JP2013100647A - 不燃積層材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】断熱性基材11の一方の面に、接着層12を介して不燃補強層18が積層した不燃積層材10であって、不燃補強層18は、少なくとも紙からなる層13と金属層15とを備え、紙からなる層13は、金属層15よりも断熱性基材11側に位置し、該紙の厚さが0.2〜0.8mmである不燃積層材10。
【選択図】図1
Description
そこで、このような内装制限を受ける箇所にも使用できる、高い不燃性を備えた積層材が求められている。
図1は、本発明の不燃積層材の一例を示す断面図である。
図1の不燃積層材10は、平板状の断熱性基材11と、該断熱性基材11の一方の面に第1の接着層12を介して形成された不燃補強層18とを備えている。この例の不燃補強層18は、紙からなる層(以下、紙層という場合がある。)13、金属層15、化粧層17の3層構造であり、紙層13と金属層15との間、金属層15と化粧層17との間は、それぞれ第2の接着層14および第3の接着層16で接着されている。
断熱性基材11としては、樹脂発泡体からなる板状物を主体とするものが使用される。該板状物の少なくとも一方の面には、樹脂を発泡させる際に用いられた面材(例えば、ガラス繊維紙など。)が一体化していてもよく、その場合には、樹脂発泡体からなる板状物と面材とで断熱性基材11が構成される。
フェノール樹脂としては、レゾール樹脂が使用される。レゾール樹脂は、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニールフェノール、レゾルシノール等のフェノール化合物と、ホルムアルデヒド、フルフラール、アセトアルデヒド等のアルデヒドとの化学反応によって得られる。反応は、通常、触媒量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、脂肪族アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミンなど。)の存在下で行われる。
これらの硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その使用量は、硬化剤の種類にもよるが、フェノール樹脂100質量部に対して、通常5〜25質量部、好ましくは7〜22質量部、より好ましくは10〜20質量部である。
なお、図示例では、厚さが12〜36mmのフェノール樹脂発泡体と、その両面に積層した面材(ガラス繊維紙(目付:102g/m2))とから、断熱性基材11が構成されている。
不燃補強層18は、第1の接着層12を介して、断熱性基材11の一方の面に設けられ、不燃積層材10に不燃性や強度を付与するものであって、少なくとも紙層13と金属層15とを備えている。そして、紙層13が金属層15よりも断熱性基材11側に位置している。
具体的には、この例の不燃補強層18は、紙層13と金属層15に加えて、化粧層17が積層した3層構成であり、化粧層17が不燃積層材10の不燃補強層18側の表面(内装側仕上面)10aを構成し、紙層13が第1の接着層12を介して断熱性基材11に接している。紙層13と金属層15の間は、第2の接着層14により接着され、金属層15と化粧層17の間は、第3の接着層16により接着されている。
また、このような厚さの紙層13は、強度などを発揮するだけでなく、火災時において、詳しくは後述するが、金属層15とともに、不燃積層材10の不燃性を高める作用を奏する。
なお、図示例では、紙層13を構成する紙として、厚さ0.3mmの紙管原紙(JIS P0001に規定される番号6065)が使用されている。また、JIS P0001に規定される番号6065には、紙管原紙について、「紙、はく(箔)、織物などを巻く心棒及び紙ドラムの製造に用いる強サイズ紙。」と定義されている。
なお、図示例では、金属層15には、厚さ0.05mmのアルミニウム箔が使用されている。
なお、化粧層17として無機混抄紙を使用する場合、その目付は50〜100g/m2の範囲が好ましく、図示例では、目付75g/m2の水酸化アルミニウム混抄紙が使用されている。
第1の接着層12を構成するための接着剤の量には特に制限はないが、30〜100g/m2が好ましい。
図示例では、第1の接着層12には、ウレタン樹脂系の2液硬化型接着剤(接着剤量:50g/m2)が使用されている。
図示例の第2、第3の各接着層14,16は、ポリエチレンホットメルト系接着剤により厚み15μmに形成されている。
そのため、この不燃積層材10を施工した建築物内で火災が起こり、内装仕上面10a側に炎が発生した場合には、化粧層17は燃焼するものの、金属層15により、断熱性基材11側に火が移ることが防止される。さらに、この際、炎の側からみて金属層15の裏側には、火災時に炭化した場合でも、パルプ繊維の全てが炭化することがなく残存したパルプ繊維によっておおよその形状を維持した硬い炭化物となってばらばらになることがない、特定の厚さの紙層13が存在している。このように火災時でも形状を維持する紙層13が存在することにより、金属層15の変形が抑制され、金属層15による上述の作用、すなわち断熱性基材11側に火が移ることを防止する作用が充分に発揮される。また、紙層13が断熱性基材11を覆う状態となり、より効果的に、断熱性基材11側に火が移ることが防止される。その結果、不燃積層材10としての発熱量が抑制される。
また、紙層を具備していたとしても、その厚みが小さい場合には、これらは火災時にその形状を維持できずに縮んだり反ったりし、さらには、灰になってしまう場合もある。そのため、やはり金属層の変形を防止できず、金属層による上述の作用の発揮が困難となる。
また、紙層の代わりに塩化ビニル樹脂などの樹脂層を具備する場合には、樹脂層が溶解してしまうため、この場合も、金属層は充分な作用を発揮できなくなる。
また、紙層を具備していたとしても、その厚みが大きい場合には、発熱量が多くなる。
このように不燃補強層が特定の厚さの紙層を備えていない積層材の場合には、発熱量が多くなり、発熱性試験には不合格となる。
また、金属層が紙層よりも断熱性基材側に位置していると、容易に断熱性基材にまで火が移り、発熱性試験には不合格となる。
(1)加熱開始後20分間の総発熱量が、8MJ/m2以下であること。
(2)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと。
(3)加熱開始後20分間、最高発熱速度が、10秒以上継続して200kW/m2を超えないこと。
不燃材料認定試験には、他にガス有害性試験もあり、発熱性試験およびガス有害性試験の結果により、不燃材料、準不燃材料などと認定されるが、本発明においては発熱性試験により評価を行った。
また、発熱性試験の詳細は、「防耐火性能試験・評価業務方法書((財)日本建築総合試験所:平成12年6月1日制定)」の「4.10.2 発熱性試験・評価方法」に記載されている。
具体的には、屋根、天井、床(外気に接する床、土間床、その他の床、土間床の外周部など。)などに施工できる。
(実施例1)
図1の構成の不燃積層材10を作製した。
各層の構成は以下のとおりである。
断熱性基材11:厚さ35mmのフェノール樹脂発泡体と、その両面の面材(ガラス繊維紙(厚さ0.26mm、目付102g/m2))との積層体。
紙層13:厚さ0.3mmの紙管原紙(JIS P0001 番号6065)。
金属層15:厚さ0.05mmのアルミニウム箔。
化粧層17:目付75g/m2の水酸化アルミニウム混抄紙。
第1の接着層12:ウレタン樹脂系の2液硬化型接着剤(接着剤量:50g/m2)使用。
第2、第3の各接着層14,16:ポリエチレンホットメルト系接着剤(厚み15μm)使用。
紙層13を厚さ0.5mmの紙管原紙(JIS P0001 番号6065)としたこと以外は実施例1と同様にして不燃積層材10を作製した。
結果を表1に示す。
なお、表1中、発熱量とは、加熱開始後20分間の総発熱量である。
また、試験体の加熱開始後5分経過時の状態と、加熱開始後20分間の状態を観察した結果も表1に示した。
紙層13を厚さ1mmの板紙(JIS P0001 番号4001)としたこと以外は実施例1と同様にして不燃積層材10を作製して、発熱性試験を行った。結果を表1に示す。
11 断熱性基材
13 紙からなる層(紙層)
15 金属層
18 不燃補強層
Claims (1)
- 断熱性基材の一方の面に、接着層を介して不燃補強層が積層した不燃積層材であって、
前記不燃補強層は、紙からなる層と金属層とを少なくとも備え、
前記紙からなる層は、厚さが0.2〜0.8mmであり、かつ、前記金属層よりも前記断熱性基材側に位置することを特徴とする不燃積層材。
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