JP2013099827A - 切屑回収装置及び切屑回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイズや材質が種々異なる切屑が混在する場合であっても、切屑を適切に回収可能な切屑回収装置を提供する。
【解決手段】分岐管部20を有する分岐ケース2で取り囲まれた水道管1の周壁をカッターにより切削する工事で用いられ、切削時に生じた切屑を回収する切屑回収装置であって、分岐管部20を閉塞する位置に取り付けられる装置本体51と、装置本体51を貫通する中空軸状をなし先端口52aが分岐管部20を通じて水道管1に進退可能に構成された中空シャフト部52とを有する。中空シャフト部52は、先端口52aを覆う位置にメッシュ54bが取り付けられ、メッシュの孔を通過可能なサイズの小切屑K1を流体と共にメッシュ54bの孔を介して吸引して外部に排出可能にされていると共に、メッシュ54bの孔を通過不能なサイズの大切屑K2を吸引力によってメッシュ54bに吸着可能に構成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、不断水切削において用いられる切屑回収装置及び切屑回収方法に関する。
近年、既設の水道管路を上流側で止水することなく不断水の状態を維持したまま、水道管の周壁をカッターで切削する、いわゆる不断水切削が行われている。不断水切削では、下記特許文献1、2に記載されているように、切削予定箇所を取り囲むようにして水道管の外側に分岐ケースを嵌めて装着する。この分岐ケースの分岐管部には、工事の目的に応じて、水道管内に弁体を挿入して管路を閉塞する仕切弁装置が取り付けられたり、パイバスを形成するための分岐管が接続されたりする。
不断水切削では、切削時に発生した切屑が水道管内に混入すること等を防止するために、切屑を適切に回収する必要があり、切屑回収のための種々の切屑回収装置及び切屑回収方法が提案されている。例えば、特許文献3及び特許文献5には、マグネットを利用して磁性体の切屑を磁気吸引力により吸着させて回収する装置が開示されている。また、特許文献4及び特許文献5には、外部から挿入した中空シャフトにより切屑を吸引して、その中空シャフトの内部を通して外部に排出する回収装置が開示されている。
実公平04−29188号公報 実公平07−5354号公報 特開2001−198714号公報 特開平9−19845号公報 特開2004−283999号公報
切削の対象となる流体管には、例えばモルタル等で内周面にライニング層が形成されている鉄管や、モルタル管、セメント管、石綿管、塩化ビニル管、ポリエチレン管といった多様な種類がある。そのため、切削時に生じる切屑には、微小粒径の切粉や、モルタル等のように粒径の大きなもの、磁性体、非磁性体など、サイズや材質が種々異なる切屑が混在している場合がある。このような場合であっても、切屑を適切に回収可能であることが回収装置及び回収方法に求められる。
しかしながら、上記マグネットで切屑を吸着させる回収装置及び回収方法では、磁性体の切屑を回収できるものの、モルタルを始めとする非磁性体の切屑を回収することができない。
一方、上記中空シャフトを用いて切屑を吸引する回収装置及び回収方法では、切屑が磁性体又は非磁性体であるかを問わずに回収可能であるものの、サイズの大きな切屑を吸引した場合に中空シャフトの内部で詰まるため、回収可能な切屑が限定されてしまう。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、その目的は、サイズや材質が種々異なる切屑が混在する場合であっても、切屑を適切に回収可能な切屑回収装置及び切屑回収方法を提供することである。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明の切屑回収装置は、分岐管部を有する分岐ケースで取り囲まれた流体管の周壁を、前記分岐管部内を通るカッターにより切削する工事で用いられる切屑回収装置であって、前記分岐管部に接続される装置本体と、前記装置本体を貫通する中空軸状をなし、先端口が前記分岐管部を通じて前記流体管に進退可能に構成された中空シャフト部とを具備し、前記中空シャフト部は、前記先端口を覆う位置にメッシュが取り付けられ、切削時に生じた切屑のうち前記メッシュの孔を通過するサイズの小切屑を流体と共に前記メッシュの孔を介して吸引して外部に排出可能にされていると共に、切削時に生じた切屑のうち前記メッシュの孔を通過しないサイズの大切屑を吸引力によって前記メッシュに吸着可能に構成されていることを特徴とする。
分岐管部に接続するとは、分岐管部の開口を閉塞する位置に配置することを意味し、例えば、分岐管部に直接接続することや、作業用仕切弁といった別部材を介在させて分岐管部に対して間接的に接続することが挙げられる。
このように、中空シャフト部の先端口を覆う位置にメッシュが取り付けられているので、メッシュの孔を通過するサイズの小切屑を吸引して中空シャフト部を通して外部に排出できると共に、メッシュの孔を通過しないサイズの大切屑が中空シャフト部に進入することを防止でき、中空シャフト部が切屑で詰まることを防止することが可能となる。それでいて、大切屑を吸引力によってメッシュに吸着できるので、切屑が非磁性体であっても回収することが可能となる。したがって、サイズや材質が種々異なる切屑が混在する場合であっても、切屑を適切に回収可能となる。
作業効率を向上させるためには、前記中空シャフト部の吸引を解除する吸引解除手段を備え、前記装置本体は筒状部位を有し、当該筒状部位の内部に、前記大切屑を貯留するための貯留部が設けられていることが好ましい。このように構成すれば、切屑を貯留部に貯留させ、後で一括回収することが可能になり、中空シャフト部と流体管との隔離作業を低減して、作業効率を向上させることが可能となる。
貯留部が満タンになることを回避して作業効率を向上させるためには、前記装置本体には、前記貯留部に貯留された切屑を外部に排出可能な排出路が設けられていることが好ましい。このように構成すれば、貯留部に蓄えられる切屑を排出路を通じて適宜外部に排出できるので、貯留部が満タンになることによる作業中断を防止でき、作業効率を向上させることが可能となる。
中空シャフト部の径が小さくなるほど、流体の圧力によって中空シャフト部に作用する抜脱方向への力が小さくなるので、小さな操作力で操作可能となるが、一方で、中空シャフト部の先端口の径が小さくなるので、吸引によりメッシュに吸着する切屑の量が減ってしまい、回収すべき切屑の量が多い場合には、吸着・除去作業を繰り替えし実施する必要が生じて、作業効率が悪化してしまう。この不具合を解決するためには、前記先端口の内径は、前記中空シャフト部のうち前記先端口よりも基端側にある部位の内径に比して大きく設定されていることが望ましい。このように構成すると、メッシュに一度に吸着できる切屑の量を増大させて、回収作業の効率を向上させると共に、小さな操作力で操作することが可能となる。
上記の切屑回収装置で表現される本発明は、方法によっても特定可能である。すなわち、本発明の切屑回収方法は、分岐管部を有する分岐ケースで取り囲まれた流体管の周壁を、前記分岐管内を通るカッターで切削した後に、前記分岐管部に装置本体を接続する工程と、前記装置本体を貫通する中空軸状をなす中空シャフト部の先端口を前記分岐管部を通して前記流体管に近づける工程と、前記先端口を覆う位置に取り付けられたメッシュの孔を介して、切削時に生じた切屑のうち前記メッシュの孔を通過するサイズの小切屑を流体と共に吸引して外部に排出すると共に、切削時に生じた切屑のうち前記メッシュの孔を通過しないサイズの大切屑を吸引力によって前記メッシュに吸着し、前記中空シャフト部を前記流体管から遠ざける工程と、を具備する。このような方法でも、上記切屑回収装置と同様に、サイズや材質が種々異なる切屑が混在する場合であっても切屑を適切に回収可能となる。
作業効率を向上させるためには、吸引力によって前記メッシュに前記大切屑を吸着させた前記先端口を、前記装置本体の内部に設けられた貯留部の上方に移動させる工程と、前記中空シャフト部の吸引を解除して、吸着していた前記大切屑を落下させて前記貯留部に貯留する工程と、を備えることが好ましい。
貯留部が満タンになることを回避して作業効率を向上させるためには、前記貯留部に貯留された切屑を、前記装置本体に設けられた排出路を通じて外部に排出する工程を備えることが効果的である。
回収作業の効率を向上させると共に、小さな操作力で操作可能にするためには、前記先端口の内径は、前記中空シャフト部のうち前記先端口よりも基端側にある部位の内径に比して大きく設定されていることが望ましい。
分岐ケースを装着した水道管を管軸方向から見た断面図。 図1の水道管を側方から見たときの断面図。 分岐ケースの上方に切削装置を取り付けた状態を示す断面図。 水道管の周壁を切削する様子を示す断面図。 切屑回収装置を取り付けた状態を示す断面図。 切屑回収装置を構成する中空シャフト部の先端構造を示す構成図。(a)側面図、(b)B−B部位断面図。 貯留部を軸方向から見たA−A部位断面図。 水道管から貯留部に切屑を回収する様子を示す断面図。 仕切弁装置を設置するための挿入機を取り付けた状態を示す断面図。 仕切弁装置を設置する状態を示す断面図。 作業用仕切弁と挿入機を撤去した状態を示す断面図。 (a)本発明の他の実施形態に係る貯留部を軸方向から見たA−A部位断面図、(b)本発明の上記以外の実施形態に係るA−A部位断面図。 本発明の上記以外の実施形態に係る中空シャフト部の先端構造を示す図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態では、不断水切削によって既設の水道管路の上方に穿孔を施し、その水道管路を閉塞可能な仕切弁装置を設置する例を示す。
まず、図1及び図2に示すように、既設の水道管1(流体管の一例)に分岐ケース2を外嵌装着し、その分岐ケース2の分岐管部20のフランジ面21を上方に向ける。分岐ケース2は、複数の分割片2A,2B,2Cを組み合わせてなる割T字管形状をなしており、ボルトとナットからなる締結具22によって分割片同士が互いに連結されている。分岐管部20は、管路から上方に突出するように配置され、そのフランジ面21には複数のボルト孔が設けられている。
本実施形態では、フランジ面21のボルト孔に、先細りとなる先端を上方に向けたガイドボルト23を取り付けている。このガイドボルト23は、ボルト孔を水密に閉塞するとともに、後工程で取り付けられる仕切弁装置6の弁蓋62をガイドする機能を有する。
次に、図3に示すように、分岐ケース2の上方に切削装置4を取り付ける。本実施形態では、分岐ケース2と切削装置4との間に作業用仕切弁3を介在させている。作業用仕切弁3は、分岐管部20に連通する管状体である弁箱31と、左右方向に変位して弁箱31の内部を上下に仕切る弁体32とを備えている。切削装置4は、作業用仕切弁3に対して締結具によりフランジ接続されている。
弁箱31の下部には、フランジ面21の外縁部に載置される内方突起33と、フランジ面21を取り囲む下方突起34とが形成されており、作業用仕切弁3は、フランジ面21の上方を露出させた状態で分岐管部20に嵌め込まれている。下方突起34には、固定ボルト35が側方から取り付けられていて、その固定ボルト35の先端をフランジのテーパー部に係合させることで、作業用仕切弁3を分岐ケース2に固定できるようになっている。かかる固定方法は、例えば実公昭51−45704号公報に開示されている。
続いて、図4に示すように、切削装置4が備えるカッター40を下降させて分岐管部20を通し、分岐ケース2で取り囲まれた水道管1の周壁を上方から切削した後、カッター40を上昇させる。カッター40は、送りハンドル42の操作に応じて上下方向に移動可能であるとともに、不図示の駆動手段により回転可能に構成されている。また、カッター40は、円筒形のホールソーの中心位置からドリル41が突出しており、切り取った水道管1の周壁11はドリル41で引っ掛けて回収される。
水道管1の周壁を切削(穿孔)すると、分岐ケース2や弁箱31、アダプター43の内部に水が充満する。このとき、図5に示すように、切削で生じた切屑Kが水道管1の内周壁に堆積する。
続いて、分岐ケース2の上方から切削装置4を取り外し、図5に示す切屑回収装置5を取り付ける。この工程は、作業用仕切弁3を閉鎖した状態で、即ち弁体32により弁箱31の内部を上下に仕切った状態で行われる。切屑回収装置5は、図5に示すように、分岐管部20に接続される装置本体51と、装置本体51を貫通する中空軸状をなし、先端口52aが分岐管部20を通じて水道管1に進退可能に構成された中空シャフト部52とを有している。
装置本体51は、上方を向いた開口を水密に閉塞する有頂筒状をなすもので、弁箱31にフランジ接続されている。具体的には、円筒状の合フランジ部51aと、合フランジ部51aの上開口を閉止するフランジ蓋部51bとから構成されている。フランジ蓋部51bには、内部を視認するためのアクリル等の透明部材で形成された覗き窓51cが設けてある。
中空シャフト部52は、図5及び図6に示すように、装置本体51を構成するフランジ蓋部51bの中心を貫通して上下方向に延びる軸部53と、その軸部53の下端(先端)に設けられ、軸部53の内径W1よりも大きい内径W2を有する円筒状の拡径部54とを有する。この拡径部54は、中空シャフト部52の先端口52aを形成すると共に、軸部53に対して嵌合構造により着脱可能に構成されている。このため、水道管1のサイズに応じた大きさの拡径部54を利用可能にして、切屑の適切な回収を可能にしている。また、先端口52aの内径W2は、中空シャフト部52のうち先端口52aよりも基端側にある部位(軸部53)の内径W1に比して大きく設定されている。
図5に示すように、中空シャフト部52の基端口52bには、切屑K及び流体を排出するための排出ホース55がバルブ56を介在させて接続されており、流体の圧力を利用して先端口52aから吸引した切屑Kや流体を外部に排出可能に構成されている。バルブ56は、中空シャフト部52の先端口52a及び基端口52bを経由して排出ホース55に至る流路を閉止又は開放するもので、中空シャフト部52の吸引を解除する吸引解除手段56sとしての役割を担っている。このバルブ56は、装置本体51の取り付け時には、流路を閉止している。
図6(a)及び図6(b)に示すように、中空シャフト部52の先端口52aを覆う位置には、所定サイズの孔を有するメッシュ54bが取り付けられている。具体的には、メッシュ54bは、拡径部54が形成する先端口52a及び拡径部54の外周面54aの一部を覆う位置に配置され、金属バンド54cにより拡径部54の外周面54aに締め付けられて固定してある。
図5に示す中空シャフト部には、流体の圧力によって装置本体51から抜脱する方向へ力が作用するので、中空シャフト部52が急激に抜脱方向に移動するおそれがある。これを防止すべく、所定距離を超えて中空シャフト部52が装置本体51から抜けることを規制するレバーブロック(登録商標)等の抜脱規制手段57が、中空シャフト部52と装置本体51との間に取り付けてある。特に限定されないが、メッシュ54bの材質は、ステンレス等の金属材料であるのが好ましい。また、本実施形態では、6.5メッシュを用いているが、5〜12メッシュ(メッシュの孔寸法:0.47mm〜0.75mm)程度の孔寸法が好ましい。
切屑回収装置5の取り付けを完了したら、弁体32を変位させて作業用仕切弁3を開放する。このとき、下方から作用する水圧によって弁体32を動かしにくい場合には、不図示の同圧ホースにより弁体32の上下を連通させて、それらの圧力が同等となるように調整する。
次に、図5に示すように、中空シャフト部52を下降してその先端口52aを分岐管部20を通して水道管1に近づけ、水道管1の内部に進入させる。そして、吸引解除手段56sであるバルブ56を開放して中空シャフト部52による吸引を開始し、切削時に生じた切屑Kのうちメッシュ54bの孔を通過するサイズの小切屑K1を流体と共にメッシュ54bの孔を介して吸引して外部に排出する。このとき、切削時に生じた切屑Kのうちメッシュの孔を通過しないサイズの大切屑K2は、図8に示すように吸引力によってメッシュ54bに吸着することになる。大切屑K2をメッシュ54bに吸着させた状態で中空シャフト部52を水道管1から遠ざけると、大切屑K2を水道管1から回収することができる。
ところで、回収すべき大切屑の量が、一度にメッシュ54bに吸着できる大切屑の量よりも多い場合には、メッシュ54bへの吸着、水道管1からの回収、メッシュ54bへの吸着の解除といった一連の動作を繰り返し実施する必要がある。この場合に、メッシュ54bへの吸着を解除する際に切屑が水道管1に戻るのを防止するために、作業用仕切弁3などで中空シャフト部52と水道管1とを隔離する必要があるが、吸着を解除する度に作業用仕切弁3を閉めるのでは作業効率が悪化してしまう。
そこで、図5、図7及び図8に示すように、装置本体51の筒状部位(合フランジ部51a)の内部に、切屑Kを貯留するための貯留部58を設けておき、図8に示すように、吸引力によってメッシュ54bに吸着した大切屑K2を貯留部58の上方に移動させ、中空シャフト部52の吸引を吸引解除手段56sを通じて解除して、吸着していた大切屑K2を落下させて貯留部58に貯留させることを可能としている。具体的には、図5、図7及び図8に示すように、装置本体51は、その筒状部位(合フランジ部51a)の内周面51sから内側へ突出する底板部58aと、この底板部58aの内側端から起立する起立板部58bとを有し、底板部58aと起立板部58bとで受け皿状の貯留部58を形成している。起立板部58bは、流体管たる水道管1から遠ざかるに伴って筒状部位の外周側から内周側に向かうように傾斜しており、落下する大切屑K2を回収しやすくすると共に、貯留する大切屑K2を集めやすくしている。
また、図5及び図8に示すように、装置本体51には、貯留部58に蓄えられる切屑K2を外部に排出可能な排出路59が設けてある。具体的には、排出路59は、装置本体51の筒状部位(合フランジ部51a)のうち貯留部58の貯留空間に面する部位に設けられている。また、排出路59を閉止又は開放するバルブ59aが設けてある。このバルブ59aを操作して排出路59を開放すると、貯留部58に貯留された切屑K2が排出路59を通じて外部に流体の圧力によって排出される。
切屑Kの回収が完了したら、中空シャフト部52を上昇させて水道管1から退避させる。次いで、作業用仕切弁3を閉鎖して切屑回収装置5を取り外し、図9に示すように仕切弁装置6を設置するための挿入機7を取り付ける。仕切弁装置6は、水道管1内に挿入可能な弁体61と、分岐ケース2の分岐管部20に水密に接続される弁蓋62とを備える。挿入機7は、弁体61と弁蓋62を内蔵する筒状のアダプター71と、その弁体61と弁蓋62を昇降自在に構成された昇降治具72とを備えている。
その後、作業用仕切弁3を開放し、図10に示すように昇降治具72を操作して弁体61と弁蓋62を下降させ、分岐管部20に弁蓋62をフランジ接続する。このとき、弁蓋62のボルト孔にガイドボルト23が挿通され、弁蓋62を適切にガイドすることができる。
弁蓋62を分岐ケース2に水密に接続したら、図10のガイドボルト23を図11のフランジボルト24に付け替え、挿入機7と作業用仕切弁3を撤去してからフランジボルト24を本締めする。また、ボール弁80と排出ホース81を取り外した後のボルト孔にも、フランジボルト24を装着して本締めする。以上の工程によれば、不断水の状態を維持したまま、水道管1に仕切弁装置6が設置される。
本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
例えば、図12(a)に示すように、貯留部158は、装置本体51の筒状部位(合フランジ部51a)の内周面51sに沿った環状に形成されていてもよい。このように構成すれば、中空シャフト部52をどの方向に傾けても、先端口52aを貯留部158の上方に移動させることができ、切屑の回収作業を簡素化して作業効率を向上させることが可能となる。また、図12(b)に示すように、貯留部258の貯留空間を形成する内周側壁部258aに、外周側に向かって湾曲して凹状をなす切欠部258bを設けてもよい。このように構成すれば、中空シャフト部52の軸部53を引き上げるときに、治具先端の拡径部54が貯留部258に干渉しにくくなり、作業効率を向上させることが可能となる。
さらに、図13に示すように、中空シャフト部52の先端口52aを形成する周縁部は、先端口52aを水道管1(流体管)の内周面に突き合わせたときに、水道管1の内周面に対応するように湾曲した形状をなしている。この湾曲の曲率は、水道管1の曲率に一致させてある。このように構成すれば、中空シャフト部52の先端口52aを水道管1の内周面にフィットさせることができ、切屑を吸引しやすくなり、切屑の適切な回収が可能となる。
さらにまた、本実施形態では、装置本体51は有頂筒状をなしているが、これに限定されるものではない。貯留部を持たない形態の場合には、例えば蓋状に形成されていてもよい。
前述の実施形態では、不断水切削によって水道管の上方に穿孔を施し、分岐ケースに仕切弁装置を設置する例を示したが、これに限られるものではなく、工事の目的に応じて、フランジ蓋など他の装置や部材を取り付けることも可能である。また、前述の実施形態では、水道管の上方の周壁を穿孔する例を示したが、上下方向に移動するカッターによって流体管を上方から切断する工事でもよく、そのような不断水切削においても本発明を適用可能である。
本発明において、流体管は、水道管に限定されるものではなく、各種の液体や気体が流れる流体管であってよい。
1…水道管
2…分岐ケース
20…分岐管部
40…カッター
51…装置本体
51a…合フランジ部(筒状部位)
52…中空シャフト部
52a…先端口
54b…メッシュ
56s…吸引解除手段
58、158、258…貯留部
59…排出路
K…切屑
K1…小切屑
K2…大切屑

Claims (8)

  1. 分岐管部を有する分岐ケースで取り囲まれた流体管の周壁を、前記分岐管部内を通るカッターにより切削する工事で用いられる切屑回収装置であって、
    前記分岐管部に接続される装置本体と、
    前記装置本体を貫通する中空軸状をなし、先端口が前記分岐管部を通じて前記流体管に進退可能に構成された中空シャフト部とを具備し、
    前記中空シャフト部は、前記先端口を覆う位置にメッシュが取り付けられ、切削時に生じた切屑のうち前記メッシュの孔を通過するサイズの小切屑を流体と共に前記メッシュの孔を介して吸引して外部に排出可能にされていると共に、切削時に生じた切屑のうち前記メッシュの孔を通過しないサイズの大切屑を吸引力によって前記メッシュに吸着可能に構成されていることを特徴とする切屑回収装置。
  2. 前記中空シャフト部の吸引を解除する吸引解除手段を備え、
    前記装置本体は筒状部位を有し、当該筒状部位の内部に、前記大切屑を貯留するための貯留部が設けられている請求項1に記載の切屑回収装置。
  3. 前記装置本体には、前記貯留部に貯留された切屑を外部に排出可能な排出路が設けられている請求項2に記載の切屑回収装置。
  4. 前記先端口の内径は、前記中空シャフト部のうち前記先端口よりも基端側にある部位の内径に比して大きく設定されている請求項1〜3のいずれかに記載の切屑回収装置。
  5. 分岐管部を有する分岐ケースで取り囲まれた流体管の周壁を、前記分岐管内を通るカッターで切削した後に、前記分岐管部に装置本体を接続する工程と、
    前記装置本体を貫通する中空軸状をなす中空シャフト部の先端口を前記分岐管部を通して前記流体管に近づける工程と、
    前記先端口を覆う位置に取り付けられたメッシュの孔を介して、切削時に生じた切屑のうち前記メッシュの孔を通過するサイズの小切屑を流体と共に吸引して外部に排出すると共に、切削時に生じた切屑のうち前記メッシュの孔を通過しないサイズの大切屑を吸引力によって前記メッシュに吸着し、前記中空シャフト部を前記流体管から遠ざける工程と、を具備する切屑回収方法。
  6. 吸引力によって前記メッシュに前記大切屑を吸着させた前記先端口を、前記装置本体の内部に設けられた貯留部の上方に移動させる工程と、
    前記中空シャフト部の吸引を解除して、吸着していた前記大切屑を落下させて前記貯留部に貯留する工程と、を備える請求項5に記載の切屑回収方法。
  7. 前記貯留部に貯留された切屑を、前記装置本体に設けられた排出路を通じて外部に排出する工程を備える請求項6に記載の切屑回収方法。
  8. 前記先端口の内径は、前記中空シャフト部のうち前記先端口よりも基端側にある部位の内径に比して大きく設定されている請求項5〜7のいずれかに記載の切屑回収方法。
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