基にイオン配位させたエマルジョン100部に、5%シュウ酸カリウム水溶液100部を加え、80℃で2時間処理した。この処理液をセルロース半透膜に入れ、水中に浸し脱塩を行うことにより、シュウ酸銀錯体超微粒子を含有するエマルジョン状の有機高分子系収着剤を得た。このエマルジョン300部に、アクリル酸10部、架橋性のジアジリジン化合物であるケミタイトDZ((株)日本触媒製)5部、開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部、を加えた混合液を得た。この混合液を基材(30g/mの紙、ガラス繊維70%、ビニロン20%、アクリルバインダー10%を抄紙したもの)に塗布し、105℃で15分間乾燥させた。基材上に49g/mの有機高分子系収着剤からなる吸湿層を有するシート状物を得た。このシート状物の飽和吸湿率、抗菌性、防カビ性を評価した。結果を表2に示す。また、このシート状物をSEM−EDXで観察したところ、シート状物表面には斑点状に(直径約50nm)銀が含まれていることを確認できた。
Figure 2009189900
[実施例8]
実施例7において、得られたシート状物を165℃で1時間加熱処理をした。この加熱により、シュウ酸銀錯体超微粒子は金属超微粒子に還元される。このシート状物をSEM−EDXで観察したところ、吸湿層表面には斑点状に(直径約30nm)銀が含まれていることを確認できた。このシート状物の飽和吸湿率、抗菌性、防カビ性を評価した。結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例1において、硝酸銀水溶液による処理なしで吸湿層を作製した。基材上に52g/mの吸湿層が存在するシート状物を得た。得られたシート状物の飽和吸湿率、抗菌性、防カビ性を評価した。結果を表2に示す。
[比較例2]
実施例1で使用した基材に酢酸ビニル系接着剤(ボンド木工用、コニシ製)を塗布し、この接着剤にB型シリカゲル(サイリシア470、富士シリシア製)を付着させてから乾燥させた。基材上に51g/mのB型シリカゲルが存在するシート状物を得た。得られたシート状物の飽和吸湿率、抗菌性、防カビ性を評価した。結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例1で使用した基材に酢酸ビニル系接着剤(ボンド木工用、コニシ製)を塗布し、この接着剤にゼオライト(合成ゼオライトA-4、粉末、75μm通過、和光純薬製)を付着させてから乾燥させた。基材上に53g/mのゼオライトが存在するシート状物を得た。得られたシート状物の飽和吸湿率、抗菌性、防カビ性を評価した。結果を表2に示す。

Claims (3)

  1. 分子中に親水性の極性基および架橋構造を有する有機高分子中に、銀、銅、亜鉛でなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を0.1重量%以上1.5重量%以下含有せしめた有機高分子系収着剤を必須成分とする吸湿層で形成されたシート状物がハニカム状に形成されており、該シート状物の20℃、65%RHおよび90%RHにおける飽和吸湿率がそれぞれ20重量%以上および40重量%以上であり、かつその差が20重量%以上であることを特徴とする抗菌、防黴性に優れた全熱交換素子。
  2. 有機高分子中の金属が、該有機高分子中の親水性の極性基にイオン配位していることを特徴とする請求項1記載の抗菌、防黴性に優れた全熱交換素子。
  3. 有機高分子中の金属が、該金属の金属錯体超微粒子及び/または金属超微粒子として含有されていることを特徴とする請求項1記載の抗菌、防黴性に優れた全熱交換素子。
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