従来の既設管の切断除去方法では、排液管の開閉弁を開き操作して、切削刃の切削に連れてケース内の底部に堆積する切粉を、既設管から流出する液体と共にケースの底部に接続された排出管を通して外部に排出するように構成しているが、既設管に孔が開くまでは、切削刃の切削に連れて発生した多量の切粉はそのままケース内の底部に堆積し、既設管に管周方向の切削孔が開いた以降において、その切削孔又は切断口から流出する液体で切粉が外部に排出されるため、切粉の排出に時間が掛かる割りに排出効率が悪く、弁座面への切粉の付着に起因するシール不良等を招来していた。
また、既設管の切断作業領域をケースと作業用ハウジングとで密封した際、その密封された内部空間に圧力液体を供給して漏洩の有無を試験する必要があるが、この漏洩試験に用いる圧力液体の確保に手間取ることがあり、作業能率の低下を招来する一因になっていた。
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その第1の主たる課題は、ケース及び作業用ハウジングの漏洩試験に使用する圧力液体を容易に確保することができるとともに、そのための爾後処理も合理的に行うことのできる既設管の切断除去方法を提供する点にあり、第2の主たる課題は、ケース及び作業用ハウジングの漏洩試験及び切粉の排出などに使用する圧力液体を確保するための穿孔作業及び圧力液体を導出するための配管作業を能率良く容易に行うことのできる既設管用切断装置を提供する点にある。
また、既設管の切断作業領域を上向き開口のケース及び下向き開口の作業用ハウジングにて密封し、この密封された既設管の一部を切断除去する方法において、
既設管の切断作業領域を密封する前に、既設管の一部に穿孔し、その穿孔箇所を通して液体が流出しないように止液処理を施すとともに、この穿孔に伴って発生した切片の厚み計測に基づいて、既設管の切断予定箇所を切断分離しない又は液圧で破断しない範囲で切断装置にて予備的に切削し、その予備的切削に伴って発生する切粉を除去処理したのち、既設管の切断作業領域をケース及び作業用ハウジングにて密封し、既設管の切断予定箇所を予備切削に引き続いて切断装置にて切断するようにしてもよい。
上記構成によれば、既設管の管壁の一部に切片を切り出す状態で穿孔することにより、既設管の厚みが公差範囲内で個々に相違する場合でも、穿孔に伴って発生した切片の厚み実測によって既設管の切断予定箇所の厚みを正確に知ることができる。
そして、既設管の穿孔箇所を通して液体が流出しないようにバルブ装着や栓装着等の止液処理を施したのち、既設管の切断作業領域をケース及び作業用ハウジングにて密封する前において、切片の厚み計測に基づいて、既設管の切断予定箇所を切断分離しない又は液圧で破断しない範囲で切断装置にて予備的に切削することにより、その予備的切削に伴って発生する切粉を容易に外部に除去処理することができるとともに、ケース及び作業用ハウジング内での既設管の切断予定箇所の切断除去時に発生する切粉量を大幅に減少することができる。
従って、既設管の一部を利用した切片の厚み実測に基づいて、既設管の切断作業領域を密封する前において、既設管の切断予定箇所を切断分離しない又は液圧で破断しない範囲内で最大限に深く正確に予備切削することができるから、密封されたケース及び作業用ハウジング内での切粉発生量を大幅に減少して、切粉の付着に起因するシール不良等の発生を抑制すると同時に、ケース及び作業用ハウジング内での切粉の排出作業能率の改善を図ることができる。
また、既設管の切断作業領域を上向き開口のケース及び下向き開口の作業用ハウジングにて密封し、この密封された既設管の一部を切断除去する方法において、
既設管の切断作業領域を密封する前に、切断除去予定管部の一部に穿孔し、その穿孔箇所を通して液体が流出しないように止液処理を施すとともに、この穿孔に伴って発生した切片の厚み計測に基づいて、既設管の切断予定箇所を切断分離しない又は液圧で破断しない範囲で切断装置にて予備的に切削し、その予備的切削に伴って発生する切粉を除去処理したのち、既設管の切断作業領域をケース及び作業用ハウジングにて密封し、既設管の切断予定箇所を予備切削に引き続いて切断装置にて切断するようにしてもよい。
上記構成によれば、切断装置で切断除去される切断除去予定管部を利用して、その管壁の一部に切片を切り出す状態で穿孔することにより、既設管の厚みが公差範囲内で個々に相違する場合でも、穿孔に伴って発生した切片の厚み実測によって既設管の切断予定箇所の厚みを正確に知ることができる。
そして、既設管の切断除去予定管部の穿孔箇所を通して液体が流出しないようにバルブ装着や栓装着等の止液処理を施したのち、既設管の切断作業領域をケース及び作業用ハウジングにて密封する前において、切片の厚み計測に基づいて、既設管の切断予定箇所を切断分離しない又は液圧で破断しない範囲で切断装置にて予備的に切削することにより、その予備的切削に伴って発生する切粉を容易に外部に除去処理することができるとともに、ケース及び作業用ハウジング内での既設管の切断予定箇所の切断除去時に発生する切粉量を大幅に減少することができる。
従って、切断装置で切断除去される切断除去予定管部の一部を利用した切片の厚み実測に基づいて、既設管の切断作業領域を密封する前において、既設管の切断予定箇所を切断分離しない又は液圧で破断しない範囲内で最大限に深く正確に予備切削することができるから、密封されたケース及び作業用ハウジング内での切粉発生量を大幅に減少して、切粉の付着に起因するシール不良等の発生を抑制すると同時に、ケース及び作業用ハウジング内での切粉の排出作業能率の改善を図ることができる。
また、既設管の切断作業領域を上向き開口のケース及び下向き開口の作業用ハウジングにて密封し、この密封された既設管の一部を切断除去する方法において、
既設管の切断作業領域にケースを装着し、切断除去予定管部の一部に穿孔して取液口を形成し、この取液口に開閉弁を備えた給液管を接続するとともに、取液口の穿孔に伴って発生した切片の厚み計測に基づいて、既設管の切断予定箇所を切断分離しない又は液圧で破断しない範囲で切断装置にて予備的に切削し、その予備的切削に伴って発生するケース内の切粉を給液管からの供給液を用いて除去処理したのち、ケースに作業用ハウジングを装着して既設管の切断作業領域を密封したのち、既設管の切断予定箇所を予備切削に引き続いて切断装置にて切断するように構成してもよい。
上記構成によれば、切断装置で切断除去される切断除去予定管部を利用して、その管壁の一部に切片を切り出す状態で穿孔して取液口を形成することにより、既設管の厚みが公差範囲内で個々に相違する場合でも、穿孔に伴って発生した切片の厚み実測によって既設管の切断予定箇所の厚みを正確に知ることができる。
そして、既設管の切断除去予定管部の取液口を通して液体が流出しないように、この取液口に開閉弁を備えた給液管を接続したのち、既設管の切断作業領域をケース及び作業用ハウジングにて密封する前に、つまり、ケース又はケースと作業用ハウジングの一部とを装着した状態において、切片の厚み計測に基づいて、既設管の切断予定箇所を切断分離しない又は液圧で破断しない範囲で切断装置にて予備的に切削することにより、ケースと作業用ハウジングとで密封された空間内での既設管の切断予定箇所の切断除去時に発生する切粉量を大幅に減少することができる。
しかも、この予備的切削に伴ってケース内の底部に堆積する切粉を給液管からの供給液を用いて確実、容易に外部に除去処理することができるとともに、ケース及び作業用ハウジングにて既設管の切断作業領域を密封したときに必要となる漏洩試験時においても、給液管からの供給液を利用して試験することができる。
それ故に、この漏洩試験のための液源を別途確保する必要がなく、しかも、切断残置予定管部に取液口を形成する場合のように、切断除去管部の切断除去後において取液口に対する特別な漏洩処理を施す必要もない。
従って、切断装置で切断除去される切断除去予定管部の一部を利用した切片の厚み実測に基づいて、既設管の切断作業領域を密封する前において、既設管の切断予定箇所を切断分離しない又は液圧で破断しない範囲内で最大限に深く正確に予備切削することができるから、密封された空間内での切粉発生量を大幅に減少して、切粉の付着に起因するシール不良等の発生を抑制すると同時に、切粉の排出作業能率の改善を図ることができ、しかも、切断除去される切断除去予定管部を利用して取液口を形成するが故に、ケース及び作業用ハウジングの漏洩試験及び切粉の排出などに使用する圧力液体も施工現場において容易に確保することができるばかりでなく、そのための爾後処理も特別な手間を要することなく合理的に行うことができる。
また、前記ケース内の切粉を取液口に接続された給液管からの供給液を用いて除去処理する際、ケースの底部に接続された排液管を通して切粉が混在する液を外部に排出するようにしてもよい。
上記構成によれば、切片の厚み実測に基づいた予備切削時に発生する切粉をケースにて確実に受止めることができるとともに、このケースに受止められた切粉を給液管からの供給液を用いて除去処理する際、ケースの底部に接続されている排液管を通して切粉が混在する液体を外部に効率良く排出することができる。
また、既設管の切断作業領域を上向き開口のケース及び下向き開口の作業用ハウジングにて密封し、この密封された既設管の一部を切断除去する方法において、
既設管の切断作業領域にケースを装着し、切断除去予定管部の一部に穿孔して取液口を形成し、この取液口に開閉弁を備えた給液管を接続するとともに、既設管の切断予定箇所を切断分離しない又は液圧で破断しない範囲で切断装置にて予備的に切削し、その予備的切削に伴って発生するケース内の切粉を給液管からの供給液を用いて除去処理したのち、ケースに作業用ハウジングを装着して既設管の切断作業領域を密封したのち、既設管の切断予定箇所を予備切削に引き続いて切断装置にて切断するようにしてもよい。
上記構成によれば、切断装置で切断除去される切断除去予定管部に取液口を形成し、この取液口に開閉弁を備えた給液管を接続したのち、既設管の切断作業領域をケース及び作業用ハウジングにて密封する前に、つまり、ケース又はケースと作業用ハウジングの一部を装着した状態において、既設管の切断予定箇所を切断分離しない又は液圧で破断しない範囲で切断装置にて予備的に切削することにより、ケースと作業用ハウジングとで密封された空間内での既設管の切断予定箇所の切断除去時に発生する切粉量を大幅に減少することができる。
しかも、この予備的切削に伴ってケース内の底部に堆積する切粉を給液管からの供給液を用いて確実、容易に外部に除去処理することができるとともに、ケース及び作業用ハウジングにて既設管の切断作業領域を密封したときに必要となる漏洩試験時においても、給液管からの供給液を利用して試験することができる。
それ故に、この漏洩試験のための液源を別途確保する必要がなく、しかも、切断残置予定管部に取液口を形成する場合のように、切断除去管部の切断除去後において取液口に対する特別な漏洩処理を施す必要もない。
従って、既設管の切断作業領域を密封する前において、既設管の切断予定箇所を切断分離しない又は液圧で破断しない範囲内で予備切削することにより、密封された空間内での切粉発生量を大幅に減少して、切粉の付着に起因するシール不良等の発生を抑制すると同時に、切粉の排出作業能率の改善を図ることができる。しかも、切断除去される切断除去予定管部を利用して取液口を形成するが故に、ケース及び作業用ハウジングの漏洩試験及び切粉の排出などに使用する圧力液体も施工現場において容易に確保することができるばかりでなく、そのための爾後処理も特別な手間を要することなく合理的に行うことができる。
本発明による第1の特徴構成は、既設管の切断作業領域を上向き開口のケース及び下向き開口の作業用ハウジングにて密封し、この密封された既設管の一部を切断除去する方法であって、
既設管の切断作業領域にケースを装着し、切断除去予定管部の一部に穿孔して取液口を形成し、この取液口に開閉弁を備えた給液管を接続するとともに、ケースに作業用ハウジングを装着して既設管の切断作業領域を密封し、この密封された空間内に給液管からの供給液を充填してケース及び作業用ハウジングの漏洩試験を実施したのち、密封された空間内において既設管の切断予定箇所を切断装置にて切断する点にある。
上記特徴構成によれば、切断装置で切断除去される切断除去予定管部に取液口を形成し、この取液口に開閉弁を備えた給液管を接続したのち、既設管の切断作業領域をケース及び作業用ハウジングにて密封し、この密封された空間内に給液管からの供給液を充填してケース及び作業用ハウジングの漏洩試験を実施するから、この漏洩試験のための液源を別途確保する必要がなく、しかも、切断残置予定管部に取液口を形成する場合のように、切断除去管部の切断除去後において取液口に対する特別な漏洩処理を施す必要もない。
従って、切断除去される切断除去予定管部を利用して取液口を形成することにより、ケース及び作業用ハウジングの漏洩試験に用いる液体も施工現場において容易に確保することができるとともに、切断除去管部の切断除去後における取液口の特別な漏洩処理も不要化して、施工作業能率の改善を図ることができる。
本発明による第2の特徴構成は、上述の既設管の切断除去方法に用いられる切断装置であって、既設管に対して切断ユニットを管軸芯周りで回転可能に支持するガイドサポート部に、切断除去予定管部の一部に形成される取液口の形成予定箇所の周囲を密封状態で覆う筒状ケースを取付け、この筒状ケースに接続した開閉弁に対して、開閉弁及び筒状ケースの各内部を通して切断除去予定管部の一部に取液口を形成するための切断具を備えた穿孔装置と給液管とを選択的に接続可能に構成してある点にある。
上記特徴構成によれば、既設管に対して切断ユニットを管軸芯周りで回転可能に支持するためのガイドサポート部に、切断除去予定管部の一部に形成される取液口の周囲を密封状態で覆う筒状ケース及び開閉弁が予め装着されているから、開閉弁に取液口形成用の切断具を備えた穿孔装置を取付けることにより、切断除去予定管部の一部に取液口を密封状態で能率良く形成することができるとともに、穿孔後においては、穿孔装置が取外された開閉弁に給液管を接続することにより、予備的切削に伴って発生する切粉を給液管からの供給液を用いて確実、容易に除去処理することができるとともに、既設管の切断作業領域をケース及び作業用ハウジングにて密封したときに必要となる漏洩試験時においても、給液管からの供給液を利用して試験することができる。
従って、切断装置のサポート部に装備されている筒状ケース及び開閉弁を利用して、開閉弁に対して取液口形成用の穿孔装置と給液管とを選択的に取付けるだけで済むから、ハウジングの漏洩試験及び切粉の排出などに使用する圧力液体を確保するための穿孔作業及び圧力液体を導出するための配管作業を能率良く容易に行うことができる。
〔第1実施形態〕
図1〜図24は、既設管の一例である地中埋設の既設水道管1の途中に、弁の一例である流量調節機能(流量制御機能)を備えた仕切弁Vを不断水状態(不断流状態)で設置する弁設置設備及びそれを用いた弁設置工法を示し、弁設置設備には、既設水道管1の切断除去予定箇所よりも少し広い領域を密封状態で囲繞する弁箱機能を有する分割構造のケースAと、このケースAとで密閉された作業空間を形成する開閉操作自在な作業用開閉弁Bを備えた作業用ハウジングCと、両切削具の一例である切削バイト4を両切断残置管部(切断前は切断残置予定管部と記載する)1Bの端面1bとなる切断予定位置において管周方向に沿って径方向内方に送り込みながら移動させることにより、不断水状態のまま既設水道管1の切断除去予定管部(切断後は切断除去管部と記載する)1Aをそれの管径Dよりも小なる切断幅Wで輪状に切断除去する切断装置Eと、切断除去された管部1Aを保持して切断装置Eと共にケースAの上側開口部である弁体挿入口8及び作業用開閉弁Bを通して作業用ハウジングC内の上部空間S1に取り出す昇降可能な第1昇降保持装置Fと、ケースAの弁体挿入口8を密閉する蓋部2Aに対して、既設水道管1の切断除去箇所において流路を遮断する弁体部2BがT字状に一体形成され、かつ、両切断残置管部1Bの切断開口1aに対して同芯状態で相対向する弁体部2Bに管軸芯Xを通る径方向に沿った縦軸芯Y周りで開閉操作自在な補助弁体3が組み付けられている弁体2と、この弁体2を保持してこれをケースAの弁体挿入口8及び作業用開閉弁Bを通して両切断残置管部1Bの切断端面1b間にそれに触れない状態で所定の弁体装着位置にまで挿入する昇降自在な第2昇降保持装置Gが主要構成として備えられている。
前記ケースAは、図9、図10に示すように、既設水道管1の切断除去予定管部1A及びそれの両側に連続する弁箱装着用の切断残置予定管部1Bに対して密封状態で下方から覆う上向き開口の下部ケース6と、切断除去予定管部1A及び切断残置予定管部1Bに対して密封状態で上方から覆う下向き開口の上部ケース7とを主要構成として備えていて、両ケース6,7は、既設水道管1の管軸芯Xを通る仮想水平面上の分割合わせ面において既設水道管1への装着時に溶接で一体化されるように構成されているとともに、上部ケース7の上端側には、切断装置E及び弁体2を上下方向から出し入れ可能な弁体挿入口8及び連結フランジ部7Aを備えた筒状の弁体挿入口部7Bが一体形成されている。
また、図10に示すように、一体化された両ケース6,7のうち、既設水道管1の外周面に外嵌保持される両筒状ケース部6A,7Cの端部に形成された連結フランジ部9には、両筒状ケース部6A,7Cのテーパー状内周面と既設水道管1の外周面との間に介装された弾性シール材10を管軸芯X方向から圧縮する二分割構造の押輪11が複数本のT字ボルト12・ナット13で締め付け固定され、更に、各押輪11の周方向複数箇所には、既設水道管1の外周面に喰い込む離脱防止用ボルト14が螺合されている。
図9、図10に示すように、下部ケース6の内底壁面6aで、既設水道管1の両切断予定位置の下方に位置する部位には、切断装置Eの両切削バイト4による切断作用に伴って発生する切粉(切り屑)を一部の水道水(液体の一例)と共に外部に接線方向から排出する排水口(排液口の一例)16が開口形成され、各排水口16に連通する排水管(排液管の一例)17には開閉操作自在な排水弁(開閉弁の一例)18が設けられているとともに、下部ケース6の内底壁面6aにおける各排水口16の周方向両側脇には、切断装置Eのガイドサポート部E2の底部に設けた脚部材42を上下方向から脱着自在に嵌合状態で載置支持する受け台19が設けられている。
前記両排水口16は、流路遮断状態にある弁体2の上流側と下流側に分散配置されることになるから、図24の仮想線で示すように、切断装置Eによる切断作業後において、両排水弁18同士を接続管57で連通接続することにより、弁体2に組み付けられている補助弁体3を開き操作する際、両排水弁18の開き操作によって弁体2の上流側と下流側の圧力差を減少することができるので、補助弁体3の開閉操作を少ない労力で楽に行うことができる。
また、図21に示すように、第2昇降保持装置Gの昇降筒軸29を介して作業用ハウジングCの作業ケース25内に吊下げ支持された弁体2を、作業用開閉弁B及びケースAの弁体挿入口8を通して両切断残置管部1Bの切断端面1bに触れない状態で所定の弁体装着位置にまで下降させる際には、下部ケース6の排水弁18と作業ケース25に設けた給水弁50とを送水管51で連通接続することにより、作業用開閉弁Bの仕切弁体46を開き操作するとき、上部空間S1と下部空間S2との圧力差を減少することができるので、仕切弁体46の開き操作を少ない労力で楽に行うことができる。
図9、図10、図23に示すように、一体化された両ケース6,7の内壁面には、弁体2の弁体部2Bの外周面に設けた弾性シール材2Cが密封状態にまで圧接される管軸芯X方向視略Uの字状又は半長円形状の弁座20が形成され、この弁座20が両ケース6,7の左右の内側壁面6b及び内底壁面6aよりも少し内方側に隆起形成されている。
図21〜図23に示すように、上部ケース7の弁体挿入口部7Bの内周面が、弁体2の蓋部2Aの外周面に設けた弾性シール材2Dが密封状態にまで圧接されるシール面に形成されているとともに、弁体2の蓋部2Aの上側角部が、上方ほど中心側に位置するテーパー面2aに形成され、上部ケース7の弁体挿入口部7Bの周方向複数箇所には、弁体2が流路を遮断する弁体装着位置にあるとき、弁体2をケースAの弁座20に押圧した状態で抜止め固定すべく、弁体2の蓋部2Aのテーパー面2aを下方に押圧するためのテーパー状の押圧面21aを先端側に形成してある押えボルト21が水平方向から締付け側に螺合されている。
前記弁体2がケースAの弁座20に押圧した状態で抜止め固定されたとき、上部ケース7の弁体挿入口部7Bの連結フランジ部7Aには、図23、図24に示すように、ケースAの弁体挿入口8を密閉する弁蓋22がボルト27・ナット28を介して密封状態で固定連結されるとともに、この弁蓋22の中央部には、弁体2の上側弁軸部2Eを支承する軸受け部22Aが形成され、この軸受け部22Aの上端に形成された連結フランジ部22Bには、補助弁体3をケースAの外部から開閉操作する操作手段5の操作軸5Aに対して上下方向から脱着自在に連動する減速機15が取付けられる。
前記操作手段5は、図23、図24に示すように、弁体2に対して補助弁体3を縦軸芯Y周りで回動自在に支承すべく、該補助弁体3の上下両端部に形成される回動支点軸のうち、上側の回動支点軸に操作軸5Aを一体形成して構成されているとともに、減速機15の上面には、操作手段5の操作軸5Aに減速ギヤ機構を介して連動する回転操作軸15Aが突設されている。
前記作業用ハウジングCを構成するに、図17〜図22に示すように、ケースAの連結フランジ部7Aに、ケースAの内部空間とで切断装置Eと弁体2とを択一的に収納可能な下部空間S2を形成する補助ケース23の下部連結フランジ部23Aがボルト27・ナット28を介して密封状態で脱着可能に固定連結され、この補助ケース23の上部連結フランジ部23Bには、作業用開閉弁Bの弁ケース24の下部連結フランジ部24Aがボルト27・ナット28を介して密封状態で脱着可能に固定連結されているとともに、弁ケース24の上部連結フランジ部24Bには、切断装置Eと弁体2とを択一的に収納可能な上部空間S1を形成する上下分割構造の作業ケース25の下部連結フランジ部25Aがボルト27・ナット28を介して密封状態で脱着可能に固定連結され、更に、作業ケース25の上部連結フランジ部25Bには、第1昇降保持装置Fの昇降筒軸29又は第2昇降保持装置Gの昇降筒軸29を上下方向に摺動自在に支持する蓋カバー26の連結フランジ部26Aが、ボルト27・ナット28を介して密封状態で脱着可能に固定連結されている。
前記切断装置Eは、図3、図4、図9〜図11に示すように、既設水道管1の両切断残置管部1Bの端面となる切断予定位置において管周方向に沿って切断する切削バイト4を備えた複数の切断ユニットE1と、切断ユニットE1を装備してある左右一対のスプロケットホイール31と、これを既設水道管1の管軸芯X周りで回転自在に嵌合支持する左右一対のガイド円盤30を備え、かつ、既設水道管1の切断除去予定管部1Aに外嵌固定される二分割構造のガイドサポート部E2と、両スプロケットホイール31を駆動回転させる駆動部E3とから構成されている。
各切断ユニットE1は、スプロケットホイール31に設けた取付け部32に、切削バイト4を脱着自在に保持するバイトホルダ33を管径方向に摺動自在に案内する摺動ガイド部34と、該摺動ガイド部34に沿ってバイトホルダ33を摺動させる送りネジ軸35と、切断ユニットE1の回転経路脇のガイドサポート部E2に設けた係合部材36との係合によって、送りネジ軸35に単位送り量に相当する回転を付与する受動回転体37を設けて構成されている。
前記駆動部E3は、ガイドサポート部E2の上部に、縦軸芯Y周りで回転自在な入力軸38とこれに連動して既設水道管1の管軸芯Xと平行な軸芯周りで駆動回転される左右一対の駆動スプロケット39とを備えた伝動ケース40を設けるとともに、各駆動スプロケット39とそれと同一側に位置する各スプロケットホイール31とに亘って伝動チェーン41を巻回して構成されている。
前記ガイドサポート部E2は、図2〜図4に示すように、既設水道管1の管軸芯Xを通る仮想水平面上において二分割された半円筒状の上下一対のガイドサポート体53,54からなり、両ガイドサポート体53,54の管周方向両端部の各々には、管周方向で隣接するもの同士をボルト55・ナット56を介して固定連結するための連結フランジ部53A,54Aが管径方向内方に向かって一体的に突出形成されている。
前記ガイドサポート部E2の上側ガイドサポート体53又は下側ガイドサポート体54には、切断除去予定管部1Aの一部に切片59を切り出す状態で貫通形成される取水口(取液口)60の形成予定箇所の周囲を覆う筒状ケース61と、この筒状ケース61の径方向内端側に連設された管当たり部61Aを切断除去予定管部1Aの外周面側に密封状態で径方向から押圧固定する複数本の固定ボルト(固定手段の一例)63とが取付けられ、筒状ケース61の管当たり部61Aには、取水口60周りにおける管当たり部61Aの内周面と切断除去予定管部1Aの外周面との間を密封する弾性シール材62が装着されているとともに、筒状ケース61の径方向外端側に形成された雄ネジ部には、弁体64Aを開閉操作するための操作ハンドル64Bを備えた取水用開閉弁64が密封状態で螺合固定されている。
更に、図5〜図8、図13に示すように、前記取水用開閉弁64の連結フランジ部64Cに対して、この開閉弁64及び筒状ケース61の各内部を通して切断除去予定管部1Aの一部に取水口(取液口)60を形成するための切削具であるホールソー70を備えた取水口用穿孔装置Hの連結フランジ部68Aと先端側に手元操作用の開閉弁65を備えた可撓性の給液管の一例である給水ホース66の連結フランジ部66Aとが選択的に密封状態で接続可能に構成されている。
前記取水口用穿孔装置Hは、図5〜図7に示すように、電動モータやエンジン等の原動部67の駆動により、ケーシング68に支承された回転並びに穿孔軸線方向に摺動自在な駆動回転軸69に対して駆動回転力と送り力とを付与し、この駆動回転軸69の先端部に連結されたホールソー70を、開き操作された取水用開閉弁64を通して管径方向に沿って送り込むことにより、切断除去予定管部1Aの一部に取水口60を形成する。
前記ホールソー70は、先端部に切削チップが設けられている円筒状ボディー70Aと、これの中心位置を通して切削チップよりも前方に突出するセンタードリル70Bとから構成されているとともに、センタードリル70Bには、円筒状ボディー70A内に入り込んだ切片59の抜け出しを防止する起伏揺動自在な抜止め片(図示せず)が設けられている。
このホールソー70で回収された切片59の厚み(板厚)tを計測し、この実測に基づいて、後述するように、既設水道管1の切断予定箇所を切断分離しない又は水道水の圧力で破断しない範囲で切断装置Eにて予備的に切削し、その予備的切削に伴って発生する切粉を除去処理したのち、既設水道管1の切断作業領域をケース6及び作業用ハウジングCにて密封し、既設水道管1の切断予定箇所を前記予備切削に引き続いて切断装置Eにて切断するように構成されている。
前記ケースAの下部ケース6の周方向二箇所及び補助ケース23の周方向二箇所で、かつ、径方向で略相対向する部位又はそれに近い位置関係となる部位には、既設水道管1と切断装置Eのガイドサポート部E2との相対回転を防止するべく、ガイドサポート部E2の周方向四箇所を径方向外方から相対回転不能な状態に押し付け固定する固定具Jが設けられている。
前記補助ケース23側の各固定具Jは、図12に示すように、補助ケース23に径方向に沿う傾斜姿勢で固着された固定筒体72に、これの上側端面に接当する鍔部73aを備えたガイド筒体73がボルト等で相対回転不能に締付け固定され、このガイド筒体73には、ガイドサポート部E2の上側ガイドサポート体53に突出固定された受け軸74の受け面74aを径方向外方から押圧可能な押圧面75aを備えた押圧軸75が径方向に摺動並びに回転自在に内嵌されているとともに、ガイド筒体73の上側端部には、押圧軸75の上半側に形成された雄ネジ部75bに螺合するネジキャップ76が相対回転不能な状態で固定され、更に、押圧軸75の上端部には、ロックナット77を緩めた状態で押圧軸75を工具で回転操作するための六角軸状の操作係合部75cが形成されている。
そして、切断装置Eを切断除去管部1Aと共に作業用ハウジングCの上部空間S1内に上昇させる場合には、上側ガイドサポート体53の受け軸74を押圧していた押圧軸75を、受け軸74の先端昇降軌跡外に退避するまで径方向外方側に戻り移動させる。
また、下部ケース6の各固定具Jも、補助ケース23側の各固定具Jと同様に構成されていて、具体的には、図12を参照しながら説明すると、下部ケース6に径方向に沿う傾斜姿勢で固着された固定筒体72に、これの下側端面に接当する鍔部73aを備えたガイド筒体73がボルト等で相対回転不能に締付け固定され、このガイド筒体73には、ガイドサポート部E2の下側ガイドサポート体54に突出固定された受け軸74の受け面74aを径方向外方から押圧可能な押圧面75aを備えた押圧軸75が径方向に摺動並びに回転自在に内嵌されているとともに、ガイド筒体73の下側端部には、押圧軸75の下半側に形成された雄ネジ部75bに螺合するネジキャップ76が相対回転不能な状態で固定され、更に、押圧軸75の下端部には、ロックナット77を緩めた状態で押圧軸75を工具で回転操作するための六角軸状の操作係合部75cが形成されている。
前記第1昇降保持装置Fと第2昇降保持装置Gは同一構造に構成されていて、各昇降筒軸29の下端部には、切断装置Eの伝動ケース40又は弁体2の上側弁軸部2Eに対して選択的に吊下げ可能な状態で固定連結される連結部44が設けられているとともに、各昇降筒軸29内には、切断装置Eの入力軸38に動力を伝達する伝動軸(図示せず)が設けられ、更に、各昇降筒軸29の上端部には、伝動軸を駆動する電動モータ45が脱着自在に設けられている。
前記弁体2に組み付けられている補助弁体3の表裏両面の各々は、既設水道管1の管軸芯X側が最も突出する部分球状面に構成されている。
前記作業用開閉弁Bは、図18、図19に示すように、弁ケース24の内部通路を密封状態で遮断する水平方向に摺動自在な仕切弁体46と、仕切弁体46に螺合されたネジ軸47を介して開閉操作する操作ハンドル48から構成されている。
次に、上述の如く構成された弁設置設備を用いた既設水道管1の切断除去方法及び弁設置工法について説明する。
図1に示すように、地中に埋設されている既設水道管1の弁設置箇所を含む作業領域を掘削して作業ピットPを形成し、この作業ピットPの底部に鉄筋入りのベースコンクリート80を構築するとともに、既設水道管1の両切断残置管部1Bを切断後も同芯状態に維持するための鉄筋入りの支柱コンクリート81を構築する。
図2、図3に示すように、ケースAの下部ケース6に切断装置Eのガイドサポート部E2の下側ガイドサポート体54を仮止め固定し、この状態で既設水道管1の切断除去予定管部1Aとベースコンクリート80の上面との間の空隙を通して入れ込み、ベースコンクリート80上の所定位置に載置された複数の仮受け台89上に設置する。
既設水道管1の切断除去予定管部1A上に、切断装置Eのガイドサポート部E2の上側ガイドサポート体53を装着し、両ガイドサポート体53,54の連結フランジ部53A,54A同士をボルト55・ナット56にて固定連結することにより、切断装置Eのガイドサポート部E2を既設水道管1の切断除去予定管部1Aの所定位置に固定装着する。
このとき、両スプロケットホイール31に装備される切断ユニットE1の切削バイト4の管軸芯X方向での取付け間隔は、既設水道管1の管径Dよりも狭い所定の切断幅Wに設定されている。
図4に示すように、ケースAの下部ケース6と切断装置Eの下側ガイドサポート体54との仮止め固定を解除し、仮受け台89を取り外して下部ケース6をベースコンクリート80の上面に載置するとともに、切断装置Eの伝動ケース40の入力軸38に電動モータ45を連結し、電動モータ45を駆動して、切断ユニットE1及びガイドサポート部E2等の調整を行う。
この切断装置Eの調整時に、図5、図6に示すように、ガイドサポート部E2に取付けられている取水用開閉弁64の連結フランジ部64Cに、取水口用穿孔装置Hの連結フランジ部68Aを密封状態で固定連結したのち、取水用開閉弁64の弁体64Aを開き操作し、原動部67を駆動してケーシング68に支承されている駆動回転軸69に対して駆動回転力と送り力とを付与し、この駆動回転軸69の先端部に連結されているホールソー70を、開き操作されている取水用開閉弁64の内部を通して管径方向に沿って送り込むことにより、切断除去予定管部1Aの一部に取水口60を貫通形成する。
切断除去予定管部1Aに取水口60が貫通形成されると、図7、図8に示すように、取水口用穿孔装置Hのホールソー70を初期の待機位置に復帰移動させ、取水用開閉弁64の弁体64Aを閉じ操作し、取水用開閉弁64の連結フランジ部64Cから取水口用穿孔装置Hの連結フランジ部68Aを取り外すとともに、取水用開閉弁64の連結フランジ部64Cに手元操作用開閉弁65を備えた給水ホース66の連結フランジ部66Aを密封状態で固定連結する。
取水口用穿孔装置Hが取り外されると、ホールソー70のセンタードリル70Bに保持されている切片59を抜き出し、この切片59の厚み(板厚)tを計測するとともに、この実測された切片59の厚みに基づいて、既設水道管1の切断予定箇所を切断分離しない又は水道水の水圧で破断しない状態での切断装置Eによる予備切削のための最大切削深さを算出する。
次に、図9、図10に示すように、既設水道管1の切断除去予定管部1A及びそれの両側に連続する弁箱装着用の切断残置予定管部1Bに対して、切断装置Eを構成する二分割構造のガイドサポート部E2及び切断ユニットE1等を覆い包む状態で、下部ケース6の連結フランジ部6Bと上部ケース7の連結フランジ部7Dとをボルト27・ナット28にて密封状態で仮止め連結して、両ケース6,7の連結フランジ部6B,7Dを、既設水道管1の管軸芯Xを通る仮想水平面上の分割合わせ面において既設水道管1への装着時に溶接で一体化する。
一体化された両ケース6,7のうち、既設水道管1の外周面に外嵌保持される両筒状ケース部6A,7Cの端部には、これのテーパー内周面と既設水道管1の外周面との間に介装された弾性シール材10を管軸芯X方向から密封状態に圧縮する二分割構造の押輪11を締め付け固定するとともに、各押輪11の周方向複数箇所に螺合された離脱防止用ボルト14を既設水道管1の外周面に喰い込む抜止め状態にまで締付け操作して、ケースAを密封状態で既設水道管1の両切断残置予定管部1Bに亘って強固に抜止め固定する。
図11、図12に示すように、上部ケース7の連結フランジ部7Aに、作業用ハウジングCを構成する固定具Jを備えた補助ケース23の連結フランジ部23Aをボルト27・ナット28にて密封状態で固定連結するとともに、下部ケース6の周方向二箇所に設けられている固定具J及び補助ケース23の周方向二箇所に設けられている固定具Jの各押圧軸75の操作係合部75cを工具で締付け側に螺合操作して、ガイドサポート部E2の下側ガイドサポート体54及び上側ガイドサポート体53に夫々突設された受け軸74の受け面74aを、径方向内方側に向かって移動される各押圧軸75の押圧面75aにて径方向外方から押圧固定することにより、既設水道管1と切断装置Eのガイドサポート部E2との相対回転を防止する。
図13に示すように、切断除去予定管部1Aの取水口60に連通する取水用開閉弁64及びこれに接続された給水ホース66の連結手元操作用開閉弁65をそれぞれ開き操作して、切断除去予定管部1Aの取水口60から流出する水道水をケースA及び補助ケース23で形成される空間内に漏洩試験水として供給する。
図14に示すように、補助ケース23の上部連結フランジ部23Bに、水圧テスト用カバー82の連結フランジ部82Aを、ボルト27・ナット28を介して密封状態で固定連結するとともに、水圧テスト用カバー82に、水圧計83と水圧ポンプ84を備えた圧水供給管85とを接続して、給水ホース66からの水道水が貯留されている貯水タンク86内の貯留水道水をケースA内に圧送することにより、ケースAの漏水をテストする。
漏水がないことを確認すると、下部ケース6の低部に形成された両排水管17及び排水弁18を通してケースA及び水圧テスト用カバー82内のテスト水を外部に排出したのち、補助ケース23の上部連結フランジ部23Bから水圧テスト用カバー82を取り外す。
図15に示すように、ケースAと作業用ハウジングCとで密封する前に、換言すれば、補助ケース23の上部連結フランジ部23Bに、作業用ハウジングCの他の構成部材である作業用開閉弁Bの弁ケース24、作業ケース25、蓋カバー26を順次取付けて密封する前に、切断装置Eの伝動ケース40の入力軸38に電動モータ45を連結し、電動モータ45を起動して、切片59の厚みの実測値に基づいて算出された予備切削深さだけ、既設水道管1の切断予定箇所を予備切削する。
つまり、電動モータ45を起動すると、左右一対の駆動スプロケット39、伝動チェーン41を経て切断ユニットE1が装備されている両スプロケットホイール31が駆動回転され、各スプロケットホイール31の摺動ガイド部34に対して管径方向に摺動可能なバイトホルダ33に装着されている切削バイト4が、両切断残置管部1Bの端面1bとなる切断予定位置において管周方向に沿って移動し、バイトホルダ33を摺動させる送りネジ軸35の受動回転体37が、切断ユニットE1の回転経路脇のガイドサポート部E2に設けた係合部材36と係合すると、送りネジ軸35に単位送り量に相当する回転が付与され、切削バイト4が管径方向内方に単位送り量だけ送り込まれる。
このように切削バイト4を両切断残置管部1Bの端面1bとなる切断予定位置において管周方向に沿って径方向内方に送り込みながら移動させ、その径方向内方への最大送り込み量を予備切削深さに制御することにより、既設水道管1の切断予定箇所を、切断分離しない又は水道水の水圧で破断しない範囲内で周溝状に予備切削することができる。
図16に示すように、切断装置Eの伝動ケース40の入力軸38から電動モータ45を取り外すとともに、切断除去予定管部1Aの取水口60に連通する取水用開閉弁64及びこれに接続された給水ホース66の連結手元操作用開閉弁65をそれぞれ開き操作して、切断除去予定管部1Aの取水口60から流出する水道水を利用してケースA内の底面側に堆積した切粉(切り屑)を外部に排出する。
図17、図18に示すように、補助ケース23の上部連結フランジ部23Bに、作業用ハウジングCの他の構成部材である作業用開閉弁Bの弁ケース24、切断装置Eと弁体2とを択一的に収納可能な上部空間S1を形成する作業ケース25、蓋カバー26をそれぞれ密封状態で固定連結するとともに、第1昇降保持装置Fの昇降筒軸29を蓋カバー26に貫通支持させ、この昇降筒軸29の連結部44と切断装置Eの伝動ケース40とを固定連結する。
更に、各昇降筒軸29内に設けられている伝動軸(図示せず)と切断装置Eの入力軸38を連動連結するとともに、第1昇降保持装置Fの昇降筒軸29の上部に、伝動軸を駆動する電動モータ45を取付ける。
次に、電動モータ45を起動すると、昇降筒軸29内の伝動軸、入力軸3、左右一対の駆動スプロケット39、伝動チェーン41を経て切断ユニットE1が装備されている両スプロケットホイール31が駆動回転され、各スプロケットホイール31の摺動ガイド部34に対して管径方向に摺動可能なバイトホルダ33に装着されている切削バイト4が、両切断残置管部1Bの端面1bとなる切断予定位置において管周方向に沿って移動し、バイトホルダ33を摺動させる送りネジ軸35の受動回転体37が、切断ユニットE1の回転経路脇のガイドサポート部E2に設けた係合部材36と係合すると、送りネジ軸35に単位送り量に相当する回転が付与され、切削バイト4が管径方向内方に単位送り量だけ送り込まれる。
そして、前述の予備切削工程に引き続いて切削バイト4を両切断残置管部1Bの切断予定位置に予備切削された周溝内において管周方向に沿って径方向内方に送り込みながら移動させることにより、不断水状態のまま既設水道管1の切断除去予定管部1Aをそれの管径Dよりも小なる切断幅Wで輪状に切断分離することができる。
このとき、両排水弁18を開き操作して、切断装置Eの切削バイト4による切断作用に伴って発生した切粉(切り屑)等を、既設水道管1の両切断予定位置の下方位置に設けた各排水口16からそれぞれ外部に排出することができるから、切粉等の下流側への流出や弁座20への堆積を良好に抑制することができる。
また、切断装置Eの切削バイト4を両切断残置管部1Bの端面1bとなる切断予定位置において予備切削された周溝に沿って移動させながら輪状に切断分離するから、その切断作用に伴って発生する切粉の発生量を大幅に減少することができるとともに、切断時における両切削バイト4の管路内への突出代も小さく、水道水の流動抵抗の増加を抑制することができる。
図19、図20に示すように、作業用ハウジングCの蓋カバー26に対して第1昇降保持装置Fの昇降筒軸29をクレーン等の吊り上げ手段で上昇させ、切断装置Eを切断除去管部1Aと共に作業用ハウジングCの上部空間S1内に取り出したのち、作業用開閉弁Bを閉じ操作し、この作業用開閉弁Bの弁ケース24の上部連結フランジ部24Bと作業ケース25の下部連結フランジ部25Aとの連結を解除し、切断装置Eを切断除去管部1Aと作業ケース25及び蓋カバー26と共に撤去する。
図20に示すように、前記弁ケース24の上部連結フランジ部24Bに、水道水の水圧を利用して切粉を外部に排出する切粉排出具の排出パイプ90を回動及び上下方向に摺動自在に水密状態で貫通支持するためのパイプ支持部91を中心位置に備えた蓋体92をボルト27・ナット28にて密封状態で固定連結したのち、蓋体92のパイプ支持部91に貫通支持された排出パイプ90の手元に設けられた開閉弁93を開き操作し、その状態で排出パイプ90の先端部をケースAの内底壁面に沿って移動させることにより、ケースAの内底壁面に散在する切断時に発生した切粉の残りを水道水と共に外部に排出する。
次に、図21に示すように、第2昇降保持装置Gの昇降筒軸29を蓋カバー26に貫通させ、この昇降筒軸29の連結部44と弁体2とを固定連結するとともに、蓋カバー26の連結フランジ部26Aに、作業ケース25の上部連結フランジ部25Bを密封状態でボルト27・ナット28にて固定連結したのち、この組み物をクレーン等の吊り上げ手段で吊り上げ、作業ケース25の下部連結フランジ部25Aを弁ケース24の上部連結フランジ部24Bに密封状態でボルト27・ナット28にて固定連結する。
図21、図22に示すように、下部ケース6の排水弁18と作業ケース25に設けた給水弁50とを送水管51にて連通接続し、排水弁18及び給水弁50を開き操作して、既設水道管1内の流体を、作業ケース25と蓋カバー26とで形成される上部空間S1内に供給し、上部空間S1と下部空間S2とを同圧にした又は圧力差を減少した状態で作業用開閉弁Bの仕切弁体46を開き操作する。
作業用開閉弁Bが開き操作されると、作業用ハウジングCの蓋カバー26に対して第2昇降保持装置Gの昇降筒軸29をクレーン等の吊り上げ手段で下降させ、弁体2を作業用開閉弁B及びケースAの弁体挿入口8を通して両切断残置管部1Bの切断端面1bに触れない状態で所定の弁体装着位置にまで挿入したのち、蓋カバー26の上面と昇降筒軸29の上端部との間に、昇降筒軸29を下方に引き下げ移動させる油圧式加圧具94を設け、この油圧式加圧具94により昇降筒軸29を介して弁体2全体をケースAの弁座20側に押圧する。
この状態では、弁体2の蓋部2Aの外周面に設けた弾性シール材2Dが、上部ケース7の弁体挿入口部7Bの内周面に密封状態で圧接されているとともに、弁体2の弁体部2Bの外周面に設けた弾性シール材2Cが、一体化された両ケース6,7の内壁面に形成された弁座20に密封状態で圧接され、既設水道管1の切断除去箇所において流路が遮断されている。
図23、図24に示すように、上部ケース7の弁体挿入口部7Bの周方向複数箇所に螺合装着されている押えボルト21を径方向内方側に締め付け操作すると、各押えボルト21の先端側に形成されているテーパー状押圧面21aが、弁体2の蓋部2Aの上側角部に形成されたテーパー面2aに対して水平方向から当接し、弁体2がケースAの弁座20に押圧された密封状態で抜止め固定される。
次に、上部ケース7の連結フランジ部7Aと固定具Jを備えた補助ケース23の下部連結フランジ部23Aとの固定連結を解除して、作業用ハウジングC及び第2昇降保持装置GをケースAから撤去するとともに、上部ケース7の連結フランジ部7Aに、ケースAの弁体挿入口8を密閉する弁蓋22をボルト27・ナット28を介して固定連結し、更に、弁蓋22の軸受け部22Aの上端に形成された連結フランジ部22Bに、補助弁体3をケースAの外部から開閉操作する操作手段5の操作軸5Aに対して上下方向から脱着自在に連動する減速機15を取付ける。
そして、弁体2を流路遮断姿勢に維持したまま補助弁体3の開閉操作によって流量を確実、簡単に調節することができるばかりでなく、補助弁体3を既設水道管1の内径と同径又は少し大径に構成しても、各切断残置管部1B内の切断開口1a側の内部空間を補助弁体3の回動開閉のための作動空間として充分に活用することができるので、両切断残置管部1Bの切断端面1b間における最小間隔(切断幅W)が管径Dよりもかなり小さい条件下においても、流量を確実、簡単に調節できる状態で能率良くコンパクトに施工することができるとともに、補助弁体3が最大開き操作位置にあるときの流動抵抗を軽減することができる。
しかも、補助弁体3を開閉操作する操作手段5の操作軸5Aを小さな操作力で容易に操作することができるばかりでなく、このための減速機15を、弁体2の上側弁軸部2Eを支承する状態でケースAの弁体挿入口8を密封する弁蓋22を利用して取付けることができ、取付け構造の簡素化を図ることができる。
この第1実施形態では、図8〜図10に示すように、既設管の一例である既設水道管1の切断除去予定管部1Aの一部に径方向から穿孔して取水口60を形成し、この取水口60に、取水用開閉弁64を備えた可撓性の給液管の一例である給水ホース66を接続したが、図10の仮想線に示すように、既設管の一例である既設水道管1の切断残置予定管部1Bの一部に径方向から穿孔して取水口60を形成し、この取水口60に、取水用開閉弁64を備えた可撓性の給液管の一例である給水ホース66を接続して実施してもよい。
この場合、取水口60を形成する切断残置予定管部1Bの部位としては、作業用ハウジングCで密封囲繞される管壁部分又は作業用ハウジングC外に位置する管壁部分の何れであってもよい。
〔その他の実施形態〕
(1)上述の第1実施形態では、切断装置Eの切削具4として、切削バイトを用いたが、これの代わりに円盤状の切削具やエンドミールを用いて、両切断残置管部1Bの端面となる切断予定位置において管周方向に沿って径方向内方に送り込みながら移動させることにより、不断水状態のまま既設水道管1の切断除去予定管部1Aを輪状に切断除去するように構成してもよい。
(2)上述の各実施形態では、ケースAを上下で2分割したが、上下方向で3つ以上に分割してもよい。
(3)上述の第1実施形態では、弁体2のうち、両切断残置管部1Bの切断開口1aに同芯状態で相対向する部位に、管軸芯Xを通る径方向に沿った縦軸芯Y周りで回動開閉操作可能な補助弁体3を組み付けたが、この補助弁体3を上下方向に摺動開閉操作可能な状態で弁体2に組み付けてもよい。
また、上述の第1実施形態では、補助弁体3を、既設水道管1の内径と同一又は略同一の外径に構成したが、この補助弁体3を既設水道管1の内径よりも小に構成して実施してもよい。
更に、このような補助弁体3が設けられていない弁体2を用いて実施してもよい。
(4)上述の第1実施形態では、ケースAを構成する両ケース6,7を、既設水道管1の管軸芯Xを通る仮想水平面上の分割合わせ面において既設水道管1への装着時に溶接で一体化するように構成したが、これら両ケース6,7をフランジ接合するように構成してもよい。
(5)上述の第1実施形態では、弁体2を、ケースAの弁体挿入口8及び作業用開閉弁Bを通して両切断残置管部1Bの切断端面1b間にそれに触れない状態で所定の弁体装着位置にまで挿入するように構成したが、両切断残置管部1Bの切断端面1bにカエリ等が発生しておらず、弁体2又は補助弁体3に施されているシール材に重大な損傷を与えない場合には、両切断残置管部1Bの切断端面1bの一部又は全体を弁体2の昇降ガイド部に利用してもよい。
(6)上述の第1実施形態では、切断除去予定管部1Aの一部に切片59を切り出す状態で取水口(取液口)60を貫通形成して、この穿孔時に回収された切片59の厚み(板厚)tの実測に基づいて、既設水道管1の切断予定箇所を切断分離しない又は水道水の圧力で破断しない範囲で切断装置Eにて予備的に切削する際の最大切削深さを算出するように構成したが、切り屑から切断除去予定管部1Aの厚み(板厚)tを実測することが不能なドリル穿孔等で穿孔した場合には、既設管1の種類、呼び径に基づいて、既設水道管1の切断予定箇所を切断分離しない又は水道水の圧力で破断しない範囲で切断装置Eにて予備的に切削する際の最大切削深さを算出する。
この場合、切断除去予定管部1Aの一部に対する穿孔は取水口(取液口)を形成するだけのものとなる。
(7)請求項6の構成に基づく実施形態においては、上述の第1実施形態と同様に、穿孔時に回収された切片59の厚み(板厚)tの実測に基づいて、既設水道管1の切断予定箇所を切断分離しない又は水道水の圧力で破断しない範囲で切断装置Eにて予備的に切削してもよいが、このような予備切削を省略して、ケースAと作業用ハウジングCとで密閉された作業空間内において、既設水道管1の切断予定箇所を切断装置Eにて最初から切断するように構成してもよい。